一夜限りの国を築いた話【思い出】back

一夜限りの国を築いた話【思い出】


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1:
大人たちの飲み会についてきた小学生達が廃園した幼稚園でそれぞれの国を築いた話です
思い出しながら書くんで聞いてください
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2:
ちょっと面白そう
4:
まず舞台は近所にある廃園した幼稚園
少子化のあおりを受け取り壊しが決定し
昔幼稚園に通っていた大人たちが惜しんで最後に盛大なパーティを開いた
昼の三時か四時ごろに大人たちは集まり、狭い園庭でバーベキューセットを組み始めた
園舎内のひまわりぐみ(年少)は大人たちの宴会のメイン会場となり
親についてきていた小学生達は園内のさまざまな場所で遊びだす
ももぐみ(年中)さくらぐみ(年長)おゆうぎしつがこの後の建国の舞台となります
5:
簡単な見取り図かいてみた
これを見ながら読んでくれるとわかりやすい
11:
この見取り図から滲み出る>>1の可愛いオーラは一体なんだ
6:
当時小5(集まった子供の中では最年長)だった1は真っ先にさくらぐみへ向かった
この幼稚園の最後の卒業生であり、思い入れは人一倍だったのだ
勢いにつられて他の子供達も数人さくらぐみへ集まり、室内の物色が始まった
この頃人気が集中していたおゆうぎしつでは、子供達が手に抱えるほどの大きさの
ぶつけても痛くないような素材のカラフルなブロックを発見する
このブロックが国の成り立ちへと繋がっていく
7:
ブロックを見つけた子供達は、我先にとブロックを積んで家を作り始めた
といっても座布団二枚分くらいのスペースを残して自分の周りをぐるっと囲んだだけなのだが
豪華なものだとブロック3段積みの壁付きの家もある
赤のブロックだけ、黄色と水色のしまもようなど配色にこだわった家もあらわれ
おゆうぎしつ以外で遊んでいた子供達もそれを見るや否や
わたしもやりたい!とおゆうぎしつからブロックをせっせと運び始めた
そこでいい顔をしなかったのが元からおゆうぎしつで遊んでいた子供達
「ブロックを持っていくなら、かわりに何かをちょうだい」と条件を付け始めた
8:
それを聞いたももぐみで遊んでいた子供達は、となりのひまわりぐみの大人達から
ウインナーや焼肉を盗んできて「これと交換して」とおゆうぎしつの子供達へ差し出した
それをみていた我らさくらぐみの子供達も、何か交換するものを探さなきゃ!と
慌ててさくらぐみへと引き返す
こうして子供達はそれぞれ自分の遊んでいる部屋で家を築き
ブロックなどの物々交換を主とした三国が誕生する
9:
ももぐみ王国 
 同じく小5のゆうとくんを国王とするほぼ独裁国家
 おとな国から奪ってきた食料を他国民に売りつけることで利潤を獲得する
おゆうぎしつ共和国 
 低学年生たちを中心に、仲良しグループが集まって築かれた国
 領土、国民数ともに子供たちの三国中最大
 おゆうぎしつの奥のようぐしつには様々な遊び道具や交換用ブロックが備蓄されている
 
さくらぐみ国
 1が所属していた、さくらぐみに来たはいいが資源も何もない弱小国
 国民数4人と最小国でもある
おとな帝国
 飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをこの後夜中まで繰り広げる
 親たちが中心だが、こどものやっていることにあまり関心はないもよう
この時点の勢力関係は
おゆうぎしつ>ももぐみ>>>>>さくらぐみ
10:
面白そうだね!
12:
国の個性や特色が見え始めてくると、子供たちはそれぞれの国に帰属意識を持ち
もっとも頭の切れるもの、もしくはもっとも年上のものが指導者として選出された
1もさくらぐみの指導者となり、なんとか他国と渡り合うための交換材料を探し始める
といっても廃園となったせいでさくらぐみ内はすっからかん
もとよりおゆうぎしつ以外は特に何もないのだが、ももぐみの場合は隣に大人たちがいるので資源には困らない
ももぐみの指導者ゆうとも大人たちの食料は重要だと考えたようで
他国民がおとな帝国の食料を無断で取りに行くことができないよう、廊下に検問を設置した
これでなんとなく親の元へ行きたくなった幼児以外、他国民はおとな帝国への出入りを制限される
13:
三国志とか好きなんでわくわくするw
14:
食料を奪う道を経たれた今、さくらぐみ国にできることはとにかく自国にあるもののなかから
使えそうなものを絞り出すくらいである
国民4人全員での捜索の末発見できたのは
はさみ のり 画用紙 マジック こま ダンボール の6つのみであった
はさみ類は工作の時間に使っていたものの余り、こまも確か年長になると習得しなければいけないので
練習用のが余っていたのだろう
ダンボールを開けてみると、中にはおゆうぎ会で使ったと思われる衣装類
これは使えそうだ
15:
まずおゆうぎしつ共和国に目をつけた
あそこは低学年が多く女子率も高いため、この衣装類をちらつかせれば確実に釣れる
しかし衣装は小物を除くとわずか8着ほど、その上小学校低学年女子が好きそうな衣装となると
さらに数は少ない
そこで思いついたのが加工貿易である
ここにある画用紙に可愛らしい模様を書き、はさみでリボン型にでも切り取れば
なかなか喜ばれそうだ
幸運なことにさくらぐみには手先が器用なものが集まっていたため
早生産にかかった
まずはこのアクセサリーとおゆうぎしつのブロックを物々交換し
そのブロックを使ってさらにももぐみ王国の食料と交換するという作戦だ
16:
色とりどりの水玉やチェック柄のサンプル用リボンを持ち、お付きを従えて
おゆうぎしつ共和国へと交渉に向かった
向こう国の立てている門番に「ブロックが欲しいならこうかんするものを!」と言われ
今から見せるから女の子達を集めてくれと頼んだ
家作りに夢中だった女の子の中から数人が集まり、わざともったいぶりつつリボンを見せると
かわいい、ほしいの嵐
それじゃあブロックをくれる?と言うと女の子達はそれぞれ作りかけの自分の家から
余りのブロックをたくさん持ってやってきた
国民数が多い上にそれを取りまとめるはっきりとした指導者がいないため
こんな単純な手でブロックを集めるのもなかなか簡単だ
18:
集まったブロックの数は4人で持ち帰るのがやっとなほど
元からあったブロックと足せば20個弱はあるだろう
しかしここで油断して使いまくってはいけない
お腹をすかせた国民達の声もあり、ブロック1つと画用紙、マジック、こまを持って
ももぐみ王国へと向かった
部屋へ入って驚いたのはそのブロックの数
大人たちから奪ってきた食料をブロックと交換しまくったのだろう、
ゆうに40個は超えていた気がする
ブロックで机を作り、その上には紙皿に乗った焼肉やウインナー、ジュースが並べられていた
その奥のブロックで作られた玉座に座っているのが国王ゆうと
ももぐみ王国の下っ端たちには取引の権限がないので、ゆうとに直接交渉する
19:
1「お肉がほしいんだけど」
ゆ「ブロックは?」
1「ブロックもあるけど、他のものと交換しない?」
まずはこまを取り出し、ゆうとの前で回してみせる
ゆうとも数年前はこの幼稚園でこま回しをしていたんだから、ちょっとは懐かしいはずだろう
それに座ってばっかりじゃ暇なはずだ
ゆ「こまだけじゃ交換できねぇなぁ」
さすがゆうと商魂たくましい
そんなこともあろうかと、持ってきていた画用紙と黒のマジックをゆうとに差し出した
ゆうとが最近ロボットの絵を描くことにハマっているのを知っていたのだ
21:
「これに『焼肉一皿ブロック○○個』とか書けばいいんじゃない?」
あえてゆうとの趣味には触れず、これがあれば交渉が便利になると熱弁した
国王ゆうともついに折れる
「じゃあ好きなのふた皿とジュース一つだけ持っていっていいよ」
どうせなら人数分ほしかったが、これ以上粘ると逆に何も貰えなさそうなので
素直に条件分の食料を年下の子供たちに選ばせて意気揚々とさくらぐみへ帰った
そして焼肉とウインナーの盛り合わせふた皿を4人で囲み、少しずつ分けながら食べた
普通に遊んで大人たちの元へ行けば熱々の焼きたてを好きなだけ食べられたが
苦労して手に入れた冷えた焼肉だってめちゃくちゃおいしい
小さい子達に優先してあげながらおいしいね、おいしいねと食べたのが印象に残っている
22:
お腹も少し膨れたところで、新しくおゆうぎしつ共和国に売り込むグッズを製作していると
いつのまにか三国間の雲行きが少しずつ怪しくなっていた
国がはじまってから1時間半ほど経っていたと思う
おゆうぎしつ共和国では、それぞれ国民が好き放題アクセサリーや食べ物と交換するので
備蓄ブロック数が減り始め、他国に渡すブロックを節約しようという声があがりはじめた
さらに大半の国民が腹いっぱい焼肉を食べ、当分食べ物はいらないという状況に
ももぐみ王国では、最大の市場であったおゆうぎしつ共和国の節約方針により買い手が激減
さらに国王ゆうとの独裁政治のせいでろくに遊べないままこきつかわれていた王国民達の中から
自ら望んで焼肉食べ放題の大人帝国の捕虜になるものが続出した
29:
俺も参加したかった・・
39:
このときのブロック備蓄数で言えば
ももぐみ王国>>おゆうぎしつ共和国>>>>さくらぐみ国
このままではまずいと考えたおゆうぎしつ共和国は
ようぐしつを探し回った末次なる策を編み出す
「おゆうぎしつおもしろいよ、来てください」と使者に声をかけられ
様子見のつもりで向かうと、おゆうぎしつ全体が前にも増して賑やかになっていた
低学年生たちが協力しあい、男の子がようぐしつから跳び箱や平均台を運び出し
女の子が全力で接待する、遊園地的なものが出来上がっていた
使者はももぐみ王国へも行ったのか、国王ゆうとも視察に来ていた
40:
確かおゆうぎしつでやっていたのは
アスレチック ドッジボール おにごっこ かくれんぼ などなど
女子はほぼアスレチックとかくれんぼ担当
男子と足の早い女子はドッジボールとおにごっこを一緒にやってくれるらしい
騒いで走り回りたいお年頃、しかも数時間さして動かず物足りなかった小学生達にはぴったりだ
一つの種目にブロック一個で何人でも参加できるという格安設定もあり
ももぐみもさくらぐみもダッシュで自国へブロックを取りに行った
ゆうとは相変わらずお付きの下っ端に取りに行かせていた
一分も経たないうちに、ブロックを取られないように自国の入り口につけていた見張りも含め
この幼稚園にやってきた子供たちのほぼ全員があつまった
41:
真っ先にドッジボールに参加し、自国の低学年の女の子達には
アスレチックのほうに行かせた
国王ゆうともドッジボールに参加、普段あまり話す仲ではなかったが
おゆうぎしつ共和国民たちのヨイショもあってか試合はかなり白熱し、すごく楽しかった
しかしこんなときにも商魂たくましいゆうと、お付きの下っ端に何かを命令し
自国から何かを取ってこさせる
後で知ることになるがこの下っ端は実は国王ゆうとの妹
本来ならお姫様の立場の妹をさんざんこき使いまくっていたのだ
忠実なる妹がおっかなびっくりで持ってきたのは、お盆に載せたたくさんの紙コップ
スポーツしたから喉渇いただろ?買えよ^^ということだった
42:
おゆうぎしつの子供たちもなかなか頭がいいのだが、ゆうとのほうが常に一枚上手だ
のどかわいたよーとすがりついてくる子供たちを邪険に扱うことも出来ず
仕方なく人数分のジュースを購入した
共和国民達も激しい運動をしていた男の子を中心に何人かジュースを買い
国王ゆうとの横で妹がブロックをいっぱい抱え立っていた
その後しばらく遊んだ後、一旦ももぐみ王国民もさくらぐみ国民も自国へ引き返すのだが
ここでももぐみ王国のほうに一大事件が起きる
まさかの新勢力の登場である
43:
めちゃくちゃおもしろいな!
44:
国王ゆうとのもとで食料仕入れ係としてこき使われ
おとな帝国に亡命した元ももぐみ王国民達数名が
焼肉をさんざん食って腹いっぱいになりももぐみ王国へと戻ってきたのだ
これにゆうとはもちろんキレた
裏切ったくせに、今更戻ってくんじゃねぇ!と元仕入れ係達を怒鳴りつけ
反発した仕入れ係達はももぐみ王国にあるブロックを持ち逃げし
ろくに焼肉を分けてもらえなかったおとな帝国前の門番と共謀して
新勢力ろうかの民となる
これでももぐみ王国民が激減し、実にゆうと、ゆうとの妹、その友達のわずか三名となる
こうなるとこちらが有利になると思われたが、未だブロック備蓄数はももぐみ王国がトップ
そのうえおゆうぎしつ共和国民とさくらぐみ国民にとっても対岸の火事では済まされない状況に陥る
45:
おゆうぎしつ共和国より上手だったももぐみ国王ゆうと、さらにその上手を行く
ろうかの民たちは、なんと持ち逃げしたブロックで幼稚園唯一のトイレの前に門を作り
「トイレ使用料」を取り始めたのだ
当分トイレに行っていない上にジュースを飲んでしまった子供達は
これを聞いて顔面蒼白になった
煽るかのように「トイレは今つかえませーん、どうしても使いたいなら一人ブロック二個!」と
叫んでくるろうかの民のせいで尿意は増す一方
しかしここで行けば負けだ、せめてもう少し値下げするまで粘ろうと三国民間に連帯感が生まれ始めるも
すでに低学年生たちはきつそうだ
こんな状況なのにおとな帝国民達が酔っ払ってトイレに来るとニコニコしながら門を通すろうかの民たち
皆指をくわえてみていたが、ここまでくると大人に助けを求めるのは野暮である
46:
なぜか悪運の強い国王ゆうと
ももぐみ王国は人数が減ったおかげでトイレに行きたがる国民が0らしい
ブロックを持ち逃げされたものの、王国民数人をトイレに行かせるよりは安くついたようだ
一方国民数が最も多いおゆうぎしつ共和国民の状況は悲惨
さくらぐみ国でさえ1年と2年生の二人を行かせることになってしまったのだから
低学年生率がさらに高いおゆうぎしつ共和国の出費がかさみまくる
こうして独立したことにより以前より格段に待遇がよくなり
楽にブロックも稼げて左団扇のろうかの民たち
これを何とかしなければ…と1は自国にこもり策を考える
47:
ここでのおおまかなブロック所持数は
ももぐみ王国>ろうかの民=おゆうぎしつ共和国>>さくらぐみ国
どの国もこれ以上ブロックを減らすものかと倹約を始め、経済が停滞してきた
何か新しいものづくりをと考えたが、今手元に残っているのは衣装類とはさみとのりと赤のマジックだけ
おゆうぎしつ共和国民達の財布の紐がゆるいときにこの衣装類を高く売りつければよかったと
後悔したが時すでに遅し
改めて状況を考え直すと、国王ゆうとの元から逃げ出したのは元食料仕入れ係と
おとな帝国前の門番
そして一気に形勢を逆転できるような秘策を思いついた
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48:
低学年二人を残し、お付きを一人連れておとな帝国のあるひまわりぐみへと向かった
角を曲がったところで一度ろうかの民に呼び止められるも
トイレじゃなくひまわりぐみへ行くのだと話すとあっさり解放される
ももぐみのゆうとの目をかいくぐり、ひまわりぐみの扉を開けると
大人たちの半数がべろんべろんに酔っ払い、腹を出して歌いまくっている者もいた
おお来たのか!焼肉食べてけ!という声に一瞬ひきこまれそうになるも
とにかくさっさとあるものを回収して自国に帰らなければいけない
教室の隅に目をやると、想像していたとおり鬼の勢いで空けられたビール瓶がたくさん並んでいた
49:
当時小5の1が考え抜いた末思いついたのは、通貨がないなら作ればいいじゃないということだ
ブロックを主とした物々交換はもう古い
持ち運ぶのは大変だし、皆家の材料となるブロックを進んで使いたがらない
ここで新しい通貨を流せば、一気にさくらぐみ国がトップへ躍り出ることが出来るはずだ
大人たちの許可を得てビール瓶のふたをありったけ袋につめ
他国民に怪しまれないよう腹や背中に隠しながら、走って自国へと戻った
待っていた低学年二人にふたのとがった部分を叩いて内側へ丸めさせ
通貨に使えるよう全員で加工を始めた
50:
通貨いいな!
51:
完成した通貨サンプルを持ち、おゆうぎしつ共和国へと向かった
トイレ占領事件によりブロック数が激減、サービス産業も停滞してきたおゆうぎしつ共和国は
手を組んで新しい通貨を流通させるにはもってこいの国だ
門番もいなくなったおゆうぎしつの扉を開けると、それぞれ低学年の女の子達はおままごとに集中し
男の子は惰性でドッジボールを続けていた
近くにいた子にちょっといい?と声をかけると、ここちゃんに聞くから待ってとの返事
どこかに走っていったその子の帰りを待っていると、奥の用具室から
新指導者ここちゃん(小3)が現れた
52:
ちっちゃい子だな…大丈夫か…?と不安になったものの
とりあえずここちゃんとその取り巻きの子達相手に交渉開始
ブロックの変わりにこれを使わない?もちろん協力してくれるなら
ここちゃんたちにはゆうとくんのところよりもいっぱいフタをあげるからと説得にかかる
取り巻きの子達はここちゃんこれいいよ!これもらおうよと飛び跳ね始めるが
冷静に考え込んでいるらしいここちゃん
「フタを使うのはいいけど、ゆうとくん達が新しいフタを大人からとってきちゃったらどうするの?」と
的確に突いてきた
ここちゃん…小3の癖に出来る…
53:
そんなこともあろうかと、僅かなさくらぐみの備品を使って対策を施しておいたのだ
ビール瓶のフタをひっくり返したところに、赤いマジックでしるしをつけてある
マジック自体はゆうとのところへ持って行ったものがいくつかあるものの
赤いマジックを持っているのはさくらぐみのみ
つまり使える通貨を流通する権限はさくらぐみ国だけが持っているのだ
これだったら偽物を使えないから安心だよ、とここちゃんに力説すると
それじゃあいいよと快諾してくれた
これから加工できるであろうすべてのフタのうち、三割をおゆうぎしつ共和国へと渡し
意気揚々とひとまずさくらぐみ国へ引き返した
54:
お留守番兼加工係の低学年二人組にOKだって!と伝えると
やったーと抱き合って喜んでいた
あとはこの中の1,5割をももぐみに、0,5割をろうかの民たちにお情けで分けてやるだけだ
引き続き低学年たちに留守と加工を任せ、ももぐみへと向かった
するとここちゃんに内緒で頼んでいたとおり、おゆうぎしつ共和国民はまだ買い物に来ていない
すかさず国王ゆうとに「新しい通貨を流通させたいんだけど…」とここちゃんのときと同じことを話し
1,5割をもったいづけて渡した
ろうかの民には「もうブロックは使えなくなったから、今はみんなこれを使ってるよ」と
0,5割を渡し、再びさくらぐみへと戻った
55:
そこから経済はもとの賑やかさを取り戻した
皆進んで新通貨フタを使い出し、小腹が空いたものはももぐみ王国へ
遊びたいものはおゆうぎしつ共和国へと向かった
さくらぐみ国もおゆうぎ会の衣装を持ってセールスに向かい
一番可愛いドレスはフタ5つで売れるなど大もうけだった
また、唯一貨幣製造の権利を持つさくらぐみは銀行として機能し始め
これを交換してほしいんだけど…と持ってきたものをフタ通貨と交換してやり
買い取ったものをさらに高値で他国民に売るという商売も始めた
このときの勢力で言えば
さくらぐみ国>>おゆうぎしつ共和国>>ももぐみ王国>ろうかの民
さくらぐみ国の時代が来ていた
59:
まじおもしろい
62:
さくらぐみ国が経済の全てを握っているといっても過言ではない
どれくらいのお金を世に出すかも、自分達が好きに調節できるのだ
おゆうぎしつ共和国の一角をかり、衣装やアクセサリーを並べて
さくらぐみ国の低学年の女の子二人に店を始めさせた
さすがおままごとで慣れてるだけあって、呼び込みもセールストークも上手い
儲けが増えてきたがやはり在庫は減る一方
大人たちが肉を焼く限り商売を続けられるももぐみ王国
サービス業で成り立つおゆうぎしつ共和国
トイレ使用料で一定の稼ぎはあるろうかの民たちに比べると、やはりこのシステムは脆い
勢いに乗ってなにか新しい、そして客の集まる商売を考えなければ…
63:
そんな時再び事件が起きた
偽通貨が出回り始めたのだ
怪我をしないよう内側に丸める加工がされていないフタ通貨を見て怪しんだここちゃんが
裏側を確かめると、案の定赤いしるしがつけられていなかっというわけだ
おゆうぎしつ共和国指導者ここちゃんが直々にさくらぐみ国まで報告しに出向いてくれた
どこの国がやったのだろうと考えてみる
おゆうぎしつ共和国はまずないとして、ももぐみ王国にもカラクリは説明してあるので
ゆうともさすがにわざわざ偽通貨を使わないだろう
となると必然的に考えられるのが、ろうかの民だ
64:
こんなことがあってはならないと1、ゆうと、ここちゃんの三国の代表が集い
トイレ前を占領するろうかの民を問い詰めるとあっさり白状した
しかし向こうも言い分があるようで、「自分達も好きでこんなことしているわけではない
ゆうとの扱いが酷いので逃げ出し、なんとか稼ごうと思ってトイレを占領したが
お金はあまり増えないので仕方なくおとな帝国から盗んできた」とのこと
確かにそれは気の毒だ
それにこちらとしても、これ以上トイレを占領されては困る
ここちゃんと話し合い、ろうかの民という組織の解体が決定した
ろうかの民4人中2人はここちゃんの元でサービス業の手伝い
残りの2人はさくらぐみ国で新事業を手伝ってもらおうということになった
65:
1が考え付いた新事業とは、当時はそんな概念知らなかったが
今思えばギャンブルのようなもの
まず裏側にハートを書いたフタをさくらぐみ国内にいくつか隠し
一番多く見つけたものが優勝、二番目に多く見つけたものが準優勝となり
フタ通貨を得られる
参加者は参加料として一人あたりフタ2枚を徴収され
その中の8割は賞金に、2割は手数料としてさくらぐみ国のものとなる仕組みだ
参加者全員の同意が得られれば一度にフタ5枚などレートをあげることもでき
この事業は大成功した
66:
だいたい毎回4〜5人は参加していたと思う
ろうかの民から拾ってきた二人に準備中隠し場所をのぞく参加者が出ないよう見張りを頼み
壁にずらっとならんだ扉付きのロッカーなどいろいろな場所に隠しまくった
このとき大体夜の八時、昼から続く神経はりっぱなしの国同士の争いで
みんなの謎テンションがピークとなり金の使い方も荒くなる
一人フタ5枚をかけていたときなど、一番に見つけた参加者の下へ他の参加者が突進していったこともあった
だいたい10分に一度の開催、毎回大盛り上がりで手数料も儲かり
まさにさくらぐみ国の時代となっているとき、三国が崩壊する最後の大事件が起きる
67:
このゲームに初めのほうは女子も参加していたのだが
男子の異常なヒートアップっぷりにどん引き次第に女子の参加率が減ってくる
そんな子達がどこで遊んでいたのかといえばおゆうぎしつ共和国
なわとびをしたり跳び箱をしたり、ボールを投げて遊んだりと向こうは向こうで楽しくやっているはずだったのだ
事件が起こったのは何度目かのゲームが開催され次の隠し場所に悩んでいた頃
見張り役をしていたろうかの民出身の男子が「おゆうぎしつで何かあったって!」と慌てて知らせに来た
作業を中断し向かうとおゆうぎしつの前に集まる大人たち
ひまわりぐみで酔っ払いまくっていたはずなのに、ただ事じゃない何かを感じた
68:
外でおろおろしていたここちゃんに話を聞くと
遊んでいた女の子(ゆうとの妹の友達)が跳び箱を飛ぼうとして顔面から落ちたらしい
それを聞いた大人たちが駆けつけ、危ない遊びはやめろ!もう帰るぞ!と言い出したと
しかも跳び箱の係だったはずの元ろうかの民の男子は
勝手に抜け出しさくらぐみのゲームのほうに参加しまくっていたらしく
止める役が不在のまま跳べない高さの跳び箱を無理に飛ぼうとして堕ちたとか
ゆうとの妹の友達もたいがいだが、男子のほうも
ここちゃんに拾ってもらった恩を忘れて勝手な奴である
69:
子供達の「お願いだからもうちょっとだけ」の声も無視され
片付けなさい!との命令が下った
親としてはそりゃけが人が出た以上続けさせるわけにもいかない
皆不満げなままようぐしつに跳び箱や平均台を戻し、きれいに積まれ
家がわりとなっていたブロックも回収された
20分ほどで全ての片づけが終わり、親達の宴会ももう少しで終わるからひまわりぐみにいなさいと言われたとき
振り返って見た明かりの消えたおゆうぎしつやろうかがものすごく寂しかった
その後ひまわりぐみに集まった子供たちはそれぞれ親の元で残りの肉を食べた
元おゆうぎしつ共和国指導者ここちゃんはお母さんのところでなっちゃんを飲み
元ももぐみ王国国王ゆうとは隅でDSをしていた
70:
九時を回って廃園パーティーは完全にお開き
夜道を親と帰っている途中、何をしていたのと聞かれて国を作ってた話をすると
それは楽しかったねと言ってくれた
幼稚園はその後働きかけもあってか廃園は免れたようで
いまは公民館だか資料館だかとしてお年寄りに細々と利用されている
この日は本当に最高の日で、今でもたまに思い出すが
歳をとってしまった今また幼稚園に国を築こうとしてもあの楽しさは感じられないと思う
そう思うと寂しくなるが、あの日のことを誰かに知ってもらいたくてスレを立てました
予定より書き終わるまでに時間がかかってしまったけど、見てくれた人たちありがとう
おわり
74:
子供なのにすごい知的な攻防で面白かった!!
ありがとう
75:
久しぶりにこんなに面白いスレをみた
>>1おつ
77:
面白かったー
跳び箱で怪我人が出なきゃフタ通貨を巡って戦争まで発展してたかもなw
79:
こういう知力も体力も全力で遊ぶ事って大人になると出来なくなるよね。
子供の頃を思い出して読ませてもらいました!!
ほんと、おもしろかった!乙でした!!
8

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