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凛「プロデューサーへの、ご褒美」


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P「……そろそろかな」
凛「お待たせ、プロデューサー」
P「おう、着替え終わったか。お疲れ、凛。お腹空いただろ? ご飯食べに行くか」
凛「うん。ありがと」
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2: 以下、
――――
凛「ごめんね、毎回奢ってもらっちゃって」
P「何言ってんだ。これもプロデューサーの仕事だし、経費で…」
凛「落ちないでしょ。この前ちひろさんに怒られてたの、聞いてたからね」
P「うぐ…、まあ、仕事の関係とはいえ、大の大人が年下の女の子に出させるのはみっともないし」
凛「そんなの気にしなくていいのに。大体、私の方が稼いでるでしょ?」
P「そういう現実を突きつけられると心が痛いが…、とにかく、凛が負い目を感じる必要はないから」
凛「…わかった、そういうことにしとくね」
P「じゃ、そろそろ帰るか」
凛「そうだね」
3: 以下、
次の日――
凛「おはよ、プロデューサー」
P「おう、おはよう」
凛「あの、さ」
P「んー? どうした?」
凛「昨日のことなんだけど」
P「昨日? あぁ、奢ったことか。だから気にしなくていいって」
凛「うん、そのことはもう気にしないことにしたよ」
4: 以下、
凛「その代わり」
P「ん?」
凛「私からも、プロデューサーが仕事頑張ったご褒美をあげることにしたよ」
P「えっ?」
凛「そういうことだから。今日もお互い、頑張ろうね」
P「そういうことだから。って…、急に言われてもな…」
凛「ほら、撮影行くよ」
P「それ俺のセリフなんだけど…、まあいいや。行くか」
5: 以下、
――――
カメラマン「目線こっちにお願いしますー」
凛「はい」
凛「…」チラッ
P「ここはこういう感じの構図のほうが、渋谷の魅力が…」
スタッフ「あー、なるほど! ありがとうございます」
凛(…ふふっ)
カメラマン「お! いいねその表情!」パシャパシャ
6: 以下、
スタッフ「渋谷さんオッケーでーす! お疲れ様でした!」
凛「お疲れ様でした」
P「お疲れ、凛。ほら、飲み物」
凛「ありがと。プロデューサー」
P「今日はいつもより良かった気がするぞ。表情が柔らかかったし、カメラマンさんの意図が汲めてた」
凛「そうかも。よく見てるね」
P「お前の担当プロデューサーだしな」
凛「…プロデューサーも、さ」
P「ん?」
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凛「私の魅力が最大限出せるような提案、してくれてたでしょ。構図だったり、ポーズだったり」
P「まあな。凛の魅力を一番知ってるのは俺だって自負してるし」
凛「ふふ、なにそれ。よくそんな恥ずかしいセリフ言えるね」
P「恥ずかしいとか言うな」
凛「でも、ありがと。そんなプロデューサーには、ご褒美あげないとね」
P「朝言ってたけど、そのご褒美って何くれるんだ?」
凛「…控室なら誰も来ないし、いいかな」
P「ちょ、ちょっと待って! 誰か来たらまずいような事なのか!?」
8: 以下、
凛「いいからしゃがんで」
P「お、おう…」
凛「……」ナデ
P「えっ」
P(凛が俺の頭を撫でてきた…)
凛「男の人も、こうやって頭撫でられるの、好きなんだよね?」ナデナデ
P「え? いや、どうなんだろ」
凛「プロデューサー、今日もありがと。プロデューサーが一緒だったから、こうやって仕事できてるんだよ」ナデナデ
P(あ…、これ、ヤバイかも)
P(承認欲求が満たされてる上に安心感がすごい)
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凛「私が今日調子良かったのも、プロデューサーが私のプロデュースを頑張ってくれてるのが見えたから」ナデナデ
凛「プロデューサーが頑張ってるんだから、私も頑張らないと、って思えるんだよ」ナデナデ
P「凛…」
凛「はい、今日はこれでおしまい。また明日、頑張ったらご褒美ね」
P「あ、ああ…」
P(少し名残惜しいと思ってしまう自分が情けない)
P(というか、やっぱり明日以降もあるんだな)
P(……これ続いたら、ダメになるなあ)
凛「じゃ、帰ろっか」
P「…そうだな」
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――――
P(それ以来、凛の仕事に付き添ったり、凛が事務所にいるときは、仕事が終わるたびに撫でられている)
凛「今日もお疲れ様。今日はスケジュール調整だっけ? 仕事増えてきて、大変だと思うけど、頑張ったね」ナデナデ
P「それはお互い様だろ。実際に仕事をしてるのは凛なんだから」
凛「それはそうだけど。プロデューサーがいなかったら、私の仕事だって無いんだよ?」ナデナデ
P「むぅ、確かに…」
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P(撫でられること自体には慣れてきたし、こうやって仕事をした見返りがあるのは満足感がある)
P(これが当たり前になってきたせいで、凛のご褒美が無い日はちょっと物足りない)
P(って、これってまずいんじゃ…)
凛「? どうしたの、プロデューサー」ナデナデ
P「あ、いや、なんでもない」
P(こんな優しい顔してる凛に『やめて欲しい』なんて言えないよなあ…)
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別の日――
P「凛、お疲れ様」
凛「お疲れ様」
P「……なあ」
凛「わかってるよ。今日も頑張ったね、プロデューサー」ナデナデ
凛「プロデューサーが自分からご褒美欲しがるようになるなんてね。私に撫でられるの、好き?」ナデナデ
P「……」
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凛「答えてくれないんだ。好きじゃないなら、やめるね」
P「う…、凛に撫でられるの、好きだ」
凛「ふふっ、私の前でくらい、素直になってね。プロデューサー」ナデナデ
P(凛に完全に手綱を握られている…)
P(プロデューサーとしてまずいと思っていても、凛のご褒美が、麻薬みたいに、身体に刻み込まれてて…)
P(担当アイドルにこんなことされるなんて思ってもみなかったな…)
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また別の日――
P「申し訳ございません…、こちらの不手際です。…はい、はい。申し訳ございませんでした。失礼致します」
P「……はぁぁ…」
凛「どうしたの? プロデューサー」
P「先方とこっちのスケジュールが確認不足で1日ズレててな…。確認したつもりだったんだけど、抜けてたみたいだ」
凛「それって大丈夫なの?」
P「ああ、早めに気づいたからまだ調整できる範囲だった。不幸中の幸いだな…」
凛「そっか。大変だったね。お疲れ様」
P「ああ、心配かけてごめんな」
凛「……ねえ、ちょっとこっち来て」
P「ん?」
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P「応接室? なんか話したいことでもあるのか?」
凛「いいから、そこの椅子に座って」
P「? これでいいか…!?」ギュ
凛「……」ギュ
P(え? 何が起こってんの? 凛が俺に抱きついてる? なんで??)
凛「そういうこともあるよ。あんまり引きずらないで、切り替えていこ?」ナデナデ
P「あ、ああ…」
P(そういうことか…)
P(あったかい…。嫌なことがあった後にこういうことされたら、完全に堕ちるな…)
P(いや、もう堕ちてるか…)
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凛「……」ギュ
P「……」ギュ
P(しばらく、無言でハグをしていた…)
P「…凛、ありがとう。もう大丈夫だ」
P(というか、これ以上はやばい)
凛「そう? つらかったらいつでも言ってね」
P「ああ…」
凛「さ、まだ仕事残ってるでしょ」
凛「終わったら、また、ご褒美あげるから。ふふ、頑張ってね」
ガチャ バタン
P「……」
P「仕事するか…」
17: 以下、

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