ゴルゴ13「ここがロアナプラか……」back

ゴルゴ13「ここがロアナプラか……」


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ロアナプラ ――タイ――
暴力教会――
ヨランダ「へえ……デューク・東郷……通称“ゴルゴ13”がねえ……」
エダ「ご存じでしたか、シスター」
ヨランダ「そりゃあ、伊達に年食ってるわけじゃないさね」
ヨランダ「あの男がこの街に来る……それは確かな情報なのかい?」
エダ「はい、CIA本部からの情報ですので、間違いはないかと」
ヨランダ「目的は……観光のわけはないだろうねえ」
エダ「はい、なんらかの“仕事”をこなすため、と見ていいでしょう」
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2: 以下、
ヨランダ「で、お宅ら(CIA)はどう動くつもりだい?」
エダ「彼は我々にとって脅威であると同時に、利用価値のある存在です」
エダ「敵対するな、と厳命されております」
ヨランダ「なるほど、なるほど……賢明な判断だ」
エダ「ですが、このまま成り行きに任せて彼に仕事をされては、ロアナプラに混乱が生じることは必然です」
エダ「我々の工作活動にも支障が生じ、合衆国にとって不利益な状況に陥る恐れがあります」
エダ「そこで――」
3: 以下、
『 悪 徳 の 街 』
ここロアナプラはかつては寂れた港町であったが、
現在では複数の犯罪組織が共同で支配する「悪徳の街」として奇妙な繁栄を築き上げている……。
【 PART 1 街に流れる噂 】
ラグーン商会――
ロック「…………」
レヴィ「どうしたロック? まだ老け込むような年でもねえだろうに」
ロック「あ、いや……なんだか街全体がピリピリしてるような気がして……」
レヴィ「なんだロック、知らねえのか」
レヴィ「今、ある噂が流れてやがるんだ」
ロック「噂?」
レヴィ「“死神”がこの街に来るって噂がな」
4: 以下、
ベニー「コードネーム“ゴルゴ13”……世界中に名を轟かすといわれる超一流のスナイパーさ」
ロック「ずいぶんと不吉な名前だな」
ベニー「不吉なのは名前だけじゃないよ。経歴もイエス・キリスト泣かせさ」
ベニー「体にダイナマイトを巻きつけたハイジャック犯を、1000メートル以上の距離から一発で仕留めたとか」
ベニー「ブエノスアイレスの巨大ネオナチ組織をたった一人で壊滅させたとか」
ベニー「アメリカ大統領ですら一目置いているとか、もちろんどれも確証がある情報じゃないけどね」
ロック「とんでもない化け物だな……」
レヴィ「ハッ、信じるなよロック!」
レヴィ「んなもん、与太に尾ヒレつけて、ついでに手足までこさえちまったシロモノに決まってんだろ」
ベニー「ボクも個人的にはそう思うよ」
ベニー「殺し屋が自分の腕を売るためにありもしない経歴をでっちあげるのは常套手段だしね」
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ダッチ「だが、用心しとくに越したことはねえ」
ロック「ダッチ」
ダッチ「このボヤの火元は不明だが、当然、街を仕切ってる連中の耳にも入ってることだろう」
ダッチ「事態の転がりようによっちゃ……タワーリング・インフェルノばりの大火災になることもありえる」
6: 以下、
【 PART 2 悪党たちの思惑 】
ホテル・モスクワ――
バラライカ「同志軍曹」
ボリス「はっ」
バラライカ「今、この街を取り巻いている“噂”について……どう思う?」
ボリス「情報の出所は不明ですが、信憑性は高いかと」
バラライカ「だとするなら、その“目的”は?」
ボリス「ゴルゴ13はスナイパー、目的は一つしか考えられません」
ボリス「十中八九、この街の誰かを狙撃する……ということでしょうな」
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バラライカ「軍曹、ゴルゴ13のことは知っているか?」
ボリス「はっ、成功率99%以上を誇る世界最高のテロリストと聞き及んでおります」
ボリス「東西冷戦の最中、KGBとCIAの暗闘の陰には常にこの男がいたとも……」
バラライカ「そのとおり、こいつは単なる殺し屋ではない」
バラライカ「奴は本物の“ワンマンアーミー”だ」
バラライカ「実に……実に愉快じゃないか。なぁ、軍曹?」
ボリス「ええ、相手にとって不足はありませんな」
バラライカ「ふ……ふふふ……」
バラライカ「願わくば、奴のターゲットが我々であって欲しいものだな」
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三合会――
彪「張大哥」
張「ゴルゴ13が来る、という噂のことだろう?」
彪「さすが、お耳が早い」
張「ノンポリを気取って鉛玉をたっぷり浴びるハメになったバカは嫌というほど見てきてるんでな」
彪「奴の目的はいったいなんでしょうか?」
張「俺たちの世界にゃ、はした金で殺しを請け負うゴロツキがゲップが出るほどいるが……」
張「奴への依頼は、露店でホットドッグを買うような気軽さで、というわけにはいかん」
張「この街で奴の標的になる価値がある人間といえば、俺か火傷顔(フライフェイス)……」
張「あとはコーザ・ノストラかカルテルの連中の誰か、といったところだろう」
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彪「落ち着いてますね……」
張「来るかどうかも分からんハルマゲドンにオタオタする性分でもないんでな」
張「ただし情報収集は継続しておけ」
張「ゴルゴ13の出方によっちゃ、この街の天秤が大きく揺らぐ」
彪「はい、それはもちろん心得てます」
張「まったく……台湾の連中もなにやらキナ臭い動きを見せてるって時に……」
張「面倒事というのは重なるように出来ているもんだな」
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【 PART 3 “G”到着 】
港――
ゴルゴ13「…………」
ゴルゴ13「ここがロアナプラか……」
船乗り「へい、ここじゃクズどもの見本市が毎日開かれてますぜ!」
船乗り「なにしろ警察署長の趣味が袖の下集めってんですから、どうしようもねえ!」
ゴルゴ13「世話になった……」パサッ
船乗り「おおっ、こりゃどうも! 毎度ありい!」
ゴルゴ13「…………」ザッ
11: 以下、
【 PART 4 酒場での一幕 】
イエローフラッグ――
ダッチ「ったく街のあちこちを、マフィアの兵隊どもがうろついてやがる」
ダッチ「息苦しいったらありゃしねえ」
ロック「街じゅうがゴルゴ13を意識しているってことか」
レヴィ「本当にゴルゴ13ってのが来るとして、そいつの狙いが誰なのかを見極めなきゃならねえからな」
レヴィ「ことによっちゃ、街全体が愉快な鉄火場と化すぜ」
ロック「ベニー、その男の外見についての情報はあるのか?」
ベニー「国籍は一切不明だけど、東洋人らしい。剃刀(レザー)のような目つきをしてるそうだ」
レヴィ「んなもん手がかりにゃならねえな。そんな奴、そこらにゴロゴロ……」
ギィィ……
12: 以下、
ゴルゴ13「…………」ザッザッ
バオ「!」
ゴルゴ13「スコッチをダブルで……」
バオ「あ、あいよ!」
ロック「レヴィ……!」
レヴィ「ああ、分かってる。あいつだ……」
レヴィ「あの身のこなし、そこらのチンピラにも全く気を許してねえって風情だ」
レヴィ「……さっきのベニーの与太も、まんざらでもねえって気がしてきたぜ」
13: 以下、
ベニー「しかし、大した心臓だな」
ベニー「この街で仕事をするんだろうに、あんな堂々と酒場にやってくるなんて」
ロック「いや、この街はそんなに大きくない。よそ者が来ればすぐに分かる」
ロック「下手にコソコソ動き回ると、街全体の動きが掴みにくくなってかえってリスクが高まる」
ロック「あの男もそれを十分承知しているんだろう」
ダッチ「身にまとった硝煙の臭いを隠そうともしてねえのはそういうわけか」
ダッチ「伊達で一匹狼を気取ってるわけじゃねえってことだな」
14: 以下、
チンピラ「ウイ?……飲みすぎちまった……。小便の神様に挨拶してくっかぁ?……」ヨロヨロ…
ゴルゴ13「!」シェッ
バキィッ!
チンピラ「うげっ!」ドサッ…
チンピラ「なっ、なにしやがるっ! このヤロウ!」
ゴルゴ13「…………」
チンピラ「うっ!」ビクッ
チンピラ「ちっ……」スゴスゴ…
15: 以下、
ロック「あの男から先に殴った……!? どうしてだ?」
レヴィ「……後ろに立たれたからだろうさ」
ロック「後ろに立たれたのが気に食わなかったってことか?」
レヴィ「いいや、違うぜロック。後ろに立たれたのが気に食わなかったんじゃない」
レヴィ「“後ろに立たれたから殴った”んだ」
レヴィ「ようするに、野郎の背中にはパトリオットも真っ青な迎撃システムが備わってるってこった」
ロック「病的な用心深さ……まさに機械(マシーン)だな」
レヴィ「ああ、くそめがねとはタイプこそ違うが、あいつも殺人ロボットのお仲間ってこったな」
ダッチ「やれやれ、サイバーダイン社の連中もたまには世界平和を愛するロボットを製造して欲しいもんだ」
ベニー「おいおい、ダッチ」
ベニー「そんなものが作られたら、真っ先にこのロアナプラが世界地図から消されちゃうよ」
ダッチ「ちげえねえ」
17: 以下、
ゴルゴ13「…………」スッ
ゴルゴ13「釣りはいい……」パサッ
バオ「へ? あ、毎度!」
バオ「ふぃ?……まーた店をぶっ壊されるんじゃねえかとヒヤヒヤしたぜ」
レヴィ「記録更新ならなくて残念だったなァ、バオ」
バオ「冗談じゃねえや!」
18: 以下、
レヴィ「あいつの標的(マト)が姐御か張の旦那か、それとも他の誰かかは知らねえが」
レヴィ「サミットでも開くのかってぐれえの厳戒態勢の中で果たして仕事ができるのか……見ものだな」
ロック「……彼の標的は本当にこの街の住民なのかな」
レヴィ「なにいってんだロック、だったらあいつは観光するためにこんなクソの掃き溜めに来たってか?」
ロック「いや、そういうわけじゃないけど……」
ダッチ「いずれにせよ、火の粉がこっちに飛んでくるってのは御免こうむりたいもんだぜ」
19: 以下、
【 PART 5 “G”からの依頼 】
翌日……
ラグーン商会――
ダッチ「……こりゃ驚きだ。驚きすぎて月まで吹っ飛びそうになっちまった」
ダッチ「今、この腐った街のトップニュースを飾ってる御仁がウチの事務所にいらっしゃるとは」
ゴルゴ13「お前たちが、この街で一番の運び屋と聞いたんでな……」
ダッチ「そいつは光栄だ。で、何を運べばいい?」
ゴルゴ13「積み荷は……俺だ」
20: 以下、
ダッチ「届け先は? 地球の裏側までってのはゴメンだぜ」
ゴルゴ13「港から……俺の指示するコースで、マレーシア方面の洋上へ出てくれ」
ゴルゴ13「しばらく向かえば、このロアナプラへ進行している船舶に出くわすはずだ……」
ダッチ「クソ広い海の上で、お前さんとそいつを鉢合わせにしろってことか。骨が折れる仕事だ」
ゴルゴ13「これで頼む」ドサッ
ダッチ「飛び込みで無茶をいう客は好きになれねぇが、金払いのいい客を嫌いになる理由もねえ」
ダッチ「さっそく出発といこうじゃねえか」
ゴルゴ13「…………」
21: 以下、
【 PART 6 出航 】
魚雷艇“ブラックラグーン号”――
ドドドドド……
レヴィ「海に出て、いるかも分からねえ船と出くわせって、あのヤロウなにするつもりなんだ?」
ダッチ「さぁな、少なくとも釣りじゃねえことだけは確かだろうよ」
ダッチ「ま、この世界じゃ他人のクソを覗きたがる奴は早死にする」
ダッチ「やることやって、金がもらえりゃそれでいいのさ」
22: 以下、
キャビン――
ゴルゴ13「…………」シュボッ…
ゴルゴ13「…………」フゥー…
ロック(あの葉巻はたしか……トルコの“トレンド”だったかな。珍しい銘柄だな……)
ゴルゴ13「…………」
ロック「……あんたは、日本人なのか?」
ゴルゴ13「…………」
23: 以下、
ロック「俺は……日本じゃしがない商社マンだったけど、仕事をトチって上司に見捨てられて」
ロック「今はこうして海賊まがいの運び屋をやってる……」
ロック「だいぶ板についてきたけど、今でも自分の気持ちがよく分からなくなることがたまにある」
ロック「あんたは仕事にかかる時……どんな気持ちでいるんだ……?」
ゴルゴ13「…………」
ロック「いや、すまない……おしゃべりだった」
ロック「目的の船がもしいるとしたら、すぐダッチとベニーが見つけてくれるさ。彼らは優秀なんだ」
ゴルゴ13「…………」
24: 以下、
ベニー「ダッチ! 右前方に大型クルーザーと思われる船舶を確認できた!」
ベニー「所属は不明! おそらく彼が会いたがってる船に違いない!」
?
ダッチ「オーケイ、さすがだベニーボーイ」
ダッチ「レヴィ、あの御仁に知らせてやってくれ! お目当てのレディが現れたってな!」
レヴィ「あいよ!」
25: 以下、
レヴィ「ヘイ客人! あんたの恋人が乗ってる船を発見したみたいだぜ!」
ゴルゴ13「…………」チャッ
レヴィ「M16……? そんなもんでどうしようってんだ?」
ゴルゴ13「…………」
ゴルゴ13「依頼人が必要とするから俺は存在し……一度引き受けたからには俺は仕事をする……」
ゴルゴ13「それだけだ……」ザッ
ロック「…………!」
レヴィ「ロック? あいつ今なんつったんだ?」
ロック「さあ……ただの独り言じゃないかな」
26: 以下、
【 PART 7 海上の狙撃 】
“ブラックラグーン号”甲板――
ドドドドド……
ゴルゴ13「…………」スチャッ
レヴィ「おいおい、まさかあのクルーザーに乗ってる奴のドタマをブチ抜こうってのか?」
レヴィ「この揺れまくってる船上から、700メートルはあるってのによ。カルロス・ハスコックじゃあるめえし」
ロック「いや……レヴィ。彼はやるよ」
27: 以下、
クルーザー――
手下A「ボス、クアンタンからの長旅、お疲れ様です! もうすぐロアナプラですぜ!」
ボス「うむ……空路や陸路じゃ目立つんで、長い船旅になったな」
手下B「しかし、あそこでゴルゴ13が一仕事やらかすというのは真実なのですか?」
ボス「ロアナプラに放っておいた斥候からの情報だ。間違いはあるまい」
ボス「消されるのはロシアの女狐か三合会の若造か……いずれにせよ、均衡が崩れる瞬間が来るのは間違いない」
ボス「そこをすかさず突けば……我ら台湾の『天海幇』があそこに根を下ろすことも不可能ではなくなる」
手下B「なるほど……ですが、わざわざボス自ら指揮を執らなくとも……」
ボス「お前たちはあの街を過小評価しすぎだ……」
ボス「あの街は“秩序あるヨハネスブルグ”だ。一筋縄ではいか――」
ズキュゥゥ……ン……
ビシッ!
28: 以下、
ドサッ……
手下A「――ボス!? ボスがやられた!」
手下B「狙撃だと!? 一体どこから!?」
手下B「なんだあの魚雷艇は!? まさか、あそこからボスを狙撃したというのか!? ……バカな!」
29: 以下、
ゴルゴ13「…………」チャッ
ゴルゴ13「船長に帰港してくれ、と伝えてくれ……」
レヴィ「この距離、この波ン中で一発で眉間に坑道ブチ開けるたぁ……正真正銘の化け物だな」
ロック「これが……世界一のスナイパーの“仕事”か……」
ロック(彼は自分が必要とされているからこそ、これほどの技量を持ちえるよう努力したのだろう……)
ロック(なら俺も――……)
ドドドドド……
30: 以下、
【 PART 8 “G”への依頼 】
二週間前……
マカオ ――中国――
依頼人「標的は……台湾マフィア『天海幇』の大幹部、李大儀です」
依頼人「かつて私は奴に逆らったばかりに、愛する妻と娘を殺されました……」
依頼人「できればこの手で仇を討ちたいのですが、奴は今マレーシアに拠点を構えており」
依頼人「しかも、めったなことでは要塞のようなアジトから出てこず、とても手が出せません……」
依頼人「お願いです、デューク・東郷! どうか奴を地獄に送って下さい!」
ゴルゴ13「分かった……やってみよう……」
依頼人「おおっ!」
ゴルゴ13「標的について、なにか分かっていることはあるか……?」
31: 以下、
依頼人「李は……タイに野心を向けていると聞いたことがあります」
ゴルゴ13「タイに……?」
依頼人「タイにはロアナプラという東南アジアでも有数の暗黒街があり」
依頼人「あそこの利権に食い込むことができれば、ミャンマー、ラオスへの勢力拡大も狙えるのですが」
依頼人「すでに香港の三合会やロシアのホテル・モスクワなどががっちりと土台を固めており」
依頼人「新参者が入り込むスキなどどこにもありません」
依頼人「なので、たとえばロアナプラで勢力図の変化を予感させるような出来事が起これば……」
依頼人「もしかすると李自ら動き出すことも期待できるかもしれません」
ゴルゴ13「…………」
32: 以下、
【 PART 9 悪徳の街は今日も栄える 】
ロアナプラ ――タイ――
暴力教会――
エダ「今回は彼……ゴルゴ13にまんまと踊らされました」
ヨランダ「自分がロアナプラに赴くとわざとCIAに水漏れを起こし……」
ヨランダ「街の大物がなんら予兆もなく消されることを好まないあんたが街に噂を流し……」
ヨランダ「これをめざとく嗅ぎつけた李が、重い腰を上げたところをズドンってわけかい」
ヨランダ「まったく、よくできたシナリオじゃないか」
エダ「マレーシアの李が狙いだったというのは、我々としても想定外でした」
ヨランダ「ま、いいじゃないか。ゴルゴ13としても、CIAに借りができたと認識するだろう」
ヨランダ「持ちつ持たれつってやつさね」
33: 以下、
ヨランダ「それにしても……面白いもんだ」
ヨランダ「いってみりゃ今回の件は、世界一のテロリストがロアナプラを“仕事道具”として使ったってことだ」
ヨランダ「このロアナプラの“悪徳っぷり”も、それだけ円熟してきたってとこかねえ」
エダ「ええ、まったくもっておっしゃる通りですわ」
― END ―
34: 以下、

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