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【SS】善子「私にだけ素っ気ないずら丸」
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善子(なぜかずら丸は、私に対してだけ素っ気ない)
善子(なんていうか……扱いが雑? みたいな……)
善子(ルビィや、他のみんなと接するずら丸は天使そのものだというのに……)
善子(せっかくこの高校で再会できたのにな……)
善子(自己紹介で馬鹿やって、しばらく引きこもってた私も大馬鹿だけど……)
善子(でも、毎日ずら丸がプリントやノートを届けてくれたのは嬉しかったわ)
善子(……うーん、ずら丸が私に対してぞんざいなのは、主に私が厨二的言動をする時よね……)
善子(要するに私が悪いわけか……Aqoursのみんながヨハネである私を受け入れてくれたとはいえ)
善子(ヨハネの言動を理解して、一緒に語り合ってくれるリトルデーモンになったわけではないものね……)
善子(ヨハネという存在を肯定し、私に居場所をくれたとはいえ、わざわざ会話までは付き合ってくれない……)
善子(そこにあのずら丸のツッコミよ。あいつ、昔はこんな性格じゃなかったはずなのに……)
善子(ああ……昔は良かったわ……)
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2:
?幼稚園時代?
よしこ「フンフフーン♪」テキパキ
はなまる「うう……おりがみじょうずにおるのむずかしいずら……」グニャグニャ
よしこ「かんせ?い!」ビシッ
はなまる「わ?、よしこちゃん、すごいじょうずだね?!」パァァ
よしこ「どう? いいでしょこのツル?!」
はなまる「すごいね! よしこちゃんはてさきがきようだね?!」
よしこ「はい、どうぞ!」
はなまる「え?」
よしこ「これ、はなまるちゃんにあげる!」
はなまる「え、でも……」
よしこ「えんりょしないで。もらってくれる?」
はなまる「……うん! ありがとう、よしこちゃん!」
よしこ「ふふっ。あと、わたしがおりかたおしえてあげるね!」スッ
はなまる「! ありがとう、よしこちゃん」
4:
??????
園児1「みんなでおにごっこしよー!」
園児2「するー!」
園児3「よしこちゃんもするよね?」
よしこ「うん! おーい、はなまるちゃんもいっしょにやろうよー!」
はなまる「オ、オラはいいよ……はしるのにがてだから……」トタトタ
よしこ「だいじょうぶだよ! いっしょにあそぼ!」
はなまる「うん……わかった……」
5人「「「「「ジャーンケーンポーン!」」」」」
(よしことはなまるがチョキ、他3人がグー)
よしこ「……」
はなまる(よしこちゃんはかわったチョキをだすことがおおい……ここはオラがわざと……)
6:
よしまる「「ジャーンケーンポーン!」」
(はなまるがパー、よしこがグー)
はなまる「!」
よしこ「じゃあわたしがおにねー! 30かぞえるねー!」
園児1「はーい!」ダダダダ
園児2「にげろー!」ダダダダ
園児3「はなまるちゃんもはやくにげたほうがいいよ!」ダダダダ
はなまる「うん……」トタトタトタトタ
?3分後?
よしこ「タッチ!」
園児1「うわ?、やっぱりよしこちゃん、足はやーい!」
園児1「じゃあつぎはわたしがおにねー!」
?2分後?
園児1「タッチ!」
はなまる「ずら?!」ハァハァ
8:
はなまる「くっ、まて?!」トタトタトタトタ
園児2「こっちだよー!」ダダダダ
園児3「こっちこっちー!」ダダダダ
はなまる「はぁ、はぁ……」トタトタトタトタ
よしこ「はなまるちゃん!」スッ
はなまる「え……? よ、しこ、ちゃん……」トタトタトタトタ
よしこ「わたしのて。タッチして」
はなまる「そ、そんな……」ハァハァ
よしこ「いいから。ほらっ」
はなまる「うん……わかった」タッチ
よしこ「よーし、わたしがおにだー!」ビューーン
園児1「わああああ!」ダダダダ
園児2「よしこちゃんだーー!」ダダダダ
園児3「はやいいいい!」ダダダダ
はなまる(あ、ありがと……よしこちゃん……)ハァハァ
9:
??????
よしこ「はなまるちゃんに、わたしのひみつをおしえてあげるね」
はなまる「なになに!? よしこちゃんのひみつって!」
よしこ「わたし、ほんとは天使なの! いつかはねがはえて、天にかえるんだぁ!」
はなまる「ずぅらぁぁぁぁぁ!!」キラキラ
はなまる(よしこちゃんが何でもできるのは天使さんだったからなんだぁ!)
はなまる(やっぱりよしこちゃんはすごいずら???! ……あれ? でも……)
はなまる「ねえよしこちゃん」
よしこ「なぁに、はなまるちゃん」
はなまる「どうしていつも、おだんごのところに黒いはねをさしてるの?」
11:
よしこ「え? こ、これは……」
はなまる「天使さんのはねはきれいなまっしろのはねだと思うずら。なのに黒……どうして?」
よしこ「な、なんとなく……」
はなまる「なんとなく?」
よしこ「そ、そう! なんとなく、かっこいいと思ったから……」
よしこ「は、はなまるちゃんは……いや?」
はなまる「え? ……ううん、いやじゃないよ」
はなまる「よしこちゃんににあっててかわいいと思うよ」
よしこ「ほ、ほんと!?」
12:
はなまる「うん。マルはうそつかないずら。……ところで、よしこちゃん」
よしこ「な、なに?」
はなまる「まさかそれ、おちてたカラスのはねじゃないよね?」
はなまる「もしそうだったら、ばっちぃからダメずらよ」
よしこ「こ、これはおかあさんにつれてってもらったお店でかった、あくせさりーで……」
はなまる「あくせさりー? うーん、ほんものじゃないってことずら?」
よしこ「そ、そう! だからばっちくないよ! ほんとだよ!」
はなまる「それならよかったずら!」
よしこ「うん!」
14:
??????
園児4「や?い、このえせ天使!」
園児5「天使が目にみえるわけないだろ!」
園児6「せなかにはねもはえてないくせに、ちょーしのるな!」
よしこ「うう……」グスッ
園児4「おまえのどこが天使なんだ!」
園児5「てゆーか、なんだよそのあたまのだんごの黒いはねは!」
園児6「そーだそーだ! まえからきになってたんだけど!」
よしこ「あ、あたまのこれは……」オロオロ
はなまる「あ、あれは……よしこちゃん!?」
15:
園児4「まるでカラス、いや、あくまのはねじゃないか!」
園児5「たしかに! あくまだあくま! じしょう天使のあくま!」
園児6「あくまはよくないね! あのはね、ひきぬいてやろーぜ!」
よしこ「ひぃっ!」
はなまる「やめるずら!」バッ
よしこ「は……はなまるちゃん?」
園児4「ふん、はなまるか……」
はなまる「いったいどうしたずら、よしこちゃん?」
よしこ「ごめん、はなまるちゃん……」
よしこ「わたしのひみつ、みんなにもおしえちゃった……」
はなまる「よしこちゃんがはなしたかったのならべつにいいよ。わかったずら」
16:
園児5「やいやい、よしこにまもられてばっかのはなまるになにができる!」
園児6「ノロマがあくまをかばうのか!」
はなまる「オラのことはなんとでもいえばいい……」
はなまる「でも! よしこちゃんはまちがいなく天使ずら!」
園児4「いやいや、あくまのまちがいだろ」
園児5「あくまあくま?!」
園児6「ノロマとあくま??!」
はなまる「よしこちゃんのことをばかにしたら、ゆるさないずら!!」
よしこ「はなまるちゃん……」
18:
園児4「チッ、はなまるごときがおこるとは……」
園児5「おいおまえら、おにごっこだ!」ダダダダ
園児6「わかった!」ダダダダ
園児4「ノロマのはなまるにはついてこれまい!」ダダダダ
園児5「おーいはなまるぅ、おいついてみやがれ??!」ダダダダ
園児6「やーい、このウスノロ?!」ダダダダ
はなまる「ゆーるーさーなーいずーらーーーーーー!!!」ドドドドドド
園児4「なにぃ!?」ダダダタ
園児5「いつもよりはええ!! おいつかれるぞ!!」ダダダタ
園児6「にげろーー!!」ダダダタ
はなまる「ずーーらーーーーー!!!」ドドドドドド
よしこ「はなまるちゃん……ありがとう……」グスッ
19:
??????
はなまる「よしこちゃ?ん!」トタトタトタ
よしこ「なぁに? はなまるちゃん」
はなまる「あのね……オラね……」モジモジ
よしこ「?」
はなまる「オラ……オラは……///」
はなまる「大きくなったら、よしこちゃんとけっこんしたいずら!」
よしこ「えっ!! ほんと!? ///」パァァ
はなまる「うん……///」コクリ
よしこ「やったぁ、うれしい! わたしもはなまるちゃんとけっこんする!」
はなまる「よしこちゃん……ありがとう……///」
よしこ「わーいわーい! えへへへー///」キャッキャッ
20:
はなまる「でも……」
よしこ「どうしたの?」
はなまる「よしこちゃんは天使さんずら……」
はなまる「天使さんとにんげんはけっこんできるの? おそらにかえっちゃったりしないの?」
はなまる「よ……よしこちゃん、あのとき、いつかはねがはえて、天にかえっちゃうって……う、うう……」ジワッ
はなまる「うわあああああん! そんなのいやずらぁぁぁ????!!」ポロポロポロポロ
よしこ「わっ! は、はなまるちゃん、なかないで!」オロオロ
よしこ「だっ、だいじょうぶ! は、はねがはえて、天にかえるときはね……」アセアセ
はなまる「う、うん……」グスッ
よしこ「はなまるちゃんがしんじゃったとき、わたしがおむかえをするときだよ!」
はなまる「え……オラが……しんじゃったとき?」ジワッ
よしこ「あ、あんしんして! しぬってのはこわいことかもしれないけど……」アセアセ
はなまる「うん……」ポロポロ
21:
よしこ「生きてるあいだも、わたしがはなまるちゃんのそばにずっといて」
よしこ「それで、いつか、はなまるちゃんがしんじゃったとしても……」
よしこ「そのときにわたしは天使になって、はなまるちゃんのたましいをおむかえして」
よしこ「天国でも、わたしとはなまるちゃんはずっといっしょにくらすの! だから、さびしくなんてないよ!」
はなまる「ほ、ほんと!?」グスッ
よしこ「ほんとだよ! 生きてるときも、しんだあとも、わたしたちはずっといっしょだよ!」
はなまる「よしこちゃ???ん!」ダキッ
よしこ「はなまるちゃ???ん!」ギュッ
はなまる「うわあああああん!!」ポロポロポロ
よしこ「はなまるちゃん……」ナデナデ
よしこ(け、けっきょくはなまるちゃんをなかせちゃった……)オロオロ
よしこ(でも、これはきっと、わるいなみだではなくていいなみだのほう!)
??????
22:
花丸(昔の善子ちゃんは、それはもう天使だったずら)
善子(昔の私は堕天使ではなく、天使を名乗っていたわね……そういえば)
花丸(自称なんかじゃない、オラにとっての、本当の天使)
善子(私にとっては、ずら丸が天使だったのにね)
花丸(なのに、今は堕天使を名乗ってる)
花丸(根っこは全く変わってないんだけどね)
善子(私は特別な人間だと思っていたけど、小学校、中学校を過ごすうち……)
善子(うまくいかないことが多くなって……自分は大した人間じゃないと思うようになって……)
23:
花丸(幼稚園の頃、いっぱいマルを助けてくれてありがとう、善子ちゃん)
善子(天使を名乗るなんて恐れ多くて……それでも、特別な人間でありたいと思った)
善子(だから私は……堕天使を名乗り始めた)
花丸(オラは、どんな善子ちゃんでも受け入れるずら)
花丸(今は、堕天使の善子ちゃんにツッコミを入れる時が一番楽しい)
花丸(だって、昔のように善子ちゃんと触れ合えるから)
善子(友達はたくさんいたけど、みんな堕天使という私を見ていた……)
善子(あのころは、ずら丸がいなくて……ほんとはずっと、寂しかったわね……)
花丸(Aqoursのみんなと壁なんて感じたことはないけれど……)
花丸(善子ちゃんといる時は、一段と壁なんて感じなくて)
花丸(まるで大空の下、見晴らしのいい草原の中に2人で立ってる気分になるずら)
24:
?校門前?
善子「あっ!」バッタリ
花丸「ああ、善子ちゃん」クルッ
善子「ボーっと突っ立ってどうしたの、ずら丸……まだ帰ってなかったのね」
善子「なんかおいしいものでも想像でもしてたんでしょ? 顔がにやけてるわよ」
花丸「むっ……そういう善子ちゃんはちょっと、悲しそうな顔だね」
善子「えっ?」
花丸「大丈夫?」
善子「なっ、……ククク、人間の分際でこの堕天使ヨハネの心配をするとは」
花丸「えい」チョップ
善子「いたっ! こらー! 何すんのよずら丸!」
花丸「まじめな話をしてるずら。……何か悩みがあったら相談してよ」
花丸「ちょうど今日はAqoursの練習がないんだし……ね、善子ちゃん」
善子「だからヨハネよっ!」
26:
花丸「ふふっ、さっき会った瞬間に呼んだときはその反応、なかったね」
善子「う、うるさいわね! 何度も訂正するのが面倒なだけよ!」
善子「わ、忘れてたわけじゃないんだからね!」
花丸「はいはい」ニコッ
善子(くっ、ずら丸め……やっぱり私に対してそんな態度なの? 昔とは全然違うじゃない……)
善子「笑顔は昔と変わらず可愛いけど……」ボソッ
花丸「えっ?」
善子(しまった……声に出てた!?)
花丸「よ、善子ちゃん……よく聞こえなかったから、もう一回……///」
善子「な、何ニヤニヤしてるのっ!? わ、私は何も言ってないわよ!」アセアセ
善子「そ、それより! この際だから訊かせてもらうわ!!」
27:
花丸「なぁに? 善子ちゃん」ニコニコ
善子「あんた! 他の人と私に対しての態度、違くない!?」
善子「た、例えばルビィと私とか!!」
花丸「えー、ルビィちゃんと善子ちゃんへの態度の違いー?」
花丸「それはそうだよ、ルビィちゃんはとっても良い子で、心優しくて、オラにとっての親友で」
善子「わ、私は!?」
花丸「うう……コホン……よ、善子ちゃんも……///」
花丸「善子ちゃんも……オラにとって、とっても善い子で、心優しくて、その、オラにとっての天……」
善子「善い子っていうな! 善子っていうなぁ!」
花丸「ええ……」ガーン
29:
花丸「善子ちゃん! せっかくマルが善子ちゃんのことを褒めようとしてるのに!!」プンスカ
善子「だからヨハネって言ってるでしょ! ヨ・ハ・ネ!」
花丸「そこずら!!」ビシッ
善子「え?」
花丸「ルビィちゃんと善子ちゃんの決定的な差は、そこって言ってるずら!!」
善子「え、ええ? ……ど、どこよ」
花丸「ルビィちゃんはそんな変なこと言わないずら」
善子「へ、変……」ガーン
花丸「善子ちゃんがそんなんだから、オラはこういう態度になってしまうずら」
花丸「これが、善子ちゃんと他のみんなとの、決定的な違いずら」
善子「そ、そんな……」グスッ
花丸「え? よ、善子ちゃん?」ビクッ
善子「ず……ずら丸の馬鹿ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」ダッ タッタッタッタッタッタッ
花丸「善子ちゃん!? よ……善子ちゃーーーーーーん!!!」
37:
花丸「あわわわわ……、オラは、一体どうすればよかったずら……」オロオロ
ルビィ「あれっ? 花丸ちゃん?」
ダイヤ「あら、どうしたのです? 花丸さん」
ダイヤ「今日は練習がないのですから、早く帰ったら……」
花丸「ルビィちゃん! ダイヤさん! 話を聞いてください!」ガバッ
ルビィ「え!? え!?」
ダイヤ「……分かりましたから、どうか落ち着いてください」
??????
花丸「…………というわけです」
ルビィ「うゅ……善子ちゃん、大丈夫かなぁ……」
ダイヤ「……ふむ、なるほど……」
38:
ダイヤ「これはあくまでわたくしの意見ですが……」
ダイヤ「人の話を聞かずに、善子じゃないだのヨハネであるだのとキレ気味だった善子さんが、7割悪いですわね」
花丸「じゃあ、後の3割は……」
ダイヤ「言ってることは正しかったとしても、善子さんにはっきりものを言いすぎた花丸さんも悪かったかもしれません」
ダイヤ「善子さんは何か悩んでたみたいですね。きっと心が弱ってたのでしょう」
ルビィ「そこに花丸ちゃんが、善子ちゃんに対してキツい言い方をしてしまった、ってことだね」
花丸「ううっ……」
ダイヤ「そうですわね…………それにしても、態度の違い、ですか……」
ルビィ「善子ちゃんの、ヨハネちゃんとしての言動を『変』っていっちゃったのが、決定打になっちゃったと思う」
ダイヤ「それはありますね。せめて、『変わった言動』と言うべきでしたわね」
39:
花丸「くっ……」
花丸「オ、オラは別に善子ちゃんに対して意地悪をしてるわけじゃないよ……」
花丸「善子ちゃんの『変わった言動』を含めて、あるがままを受け入れているずら……」
花丸「その上で、善子ちゃんにはとりわけ、一切の壁を取っ払って接しているずら……そしたら、こんなことに」
ダイヤ「でしたら、善子さんにそのことを、しっかり分かってもらう必要がありますね」
ルビィ「花丸ちゃん! 今の善子ちゃんは堕天使を演じるのが……堕天使が大好きなんだよ」
ルビィ「大好きなものを捨てては駄目……千歌ちゃんもそう言ってた」
ルビィ「私たちAqoursは、善子ちゃんの堕天使としての振る舞いを受け入れた……だから、拒絶しちゃ駄目だよ」
花丸「拒絶してるつもりは一切ないけど……でも、肝に銘じておくよ、ルビィちゃん」
ダイヤ「今日はこのくらいにして、後は明日どうにかしましょう。2人とも、帰りますわよ」
40:
?翌日の放課後?
花丸「善子ちゃん、今日1日学校に来なかったね……」
ルビィ「そうだね……花丸ちゃん、善子ちゃんの家に行くんだよね」
花丸「うん、先生にもプリントを渡してくれって頼まれたしね」
花丸「Aqoursの練習も休むね。ダイヤさんにもよろしく伝えておいて」
ルビィ「分かった。頑張ってね!」
?善子の部屋?
善子「うう……ずら丸……堕天使としての私を拒絶しないで……」グスッ
善子(確かに堕天使なんておかしいわよ……私だってできれば普通の人間に……)
善子(クラスのみんなの前ではできる限り普通に過ごしてるし……)
善子(でも……私は……堕天使としてのヨハネも好きで……)
善子(だから……せめてAqoursのみんなの前では……そこだけは、私の居場所に……)
41:
?????????????????????????????????????
花丸『ルビィちゃんと善子ちゃんの決定的な差は、そこって言ってるずら!!』
花丸『ルビィちゃんはそんな変なこと言わないずら』
花丸『善子ちゃんがそんなんだから、オラはこういう態度になってしまうずら』
花丸『これが、善子ちゃんと他のみんなとの、決定的な違いずら』
?????????????????????????????????????
善子「やっぱり……変、なのかな……」ズキッ
善子「私が変だから、ずら丸は他の人と私とで、違う態度で接しているっていうの……?」ズキズキ
善子「そうよね……自覚はあるし……私が変だってことくらい……」ズキズキズキ
善子「う、ううっ……ずら丸……」ズキズキズキズキ
善子(ぅぐっ……、胸のあたりが……痛い……)ズキズキズキズキ
42:
ピンポーン
善子母「はーい」
ガチャッ
善子母「あら花丸ちゃん? ごめんねぇ、ありがとねぇ」
善子母「善子ったら、今日は頭とお腹と胸が痛い、苦しいって言ってねぇ」
善子母「大丈夫よ、さ、上がって上がって」
??????
善子「なっ……、ず、ずら丸が来る……早く起きないと……」
善子「くっ!」ズキッ
善子(い、痛い……苦しい……)
コンコン
花丸「善子ちゃん? 入っていい?」
43:
善子「こないで!」
花丸「!」ビクッ
善子「あんたの顔なんて、見たくない!」ズキズキズキズキ
花丸「……っ! そ、そんなこと言わないで……」
善子「うるさい! 今はあんたに会いたくなんて……」ズキズキズキズキ
善子「ぐっ! うぅぅぁぁぁああああああ!!!」ズキズキズキズキズキズキズキズキ
花丸「善子ちゃん!?」
ガチャッ ダダダッ
花丸「善子ちゃん!! 大丈夫!? しっかりして!!」
善子「ぐっ……ぅううう……ず、ずら……丸ぅぅ……」ズキズキズキズキ
44:
花丸「善子ちゃん……ほんとに具合悪そうだね……」ギュッ
善子「はぁ……はぁ……」ズキズキズキ
善子(ず、ずら丸が……私の手を……)ズキズキ
花丸「少しは落ち着いた?」
善子「はぁ……ええ……」ズキ
花丸「マルはずっとこうしてるから……ゆっくり休んでて……」
善子「ええ……そう……するわ…………ありがとう……」
善子「………………」
??????
善子「!!」ハッ
ガバッ
善子(あ……繋いでる手が、あったかい……)
善子「ずら丸……」
花丸「あ、善子ちゃん、目が覚めた?」
45:
善子「私、どのくらい寝てた?」
花丸「うーん、30分くらいかな」
善子「そう……」
花丸「具合はどう?」
善子「ん……」
善子(今は……胸が苦しくない……)
善子「大丈夫よ」
花丸「そう……良かった」ニコッ
善子「!!」ドキッ
善子(優しい、微笑み……)
46:
善子「…………」
花丸「…………」
善子(どうしよう……この繋いだ手は……放すべき? このままにしとくべき?)
善子(……この程度のことで迷うとは……くっ、仕方ない……ずら丸に任せよう)
花丸「善子ちゃん」
善子「……何? ずら丸」
花丸「このまま手を繋いだまま、話を聞いてほしいずら」ギュッ
善子「! ……分かったわ」ギュウ
47:
花丸「善子ちゃん……マルたち、2人とも変わったよね」
善子「そ、そうね……」
花丸「卒園から高校入学まで……短いかもしれないけど、長かったよね」
善子「そうね……」
花丸「この長い日々がマルたちを変えたずら……」
花丸「オラは天使の存在を信じなくなった。それは空想上のものだって」
善子「!!」
花丸「善子ちゃんは天使ではなく、堕天使を名乗るようになった」
善子「……そうね……」
花丸「性格だって、かなり変わったずら」
48:
花丸「善子ちゃんは堕天使としての人格ができたし……」
花丸「オラは……幼稚園の頃は善子ちゃんを高く眩しい存在であると見ていたずら」
善子「…………」
花丸「でも今は、オラは善子ちゃんと同じ高さでありたいと思っているずら」
花丸「上下のない、対等な存在に……」
善子「……嘘よ……」
花丸「嘘じゃない」
善子「嘘よ! 私のことを見下してたんでしょ! 何が天使だ、何が堕天使だって!」
花丸「嘘じゃない!!」
善子「この手を放して!!」ブンブン
花丸「放さない!!」ギュウウ
49:
花丸「……どうしちゃったの、善子ちゃん……オラのことを、信じられなくなっちゃったずらか?」
善子「……信じたいけど、信じられない……」
善子「ずら丸……天使の存在を信じなくなってから、昔の私のことをどう思った?」
花丸「昔も、今も、ずうっと天使だと思ってるずら」
善子「矛盾してるじゃない」
花丸「マルは内面のことを言っているずら」
善子「内面……」
花丸「善子ちゃん。オラたち2人は、いろいろと変わったずら……」
花丸「でも! 変わらなかったものもたくさんあるずら」
花丸「善子ちゃんが昔も今も変わらず善い子だってこと……根っこは変わらず、天使みたいだってこと……」
花丸「そして! オラが善子ちゃんのことを好きだっていう気持ちだって!!」
善子「!!!」
花丸「ずっと! 昔からずっと!! 変わっていないずら!!!」
50:
花丸「オラは、善子ちゃんとはすべての壁を取っ払って関わっていたいずら」
花丸「昔のオラとは違う性格に見えるかもしれないし、接し方も違うかもしれない」
花丸「素っ気なかったり、ぞんざいな態度に見えちゃってたのかもしれない」
花丸「でも! そんなことないずら! オラはただ、善子ちゃんとは対等な関係でありたいだけずら!」
花丸「そして、自然で対等な関係でありながらも! 善子ちゃんはオラにとって……」
花丸「オラにとって、特別な人ずら!!」
善子「……っ……」ポロポロ
善子「ねえ、ずら丸」ゴシゴシ
花丸「何? 善子ちゃん」
51:
善子「私、変じゃない?」
花丸「変ではあるけど、変じゃないずら」
善子「何よそれ……」
花丸「たくさんの人から見れば堕天使の趣味はおかしいかもしれないけど」
花丸「マルやAqoursのみんなから見れば、大丈夫ずら」
花丸「これが善子ちゃんなんだって、ちゃんと理解して、受け入れてるずら」
善子「……ずら丸もそうなの?」
花丸「これでもマルは、善子ちゃんの堕天ジョークにツッコミを入れるのが好きなんだ」
善子「適当にあしらったり、馬鹿にしてるんじゃなくて……?」
花丸「オラのツッコミは、親愛の証だよ」ニコッ
善子「…………そう、なんだ……」ニコッ
52:
花丸「やっと……やっと善子ちゃん、笑ってくれたずら……!」
善子「ごめんずら丸……私、ずっとあなたのこと誤解してて……へぶっ!?」ムニッ
花丸「善子ちゃん、せっかく笑ってくれたんだから今更謝らなくてもいいずらよ♪」ムニムニ
善子「ひょっほふははふ! ほっへふはんへひひははいへ!(ちょっとずら丸! ほっぺ掴んでいじらないで!)」ムニムニムニ
花丸「はい♪」パッ
善子「まったく……」
花丸「そうだ! 変わったことと言えば」
花丸「善子ちゃんに『ずら丸』って呼ばれてるのも、最初はびっくりしたずら」
善子「……嫌、とか?」
花丸「嫌じゃないよ♪ オラはこのあだ名、とっても気に入ってるずら!」
53:
善子「そう……それなら良かったわ……、花丸」
花丸「うん!」
善子「ここまでは問題なく呼べるのよね……花丸、花丸、花丸……」
花丸(そ、そんなにマルの名前を連呼されると照れるずら……///)
善子「花丸……ちゃ……ん」
花丸「なぁに、善子ちゃん」
善子「ああああああ!! 恥ずかしいいいいい!!! /////」
善子「ごめんずら丸、花丸…………ちゃん…………に今更修正はできないわ」
花丸「別に無理しなくていいよ、善子ちゃん。どうぞ、ずら丸って呼んでください」
善子「呼び方は置いといて、あんた今日泊っていきなさいよ」
花丸「え? でも……」
善子「ちょっとお母さんに聞いてくる!」ダッ
56:
善子「お母さん! ずら丸、今日ウチに泊めてもいい?」
善子母「あらあら、私は構わないわよ」
??????
善子「良いって!」
花丸「そう……まあ、通学かばんもあるし、マルは別にいいけど……」
花丸「あの、着替えは?」
善子「私のを貸すわ。サイズは……まあ何とかなるでしょ」
花丸「そ、そう……じゃあお言葉に甘えるずら……」
花丸「ウチに電話させてもらうね」
57:
??????
花丸「はい、これプリント」
善子「ありがと」
花丸「これオラのノートね。今日の分、今日中に写してね」
善子「うん、ありがとね」
花丸「それで……なんで急に、お泊りなんて」
善子「嫌だった?」
花丸「嫌じゃないけど」
善子「……む、昔はよくお互いの家に泊まったりしたでしょ」
花丸「うん……まあね」
善子「だから……昔の再現よ」
58:
?夕食?
花丸「ごはんおいしいずら?!」パクパク モグモグ
善子母「どんどん食べてね」
善子「相変わらずの食いっぷりね」モグモグ
花丸「おかわり!」
善子母「はいはい」
善子「遠慮もないわね……」
?お風呂?
花丸「な、何もお風呂まで一緒に入らなくても……///」
善子「きょ、今日だけよ! 今日だけだからいいでしょ! ///」
善子(ずら丸のやつ……デカい! うらやましい!)
花丸(善子ちゃん細い……うらやましいずら)
善子「ずら丸、さっきから私のことチラチラ見てない?」
花丸「善子ちゃんこそ、こっちをジロジロ見てくるのやめてほしいずら」
59:
??????
善子「さて、そろそろ寝るわよ」
花丸「マルはどこで寝ればいいの?」
善子「こっ、ここに決まってるでしょ! ///」
花丸「よ、善子ちゃんのベッド!? ///」
善子「な、なんか文句でも!?」
花丸「い、いや、別に……」
善子「昔はしょっちゅう一緒に寝た仲でしょ! 気にすることはないわ!」
花丸「そ、そうだよね……」
善子「ほ、ほら、早く入りなさいよ///」
花丸「う、うん……///」
善子(ず、ずら丸ごときになぜ緊張なんかしてるの、私っ!)
花丸(よ、善子ちゃんの匂いがする……)
60:
??????
善子「…………」
花丸「…………」
善子「ずら丸、起きてる?」
花丸「なぁに、善子ちゃん」
善子「あんた、私に言ってくれたわよね」
善子「その……特別な人って……いや、それ以上に」
善子「昔からずっと変わっていない……」
善子「わ、私のことを……す……好き、だっていう気持ちが……/////」
花丸「…………//////」
善子「……って……言ったわよね……///」
花丸「そ、それがどうしたの……? ///」
61:
善子「私の気持ち、聞きたい?」
花丸「き、聞きたいずら……///」
善子「幼稚園時代のあんたの告白のセリフを言えたら、答えてあげても」
花丸「言えるずら」
善子「えっ」
花丸「オラが言ったら、今の気持ちが変わっていようとも、とりあえずあの時と同じように返してほしいずら」
善子「あ、あの時の再現ね! いいわよ」
花丸「じゃあ……善子ちゃ?ん!」
善子「え!? そこから!?」
花丸「善子ちゃん……台無しずら」
62:
善子「大きくなったら……からでいいでしょーが!」
花丸「ここから再現したいずら」
善子「ぐっ……分かったわ。ただし、天使のくだりは長いし、しんみりするし、」
善子「ていうかあの時あんた号泣してたし、今は関係ないから省略ね省略!」
花丸「いや、結構関係あるし、あそこも重要だと思うけど……」
善子「いいからあそこは省略するの! 私は天使をやめて堕天使になったの!!」
花丸「……しょうがない、分かったずら。じゃあいくよ」
63:
花丸「善子ちゃ?ん!」
善子「なぁに? は……花丸ちゃん」
花丸「あのね……オラね……///」モジモジ
善子「?」
花丸「オラ……オラは……///」
花丸「大きくなったら、善子ちゃんと結婚したいずら!」
善子「えっ!! ほんと!? ///」パァァ
花丸「うん……///」コクリ
善子「やったぁ、嬉しい! 私も花丸ちゃんと結婚する!」
花丸「善子ちゃん……ありがとう……///」
善子「わーいわーい! えへへへー///」
64:
花丸「……こ、ここまでだね……/////」
善子「はぁ……はぁ……せ、精神的疲労が……/////」
花丸「は、恥ずかしすぎたずら……/////」
善子「ほんとよ! 信じらんないくらい恥ずかしいんだけどこれ!! /////」
花丸「うぅ……コホン……、さて……」
花丸「あの時の再現もできたことだし、善子ちゃんの気持ち、聞かせてもらうずら」
善子「しょうがないわね、観念するわ」
善子「ええ、私はあんたが好きよ。結婚は置いといても、そういう感じの意味で好きよ」
善子「ずら丸。あんたの好きは……その、昔からずっと変わってないってことは……」
花丸「善子ちゃんと結婚したいずら!」
花丸「……はとりあえず置いといて、まあ、善子ちゃんと同じってことずら……///」
善子「そ、そうなのね……///」
善子「え、えへへ……///」
花丸(善子ちゃん、可愛いずら……)
65:
善子「…………///」
花丸「…………///」
善子「え? どうすんのこれ」
花丸「ど、どうするって?」
善子「だってこれ……両想いじゃない」
花丸「そ、そうだね……」
善子「…………」
花丸「…………」
善子「つ、付き合う?」
花丸「オラたちがスクールアイドルでも?」
善子「たしかダイヤさんが、『メンバー内の女性同士に限る』なら問題ない的なことを言っていたわ」
花丸「そっかあ……」
66:
善子「ず、ずら丸……」
花丸「オラ、もう眠いずらぁ……」
善子「ちょっ! ずら丸ぅぅ!!」
花丸「冗談ずら。いいよ、付き合おっか」
善子「?????っ!! /////」バタバタバタ
花丸「善子ちゃん、嬉しいのは分かったからバタバタしないで」
花丸「明日から楽しみだね……じゃあマルはこれで……」
善子「キスは?」ピタッ
花丸「!」
善子「寝る前に1回だけキスしてみるってのは?」
花丸「……」
花丸「まだ、マルたちには早いんじゃないかな……」
善子「ふふふふ、まあ幼稚園の時も、お互いじゃれ合っててもしたことないし?」
67:
善子「高校生であっても、ずら丸には早いわよねえ、やっぱり」
花丸「……」ムムム
花丸「いいずら、分かったずら。それで、どっちからするの?」
善子「へ? どっちからって……えーと……」
花丸「じゃあ、ここはじゃんけんで。負けた方じゃアレだから、勝った方がするってことにしない?」
善子「……そうね。それで良いと思うわ」
花丸(あれ? でもどっちがいいんだろう? したいの? されたいの?)
善子(したい……でもされたい……くっ、どうすれば……)
善子(……ここはずら丸に託そう……)
善子「ずら丸。私、いつものやつ出すから」
花丸「……分かったずら」
よしまる「「ジャーンケーンポーン!」」
(花丸がチョキ、善子もチョキ)
68:
花丸「あいこ……」
善子「私はヨハネチョキを出すって言ったじゃない」
花丸(さて……それでは……グーかな? パーかな?)
花丸(……よし! するのは今後、いくらでも機会があるだろうから)
花丸(ならば、まずはされることでキスとは何かを勉強する! これずら!)
善子「じゃあいくわよー!」
よしまる「「ジャーンケーンポーン!」」
(花丸がパー、善子がグー)
花丸「くっ……善子ちゃん……」
善子「2回連続で出すとは言ってないしー!」
69:
????????????????????????????????????????????
5人「「「「「ジャーンケーンポーン!」」」」」
(よしことはなまるがチョキ、他3人がグー)
よしこ「……」
はなまる(よしこちゃんはかわったチョキをだすことがおおい……ここはオラがわざと……)
よしまる「「ジャーンケーンポーン!」」
(はなまるがパー、よしこがグー)
はなまる「!」
よしこ「じゃあわたしがおにねー! 30かぞえるねー!」
????????????????????????????????????????????
70:
花丸(あの時のことをつい、思い出してしまったずら……)
花丸(状況が全然違うけど……)
善子(やっぱり、するより先に、まずはされとくべき、ってね)
善子(あの時と同じく、読みが当たったわ……今度は、ずら丸が頑張る番ね)
善子「さあ、どうぞ? 好きにしなさいよ」
花丸「うぅ……分かったずら……」
花丸「よ……善子ちゃん……///」スッ
善子(ち……近い……///)
花丸(善子ちゃん、可愛くて綺麗……)
花丸「目を閉じて」
善子「はい……///」
71:
花丸(か、覚悟を決めたずら)
花丸「……んっ……」チュッ
善子「んんっ……///」ビクッ
花丸「んんっ……ん……」チュー
善子「んん……ん……」チュー
花丸「ん…………んんっ……」チュー
善子(な、長い……! /////)
花丸「んっ……ん……んっ」チュー
善子「ん……んん……ん……はっ///」チュパッ
花丸「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……/////」
善子「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……/////」
花丸(こ……呼吸が上手くできなくて……苦しかった……/////)ドキドキドキ
善子(でも……良かった……ゾクゾクした……/////)ドキドキドキ
72:
?朝?
善子「う?ん……ふぁぁ……」
善子(結局あの後ドキドキしっぱなしでほとんど眠れなかった……)
花丸「すぅ……くぅ……」
善子(さすが、ずら丸のやつはぐっすりね……)
善子(ちょうどいい時間だし、私と一緒に起きてもらおう)
善子「ずら丸、起き……」ハッ
善子(待てよ……今ならこちらからするチャンス……!)
善子(相手は寝てるんだし……緊張は減るはず……絶好の機会……!)
善子「ずら丸?、起きないの??」
善子「今起きなかったらキスさせてもらうからね?、いいわね??」
花丸「……すや……」
善子(よし……!)
73:
善子「じゃあするわね……」
花丸「…………」
善子(可愛らしい寝顔ね……さぁやるのよヨハネ!! ///)
善子「んっ……」チュッ
花丸「…………」チュー
善子「ん……はっ」チュパッ
善子「……は、恥ずかし……///」
花丸「善子ちゃ?ん! ///」ガバッ
善子「なあっ!? ずら丸!? ///」
花丸「善子ちゃん、善子ちゃん、善子ちゃ?ん!」ギュウウッ
善子「だ、抱きつくな! その名を連呼するな! ヨハネって呼びなさい???! /////」ギュウウ
花丸「えへへ……///」ニコニコ
善子「あ、あんた、とっくに起きてたわね???!!」
74:
?登校中?
ワーワー ギャーギャー
ダイヤ「朝からさわがしいですわね……一体なんですの?」
ルビィ「あ! よく見たら遠くに歩いてるの、花丸ちゃんと善子ちゃんだよ!」
ダイヤ「あら、ほんとですわね……ふふっ」
ルビィ「2人とも仲直りできたみたいだね!」
善子「だーかーらー! あんたは私のリトルデーモンになったんでしょー!?」
花丸「だーかーらー! オラは善子ちゃんのリトルデーモンになったつもりはないずら!」
75:
善子「私と契約したでしょ! 契りを交わしたでしょ!」
花丸「なんでキ……アレがリトルデーモンの契約になるずら! オラたちは恋び……」
花丸「ああもう善子ちゃん! 通学路でこんなことを言っちゃダメずら! みんなのうわさになるずら!」
善子「みんなにうわさされるのの何が悪いのよ! ずら丸は私のリトルデーモンになったんだから!」グイグイ
花丸「なってないってさっきからずっと言ってるずら!」ベシベシ
善子「こらぁ! チョップ入れるな??!」
善子「なんで2つ返事で『うん、善子ちゃん♪』って言えないのよ!」
花丸「言うわけないずら! っていうかそこはヨハネちゃんじゃなくていいんだね……」
善子「ぐぬぬぬ……!」
花丸(だいたいリトルデーモンという存在は、間違いなく善子ちゃんより格下の立場の扱いのはずずら!)
花丸(オラはそんなの嫌ずら!!)
花丸「善子ちゃんなんてもう知らないずら」ツーン
善子(……やはりずら丸は、私にだけ素っ気ない……)
76:
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