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【リトバス】恭介「直枝理樹女の子説」


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ある日

理樹部屋
恭介(俺はこの日、とうとう意を決して密かに疑っているこの事を3人に話した。だが、反応はあまり好ましくなかった)
恭介「………どうだ?」
鈴「こいつはなにを言っている」
真人「俺にもよく分からねえ」
謙吾「…………同意見だ」
恭介「いいか?この話が出来るのは理樹が風呂に入ってる間だけなんだ。真面目に聞いてくれっ」
恭介(テーブルを軽く叩いて弁を振るったが、鈴と真人はそれ以上に食いかかってきた)
真人「そもそも内容がふざけまくってるじゃねえか!」
鈴「見ろ。真人までツッコむくらいなんだぞ!」
恭介「ええい、やはり反対意見は出たか。なら仕方がない。順を追ってお前らに説得してやる。何故俺が、理樹を女の子と思ったかを!」
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2: 以下、
恭介「まず説その1『お風呂』」
恭介「謙吾、真人。俺たちはこれまで何度か理樹と一緒に風呂に入ったりしたよな?」
真人「おお……むしろそれが理樹が男だって証明になるんじゃねえのか?」
恭介「いいや違う!じゃあ真人、答えてみろ。お前は理樹の股間を見た事があるか?」
真人「えっ?そりゃーずっとここまで一緒なんだから一度くら……い………」
真人「………あ、あれ……?」
恭介「謙吾は?」
謙吾「………………ない」
鈴「あたしもちんこは見た事無いな」
恭介「だろ!?あいつはいつもタオルで巧妙に隠しながら風呂に入るんだ。湯船に入る瞬間も何故か白い湯気でそこが見えにくい」
真人「単に恥ずかしいんだろ。割とよく入るぜ?そういう奴って。理樹もきっとそうに違いねえ」
鈴「それに理樹の上半身ならプールで見たことあるしおっぱいがないぞ」
恭介「それは理樹が途轍もなく胸がないだけだ」
真人「いやいやいや、ちょっと無理やり過ぎやしねえか?」
恭介「じゃあいいだろう。第2の説を聴かせてやる」
3: 以下、
恭介「説その2『眠り病』」
謙吾「ナルコレプシー?アレが何か関係あるのか?」
恭介「ああ。大アリだ」
真人「ほぉー?聴かせてもらおうじゃねえか」
恭介「まずナルコレプシーについては分かってるな?」
鈴「突然、どこでも眠る病気のことだ」
恭介「その通り。もう今やその発作は起きていないらしいが、とにかく厄介な病だった。そんな病気をもしも女子が学校でカミングアウトしたらどうなる?」
ホワンホワンホワン………
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学校の廊下
理樹子『今日も昼ご飯楽しみだな……うっ。ね、眠たい……』
バタッ…
ガサガサッ
男1『へっへっへっ!おい、直枝のヤツ寝たぜ!今だ!』
男2『よ?し!』
倉庫
理樹子『すぴー』
男1『へへ!ぐうすか眠ってら!』
男2『グフフ、こいつが眠り病ってことは知ってんだ!そういう事なら話は早い。眠ってしまった瞬間に誘拐すればあとは本人に知られる事なくパンツ見放題って訳よ!』
男1『そして写真を撮りまくったあとはトンズラするだけ!ちょろいもんだぜ!』
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恭介「といった事になるかもしれない。だからきっと理樹の叔父さんはそうなる未来を想定して理樹を男として育てたんだ」
鈴「アホか!」
真人「そ、そう言われてみると説得力あるぜ……」
鈴「何ィ!?」
恭介「フッ、根拠はまだあるぜ?」
4: 以下、
恭介「説その3『女の格好しても違和感ない』」
鈴「それはまあ……そうだな」
真人「確かに顔は女みたいだもんな」
謙吾「………………」
恭介「どうだ。少しは信じてきたんじゃないのか?」
鈴「そ、そんなことはない!謙吾、言ってやれ!」
謙吾「いや……」
鈴「ん?」
謙吾「……じ、実は俺も理樹の事を水面下で疑ってしまった事がある」
鈴「なんだと!謙吾、お前もか!」
真人「おいおい、なんか恭介のペースになって来たぜ……」
謙吾「と言っても俺はちょっとだけだ!本当に少しだけ!」
恭介「大丈夫だ。構わないから言ってみてくれ」
謙吾「ああ……」
5: 以下、
謙吾「これを説その4とするなら…『理樹、もしかすると恭介に気があるかも』……だ」
恭介「な、なにィィーー!?」
鈴「り、り、り、理樹が………き、き、き、恭介……に?」
謙吾「そうだ……理樹は、その、なんというか、恭介に凄くべったりな所があるだろ?子供の頃から一番懐いていたのは恭介だ。それにいつだったか、俺と真人の3人のうち誰が好きかを聞かれた時に恭介か?と聞かれてとても顔を赤らめていた」
真人「う、うおぉぉ……言われてみればそんな事もあったような……!!」
鈴「う、嘘だ……」
恭介「そ、それは初めて知ったぜ……」
謙吾「それも理樹が女だったらすべて説明がつく!」
鈴「そう言えば美魚も理樹が攻めで恭介が守りとかなんとか……」
真人「ウォオオオオオオ!ジェラシィィィイ!!どうせなら俺を選んでくれよ理樹ぃーーーっっ!」
恭介「ヤバいな……全ての辻褄がこれで合ってしまった……」
鈴「き、恭介!あたしはこれから理樹にどんな感じで喋りかけたらいいんだ!」
恭介「今は知らんぷりだ……っ!理樹は俺たちに打ち明けてないという事は言いたくないってことなんだろう。ここは本人が自分から言うまで黙っておくんだっ」
謙吾「了解した……」
真人「やっべ…なんかそうなると俺ずっと男女で寝るのか……なんかドキドキしてきたぜ…」
ガチャッ
理樹「ふぅ、いや?いい湯だったよ………あれ、みんなそこで固まって何やってるの?また新しい遊び?」
みんな「「「ギャーーー!!」」」
6: 以下、
理樹「う、うわっ!どうしたのみんなっ!?」
恭介「お、驚かすなよ理樹……!急に入ってくんな!」
理樹「驚いたのはこっちだよ……何かあったの?」
真人「な、な、な、何でもないぜ!ああ、何でもないとも!」
理解「そ、そう……?」
謙吾「お…おい理樹、パジャマ少しはだけているぞ!」
理樹「えっ?…ああ、そうみたいだね」
恭介「馬鹿っ!きっちり着ないでどうする!誰か男にでも見られたらどうするつもりだ!」
理樹「いや、別にどうもしないけど……」
鈴「髪が湿ってるぞ。こう言うのは放っておくとダメージになってパサパサになるってくるがやが言ってた。早く乾かせっ」
理樹「えー自然乾燥じゃダメ?今までだってこうだったよ」
鈴「それじゃ髪がサラサラにならないぞ?」
理樹「ならなくてもいいよ……」
7: 以下、
真人「そ、そうだ!あんまり夜更かしも肌に悪いって言うしな!そろそろ寝ようぜ!」
理樹「急に女の子みたいなこと言い出すね」
真人「いやお前のために言って……」
謙吾「馬鹿!」
理樹「ぼ、僕のため?」
真人「あっ、いや!なんでもない!」
理樹「なんか今日のみんなはおかしいよ……不自然に優しいって言うか……」
鈴「と、とにかくもうあたしは帰る!」
謙吾「そうだな。よし、じゃ行くか恭介!」
恭介「ああ……それじゃ理樹、また……明日……」
理樹「恭介はむしろ静か過ぎて怖いんだけど……」
19: 以下、
次の日

食堂
恭介「ういっ……す?」
「「「…………………」」」
恭介(食堂に着くと既にバスターズの全員が席に着いていた。しかし何故か様子がおかしかった)
理樹「モグモグ……」
葉留佳「あ、あー…理樹君。醤油使う?」
理樹「うん。ありがとうっ」
葉留佳「えっ!?あっ……うん……!」
小毬「りりり理樹君!こ、このゼリーどうぞっ!」
理樹「ん?急にどうしたの小毬さん。これって女生徒しか貰えない奴じゃないか」
小毬「いや……だって…ずっと理樹君がこれを食べられないまま過ごしてたかと思うと凄く申し訳ないなー……って思いまして……」
クド「わっ、私の分も貰ってくださーい!!」
理樹「ええ………」
西園「…………まあ、たまには健全なカップリングも悪くないですね…」
来ヶ谷「や、いい天気だな恭介氏」
恭介「あ、ああ……それはそうとして皆どうしたんだ?理樹に対してえらく………あっ、まさか!」
20: 以下、
来ヶ谷「うむ。そのまさかだよ」
恭介(この様子……誰かが昨日のことをバラしたな)
恭介「だ、誰だ!」
来ヶ谷「落ち着いてくれ。別に鈴君は故意に漏らした訳じゃない。ただ彼ら3人の様子がおかしかったので誘導尋問しただけだ」
恭介「お前が原因かよっ!!」
恭介(すると隣の鈴がおずおずと顔を出してきた)
鈴「ご、ごめん恭介……でも知らんふりなんかあたし無理だっ」
恭介「しょうがねえな……まあいずれはこうなったかもしれないが……」
理樹「あれっ、恭介いたんだ。何の話をしてるの?」
恭介「あっ、いや!なんでもない!」
恭介(しかし秘密を知るものが4人から9人に増えちまったか……こりゃ嫌な予感がするぜ……)
21: 以下、
一週間後
理樹部屋
恭介(そしてその不安は見事に当たってしまった)
理樹「皆なにかおかしいよ!」
恭介(いつものように部屋で集まっていると理樹が突然立ち上がった)
真人「ど、どうしたんだ理樹?いきなり大声出して……」
謙吾「一旦落ち着け、いつものお前らしくないぞ……っ!」
理樹「らしくないのは皆の方じゃないか……」
恭介「お、俺たちだと?」
理樹「そうだよ。みんな急に僕に優しくなったんだ!不自然な程に!」
鈴「あ、あたしはいつも通りだぞ……!」
理樹「いいや、一緒だね。例えば鈴はいつも買い物に行く時は荷物を僕に全部持たせるよね?だけど先週の日曜は何故かモンペチを半分も持ってくれたじゃないか!」
鈴「うっ……」
理樹「謙吾だってそうだ。体育の授業でバスケだった時、なんでずっとボールを無視して僕を守るように前に立っていたの?」
謙吾「そ、それは……」
理樹「真人はここの所毎日、定食のカツを僕に分けてくれるよね?いつもなら謙吾のをなんとか奪おうと考えるくらいなのに」
真人「い、いやぁ……あはは…」
22: 以下、
理樹「他にもここにいない人も似たようなものさ!例えば二木さんなら……」
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女子寮
クド部屋前
佳奈多「あら……な、直枝理樹…!?」
理樹「あっ、ふ、二木さん!?いや、これは違うんだ!ただクドの荷物を……!!」
佳奈多「……いえ、言わないで。分かっているわ…きっと私に相談しに来たんでしょう?」
理樹「……へ?」
佳奈多「辛い思いをしてきたわね……大丈夫。他の人からは色々言われるかもしれないけど私は貴方の味方よ。女子寮に住みたいのなら私から寮母さんに伝えておくわ。それまでは私の部屋を使ってもいいわよ?」
理樹「な、なんの話!?」
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理樹「こんな感じで何故か女子寮に来る権利を僕だけ与えられたり!」
恭介(おいおい、二木にまでバレてるのかよ…!)
理樹「さっきは笹瀬川さんにだって……!」
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裏庭
笹瀬川「あ、あら貴方は……」
理樹「やあ、笹瀬川さん。こんばんわ」
笹瀬川「え、ええ……こんばんわ」
理樹「あれ。どうかしたの?」
笹瀬川「いえ…何でもありませんわ!ただ……」
理樹「ただ?」
笹瀬川「……貴方には同情しますわ……」
理樹「なんで!?」
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理樹「といった感じに普段ほとんど会話しない彼女にだって変に哀れな目線を送られたんだよ!?」
鈴「あいつはどこで知ったんだ……!?」
23: 以下、
恭介「き、気のせいだ理樹!きっとお前がそう意識したからそう感じているだけで……」
理樹「……恭介。言っておくけど恭介が一番おかしいからね」
恭介「えっ?」
理樹「僕がイスに座るときはそれに合わせてイスを前にズラしてくれたり、練習が終わって着替える時は何故かこっちをずっとチラチラ見てきたり。挙げ句の果てには男子が近寄ったら無言の睨みで僕に近付かないようにさせるし!いったいなんなのさ!?」
恭介「そ、それは……」
真人「妹みたいに思ってるだけだ!鈴にだっていつも同じような……」
理樹「妹みたいに……?」
真人「あっ……」
鈴「馬鹿真人!」
理樹「………どういうことかな?」
恭介「………………ッッ」
28: 以下、
恭介(10分後、俺たちは正座で理樹の怒りを聴いていた)
理樹「なるほど。僕が女か……ははは、道理でクラスの男子の目がおかしいと思ってたよ」
真人「………………」
謙吾「………………」
鈴「………………」
恭介「………………」
理樹「悲しいな。なんでみんな恭介の話を信じちゃうかなぁ…」
真人「ご、ごめんなさい……」
理樹「黙って」
真人「はひィ!」
理樹「どこをどう見ればそうなるのさ!確かに僕は背も低いし筋肉もないけど女子扱いはあんまりだよ!男なのに『女みたいだねー可愛いねー』なんて言われて喜ぶ人がどこにいるの!?この上ない屈辱だよ!!」
理樹「男を捨てたような人はともかく僕はそこまで落ちぶれていない!」
鈴「で、でも……」
理樹「でもなに?」
鈴「あ、いや……」
理樹「言ってみてよ」
鈴「えっと……うぅ……グスッ」
理樹「なんで泣いてるのかな。泣きたいのはこっちだよ?」
鈴「ヒグッ……ごめんなさぃ……!」
恭介(鈴が本気でヘコむのも、理樹が本気で切れたのも初めて見た)
理樹「………自分の部屋に帰っていいよ」
鈴「うん………」
パタン……
恭介(泣きながら退場した鈴の後には鬼のような理樹と、いつまで生きていられるか怯える俺たち3人だけが残った)
29: 以下、
理樹「このことはどれだけの人が知ってるの?」
恭介「…………俺が知っている限りではリトルバスターズのメンバーと、笹瀬川と、二木……だ」
謙吾「た、多分俺たちのクラスの何人かも噂程度に知っている……」
理樹「ふーーーん」
恭介(長い沈黙の後、理樹が後ろを向いて言った)
理樹「ちょっと待ってて」
バタンッ
恭介「………………行ったな」
真人「ど、どうするんだよ恭介!理樹のやつマジでブチ切れてたぜ!?」
謙吾「そもそも何をしにいったんだあいつは……」
恭介「…………このままじゃ危ない気がする……俺は理樹の後を追う。お前たちは万一の為に待機していてくれ」
謙吾・真人「「ゴクリ………」」
恭介(首を突っ込みたがりの2人でも今回ばかりは大人しく俺の言うことに従った)
30: 以下、
恭介(行き交う生徒に理樹の行き先を聴いて後を辿った。漏れなく全員理樹のかつてないオーラに怯えていた)
裏庭
理樹「………………」
恭介(いた。ちょうど裏庭から表の方に出て行くところらしい)
「えぐっ……ハァ…ハァ…!」
恭介「ん?」
恭介(後を追おうとするとベンチの方から誰かの声がした)
佳奈多「うわぁぁん!ごめんなさぃぃ!!」
恭介「!?」
恭介(号泣した二木だった)
恭介「ど、どうした二木!?なんで泣いているんだ!?」
佳奈多「グスン……さ、さっき直枝と会ってぇ……私が女の子だって思ってたのを知って……ぅぅっ……直枝が凄く怒って……うわああぁぁん!!わ、私ちゃんと謝ったのにぃぃ……!!」
恭介(どうやら直枝は二木にもさっきと同様キレたようだ。あの鬼の風紀委員を逆に泣かすとは……なんだか予想以上にひどい事になっているな)
佳奈多「クスン……」
恭介「分かった……辛かったな二木。もう大丈夫だからな。部屋に帰ってシャワーでも浴びろ」
佳奈多「……うん」
31: 以下、
焼却炉
恭介「確かこの辺りに……」
ザッ…
恭介(焼却炉の前に差し掛かった瞬間、誰かが通ってくる音がした。なんとなく嫌な予感がした俺は慌てて横のプレハブに身を隠した)
理樹「………まったく………ブツブツ…」
恭介「うっ……危ねえ……!」
恭介(理樹が通り過ぎた後、ゆっくり焼却炉の方を見ると……やはり誰かが泣いていた。あの3人を見る限り、あそこでしゃがんでいるのは笹瀬川だろう)
取り巻き1「さ、佐々美様!どうかお気を確かに!」
佐々美「………………」
取り巻き2「ま、まずは立ち上がりましょう!……ねっ?」
佐々美「んーん……」
取り巻き3「佐々美様!か、帰ったらプリンを食べて元気を出しましょう!さっきのことは忘れて!」
佐々美「ングッ……嫌……まだ立てない……グスッ……」
恭介「やっぱりか……」
恭介(2人が狙われたところを見ると、やはり理樹は自分を女と信じてしまった奴らを見かけると全力で泣かしにかかっているようだ)
32: 以下、
恭介「うっ……!」
小毬「うぅ……うあぁぁああん!!うぁぁぁあああ!!」
男子生徒「あは、あはははは……!!」
クド「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい……」
女子生徒「許して……私はただ……」
葉留佳「………………………」
西園「葉留佳さん。気を持ってください。葉留佳さん…!」
恭介(理樹の歩いた跡には必ず、『お叱り』を受けた人間が転がっていた。地獄絵図と呼ぶにふさわしい光景だった)
来ヶ谷「やぁ……恭介氏か…」
恭介「来ヶ谷!生きていたのか!」
34: 以下、
来ヶ谷「ああ。辛うじて逃げ回っている所だ」
恭介「理樹は……あいつは暴走している……きっと怒りが収まるまでどんどん人を精神的に追い詰めるだろう」
来ヶ谷「かもしれないな……噂を知っていた人間はこの通りみんなやられてしまったよ。きっと今までのストレスが全部ここで爆発したんだろう。このまま行くときっとさらなる地獄が待っているぞ」
恭介「いったいどうすれば……」
来ヶ谷「君が止めるしかない。一番少年のことを分かっているのは君だけだ」
恭介「だが……上手くいくのか?」
来ヶ谷「私にだって分からないさ。だが、やるしかあるまい」
恭介「………………………」
35: 以下、
理樹部屋
バンッッ!
真人「うおっ!?」
謙吾「……ッ!」
理樹「……………あれぇ、おかしいな。恭介がいないじゃないか…」
謙吾「き、恭介は……トイレだ…」
理樹「それって言い訳になるのかな」
謙吾「……………ゴクッ」
理樹「僕は『待ってて』って言ったんだけど……まあいいや、先に2人だけ始めておこうか」
真人「は、始めるって何を……!」
理樹「はは。そんな大したことじゃないよ。ただ、これからの為の”教育”をね」
ガチャッ
恭介「待て!」
理樹「…………やあ、恭介。君も座ってよ」
36: 以下、
恭介「そ、その前に言いたいことがある」
理樹「?」
恭介「……理樹…俺はお前が、過ちを犯しているようと思う…」
恭介「……理樹、誰にだって勘違いはある。その勘違いがたまたまお前を傷付けるものになったことは残念だ…しかし、起きてしまったことは受け入れるしかない。なまじ理樹には、女の子として完璧な所が備わりすぎていた…」
恭介「自分ではどうしようもないところで他の者からいわれのない中傷を浴びせられる。理樹、それはお前だけじゃない。みんなそうなんだ…でもその心は、優しい奴ほどつらく追い込んでいく…俺達の心の中は、俺達自身が戦い、そして厳しく、結論を見い出さなくてはいけない…」
恭介「俺達は、お互いが他人である以上、こういうすれ違いは必ずいつか起こってしまうものなんだ。だから理樹、俺達を許してくれ。そして元の優しい理樹に戻ってくれないか…?」
理樹「……恭介……」
理樹「で、でも……今更そんなこと出来ないよ…!もう色んな人を取り返しのつかない所まで追い込んでしまった…!」
恭介(よ、よっしゃぁぁああ!!なんとか丸め込めた!うう、緊張で吐きそうだったぜ……)
恭介「そんな事はない……今からみんなに謝りに行こう。それでチャラだ。大丈夫、みんな許してくれるさ」
理樹「う、うん……!」
恭介「あ、そうだ理樹……」
理樹「なに?」
恭介「最後に、理樹が本当に男だという証拠を見せてくれないか?パンツ越しでいいからさ……」
理樹「……………は?」
恭介(俺はその後、めちゃくちゃ泣かされた。理由はまだ分からない)
終わり
37: 以下、
こんな話で終わるのもなんだけど一旦ssを描くのを辞めると思う
これからは惰性で描くんじゃなく、話を練ってから面白いと思ったものが出来たら建てることにする!じゃあまたリトバスssで(∵)
44: 以下、
乙!面白かったよ
45: 以下、

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