英玲奈「コトリのアトリエ?」あんじゅ「十一月」希「二十六日は」ツバサ「いいチームの日?」ことり「いい風呂の日♪」back

英玲奈「コトリのアトリエ?」あんじゅ「十一月」希「二十六日は」ツバサ「いいチームの日?」ことり「いい風呂の日♪」


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【五月】
ツバサ「チームワークよ!」
英玲奈「突然どうした?ツバサ…」
ツバサ「私たちって個々の能力は高いけど、個性はバラバラでしょ?」
あんじゅ「そーね」カミノケクルクル
ツバサ「だからこそ!私たちに必要なのはチームワークだと思うの!」
英玲奈「それはもっともだが…現状、我々にそれが欠けているようには感じない」
あんじゅ「そうよね。私たちって仲良しだから♪」
ツバサ「確かに私たちは仲良しだけど…それだけで満足していてもいいのかしら?」
えれあん「えっ」
あんじゅ「何がいけないっていうのよ?」
ツバサ「ただの仲良しとチームワークは別物よ。そう思わない?」
あんじゅ「もっともらしいこと言っちゃって…」
英玲奈「まあ、確かに…スポーツなどでも馴れ合いのチームが良い結果を出せないことはあるようだが」
あんじゅ「じゃあ、ツバサは具体的にどうしたいのよ?…まさか、距離を置こうとか言うつもり?」
ツバサ「いいえ。むしろ逆…ただの仲良しを超えて、私たちが本当の一体感の境地に達するためには…」
英玲奈「どうする気だ?ツバサ」
ツバサ「合宿よ!」
あんじゅ「アメリカ、メキシコ」
ツバサ「それは合衆国」
英玲奈「メキシコといえばグアダルーペの聖母だな」
ツバサ「それは褐色」
あんじゅ「三人でメキシコへ行くの?」
ツバサ「違うわよ。…いや行ってみたいとは思うけど、海外旅行じゃなくて合宿よ。合宿!」
あんじゅ「それはわかったけど、どこへ行くつもりなのよ?」
英玲奈「今年のGWは短いぞ。あまり遠出をするのは難しいと思うが」
ツバサ「ただの旅行じゃないんだから、遠くへ行くだけが合宿じゃないわ。三人で泊まれば、どこでも合宿はできる」
2:
【神田明神】
希「いや、そんなこと急に言われても…」
あんじゅ「ほら。だから言ったのに」
英玲奈「やはりダメか…」
希「別に、ダメってことないけど…狭いし、大したおもてなしもできないよ?」
ツバサ「大丈夫よ!ちゃんと自腹で自炊するから♪」
英玲奈「いいのか…?」
希「うん。まあ…他ならぬあんじゅの頼みやし」
あんじゅ「ごめんね希ちゃん。迷惑かけるけど…」
希「アハハ…まあ、お手柔らかに」
【音ノ木坂・コトリのアトリエ】
ことり「できた!初夏の香りの、新しい温泉の素♪」
ことり「早く誰かに試してもらいたいなー♪」
ことり(穂乃果ちゃんちに行こっと♪)
【穂むら】
ツバサ「おやつは一人三百円までよ!」
穂乃果「えーと…遠足とかに持って行くんですか?」
英玲奈「遠足ではない。がっs」
ツバサ「しーっ。それは私たちだけの秘密よ!」
穂乃果(がっし?…すごくお腹が空いてるのかな?)
あんじゅ「水ようかんって、もうある?」
穂乃果「うん。あるよ」
あんじゅ「じゃあそれを三種類と…あと、今日食べる分ね」
穂乃果「これなんてどうかな?ちょうど季節だし…柏餅♪」
英玲奈「良いな。一つ貰おうか」
穂乃果「こっちの緑色のは、よもぎ団子みたいな生地です。白いのが普通のおだんご」
ツバサ「おだんご?」
穂乃果「柏餅にお餅を使うと葉っぱがくっついちゃって、きれいに剥がれなくなったりするので…おだんごみたいな生地になってるんです」
えれツバ「へー」
3:
ガララ
穂乃果「いらっしゃいませー♪…あ、ことりちゃん!」
えれあんツバ「!」
ことり「こんにちは。穂乃果ちゃ…ん?」
【東條家】
ツバサ「穂むらの常連さんが温泉の素をくれたわ♪」
あんじゅ「早今夜使ってみましょ♪」
英玲奈「というわけでお風呂を借りたいのだが…」
希「う、うん。いいけど…」
ツバサ「私たち、後でいいからね」
英玲奈「一人ずつ順番に入るのか?」
あんじゅ「それじゃ遅くなっちゃうわよ。ツバサは英玲奈と二人で入って」
ツバサ「あんじゅはどうするの?」
あんじゅ「もちろん、私は希ちゃんと一緒♪」
希「え!?」
ツバサ「ちょ、ちょっと待って。チームワークを高めるための合宿よ。私たちは三人で入りましょうよ!」
希「三人は…さすがに狭すぎるんやないかな?」
英玲奈「私はツバサと二人きりでも構わないが」ポ
あんじゅ「なんでちょっと赤くなってるのよ…」クス
ツバサ「じゃあ、今日は英玲奈と私ね。明日は組み合わせを変えるからね!」
希「えぇ…」
あんじゅ「いや、いつまで泊まるつもりなのよ?」
英玲奈「ずっと同じ場所でいいのか?」
ツバサ「あ…そうね。じゃあ、ここに泊めてもらうのは今夜だけにしましょ」
シュシュシュ ピーッ
希「とりあえずウチはお茶いれるね」
英玲奈「お構いなく」
あんじゅ(まだ何も合宿っぽいことしてないような気がするけど…いいのかしら?)
6:
【神田明神】
希(穂乃果ちゃん達と同じ場所で練習か…穂乃果ちゃん達は朝見かけたけど、今は来てないみたいや)
英玲奈「しかし、私たちがこんな場所に居て大丈夫だろうか?」
あんじゅ「大丈夫じゃない?まさかこんなところに居るなんて誰も予想できないわよ♪」
ことり「フフフ…」
えれあんツバ「えっ」
英玲奈「君は穂むらにいた…」
ツバサ「温泉の素をくれた人ね」
ことり「南ことりです♪」
希「南さん…どうしたん?」
ことり「有名になりすぎて、どこへ行っても人だかりが…そんな“有名税”でお困りのあなたに♪」
ツバサ「はあ」
ことり「困ったときはコレ!素早く変装して別人になりきりましょう♪」
あんじゅ「それ…ガチャのカプセル?」
英玲奈「何も入っていないようだが…」
ことり「これを、こうして…ワターシハ、通りすがりの外国人デース♪」
ツバサ「…いや、全然変装できてないわよね?」
あんじゅ「完全に日本語だし…」
ことり「勢いで押し切って、あとは逃げるが勝ちです♪」
英玲奈「結局逃げるのか…」
ことり「これを持っていれば安心ですよ。皆さんもどうぞ♪」
ツバサ「ありがと…(空のカプセルをもらったわ)」
ことり「はい、副会長さんにも♪」
希「いや、ウチは別にいらないんやけど…」
ことのぞ「…」
ゴソゴソ…サッ カポッ
ことり「温泉の素もサービスです♪」
希(カプセルに温泉の素を入れてくれた…)
ツバサ「とりあえず練習を再開しましょうか…」
あんじゅ(空のカプセルが役に立つとも思えないけど…それから練習が終わるまで、不思議と誰にも声をかけられなかったわ)
7:
【東條家】
あんじゅ「できたわよ」
希「ご家庭でメキシコの味!本格タコスや♪」
ツバサ「やっぱりメキシコなのね…」
英玲奈「この黄色いコーンフラワーのトルティーヤが決め手だな」
あんじゅ「結構苦労したのよ…専用の道具もないし」
ツバサ「道具って…?」
希「トルティーヤ専用のコーンフラワーは小麦粉と違って、普通の麺棒なんかじゃ生地をうまく伸ばせないんよ」
あんじゅ「まあ、とにかく食べましょ」
英玲奈「嗚呼、遥かなるメキシコ!ついにここまで…」
ツバサ「バモス!アミーゴ!セニョリータ!」
希「千代田区だけどね…」
のぞえれあんツバ「いただきます♪」
トプン ザバー
のぞあん「ふー」
あんじゅ「急に押しかけちゃってごめんね」
希「いや、気にしないで。ウチも結構楽しいし…それにしても」
あんじゅ「んー?」
希「三人ホントに仲良しなんやね」クス
あんじゅ「まあね。ずっと三人でやってきたから…そして、できればこの先も三人で続けられたらって思ってるわ」
希「卒業した後も…ってこと?」
あんじゅ「ええ。…まあ、まだ五月だし気が早いかなって思うけど」
希「そか。でもええね…ちょっとうらやましい」
あんじゅ「あら。私は希ちゃんとだって一緒に居たいと思ってるわよ?」ムギュ
希「ちょっ…あんじゅ///」
希(でも…やっぱりウチも音ノ木坂でそういう関係になれる相手が欲しいかな。…にこっちかエリち、それともこれから仲良くなる誰か…)
あんじゅ「この温泉の素すごいわね。不思議な色だけど、あったまるのにひんやりした感じっていうか…」チャプ
希「南さんが調合した特別なバスソルトやね。初夏の香り…とか言ってたっけ」
あんじゅ「これからの季節にぴったりね。やっぱりまだちょっと気が早いような気もするけど」
希「ホンマやね。ふふふ」
8:
あんじゅ「お風呂あいたわよ」
英玲奈「よし。行こう」
ツバサ「温泉の素はどうだったの?」
希「ちゃんと入れたよ。…まあ、入ってみてのお楽しみやな♪」
ガチャ
英玲奈「すごい色だな」
ツバサ「温泉っていうよりどこかの沼みたいね…」
英玲奈「だが香りは悪くない」
ツバサ「英玲奈。背中洗ってあげる♪」
英玲奈「届くのか?」
ツバサ「ちょっとー!そこまで私ちっちゃくないよ!」プンプン
ゴシゴシ
英玲奈「ふふ。たまには良いものだな…」
ツバサ「かゆいところはないですかー?」
英玲奈「うなじ」
ツバサ「このへん?」
英玲奈「よせ。くすぐったい」
ツバサ「いや、英玲奈が言ったんじゃん…」
英玲奈「次は私がツバサの髪を洗ってやろう」ザバー
ツバサ「え?…髪なら自分で洗えるけど…」
英玲奈「いいだろう。滅多にない機会だ」シュコ
ツバサ「まあそうだけど…じゃあお願い」
英玲奈「短いな」ワシャワシャ
ツバサ「いつもと同じよ」
英玲奈「濡れるとボリュームがなくなって余計に短く見える」
ツバサ「そう?」
英玲奈「伸ばさないのか?」
ツバサ「今までずっとこうだし、人気も出たんだから今更イメチェンしなくてもいいでしょ?」
英玲奈「伸ばしても可愛いと思うんだが」
ツバサ「ありがと。…気が向いたら、そのうちね」
9:
えれツバ「ふー」
英玲奈「狭いな」
ツバサ「急に押しかけてお風呂入れるだけでもありがたいわよ」
英玲奈「まあそうだが…」
ツバサ「私一人なら充分な広さだと思うけどね」
英玲奈「ツバサ…」
ツバサ「あっ、また小さいとか言ってバカにするつもり!?」
英玲奈「バカにはしていない。ツバサは小さくて可愛いから好きだ」ナデナデ
ツバサ「ふーんだ。そんなに小さいのが好きならミジンコでも飼えばいいじゃない」プクー
英玲奈「ミジンコは表情がわからないし歌えないからな。やはり私はツバサが良い」ギュ
ツバサ「英玲奈///」ドキドキ
英玲奈「だがツバサばかり贔屓すると三人のチームワークに差し支えるかもしれない。たまにはあんじゅも可愛がらないと…」
ツバサ「そういうこと私の前で言わなくていいの!」プンプン
パタン
ツバサ「ちょっと待って。なんであんじゅだけベッドなのよ?」
あんじゅ「三人は無理でしょ。希ちゃんと私が一緒に寝るのが丁度いいの♪」
希「何だったらウチが床でも…」
あんじゅ「だーめ。このまま寝るわよ♪」
英玲奈「では灯りを消すぞ」
ツバサ「あ、ちょっと待って」モゾモゾ
パチ
英玲奈「ツバサ。もう少し詰めてくれないか」
ツバサ「こうやってくっついて寝れば平気でしょ?」
英玲奈「密着していると触りたくなる」
ツバサ「ひゃぁ!?…さ、触る前に言ってよ///」
あんじゅ「いつまでじゃれ合ってるの?早く寝て明日も早起きするわよ」
英玲奈「ああ」
ツバサ「はーい」
希(ホンマ仲良しやなぁ…)
のぞえれあんツバ「…」Zzz
10:
チュン(・8・)チュン
英玲奈「…」ズ
英玲奈「…よし。こんなものでいいだろう」
あんじゅ「玉子焼きもできたわよ。英玲奈、ツバサを起こしてきて」
ガチャ
ツバサ「…」スヤスヤ
英玲奈「ツバサ。朝食ができたぞ。起きろ」ペチペチ
ツバサ「んぅ…もう食べられる…」ムニャムニャ
英玲奈「起きないと食べられないぞ。ツバサ」
ツバサ「…」スー
英玲奈「…」モゾモゾ
チュゥー
ツバサ「ん…っ」
ツバサ「ん゙ーっ!><」ジタバタ
英玲奈「ふぅ…やっと起きたか。ツバサ」
ツバサ「な、何してるのよ!?///」ハー
英玲奈「ツバサの食欲を満たす朝食を私たちが作った。対価として私は私の欲求をツバサで」
ツバサ「着替えるから向こう行ってて!」
バタン
ツバサ「まったく…合宿なんだからね///」
あんじゅ「今日は和食よ♪」
英玲奈「メキシコから日本へ帰る…魂の安らぎを感じさせるこだわりの朝食だ」
希「千代田区から一歩も出てないけどね…」
ツバサ「おいしそう!」
のぞえれあんツバ「いただきます♪」
あんじゅ「ところで…合宿は今日で終わりじゃないんでしょ?次はどこへ行くの?」
ツバサ「んー。あと家に泊めてくれそうな人は…」
英玲奈「ツバサや私の家では駄目なのか?」
ツバサ「それだったら合宿じゃなくても気軽に行き来できるでしょ。誰か一人は自分の家だし…いつもと違う環境をみんなで共有するのが今回の合宿の目的の一つでもあるから」
あんじゅ「ってことは…」
英玲奈「あんじゅの人脈が頼りだな」
11:
【穂むら】
穂乃果「えーと…三人で泊まるの?」
あんじゅ「ごめんね。ダメなら他へ行くから気にしないで」
穂乃果「いいよ。ちょうど雪穂が亜里沙ちゃんちに泊まりに行ってて、ちょっと寂しかったんだ」
英玲奈「すまないな。世話になる」
ツバサ「ありがと。お邪魔します♪」
穂乃果「ゆっくりしてってください♪」
【神田明神】
英玲奈「やはり練習場所はここだな」
あんじゅ「穂乃果ちゃん家から近いし、ちょうどいいわよね」
ツバサ「じゃあ早始めましょ」
\1、2、3、4…/
海未「あ、あれは…もしや」
穂乃果「どうしたの海未ちゃん?」
海未「A-RISE…」
穂乃果「そうだね」
海未「穂乃果は驚かないのですか?」
穂乃果「まあ、うちに泊まってるし…」
海未「!?」
ザッザッ…
ツバサ「A-RISE天下をとーるぞっ♪」
えれあん「…」
ツバサ「ちょっとー!二人も歌ってよ!」
あんじゅ「嫌よ。恥ずかしい…」
英玲奈「走り込みに歌は必要ないだろう。ノドに無駄な負担を掛けてまで歌うような内容ではない」
ツバサ「即興でも合わせられるのがチームワークってものでしょ。チームを鼓舞して一体感を強めるための言葉よ」
あんじゅ「だったらせめてA-RISEって入れないでよ。ここにいるって宣伝してるようなものじゃない」
ツバサ「わかったわよ。じゃあ…」
ツバサ「あんじゅと英玲奈とツバサだぞ♪」
あんじゅ「同じよ!バカっ」
12:
【高坂家】
あんじゅ「…っ」ハァハァ
英玲奈「どうした。もう限界か?」
あんじゅ「いつまで続けるのよ…もういいでしょ…」フルフル
英玲奈「まだ始めたばかりだ。もう少し頑張ってもらわなくてはな」
あんじゅ「も、もう…英玲奈の、意地悪…」
穂乃果「な、何してるの!?///」ガラッ
ツバサ「筋トレよ。今は腹筋」
穂乃果「二階でやってよ…お店のほうに聞こえちゃうよー」
ツバサ「そうね。A-RISEがいるってバレたらお店に迷惑が掛かるし…」
穂乃果(いや、そういうことじゃないんだけど…)
あんじゅ「できたわよ♪」
ほの母「おいしそうね♪」
ツバサ「これ何?」
英玲奈「ケサディーヤだ。使っている生地は昨日のタコスと同じトルティーヤだが、たっぷりのチーズを使ったホットサンドのような物だ」
穂乃果「へー。メキシコ料理なの?」
あんじゅ「そうよ。ご家庭にメキシコの風が吹く!手作り本格ケサディーヤ♪」
ツバサ「日本に帰ったって言ってなかったっけ…」
きぃほの「?」
英玲奈「我が身ひとつで千代田区からメキシコへと駆け抜ける心!それくらいの強い意志を身につけるための料理だ」
あんじゅ「何でもいいから冷めないうちに食べましょ」
きぃほのえれあんツバ「いただきます♪」
穂乃果「…」ハフハフ
ほの母「おいしい♪鶏肉と野菜が入ってるのね」
ツバサ「イホレ!セニョーラ!コモエスタ!」
13:
【東條家】
ジュワー パチパチ
ことり「すぐできるから、もう少し待っててください♪」
希「いや、食事作ってくれるのは嬉しいけど…なんで南さんがうちに居るん?」
ことり「チームワークです」
希「へ?」
ことり「親睦を深めるための合宿です♪」
希「親睦なあ…ウチと南さんって何のチームやったっけ?」
ことり「同じ音ノ木坂の仲間じゃないですか。チームみたいなものでしょ?」
希「はあ。…まあ、いいけどね…」
ことり「できました♪」
希「これは…?」
ことり「エンパナーダ(ス)。スペイン、ポルトガル、コロンビア、アルゼンチンとかいろんな国で食べられてる料理で、それぞれちょっとずつ違うんです」
希「へー」
ことり「国や地域によってはパイ生地だったりもするんですけど、これはコーンフラワーのトルティーヤを使ったメキシコ版です♪」
希「なるほどなあ…」
ことり「ちなみに中身は甘いのと甘くないのがあります♪」
希「アップルパイとミートパイみたいな?」
ことり「そうそう。そんな感じ♪」
ことのぞ「いただきます♪」
希「…おいしい」パリパリ
ことり「メキシコに来たような気分ですよね♪」
希「千代田区だけどね…」
ザッザッ
ツバサ「イナカモノズには負っけないぞっ♪」
えれあん「イナカモノズには負けないぞ…」
穂乃果「ロードワークで声出しかぁ…私たちもやろっか!?」
海未「あれはちょっと…恥ずかしくないですか?」
穂乃果「海未ちゃんは人前で声を出すことに慣れたほうがいいよ。チラシ配りだって秋葉原では失敗して結局音ノ木坂でしかやってないんだから」
海未「そ、それはそうですが…」
14:
【東條家】
ことり「ふふふん♪ふーん♪ふふんふん♪」ゴシゴシ
希「お風呂も一緒に入るん?」
ことり「はい。合宿ですから♪」
希「合宿やったらウチよりも、穂乃果ちゃんと園田さんと三人でどこかに泊まればいいんやない?」
ことり「その穂乃果ちゃんちに今日はA-RISEの皆さんが泊まってるし…それに私は二人とは仲が良すぎて、三人だけだと合宿って感じにならないし」
希(南さん…もしかしてA-RISEの皆が羨ましかったんかなぁ?)
ことり「今日の温泉の素は、森の香り♪」
希「へー。昨日のと色が違うね」
ことり「香りも効能も違いますよ。早入ってみましょう♪」
トプン ザバー
ことのぞ「ふー」
希「昨日のやつみたいなひんやり感はないけど、なんか落ち着く感じやな…これ、木の香り?」
ことり「はい。木の香りの成分も入れました」
希「いつものお風呂で木のお風呂みたいな気分が味わえるってわけやね」
ことり「その通りです♪昨日のはひんやり感でさっぱりして目が覚める感じだけど、こっちはむしろリラックスして眠くなるくらいでしょ?」
希「そうかも…入浴剤ひとつでこんなに変わるんやなあ」
ことり「ただの入浴剤じゃないですよ。温泉の素ですから」
希「どう違うん?」
ことり「保温効果が絶大なんです。温泉って何度入っても熱いでしょ。実際に一日に何度も入る人もいるし、それができるのも温泉の醍醐味ですから」
希「そうなんや…って、もしかして本当に何度も入るつもり?」
ことり「眠くなっちゃったら、無理して入らなくてもいいけど…もし出た後まだ眠くなかったら、また入りましょう♪」
希「アハハ…でも南さんたち、休み明けにライブあるやろ?こんなことしてて大丈夫なん?」
ことり「ずっと毎日練習してきたから、お風呂で疲れを癒すんです♪」
希「なるほど。そのための温泉の素か…」
ことり「はい。もちろん穂乃果ちゃんと海未ちゃんにもあげました♪」
希(南さんはいろいろな人の役に立つ物を作ったりするのが大好きみたいやな。にこっちやエリちも南さんのことは認めてるし…)
15:
ことり「それと効果抜群の目覚まし時計もあるので、安心してぐっすり眠ってください♪」
希「そうなん?…まだ連休やしウチは多少寝坊してもいいけど…」
ことり「目覚ましはオフにしておくので安心してぐっすり眠ってください♪」
希「どっちなん…ふふふ」
ことり「えへへ」
希(南さんって面白い子やなあ…にこっちやエリちが南さんを気に入ったのもわかる気がするわ)
フォーン…
ことり「…」ウトウト
希「はい、乾いたよ。…南さん?」
ことり「ん…ふぁーい…」ギュ
希「ふふふ…もう眠い?」ナデナデ
ことり「うん…今日も練習して、勉強して、調合して、お料理も…」
希「そっか。頑張ったんやね…もう寝よっか」
パタン
希「ウチのベッドでいい?」
ことり「はい。一緒に…」ギュ
希「もちろんウチも一緒や」ナデナデ
ことり「えへへ…副会長さん♪」
希「えーと…よかったら名前で呼んでくれないかなぁ?」
ことり「先輩は…えっと、の…の…能見さん?」
希「えぇ…能見やなくて希や。の・ぞ・み。東條希」
ことり「のぞみさん♪じゃあ、私のことも名前で呼んでくれますか…?」
希「うん。もちろん…ことりちゃん♪」
ことり「のぞみ…さん」ファー
希「おやすみ。ことりちゃん」ナデナデ
ことり「おやすみなさい♪」ギュ
希(ちょっと仲良くなれた…かな?…なんか、妹ができたみたいで嬉しい♪)
ことり「…」スヤスヤ
16:
【高坂家】
英玲奈「私はツバサと」
あんじゅ「じゃあ、穂乃果ちゃんと私ね♪」
ツバサ「って、それじゃ昨日と同じ組み合わせになっちゃうじゃない」
英玲奈「問題ないだろう?」
ツバサ「いやいや、チームワーク強化のための合宿なのよ?今日は組み合わせを変えましょうよ」
穂乃果「えーと…私はどうすれば…」
あんじゅ「穂乃果ちゃんに触っていいのは私だけなんだからね!」
穂乃果「えぇ!?…っていうか、なんで触る前提なの…」
パタン
穂乃果「えっと…じゃあ、背中洗いますね…」
英玲奈「ああ。ありがとう」
英玲奈(手を出さないという条件で…この組み合わせになったぞ)
ゴシゴシ
穂乃果(肌きれいだなぁ…背も高くて美人だし…ちょっとドキドキしちゃうよ///)
英玲奈「君とは以前、少し話したことがあったな」
穂乃果「あ、はい。お店の常連さんだし…」
英玲奈「スクールアイドルは…その後どうかな?」
穂乃果「休み明けにライブやるんです。学校の講堂で…」
英玲奈「そうか。準備は万全なのか?」
穂乃果「練習は精一杯頑張りました!自分では結構うまくなったんじゃないかって…もちろんA-RISEの皆さんには全然かなわないけど」
英玲奈「君たちにとって大事なのは、観に来る人たちに君たちの出来る最高のパフォーマンスを見せることだ。まだ他と比較する必要はない」
穂乃果「そうですね…ありがとうございます」
トプン ザバー
ほのえれ「ふー」
穂乃果「ことりちゃんの温泉の素…今日はまたスゴい色ですよね」
英玲奈「なんだか美味しそうな甘い香りがするような…」
穂乃果「ぶどうの成分が入ってるんです。疲労回復と美肌効果があるって」
英玲奈「なるほど…それでこの色と香りか」
17:
穂乃果「初夏に収穫できる品種だって。えーと…確か、デラなんとかっていう…」
英玲奈「やはり初夏なのか…徹底しているな」
穂乃果「温泉の素だけでこんなにいろいろ…どれが一番いいのか、もうわかんないや」
英玲奈「私にもわからないな…まあ、彼女が作る物ならどれも効果はありそうだ」
穂乃果「ぶどうの色と香りのお風呂なんて…なんか、染まっちゃいそうですよね」
英玲奈「ふむ…」ジーッ
穂乃果「あ、あの…あんまり見ないでください///」
英玲奈(意外というか…私より若干…)
英玲奈「…柔らかそうだ」
穂乃果「え!?」
英玲奈「あ、いや…肉を赤ワインで煮込むとコクが出て柔らかくなるといった類の」
穂乃果「あぁ、お料理の話…今度はどこの国の料理を作るんですか?」
英玲奈(うっかり声に出ていたようだ…何とかごまかせた)
パタン
あんじゅ「穂乃果ちゃん。英玲奈に変なことされてない?」
穂乃果「アハハ…英玲奈さんはそんなことしないよ」
ツバサ「本当にー?」
英玲奈「(可愛くて好みだが)私にはツバサがいるからな」
穂乃果「?」
ツバサ「じゃあ私たちも入りましょ」
あんじゅ「そうね」
ガラッ パタパタ
穂乃果「牛乳でも飲みますか?」
英玲奈「それより髪を乾かさないと風邪をひくぞ。大事なライブの前に…」
穂乃果「そ、そうですよね…」
ガチャ パチ フォーン…
あんじゅ「ツバサの成長っていつ終わったの?」
ツバサ「終わったって言わないでよ!?見た目が変わらなくても中身が成長するからいいの!」
あんじゅ(体の成長が見込めないことは自覚してるんだ…)
18:
あんじゅ「せめて髪くらい伸ばせばいいのに」
ツバサ「英玲奈と同じこと言ってる…私は今の髪形が気に入ってるのよ。これで人気もあるんだから」ドヤァ
あんじゅ「伸ばして人気が落ちることもないでしょ。小っちゃくて可愛いことに変わりはないんだし」
ツバサ「ちっちゃくないよ!」プンプン
あんじゅ「まあ、でも可愛くなり過ぎると私もツバサを好きになっちゃいそうだし…今のままでいいか」
ツバサ「あんじゅって誰にでもそんなこと言ってるの?」
あんじゅ「特別お気に入りの子にしか言わないわよ」
ツバサ「…ふーん///」
トプン ザバー
あんツバ「ふー」
ツバサ「あれだけお湯足したのに、この色…」
あんじゅ「ぶどうの成分がお肌にいいとか言ってたっけ」
ツバサ「あんじゅも肌きれいよね…スベスベ♪」プニッ
あんじゅ「どこ触ってるのー?私もお返し…と思ったら無かった」
ツバサ「ひどい!?全然ないみたいに言わないでよ!><」
あんじゅ(英玲奈も大差ないけど…まあ、走ったりダンスには邪魔になるから二人のほうがアイドルとして理想の体形なのよね)
ツバサ「いい香りー♪」チャプ
あんじゅ「お風呂上がりに果物とか食べたくなっちゃうわね」
ツバサ「ジュースじゃダメなの?」
あんじゅ「ぶどうのジュースって歯に渋がつきそうじゃない?飲んだらソッコー歯をみがきたい感じ」
ツバサ「あはは…アイドルは歯が命だもんね♪」
あんじゅ「…まさか、肌がブドウ色になったりしないわよね?」
ツバサ「だいぶ薄めてるから平気でしょ。二人分もたし湯したんだから」
あんじゅ「足湯と足し湯って書くとまぎらわしいわよね」
ツバサ「どうでもいいけどまぎらわしいわね」ファー
ザバ ヒタヒタ
あんじゅ「こらっ。もっとちゃんと髪拭いてから行きなさい。短いからって…」ゴシゴシ
ツバサ「自分で拭けるわよー><」
19:
穂乃果「じゃあ、私は雪穂の部屋で寝るから…」
あんじゅ「じゃあ私も」ガシッ
ツバサ「こらこら。チームワークだって言ったでしょ。せっかく私たちが三人で寝られるようにしてくれたんだから」
英玲奈「では、おやすみ。穂乃果ちゃん」
穂乃果「おやすみなさい♪」
あんじゅ(いつの間にか私と同じ呼び方してる…)
【雪穂の部屋】
穂乃果(雪穂、早く帰ってこないかな…ごはん作ってあげて、一緒にお風呂入って、一緒に寝たいな♪)
【絢瀬家】
雪穂「」クシュン
亜里沙「Ой!?…雪穂、お風呂冷たい?」
雪穂「いや、そんなことないよ。ひんやり感はあるけど、ことりちゃんの温泉の素は保温効果も抜群だし」
亜里沙「じゃあ…花粉症?」
雪穂「!?…い、いやそんなはずないよ。絶対ない」
亜里沙「Правда ли это?」
雪穂「Безусловно,вот именно」
亜里沙「Хорошо♪」
雪穂「ふふふ」
亜里沙「えへへ」
【穂乃果の部屋】
ツバサ「なんで私だけ床なのー」プクー
英玲奈「違う組み合わせにしようと言ったのはツバサだろう?」
ツバサ「いや、二人が床で私がベッドでも良くない?」
あんじゅ「そんなこと言ってないで早く寝ましょ。明日も早起きして練習よ」
ツバサ「はーい…」
英玲奈「今日はしっかり練習できたな。充実した合宿になってきた」
ツバサ(ちなみにお風呂上がりには結局ここで最初に買った水ようかんを食べたわ)
あんじゅ「もうちょっとそっち行っていい?」
英玲奈「少し狭いな…あまり密着すると触りたくなる」
あんじゅ「いいけどツバサに怒られても知らないわよ?」
20:
英玲奈「…柔らかいな」
あんじゅ「ほどほどにしてね」
ツバサ「聞こえてるわよ!早く寝なさい!」プンプン
英玲奈(ちなみに今触ったのは髪だが)
あんじゅ(髪以外も触りたいの?)
英玲奈(今日はやめておこう)
あんじゅ「ふふ…おやすみ」
えれあんツバ「…」Zzz
チュン(・8・)チュン
ことり「ふふふふふふん♪ふんふーん♪」
希「おはよ。いつの間に起きたん?」
ことり「朝ごはん、できてるからね♪」
希「ありがと。今日も美味しそうやね…鶏肉のトマト煮?」
ことり「トマトとぺパーソース。ポジョ・ピビルっていうメキシコ料理なの。キャベツもたっぷり入れました♪」
希「またメキシコなんや…この下の生地はトルティーヤ?」
ことり「元は同じだけど揚げてあるから、トスターダスっていうの」
希「スターダスト?」
ことり「どっちかっていうとSTART:DASH!!かなー♪」
希「?」
ことり「もうすぐわかるよ。えへへ…冷めないうちに食べよう♪」
ことのぞ「いただきます♪」
希「この下の生地ごと食べるんだよね?」
ことり「それでもいいんだけど、パリパリ割れちゃって食べにくいし…こっちにトスターダスだけのがあるから、これを食べながら上の具を食べればいいと思う」
希「えぇ…乗せた意味は…?」
ことり「見た目重視で♪」
希「そか…」パリパリ
21:
希「ソースがピリッと辛くて刺激的やね」
ことり「目が覚めるメニューでしょ?」
希「そやね。トルティーヤのパリパリした食感も楽しくていい感じ」
ことり「トスターダス。意味はトーストと同じなの」
希「ああ、トルティーヤがパンならトスターダスはトーストってことね」
ことり「そういうこと♪」
希「なんか…もう、このままお嫁に来ない?」
ことり「ふふふ。大袈裟だなぁ♪」
希「ことりちゃんは好きな人いるん?」
ことり「んー。お姉ちゃんに穂乃果ちゃん、にこ先輩、海未ちゃん…もちろん希さんも、みんな素敵だし大好きだけど…」
希「特別誰か一人と付き合ってたりはしないってこと?」
ことり「恋人はいないよ。…人と接するより、一人で物作りに没頭する時間のほうが多いくらいだし」
希「ウチじゃ、物作りの魅力には勝てないかな?」
ことり「希さん…本気、なの?」
希「ことりちゃんが嫌じゃなければ」
ことり「私、物作りに没頭しすぎて迷惑かけるかもしれないよ?」
希「振り向いてもらえるように頑張るよ」
ことり「じゃ、じゃあ…お願いします♪」ギュ
【高坂家】
ほの母「今日はパンがいいって言わないのね?」
穂乃果「みんなと同じものを食べたいの」
ほの母「ふふふ(…あんじゅちゃん達が来てくれてよかったわ♪)」
英玲奈「メキシコから再び日本へ…」
あんじゅ「というわけで今日も和食よ」
ツバサ(また次の宿泊先でメキシコになるんだろうなぁ…)
32:
>>22
怪しいけど
亜里沙「本当に?」
雪穂「当たり前じゃん!」
亜里沙「よかった♪」
のつもり
23:
【神田明神】
あんじゅ「神社の石段を走るなんて…正気?」
英玲奈「穂乃果ちゃん達の練習内容を知らなかったのか?」
あんじゅ「話は聞いてたけど…だからって私たちまで真似しなくても」
ツバサ「自信がないなら、先に私たちが走るからいいわよ。お手本を見せてあげる」
あんじゅ「いや、やったことないでしょ?」
ツバサ「これくらい朝飯…は食べたけど簡単よ♪」
英玲奈「では勝負といこうか」
ツバサ「あんじゅはタイム測ってね」
あんじゅ「…いいけど」
ピッ ドタバタ…
あんじゅ(よくこんなの全力でやるわね…ケガなんかしなければいいけど)
ツバサ「ん?…あ、あれ?…あんじゅは?」
英玲奈「まさか…逃げたのか?」
ツバサ「えぇ!?ちょっとー!」プンプン
海未「…何です?」
あんじゅ「あんな練習を毎日穂乃果ちゃんにさせてるの?」
海未「毎日必ず同じというわけでは…まあ、ほぼ毎日と言えますが」
あんじゅ「負担をかけすぎじゃない?ちゃんとケアしてるの?」
海未「ことりが色々とサポートしてくれるので…だいぶ助かっています」
あんじゅ(リスクの軽減は南さんの役目になってるわけね…)
海未(“穂乃果ちゃん”…そこまで親しいとは知りませんでした)
\1、2、3、4…/
あんじゅ「ねえ、今日はいつもと違う練習をしてみない?」
ツバサ「だから石段で走ろうって言ったのに勝手にサボったじゃない」プクー
あんじゅ「いや、走るのは石段じゃなくてもできるでしょ」
英玲奈「環境を変えるだけではなく内容も変えたいというのか?」
あんじゅ「そういうこと」
ツバサ「ふーん…いいけど、私たちの役に立ちそうな練習にしてよ?」
24:
【音ノ木坂・弓道場】
ツバサ「…いや、スクールアイドルやる上で弓道が何の役に立つのよ?」
英玲奈「集中力のトレーニングなら弓道である必要は無さそうだが…」
あんじゅ「違うわよ。ここへ来たのは別の理由」
海未「…え!?」
ツバサ「い、いや…さすがに無茶なお願いだしダメならダメで断ってくれていいから…」
海未「はあ。…許可が取れれば、私は別に構いませんが」
あんじゅ「え、ホントにいいの?」
海未「家が家ですからね…同じ流派の方の家族というだけで私にとってはほとんど面識のない子が泊まることもあります。私が一々意見するなど現実的ではありません」
英玲奈「つまり僅かでも面識のある相手なら構わないと…」
海未「ええ。穂乃果があなた方の影響を受けて始めたスクールアイドルですから…同じ流派と言っても過言ではないかと」クス
【室内プール】
あんじゅ「泊まる場所も確保できたことだし、思いっきり練習しましょ!」
英玲奈「プールでのトレーニングか」
ツバサ「悪くないわね。…でも水着を取りに帰らないと」
ことり「うふふ。ちゃんと用意してあります♪」
えれツバ「!?」
あんじゅ「サイズも私たちに合ってるの…?」
ことり「目測ですけど、誤差の範囲なら伸縮自在なので♪」
ツバサ「さすがね。ありがと…って、何コレ」
ことり「学校のプールだし…練習のためだから、それくらいシンプルな物がいいかなって」
あんじゅ「何も、こんな大きい名札までつけなくても…」
英玲奈「しかも苗字ではなく名前とは…」
ツバサ「書く必要あるの!?」
ことり「全員同じデザインでサイズは違うから、間違えないようにと思って」
あんじゅ「それなら別に名札じゃなくても…まあいいけど」
ツバサ「よりによってスクール水着…私たちA-RISEなのに」シクシク
英玲奈「早く着替えて始めよう。時間がなくなるぞ」
ドボン バシャバシャ
あんじゅ(一年中泳げるプールっていいわね。屋外に比べて水も汚れにくいし)
25:
【昼・中庭】
英玲奈「音ノ木坂がメキシコに!」
あんじゅ「今日のお昼は本格トルタス♪」
ツバサ「トルティーヤのサンドイッチね」
英玲奈「メキシコの情熱的な風景!」
あんじゅ「音ノ木坂の長閑な中庭の風景だけどね」
ツバサ「早く食べましょ」
えれあんツバ「いただきます♪」
あんじゅ「花壇もあるのね。お花キレイね♪」
花陽「あ、ありがとうございます…」
えれあんツバ「ん?」
英玲奈「君は…音ノ木坂の一年生か」
花陽(A-RISEにすごく似てる…でも音ノ木坂の中庭にいるわけないし…芸能人によくいる専門のそっくりさんかなぁ?)
あんじゅ「私たちが作ったトルタスなの。よかったらあなたも一緒に食べない?」
ツバサ「バモス!アミーゴ!セニョリータ!」
花陽「はあ…ありがとうございます…」
花陽(この人たちを密かにメキシコのA-RISE…タコライズと呼ぼう)
花陽「これ、私が作った太巻寿司なんですけど…よかったら」
ツバサ「ありがとう。彩りもキレイで美味しそうね♪」
英玲奈「なんと…メキシコと日本の狭間に来てしまったのか」
あんじゅ「日本人観光客じゃないの?」
花陽(ふふふ…楽しい♪)
花陽(せっかくだから本物のA-RISEと一緒に居る気分にひたっちゃおう♪)
えれあんツバぱな「愛してるっ、ばんざーい♪ここでーよかーった♪」
ザッザッ…
ツバサ「UTX秋葉原♪」
えれあん「UTX秋葉原♪」
海未「あ、秋葉原…」
海未(まさか本当に、歌いながら一緒に家まで走って帰ることになるなんて…)
ツバサ「次、園田さん考えてよ」
海未「わ、私ですか!?」
26:
ツバサ「わくわく♪」
海未「…ほ」
えれあんツバ「ほ?」
『海未ちゃんは人前で声を出すことに慣れたほうがいいよ』
海未(もう…こうなったら開き直るしか…!)
海未「穂乃果に言われて仕方なく!」
えれあんツバ「穂乃果に言われて仕方なく♪」
海未「スクールアイドル始めたぞ!」
えれあんツバ「スクールアイドル始めたぞ♪」
タッタッタ…
【園田家】
海未「はぁ…スッキリしました♪(言いたいことを全部言えて…)」
あんじゅ(よっぽど溜まってるものがあったのね…)
英玲奈「ここが園田さんの…」
ツバサ「ちょっと凄いわね。緊張する…」
海未母「A-RISEの皆さんですね。海未がいつもお世話になって…どうぞ、ごゆっくり御寛ぎください」ニコ
えれあんツバ「お邪魔します」ペコ
ツバサ「お世話…してたっけ?」
あんじゅ「むしろ私たちが突然お世話になるわけだけど…」
海未母「A-RISEさんの踊りを見て感銘を受けたみたいですよ♪」
『楽しく歌っているようですが、ずっと動きっぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいる…かなりの体力が必要です』
海未(あれは感銘と言っていいのでしょうか…)
英玲奈「踊りの専門家に褒められるとは…」
あんじゅ「俄然やる気が出ちゃうわね♪」
ツバサ「アイドルやっててよかったわね♪」
海未(…まあ、喜んでくださったようですから良しとしましょう)
海未母「お配りしたお扇子を右手に持ってください」
えれあんツバ「はい」
海未母「よろしいですか?武道でも礼に始まり礼に終わるといいますが、“舞”の道もまた然り。まずは正しいお辞儀の仕方を身につけていただきます」
27:
ツバサ「専用のお扇子って一万円くらいするのかしら?」ヒソヒソ
英玲奈「それは本体価格のみではなく“お膝つき”というやつだな」ヒソヒソ
あんじゅ「だ、大丈夫?お金足りるかしら…」ヒソヒソ
海未母「ふふふ。体験入門の方には無料でお貸しするだけですから、ご心配なく」
海未「…いかがでした?」
ツバサ「疲れたぁ…緊張感が半端ないんだもん」
海未「ふふふ。母とはいえ稽古場では師匠ですから」
あんじゅ「着物を着て師匠の前に居るだけで別世界よね」
英玲奈「良い経験をさせてもらったな」
海未母「皆さん、お茶でもいかがです?」ニコ
ツバサ「ありがとうございます」
海未母「では、お扇子は使いますのでそのままお持ちくださいね」
えれあんツバ「?」
海未(今日の母は気合いが入り過ぎているようですね…)
海未母「よろしいですか。茶道では座る所作ひとつ取っても、ただ座っているだけではありません」
ツバサ(お茶ってそういう…またお稽古なんだ)
海未母「舞と同様にお辞儀は基本です。今度は座っているときの正しいお辞儀から──」
海未「すみません…母が張り切り過ぎてしまって」
ツバサ「ま、まあ私たちも合宿だから…」
英玲奈「普段できない稽古というのも有益な時間だ」
あんじゅ「そうね。華道と書道はちょっと手加減してもらえたし」
海未「皆さんが泊まりに来てくれて母が一番喜んでいるみたいです」クス
海未母「皆さん。お食事の支度ができましたよ」ニコ
ツバサ「もしかして…またお作法の…?」ヒヤアセ
海未母「ふふふ。お食事はお稽古ではありませんから、気張らずに普段どおりに召し上がってください♪」
あんじゅ(何だか、もう完璧に園田さんのお母さん=師匠のイメージね。私たちにとっては)
うみえれあんツバ「ごちそうさまでした」
英玲奈「一人暮らし→普通の家庭→師匠か。宿泊先も段階でハードルを上げてきた感じだな」
ツバサ「そうね。有意義な合宿になったんじゃないかしら?」
あんじゅ「チームワークね。それで今日はどうするの?組み合わせ」
28:
海未「お風呂ですか?…お三方一緒で構わないのでしたら、お先にどうぞ」
えれあんツバ「えっ」
カポーン
ツバサ「うわー、広い!」
英玲奈「これなら三人くらい余裕だな…」
あんじゅ「日舞の家って凄いわね」
トプン
えれあんツバ「ふー」
あんじゅ「…あら、南さんの温泉の素にしては普通ね?いい香りだけど…」
ツバサ「今日は菖蒲湯ですって。生の菖蒲根から作った本格的な菖蒲湯」
英玲奈「確か菖蒲湯の菖蒲は、いわゆるアヤメとは違ってサトイモ科の地味な花らしいな」
あんツバ「へー」
あんじゅ「南さんの便利アイテムも奇抜な物ばかりじゃないのね」
ツバサ「今度こそメキシコから日本に帰ってきた気がするわね」
えれあんツバ「ふふふっ」
スーッ パタ
ツバサ「客間の畳にお布団で三人川の字…これぞ合宿ね!」
あんじゅ「そうね。初めてまともに三人並んで寝られるわね」
英玲奈「広さも充分で密着する口実ができないな…」
ツバサ「しなくていいの。ステージで並ぶくらいの距離がベストよ。私たちはアイドルなんだから」
あんじゅ「くっつかなくてもひとつになれる…それがチームワークね。ただの仲良しとの違い、わかった気がするわ」
英玲奈「だが、いいチームであると同時に仲良しでもあり続けたい」
あんじゅ「そうね…」
ツバサ「うん♪」
えれあんツバ「…」Zzz
29:

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