毒使い娘「キヒヒッ……王子様を毒殺しちゃえばいいのね?」back

毒使い娘「キヒヒッ……王子様を毒殺しちゃえばいいのね?」


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1:
<毒使い娘の家>
毒使い娘「ご用件は?」
大臣「我が国の王子を……毒殺して欲しい」
毒使い娘「王子様を? どして?」
大臣「王子は次期国王であり、我が娘の婚約者でもある」
毒使い娘「ふうん……だったら生かしておいた方があんたにとって都合いいんじゃないの?」
大臣「いや、私にそのような野心はないし、残念ながらあの方は王の器ではない……」
大臣「王となられても民はもちろん、本人も決して幸せにはなれない」
大臣「ならばいっそ今のうちに……と考えたのだ」
毒使い娘「よっぽどダメダメなんだねえ、その王子様」
               
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4:
大臣「ダメというわけではない」
大臣「聡明で、お優しい方なのだが……あまりにも柔弱すぎるのだ」
毒使い娘「なら、王子様に王になるのをやめさせればいいんじゃないの?」
大臣「あいにく、継承者が王位を辞退することは許されておらんのだ」
大臣「だから、せめて……苦しまないように死なせて欲しい」
大臣「もし成し遂げてくれたら、10万ゴールド差し上げよう」
毒使い娘「!」
毒使い娘「キヒヒヒッ! やるやる! やるわ! 王子様を毒殺しちゃえばいいのね?」
               
          
7:
大臣「ところで、どんな毒を用いるのだ?」
毒使い娘「あたしの首に巻きついてる、この蛇いるでしょ?」
毒蛇「シャーッ!」
大臣「!」ビクッ
大臣(悪趣味なマフラーだと思ったら、蛇だったのか……!)
毒使い娘「こいつから抽出した毒薬を使えば、王子様ポックリいっちゃうよ」
毒使い娘「出回ってない毒だから、お城の医者じゃ死因分からないだろうしねえ」
大臣「……そうか」
大臣「では、方法はあなたに任せるとして……どうかお願いする」
毒使い娘「キヒヒッ、任せといて!」
バタン……
               
          
8:
毒使い娘「…………」
毒蛇「…………」
毒蛇「おい」シャー
毒使い娘「なによ」
毒蛇「毒殺なんて引き受けて大丈夫なのかよ?」
毒蛇「オメー、毒の調合はともかく、誰かを毒殺したことなんかないだろうが」
毒使い娘「だーいじょうぶよぉ。なんとかなるでしょ、多分」
毒蛇「バカだろお前」シャーッ
毒使い娘「相変わらず毒舌だねえ、あんた」
毒蛇「なにしろオレは毒蛇だからな」
コンコン……
               
          
12:
青年「こんにちは……」ガチャッ…
毒使い娘「あら、いらっしゃい……。キヒヒッ、一日にお客が二人も来るなんて珍しいねえ」
青年「どうも……」
毒使い娘「で、ご用件は?」
青年「ボク……死にたいんだ」
毒使い娘「へ?」
青年「だから……毒薬を売って欲しいんだ」
毒使い娘「キヒーッ、自殺志願者!?」
               
          
14:
毒使い娘「なんで死にたいの? 人生に疲れちゃったの?」
青年「うん……疲れてしまった」
青年「生まれた時から巨大な期待をかけられておきながら、ボクはそれに押し潰され……」
青年「引きこもってばかりで、婚約者の顔すら知らないありさま……」
青年「ボクが死んだ方がきっと、この国はよくなるから……」
毒使い娘「この国がよくなる、ときましたか」
毒使い娘「キヒヒ、聞いた? こいつ一人死んだぐらいで世の中なんも変わらないよね」ボソッ
毒蛇「……最低だなお前」ボソッ
               
          
17:
毒使い娘「ま、いいわ。だったらこの薬売ってあげる」
青年「いいのかい?」
毒使い娘「うん、本当は他の人の毒殺に使うつもりだったんだけど、譲ってあげる!」
青年「ちなみに……誰を?」
毒使い娘「聞いて驚いてね……この国の王子様! 王子様を毒殺したら大臣から10万ゴールドもらえるの!」
青年「え……」
毒使い娘「なんだつまらない。大して驚かないでやんの」
毒蛇「ていうか、バラしちゃダメだろそれ!」シャーッ
毒使い娘「あーっ!!!」
               
          
18:
毒使い娘「いっけない……。今のは聞かなかったことにして!」
青年「う、うん……」
毒蛇「バカすぎる……」
青年「ところで、君の首に巻きついてる蛇は言葉をしゃべってるけど……」
毒使い娘「ああ、こいつ? こいつね、突然変異の毒蛇で、自分の毒があまりにも強力すぎて」
毒使い娘「それで脳をやられちゃって、しゃべれるようになったんだって! キヒヒッ、バカでしょ〜?」
毒蛇「バカにバカっていわれたくねえよ」シャー
青年「そ、そうなんだ」
毒蛇「オメーももっと驚けよ! さっきからリアクション薄くてつまんねえよ!」シャーッ
青年「す、すみません」
               
          
19:
毒使い娘「で、どうする? これ買うの?」
青年「いや……やっぱりやめとく」
青年「自分で死んだら、君が手に入れるはずの10万ゴールドが台無しになっちゃうしね」
毒使い娘「ふうん、よく分かんないけどまぁいいや」
毒使い娘「あ、そうだ! 死なないんだったら、あんたヒマになったでしょ?」
毒使い娘「だったらさ、あたしと一緒に王子様毒殺しようよ!」
青年「えっ、ボクが……?」
毒使い娘「ね、お願い。少しぐらいなら分け前あげるしさ」
青年「う、うん……分かったよ」
毒蛇(王子暗殺を誘うバカと、あっさり引き受けるバカ……バカコンビ誕生だな)
               
          
21:
毒使い娘「ところでさ、王子様を毒殺しちゃうにはどうすればいいと思う?」
青年「うーん……そうだなぁ……」
青年「やっぱり、料理に毒を仕込むのが一番やりやすいんじゃないかな?」
毒使い娘「キヒヒッ、なるほど!」
毒使い娘「あんた頭いいじゃん。死ぬのなんてもったいないよ」
青年「あ、ありがとう」
毒使い娘「よぉ〜し、だったら料理人に化けるのが手っ取り早いねぇ」
毒使い娘「お城へレッツゴー!」
               
          
22:
<城下町>
毒使い娘「城下町はいつ見てもキレイだねえ」キョロキョロ
青年「うん……」コソッ…
毒使い娘「ん? なんでコソコソしてんの?」
青年「いや……もし知り合いに会ったらマズイから……」
毒使い娘「ああ、そういや自殺しようとしてたんだもんねえ。もしかして、いじめられてた?」
毒使い娘「だいじょぶよぉ、あんたをいじめる奴はあたしが毒殺したげるから!」
毒蛇「でかい声で毒殺とかいうなよ」シャー
               
          
23:
<城門>
毒使い娘「よーし、あそこにいる門番に話しかけて、さっそく料理人として雇ってもらおう!」
青年「あの……」
毒使い娘「なによ?」
青年「ボクはここで待ってるよ……」
毒使い娘「えぇ〜、ここまできて怖気づいたの? あんたとならいい毒殺ができると思ったのに」
毒蛇「いい毒殺ってなんだよ」シャー
青年「ご、ごめん……」
毒使い娘「ま、いいや。あんたはここで待ってて!」
               
          
25:
毒使い娘「キヒヒッ、あのぉ……」
門番「――ん?」
毒使い娘「あたし、このお城で料理人として雇ってもらいたいんだけど」
門番「料理人? そういえば募集してたな」
毒使い娘「えっ、ラッキー! じゃ、採用ってことで」
門番「ちょっと待て」
毒使い娘「へ?」
門番「当然、免状は持ってるんだろうな?」
               
          
26:
毒使い娘「免状? なにそれ?」
門番「“料理人としてある程度修行しました”ってことを証明する書類だ」
門番「さすがにド素人を城の料理人にするわけにはいかないからな」
毒使い娘「いいでしょ、そんなのなくても。もっと開放的になろうよ」
門番「ダメだ!」
毒使い娘「あたしだって、お城の料理人にならなきゃダメなのよ!」
門番「なんで?」
毒使い娘「だってあたし、王子様を毒殺しな――」
毒蛇「ふんっ!」ギュッ
毒使い娘「ぐえっ……!」
毒蛇「すみませんね、門番さん。免状とやらをゲットしてから、また来ますよ」シャーッ
門番「う、うむ……(蛇がしゃべった……!?)」
               
          
27:
毒使い娘「ゲホッ、ゲホッ! なにすんのよ、窒息死するとこだったよ! このバカ!」
毒蛇「バカはオメーだろ! 俺が止めてなきゃ、今頃暗殺者として牢獄行きだ!」
毒使い娘「くぅ〜、正論! 蛇のくせに!」
毒蛇「オメーがアホすぎんだよ! 人間のくせに!」シャー
青年「どうだった?」
毒使い娘「ダメだった。料理の免状がないとダメだってさ」
青年「免状か……」
毒使い娘「どうすれば手に入るんだろう……」
毒使い娘&毒蛇&青年「うーん……」
               
          
29:
ブス「あらぁ〜ん?」
毒使い娘「キヒッ!?」
毒蛇「うおっ!?」
毒使い娘「ねえねえ、こいつすっごいブスだよ!」
毒蛇「ああ、まるでこの世のものとは思えねえ! 終末的ブスだ!」シャーッ
青年「二人とも、なんてことを……」
ブス「ブス? んふふぅ、褒め言葉だわぁ」
毒使い娘「しかもすっごいタフ! しゃべる蛇にも全然動じてないし!」
毒蛇「おいおいおい、オレらの毒舌が通用しねえだとお!?」シャーッ
               
          
30:
青年「あなたは?」
ブス「アタシは通りすがりのブスよ」
ブス「今あんたたち、免状の話をしてたでしょぉ〜ん?」
毒使い娘「してたよぉ〜ん」
毒蛇「真似すんなよ」
ブス「アタシ、城下町で食堂を経営してて、免状を発行する権限も当然あるわ」
ブス「だから、ウチで働いてみない?」
毒使い娘「どのぐらい修行すればくれるのよ? なるべく早く欲しいんだけど」
               
          
31:
ブス「本当は2〜3年はかかるけど、今なら特別サービスして一ヶ月で免状出してあげるわ」
毒使い娘「一ヶ月で!?」
毒蛇「悪くねえな」シャーッ
青年「うん……いい話かも」
ブス「ただし真面目に働いたら、だけど」
毒使い娘「よぉ〜し、決めた。あたしら、あんたんとこで働くよ」
毒使い娘「よろしくね、ブス!」ガシッ
ブス「こちらこそね、ブキミ女!」ガシッ
毒蛇(この世の女のワースト2が手を組んだって構図だな)
               
          
32:
<食堂>
ブス「じゃ、今日からさっそく始めてもらうわん」
ブス「二人とも、エプロンつけて」
毒使い娘「キヒヒ……」ギュッ
青年「は、はい」モタモタ…
毒使い娘「およ? あんた、なかなか似合ってるじゃない。かっこいいよ」
青年「君も……笑顔が紫色のエプロンとよく似合ってて、可愛いよ」
毒使い娘「あたしが……可愛い?」
毒使い娘「キヒヒ、ヒヒヒーッ!」
青年「!?」ビクッ
毒蛇「ビックリさせて悪いな、こいつ容姿について褒められるの慣れてねえから」
               
          
34:
毒使い娘「――で、なにから始めるの?」ワクワク
ブス「決まってるでしょ〜、皿洗いよ」
毒使い娘「皿洗いィ? なんで料理教えてくんないのよ」
ブス「新入りは皿洗いから。当然でしょぉん」
毒使い娘「ま、いいか。よぉ〜し、やってやろうかねえ」
青年「う、うん……でも皿洗いって難しそうだなぁ」
毒使い娘「だいじょぶよぉ、毒を食らわば皿まで!」
毒蛇「意味分かんねえよ」シャー
               
          
35:
毒使い娘「ふんふ〜ん」ジャブジャブ
ブス「あらあんた、不気味なツラに似合わずなかなか手際いいわねん」
毒使い娘「キヒヒ……皿や器の扱いは、毒薬の調合で手慣れてるからね」
ブス「なるほどね」
青年「えぇ〜と」モタモタ…
毒使い娘「あんた、不器用ねえ。見てるこっちがハラハラするよ」
青年「ボク、こういうの初めてで……」モタモタ…
毒使い娘「そうなんだ。あ、結構いいとこのお坊ちゃんだったりするの?」
青年「!」ギクッ
青年「いや、あの、その……」
毒使い娘「あれ、もしかしてビンゴってやつ?」
ブス「おやめなさいな。人間それぞれ、語りたくないことってあるのよん」
毒使い娘「キヒヒ、それもそうだね!」
               
          
36:
ブス「今日はここまででいいわ。帰っていいわよん」
毒使い娘「ふう、終わった!」
毒使い娘「キヒヒ……じゃ、帰ろっか」
青年「……うん」
毒使い娘「ん? あんまり帰りたい感じじゃないね」
毒使い娘「あんた、死ぬっていってたけど帰る家あんの? よかったらウチくる?」
青年「ボクなんかを気にかけてくれて、ありがとう」
青年「でも、大丈夫……ボクも家に帰るよ。みんな大騒ぎしちゃうから」
毒使い娘「そっかぁ〜」
毒使い娘「じゃ、明日からよろしくね。二人で免状ゲットしようね!」
青年「……うん!」
               
          
38:
翌日――
<食堂>
ブス「今日からあんたらに料理についてビシバシ叩き込むから」
ブス「しっかりついてきなさいよぉん」
ブス「やる気を見せなかったら、ディープキスしちゃうんだから!」
毒使い娘「ひぇぇ、おっかないねぇ」
毒蛇「このブスのディープキスなんざ、どんな毒薬よりも猛毒だろうな」
青年「頑張ります!」
               
          
40:
ブス「焼く時はメラメラと、情熱的に!」ボワァァァ…
毒使い娘「熱いねえ、汗だらだらだよ、あたし」
ブス「煮る時はグツグツと、焦らず騒がず」グツグツ…
青年「はい!」
ブス「揚げる時はカラッと、弾けるように!」ジュワァァァ…
毒使い娘「キヒーッ!」
ブス「炒める時はシュバッと、素早く軽やかに!」ジャッジャッ
青年「なるほど!」
ブス「蒸す時はムスッとした顔で、熱を包み込むのよん」シュシュシュ…
毒蛇「ブスがムスッとすると、凄まじい破壊力だな」シャーッ
               
          
43:
ブス「基礎はこんなところねん」
毒使い娘「あんた教え方がうまいから、上達が早いよ。ブスだけど」
ブス「おだてても、なにも出ないわよん」
ブス「ところであんた、なるべく早くお城の料理人になりたいんでしょ?」
毒使い娘「うん」
ブス「だったらなにか得意料理を身につけるべきだと思うわぁん」
ブス「一ヶ月しかないんだし、あれこれやるより、一つに絞った方が効率いいしね」
毒使い娘「そうだね……考えとく」
               
          
44:
毒使い娘「ねえねえ」
青年「なんだい?」
毒使い娘「王子様を料理で毒殺しちゃうってことは、つまり最後の晩餐になるわけだから」
毒使い娘「王子様の好きな料理を作ってあげたいんだけど……王子様の好きな料理ってなんだろね?」
青年「ボクはキノコライスが好きだよ。お米とキノコを混ぜたやつ。亡くなった母上の得意料理さ」
毒使い娘「いや、あんたの好みじゃないって」
青年「あっ! ――そ、そうだね! ご、ごめんっ!」
毒使い娘「でもキノコライスか……いいねえ、それにしよう!」
毒蛇「オメーは毒キノコを扱うから、キノコの扱いには長けてるしな」
               
          
45:
青年「……君はどうして毒使いに?」
毒使い娘「ああ、あたしんち代々毒使いの家系でね」
青年「へぇ〜」
毒使い娘「子供の頃から毒の勉強や調合ばかりやらされて、一通り学び終えたから」
毒使い娘「独り立ちして城下町近くに引っ越してきたってわけ」
毒蛇「独り? オレを無視すんなよ」シャーッ
青年「アハハ」
毒使い娘「狩猟用の毒や医療用の毒なんかを作って売って、細々やってたんだけど」
毒使い娘「このたび、ようやく王子様毒殺という大役を任されたってわけよ!」
青年「君は……すごいな」
青年「まだ若いのに、他人に負けないものを持ってて、自分の力でお金を稼いで……」
青年「それにひきかえ、ボクは……全然ダメだ」
               
          
46:
毒使い娘「そんなことないって」
毒使い娘「あんただって、自分の足であたしんとこまで自殺しに来たじゃない」
青年「ど、どうも……」
毒使い娘「それにさ、あんたはあたしにここまで付き合ってくれてるじゃない」
毒使い娘「本当に……嬉しかったんだから」
毒使い娘「あたし、あんたが死ななくて、本当によかったと思ってるよ」
青年「!」
青年「……ありがとう」
毒使い娘「じゃ、また明日ね〜!」
青年「またね!」
               
          
48:
なにこの毒使いかわいくね?
               
          
49:
<食堂>
毒使い娘(よ〜し、王子様に毒を盛るためのメニューも決まったし、頑張ろう!)
毒使い娘(これに入ってる毒薬で、王子様を死なせれば10万ゴールド……)
ブス「あら、またその変わった小瓶をいじってるのねぇん? なにが入ってるの?」
毒使い娘「ああ、これ? 毒――」
毒蛇「ふんっ!」ギュッ
毒使い娘「ぐえっ!」
毒使い娘「キヒヒ、調味料よ、調味料。料理人になった時のためのね」
ブス「ふぅ〜ん、ちょっと見せてもらってもいい?」
毒使い娘「いいけど、絶対舐めちゃダメだよ。秘伝の調味料なんだから」
ブス「そんなことしないわよぉん」
ブス「……どうもありがと。返すわ」
ブス「ところで、なんの料理に専念するか決まった?」
毒使い娘「決まった! キノコライス!」
               
          
50:
毒使い娘「ご飯と、キノコをま〜ぜ〜て〜」ジャッジャッジャッ
毒蛇「おおっ、いい匂いじゃん!」シャーッ
毒使い娘「でしょ〜? あたし、才能あんのかも」
毒蛇「まあ、元々手先は器用だしな」
毒使い娘「いいお嫁さんになれるかな?」
毒蛇「なれねえよ。もらってくれる奴がいねえ」
毒使い娘「ぐむう……」
               
          
51:
毒使い娘「さ、食べてみて!」
青年「いただきます……」モグッ
毒使い娘「――どう?」
青年「……おいしい! おいしいよ!」
毒使い娘「キヒヒヒッ、やったぁ! これなら王子様喜んでくれるかな?」
青年「うん、絶対喜んでくれると思うよ」
毒使い娘「そういってもらえると、嬉しいねえ」
毒使い娘「毒の調合もいいけどさ。料理って……楽しいね!」
青年「!」ドキッ
青年「そうだね!」
               
          
53:
一ヶ月後――
<食堂>
ブス「あんたたち、一ヶ月間休まずサボらずよく頑張ったわねん」
ブス「約束の免状よぉん」
毒使い娘「ありがとぉ〜」
青年「ありがとうございます!」
ブス「これを持ってけば、門番にも料理人として扱ってもらえるはずよぉん」
ブス「頑張ってね、ブキミ女!」
毒使い娘「うん! 色々ありがとう、ブス!」
               
          
55:
毒使い娘「よぉし、明日は二人でお城に行こうね」
青年「……いや、ボクは行けない」
毒使い娘「え?」
青年「ごめんね、ボクにも事情があって」
青年「詳しいことはいえないんだけど……」
毒使い娘「いや、いいっていいって。こっちこそ変なことに巻き込んじゃってごめんね」
青年「…………」
               
          
56:
毒使い娘「でもさ、もしあたしが捕まらずに無事やり遂げられたら、また一緒に遊ぼうね」
毒使い娘「あたし、あんたのこと気に入ってるしさ」
青年「……そうだね」
青年「ボクも……もしボクが普通の人だったら……君と一緒になりたかった」
毒使い娘「へ?」
青年「それじゃ……」タッタッタ…
毒使い娘「…………」
毒使い娘「あいつ……なんか変じゃなかった?」
毒蛇「そうか? いつもあのぐらいのテンションだろ」
               
          
57:
翌日――
<城門>
毒使い娘「ジャーン、免状よ! どうよ?」バッ
門番「おおっ、それは料理人の免状!」
門番「分かった……料理長に取り次いでやるから、ちょっと待っていろ!」
毒使い娘「気持ちいい〜……一ヶ月間、苦労したかいがあったね」
毒蛇「ま、大変なのはここからだけどな」シャー
               
          
58:
<城の厨房>
料理長「お前が新入りか」
毒使い娘「よろしくね」
料理長「さっそくだが、今日は王子直々にリクエストがあってな」
料理長「どうしても“一番新しい料理人の料理”を食べたいそうだ」
料理長「よって、今一番新しい料理人となると、お前になってしまうのだが……やってくれるか?」
毒使い娘「やるやるぅ!」
毒使い娘「キヒヒ、いきなり大チャンスだねえ」ボソッ
毒蛇「ああ、都合よすぎて怖いくらいだ」ボソッ
               
          
59:
毒使い娘「ご飯とキノコをま〜ぜ〜て〜、バターとニンニクも入〜れ〜て〜」
毒使い娘「よぉく炒めて〜」ジャッジャッジャッ
毒使い娘「よっしゃ、出来上がりぃ!」
毒使い娘「あとはこいつに毒薬をふりかければ……王子様を毒殺できるけど……」
毒使い娘「…………」
毒蛇「どうした?」
毒使い娘「あのさあ」
毒蛇「うん」
毒使い娘「人を毒殺しちゃうって、もしかしてとんでもないことなのかもしれないね」
毒蛇「え、今さら!?」シャーッ
               
          
60:
毒使い娘「いやほら、あたしに付き合ってくれた彼も、死のうとしてたのをやめたわけじゃない?」
毒使い娘「だからさ、王子様も……死ぬことなんかないんじゃないかって」
毒使い娘「いくら王として不向きだからってさぁ、死ななきゃならないなんてことあるかなぁ?」
毒蛇「まあ……な」
毒蛇「じゃあどうする? やめるか?」シャー
毒使い娘「どうしよう……」
毒蛇「オレが決めることじゃねえ。お前が……決めろ」
毒使い娘「…………」
               
          
62:
料理長「なにをやっている? あとはその調味料をふりかけるだけだろう?」
料理長「王子はお待ちかねだ。とっととかけてしまえ」パッパッ
毒使い娘「あっ」
料理長「これでよし。あとはメイドに持っていかせれば――」
毒使い娘「ああっ、ダメダメぇ!」
毒使い娘「これはあたしが持ってくよ!」
料理長「しかし、新入りが王子に会うなど許されることでは――」
毒使い娘「キヒーッ!!!」ギロッ
料理長「持ってって下さい!」
               
          
65:
毒使い娘「…………」スタスタ
毒蛇「おい……このメシ、王子のとこに持ってって……どうすんだよ?」
毒使い娘「分かんない」
毒蛇「分かんないって……まだ毒殺を実行するかしないかの決断もできてねえだろ!?」シャーッ
毒使い娘「とにかく持っていく……王子様に食べさせるかどうかは、その時また考える」
毒蛇「いきあたりばったりすぎるぜ……」
毒蛇「まあいい、最後まで付き合ってやるよ!」シャー
毒使い娘「ありがと!」
               
          
66:
<王子の部屋>
コンコン…
毒使い娘「失礼します。お食事をお持ちしました」ガチャッ…
王子「!」
王子「――やぁ」
毒使い娘「あ、あんた……!」
王子「参ったな、まさか君自ら運んでくるとは思わなかった」
王子「ボクの最後の晩餐を……」
               
          
67:
毒使い娘「どうして……どうしてあんたがここに!?」
毒蛇「そうか……オメー、王子様だったのか」
王子「うん……そうだよ」
王子「この国の法では、ボクが生きている限り、次期国王はボクだ。辞退は許されない」
王子「だけどボクに王位を継ぐ器はない……」
王子「ならボクがこの国のためにできることはただひとつ」
王子「死んで、他の優秀な者に次の王になってもらうことなんだ……」
               
          
68:
毒使い娘「ダメよ……ダメぇ」
毒使い娘「あんた、あんなに楽しそうだったじゃない……なのになんで死ぬのぉっ!」
毒使い娘「やだよ、あたしやだぁっ! あんたに死んで欲しくない!」
毒使い娘「あたし……あんたが好きだもの!」
王子「……ボクも君のことが好きだよ」
王子「だけどボクは……生きているわけにはいかない」
王子「さ、その皿をよこすんだ」
毒使い娘「ダ、ダメェェェッ!」
               
          
69:
毒使い娘「これはあたしが食う!」バクッ
王子「な!?」
毒使い娘「全部……全部食ってやる!」ガツガツ
王子「なんてことを! ――すぐ吐き出すんだッ!」
毒使い娘「キヒヒ……もうダメ、飲み込んじゃったから」
王子「あああっ……!」
王子「なら……君一人死なせるものか! ボクも食べる!」ガツガツ
毒蛇「ケッ、バカどもが……元々はオレの毒だし、オレも付き合ってやるぜ!」ガツガツ
毒使い娘「ううう……あたし、あんたらと死ねるなら笑って死ねるよ……キヒッ」ムシャムシャ
王子「ボクもだよ……。人生の最期に、君たちに出会えて本当によかった……!」ムシャムシャ
ガツガツ… ムシャムシャ…
               
          
71:
……
毒使い娘「……死なないね」
王子「ホントだね」
毒蛇「どういうことだ……? 毒はたしかにふりかかってたのに……」
毒使い娘「よく分かんないけど……」
毒使い娘「みんな助かってよかったぁ〜〜〜〜〜!」
王子「よかったぁ〜〜〜〜〜!」
毒蛇「よかったなぁ〜〜〜〜〜!」シャーッ
               
          
74:
毒使い娘「ねえ……」
毒使い娘「本当によく分かんないけど、あたしら毒食って助かったんだからさ」
毒使い娘「もう死ぬなんてやめよ?」
毒使い娘「もう死んだようなもんだから、怖いもんなんかないでしょ?」
毒使い娘「生きようよ! でさ、やっぱり死にたくなったら、今度こそ完璧に毒殺したげるからさ!」
王子「……うん」
王子「君の料理を食べたからか、なんだか甘ったるくて清々しい気分だ」
王子「ボクはもう死んだ身……精一杯生きてみるよ」
王子「――王子として!」
               
          
75:
パチパチパチパチパチ…
ブス「王子様、いい顔になったわん」
王子「あなたは……!」
毒使い娘「ブスじゃん!」
毒蛇「なんでここにいんだよ!?」シャーッ
ブス「あんた、よかったわねぇ〜、好きな人を毒殺せずに済んで」
毒使い娘「キヒヒ、まあね」
毒使い娘「――って、なんであんた、毒殺のこと知ってんの!?」
毒蛇「おいブス……オメーさては、なにかやったな?」
ブス「そうよぉ〜、ブキミ女の持ってた毒薬の瓶は、ただの砂糖が入った似たデザインの瓶と」
ブス「すり替えておいたのよ!」
毒使い娘&王子「えええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
毒蛇(そうか……。一度、毒の入った瓶をこいつに渡したことがあったが、あの時か)
               
          
77:
毒蛇「オメー、最初からなにもかもお見通しだったってわけか!」
ブス「もっちろん!」
ブス「ブキミ女の正体と目的も、王子様のことも、全部分かってたわぁん」
ブス「なにも悪いことしてない王子様が毒殺されちゃうのはあまりにも不憫……」
ブス「けど、アタシじゃ王子様を立ち直らせることはできないわ」
ブス「だから……毒を扱うブキミ女ならって賭けてみたのよ。毒を以て毒を制す、ってやつね」
毒使い娘「ふうん、つまりあたしはブスの掌の上で踊らされてたわけだ」
毒使い娘「やるじゃん、ブスのくせに」ギロッ
ブス「修行が足りないわねえ、ブキミ女」ジロッ
王子「こ、怖い……!」
毒蛇「全世界でワースト2の女同士のにらみ合いだ……寒気がするぜ」シャー…
               
          
79:
毒使い娘「でもどうして、なにもかもお見通しだったの?」
毒使い娘「あんたの正体は王家を守る凄腕のエージェントだったってこと?」
ブス「んなわけないでしょ?」
ブス「アタシはしがない食堂のオ、ン、ナ」
ブス「だけど、パパがなに企んでるかぐらいは察しがつくわ」
王子「そうか……! 君は大臣の娘だったのか!」
ブス「イエッス!」
ブス「あ、だけど勘違いしないでねぇ〜ん。アタシはあんたらの仲を引き裂くつもりはないから」
ブス「毒が入った料理で心中できるような二人に割って入ろうとするほど野暮じゃないわん」
毒使い娘「話が分かるじゃん、ブスのくせに」キヒッ
ブス「幸せになりなさいな、ブキミ女」ムフッ
王子「二人とも、いい笑顔だ……」
毒蛇「ワースト2の女同士が仲良しになった……吐き気がするぜ」シャー…
               
          
80:
ブス「王子様……」
王子「は、はいっ!」
ブス「さっきもいったけど、本当にいい顔になったわ。昨日までとは別人よ」
ブス「今のあなたなら、お父様の後を継いで、立派な王になれるわ」
ブス「――ねえ、パパ?」
大臣「……うむ」
               
          
81:
王子「大臣……」
大臣「殿下、申し訳ございません」
大臣「私はあなたの毒殺を企てておりました」
大臣「どうか……私に死罰をお与え下さい!」ガバッ
王子「いや……大臣が私利私欲ではなく、真に国のためボクのためを思ってやったことだというのは」
王子「ボクもよく分かっている」
王子「今回のことは忘れて、どうかこれからも国のために尽くしてほしい」
大臣「殿下……!」
王子「それに、大恩人の父君を死なせるわけにはいかないしね」チラッ
ブス「さっすが王子! 婚約者から下りたことを後悔したくなっちゃうわぁ〜ん」
王子「ア、アハハ……」
               
          
83:
王子「じゃあ改めて、君に伝えたい」
毒使い娘「へ?」
王子「どうかこれからも、ボクと一緒にいて欲しい」
毒使い娘「へ……え……あの、その……」キョドキョド
毒使い娘「やっぱりさ、あたしみたいなのが王子様とくっつくなんてまずいんじゃ……」
王子「好きだ!!!」ギュッ
毒使い娘「キヒーッ!!!」
毒蛇「なんつう声出しやがる!」シャーッ
ブス「でもお似合いだわん。ちょっぴり妬けちゃうくらい」
毒蛇「これからも、あいつらの親友でいてやってくれよ」
ブス「もちろんよぉん。あの二人だけじゃ不安だしね」
毒蛇「へっ……もしオレが人間だったら、あんたに惚れてたかもしれねえな」
ブス「あらアタシ、蛇でもかまわないわよん?」ペロリ…
毒蛇「前言撤回します、ごめんなさい」
               
          
84:
そして――
<王の間>
王子「父上、みんな! ボクは歴代の王に負けないような立派な王になることを目指します!」
王子「ボクはもう……逃げません!!!」
ワアァァァァァ……! ワアァァァァァ……!
国王(後継ぎとはいえ、半ば見放していたのだが……いつの間にか立派になりおって)
国王(今や余に劣らぬほどの王者の風格を身につけている……!)
国王(妃よ……天国から見ててくれているか……)
               
          
85:
毒使い娘「いい決意表明だったよ、かっちょよかった!」
王子「アハハ、ありがとう。どうかボクを支えて欲しい」
王子「あ、だけど毒薬の研究は続けていいからね」
毒使い娘「キヒヒ、当然よぉ。あんたが死にたくなったら、毒殺しなきゃいけないんだから」
王子「二度とあんなこと考えないよう頑張るよ」
毒使い娘「キヒヒ……どうかしらねえ?」
毒蛇「やれやれ、バカコンビがとんでもねえバカップルになっちまったぜ」シャー
後に王子は王位を継ぎ、「王国史上最も偉大な王」として語り継がれる名君となる。
そのかたわらには常に、毒蛇を首に巻き、ひきつった笑みを浮かべた王妃がいたという――
         〜おわり〜
               
          
86:
乙おつ
おもしろかった
               
          
8

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