【艦これ】深海棲艦 女騎士級「シン・オンナキシ」【微エロ】back

【艦これ】深海棲艦 女騎士級「シン・オンナキシ」【微エロ】


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虚構(オーク) 対 虚構(女騎士)
ジャンル 艦これ
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2: 以下、
提督 「これからする話は敵の新型の件だ」
提督 「皆も既に知っているとは思うが、新たな深海棲艦の攻撃で我が軍の損害が増している」
提督 「高火力もさることながら耐久力がとてつもなく高い。見た目から姫級の一種と推測されるが特徴として西洋甲冑のような鎧を身につけている」
提督 「大本営はこの新型を『姫騎士級』と呼称するとともに、その鹵獲命令が各鎮守府に下った」
長門 「撃沈でなく鹵獲か?」
提督 「そうだ」
提督 「『目標の異様なまでの硬さはその西洋甲冑によるものと推測される』というのが大本営の見解だ。敵を鹵獲してその甲冑を調べれば弱点も分かるし、同様の物をこちらでも開発出来るだろう」
武蔵 「手加減しながら戦うのか? 性に合わん」
提督 「いや、初弾は本気で撃っていいぞ武蔵。その位硬い敵らしい」
清霜 (武蔵さんに本気出させて生け捕りってどんな任務!?)
吹雪 「難しそうな任務ですね」
提督 「その分見返りも大きい」
島風 「見返り?」
提督 「ああ。姫騎士級を最初に鹵獲した鎮守府は翌月の資材供給量が3倍になる」
伊58 「だったらオリョクル行かなくていいでちか?」
提督 「そうだな、作戦に成功したら来月は有給消費していいぞ」
伊58 「頑張るぞー! 姫騎士級見つけるでち!」
赤城 「捕まえたらご飯食べ放題ですね」
3: 以下、
数日後
赤城 「9時方向、艦影1!」
長門 「艦影1? なら残りの敵は水中か?」
吹雪 「ソナー反応ありません。潜水艦がいないとなると、単艦で航行中ということに……」
赤城 「彩雲より……敵は甲冑を装備!」
武蔵 「例の姫騎士級か……しかし単艦とは自分から捕まりに来るようなものだろ?」
長門 「単独で艦隊と渡り合える能力ということか。ここは慎重に――」
赤城 「これは好機です!」
島風 「えっ!?」
伊58 「有給が待ってる」
赤城 「このままではご飯が逃げてしまいます」
吹雪 「ご飯は逃げません。それに深海棲艦は食べ物じゃないです」
伊58 「やるでち! やる気の無い者は指を咥えて見ているでち」
4: 以下、
通信妖精 「長門秘書艦と繋がっております」
提督 「分った、変わる」
通信妖精 「はい」
提督 「俺だ。大体の話は聞いた。でかしたな、長門。よくやった」
長門 「ああ、今武蔵が曳航しているが、敵ながらなかなか骨のある奴だ」
提督 「こちらの損害は?」
長門 「島風が中破、吹雪が小破だ」
提督 「大破以上は無しか……。怪我人は帰還次第入廠させろ。島風が中破とは珍しいが。ところで敵はやはり火力と装甲が段違いだったか?」
長門 「装甲はやたら硬かったが火力はそれ程でも」
提督 「長門型にとっては大した火力ではなかったということか」
長門 「いや、そういう訳では。私が言った骨のある奴というのは敵の心意気の話だ」
提督 「心意気?」
長門 「ああ、自決すら出来ない状態で生け捕りにされて涙を流していた。きっと沈められるよりも屈辱だったのだろう」
提督 「こちらがしたこととはいえ不憫だな」
長門 「それと武蔵のサラシが欲しい」
提督 「さっきの報告では武蔵の損害は聞かなかったが」
長門 「武蔵が自らのサラシを解いてそれで敵をグルグル巻きにして鹵獲したんだが、そのせいで今格好が……」
提督 「わかった。新しいサラシを清霜に届けさせる。海上で装着して帰還しろ」
5: 以下、
提督 「諸君らの奮闘に感謝する。ゆっくり休め。それから明石、捕虜は艤装を外してバケツを使え」
長門 「捕虜に高修復剤を?」
提督 「早急に尋問したいからな。それから敵の甲冑の分析を頼む」
明石 「……分かりました」
提督 「明石の作業には金剛と榛名を護衛に付けさせる。傷の癒えた捕虜を営倉に入れるまでが金剛姉妹の仕事だ」
金剛 「オーケー」
榛名 「分かりました」
提督 「そして改めて全員に告げる。捕虜への虐待は堅く禁じる。皆、軍属として恥じぬ行動を取るように。以上、解散!」
6: 以下、
提督 「長門、ちょっといいか?」
長門 「何だ」
提督 「お前は無傷だからこれからドックに行かなくていいだろ。少し相談したい」
長門 「秘書艦として相談に乗ろう。周りに誰もいないこのタイミングで聞くということは言いにくいことなのだろう?」
提督 「すまんな。実はここ最近、明石が余所余所しくなって……さっきも見ただろう。元々こんなじゃなかったのに」
長門 「……」
提督 「どうした?」
長門 「何でもない、心当たりは?」
提督 「提督の健康診断と称して明石が俺を診察した頃からか。血を抜かれたりレントゲン取られたり色々されたが、きっと俺の豚みたいな身体を見て幻滅したんだろう」
長門 「豚みたいなのは身体だけか?」
提督 「サラリと酷いこと言う。お前みたいな美人にはブサイクに産まれた者の気持ちなどわからんか」
長門 「男が容姿で一々悩むな。数十年その顔と付き合ってきたのだろう?」
提督 「勿論だ。そしてその見た目の不幸をバネに猛勉強して必死に働いてここまで来た。そのせいか年の割りに老けてしまったし」
提督 「でも今でも思うんだよ。こんな顔に産まれるなんて親の顔が見て見たいってな」
長門 「自分の親をそういう風に言うな! 罰当たりな!」
提督 「おい、どうしたんだ?」
バタン
提督 (長門が執務室を出て行った……)
提督 (デリカシーが無かった……。艦娘は人間みたいに親から産まれる訳じゃない。それなのに親の話なんてしたら怒るに決まってる)
提督 (後で長門に謝ろう)
提督 (ただ一つだけ言わせて貰うと……長門)
提督 (俺本当に自分の両親の顔知らないんだよ……)
7: 以下、
提督 (居た。長門だ)
提督 「長門!」
長門 「提督?」
提督 「さっきは済まなかった」
長門 「何を謝る?」
提督 「お前達艦娘には親が居ない。なのに俺はお前の前で不幸話として親の話をした。お前が怒るのも尤もだ」
長門 「気にすることはない、私も大人げなかった。つい気が立って……。それに私には妹が居た。親は居なくとも身内との思い出はある」
提督 「……陸奥のこと、今も気にしているのか? 姉妹艦なら当然か」
長門 「忘れることは出来ない。でももう少し経てば前向きに生きていけると思う」
提督 「お前は強い」
長門 「仮にもビッグセブンだ」
提督 「それでは捕虜の顔を拝みに行きますか。待望の姫騎士級とのご対面だ」
提督 (長門の姉妹艦陸奥は突然の主砲三番砲塔付近の爆発で沈んだ)
提督 (陸奥の艤装は回収したものの遺体は見つからなかった。回収した艤装を明石に調査させたが、明石からの回答は『原因は不明です』)
提督 (あの時、明石が泣きながら長門に謝っていたっけ)
提督 (……)
提督 (長門は気丈な分、独りで抱え込みかねない。思い詰めなければいいが)
9: 以下、
提督 「報告通り怪我は治ったようだな」
女騎士級 「くっ、殺せ」
提督 「簡単に死なれては困る」
女騎士級 「貴様のようなケダモノに辱めを受ける位なら潔く死を選ぶ!」
提督 「おい」
女騎士級 「さあ、私を殺せ!」
提督 「そう言いながら何で股開いてるの?」
11: 以下、
女騎士級 「こんな地下牢に閉じ込めて何をする?」
提督 「暴れて脱走されたらこちらとしても困る」
女騎士級 「愚問だったな。捕虜が女だった場合、お前のような下劣なケダモノがやることは判りきっているのに」
提督 「さっきから人様をケダモノ呼ばわりしてるけど俺のこと何だと思ってるの」
女騎士級 「オーク」
提督 「おい」
13: 以下、
提督 「いきなりご挨拶だな」
女騎士級 「何を言うか」
女騎士級 「その樽のような胴、短い腕、短直な足股、正面から押し潰したような醜悪な面構え」
女騎士級 「これがオークでなくて何だと言うのだ!?」
提督 「流石に面と向かってそこまで言われたのは初めてだよ」
14: 以下、
提督 「俺は人間だ……と言うか何でわざわざ人間って公言しないといけないんだよ……」
女騎士級 「ふざけたことを……」
提督 「いや、ふざけてないから」
女騎士級 「人間というのは……」
女騎士級 「こういうのとか!」
提督 (長門を指差した)
女騎士級 「こういうのとか!」
提督 (金剛を指差した)
女騎士級 「こういうのを言うのだろう!」
提督 (榛名を指差した)
女騎士級 「お前はどこからどう見ても別の種族ではないか!?」
提督 「人間だから! デブサイクなのは認めるけど俺は人間だから!」
15: 以下、
女騎士級 「ならば貴様は何者だ」
提督 「質問しているのはこっちだが……まあいい。俺はここの管轄を任されている者だ。皆からは提督と呼ばれている」
女騎士級 「テートオーク……やはりオークではないか!」
提督 「とりあえずオークから離れような」
16: 以下、
提督 「今度はこっちが質問する番だ」
女騎士級 「これまで騎士として守ってきた純潔をこの豚に散らされるのか」
提督 「ちょっと待て」
女騎士級 「何だ?」
提督 「さっきからどうして俺がお前に手を出す前提で話をしてるの?」
女騎士級 「出すんだろ?」
提督 「出さないよッ!」
女騎士級 「何故出さんッ!」
提督 「いくら美人でもさぁ、種族が違うじゃん」
女騎士級 「異種姦こそオークの真骨頂ではないのか!」
提督 「あのなあ……」
17: 以下、
提督 「まずは名前を聞こうか……」
女騎士級 「お前のような豚に我が名を呼ばれながら抱かれるか思うと吐き気がする」
提督 「そう言いながら何で物欲しそうな顔で人の股間を見てんの」
女騎士級 「人聞きの悪いことを言うな!」
提督 「まあいい……俺から名乗るよ」
提督 「俺の名は益三。原益三」
女騎士級 「『孕ますぞ』だと。やはりオークではないか!」
提督 「……」
19: 以下、
長門 「提督、尋問の体を成してなかった」
提督 「面目無い……。ところでお前にバトンタッチした後、情報は聞き出せたか?」
長門 「いや……。ただあの深海棲艦が我々のことをどう考えているかはわかった」
提督 「何て言ってた、あの甲冑娘は? いや、今は囚人服を着せているから元甲冑娘か」
長門 「あの深海棲艦は、提督が私達艦娘を……その……」
提督 「何だ?」
長門 「あの……その……」
提督 「遠慮せずに言え。さっきあの元甲冑には随分なことを言われたから今更驚きはせん」
長門 「あいつは……提督が艦娘に如何わしいことをして快楽の虜にして従わせていると思っている。『一緒に逃げよう』と言われた」
提督 「だったら話の聞き出しようはあるか……」
長門 「仲間になって脱走する振りをして情報を聞き出すと」
提督 「流石長門秘書艦殿、ご理解が早いようで」
長門 「茶化すな」
提督 「そもそもあの捕虜が大本営の探す姫騎士級なのか確認する必要がある」
長門 「そうだな。あの捕虜相手に戦った感想だが、硬いだけで火力はそれ程でもない」
長門 「あれが大本営の言うような脅威とはとても思えない」
提督 「同感だ。ただ本音を言えばあれが姫騎士級であって欲しいが……来月の資材のことを考えると」
26: 以下、
投下前に以下記載ミスお詫び
コメ4の2行目
誤 提督 「分った、変わる」
正 提督 「分った、代わる」
これより投下
27: 以下、
榛名 「提督、榛名は出撃させてくれないのですか?」
提督 「今は鎮守府にある程度戦力を残しておいた方がいい」
榛名 「来月資材が3倍になるんですよね。節約の必要は無いのでは?」
提督 「問題はそこじゃない」
榛名 「?」
提督 「榛名、もし金剛が敵の捕虜になったらどうする?」
榛名 「金剛お姉さまはそう易々と敵に捕まったりしません」
提督 「例えばの話だ」
榛名 「なら、榛名は金剛お姉さまを助けに行きます」
提督 「だろう。それと同じだ。敵が捕虜奪還の為にここに侵攻する可能性がある」
榛名 「そうですね……さすが提督です」
提督 「かといってここが直接攻撃される距離まで敵を近づける訳にもいかんし……鎮守府近海哨戒の部隊は出す」
榛名 「はい!」
提督 「但し金剛と榛名は鎮守府にて待機。別途重要な任務を与える。金剛を呼んできてくれ」
榛名 「はい……」
28: 以下、
隼鷹 「6時方向に艦影1!」
武蔵 「艦影1? 清霜、敵潜水艦は居るか?」
清霜 「いえ、潜水艦見当たりません」
武蔵 「さっきの姫騎士級を見つけた時と同じ状況か」
清霜 「とすると今度は武蔵さんが姫騎士級に縛法をかけるところを見られるんですね」
武蔵 「さっきの姫騎士級鹵獲時に清霜は居なかったからな」
清霜 「替えのサラシは持ってきたので思う存分縛って下さい!」
加賀 「……間もなく会敵します」
清霜 (私も戦艦になったら縛法を使いこなすんだ!)
29: 以下、
提督 (長門には捕虜から情報を引き出す任務を与えた。金剛と榛名は捕虜の監視と世話、島風は入廠中、傷が癒えた吹雪を含め残りの艦娘を2艦隊に分けローテーションで近海を哨戒)
提督 (さっき第二艦隊を出港させた。じきに第一艦隊が帰還するだろう)
提督 (単独で航行中の敵を鹵獲したのだから、あの元甲冑娘が鹵獲される前に通信でもしてない限り、敵の本拠地は捕虜を取られたとは知らんだろう)
提督 (ここに敵が攻めてくると考えるのは杞憂か?)
長門 「提督」
提督 「どうした、長門?」
長門 「加賀より入電、第一艦隊が会敵した」
提督 「そうか。状況を聞こう」
30: 以下、
加賀 「こちら加賀、敵艦と交戦の末、辛うじて撃退しました……いえ、見逃して貰ったと言うべきか……」
提督 「こちらの損害は?」
加賀 「武蔵さんと私は中破、他は全員大破です」
提督 「誰も沈まなかったのは不幸中の幸いだ、ご苦労だっ――」
加賀 「提督! 話を遮ってすみません。急ぎ鎮守府の迎撃体制を。敵がそちらに向かっています!」
提督 「分った」
提督 「長門、哨戒任務中の第二艦隊に連絡を取り、急ぎ帰還させろ」
長門 「了解した」
提督 「加賀、一体何があった?」
31: 以下、
加賀 「会敵した時は6対6でした」
加賀 「我々を前にして敵は1隻だけ殿を残して他の深海棲艦は鎮守府を目指したのです」
提督 「まさか、その一隻って……」
加賀 「はい、甲冑を着けた敵がたった一隻で私達6隻相手に互角以上に渡り合ったんです。残りの敵がそちらに向かっています!」
提督 「ご苦労だった。自力で帰れそうか?」
加賀 「はい……鎮守府までそう距離はありませんから……不甲斐無いです……」
提督 「あまり自分を責めるな。それからお前達の家は必ず守る。だから全員で帰って来い。血は繋がってなくても俺達は家族だ」
加賀 「はい、ご武運を!」
長門 (血は繋がってなくとも家族か……)
長門 (提督は知らないのか……血が繋がっていても家族にすらなれない場合もあることを)
32: 以下、
提督 「長門、金剛、榛名、そして怪我が癒えた島風の4名で艦隊を結成、これを第三艦隊とする」
提督 「第三艦隊の任務は現在鎮守府に向かっている敵艦隊の迎撃だ」
提督 「無傷の第二艦隊が鎮守府に帰還するまで持ちこたえればいい。第二艦隊が敵の背後を突けば挟撃出来る」
島風 「もし敵の5隻が姫や鬼だったら……」
金剛 「いずれにせよ戦うだけデース」
榛名 「提督の予想通りでした」
提督 「ああ、外れて欲しかったが……」
33: 以下、
短いけど今晩はここまで
続きは日曜中に書く
読んでくれた方ありがとうございます。お休みなさい。
36: 以下、
これより投下
37: 以下、
金剛 「ハァ、ハァ、ハァ……」 大破
榛名 「お姉さま……」 大破
島風 (奇跡だ) 損害無し
長門 「提督、こちら長門。敵艦隊、全滅」 小破
提督 「よくやった! 戻って来い」
長門 「第一艦隊を確認!」
提督 「第一艦隊も帰還したか。これで一安心――」
長門 「いや……違う! あれは新手の敵だ!」
38: 以下、
提督 「数は!?」
長門 「艦影6……」
提督 「第三艦隊は帰港せよ、敵を振り切れるか?」
長門 「何とかする。金剛、榛名、艤装を外すんだ」
金剛 「What!?」
長門 「高戦艦とはいえその怪我ではいつものスピードは出せんだろう。艤装無しのお前達なら乗せられる」
金剛 「まだ動けます……ノープロブレム」
榛名 「お姉さまは……私が曳航します……」
長門 「お前も大破だろう」
長門 「まずは生きて帰ることだ」
金剛 「わかりました。艤装パージします……」
榛名 「榛名も……艤装を破棄します」
長門 「私が二人を背負うから島風は私を曳航してくれ。私も出来るだけ急ぐが、元々足がくないからな」
島風 「わかりました。連装砲ちゃん、一緒に長門さんを曳航するよ」
長門 「頼む……」
長門 「提督、金剛と榛名は自力航行が厳しいから艤装を破棄させて私が運ぶ。それでいいか?」
提督 「ああ、それでいい。無事帰ってきてくれ」
長門 「あと、明石に代わってくれ」
39: 以下、
明石 「はい、わかりました。気をつけて。通信終わります」
提督 (第二艦隊が敵を索敵しきれなかったか)
提督 「明石、長門は何と言っていた」
明石 「提督に艤装をつけるようにと言われました」
提督 「この状況でお前が俺に冗談を言うとはな」
明石 「冗談ではないですよ」
提督 「何を言って、おい、引っ張るな」
40: 以下、
明石 「まずはこれを」
提督 (捕虜が装備してた甲冑……)
提督 「俺が着けてどうする。それにサイズから見て入る訳ないだろう」
明石 「強引に着てみて下さい。そいつは柔らかくて引っ張ればドンドン伸びます。だが衝撃には相当強いです」
提督 「甲冑が伸びるってどんな謎技術だよ?」
41: 以下、
提督 「着られた」
提督 (しかもすごく軽い)
明石 「次に艤装です」
提督 「本当に付けるのか?」
明石 「はい、陸奥さんの形見です。壊さないで」
42: 以下、
提督 (本当に艤装を装備出来た。この俺が……)
明石 「40口径の主砲、威力は折り紙付です」
提督 「明石、以前の健康診断で俺の体に何をした」
明石 「何もしてません」
提督 「とぼけるな。男に艦娘の艤装は着けられない筈だ」
明石 「それについては私から話すべきことではないわ」
明石 「私が出来るのはここまで。後は提督がどんな作戦を立てるかです」
提督 (明石の表情、相変わらず俺には冷たい……)
43: 以下、
長門 「第三艦隊帰港した。敵はもうそこまで来ている」
提督 「第三艦隊、ご苦労だった。作戦を通達する」
提督 「鎮守府に帰港した第三艦隊のうち金剛、榛名は直ちに入廠、バケツを使え。長門と島風は弾薬補充後直ちに出撃」
島風 「!」
島風 (二人だけで!)
提督 「お前達だけ戦わせたりしない。俺も艤装を装備出来た」
島風 「えっ!? 提督って太ったオカマだったの!? まさか『マスゾー・デラックス』!?」
提督 「俺は男だ!? 作戦はこうだ」
提督 「島風を旗艦として反航戦をとる。そして敵とすれ違うと同時に長門は反転して鎮守府の防衛に当たれ」
提督 「その間、俺が援護射撃をする」
提督 「そして島風はそのまま航行して第二艦隊に合流、第二艦隊と共に敵を殲滅せよ」
長門 「島風を囮に敵を第二艦隊に誘導するのか?」
提督 「そうだ。島風、お前の足のさが頼りだ。出来るな」
島風 「任せて!」
長門 「無茶をさせる……。もし敵が島風を無視して鎮守府に向かったら?」
提督 「その時は鎮守府を自爆させる」
長門 「!?」
提督 「冗談だ。その時は捕虜を人質に敵と交渉、第二艦隊が帰港するまでの時間稼ぎをする。それから長門、この戦闘が終わったら聞きたいことがある」
長門 「了解した……」
長門 (私の予想通り提督に艤装が着けられた。これで確定した)
長門 (あれがあの忌まわしきクロスオーク作戦の産物か)
44: 以下、
その時、長門は自らの忌まわしき過去を振り返っていた
長門 「これを外せ! この……」
研究員 「お前には重要な研究に協力して貰う」
長門 「研究だと?」
研究員 「ああ、そうだ。お前達艦娘を増産する為の研究だ」
長門 「増産……?」
研究員 「お前達艦娘は建造に費用がかかる。少しでもコストを下げる為の研究だ」
研究員 「”あれ”を連れてこい」
45: 以下、
マンハッタン 「ブヒッ、ブヒーッ!」
長門 「……何だ、その化け物は?」
研究員 「こいつは遺伝子操作で生み出した人間と豚のハーフだ。こいつの子供が早く成長するように豚の遺伝子を組み込んだんだ」
研究員 「どうだ、こいつ摩天楼のようにリッパなイチモツを持っているだろう。だから『マンハッタン』と名づけた」
長門 「まさか……そんな馬鹿な……」
研究員 「ああ、お前にはこいつの子を産んでもらう」
長門 「やめろ! やめてくれ! 私にこんなことをしたらタダでは済まないぞ!」
研究員 「お前の身柄は日本政府から譲り受けた。全てお前の祖国の政府の了承済みだ。恨むなら敗戦国の艦娘に生まれたことを恨むんだな」
長門 「くっ、殺せ! ビッグセブンの誇りにかけてお前達には決して屈しない!」
長門 「んほぉぉおお!! オークのお○んぽしゅごいのおお!」
46: 以下、
研究員 「久しぶりだな。どうだ気分は?」
長門 「クッ……」
研究員 「お前に会せたい者が居る。お前の身内だ」
長門 (身内!? 陸奥か!?)
47: 以下、
長門 「何故また拘束する、これを外せ!」
トリニティ 「ブヒッ、ブヒッ、ニンゲン……」
長門 「こいつは……」
研究員 「お前が産んだ子だ。人間と豚と艦娘の3種の混血、『トリニティ』と名づけた」
長門 「……」
長門 「いやああああああッ!」
研究員 「さあトリニティ、雄として立派に成長したところを母親に見せてやれ」
長門 「くっ、殺せええええ!」
長門 「んほぉぉおおお!! オークのお○んぽしゅごいのおおお!」
49: 以下、
長門 「次は何だ」
研究員 「こいつはお前とトリニティの間に生まれた。こんなクリーチャーでも生まれたばかりの時はそれなりに可愛くてな。『リトルボーイ』と名づけた」
リトルボーイ 「ブヒヒッ、オンナ、オンナだ」
長門 「くっ、殺せ! どこまで私を辱めたら気が済むんだ。この○畜米英め」
長門 「んほぉぉおおおお!! オークのお○んぽしゅごいのおおおお!」
50: 以下、
長門 「拘束はいい」
研究員 「そういって油断させる気か」
長門 「もう私は汚れた。誇りも失った。どうでもいい」
研究員 「まあ、この私も段々おざなりになっているのは事実だ」
研究員 「お前がリトルボーイとの交配後に産んだこいつにも見た目から単純に『ファットマン』と名づけた位だ」
ファットマン 「ブヘヘヘ、コイツをヤッテイイノカ」
研究員 「しかし少しは抵抗してくれないと面白くない」
長門 「くっ、殺せ……。これでいいか?」
研究員 (鬱状態のようだ。カンフルになるイベントが必要かもな)
長門 「んほぉぉおおおおお!! オークのお○んぽしゅごいのおおおおお!」
52: 以下、
長門 (いつものように部屋に連れてこられて……こんなことがいつまで続くのだろう。あれは……)
酒匂 「ウ、ウウ……」
長門 「酒匂!?」
長門 「酒匂!? 酒匂、しっかりしろ、酒匂!」
研究員 「同じ艦娘でも軽巡では『エイブル』のピストンに耐えられなかったようだ、クックックッ」
長門 「何てことを!?」
酒匂 「ア、ウ……」
長門 「酒匂、どうした!?」
酒匂 「もう……死なせて……」
酒匂 「……」
長門 「酒匂……?」
長門 「酒匂ーッ!」
53: 以下、
長門 「よくも酒匂を!」
研究員 「お前の産んだ『エイブル』がやったことだ」
長門 「くっ、殺してやる! お前達皆殺してやる!」
研究員 「だそうだ。『エイブル』、お母さんの相手をしてあげなさい」
エイブル 「ブへへへ、さっきのに続いてこいつも上玉だぁ」
長門 「お前なんか産みたくなかったのに!」
長門 「んほぉぉおおおおおお!! オークのお○んぽしゅごいのおおおおおお!」
55: 以下、
研究員2 「今まで本当に済まなかった。許されるとは思わないが謝らせて欲しい」
長門 「……」
研究員2 「これまで研究を続けてきた研究員は更迭された」 
長門 「……もう私にとってはどうでもいいことだ」
研究員2 「長門よ、この研究の犠牲者を弔いたくはないか?」
56: 以下、
長門 「これが酒匂の墓……立派な墓だ」
研究員2 「せめてものお詫びだ。さあ、捧花を」
長門 「ああ」
長門 (ここに酒匂が眠っているのか……)
長門 「死者の冥福を祈らせてくれ」
研究員 「ああ、勿論だ」
水兵1 「黙祷!」
長門 (許してくれ、酒匂。そして安らかに眠ってくれ)
57: 以下、
研究員2 「来てよかったか?」
長門 「ああ」
研究員2 「そういって貰えるとこちらも嬉しい。実はここにサプライズゲストを連れてきている」
長門 「サプライズゲスト?」
研究員2 「そうだ。連れて来い」
ベーカー 「こんにちわ。ベーカーだよ」
長門 「まさか……」
研究員2 「ああ、エイブルと君の間に生まれた子供だ。そして最後の研究に付き合って欲しい」
長門 「そんな、まさか……やめてくれ、酒匂が見ているんだぞ……」
研究員2 「感動の親子の再会を見て貰えばいいだろう。やれ、ベーカー」
ベーカー 「でも……」
研究員2 「やらなかったら飯抜きだ」
ベーカー 「わかった……」
長門 「くっ、殺せ!」
58: 以下、
長門 「んほぉぉおおおおおおお!! オークのお○んぽしゅごいのおおおおおおお!」
研究員2 「上はこの計画を失敗と判断した。だが私も研究者としての意地があるので細々ながら研究は続けたい。これで最後のサンプルが獲得出来たら君は用済みだ」
長門 「アへぇえぇ」
ビクンビクン
59: 以下、
長門 (作戦名『クロスオーク』。艦娘を文字通りオークと交配させることで艦娘の増産を目指した鬼畜の所業)
長門 (妊娠中の艦娘が出撃出来なくなる、成長した子供に教育を施す必要がある、容姿が醜い、といった建造では起きない問題を抱えて頓挫した)
長門 (私や酒匂だけでなく、ドイツの艦娘や計画を押し進めたアメリカの艦娘までもがその犠牲になった)
長門 (解放された私は青葉の手を借りて頓挫した計画のその後を追った)
長門 (私が産まされた子は一人を除いて全員死亡していた。唯一の生き残り、最後に産まされた子供の居場所を突き止めたが……)
長門 (私の血の64分の63を引いていれば艤装を扱えても何ら不思議はないか)
島風 「長門さん……長門さん!」
長門 「……島風、どうかしたか?」
島風 「今、長門さん凄く怖い顔してたから」
長門 「大丈夫、少し昔のことを思い出していただけだ」
60: 以下、
提督 「作戦開始!」
島風 「連装砲ちゃん、一緒に行くよ」
長門 (鎮守府を守る……そして全てのケリをつける)
戦艦レ級 「テキ ハ タッタ ニセキ ダケ ダ」
提督 「撃てっ!」
ドオオン!
戦艦レ級 「リク カラ ホウゲキ ダト!」
戦艦レ級 「ウチカエセ!」
重巡リ級 「ウテ、ウテ!」
ドン、ドオオン!
提督 「食らった!」
提督 「凄い……痛いことは痛いが、耐えられる……」
提督 (これが西洋甲冑の防御力……)
島風 「あんた達の相手は私よ!」
バシュゥ
ドゴオォォォン!
戦艦レ級 「グアッ!」
島風 「魚雷命中!」
戦艦レ級 「オノレ アノ スバシコイ ノヲ オウ ゾ」
61: 以下、
長門 「敵艦隊は島風を追ったか……」
提督 「敵もこちらの攻撃をうけて損耗している。攻撃力、機動力の衰えた敵なら島風も簡単には捕まるまい。賭けよう、ただ……」
長門 「どうした?」
提督 「こっちは高台から見ているから分かるが、敵が一隻接近している」
長門 「敵? まだいたのか……」
提督 「一隻とはいえ、望遠鏡で見る限り甲冑をつけているようだ。……おそらく加賀達第一艦隊を攻撃した奴だろう」
提督 「どうやら人質を盾にした交渉が必要なようだ。長門、お前の損害は?」
長門 「中破だ」
提督 「すまない、使者として敵姫騎士級に会って欲しい」
長門 「了解だ。一旦帰港する」
長門 「明石、こちら長門だ」
明石 「こちら明石、厳しい戦闘でしたね」
長門 「一旦帰港する、少し時間を欲しい」
明石 「わかりました」
62: 以下、
明石 「せめて応急処置だけでも」
長門 「いや、いい。それよりも例のアレを」
明石 「そう来ると思ってました。はい、これです。今度こそは大丈夫です」
長門 「ありがとう、明石には苦労をかけた」
明石 「いえ、そんな」
長門 「行ってくる」
明石 「あの、長門さん戻って来ますよね?」
長門 「……ああ」
64: 以下、
長門 「提督、こちら長門」
提督 「待っていたぞ長門!」
長門 「敵姫騎士級との交渉が成立した。捕虜を返還すれば撤退するそうだ」
提督 「ありがとう、長門。頼りになる。ただ大本営から何と言われるやら」
長門 「ここを落とされるよりはマシだろう」
提督 「ああ」
長門 「捕虜返還の方法だが、敵が出した条件は提督自ら捕虜と共に現れることだ」
提督 「それって厳しくないか?」
長門 「艤装が扱えるということは一応海に出られるということだ。訓練してないから度は期待出来ないがな」
提督 「そうじゃなくて……敵が撃ってくるかもしれん」
長門 「私が姫騎士級の真後ろで主砲を構えることを了承させた。もし敵が不穏な動きをすれば至近距離で背後から頭を狙い撃つ」
提督 「分かった」
65: 以下、
ここで一旦休憩
19:30再開予定
69: 以下、
これより再開
70: 以下、
女騎士級 「テートオーク、何だその格好は……」
提督 「自分でも驚いてる。艤装やお前らの甲冑を身に着けることになるとはな」
女騎士級 「まさか貴様は……」
女騎士級 「伝説のフルアーマーオーク!」
提督 「深海ではそんな伝説がある訳?」
71: 以下、
提督 「兎も角お前を出してやる」
女騎士級 「『お前に出してやる』だと、遂にその気に――」
提督 「違うよ。解放するって言ってるの」
女騎士級 「えっ……」
提督 「何でそこで固まるの?」
女騎士級 「わたしまだ孕んでない……『孕ますぞ』って言ってたのに」
提督 「……お前の仲間が沖合いまで迎えに来てるから。営倉の扉開けるぞ」
72: 以下、
明石 「提督、第一艦隊から入電です」
提督 「分かった、代わる……俺だ」
赤城 「敵艦隊と交戦、辛うじて全滅させました」
提督 「よくやった、礼を言う! 損害は?」
赤城 「大破多数ですが、誰も沈んでいません」
提督 「よかった……。島風も無事か?」
赤城 「大破です。ボロボロになりながら私達のところまで駆けつけました。可哀想に……」
提督 「あいつには無理をさせた……。島風を始め皆には何かお礼を考えんとな。それから一時的に停戦になったから安心して帰って来い」
赤城 「停戦ですか?」
提督 「敵の本物の姫騎士級と交渉したんだ。俺はこれからそいつに会いに行く」
赤城 「本物ですか? では我々が捕えたのは……」
提督 「恐らく廉価版ってところだろう。積もる話は後だ。帰港したらゆっくり休め。それから他の皆にも俺が礼を言っていたと伝えてくれ。通信を切る」
赤城 「はい、お気をつけて」
73: 以下、
72は間違い
以下が正しいです。艦隊名間違えた
明石 「提督、第二艦隊から入電です」
提督 「分かった、代わる……俺だ」
赤城 「敵艦隊と交戦、辛うじて全滅させました」
提督 「よくやった、礼を言う! 損害は?」
赤城 「大破多数ですが、誰も沈んでいません」
提督 「よかった……。島風も無事か?」
赤城 「大破です。ボロボロになりながら私達のところまで駆けつけました。可哀想に……」
提督 「あいつには無理をさせた……。島風を始め皆には何かお礼を考えんとな。それから一時的に停戦になったから安心して帰って来い」
赤城 「停戦ですか?」
提督 「敵の本物の姫騎士級と交渉したんだ。俺はこれからそいつに会いに行く」
赤城 「本物ですか? では我々が捕えたのは……」
提督 「恐らく廉価版ってところだろう。積もる話は後だ。帰港したらゆっくり休め。それから他の皆にも俺が礼を言っていたと伝えてくれ。通信を切る」
赤城 「はい、お気をつけて」
74: 以下、
長門 「会った時は驚いた。まさかこんな形で出会えるとは」
姫騎士級 「みんなは元気?」
長門 「ああ、元気だ。ここの提督はなんだかんだ言って優秀だから」
姫騎士級 「私以降で誰か沈んだ?」
長門 「いや、居ない」
姫騎士級 「それは凄いわね。しかも私だって戦闘で沈んだ訳じゃないし」
長門 「そうだ。戦闘で怪我人は出しても轟沈は出さないんだ」
長門 「戦果だけを挙げる者はそれなりにいる。しかし味方の損害を抑えながら戦果を挙げるのは非常に難しい」
長門 「例えるならブラック会社化せずに会社の業績を上げるようなものだ」
姫騎士級 「これでオークでなければね」
長門 「クロスオーク計画で生まれた個体は豚の遺伝子が入っているせいか知能が低い者が多かった」
長門 「だがあの提督は違った。私の血が濃くなるにつれ豚の部分が薄まったのかもしれん」
姫騎士級 「それって自画自賛よ」
長門 「そういうつもりは無いが……少なくとも私は豚よりは優秀だろう」
姫騎士級 「フフフ、ただあの提督、伊達に長門の血を引いてないわね。最早オークというよりはニューオークとでも言うべき存在」
長門 「ああ、あれは唯のオークではない。可能性の獣だ。提督は素直にオークの有り様を示し過ぎた」
長門 「そして、だからこそこれだけは言える」
長門 「クロスオーク計画は完全に終了させねばならん」
75: 以下、
長門 「もし提督がこれ以上活躍してさらにその出自に軍上層部が目をつければ……」
長門 「クロスオーク計画は再開されるだろう」
長門 「今を生きる艦娘達を、そしてこれから生まれる新たな艦娘達を私のような目に遭わせたくない。それだけは絶対にあってはならない」
長門 「陸奥だってそう思ったからこそ、あの日提督に主砲を向けたのだろう?」
姫騎士級 「まさか暴発するなんて思わなかったわ」
長門 「明石が泣きながら謝っていた。沈んだお前の艤装を海底から引揚げたら試製弾頭が暴発の原因と判明したと。私と明石の間だけの秘密だ」
姫騎士級 「明石は悪くないわ。長門が明石に頼んで造ってもらっていた特殊弾頭を私が勝手に持ち出して使おうとしたんだもの」
長門 「明石に十字架を背負わせ、お前を死に追いやった。私は不甲斐ない姉だ」
姫騎士級 「私は長門を責めるつもりなんてない。きっと明石も……」
姫騎士級 「ただ、済まないと思っているなら今度こそ私に撃たせて頂戴。今度こそ爆発なんてしないんだから」
長門 「ああ、今度は大丈夫と明石も言っていた」
77: 以下、
提督 「あそこにいるのが長門と姫騎士級か」
提督 (自分の身体が完全に海上に浮かんでるなんて不思議だ)
女騎士級 「あっ、姫騎士級様ァ!」
提督 「こら、前に出るな?」
78: 以下、
姫騎士級 (提督と女騎士級の距離が空いた!)
姫騎士級 「撃て!」
ドオオン!
提督 「!?」
提督 (撃ってきた! だがこっちには甲冑がある!)
バシュン!
シュウウウウウ
提督 (これは何だ!?)
79: 以下、
女騎士級 「びっくりしたじゃないですか。姫騎士級様」
姫騎士級 「ごめんね。で、効果はどうだった」
女騎士級 「フルアーマーオークは完全に消滅しました」
姫騎士級 「作戦成功ね」
長門 「明石が開発して私が持ってきた対オーク兵器……」
長門 「『オーキシジェン・デストロイヤー』搭載弾頭がオークに対して絶大な効果があることが判明した」
長門 「これが残りの弾と設計図だ」
姫騎士級 「頂くわ。深海棲艦の技術で量産化に成功すれば、万一クロスオーク計画が再開されても深海にとってオークは脅威では無くなる」
姫騎士級 「ねえ、長門。もう対オーク兵器は完成したんだし一緒に来ない? こっちにはあなたと同じ被害にあったプリンツ・オイゲンもサラトガも居るのよ」
長門 「私は陸でクロスオーク計画が再開されないよう監視し続ける。それが私のライフワークだ」
姫騎士級 「ふーん、そう、ならこれからも表向きは敵同士のままね」
長門 「ああ、元気でな」
姫騎士級 「ええ、長門も」
女騎士級 「お世話になりました」
80: 以下、
金剛 「テイトクは名誉の戦死を遂げ、三階級特進」
榛名 「鎮守府は死守しましたが、怪我をした私達皆の修理で資源は完全に溶け、しばらく出撃出来なくなりました」
金剛 「捕えた捕虜も逃がしたので大本営の覚えも悪くなりました」
榛名 「唯一の目撃者である長門さんの証言によると、敵は捕虜の奪還に成功後、提督と長門を砲撃。提督は即死、長門さんは大破した……」
榛名 「ですよね、長門さん」
長門 「ああ、私は提督をお守り出来なかった……」
榛名 「決して長門さんを責めているんじゃないんです」
赤城 「長門さんですらどうすることも出来ない状況だったということでしょう」
武蔵 「ただ、いつまでも落ち込んでいたら提督が成仏出来ん」
武蔵 「今は提督が居なくても何とかすることが先決だろう」
長門 「そうだな……」
長門 (そうだ、オークなんて要らない。オークに頼るべきではない。クロスオーク計画が再開しても私が必ず阻止してみせる)
長門 (私は人間社会で、陸奥は海で、共に戦おう)
長門 (ノーモアオーク、その言葉を胸に)
81: 以下、

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