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イラクの都市、ファルージャで傭兵取材をしたときのことを書く


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大学ジャーナリズム専攻して入社
殊の外世間狭い業界なのでその他のことは言えない
写真も何枚かあるが、これは俺名義ではなく
会社名義なのでちょっとうpれない
管理人です!
ここでの取材内容は2006年のもののようです。
ファルージャファルージャはイラクの中部の都市。人口は約28万5000人。
ファルージャは湾岸戦争時において多くの犠牲を出した都市の一つである。橋への空爆が失敗したことにより、人で賑わっていた市場へ爆弾が2発投下され、200人ほどの民間人を死に至らしめた。
2011年より続く隣国シリアでの内戦で勢力を拡大したイスラム過激派組織ISILは、2013年末に国境を超えイラクに侵入。ファルージャは2014年1月に陥落したが、これはイラクの都市としては初となるISILによる占領であった。その後はISILによる統治が続いたが、2016年5月23日にイラク軍ならびにシーア派民兵ハシド・シャービと米軍による攻撃が開始され、6月18日には市内中心部が、次いで26日には全域の奪還が発表された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファルージャ
関連:ファルージャを奪還 ISの拠点だったがイラク軍が2年半ぶりに:huffingtonpost
2: 以下、
おれはCNNやBBSの記者団と一緒にナジャフのキャンプに赴いた
これだけでも特定されそうだが頑張る
従軍取材ではなく現地取材だったため、軍隊についての知識は乏しい
その日はUSM第1偵大の近くを通ってPMCの駐屯地を訪問する予定だった
5: 以下、
そこで俺は5日にわたって
ブラックウォーター社と呼ばれる大手の社員を取材した
その時のことを書こうと思う
ブラックウォーターUSAAcademi(アカデミ、旧XeサービシズLLC、旧ブラックウォーターUSA)は、アメリカ合衆国の民間軍事会社である。
1997年にアメリカ海軍特殊部隊SEALsを退役したエリック・プリンスにより、ブラックウォーターUSAとして創設された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラックウォーターUSA
7: 以下、
駐屯地は各軍企合同だったのだが、
やけに同じマークつけた傭兵さんが多いな、と不自然に感じた
あとで聞いた話だが
傭兵市場の相場なぞよく分からないが、BW社は当時かなりのシェアを持っていたらしく
別に大人数で駐屯地占拠してても不思議ではないとのこと
駐車場には装甲車やピックアップが駐車していて、
車両管理はスマイルセーヴ社という会社の社員が多かった
8: 以下、
まず幹部の詰所へ挨拶
笑顔が素敵な年配のオペレータに「今日はよろしく」と伝える
その後、自由取材許可をいただいて駐屯地をうろうろした
軍隊と違い規制もゆるく、社員たちもフランクだった
まず俺が興味を持ったのが
デズモンドと呼ばれていた走破チームの機関銃手だった
上半身裸でゲイのものまねをして近づいてくれた
9: 以下、
おれ「どこの出身ですか?」
デズモンド「モンタナ。だからおれのニックネームはモンタナガール。よろしく」
そういう軽い流れで取材を受けてもらった
戦場にいる人間のイメージと違って、相当なユーモアを持った男だと感じた
11: 以下、
まず、傭兵になった経緯を聞いた
デズモンド「海兵隊の軽装甲部隊にいたが、イラクが嫌になったので辞めた」
じゃあまたなぜイラクに来たのか、と聞く
デズモンド「最初は自分でも気が触れたかと思ったが、なぜかイラクが頭から離れなかった
  ハジ(中東人の蔑称)と戦うのはウンザリだと思って辞めたけど、なぜか急にもう一度赴いてみたくなったんだ」
デズモンド苦笑い
10: 以下、
ブラックウォーターって問題起こしてあの後もうなくなったの?
13: 以下、
>>10
BEだかXEだか忘れたけど名前変えた
14: 以下、
>>10
知らん。俺は当時のことしか分からん
その後軍の再入隊は面倒だと思ってBW社に入社したという
俺「ここで困ることは?」
デ「女と話せないこと。思うようにマスを掻けない」
俺苦笑い
デ「本当なんだよ。あとは弾が詰まることかな、弾詰まりって分かる?」
俺「わかります。砂塵がどうとか」
デ「そうそう。乾いたガンオイルより厄介だよ」
16: 以下、
いま取材手記を読みなおして書いているが、ところどころ汚れてて読み取りにくい
多少内容とぶかも。ゴミンニ
俺「どういう銃を撃つんです?」
デ「あれだよ」
サバーの屋根にくっついてるでかい機関銃を指さすデズモンド
デ「フィフティーって呼ぶんだ。うちのリーダーは“ニガーのXXX”とも呼ぶ」
デ「あれがないと俺たちは仕事が出来ないんだ。だからあれを担当する俺は
 うちの大統領の演説内容を書くライターと同じくらい偉いんだ」
俺たち大笑い
デ「でもよく弾づまりを起こすよ。反動式(恐らく銃の機構)がそれを引き起こしている」
17: 以下、
俺「軍にいた頃もあれを?」
デ「うん。あれがついた軽戦車が相棒だった。沢山タイヤがついてるやつだよ、分かるかい?」
俺は資料の中からLAV25(軽戦車というのか)と米兵が写った写真を取り出す
俺「こいつ?」
デ「そう。それだよ、それに乗っていた」
もっと笑顔になるデズモンド
テンポよく話は続く
18: 以下、
俺「イラクでは、あんたは何が怖い?」
デ「待ち伏せ攻撃と仕掛け爆弾(地雷のようなもの。米兵はIEDと呼ぶ)だね。チビるよ」
俺「ここに来てからは既に攻撃にあったんですか?」
デ「何度も。俺らはバスラ地区から物資を輸送する米軍補給隊を警護する役目なんだけれど、
 ハジ(中東人の蔑称)の奴らもやっぱり高性能な装備が欲しい。だから補給路を狙ってくる」
デ「そういう脅威から補給隊を護るのが俺らさ」
俺「砂漠で死ぬことについて疑問はないですか?」
デ「それが仕事だからね、どこだろうと俺は命をかけるよ」
デズモンド終始爽やかな笑顔
19: 以下、
へへえ
20: 以下、
俺「ここに楽しみはありますか?」
デ「仕事内容にはないけれど、娯楽なら他の要素にある」
俺「それは何ですか?」
デ「古巣(ここでは米海兵隊)の連中とカードゲームするのさ。俺の美味い民生レーションを奴らは欲しがる」
デ「日本製も食べるよ。保存食、あんたらはこういうの作るの上手いよね」
俺「どうも」 ←ちょっと嬉しくなってにやける
デ「文明圏は遠いから娯楽らしい娯楽はないね。それが現状だよ」
21: 以下、
ここでデズモンドを呼ぶ声が聞こえて、数人の男達が俺を囲んだ
デズモンドが所属するBW社走破班NE68(班コード)のチームメイトだそうだ
アイアムカーク、とマジックで書いたベースボールキャップを被るアフリカ系の男性がカーク
同じくアフリカ系の剽軽な顔つきをしたライフルマンがフォスター
ごつい機関銃を担いだゲルマン系の男がマッシュビル
アルメニア系の髭が似合うライフルマンがダニエル
名前は聞かなかったが他にも精強そうな男たちが数人
カ「あんたが噂の記者さん? 待ってたよ」
彼らはみんな優しく、俺を歓迎してくれた
22: 以下、
班コードのNE68は、
ノヴェンバー・エコー・シックス・エイト
と読むらしい。カークが自己紹介でついでにと説明する
ダ「珍しいことだ。日本人は平和が好きと聞いているけど、こんな所に来る奴もいるとは」
俺「それが俺の仕事です」
デ「でも記者さん、きっと記事はボツになるよ。俺らが汚い言葉で飾るからね」
皆笑う
フ「さあさあ、カフェNE68を開店させよう。ファルージャが一望出来る特等席も用意するぞ」
こうして取材場所は地べたから装甲バンの屋根の上へ
23: 以下、
支援
24: 以下、
二台の装甲バンを並べて、屋根の上に武器ケースを渡してスペースを確保する
俺はまず車に乗り込み、中央の銃座から屋根に這い出る形となった
デズモンドは所定の位置である銃座に座る
チームリーダーはカークだそうだ。彼はTシャツ一枚で筋骨隆々、一番の体力家に見えたが
頭脳も馬鹿にできないらしい
デ「この中で一番給料が高い。だから奢り役だよ」
ダ「こいつ米軍の特殊作戦群にいたんだよ。だから給料がめちゃくちゃ高い」
デ「卑怯だよな、たったスリーウィークの違いだぜ」
ダ「そうだよな」
スリーウィークとは何か聞いてみた
ダ「うちの社の指揮訓練期間のこと。経験のあるやつほど長く受けられる」
成る程。指揮官の教育もあるのか
俺は納得した
25: 以下、
やっぱり給料はすごいんだろうなぁ
26: 以下、
俺「ソーコムに?」
カ「うん。なんかだるくなって辞めちゃったけどね」
カーク超フランク。アフリカ系特有の英語使いがぴったりとイメージに嵌っていて格好いい
俺「他のみんなはどこに?」
ダ「俺はアメリカ陸軍」
フ「海兵隊の斥候班」
マ「ドイツ連邦軍。分かるかい、記者さん」
訛りがない英語だったから全然分からなかったが、マッシュビルはどうやらドイツ人のようだった
チームは白人が圧倒的に多く、アフリカ系はカークとフォスター、それと南アフリカ出身の男の三人だけだった
27: 以下、
俺「独連邦軍はあまり戦闘意識は高くないと聞きますが、なぜ傭兵に?」
マ「私達だけ静観しているのが嫌だった。私も一人の兵士で、戦える能力を持っている。
 私は西出身だ。私の祖父の恩人の危機に対して、私も貢献したかった」
とても義理堅い性格のようだった。紳士的な笑みが素敵なマシュビル
フ「ちなみに俺は給料目当てで。斥候班だったから給料高いんだ」
ダ「記者さん斥候って分かるか?」
俺「偵察とか狙撃とかですか?」
フ「大まかな種類分けするとそんな感じだよ」
30: 以下、
デ「あっちに自動車に乗った米兵達がいるだろ? あれは海兵隊の第1偵察大隊っていうんだが
 フォスターはそこにいたんだ。運転係としてね」
フ「だから車両の運営は俺なの。つうことはこのカフェの店長も俺ってことで異議ないよな?」
みんな異議なし、と口々に言う
フ「よし、じゃあメニューも決めよう。このふやけたクッキー入りスープが主力だ」
俺にそのカップを差し出すフォスター。飲む俺。うまい
ダ「カフェじゃねえよ、こんなメニュー」
デ「やっぱ姉ちゃんが運搬係やってないとな」
フ「“ハロウ、良い子の皆。アタシミスノヴェンバー”」
フォスターが女声の真似をする。案外高いオクターブまで出ていることに驚いた
31: 以下、
フ「おれはゲイじゃないんだ。だけど高い声が出る」
ダ「フロリダでもそれで納税請求員を玄関先で口説いたんだろ? くだらねえな」
フ「そう。奴らは覗き穴さえ塞いでしまえば盲目のティーネイジャーだ。それは止まらない」
うー、とかあー、とか言いながら腰をふるフォスター
皆笑う
俺「このチームの皆は仲いいんですか?」
デ「いいよ」
カ「こういう業界にいる奴らはみんな温厚だ。だが一部例外もいるが、それはほんのごく一部なんだ」
ダ「みんな大概は同じものを見てきたからな。ハジのケツとお前のケツさ」
カ「そうだな。お前の奥さんもオレのケツを見てるよ」
32: 以下、
俺「チーム内で困ったことは?」
デ「誰一人まともに車を整備出来るやつがいないことだね」
カ「タイヤハウスが特等席になるほどシートがガタガタなんだ。誰かがナニを突っ込んだに違いない」
フ「それはダニエルだ。奥さんが恋しいに違いない、“オー、ハニー、ハニー”」
ダ「……懺悔します」
わざとらしい動作で十字をきるダニエル
フ「ほらな」
皆大笑い
33: 以下、
俺「戦闘の過程を教えて下さい」
カ「うーん、まず俺たちは車で走る。砂漠の真ん中でクソトラックを守りながらね」
フ「そこで俺たちは小石に躓く。ハジどもだ。国防軍の制服のやつもいればピクニック姿のやつもいる」
マ「そして、私達はそれを見つけ次第全力で破壊する」
デ「逃げながらね。車両に乗っている限り、停車して対応することは殆どないよ」
34: 以下、
俺「そこに被害は発生しますか?」
マ「もちろん。双方に」
デ「こないだも仲が良かった奴が撃たれたんだ
 米軍が占拠したバース党のビルの周りを警護していたときだった
 うちのヘリ(エアクラフトと言っていたが恐らくヘリ)で病院に搬送したけれど
 奴はいってしまったよ(he`s goneという表現)」
カ「とても陽気な奴だった。フレデリンっていうんだ。デズモンドと同期だった」
俺は言葉をなくした。それなのにこんなにも明るいのか
35: 以下、
俺「おくやみを。悲しみは薄れましたか?」
デ「いちいち悲しんでいられないよ。俺たちに必要なのは常にガッツさ、元気が一番」
マ「彼を忘れたくはないが、私達はそれを仕事上迫られている。仕方のないことなんだ」
ダ「それがここの礼儀だ」
デ「そう。礼儀だな」
みんな表情は明るい。誰もが微笑んでいる
37: 以下、
俺「戦闘によって殺したり、殺されたりというのは、あんた達の心にどう影響を?」
フ「戦争は死者が出る。俺たちプロフェッショナル(金をもらって働く人種というニュアンス)は、
 そこに疑問をいだいちゃいけない。それは必然なんだ」
男「おれたちは傭兵だから、国とか重いものを背負わない
 仕事、それも上司の命令で、つまりそれは結局自分を護るために人を殺すことだ
 そこに個人的な感情はないよ。感情があれば死んでしまう」
この男の発言だけ少し難しく、理解の及ばなかった部分がある
36: 以下、
追い付いた。50口径で車載と聞いたらM2しか思い浮かばない
38: 以下、
>>36
ブロウニング社製という話でしたので間違いないかと
俺「あまりいい質問ではないですが、殺害という行為はあんたらの何かを変えましたか?」
デ「うん? うーん……」
ダ「変わったか?」
フ「いや。リコンのときも含めて俺は変わらないね」
みんなお互いに目線や言葉で確認しあう。みんな首を振る
カ「記者さん、兵士には弱い奴と強い奴がいる。これらは心の話だ」
カ「俺たちはたまたまメンタルが人より強かっただけじゃないかな。壊れてしまう奴もいる」
カ「逆に言えば、メンタルが強い兵士が自然と集まってくるのが俺たち軍事企業業界だよ。これも必然さ」
俺は再度納得した。ナンセンスな質問をしたものだと後悔したことを覚えている
41: 以下、
>>38
なるほど。M2はやっぱどこでも使われてるのね
でも弾詰まりをよく起こすってのは知らなかった。運用者に聞けるのって羨ましいな
39: 以下、
>>41
整備するために必要な備品の欠如が最大の問題のようだった
彼らはいとも簡単に機関銃を分解してみせたよ。日本の町工場で働く職人さんのようだった
俺「この戦争を、あんたらはどう受け止めますか?」
カ「クソ。それ以上なにも言えないよ」
フ「戦争は、いつでもどこでも俺たち下っ端にクソ臭を提供してくれる
 美味いローストチキンの香りを嗅ぐのはいつも高官達だ」
デ「アメリカ人みんながペンタゴンと同じ考えを持ってるわけじゃないよ
 世界のみんなはそこを誤解している。それで苦労する人たちが幾人かいるのは事実だ」
ダ「現場にいれば余計そうだ。現場はいつも過酷で、そうでない戦争なんてない」
フ「一番面白いことが起きるのも現場だけどな」
デ「そうだよな、コンバットマスカキの興奮は俺たちの特権だ」
みんな笑う
40: 以下、
コンバットマスカキというのは、自分のエロい妄想だけで戦闘中にオナニーするというワイルドなものだった
一番早い奴がその日のトイレ一等地を獲得出来るのだそうだ。つまり早漏が強い
ダ「他にも楽しみはある。それは戦場で生きる奴らにしか分からない楽しみだ」
マ「私達はこの過酷さに適応しなくてはならない。ここでは非常識が常識になる
 既成の価値観で生きるとだめになってしまうから、この過酷な場所の中にも
 楽しみを見出す必要があったんだ」
カ「確かに。ここは社会的な場所じゃない」
デ「楽しく生きようとするのは俺たちの権利さ」
フ「マナーを守って楽しく戦闘。それが俺たちのチームのスタンスだ」
42: 以下、
俺「この国の人々について、あんた達は普段どう思ってる?」
デ「それは非常にデリケートな質問だよ
 彼らは沢山の問題を自らの中に抱えて生きている
 俺たちのような奴らが理解出来るものじゃない
 それっていうのは想像を絶する苦悩だ」
マ「私達はそれを簡単な単語では表現できない。とても難しい」
ダ「一番苦労しているのは彼らアラブ人だからな」
俺はうなづく
カ「アラブ人皆が悪いわけじゃないんだ。彼らの中のごく一部がイメージを崩壊させている」
カ「でも、その一部の人間にも主張があり、理想がある。俺たちはそれを邪魔したいわけじゃない」
カ「だから嫌いだとも言えないし、好きだとも言えないよ」
43: 以下、
こんな感じの質問が続いて、5日間取材した
他にも様々な質問があったけれど、そのいくつかを挙げてみる
聞きたいやつがあったら指定してくれ
・装備について
・他の会社、多国籍軍との連携について
・みんなの戦争体験談
・カークの経歴について
・デズモンドの陸軍に所属するガールフレンドについて
・ダニエルの奥さんについて
45: 以下、
出来れば上から順に
個人的に装備はちょい詳しく聞きたい
46: 以下、
>>45
はい
3日目は戦闘を目にすることも多くなったので、装備について詳しく聞ける機会が多かった
まずは小銃から。要点をまとめたページより
まず死亡する可能性を承知しますみたいな書類にサインし、戦闘哨戒に同乗させてもらった
47: 以下、
俺が乗車したのは二号車。戦闘哨戒のため列を組んで走る
BW車だけで12台、米軍の車両(ハンヴィーやトラックなど)を含めると
25台程の規模で補給基地まで突っ走る
俺たちは先頭から二番目
 [フロント]
 フ [無線機] マ
 [機関銃]
  デ
 俺  ダ
 [でけえライフル]
のような配置だった
49: 以下、
まずダニエルと親交を深めた。彼は皮肉屋のようなポジション
様々な会話をした。お互いの家庭のことや趣味とか
勿論、ダニエルのライフルについての話もした
俺「それは何て言う銃なの?」
ダ「シグザウエル516。これはクソ高いモデルだ」
俺「強いの?」
ダ「俺は絶対の信頼をおいている。弾は小さくても素直に飛ぶよ」
48: 以下、
早稲田のジャーナリズムコースか上智の新聞学科かな。
50: 以下、
>>48
鋭いですね、と言っておきます
それ以上はコメントできません
シグザウエルというと、俺の民生知識では拳銃のイメージが強い
ダニエルは拳銃まで同社製で、シグザウエル推しのようだった
俺「どんなところが好きなの?」
ダ「沢山パーツを付けても軽いし、基本スペックが高いところかな」
俺「奥さんとどっちが好き?」
ダ「よしてくれよ、娘に決まってるだろう。その次が妻、その次がチームのみんな。こいつは二の次さ」
51: 以下、
見てる
55: 以下、
俺「M4と何が違うんだ?」
ダ「作る人間の魂があるかないかだ。M4は抜け殻だ」
俺「成る程。M4は嫌いなの?」
ダ「あまり好きじゃないな。芸が細かいけど、ひ弱だ」
俺「それは威力が?」
ダ「いや、全てだ」
ガタガタ揺れる車内。デズモンドがカントリーを歌い出す
54: 以下、
SIG516って確か数年前に出たM4風のアサルトライフルだっけか
評判追ってなかったけど、SIGだけあって良い性能なのね
56: 以下、
>>54
BW社の社長はシグザウエル社と何らかの親しい関わりがあり、
まだ名前を与えられてない様々な銃を社内でトライアルさせていたようです
ダニエルのものもそういう経緯だったようで
数字は現在の516ですが、このとき2006年ですので別なモデルです
ダニエルは、こいつはもうすぐ制式モデルになると言っていました
恐らく現在の516とは型式番号を争ったものであると推測されます
プレートについても聞きました
62: 以下、
>>56
なるほど。実戦で評価を見るって場合も傭兵会社ってのは便利な訳なのね
57: 以下、
>>62
なにより重要なのは企業の柔軟性でしょうね
俺も取材して強く感じましたが、全てにおいて企業は軍より自由でした
そしてなによりBWレベルになると、構成員の大半はプロの兵士です
彼らは経験豊富なうえ、銃のこともよく理解しています。非常に優秀なテスターです
企業的な提携として機材を提供出来るので面倒な手続きも必要とせず、
テストにはもってこいなのかも知れません
俺「そのごつい防弾チョッキは私物?」
ダ「そうだ。社内売店で買った」
俺「重い?」
ダ「重いよ。この重さに俺の命を預けるんだ」
防弾チョッキは薄茶色のもので、弾倉を収納するポーチや無線子機、
煙草や地図などが収納されていた。機能的で格好いい
プレートキャリアーと言うのだと教えてくれた
ダ「これがないと砂漠を歩けない。あっても怖いけどな」
俺「敵弾は防げる?」
ダ「NATO規格の小口径でいいとこ7.62までしか。実に無力だよ」
59: 以下、
ダ「この装甲バンだって、フィフティーで狙われたらひとたまりもない。あんたはボロ切れになるよ」
俺「それは怖いなあ」
ダ「そうだろ? やっぱり俺たちも怖い。でも、俺たちの優秀な射手がその脅威を遠ざけるんだ」
ダニエルがデズモンドを指さす。
俺「あんたも腰に下げてる小銃があるだろう? それはM4?」
デ「そうだよ。M4だ」
俺「ごく一般的な?」
デ「そう。米軍の調達先から提供されてるんだ」
俺「評判が悪いと聞くけど、それについては?」
デ「慣れてるから信頼してるんだ」
60: 以下、
デ「ロシア製も持ってるよ。AKっていうライフルを知ってるかい?」
俺「映画とかで悪役がよく使うやつ?」
デ「ははは、そうそれ。それの木材製じゃないやつさ」
俺が今あるのか、と聞くと「野営地に置いてきた」と返答された
デ「AKは堅実さを発揮してくれる。ここぞってときに動くのはいつもAKだよ」
ダ「だから俺たちがアフリカで負けた」
デ「そうだな、そうだ」
俺「映画で有名になった、あのソマリアに?」
ダ「俺は行ってない。あの時はボスニアで呑気に飯を食ってた」
61: 以下、
ダニエルはNATO編入経験があると言った。そのときにボスニアにいたらしい
ダ「俺たちはもっぱら施設守備だったけど、悲惨な結果に終わったらしいな」
俺「自分が参加した戦争の結末に興味はないの?」
ダ「あまりない。それに、あの戦争は俺たちに勝ち負けがあったわけじゃない」
ダ「カレッジの講義はやめて、銃の話をしよう。その方が面白い」
俺「ソーリィ」
ダ「気に負うなよ記者さん」
63: 以下、
話はデズモンドの機関銃へ
俺「その機関銃はどれくらいの威力が?」
デ「90ヤード先の砂壁を粉々にして、1000ヤード先の人間をクソに出来る。凄く強いよ」
俺「やっぱりよく言うように、そういう機関銃って弾をばら撒いて敵を遠ざける役なの?」
デ「とんでもない。こいつは狙って撃つよ。ぶっぱなしたら当たらないからね」
俺「一発づつ?」
デ「ある程度連射しないとボルトのバックタイミング(訳し方がよく分からん)がずれちゃうんだ
 だから2?6発ごとに分けて撃つ。ダダダダ、ダダダ――こんなふうにね」
口真似を交えて説明するデズモンド。顔は見えない
64: 以下、
おもしろい
65: 以下、
小説読んでる感じで読みやすい
66: 以下、
俺「その銃の弾が人に当たるとどうなる? 銃創ってやつに?」
デ「いいや。エネルギーがでかすぎて入口も出口もぐちゃぐちゃに掻き回されちゃうよ」
俺「それって必殺ってこと?」
デ「どうだろう。俺はこいつで撃たれたことがないから、わからないよ
 でも今まで俺がこいつで撃ってきた目標は、どれもこれもバラバラになってしまったんだ
 それくらい強い銃なんだよ」
俺「うわあ、そりゃ怖い」
67: 以下、
しえん
68: 以下、
ここで俺たちの車両の基本構成について話す
一般的なGMC社製のバンで、乗り心地もいい
ただ高度に装甲化、武装化されていて、運転は難しいらしい
ダニエルとマシュビルはパワーウインドウを空けて、そこから銃を出して外を狙っている体勢
フォスターは鼻歌を歌いながらハンドルを握っている。砂漠なのにあまり揺れないのはこの人のお陰だった
足の下にはクーラーボックスや水のタンクがあり、車尾には燃料などを満載したポリタンクが括られている
側面(ウインドウの上らへん)には偽装用のシートのようなものが丸くまとめられていて、
いかにも軍隊が使っているような仕様となっていた
70: 以下、
マッシュビルが持っているのはベルギー製の汎用機関銃
本人はエムエージーと呼んでいたが、正式名は分からなかった
俺「そいつはどんな銃?」
マ「私のお気に入りだよ。普通のライフルより沢山撃てる」
マ「私達は軍隊ではないから狙う必要があって、その機会はとても少ないけどね」
俺「単発で撃ってあたる?」
マ「もちろん。とても可愛い奴なんだ」
75: 以下、
>>70
多分FN MAGじゃないかな
↓こんなやつ
78: 以下、
>>75
これですね!
マシュビルは十字レクティルの写る小さな照準器を載せていました
スコープなの? と聞くと「違う」と言われました。倍率は低いそうです
86: 以下、
>>78
ダットサイトって奴かな?
やっぱり倍率高くなくても当てられるんかね
89: 以下、
>>86
それってレーザードットが写るやつですよね?
俺が見たのは、なんか狙撃用のスコープのような黒色の十字レクティルが浮かんでました
うまく説明できなくてすみません
74: 以下、
マシュビルの例にもれず、他の傭兵達も自分の銃に何らかの愛着を持っていた
俺の勝手なイメージだが、西洋人は「所詮道具」のようなドライな感情が主だと思っていたが
少なくとも彼らはとても自分のライフルを信頼し、大切に扱っていた
そのことをデズモンドに話すと、彼はこう言った
デ「ダニエルみたいに借り物じゃなければ、自腹だからね、こういう物は」
納得した。それなら大切にするのも頷ける
72: 以下、
すごく面白いな、話が新鮮だ
訳し方も分かりやすくて読みやすいわ
これだけ英語できるなら世界が広がるんだろうな
76: 以下、
>>72
ちなみに、彼らの英語は単語だけとか文法めちゃめちゃだったりとか
とても生活感溢れるものでした。トーイックの成績なんて現地では意味を持たないと思います
大切なのは伝える気持ちと聴きとる気持ち、だと勝手に俺は思っています
ライフルの値段について聞いてみた
俺「どれくらいするの?」
ダ「フロリダのガンショップの大体半分くらいで買える」
俺はガンショップと言う単語に理解が及ばず、しばらく考え込んだ
俺「ごめん、俺の国にはガンショップがないんですが、ドル相場でどれくらいか教えてくれますか?」
ダ「つまりな、俺たちは社内価格で買えるんだ
 だから普通高い自転車ぐらいするところを、その半分で買えるってことだ」
俺「へえー。そんなもんなんだ」
デ「アメリカじゃ安いガン(ここでは拳銃の意)なんて600ドル出せば買えるよ」
すごい世の中だな、と思った
78: 以下、
俺「買った銃は家に持って帰れる?」
デ「許可証もらわなきゃだめだけど、持って帰れるやつもあるよ
 全部が全部じゃないけどね。スペックダウンさせないと駄目な奴もある」
マ「私は完全にだめだね。実家がドルトムントだ」
俺「じゃあ辞めるときはどうする? 置いていくの?」
デ「いいや。買い取ってもらったり、後輩にあげたりするんだ」
ダ「引退した奴からもらった銃は運がついてて死なないってジンクスがある。だからみんな欲しがる」
俺「なるほど」
79: 以下、
その他にも、沢山の装備を教えてもらった
カークが背負っていたSR-16なる高級なM4や、タリバーンの兵士から奪った武器の数々など
哨戒先の砂漠で特別サービスということで
コルト社製のM4をセミオートで少し撃たせてもらったが、案外反動は軽いものだった
世間で言う肩が外れるような強烈性はなく、平手で肩をパンパン、と叩いたような衝撃だ
デ「誰でも撃てるのがM4のウリだけど、誰も完全にコントロール出来ないのもウリなんだ」
デズモンドの皮肉で、装備については締めくくろうと思う
80: 以下、
ここまで装備についてまだ質問あればどうぞ
ない場合は指示通り次の項目について話そうと思います
81: 以下、
面白いな
支援
84: 以下、
ないようですので
次いきます
・他の会社や多国籍軍との連携について
これは初日の夕方、イギリス軍の機動部隊が駐屯地入りした際に出た話を皮切りとする
82: 以下、
装備とは違うかもしらんが、軍用レーションと民間のレーション食べ比べたりした?
85: 以下、
>>82
俺はBW社に支給されていたもの、例えば米軍の簡易乾燥食セットなどしか口にしなかったので
食べ比べは行いませんでした。そんな暇なかったという方が正しいかもしれません
役に立てず、なんかすみません
日が落ちるスピードは早かった
カ「イギリス軍が入るから道開けろ、そのバンどけ」
カークの指示でテキパキ動くNE68チーム
俺は見てるだけ
87: 以下、
こういう会社正規軍にの役割分担ってどういうふうになってるの?
下請けとか正規がやらない様な小さい案件?
それろも給料とか保険の出処が違うだけで同じ業務してるの?
89: 以下、
>>87
BWの場合は米軍寄りの依頼を受けていたようなのでどうとも言えませんが
大体そのような捉え方でいいと思います
基本的には施設の守備や道路の守備、要人保護や地域監視、指名手配狩りなどです
88: 以下、
少数規模といえる部隊だった
小さな戦車に装甲車、武装した兵士。皆疲れた表情だ
彼らはどこから来たのかとカークに聞いた
カ「俺も分からないけど、戦闘があったならそれはバグダードだろう
 彼らは仕掛け爆弾と戦ってきたか、ただの移動かのどちらかだ」
頷く俺
カ「どちらにしても、俺たちの持てるスペースが狭くなるのは変わらない
 少し移動しよう」
全員がそれに賛成し、移動が開始された
企業ブースから2分ほどチームの車を走らせて、駐車場の辺りで円陣を作った
89: 以下、
駐車場には他の企業の社員達もいて、その人達も加わってみんなで雑談のようなものをした
韓国系やグルジア系の社員もいて、みな英語が堪能でユーモラスだった
90: 以下、
俺は疑問をカークにぶつけた
俺「こうやって他企業とも合同で作戦をするの?」
カ「いいや。それは殆どない。場合によっては同じ区域で戦うかもしれないけど、
 俺たちは社員だから、互いの利益を尊重し合わなければならない
 だから共闘は避けるんだ。それぞれの任務があるだろう?
 でも、他企業からの補給などは頻繁に受けるよ。積極的でないのは戦闘だけだ」
俺「他企業と共闘するとどんな問題が? 具体的にお願いします」
カ「様々だけど、一番怖いのは同士討ちだね
 俺たちが使うようなバンは、敵性武装勢力も使う場合がある
 味方かどうか確かめるために、多国籍軍の作戦運営本部に確認をとるとしよう
 すると俺たちは、その報告が届く前に殺されてしまうんだそのバンの乗員によってね」
俺「……」
カ「みんな敵が怖い。いつ撃たれるか分からないから、先手を打ちたがる
 そうすると、同士討ちがどうしても発生してしまうんだよ」
91: 以下、
同士討ちは、一般的にブルー・オン・ブルー・ファイアと呼ばれる
戦争では様々な状況下でこれが発生して、俺たちを悩ませるんだとカークは言った
近距離における砲撃支援の要請も危ないし、もっと危ないのはガンシップや攻撃機による
空爆なのだそうだ
カ「多くの場合同士討ちは、司令部の部隊状況の把握不全が原因なんだ
 司令部だって人間で運営されているわけだし、そこにミスが生まれるのは仕方のないことなんだよ」
俺「なるほど」
カ「戦争には仕方のないことがつきものだよ。それは事故の大多数を占める」
92: 以下、
俺「攻撃機と言いましたが、やっぱり多国籍軍とも連携を?」
カ「そうだねー。割と多国籍軍にはお世話になっているよ
 多くの企業と違って、彼らが追うのは利益じゃなく被害の抑制だからね」
カ「正規軍は投入する兵隊の数も限られている。だから守れる範囲も制限させるんだ」
カ「そこで俺たちだよ。俺たちが彼らの背中を持つ」
94: 以下、
すごく面白いよ
95: 以下、
重要だな
そうなると後方支援中心になるから、安全かつ実戦に近い形で新装備のテストもできるわけだ
100: 以下、
>>95
俺もそういうことなのだと思います
96: 以下、
取材とかそういうのを仕事にしてるとは思えないほど稚拙な文章だな
100: 以下、
>>96
こちらの専門的な話になりますが
僕は文章を起こす担当ではなく事実関係の回収を担当しています
メモをとってそれをまとめ、大体訳し、あとはライターに渡してアドバイスするだけの職種です
なにより、こんなところで格好いい文章披露しても建設的な意味は全くないので
97: 以下、
カ「アメリカ軍の兵站システムは優秀だけれど、それを扱う部隊の行動が杜撰なんだ
 あの軍隊は官僚が勝手に部隊を編成してしまうから、結局頭だけの能なしが部隊を持ってしまうことも
 少なからずある」
カ「そうなると、いくら既存の運用指示書の出来がよくても
 うまく生かし切ることが出来ない
カ「それでね、記者さん。この話の面白いところは、
 それで苦労するのはそのクソッタレ士官じゃなく、前線にいる兵隊達というところなんだ」
俺「あなたはそれで苦い思いを?」
カ「うん。湾岸にいたときに散々な目にあったよ。戦争は勝ったけどね」
100: 以下、
カ「だから脆弱なシステムを保護する役目がいる
 それが俺たちってことだよ」
俺「なるほど」
カークは素人の俺でも分かるように、優しく説明してくれた
今回の取材で一番お世話になったのはカークだ。彼は書類もすべて揃えてくれた
105: 以下、
では>>43の順を追って、【みんなの戦争体験】について
需要がなければ次の項目へと指示、もしくは落としてください
チームの皆は当たり前だが元軍人なので
それぞれ従軍したときの話も少し聞いた
43 :以下、
>>41
整備するために必要な備品の欠如が最大の問題のようだった
彼らはいとも簡単に機関銃を分解してみせたよ。日本の町工場で働く職人さんのようだった
こんな感じの質問が続いて、5日間取材した
他にも様々な質問があったけれど、そのいくつかを挙げてみる
聞きたいやつがあったら指定してくれ
・装備について
・他の会社、多国籍軍との連携について
・みんなの戦争体験談
・カークの経歴について
・デズモンドの陸軍に所属するガールフレンドについて
・ダニエルの奥さんについて
106: 以下、
PMCの事を傭兵と言っている時点でジャーナリストじゃないのがわかるけどねwww
107: 以下、
>>106
確かに基盤は普通企業ですが、彼らが胸を張って傭兵と答えていたので
俺もそれを尊重しました。事実は事実です
結局のところ現状は、あなたのネット知識だけではきっと収まらないと思います
カークからは湾岸戦争について
デズモンドからは対テロ戦争初期について
フォスターは詳しく話さなかった
ダニエルも同様
マッシュビルは正規軍時代の実戦経験がないため
ドイツの話を聞きましたのでこれは敬省略する
108: 以下、
>>106
えっ?傭兵じゃなければなんなん?
111: 以下、
>>108
概念的には傭兵ですが、公的な呼称は普通勤務の社員なのだそうです
実際問題傭兵ですけどね
俺「当時作戦に従事してるときは、今のような気軽さはなかった?」
カ「どうだろう。俺たちは当時某群の管轄で砂漠の真ん中にある敵性基地を探していた
 戦闘はあまり激しくなかったし、かといってみんな苦労しなかったわけじゃないし
 気軽かどうかは判断しかねるよ」
俺「どんな敵と戦ったんですか?」
カ「愛のサッダーム戦士さ。みんな脅されて戦っていたようなヒョロヒョロの」
俺「実力の差は圧倒的?」
カ「俺の部隊はそうだったね」
115: 以下、
俺「半島に行ったんですよね? どんな物を見たんですか?」
カ「大量の戦車と、それを捨てて逃げる兵隊。それとサダムの顔かな」
デ「カークは見慣れてるんだよ、あれを」
デズモンドが大きな砂壁に描かれたサダムの顔を指差して言う
カ「結局生産的な意味は何もない戦争だったんじゃないかな
 いち兵士だった俺には、道徳的なものも政治的な事象も分からない
 でも一番あの戦争に言いたいことは、俺の若い頃の時間を返せってことかな」
苦笑い。カークの話はここで終わる
112: 以下、
知り合いが今度ジブチいくらしいんだけどジブチって危険か?
117: 以下、
>>112
確かそこってアフリカ大陸ですよね?
ビーチが綺麗だと聞きました。危なくはないと思います
アフガニスタンやシリアなんかと比べたら、ですが
113: 以下、
やっぱ>>1も戦闘に巻き込まれた?
どんな感じ?
117: 以下、
>>113
いいえ。俺はそういった出来事に遭遇していません
任務に付き添ったのも一回だけで、彼らがいないときは別な人たちとコミニュケーションをとっていました
つづいてデズモンドの話
余談だが、このとき俺たちはグループセラピー会場のように
喋る奴を前に立たせて、ギャラリーはその前で話しを聞くだけ
というスタンスをとっていた
デ「俺はカークよりも若いから、アフリカもイラクも経験した」
ここでカーク苦笑い
デ「俺のいた軽装部隊はKコンボイと呼ばれてて――ああ、KはコロラドのKだよ」
デ「それでそのコンボイKのメンバーは、みんなとっても優秀だった」
デ「つい最近までバスラとエレーマの中間辺りで、隠れているハジどもを殲滅してた」
120: 以下、
俺「なるほど。部隊章にはなんでわざわざ中世英語のKを?」
デ「Cだと他と被ったんだ。だからヨーロッパ由来の発音で、詰まらせたKなんだ」
デ「海兵ならみんな知っているよ。強くて有名だから」
誇らしげに笑うデズモンド。ダニエルは不満そうだった
俺がなぜそんな顔を? と聞くと
デ「ダニエルは陸軍時代、総合トライアルでうちの部隊に負けたことがあるんだよ」
と言った
123: 以下、
デ「イラクを南下中に、海兵隊の第1偵察大隊とすれ違ったことがある」
デ「このときはもうフォスターはこの会社に入っていたから、多分俺とはすれ違ってないんだろうな」
フ「そうだな、そうだと思う」
デ「俺たちはまだ戦闘を経験していなかった。そして大隊のやられぶりを見て、この先に不安をいだいた」
デ「結局目標に着くまで7人も死者を出したよ。うちの班からも1人」
デ「死者だけじゃない。負傷も沢山いた。それでも部隊は戦闘を継続して、小さな村や街を解放していったよ」
俺「解放?」
デ「そう。偉い奴らはそう言うんだ。実際は捜索戦だよ。民衆の中に紛れた敵を探しだして殺す」
俺「パルチザンというやつ?」
デ「そうだね。そういうことだよ」
124: 以下、
デ「見分けがつかないんだ。過激派なのかそうでないのか、銃を持っているのか持っていないのか」
デ「俺達はとても怖かったよ。街では誰にでも狙われている気がした」
デ「本当はそんなことないんだ。イラク人の大半が俺達を歓迎してくれていた」
デ「でもね、当時俺達は気付けなかったんだ。本当に彼らが喜んでいるのかどうか」
日本語で言うと疑心暗鬼というやつだ。確かアメリカにもそんな感じのことわざがあった
デ「その影響か、家に帰ってからも苦労したよ。アメリカにも当然イスラム系が住んでいるからね」
デ「彼らが敵に見えてしまうんだ。そこに有るはずのないガンを警戒して、俺はガタガタ震えたよ」
デ「それも、ショッピングセンターや球場、至るところで。全く、クソな話だろ?」
125: 以下、
it fuckup, foolish storys, 
と彼は言ったが、それをどう訳すか悩んだ
メモをはやく取らなければいけなかったため、クソな話、という単語にまとめたが、
そこには彼の苦悩や自虐的な感情が剥き出しになっていた
127: 以下、
俺「イラク戦争でアメリカは何を得ると思う? それなら世界は?」
デ「どうだろう。でも俺はとても個人的にこう思う
 得られるものは多い。ここから学ぶことは沢山あるんじゃないかな
 でも犠牲は避けられない。軍人かどうかは別として、様々な人々が死んでしまうよ
 それはどこの国の意思でもなく、特定の個人の思惑によってね」
俺「それはザ・マン(お偉方)の思惑?」
デ「そうかもしれないし、俺達下っ端の突発的な行動かもしれない」
デ「正直、戦争をやってるくせに戦争のことを何も知らないよ、俺は」
128: 以下、
その話の最後に、俺はこんな質問をした
俺「じゃあ、傭兵として戦うあんたたちはこの戦争に何を得る?」
デ「お金かな。あとは経験だ」
ダ「そうだな」
マ「貴重な経験だと思う」
カ「思い出だな、お前らとの」
フ「金と経験、あとは思い出だな」
とても分かりやすい返答だった。彼らはなにより、自分のために戦うのだ
129: 以下、
【みんなの戦争体験談】はこんなもんで終了です
次の項目に移りますが、需要がない場合は落としてください
130: 以下、
いいね
131: 以下、
カークの経歴までは聞きたい
135: 以下、
>>131
分かりました
カークは典型的な特殊部隊員だったようで、その話はとても興味深いものでした
日本のサラリーマンがアメリカの特殊部隊の実情を知る人間に会える機会だったので
せっかくですから利用させていただきました
俺は部隊編成について詳しくはないのですが
手記に書いてあることを元に調べてみました
元々は空挺部隊の出身で、パナマから実戦を経験し
成果優秀者に選ばれ、かの有名なグリーンベレーに選抜入隊
ソーコム隷下の統合部隊で不正規戦に従事し、湾岸戦争終了後に退役
といった流れでした
132: 以下、
なかなか面白い
133: 以下、
はよ次
138: 以下、
彼とあったときに年齢は45を超えていて、漂う緊張感のなさは歳のせいかと思っていましたが
それは大きな間違いでした
彼はもう戦闘に慣れっこで、イラクのグリーンゾーン程度では動じていなかっただけだったのです
彼は知的かつ理性的だが、同時に人殺しのプロフェッショナルだとチームメイトは言っていました
4日目の夕食の際、カークに任務の話を聞くと
「駄目なんだよ。言えないことがあるんだ。記者さんはまだ生きていたいだろ?」
と冗談めかして言われてしまいました
もちろんジョークですが、あまり話せないことがあるのは変わりません
ところで余談ですが、兵卒の給料とかーくの給料は
1ケタ違うそうです。デズモンドが言ってました
136: 以下、
ちょっと話の流れと前後しちゃうけど、ダニエル以外もハンドガンとかのバックアップは装備していた?
話が全部終わってからで構いませんので
139: 以下、
>>136
みんな拳銃を所持していました
なにやら小さいタイプばかりで、ターミネーターのような長いタイプではありませんでした
俺は傭兵と聞くと特別な銃を自分でカスタムしているのかと思っていましたが
全然そんなことはありませんでした
例を挙げるとオーストリア・グロック社製や、映画でもよく見るベレッタ社製の拳銃など
とてもポピュラーなものばかりでした
137: 以下、
当時の報酬の平均はどれぐらい
139: 以下、
>>137
所得の詳細は教えてもらえませんでした
というか、事前に書類で勧告されていました。給料関連の話はあんま突っ込まないでね、みたいな感じで
141: 以下、
>>137
補足です
出身部隊にも寄りますが
デズモンドと貯蓄の話(未来の嫁さんについても)をしましたが、
1年フルで働くと、8万アメリカドルくらいにはなるようです
あまりインパクトない額ですよね
143: 以下、
>>141
思ってたより安いな
146: 以下、
>>143
イマイチ退役軍人たちに人気が出ない理由がそれだそうです
結局歩合制で、しかも出身部隊が大きく給料に影響してくるので
めっちゃ貰う人は貰ってて、パッとしない人は本当にパッとしないというのが現状だったようです
日本にもPMCと呼ばれる警備会社がありますが、この国の場合軍事企業自体の知名度が低く、また
「傭兵=ゴルゴ13のような人。相当な高額を貰える空想上の職業」
という一般認識が抜け切れていないので、余計所得少ないと感じるのです
もっとも、現在の状況など分かりませんけどね
151: 以下、
>>146
頭に血が上ったアホの書き込みを制限したりっていう目的もあるので
保険とかはどうなってるんでしょう?
153: 以下、
>>151
個人個人によって様々ですが、社内バックアップはあったと聞きます
でも確か大手の保険会社に丸投げだと聞いた気がします
余談ですが、当時アメリカは保険未加入者も多かったのです
独り身の社員も沢山いて、保険の必要性を感じないという人達もいて
保険問題は殆ど話題になりませんでした
140: 以下、
カークが思ってたより高齢だった
社員の平均年齢ってどれ位なの?
144: 以下、
>>140
ほとんどが軍人としてのピークを超えた退役者ですので
30から60までと様々ですよ
異例なのはデズモンドのような20代で、まず若いうちはどんな物好きでも
この業界にはつかないそうです
輝いていた時期のBW社内の話なので、他社の相場は知りません
149: 以下、
>>144
とすると生活に困ったベテランがカネを手に入れる
最終手段みたいなところがあるのか
152: 以下、
>>149
はい。BW社は当時かなりの人員を採用していましたが
有名部隊などの出身者はお金ガッポガッポだと聞きました
その辺は結構世界でも聞く話だと思います。要するに過去の成績の良し悪しです
147: 以下、
面白い。出来るなら全部ききたい
150: 以下、
>>147
ありがとうございます
もう少し様子を見て、まだ同じような意見があがってくるようでしたら
与太話を続けたいと思います
5日間という、外取にしては相当短い期間を通じて出会った傭兵たちに対して、感じたことは沢山ある
「取材ってな、話の材料を取ってくることなんだよ。おれたちは真実を回収する。その後は他に投げるんだ」
とは俺の先輩の言葉だが、これについて俺は今回の取材を通して疑問を持った
それは本当に正しいだろうか
実際に肌で感じ、それをまとめた人間が文書を書かなければ、意味がない世界だってあったのだ
俺は今回を通してそういう世界を知った
それを世間は、一般的に戦争と呼称する
148: 以下、
取材中に一番焦ったことは?
152: 以下、
>>148
迫撃砲、というのでしょうか
それがキャンプ周辺に着弾して、米軍に死傷者がでたときです
初日でした。いわいる洗礼というやつです
帰国後、俺は仕事の都合上、
自分で持ってきたネタを自分で書けないという、“仕方ない”状況に出くわした
彼らと直接会い、話をし、理解と友好を深めたのは俺なのに
俺は記事や文章を書けない。アドバイスを入れるだけだ
これがとても悔しかった
だから今日はここに、これを記そうと思ったのだ
154: 以下、
形式的な書類以外文章を殆ど書かない俺だが、悔しさが俺をこうさせた
世界の傭兵、つまり彼らは、米軍が撤退した今もイラクで
そして世界各地で戦っている
「自分が軍隊でやってきたことを無駄にしたくないから」
「戦争が忘れられないから」
理由は様々だが、そこには明確な「自らの意思」が存在するのだ
日々に命をかける傭兵について、日本の皆も少し理解を持って欲しい
155: 以下、
テレビで難しいことを口にする専門家も、好き勝手言うタレントやミュージシャンも
彼らと彼らの周りにある事実を、今知らなくてはならない
傭兵や各国の兵士たちは、別に殺し合いをしたくて戦っているわけではない
理想を捻って相手にこじつけているわけでもない
ただ命令に従い、生きるために引き金を引いているのだ
むやみに兵士達を糾弾せず、その兵士たちを動かす本質のようなものに
目を向けるべきなのである
158: 以下、
おわり
俺が言いたいことは全て言い終えました
他に質問などもしあれば受けます
157: 以下、
現地人との交流ってあった?
159: 以下、
>>157
俺が赴任したキャンプは現地人の立ち入りを厳しく制限していました
哨戒に付き添ったときも車から降りることは許されず、結果残念ながら、
俺が直截現地の人間と接する機会はなかったです
160: 以下、
なるほど、ちなみに現地までは民間航空機使ったの?
166: 以下、
>>160
取材を依頼したところBWクウェートからがヘリをだしてくれました
161: 以下、
他に日本人はいたの?
166: 以下、
>>161
俺の取材班だけでした
162: 以下、
クウェート経由の陸路か?
166: 以下、
>>162
ずばっと宛てられたのでびっくり
サウジ→クウェート→現場
でした。空路と陸路です
163: 以下、
あとは、他にもジャーナリストって結構居たのかな?
166: 以下、
>>163
国籍関係なく、様々な報道関係者が滞在していました
167: 以下、
>>166修正
BW社がクウェートからヘリを出してくれました
ヘリのコパイとも話をしましたが、ちょっとした内容なので需要はないかと思います
164: 以下、
最後に
こんな面白みのない娯楽ゼロの体験談を聞いてくれてありがとう
お前らもなにか、戦争というものの実態について
超越者や傍観者の視点ではなく、現場でいのちを削る人間の立場で世間を見、
何か感じてくれれば幸いです
最後に
2009年ティクリートにて戦死したデズモンドに深い哀悼と感謝の意を
無事退社したカークに最大級の感謝を
165: 以下、
>>164
デズモンド死んだのか・・・合掌
169: 以下、
>>164
デズモンドー!
なんということだ…
170: 以下、
いちお疲れ様
171: 以下、
くだらねえことに時間費やしてきたんだな
172: 以下、
>>171
その言葉の意味をはかりかねるんですが、
彼らに対して言うなら確かにそれは正しいです
とてもくだらないことに、素晴らしい人間性を持った人たちが消えていきます
それ自体、とてもくだらないことなんです
168: 以下、
とても興味い内容だった、乙
#kako_link a {color:#0000ff;}
▼合わせて読みたい元傭兵で実際に戦場にいたことあるけど質問ある?
彡(゚)(゚)で学ぶ民間軍事会社
シリア最大の街、アレッポ 戦争が勃発する前と後の比較画像が悲しい件
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コメント
1 不思議な
うちの嫁さんは89式の分解結合が部隊で一番かったな
2 不思議な
レクティル
3 不思議な
久々おもしろい記事だったわ
それと一々つっかかってる奴らなんて
何の生産性も無いからまとめに入れなくて結構
4 不思議な
とても面白かった。
5 不思議な
いちいちトゲのある書き込みは何なんだろうね。確かにくだらないかもしれないけど、もっと安全に稼げる生き方もあったかもしれないけど。少なくともお前の何倍も本気で生きてたと思うよ
6 不思議な
いいスレだった。
もっと色々聞きたかったな。
7 不思議な
すごい頭の良さそうな人だな
面白かった。
8 不思議な
もっと聞きたいね。日本のメディアではほとんど報道されない
9 不思議な
FN MAGにのせてたサイトはACOGじゃないだろうか
10 不思議な
こういうスレって大体知ったかぶりのミリオタが突っかかってくるよな
11 不思議な
これ前にもまとめられてなかった?
どちらにせよ為になるスレッドだけどね…ありがとうデズモンド。
12 不思議な
興味深い内容で読んでて楽しめた
スレ主は自分で書きたがっていたけど、プロに任せたほうが無難な文章力なのに自覚してないのがちょっと可哀想だった
13 不思議な
誰かに聞いて欲しかったのかな
どうした?(^∇^)
14 不思議な
ミリオタのラノベくっさw
15 不思議な
取材させてもらってるのに あんたら とか撃ち殺されそう
まあ実際は you なんだろうけど
16 不思議な
しかし戦争するなら、武器と糧秣は十分に供給されないとね
戦争にならない
17 不思議な
※5
棘のある書きこみは確かに邪魔だけど、ここに載せられている部分は>>1のレスが付いてる部分で内容補完に役に立つかな。
多分元のスレではもっと無意味な書きこみがあって、補完に役立たない部分はまとめる時にばっさりおとされてるんだと思う。
18 不思議な
興味深い内容でした。
文章力云々は、余計な脚色やら修飾を省いて、取材メモの内容を書き起こしてくれてるから、こういうざっくりした書き方になってるんだと思ったよ。
19 不思議な

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