海未「がさがさがさがさがさがさ」back

海未「がさがさがさがさがさがさ」


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そう、私は園田海未です。
高校二年生の十六歳。
花も恥じらう女子高生。
穂乃果「言い過ぎだよ」
穂乃果が横で呟く。
2:
海未「言い過ぎでしょうか」
ことり「大したことないよ」
海未「大したことないでしょうか」
凛「うん、大したことない」
希「海未ちゃんの悪い癖やね」
絵里「自分をより良く見せたいの?」
当然です。
悪いよりは良い方がいいに決まってる。
3:
にこ「ありのままじゃ嫌?」
海未「嫌です」
真姫「ホントはちっぽけなのに?」
海未「ちっぽけでも、飾らないよりはマシですから」
花陽「そんな詩でなにが飾れるの?」
なにが飾れるか、ですって?
一度座って考えてみます。
真剣に考えてみたつもりですが、答えは出ません。
頭の奥でがさがさと音がして、思考の邪魔をする。
4:
がさがさ。
がさがさ。がさがさ。
がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。
5:
気がついたら、私は飛行機の中だった。
穂乃果「海未ちゃん、高いとこ苦手なの?」
海未「どうしてそんなこと訊くんですか」
穂乃果「だって、さっきから一言も喋ってないじゃん」
上空九千メートルの迫力に、圧倒されていたのかもしれない。
エンジンが唸り、風を切る音が聞こえる。
耳を澄ませていると、段々と眠くなってきた。
6:
穂乃果「ほら、やっぱり喋らない」
うるさい。
少し静かにしてください。
今は喋る気分じゃないんです。
穂乃果「見て」
穂乃果が窓の外を指差す。
外は一面の雪景色。
辺りは白一色で覆われて、不浄なものが近づけない輝きを放っていた。
8:
穂乃果「さ、どっちが早いか競争だよ」
いつの間にか、ゲレンデの地を踏みしめていた。
スキー板にストックまで装備している。
防寒着を着用しているのに、少し肌寒い。
海未「待ってください」
遅れないようにと急いで追いかける。
意外に早くて、少々驚いてしまった。
スタートのハンデがなければ、私が負けるはずなどないのに。
9:
穂乃果「ほら、ここだよ」
海未「ここはどこですか」
穂乃果「どこって、ここはここだよ」
海未「そういう意味ではありません」
穂乃果「じゃあどういう意味?」
海未「この場所はどこなのかという意味です」
穂乃果「泊まるところ」
10:
私達はペンションの前にいた。
中に入ると、老夫婦が迎えてくれました。
「寒かったでしょう。今日は今年でも一番の寒さでしたから」
「料理ができるまで時間がありますから、自由にしていてくださいね」
12:
私は大人しく指示に従うことにした。
部屋に戻って新曲の作詞でもしていよう。
幸いにも、ノートは旅行バックの中にちゃんと仕舞われていた。
スリッパを履いたまま、しんと冷えた廊下を歩いて行く。
スキーをしていたせいか、一歩前進するごとに身体の節々が痛む。
13:
希「海未ちゃん」
海未「なんでしょう」
希「海未ちゃんの部屋はあっちやで」
彼女が指差す方に視線を向ける。
部屋のドアノブは真っ赤に染まっていた。
14:
海未「違います」
希「合ってるって」
海未「嫌です」
希「なにが?」
海未「あの部屋には行きたくありません」
希「そう固いこと言わんと、譲ってや」
海未「嫌です」
希「ありがと。やっぱり海未ちゃんは優しいね」
15:
私は赤いドアノブを握っていた。
手にべったりと赤いペンキがこびりつく。
気持ち悪い。
強烈な吐き気がして、その場でもどしてしまった。
胃液はコーヒーのように黒々としていて、この世の終わりを連想させる。
16:
黒。
ブラック。
喪服。
死。
臭いを嗅いでみる。
淹れたばかりの香ばしい臭い。
触れると火傷しそうなぐらい熱い。
17:
希「あはは、海未ちゃん吐いとるやん」
海未「すいません。気持ちが悪くてどうしても我慢できなくて」
希「ええってええって!さ、ここはうちが片付けとくから部屋に戻り」
促されるまま部屋に戻る。
室内の照明をつけると、そのまま机に向かう。
なんだか今日は調子がいい。
すらすらと詞が浮かんでくる。
これならいくらでも新曲を書き上げることができそう。
18:
ことり「海未ちゃん、ごはんだよ」
海未「はい、今行きます」
鍵をかけずに部屋を出た。
急いでいたから、仕方ない。
食堂に行くと、既に全員集合していた。
19:
穂乃果「このスープ美味しい」
花陽「美味しいけど、私はごはんかな」
凛「かよちん、そればっかりだね」
花陽「そうだね。私、ごはん好きだから」
凛「うん、知ってる」
真姫「オードブルじゃ満足できないわ」
にこ「どうせフルコース食べても同じこというんでしょ」
真姫「は?」
にこ「金持ちはこれだから嫌よね」
真姫「羨ましいの?」
にこ「当たり前でしょ」
真姫「分けてほしい?」
にこ「うん」
真姫「じゃああげる」
にこ「ありがと」
絵里「懐かしい味」
希「ふるさとの味がするん?」
絵里「うん、もう家に帰りたい」
希「なら今度一緒に帰る?」
絵里「いいわね、それ」
20:
ことり「海未ちゃん、食べないの?」
海未「食べますよ。ちょっと食欲ないですけど」
ことり「食べないと良い詞が書けないよ」
海未「そうでしょうか」
ことり「そうだよ」
なら食べないといけませんね。
目の前に用意されているスープを、一気に飲み干す。
22:
穂乃果「おっ、いい飲みっぷり」
凛「さすが海未ちゃん」
海未「やめてください、照れます」
想像以上の美味しさだった。
これならまだまだ食べることができるはず。
23:
ことり「今日の夕食美味しかったね、海未ちゃん」
海未「えっ、夕食はあれだけですか」
ことり「あれだけだよ」
無性に悔しい思いをさせられた。
今度来たら、絶対満腹になるまで食べてやる。
24:
時計の針がちくたく進む。
海未「やることがありませんね」
穂乃果「ポーカーでもする?」
海未「ババ抜きにしましょう」
穂乃果「嫌だよ」
海未「どうして?」
穂乃果「だって海未ちゃん弱いもん」
ことり「そうそう、海未ちゃん弱い」
海未「ならポーカーでいいです」
「ちょっといいかしら」
26:
横から声をかけられた。
声のした方に視線を向けると、テレビのニュースキャスターが報を伝えていた。
どうやら銀行強盗があったらしい。
穂乃果「恐いね」
ことり「そうだね」
海未「でもこんな山奥には入ってこないでしょうから、大丈夫ですよ」
穂乃果「どうして?」
27:
疑問符を浮かべる穂乃果は、納得できていない表情をしている。
どうしてって、それは。
海未「どうしてなんでしょう」
何故そう思ったのか自分でもわからない。
でも大丈夫な気がしたから、大丈夫なんです。
28:
「みなさん、よく聞いてください。大雪で外に出るのが困難になりました。ナイターで滑ろうと思っていた人も、今日は中止してください。危険です」
ペンションの管理人が私達に告げる。
ああ、確かに今日はよく降っていたから仕方ないか。
穂乃果「ええー、これからちょっと遊びに行こうとしてたのに」
ことり「残念だね」
海未「安全には代えられません」
穂乃果「そうだね、仕方ないね」
ことり「これからどうする?」
穂乃果「部屋に戻って遊ぶ」
海未「ええ、そうしましょう」
29:
そそくさと穂乃果の部屋に向かう私達。
部屋の前まで辿り着いたところで、あることを思い出しました。
海未「部屋の鍵を開けっ放しにしているので、一旦閉めてきます」
穂乃果「わかったよ」
ことり「待ってるね」
30:
捩じれ曲がった廊下は足場が悪く、歩行が困難です。
 
どうして部屋に戻る程度のことでこんな苦労をしなくてはならないのでしょうか。
 
突き当りを左に曲がる。
 
突き当りを左に曲がる。突き当りを左に曲がる。突き当りを左に曲がる。
 
突き当りを左に曲がる。突き当りを左に曲がる。突き当りを左に曲がる。突き当りを左に曲がる。
 
何度か繰り返している内に、ようやく部屋の前まで辿り着きました。
 
もちろん、鍵はかかっていませんでした。
 
何故か扉は半開きになっています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
中に入ると、希が死んでいました。
31:
喉がぱっくり裂けて、血が部屋中に吹き出ていた。
まるで噴水です。
部屋の窓は開放されていて、凍えるほどの冷気を持つ風が流れ込んでくる。
びゅーびゅー。
びゅーびゅー。
風でカーテンが揺れる度に、机の上に置いてあったノートが捲れる。
がさがさ。
がさがさ。がさがさ。
がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。
32:
手にはべっとりと赤いペンキ。
これでは私が殺してしまったみたいじゃないですか。
穂乃果「人殺し」
違う。私はやってない。
穂乃果「信じてたのに」
穂乃果、信じてください。私は誓って殺しなんかしてません。
穂乃果「お前がやったんだ」
違う。私じゃない。
ことり「みんなはどう思う?」
33:
凛「いや、これは決まりじゃないかにゃ」
絵里「信じられないわ。死んだほうがいいと思う」
真姫「そうね、人殺しは犯罪よ」
花陽「死刑がいいと思います」
希「そうやね、うちを殺した罰や」
にこ「まさかあんたがこんなことするなんてね」
34:
みんなは私を信じてくれない。
両腕を紐で括られる。
拘束されたまま地下室に監禁された。
寒い。冷たい。このままでは凍えてしまう。
海未「出してください。このままでは死んでしまいます」
身を捩り、紐の拘束から逃れようと努力する。
ふと、地下室内の作業道具が目に入った。
雪掻き用のスコップだ。
スコップの先端を紐に当て、徐々に削っていく。
35:
じょりじょり。
じょりじょり。じょりじょり。
手はかじかんで、既に感覚がない。
紐を切り落としたあと、私は急いでペンション内に戻った。
海未「誰か、誰かいませんか」
声がしない。
36:
おかしい。
そんなはずはない。
さっきまで人がいたはず。
外には雪で出られない。
リビングまで出てみた。
そこは、一面が血の海だった。
真姫を庇うように、にこが覆い被さっていた。
両者ともに息はない。
どちらも鋭い刃物で切り付けられた痕がある。
私はその場で嘔吐した。
胃の中のものがからっぽになるぐらい、嘔吐し続けた。
保身のため、壁に立てかけて並べられたストックを一本だけ手にする。
37:
ゆっくりと安全を確認しながらペンション内を探索していく。
管理人室では、老夫婦が見るも無残な姿になっていた。
殴打され、頭部が凹んでしまい、もはや原型を留めていない。
階段には逃げようとした痕跡があった。
その途中には絵里がいた。
首がおかしな方向に曲がっていて、白目を剥いて横たわっている。
廊下に進むと、赤いペンキが部屋のあちこちに続いていた。
順番に回っていく。
39:
最初の部屋では、花陽と凛が互いの首を絞めあっていた。
首にはまるで蝶のような痣がある。
凛だけは切り付けられたあとがあるから、死因は別かもしれない。
ことりの部屋に向かった。
カッターで自分の手首を切って、亡くなっていた。
恐怖に滲んだ顔を隠そうともせず、浴室に寝転んでいた。
穂乃果の部屋のドアノブに手をかける。
部屋の中から声がした。
40:
穂乃果「ねえ、これでわかったでしょ」
海未「なにがわかったというんです」
穂乃果「海未ちゃんが人殺しだってこと」
海未「いいえ、違います」
穂乃果「嘘だ」
海未「お願いだから開けてください」
穂乃果「嫌だよ。開けたら穂乃果のこと殺す気でしょ」
海未「絶対にそんなことしません」
穂乃果「信じられない」
海未「このままでは私は犯人にやられてしまいます」
穂乃果「穂乃果を守るって約束できる?」
海未「あなたは私が命をかけて守ります」
穂乃果「ならいいよ。どうぞ入って」
41:
部屋のドアが開かれた瞬間、中から包丁を持った穂乃果が突進してきた。
間一髪のところで躱し、ストックで殴る。
殴る。
ひたすら殴る。
穂乃果が悪いんですよ、いきなり凶器を持って襲いかかってくるんですから。
身体が痙攣しているところに、最後の一撃を加えようとして、振り被る。
ストックを天に掲げたまま、私の腕は動きを止めた。
42:
目から雫が零れる。
涙が止まらなかった。
どうして私が穂乃果を殺さなければならないんですか。
穂乃果「それは海未ちゃんが人殺しだからだよ」
背後から、穂乃果の声が聞こえる。
海未「違う。私は人殺しなんかじゃありません」
穂乃果「違わないよ。その証拠に、ほら」
43:
私の意思とは無関係に、ストックが振り下ろされる。
鈍い音と共に、穂乃果は完全に死を迎えた。
命を暴力で奪い取ってしまった感触が、この手から消えない。
穂乃果「あーあ、やっちゃった」
海未「仕方がないことだったんです。これは正当防衛です」
穂乃果「ふーん。親友をその手で殺しておいて、まだ言い訳するんだね。見損なったよ」
海未「なんとでも言いなさい。この件で私が罪に問われることなど、あるわけがないのですから」
穂乃果「まっ、海未ちゃんがいいなら別に文句はないかな。あとは勝手にしたら
44:
動かないことを確認したあと、私は穂乃果の部屋に入り、鍵を閉めた。
ベッドの上で寝転ぶ。
ああ、今日は本当に疲れた。
目が覚めたら、また穂乃果とゲレンデで競争しなくてはいけません。
早く身体を休めないと。
瞳を閉じて、息を止める。
頭の中でひたすら同じ音が響く。
がさがさ。
がさがさ。がさがさ。
がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。がさがさ。
「どうです。身体の調子は?」
45:
海未「いえ、別にどこもおかしくありません」
医者の男が何回も同じ質問を繰り返す。
私はどこもおかしくなんかない。
ただ大事なものを失ってしまっただけ。
「ゆっくりでいいですから、順番に思い出していきましょう。焦る必要はありません」
海未「思い出したくありません」
「まあまあそう言わず。事件解決は全てあなたの手にかかっているんですよ」
海未「そうでしょうか」
「そうです」
海未「わかりました」
46:
「頑張ってください。唯一の生存者として、亡くなった友人の方々のためにもできることから始めていきましょう」
海未「はい」
「この装置はまだ試作段階ですので、精度が高くありません。ですが繰り返し使用することで、より正確な記憶を掘り起こすことができるでしょう」
海未「あと何回ぐらい試せばいいんですか」
「あと七十五回ほど繰り返せば良い結果を導き出せるでしょう」
海未「多いですね」
「おやめになられますか」
海未「いえ、続けてください」
47:

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