幼 女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」back

幼 女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」


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ようじょせんぱいつよい
42: 以下、
日本のホラーはただひたすら恐怖を与えてくるが
アメリカなんかのそれだとパニック要素が強くなって恐怖はあまり無いんだよな
アメリカ映画の怪物は最終的には殺せるようになってる
45: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:16:07.20 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「不良とかマジでないわ...金髪とかマジでないわ」チラッ
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「何あの格好...かっこいいと思ってんの?ダサッ」チラッ
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「回りからどう思われてるか、客観的に判断できない悲しい人達なんだな...可哀想に」チラッ
DQN幽霊「...すんません」
幼 女幽霊「はぁ...私ああいうタイプって苦手なんだよね。ゴミは片付けずに散らかして行くし、スプレーで落書きはするし」
幼 女幽霊「ほんとマジで勘弁してほしいよ。人間だけならともかく、幽霊にまで迷惑かけるとか」
DQN幽霊「か、返す言葉もないっス...」
46: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:17:11.19 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「いや、DQNくんはいいよ?一応真面目にパシリしてくれるしさ、私はむしろ気に入ってるくらいだし」
幼 女幽霊「でも不良は論外だな。うん、ないわ」
DQN幽霊「も、もう許して...」
幼 女幽霊「しかし数が多いな。六人組とか舐めてんのか」
幼 女幽霊「心霊スポットに来るなら最高でも三人組が限度だろうが...多人数で来るとかお祭りじゃねえんだぞコラ」
DQN幽霊「...ん?」ピクッ
幼 女幽霊「どした?知り合いでも居たか?」
DQN幽霊「...いえ、何でもないっス」
DQN幽霊(アイツは...まだあんなことやってんのか...)
47: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:18:12.90 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「ああいう輩はすぐにでもご退場を願いたいね。もう今から直接脅かしに行っちゃダメかな」
DQN幽霊「さすがに開幕1分で出てくる幽霊は前代未聞っスよ」
幼 女幽霊「...む、あいつら何か変な動きしてない?」
DQN幽霊「どれどれ」
不良A『うっひゃーwwwwwここすげぇよwwwww花火の勢いやべぇw』パチパチ
不良B『お前ら下がってろwwwww打ち上げ花火やるからwwww』
幼 女幽霊「」ポカーン
DQN幽霊「は、花火っスか...さすがにここでやるのは非常識っスね」
幼 女幽霊「いや、おま...花火って。心霊スポットで花火って...」プルプル
48: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:19:06.05 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「...ちょっと試してみるか」スッ
DQN幽霊「な、何するんっスか?」
幼 女幽霊「...私も鬼じゃないからね。仏の顔も三度まで、あいつらに最後のチャンスを与えてやるよ」
幼 女幽霊「やつらの目の前に、明らかにお供え物と分かる花とお菓子とジュースを置く」
幼 女幽霊「もしあいつらが自分の行いを反省して、手でも合わせれば今回のことは見逃してやるよ...」プルプル
DQN幽霊(せ、先輩久しぶりにキレてるな)
シュンッ
不良A『ウェーーーーーーイwwwwwww...ん?』
不良A『...おい、誰かここに菓子とジュースを置いたか?』
49: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:20:08.22 ID:1lGge9u6o
不良B『あぁ、それ俺が持って来たやつだわ』
不良A『なんだよwwwwwならちょっと貰うわwwww』ゴクゴク
不良B『うwwwwそwwwwだwwwwよwwww』
不良A『って嘘かーーーーいwwww』
幼 女幽霊「...」
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「マジかあいつら」
DQN幽霊「マ、マジみたいっスね」
幼 女幽霊「いくらなんでも罰当たり過ぎるだろ...限度ってもんがあるぞ、限度が」
DQN幽霊「いやぁ...いくら俺でもあそこまではやらないっスよ。幽霊なんてこれっぽっちも信じてないっスね...」
幼 女幽霊「怒りを通り越して呆れるわ...非常識ってレベルじゃねえぞ」
50: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:21:37.61 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「ちょっとこれはキツいお仕置きが必要だな...プランJで行くぞ」
DQN「J...かなりエグいやつっスね。確か限界を越えた恐怖を与えると、記憶を消しても強烈なトラウマが残るみたいっスけどいいんスか?」
幼 女幽霊「まあ大丈夫だろ、あいつら馬鹿っぽいからすぐ忘れそうだし」
幼 女幽霊「よし、まずは私の肉体を出すか。久々だから上手く行くといいんだけど」ポキポキ
幼 女幽霊「スゥー...セイッ!!!!!」
ボンッ
長髪白装束娘「」
幼 女幽霊「よっしゃ出た!」
DQN幽霊「黒髪で長髪で白装束...何か女の幽霊って全員こんな感じっスよね」
51: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:22:36.97 ID:1lGge9u6o
幼 女幽霊「あとはこの肉体に入れば...」スゥ
長髪白装束娘「」ピクッ
長髪白装束娘「じゃんじゃじゃーん!物理攻撃もできる最強の幽霊の完成!この状態の私なら、どんな相手でも勝てる!」
DQN幽霊「おぉ...いいっスね。身体があるってどんな感じっスか?」
長髪白装束娘「やっぱり自分の身体っていいね!こう...馴染み方が違うって感触?」
長髪白装束娘「ちょっとモヤシ気味なのは気になるけど...まあ許容範囲内!ポップコーン食ってれば太るでしょ」モグモグ
DQN幽霊「あぁ...何で部屋の中に大量のポップコーンが閉まってるのかと思ったら、そのためだったんスね」
52: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:23:22.37 ID:1lGge9u6o
長髪白装束娘「で、どう?この身体って成長した私なんだけさ、可愛い?」
DQN幽霊「うーん...可愛いかどうかって言われても...」
DQN幽霊「その髪で、毎回顔が隠れて見れないから分かんないっスよ」
長髪白装束娘「ほら、髪上げたぞ。これならどうだ」ファサ
DQN幽霊「いやそれでもまだ隠れてるっス...どんだけ髪の量多いんスか」
長髪白装束娘「やっぱりダメか。何か知らんけど、私この髪のせいで一度も自分の素顔見たことないんだよなぁ...」
長髪白装束娘「目まではギリギリ見えるんだけど...むむむ」
53: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:24:15.51 ID:1lGge9u6o
長髪白装束娘「まっ、いいや。私のことだからきっと仲間由紀恵似のすごい美人だと思うし」
DQN幽霊(ポジティブだなぁ...)
長髪白装束娘「さて後は...あった!このホッケーマスクを被って.. 」カパッ
長髪白装束娘『フハハハ!どうだ?すっごい怖いだろ!』
DQN幽霊「あー...うっす。和と洋のコラボレーションって感じでイカすっス」
長髪白装束娘『フフフ...そうだろ、そうだろ。最後に武器の山刀を持てば完璧だ!』ジャキッ
DQN幽霊「武器ならチェーンソーとかの方がいいんじゃないっスか?あっちの方がインパクトありそうスけど」
54: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:28:28.40 ID:1lGge9u6o
長髪白装束娘『確かに恐怖心を煽るならあっちの方がいいけど、あれ音が反響するから病院内では向かないんだよね』
長髪白装束娘『それにジェイソンと言ったら素手か山刀だからね。チェーンソーは一度も使ったことないし』
DQN幽霊「あー有名な話っスね。それぐらいなら俺でも知ってるっス」
長髪白装束娘『お前は念波使えないんだっけ。なら監視カメラであいつらの場所をマイクを使って教えて』
長髪白装束娘『このマスクの下にイヤホン付いてるから』コンコン
DQN幽霊「うす、了解っス」
長髪白装束娘『さあ...恐怖の惨劇の始まりだよぉ!!!!』
DQN幽霊「...」
DQN幽霊(...迷走してるなぁ)
55: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/17(金) 02:29:25.89 ID:1lGge9u6o
今日はここまで
57: 以下、

某ゲームのせいでジェイソンの武器つったら
長い棒か鉈かショットガンを想像しちまう・・・
58: 以下、
スパイダーパニックではチェーンソー使ってたな
59: 以下、
日本の幽霊は物理無効感があるから怖いんだよな。ぬーべーか寺生まれのTさんでもないと
対処出来ないみたいな。外国のは倒せるモンスターみたいな感じ
67: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:22:48.31 ID:qfLcrSYuo
ピピピッ
『テストテスト...先輩、聞こえるっスか?』
長髪白装束娘『ん、ばっちり聞こえるよ』
『今、あの不良グループは二人組になって離れて行動してるっス』
『例の花火してた馬鹿共が一階、金髪の男女が二階...ピアスをしてる男と派手な格好をしたギャルが三階に居るっス』
長髪白装束娘『ってことは...私が居るのが地下だから、一番近い一階から順番に潰していくか』
長髪白装束娘『OK、分かった。一階のやつらはどの部屋にいる?』
『えっーと9番カメラだから...救急処置室っスね』
長髪白装束娘『りょーかいっと、んじゃそこまでワープするか』シュンッ
68: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:24:19.96 ID:qfLcrSYuo
???? 1F 救急処置室 ????
不良A「うぇぇ...なんだよここ、蜘蛛の巣がすげぇな」
不良B「まさに廃墟って感じだな。うっ...くっさ、なんだこの臭い」
ガタンッ
不良A「ん?なんだ今の音、部屋の外から聞こえたが」
不良B「風の音だろ。ここつまんないし、俺らも上の方に探索に行こうぜ」
不良A「そうだな...ってやべ、ちょっとションベンしたくなって来た」ブルッ
不良B「おいおい、こんなところで立ちションはやめとけよ。イチモツがかぶれるぞ」
不良A「しねーよバーカwwwwちょっとトイレ行ってくるから待っててくれや」
不良B「ここ水流れないと思うから、う○こはやめとけよwwwwww」
不良A「う○こじゃねーよwwwwwすぐ戻るわwwwwww」ダッ
69: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:25:10.86 ID:qfLcrSYuo
バタンッ
不良B「ふーっ...しかし、こんな薄気味悪いところで一人ぼっちはちょっと気持ち悪いな」キョロキョロ
不良B「幽霊なんて信じないが...こういうところは不安になるっつーか、本能的にヤバいと感じるんだよな」
不良B「まっ、キチガイが住み着いててもおかしくはないからな。映画だったら真っ先に殺人鬼が出てきそうな場所だし」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
不良B「」ビクッ
不良B「な、なんだ今の叫び声...あいつの声に聞こえたが」
不良B「...」
不良B「さてはトイレでゴキブリでも出てビビったなwwwwwからかいに行ってやろwwwww」
70: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:25:54.68 ID:qfLcrSYuo
コツンッ...コツンッ...
不良B「おいどしたwwwwwwう○こでも漏らしたかwwwwww」ヒョイッ
シーン
不良B「あれ、居ないのか?」キョロキョロ
不良B「おっかしいな...一階のトイレはここしかないと思ったんだが」
不良B「先に二階に行ったのか?ったくあの野郎...行くなら一言くらい声かけろよ」ブツブツ
『???♪???♪』
不良B「ん?なんだ...?何かの音楽...どこから流れてるんだ、このキッキッキって音は」クルッ
ボカッ!!!!!!
不良B「」バタッ
71: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:26:48.03 ID:qfLcrSYuo
長髪白装束娘『まったく...こいつらアホか、なんで一人で行動してるんだよ。死にたいのか』
『あの先輩、さすがに効果音はマズいっス』
長髪白装束娘『え?ダメなの?これかけるとモチベ上がるんだけど』
『いやいや...普通に不審がられるっス。流すなら自分の脳内だけにしてください』
長髪白装束娘『ちぇっ...うるせえなぁ。分かったよ、止めればいいんでしょ』
長髪白装束娘『オーブちゃん、効果音ダメだって。止めていいよ』
オーブ「」ションボリ
長髪白装束娘『私も流したいんだけどねぇ...あのファッキンヤンキーがダメだって言うから』
長髪白装束娘『さて次は二階か。サクサクっと行きましょうかね』スタスタ
72: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:28:28.34 ID:qfLcrSYuo
???? 2F 病室 ????
金髪男「ひゃー...んだよここ、気味悪いなぁ」
不良女「ウチ、こういうところマジで無理だって...絶対出るよここ」ギュッ
金髪男「なーに言ってんだよ、幽霊なんて出るわけねぇだろ。そんなことより...」
金髪男「なぁ、ここで一発ヤらないか?」
不良女「ハァッ!?マジで言ってんの!?」 
金髪男「マジマジ、大丈夫だって。先輩なら3階だし、不良AB共もまだ探索に夢中だろうし」
不良女「でも...いや普通に駄目っしょ、こんなところで...」
DQN幽霊「...」ジー
DQN幽霊「マジかこいつら」
73: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:29:47.05 ID:qfLcrSYuo
DQN幽霊「いやいや...さすがにないわ。不謹慎って言葉を知らないのか、こいつら」
DQN幽霊「というかよくこんなところでヤろうと思えるな。幽霊の俺でも夜の廃病院は怖いのに」
DQN幽霊「何か先輩の気持ちが分かる気がする。確かにこれはムカつくわ、さっさと先輩に知らせて...」チラッ
DQN幽霊「...」ジー
DQN幽霊「も、もうちょっとだけ様子を見てみるか」
金髪男「なぁ?いいだろぉ...なぁなぁ」サワサワ
不良女「ちょ、ちょっと...さすがにヤバいって...」
DQN幽霊(もうちょっと...もうちょっと)
74: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:30:37.74 ID:qfLcrSYuo
ピピピッ
DQN幽霊「」ビクッ
『おいDQN、いつまで待たせるの?早く次の獲物の位置教えろよぉ』
DQN幽霊「えっ...あっ...そ、そうっスね。えーっと場所は...」
DQN幽霊「あ、あれれ??おかしいなぁ、どこのカメラにも写ってない...死角かどっかに入り込んだんスかね?」
『は?何言ってんの?そこの監視カメラは病院内ならどこに居ても見つかるように設置してるから、死角なんてないんだけど』
DQN幽霊「」ギクッ
DQN幽霊「そ、そうっスね...ちょっと待っててください。すぐ見つけますから」
『まったく早くしろよなぁ...こっちは狩りたくてウズウズしてるんだから』
75: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:31:49.07 ID:qfLcrSYuo
DQN幽霊(クソッ!もう時間を稼げそうにない...早く脱げ!おっぱい見せろ!)
金髪男「いいだろ?なぁ...」
不良女「あんっ...もう、本当にちょっとだけだからね...」
DQN幽霊「!!!!!」
DQN幽霊「よっしゃ!イエス!ナイス!」グッ
『おいまだ見つけられないの!?本当お前は無能だな!さっさとしろよ!』
DQN幽霊「うるせぇ!!!!今大事なところだから少し黙ってろッ!!!!」イラッ
『ああんっ!?おい!お前今なんてった!?ぶっ殺すぞこの下級霊が!!!!』
76: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:32:45.36 ID:qfLcrSYuo
不良女「...」ヌギッ
DQN幽霊(み、見えたああああああああああああ!!!!!ふぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!)
DQN幽霊「先輩スンマセン!見つけました!2階の病室、番号は201号です!」
『...お前さっき私に暴言吐いただろ。忘れてないからな』
DQN幽霊「いやマジでちょっと見つけられなくてイライラしてたんス!本当ごめんなさい!」
『...まあいいや。201号室な、すぐ行くわ』
DQN幽霊「何かあいつら部屋で一発ヤろうとしてるっスよ!早く行かないと先輩が来る頃にはギシアンかも!」
『マジでっ!?あの野郎共...ぶっ殺してやるわ!!!!』
77: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:34:32.22 ID:qfLcrSYuo
シュンッ
金髪男「へへへ...どうだ?雰囲気出るだろ」
不良女「...ちょっと悪趣味じゃない?」
金髪男「それがいいんだよ、じゃあさっそく...」
カンカンカンッ
金髪男「...なんだ?」クルッ
長髪白装束娘『ハロー、アイムチャッキー』フリフリ
金髪男「...」
金髪男「えっ」ポカーン
長髪白装束娘『きるゆうううううううううううううううう!!!!!!』ダッ
78: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:35:35.19 ID:qfLcrSYuo
金髪男(な、なんだこのホッケーマスクを被った女!?手に持ってるのは...刃物っ!?)
ザクッ
金髪男「グハッ...」バタッ
長髪白装束娘『』チラッ
不良女「ひっ...」ビクッ
不良女「う、うわああああああああああああああああ!!!!!!!」ダッ
シュンッ
不良女(な、何が起こったの!?アイツが...斬られた!?)
不良女(と、とにかく逃げないと...一刻も早くここからっっっ!)
長髪白装束娘『♪』フリフリ
不良女「!?」
不良女「な、なんで...さ、さっきまで後ろにいたのに...」ブルブル
79: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:36:26.89 ID:qfLcrSYuo
長髪白装束娘『』スタスタ
不良女「あっ...あっ...」ビクビク
長髪白装束娘『...』サワッ
不良女「!?」ピクッ
不良女(な、なに...髪を撫でて...)
ボキッ
不良女「」プラーン
長髪白装束娘『まったく...人んちで堂々とよくヤれるな!恥ってもんはないのか!』
『せ、先輩...普通に一刀両断したり、首を折ったりしてましたけど大丈夫ですか?』
長髪白装束娘『あぁ、カメラ越しにもそう見えたのか』
長髪白装束娘『安心しろ、あれは私とオーブちゃんの力で見せた幻だよ。私がやったのは山刀を振り上げたり、髪を撫でただけだ』
80: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:37:19.10 ID:qfLcrSYuo
『えっ...どういう意味っスか?』
長髪白装束娘『あの最後はあいつらが想像したイメージ、それを私達の力で現実にしただけに過ぎないってことよ』
長髪白装束娘『もうすぐ幻覚も解ける頃だと思うけど』チラッ
金髪男「」スゥ
不良娘「」スゥ
『うぉぉ...スゴいっスね。そんなことまで出来るんスか』
『それにしても先輩、普通に目の前にワープしたりしてたんスけど...あれも大丈夫っスか?一応、幽霊じゃなくて実物の殺人鬼って設定だと思うんスけど』
長髪白装束娘『いいんだよ、本物だってワープしてるんだし』
長髪白装束娘『さて残りはあと二人だ。このままガンガン行こうか』
81: ◆gqUZq6saY8cj 2016/06/18(土) 21:39:45.80 ID:qfLcrSYuo
今日はここまで
そういえば今日6/18(土)からあのJホラーの二大看板『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズ伽椰子が対決する『貞子vs伽椰子』が公開されましたね
監督はあの『ノロイ』『オカルト』『カルト』『コワすぎ』と独自の世界観を持つ数々の名作を生み出した白石晃士監督
一部の映画館では4DXにも対応してて絶賛全国ロードショー中だそうです
これは是非見たいですね!(ダイレクトマーケティング)
83: 以下、

果たしてスレタイはどんな場面で回収されるのか
98: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:17:55.48 ID:szQAgjGeo
......................................................
..........................................
ガタンッ
ギャル「」ビクッ
ピアス男「...」スゥー
ギャル「ね、ねぇ...今さっき何か下から変な音しなかった?」
ピアス男「...」スゥー
ギャル「...よくこんなところでキメられるね、アタシなら絶対無理」
ピアス男「...ハァー」ピクッ
ピアス男「あぁ...気持ちぃ...やっぱ辞めらんねぇわこれ」
ピアス男「今の俺ならなんでも出来るわぁ...どんな相手にも負ける気がしねぇ」
ギャル(...幽霊よりアンタの方がヤバイよ)
99: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:19:03.30 ID:szQAgjGeo
長髪白装束娘『よいしょ、よいしょっと』ズルズルー
『先輩?誰運んでるんスか?』
長髪白装束娘『あぁ、これ?人じゃなくて人形だよ、人形』
長髪白装束娘『この中にはたっぷりの血糊とソーセージが入っててね、それをこの山刀で切ると殺人シーンの完成ってわけよ』
長髪白装束娘『ついでに私の力で手足の部分を動かして、オーブちゃんの叫び声のおまけ付き』
長髪白装束娘『フフフ...暇な時に作っておいて正解だったな。これはインパクトあるぞぉ?』ニヤニヤ
『何か海外のドッキリ動画みたいっスね』
長髪白装束娘『で、最後の一組は今どこ?』
100: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:20:35.40 ID:szQAgjGeo
『えーっと...三階のリハビリ室っスね。ん?これは...』
長髪白装束娘『どした?何かあった?』
『...先輩、もしかしたらあいつらここでヤクやってるかも知れないっスよ』
長髪白装束娘『ヤク?ヤクってあの...ヤクルト?』
『違うっスよ...麻薬、クスリの方っス』
長髪白装束娘『ああっ!?麻薬だ?
とっ!!?』
『先輩声大きいっス!聞こえるっスよ!』
長髪白装束娘『マジ?確証あんの?』
『...多分間違いないと思うっス。ストローにあの粉っぽいもの、男の方の様子も少しおかしいし、それに...』
101: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:21:45.72 ID:szQAgjGeo
長髪白装束娘『それに?』
『...いえ、何でもないっス』
『とにかくやってるのはほぼ100%間違いないと思うっスよ。どうするんスか?』
長髪白装束娘『んー...どうっすっかな?だって不良からの女連れからのドラッグコンボでしょ?ちょっとやり過ぎでしょ。なら...』
長髪白装束娘『これはこっちもやり過ぎなくらいがちょうどいいな』ニヤァ
ギャル「へっくしゅん!」ブルッ
ギャル「な、なに...?急に寒気が...」
102: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:22:35.38 ID:szQAgjGeo
ギャル「ねぇ、もう帰らない?ここ気味が悪いよ」
ピアス男「なーに言ってんだ。最高じゃねえかここ」
ピアス男「カビの臭いに薄汚い床にこの冷たい空気、まさに俺にピッタリだ。...決めた!明日から集会はここでするぞ」
ギャル(勘弁してよ...)
ガタン
ギャル「」ビクッ
ギャル「...なに?部屋の外から物音が」
ピッ
ジャンガジャンガ!!!!!ジャジャーン!!!!!
ピアス男「ん?やっぱりこのバンドはいいな。いつ聞いても最高にロックだ」
103: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:23:26.30 ID:szQAgjGeo
ギャル「さっきまた音が聞こえなかった?今度は部屋の外から...」
ピアス男「ああん?聞こえねぇよ。俺のビートの邪魔すんな」
ピアス男「YEAH...いいねいいね、やっぱりここは俺に合ってる。いつも以上にノれるぜ」コクコク
ギャル「...そ、そう。ならいいや」
長髪白装束娘『...なぜ誰も部屋から出てこない』
『先輩、あいつら部屋の中で大音量で流してるっスよ』
長髪白装束娘『...は?』
長髪白装束娘『クソがッ!私の外で物音を鳴らして誘き寄せ作戦が失敗じゃねえか!!!』イライラ
104: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:25:14.33 ID:szQAgjGeo
長髪白装束娘『あーもう...お前らがその気ならこっちも容赦しないからな。もっと怖い方法でやってやる』
長髪白装束娘『DQN、音楽が出てるのってスマホ?それとも別のやつ?』
『スマホっスね』
長髪白装束娘『よし分かった。オーブちゃん、あいつの再生リストに例の曲入れて流して来て』
オーブ『』コクリ
ヒュンッ
『...オーブに機械操作なんて出来るんスか?』
長髪白装束娘『お前オーブちゃん舐めたらダメだぞ。あの子達って結構現代っ子だからな』
長髪白装束娘『この前なんて私のPCで勝手にプログラミングとかしてたぞ』
『...ヤバイっスね』
105: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:26:07.44 ID:szQAgjGeo
ジャンジャーン!!!!!ジャジャンジャーン...ピッ
ピアス男「...あ?なんだ?急に止まったぞ」
ピアス男「んだよバグったのか?クソが...」ポチポチ
ギャル「ちょっ...それってまさか幽霊の仕業じゃ...」
ピアス男「んなわけねぇだろ。スマホを弄くる幽霊なんてどこにいんだよ」
ピアス男「...よし、これでいい、戻ったはずだ。まったく水差しやがって」ピッ
テン♪
チャンチャンチャンチャン♪チャンチャンチャンチャン♪チャンチャンチャンチャン♪チャンチャンチャンチャン♪
DQN幽霊「うわすっごいベタなやつ流れた」
106: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:27:17.17 ID:szQAgjGeo
ギャル「!?」ビクッ
ギャル「ちょっ...何やってんの!?やめてよ!!!!」
ピアス男「あ?なんだこれ...こんなやつ入れた覚えねぇぞ」ポチポチ
ギャル「これあの着信がある映画のやつじゃん!!アタシをおどかそうとしてんのっ!?」
ピアス男「だから知らねぇっつってんだろ...止まんねぇな、なんだこれ」ポチポチ
ギャル「...ッ!もう無理!アタシ先帰るっ!!!!」ダッ
ガチャ
ギャル(無理!無理!無理!もうぜっっっっったいに無理!!!!!)
ギャル(金持ってるからアイツと付き合ってたけど、クスリはやってるしヤクザとも繋がってるし、予想以上にヤバいやつだった!その上すごい悪趣味!)
ギャル(もう別れてやる!ふんだ、キープは何人もいるからそいつらからまた金を吸えば...)
107: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:28:02.94 ID:szQAgjGeo
ギギギ...ギギギ...
ギャル「」ピクッ
ギャル(なに...前から金属音が...)
ギギギ...ギギギ...
ペタッ...ペタッ...
ギャル(足音っ!?)
長髪白装束娘『...』ギギギ
ギャル(...えっ)
ギャル(ジェイソ...貞...どっち?)
DQN幽霊「先輩...やっぱりその格好はギャグっスよ...」
108: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:29:29.67 ID:szQAgjGeo
ギャル「そ、そっか...そういうことか...」ブツブツ
ギャル「アンタら、アタシをビビらせようとドッキリ仕掛けてたんだ...てっきり本物かと思った...」ホッ
長髪白装束娘『...』
DQN幽霊「...そりゃ死の着信メロディの後に、ホッケーマスクを被った白装束の女が出てきたら普通ドッキリ疑うよな」
ギャル「分かった、分かった...もう充分驚いたよ。これで満足した?もうやめようよ」
長髪白装束娘『...』ブンッ
ドサッ
ギャル「え?何その袋...」
109: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:30:28.77 ID:szQAgjGeo
袋『ンーーーーーー!!!!!!ンン???????!!!!!』バタバタ
ギャル「」ビクッ
ギャル「えっ...ちょっ、何入ってんのそれ」
長髪白装束娘『...』スッ
ギャル「なっ!?やめっ...」
長髪白装束娘『...ッ!!!!!!!』ブンッ
グチャーーーーーン!!!!!!!
袋『アッ...アッ...』ピクピク
DQN幽霊「うわっ...グロ!」
110: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:31:36.88 ID:szQAgjGeo
ギャル「あっ...あっ...」ブルブル
ギャル「そ、それ...まさか入ってるの人...な、なにそれ」
長髪白装束娘『...』ギロッ
ギャル「ひぃ!?た、助けてぇっ!!!!」ダッ
長髪白装束娘『...』
長髪白装束娘『...どう?完璧だった?』
『いやぁ...迫力ハンパないっスね。さすがに目の前で人間が叩き斬られるのを見たらダメージヤバいっスよ』
長髪白装束娘『フハハ...そうかそうか。よし、あのギャルの後ろまでワープしてから最後の獲物を仕留めるとするか』シュンッ
111: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:32:33.42 ID:szQAgjGeo
ギャル「はぁっ...!はぁっ...!」ダダダッ
ギャル「な、なんだよアイツ...!ヤバイよ!早く逃げないとっ...!!」
ピアス男「ヒュー♪ヒュー♪なんだここ。すっげえ口笛が響くな」
バンッ
ギャル「ねぇっ!!!大変だよっ!!!!」
ピアス男「あ?なんだお前、帰ったんじゃねぇのか」
ギャル「そんなこと言ってる場合じゃない!!ここヤバいやつが居るんだって!!!早く逃げないとヤバいよ!」
ピアス男「ヤバいヤバいうっせぇんだよ、何言ってるか全然分かんねぇ」
ピアス男「んなことよりお前の後ろにいる、ハロウィンみたいな格好してる女誰だよ」
112: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:33:21.00 ID:szQAgjGeo
ギャル「えっ、何それ...」クルッ
ザンッ!!!!!!
ブシューーーーーー!!!!!!!!
ギャル「」バタンッ
ゴトッ
ピアス男「...おぉ、首が飛んだ」
長髪白装束娘『』ギロッ
ピアス男「なんだお前?廃病院に住む不審者ってやつか?ハハッ、映画みてぇ」
長髪白装束娘『...』
長髪白装束娘(なんであんまりビビってないんだこいつ)
113: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:34:31.48 ID:szQAgjGeo
長髪白装束娘(ねぇ、なんでだと思う?こんなパターン初めてなんだけど)
(クスリでハイになって感覚が麻痺してるんじゃないっスか?)
長髪白装束娘(うわマジかよ...薬中ってやりにくいな)
長髪白装束娘(ならあんまりビビらせること出来ないじゃん。勿体ないけどチャッチャと終わらせるか)
ダッ
長髪白装束娘(ん?何の音...)
ピアス男「オラァ!!!!!」ブンッ
長髪白装束娘『!?』ドゴォ
DQN幽霊「...」ポカーン
DQN幽霊「せ、先輩が殴られた...」
114: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:35:31.75 ID:szQAgjGeo
長髪白装束娘(へぶちっ!?)ズサー
ピアス男「結構細いな。体重軽すぎだろ」ブンブン
長髪白装束娘(な、なにこいつなにこいつなにこいつ!?な、殴りやがった!この私に腹パンしやがった!!!!)
長髪白装束娘(普通殴るかぁオイィ!?この格好したやつを殴るなんてかなーり少数派だぞ!?普通やらねぇよ!!!!)
長髪白装束娘(というかめっちゃ痛い!お腹めっちゃ痛い!!よく考えたら私の生涯って今までまともに殴られたことなかった!幽霊だけど!)
長髪白装束娘(ああああああああああぁぁっっっ!!!!!クソがぁ!!!!一旦退却じゃボケェ!!!!)
シュンッ
ピアス男「...あ?消えた?」キョロキョロ
ピアス男「成仏したか?でもアイツ殴れたから人だよな?」
115: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:36:37.90 ID:szQAgjGeo
ドサッ
長髪白装束娘「あああああああああっっっ!!!!お腹痛いよおおおおおおおおおおお!!!!!」ゴロゴロ
DQN幽霊「ちょっ!?先輩大丈夫っスか!?」
長髪白装束娘「大丈夫なわけないだろうがぁっ!!!!腹パンされたんだぞ!めっちゃ痛いわ!!!!」ゴロゴロ
DQN幽霊「そ、そっスよね...全然大丈夫じゃないっスよね」
スゥ
幼 女幽霊「クソォォォ!まさかあんなやつに実体の弱点を突かれるとは思わなかった!!!!ムカつくぅ!」
DQN幽霊「弱点?先輩に弱点なんてあるんスか?」
幼 女幽霊「私のあの肉体は普通に物理攻撃が効くんだよぉ!痛みもダメージも霊体の方にフィードバックされるんだ!」
116: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:37:44.76 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「え、えぇ...普通そういうのって効かないんじゃないっスか?」
幼 女幽霊「私は元は幽霊(ゴースト)!怪物(モンスター)と違って耐久力は脆いんだよ!」
幼 女幽霊「攻撃は道具や能力を使えばある程度カバーできるけど、防御は無理!不死身の肉体じゃないんだぞ!こっちは!」
DQN幽霊「そ、そうなんっスか...」
幼 女幽霊「ぐぉぉ、久々の痛みで何か気持ち悪い...吐きそう...」
DQN幽霊「いや、今の先輩じゃ吐けないっスよ」
幼 女幽霊「...」
DQN幽霊「ん?先輩?どうしたんスか?」
幼 女幽霊「うぇぇ...ぐすっ...いたいぃぃ...」シクシク
117: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:38:49.49 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊(泣いてるっ!?いや涙出んの!?)
幼 女幽霊「もうやだぁ...後はお前がやって来てぇ...」シクシク
DQN幽霊「え、えぇ...俺がっスか?でも俺、幽霊の経験はまだほぼ素人なんスけど」
幼 女幽霊「お前あのピアス着けてる男と知り合いなんだろぉ...いいじゃん別にぃ...」
DQN幽霊「」ドキッ
DQN幽霊「ど、どうしてそのことを...」
幼 女幽霊「あんな思わせ振りな態度取られたら誰だって気付くわアホぉ...」
幼 女幽霊「分かったら早く行けよぉ...もう一人にさせろ...」
DQN幽霊「...うす、じゃあ行ってくるっス」フワフワ
118: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:39:58.20 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「...」フワフワ
DQN幽霊(あの男は...生きていた頃の先輩だった)
DQN幽霊(まあ先輩と言っても...今の先輩とは違って、正真正銘の人間のクズだったんだけど)
DQN幽霊(ヤクザの親戚が居るとかで、ここら辺では誰もあいつに逆らえなかった)
DQN幽霊(それをいいことに好き放題やってて...死んで当然の人間ってやつはああいうやつのことなんだと思う)
DQN幽霊(まっ、今ではどうでもいいことだけどな。俺はもうあいつらとは関係ないんだし)
DQN幽霊「しっかしどうやって気絶させるか。先輩と違って俺は肉体ないから、反撃を食らう心配はないけど...こういうのってシチュエーションが大事だよな」
DQN幽霊「...それに生前の仕返しも少しはしたいしな」
DQN幽霊「方法はとりあえず移動中に考えるか。あーワープが使えるって楽なんだろうなぁ」フワフワ
120: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:41:23.85 ID:szQAgjGeo
............................................................
.............................................
ピアス男「...飽きてきたな、ここ」
ピアス男「ヤクも切れてきたしそろそろ帰るか。にしてもあいつらはどこに行ったんだ?」
ピアス男「この俺を置いていくなんていい度胸してるわほんと、後でシめてやるか」スタスタ
「おーい!せんぱーい!」
ピアス男「...あん?」クルッ
DQN幽霊「もうどこ行ってたっスか?探したっスよ!」
ピアス男「...誰だお前」
121: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:42:04.40 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「忘れるなんて酷いっスね?...自分はあんたに散々こき使われたのに」
ピアス男「は?」
ピアス男「...おいお前、何か透けてねぇか?それに足がないぞ」
DQN幽霊「そりゃそうっスよ。だって幽霊スからね」
DQN幽霊「ということで先輩、早で悪いんスけど死んでくれないっスか?」
ピアス男「...は?」
ドンッ!!!
ピアス男(っつ!!何かに突き飛ばされた!?)バタッ
122: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:42:56.98 ID:szQAgjGeo
ガシッ!!!
ピアス男「!?...ぐ、ぐびが...」バタバタ
DQN幽霊「そんなに暴れないでくださいよ。余計苦しいっスよ?」
ピアス男「誰だよ...!でめぇ...離しやがれ...!!」ググッ
DQN幽霊「嫌っスよ。今までずっとあんたにこうしたかったんスから」グイッ
DQN幽霊「先輩、人に恨まれる行為はやめた方がいいっスよ?そういうのはいつか自分に帰ってくるもんス」
DQN幽霊「この世界には呪いも祟りもある、今まで先輩は運がよかっただけっス」
ピアス男「がっ...がっ...」ブンブン
DQN幽霊「これも因果ってやつっスかね?...まさか死んでから報復出来る日が来るなんて」
123: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:43:46.48 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「先輩、あんたは今から死ぬっス。今どういう気分っスか?」
DQN幽霊「このままずっと馬鹿やって、自分だけ幸せに暮らせると思ってたっスか?さすがにそれは虫がよすぎるっスよ」
ピアス男「誰が...誰が...ごんなとごろで...!!!!」ジタバタ
DQN幽霊「惨めで醜い最後っすね。じゃあそろそろこの辺で終わりにしてあげるっス」グッ
DQN幽霊「俺からの手向けの言葉は一言だけ、ずっと言いたかった言葉っス」
DQN幽霊「死ね」
ピアス男「あガッ...!?」ピクッ
ピアス男「」シーン
124: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:44:59.42 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「...ふっー、終わった」
幼 女幽霊「あんまり無茶すんなよ、さすがに首絞めて落とすのは危ないぞ」
DQN幽霊「あっ、先輩居たんスか、どうでした?俺の劇は」
幼 女幽霊「...恐怖は恐怖でもお前がやったのは死に対する心理的な恐怖だな」
幼 女幽霊「悪くはなかったけど殺気が漏れてたぞ。プロなら私情を挟むな」
DQN幽霊「プロって...俺らただの幽霊っスよ?」
幼 女幽霊「...正直ちょっと心配した。お前があのピアスの男を本気で殺すように見えたから」
125: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:46:42.25 ID:szQAgjGeo
DQN幽霊「...本当のこと言うと、生前は本気でこいつを殺したいと思ってましたよ」チラッ
DQN幽霊「俺や俺のダチもこいつに恐喝されたり、いじめられたりしてました...でも今はそこまで気にしてないっス」
DQN幽霊「なんてったって今の自分はもう死んでるんスからね。死者の自分が生者のこいつを殺したら、まるで生に嫉妬してるみたいで気持ち悪いっスもん」
DQN幽霊「こんなゴミみたいな人間に嫉妬する要素なんてないっスからね。そこら辺のラインはちゃんと分かってるつもりっスよ」
DQN幽霊「...まあ私情があったのは否定しないっス」
幼 女幽霊「...そっか、安心した」
DQN幽霊「で、こいつらどうするっスか?」
幼 女幽霊「麻薬は犯罪だからね。証拠品も含めて警察署の前に送ってやるよ」
幼 女幽霊「あと更正するように、これから犯罪行為をする時は今日の夜のことを思い出すように深層心理に恐怖を植え付けておく」スッ
126: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/03(日) 01:48:08.62 ID:szQAgjGeo
シュンッ
幼 女幽霊「さて今日の夜は終わりだな。私は適当にネットでもしてよっと」
DQN幽霊「...あの、先輩。もしかして俺に仕返しのチャンスを与えるためにわざと殴られてくれたんスか?」
幼 女幽霊「...」ピクッ
DQN幽霊「わざわざ俺のために痛い目に遭ってくれたなんて...先輩は本当に優しいっス!先輩の鑑っス!」
幼 女幽霊「あー...うん、そうだな。バレちゃったら仕方ない」
DQN幽霊「さすが先輩っス!幽霊なのに人間が出来てる!」
DQN幽霊「あっ!この前見たいDVDがあるって言ってましたよね!?俺ちょっと借りに行ってくるっス!」フワフワ
幼 女幽霊「...」
幼 女幽霊(何か勝手に勘違いしてるけどまあいいか)
132: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:30:41.29 ID:YhmXR8RFo
???? 翌日 ????
幼 女幽霊「にゃんにゃんにゃーん♪」スリスリ
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊「にゃにゃにゃにゃーん♪」スリスリ
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊「にゃあにゃあああああああああああああ!!!!!」スリスリ
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊「んにゃあああああああああああ!!!!!ほにゃあああああああああああああ!!!!!!」スリスリ
DQN幽霊「...」
DQN幽霊「あの先輩」
133: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:31:29.66 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊「にゃっ...あ?何か用?」
黒猫「ニャー」
DQN幽霊「いえ...猫可愛がるのもいいっスけど、もう少し自重というか静かにした方がいいと思うっス」
幼 女幽霊「うるせぇなぁ、誰も迷惑してないからいいじゃん。猫を可愛がる時ぐらい好きにさせろよ」
DQN幽霊(俺が迷惑してるんですけど)
幼 女幽霊「クロちゃんごめんねぇ、あの腐れDQNが邪魔しちゃって」
黒猫「ニャー」
DQN幽霊(黒猫だからクロちゃんって...安直な名前だな)
DQN幽霊「...ん?その猫ってもしかして俺らのこと見えてるんスか?」
134: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:32:36.82 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊「当たり前だろぉ、猫だって見えないモノに可愛がられるほど間抜けじゃないよ」ヨシヨシ
黒猫「ニャー」スリスリ
DQN幽霊「へー...猫って俺らのこと見えてるんスね。初めて知ったっス」
幼 女幽霊「動物は大体見えてるぞ。何か何もないところを猫とか犬が見てる時ってあるじゃん?あれ大体幽霊だから」
幼 女幽霊「あと人間の赤ん坊も見えてる話を聞いてことあるな。大人になるとほとんどが見えなくなるらしいけど」
DQN幽霊「へー...不思議なもんっすね」
DQN幽霊「そういや人間にも俺らのこと見えてる人って居るんスよね?俺は見たことないっスけど、先輩はあるんスか?」
幼 女幽霊「んー...10年幽霊やってるけど、ほぼ見たことないな。両手で数えられるくらいじゃないの」
DQN幽霊「...少ないっスね」
135: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:33:39.40 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊「まあこういう心霊スポットに来るようなやつは大体信じてないからな。霊感がないのも当然と言えば当然でしょ」
幼 女幽霊「本当にたまーに見えてるやつも居たけど...それでも何かが居るってのを感じられるだけで、厳密に言えば見えてるってわけじゃなかったからな」
DQN幽霊「ほー、なら見えるやつってほぼ居ない感じなんスね」
幼 女幽霊「まっ、霊感があるとか言ってるやつってインチキ臭いのが大半だからね」
幼 女幽霊「テレビとかに出てくる霊能力者っているじゃん?あれ、私から見れば全員偽物だよ」
幼 女幽霊「だから正直、私は霊能力者とか除霊とかの話は一切信じてないんだよね。幽霊だけど」
DQN幽霊「...何か幽霊になってこんな真実を知るとは思わなかったっス」
136: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:35:10.09 ID:YhmXR8RFo
黒猫「ニャー」スリスリ
幼 女幽霊「おーよしよし、お前はインチキ霊能力者と違って可愛いなぁ...」
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊「にゃー」
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊「にゃー」
DQN幽霊(こうやって猫と戯れてる姿は見た目通りで可愛いらしいのになぁ...)
黒猫「ニャー」
幼 女幽霊『ニャー』
DQN幽霊「!?」
DQN幽霊「えっ...ちょ、先輩!?今、猫の声出しませんでしたっ!?」
137: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:35:54.06 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊「え?出したけど何か?」
DQN幽霊「いやいやいや!なんでさりげなくリアルな猫の声出せるんスか!!物真似ってレベルじゃなっスよ!!」
幼 女幽霊「いやそこまで驚く?私ってワープしたり、時空を操ることができるんだよ?」
幼 女幽霊「そんなスゴいことができるなら、リアルな声真似しても別に不思議じゃないでしょ」
DQN幽霊「...た、確かに」
幼 女幽霊「猫の声以外にも色々できるぞ ...ちょっと待ってろ」グッ
幼 女幽霊『ワンワン!!ワンワン!!』
DQN幽霊「スゲぇ...今度は犬だ...」
138: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:36:46.68 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊『カーカー』
DQN幽霊「カラスだ...」
幼 女幽霊『カロロロロロロロ...』
DQN幽霊「ん?どっかで聞いたことあるような...ハッ!?もしかしてプレデターっスか!」
幼 女幽霊『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛』
DQN幽霊「それ知ってるっス!伽椰子っスよね!!」
幼 女幽霊『アオーン!!!!!』
DQN幽霊「ゴジラだ!ゴジラの鳴き声だ!」
DQN幽霊「先輩スゴいっスね!それだけ出来たらテレビに出られるっスよ!」
幼 女幽霊「馬鹿言え!私は幽霊だからテレビに映らんだろうが!」
DQN幽霊&幼 女幽霊「「HAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!」」
139: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:38:08.65 ID:YhmXR8RFo
猫「ニャー」カリカリ
幼 女幽霊「ん?どした?もう外に出たいのか?」
DQN幽霊「そういえばその猫ってどっから入って来たんスか?ここ、地下だから出入口とかないっスよね?」
幼 女幽霊「あぁ、それなら私が作ったこの猫ドアからだよ」スッ
幼 女幽霊「一階に繋がるように、小さい緩やかな坂道になってるんだ。暇な時に作っておいて正解だったね」
DQN幽霊「...先輩って器用っスよね」
猫「ニャー」タッタッタ
幼 女幽霊「じゃあね!また遊びにおいでー!マーちゃんー!」フリフリ
DQN幽霊「クロちゃんじゃなかったんスか」
140: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:38:50.24 ID:YhmXR8RFo
幼 女幽霊「ふっ、さて今は...夜中の11時か。もうそろそろ来てもおかしくないな」
DQN幽霊「さすがにもう今日は来ないっスよ。俺、3日連続は経験したことないんスもん」
幼 女幽霊「いや...来てもおかしくないぞ。私の勘が今日は来る方だと言っている」
DQN幽霊「勘っスか。まあ先輩の勘ならそれなりには信用出来るっスけど」
ピー
幼 女幽霊「!!!!きたあああああああ!」
DQN幽霊「うぉぉ...マジで来ちゃったよ」
ブロロロロロロロ...
幼 女幽霊「ほう...今日の相手は車持ちか」
141: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:39:35.02 ID:YhmXR8RFo
DQN幽霊「車持ってると何か違うんスか?」
幼 女幽霊「うん、基本的に車で来るやつらってのは遠方からの客が多いんだよね」
幼 女幽霊「それに...車で運ぶほどの荷物を持ってる可能性もある」チラッ
DQN「へー...遠方から車で運ぶほどの荷物を持った客っスか。うん?それってまさか...」
バタンッ
幼 女幽霊「ほら見ろ!あいつらカメラ持ってるぞ!テレビ局だよ、テレビ局!」
DQN幽霊「マジっスか!テレビの取材なんて初めてっスよ俺!」
幼 女幽霊「...ねぇ、お前『グレイヴ・エンカウンターズ』って映画知ってる?」
DQN幽霊「え?知らないっスけど」
幼 女幽霊「そうかそうか...ふふ、今日は楽しい夜になりそうだ」ニヤニヤ
142: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/06(水) 02:40:56.36 ID:YhmXR8RFo
今日はここまで
143: 以下、

ノリノリ幼 女かわいい
144: 以下、
コワすぎかな?
148: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:27:17.71 ID:H1qR+qkro
......................................................
..........................................
AD「ちょっとディレクターさん...大丈夫なんですか?ここ取材するのに許可って取ってないですよね?」
ディレクター「あ?許可?チッ...取ってるよ」イラッ
AD「なら許可証見せてくださいよ」
ディレクター「...」
ゲシッ
AD「痛っ!?な、何するんですか!」
ディレクター「うるせぇ!ディレクターは俺だ!俺が取ってるつったら取ってるんだよ!!」
アイドル「あのー...何かあったんですか?許可がどうとか聞こえてきたんですけど」
ディレクター「あぁ、何でもないよ。本当に何でもないから」
149: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:28:17.93 ID:H1qR+qkro
ディレクター「おい、カメラマン。ちゃんと撮れてるか?ここはすっげぇ霊が出るって噂だからな」
ディレクター「もしそれをカメラにおさめられたら、大儲け間違いなしだ。バッチリ頼んだぞ」
カメラマン「は、はい」
AD「ディレクターさん、やっぱりまずいですって...無許可なのがバレたら大変なことになりますよ」
ディレクター「許可取ってるっつってんだろ。...モザイクかければバレねぇよ」
ディレクター「んなことより先生ェ!どうですか!ここに幽霊って居ますか!?」
坊主爺「...うむ、いるぞいるぞ。大量におるわい」
坊主爺「邪悪な気配が数十、数百と感じられる...これは気を引き締めていかんと取り込まれるぞ」
150: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:29:14.91 ID:H1qR+qkro
DQN幽霊「...何か個性的なメンバーっスね」
幼 女幽霊(あのスタッフ達どっかで見たことあるんだけど...気のせいか)
DQN幽霊「というか先輩、テレビのスタッフの他にアイドルと霊能力者っぽいやつもいるっスよ。あれって本物っスか?」
幼 女幽霊「いやいやニセモンでしょあれ。ここにいる霊って私とお前だけなのに、数百の霊がいるとか言ってんだぞ」
幼 女幽霊「それに本物なら、同じ本物の霊と会ったように背筋に寒気が来るらしいからね。あいつ見てても全然そんな感じしないし」
DQN幽霊「やっぱりそっスか...胡散臭いなとは思ってたんスけど」
幼 女幽霊「...さて、ここからは持久戦だな。期限は3日...いや3日だとさすがに危ないか、2日半ってところかな」
151: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:30:26.26 ID:H1qR+qkro
DQN幽霊「えっ?何のことっスか?」
幼 女幽霊「まあ見てれば嫌でも分かるよ。今何分?」
DQN幽霊「時間っスか、えーっと...11時25分っスね」
幼 女幽霊「あっそ、ならその時間よく覚えとけよ。面白いもんが見れるからな」
DQN幽霊「面白いもの...?」
ギィィィィ
DQN幽霊「おっ、向こうも病院内に入ったみたいっスね」
幼 女幽霊「よし...始めるか」フンッ
幼 女幽霊「むむむむむむ......セーーーーーーーーーイッッッッ!!!!!!」バシーン
シュンッ
152: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:31:13.51 ID:H1qR+qkro
ディレクター『中々いいじゃねえかこの雰囲気、これは絶対いるな...きっとくるよこれ』
AD『...ディレクターさん、あの霊能者の人ってどこから連れて来たんですか?ちょっと胡散臭いというか...』ボソッ
ゲシッ
AD『痛っ!?』
ディレクター『うるせぇ!先生ェに聞こえたらどうすんだよ!!お前はアシスタントなんだから俺の言うことだけ聞けばいいんだよ!!』
AD『...チッ』
ディレクター『あ?お前今舌打ちしたろ』
DQN幽霊「仲悪いっスね、あの二人」
幼 女幽霊「あれパワハラじゃないの」
153: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:32:11.66 ID:H1qR+qkro
ディレクター『よし、ここらで検証パートでも撮っておくか。先生ェ!お願いします!』
坊主爺『うむ、任せておれ』
坊主爺『残念無念死無羅見残念無念死無羅見...ぬぅぅぅぅん!!!!』
坊主爺『見える...見えるぞよ。ここには病院で不慮の死を遂げた大量の霊魂が住み着いておる』
坊主爺『むぅ...どうやらこの病院は昔、違法臓器売買があったらしいな。まだ健康な患者を殺して、その臓器を売っていたらしい』
坊主爺『非業の死の無念が、呪いや怨霊となり病院中に漂っておるな...』
アイドル『ひえ?怖いですぅ?』
DQN幽霊「とか言ってるっスけど」
幼 女幽霊「ここにいる幽霊はバイクで事故ったアホなDQNと、病院とは何も関係ない幼 女の幽霊なのにね」
154: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:32:58.39 ID:H1qR+qkro
DQN幽霊「病院の方はどうっスか?マジで臓器売買とかやってたり...」
幼 女幽霊「違う違う、確か普通に経営難で潰れたはずだよ」
幼 女幽霊「ほら、ここって同じ市内でも町からずーーーっと向こうの町外れでしょ?だから患者が全然来なくて3年で潰れたんだって」
DQN幽霊「...なんでそんなとこに病院立ててるんスか。ここ結構大きい病院なのにマジで金の無駄じゃないっスか」
幼 女幽霊「まあバブルだったみたいだしね。金が有り余ってたんじゃないの」
DQN幽霊「ってことはあの人、あることないこと適当に言ってるんスか。酷いやつっスね」
幼 女幽霊「私もこの病院のこと結構気に入ってるし、悪いことを言われるのは癪に来るね。ちょっと早いけどからかってみるか」
156: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:34:13.76 ID:H1qR+qkro
ガタッ
ディレクター「!?」ビクッ
アイドル「な、なんですかぁ?今向こうから音が...」
坊主爺「ふむ...霊が何かを主張してるのかもしれんな」
ディレクター「...」
ディレクター「...おいAD、お前ちょっと見てこい」
AD「ハァ?嫌ですよ。ディレクターさんが見てくればいいじゃないですか」
ディレクター「いいから行ってこいよ。給料出してるのは誰だよ」
AD「...分かりましたよ。ちゃんと後ろから着いてきてくださいよ」
157: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:35:16.50 ID:H1qR+qkro
スタスタ スタスタ
AD「...」ソロー
AD「音が聞こえてきたのってこっちの部屋ですよね?何もないですけど」
ディレクター「もっと奥見てみろよ、奥の方」
AD「...なら自分で見ればいいじゃないですか。本当に何もいませんよ」
ディレクター「んだよ、つまんねぇな...」
ディレクター「おい!!!!幽霊!!!!居るんだろ!?出てこいよ!!!!!」
ディレクター「もっと物動かすとか音を出すとかしてみろよ!!!!これじゃ売れねぇじゃねかっっ!!!!!おいっ!?」
AD「大きな声出すのやめてくださいよ...」
158: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:36:10.87 ID:H1qR+qkro
幼 女幽霊「...」
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「...なんだこいつ」
DQN幽霊「幽霊よりあいつの方が怖いっスよ」
幼 女幽霊「何かこれ以上やるとあいつが喜びそうだし、朝まで待つか。ムカつくけど」
DQN幽霊「えっ?朝まで待つんスか?そしたら太陽が出て雰囲気出ないと思うんスけど」
幼 女幽霊「だって下手に動くとあいつのせいで余計に怖くないでしょ。存在自体がギャグじゃんあいつ...幽霊とか普通に殴りそうだし」
DQN幽霊「でもさすがに朝になったら帰っちゃうんじゃないっスか?向こうも取材で来てるみたいだし」
幼 女幽霊「ふふふ...そうだね」
幼 女幽霊「"太陽"が昇って、無事に"出口"から出られたらいいね...」
159: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/09(土) 23:37:23.21 ID:H1qR+qkro
今日はここまで
どっか見たことあるスタッフに見えますが気のせいですはい
167: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:32:42.95 ID:5G5VKLwdo
???? 数時間経過 ????
ディレクター「チクショウ...出ねぇな」イライラ
AD「そう簡単に幽霊なんて出るわけないじゃないですか...もう今日は引き上げましょうよ」
ディレクター「馬鹿かてめぇは、もうあいつらにギャラ払ってんだぞ?何も撮らずに帰れるわけねぇだろうが」バシッ
AD「っつ...」イラッ
ディレクター「おいカメラマン、テープ見返しても端とかに何も写ってねぇか?」
カメラマン「は、はい...特には何も」
ディレクター「んだよ...マジで何もいねぇのか?ざけんなよ...」
AD「最初にディレクターさんが刺激したから、引っ込んだんじゃないですか?」
168: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:34:01.83 ID:5G5VKLwdo
ディレクター「...あ?なんだ?つまり全部俺のせいなのか?」
ディレクター「俺が怒鳴ったりしたから、幽霊様がビビって出てこなくなったのか?そう言いたいのか?あん?」
AD「べ、別にそこまでは...」
ディレクター「んなわけねぇだろうが!!!!幽霊がビビるわけねぇだろ!!!!!」ゲシッ
AD「っつ...そうやってすぐ暴力振るうの止めてくださいよ!訴えますよ!?」
ディレクター「おう上等だゴラァ!やってみろよ!!」
カメラマン「ディ、ディレクターさん...そろそろゲストの方の時間もありますし、一旦引き上げた方が...」
ディレクター「チッ...わーったよ、今日はここまでにしといてやるよ」
169: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:35:10.41 ID:5G5VKLwdo
ペラッ...ペラッ...
DQN幽霊「...ん?先輩、あいつらもう帰るみたいっスよ。一階出入口に向かってるっス」
幼 女幽霊「...え?マジ?もうそんな時間?」
幼 女幽霊「あーちょっと疲れた。さすがに長編小説丸々一本読むのは幽霊でも体力使うわー」ポキポキ
DQN幽霊「その骨の音どうやって鳴るんスか」
幼 女幽霊「よいしょっと」ストン
幼 女幽霊「どれどれ...さすがに向こうの連中も、何時間もこんな薄気味悪いところにいて疲れてるな。しかも不気味なほどに何も出ないと来たもんだ」
DQN幽霊「逆に何もないのが怖いっスよね??」
幼 女幽霊「プッププー...さて、"アレ"を体験したあいつらのマヌケ顔が楽しみだな」
170: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:36:18.09 ID:5G5VKLwdo
アイドル「あれ?出口ってこっちの方向でしたっけ?ここの階段って、もう少し先にあったような気がしたんですけど」
AD「え?あっ...確かに言われてみれば行きとちょっと違うような」
ディレクター「は?んなわけねぇだろ」
カメラマン「...いや、自分もちょっと違和感があるような気がしますね。カメラで撮ってると道は大体覚えますから」
ディレクター「...マジか?先生ェ、何か気配とか怪奇現象って感じられますか?」
坊主爺「えっ...う、うむ、特には何も感じんな。気のせいではないのか?」
ディレクター「ほら見てみろよ、お前らみたいな素人はこういうところだと方向感覚が麻痺すんだよ。黙って俺に着いてこい」
AD「そう...なんですかね」
171: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:37:55.05 ID:5G5VKLwdo
コツッ...コツッ...
ディレクター「ほら出口に着いたじゃねえか。やっぱり気のせいだっただろ」
AD「はぁ...」
アイドル「何事もなくてよかったです?」
ディレクター「じゃあ今日はこのまま車でホテルまで行って、軽い打ち合わせのあと昼に解散ということで」ガチャ
ディレクター「...あ?」ピクッ
AD「ディレクターさん?どうしたんですか?」
ディレクター「...おいおい、どうなってんだよこれ」
ディレクター「外に出たはずなのに...また部屋があるぞ」
172: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:38:50.19 ID:5G5VKLwdo
AD「...はい?どういうことですか?」
ディレクター「俺らがこのドアから入ってきたのは間違いねぇ...でも外じゃなくて、また変な部屋に繋がってるんだよ」
AD「ちょ、ちょっと!どういうことですか!?私にもよく見せてください!」
AD「どうなってるの...これ...」
ディレクター「おいカメラマン、俺らがここから入ってきたのは間違いないよな?」
カメラマン「は、はい...それだけは間違いないと思います」
ディレクター「ならどうなってんだ...なんで外に出られねぇ...」
アイドル「えっ...ど、どういうことですかそれ?ドッキリとかじゃないんですか?」
坊主爺「な、南無南無南無南無南無...」ブツブツ
173: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:39:51.98 ID:5G5VKLwdo
DQN幽霊「...」ポカーン
幼 女幽霊「へへーん!どうだ!すごいだろ!?」
DQN幽霊「いや先輩...どうなってんスかあれ?なんで外に出られないんスか?」
幼 女幽霊「よし説明してやろう!今、この病院は私の力で異次元に飛ばされたのだ!」
DQN幽霊「...は?」
幼 女幽霊「いやちょっと違うな...この病院自体が別の次元になったって言った方が正しいか」
幼 女幽霊「ようするに、この病院からは永久に出られないってことだよ。私が力を解除しない限りはな」
DQN幽霊「いやいやいや...どうなってるかまったく分からないっス。何か急に漫画みたいな話になってるっスよ」
175: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:40:51.31 ID:5G5VKLwdo
幼 女幽霊「ほら、あいつらが最初に病院に入った時に私が何かしてただろ?あの段階で、この病院を次元から隔離したんだよ」
DQN幽霊「えぇ...さりげなくめちゃくちゃスゴいことしないでくださいよ...」
幼 女幽霊「今、この病院は私達がいた空間とはまったく別の空間になってるんだ。だからここからは出られないし入ることもできない」
幼 女幽霊「窓を割ろうとしても、いくら出口から出ようとしても、穴を掘っても病院から出ることは不可能...外の風景はずっと明けない夜だけが見えるんだ」
DQN幽霊「明けない夜...はっ!?今の時間は...朝の5時!?もう日が出てる時間じゃないっスか!」
幼 女幽霊「そっ、これでここが異質な空間になってるって分かっただろ?いやぁ...この能力は私でも結構疲れるんだよね。その分インパクトは絶大だけど」
DQN幽霊「いやいやいや...これ幽霊が出来るレベルを越えてるっスよ。完全に漫画とかアニメに出てくる能力じゃないっスか」
176: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:41:46.05 ID:5G5VKLwdo
幼 女幽霊「あとは予備バッテリー付きの監視カメラから高みの見物でもしましょうか。でもこの能力って一つだけ弱点があるんだよね」
幼 女幽霊「通信とか電気も、まとめて外と遮断しちゃうからネットができないんだよなぁ?...あー現代社会においてこれは致命的だよ」
DQN幽霊「いやまあ当たり前っスよ...それでネットが出来たら怖いっス」
幼 女幽霊「暇潰しは本とか漫画とか、あとオーブちゃんもいるから大丈夫だとは思うけどね。あいつらを観察してもいいし」
DQN幽霊「はぁ...これで向こうは2日半でしたっけ?この空間に閉じ込められてそれは地獄っスね...」
幼 女幽霊「結構精神に来るらしいからね。前やった時は最後はおかしくなってネズミ食べてたし」
DQN幽霊「...」
177: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:42:56.66 ID:5G5VKLwdo
.........................................................
....................................
ディレクター「ダメだな...何度扉を開けても出られやしねぇ。それに携帯も圏外だ」
AD「本当にどうなってるんですかこれ...まさか本当の怪奇現象...」
ディレクター「アホかオメェ?ここまで来たら本物もクソもないだろうが」
ディレクター「...おいカメラマン、ちゃんと全部撮れてるよな?」
カメラマン「は、はい...入ってからの出来事は全部撮れてると思います」
ディレクター「っしゃあ!!!!今回は凄いもんが撮れたからな!これは売れるぞ?!」
AD「売れるって...ここから出られるかどうかも分からないのに、よくそんなこと言えますね」
178: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:43:38.28 ID:5G5VKLwdo
ディレクター「おう!絶対出るに決まってんだろうが!俺はここから出てDVDを完成させるからな!」
AD「...」
ディレクター「こんな時のために本物の霊能力者を雇ったんだからな!先生ェ!脱出の方法とかありますよね!?」
坊主爺「えっ...あぁ、うん...ゴホン」
坊主爺「い、今この空間は...強力な霊達によって結界が張られておる。わし一人の力では突破は無理...」
ディレクター「...あ?」ピキッ
坊主爺「」ビクッ
坊主爺「わし一人では難しいがっ!どこか結界には脆い部分があるはずだ!そこを壊せば出られるかもしれん!!」
179: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:44:43.56 ID:5G5VKLwdo
ディレクター「聞いたか!脆い部分を壊せば出られるらしいぞ!さっそく探しに行くぞてめぇら!!」
アイドル「ひっくひっく...もうやだぁ...うちに帰りたい...」
AD「大丈夫...大丈夫だからね」サスサス
ディレクター「んだよ、だらしねぇな。じゃあADはそこでアイドルちゃんの様子見とけ。俺とカメラマンと先生ェで出口探してくるから」
AD「なっ...女子二人をこんなところに置いて行くんですか!?」
ディレクター「だってカメラマンがいないと撮れないし、先生ェがいないと脆い部分が分からんし、俺がいないと幽霊を倒せないだろうが。それともお前はずっとここに居てもいいのか?あ?」
AD「...最っっっ低ですね。じゃあどこにでも好きなところに行ったらどうですか?もう帰ってこなくていいですから」
180: ◆gqUZq6saY8cj 2016/07/13(水) 01:46:47.53 ID:5G5VKLwdo
ディレクター『それだけ憎まれ口を叩けるなら平気だな。よし!行くぞカメラマンォ!先生ェ!』
カメラマン『ま、待ってくださいよ!』
坊主爺『...む、むぅ』
アイドル『うぅぅぇぇぇ...私達、置いて行かれたんですかぁ...?』シクシク
AD『大丈夫だから...大丈夫だから...きっと脱出できるよ』サスサス
AD『私がいるから大丈夫...落ち着いて』
アイドル『ふぇぇぇぇん...』シクシク
幼 女幽霊「...最低だなあいつ」
DQN幽霊「最低っスね」
200: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:30:43.53 ID:nqsYhprWo
幼 女幽霊「向こうは二手に別れたか...しかし女二人を置いて行くのはマジであり得んな」
DQN幽霊「せめて今は一緒に居るべきっスよね?...あの状態で襲われたら、まず二人はアウトっスよ」
幼 女幽霊「何か同情するわ...最初におどかすのはあの男連中だけにしといてやるか」
DQN幽霊「そっスね...さすがにあの様子で追い討ちをかけたら、アイドルの子がショック死しそうっスもん」
幼 女幽霊「その分、あいつらにはたっぷりと恐怖を味わってもらうか...ちょっと早いけどオーブちゃんに連絡するね」ニヤァ
幼 女幽霊「あー...あー...マイクテスト、マイクテスト」
幼 女幽霊「オーブちゃん聞こえる?聞こえたらラップ音で合図して」
パンッ
201: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:31:30.64 ID:nqsYhprWo
ディレクター『』ビクッ
ディレクター『な、なんだ今の音は!?どこから聞こえたっ!?』オロオロ
カメラマン『ラップ音...ってやつですかね』
ディレクター『の野郎?...!調子に乗りやがって』
ディレクター『おい!聞こえてるか幽霊!こんなんで俺はまったくビビってないからな!!やるならもっとハデな一発来いよォ!!!!』
坊主爺『こ、これ...あまり霊を刺激するんではない。少し落ち着け』
幼 女幽霊「...こいつもしかして結構ビビりなんじゃね」
DQN幽霊「明らかにさっきビビってましたね」
202: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:32:23.56 ID:nqsYhprWo
幼 女幽霊「オーブちゃん、ちょっとやってもらいたいことがあるんだけど」
幼 女幽霊「うん、うん...じゃあプランHで。よろしく?」
DQN幽霊「Hっスか、以外と軽めっスね」
幼 女幽霊「今回は長丁場だからね。ジワジワと追い込んで行くよ」
幼 女幽霊「最初の1日は地味な精神攻撃、そこからはドンドン失踪者を増やして追い込んで...最後はドカーンと派手にする予定」
DQN幽霊「...何かテンポいいっスね。俺が来る前にもああいう取材クルーが来たことってあったんスか?」
幼 女幽霊「二、三度くらいはね。結局は私のせいでテープがお蔵入りになっちゃったらしいけど」
203: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:33:38.45 ID:nqsYhprWo
...............................................................
.............................................
コツンッ...コツンッ...
ディレクター「...」
坊主爺「...」
カメラマン「...」ジィー
ディレクター「...おいカメラマン、カメラの電源はいつまで持つんだ?」
カメラマン「そうですね...一応、故障や不備があった時のために予備バッテリーや機材を大量に持ってきましたから...数日は行けると思います」
ディレクター「そうか、なら動いてる時は全部回しとけよ。何が起こるか分からんからな」
カメラマン「分かりました」
ディレクター「で、先生ェ。その結界が弱いところってのはどこにあんだ?」
204: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:34:29.08 ID:nqsYhprWo
坊主爺「」ギクッ
坊主爺「う、うむ...この建物の風水と性質から見ると...に、西の方角だな」
ディレクター「西か、ちょうど俺コンパス持って来てんだよ。これでどっちに行けばいいか分かるな」ガサゴソ
グルグルグルー
カメラマン「ディ、ディレクターさん...これって...」
ディレクター「んだよこれ、針がずっとクルクル回ってやがるぞ」
ディレクター「幽霊のホットスポットってやつか?おもしれぇじゃねえか」
坊主爺「」ガクガクブルブル
ディレクター「とにかく、こうなったら片っ端の部屋を調べるしかねぇな。先生ェ!お願いします!」
205: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:35:21.82 ID:nqsYhprWo
ガチャ...
ディレクター「まずこの部屋だな...」
坊主爺「...」
ディレクター「あ?何してんだ先生ェ、早く中に入って調べてくださいよ」
坊主爺「...こ、ここはわしが想像していた以上に危険な場所だ。もしかしたらわしでも太刀打ち出来ずにやられる可能性がある」
坊主爺「だ、誰かが先に部屋に入って様子を見ないと...」
ディレクター「...は?」
ディレクター「ちょっと待てよ先生ェ、あんた霊能力者なんだろ?なら自分の身を犠牲にしてでも俺らを帰すのが義務ってもんだろ」
ディレクター「何のために高いギャラ払ったと思ってんだ?こういう時に行動しないでどうすんだよ、オイ」
206: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:37:03.92 ID:nqsYhprWo
坊主爺「う、うるさい!!!!わしが先にやられたらお前達はここを一生出られないんだぞ!!!!それでもいいのか!!!!」
ディレクター「...下手に出たら好き勝手言いやがって」
カメラマン「ディ、ディレクターさん落ち着いてください!その人の言うことも一理あります!」グッ
ディレクター「...分かったよ。カメラマン、お前が先に行って部屋撮ってくれ」
カメラマン「え?でも絵的に僕が部屋に入る人を撮った方が良くないですか?」
ディレクター「...」
ディレクター「...俺が先に行けばいいんだろ。ちゃんと撮ってろよ」
207: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:37:54.00 ID:nqsYhprWo
ディレクター「...」コソコソ
ディレクター「...ッ!」ダッ
坊主爺「...」ゴクリ
カメラマン「...」ゴクリ
ディレクター「...ほ、ほら何ともねぇぞ。早く来いよ」
ガタンッ!!!!
ディレクター「!?」ビクッ
シーーーーーン
ディレクター「...」
ディレクター「急に音出してんじゃねえよ!!!!!ぶっ殺すぞゴラァ!!!!!」
208: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:38:39.31 ID:nqsYhprWo
坊主爺「な、南無南無南無南無南無南無...」ブツブツ
坊主爺「む、むぅ...ここは駄目だな。結界が強すぎる」
ディレクター「チッ...そう簡単にはいかねぇか」
ディレクター「よーし...ならしらみ潰しだ。もうそろそろこの空間にも慣れてきたからな、絶対脱出してやるぞォ!」
カメラマン「あの、一度AD達のところに戻った方がいいんじゃないですか?やっぱり女の子二人を放っておくのは...」
ディレクター「いいんだよ、こういう時に女は役に立たないんだから。男の俺達が出口を探さないとな」
ディレクター「それに、あいつらがいてもキャーキャーうるさいだけだろうからな。カメラに雑音が入ったら編集がめんどくさいだろ」
209: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:39:56.73 ID:nqsYhprWo
............................................................
.............................................
幼 女幽霊「んでさー、知り合いの猫娘ちゃんが言ったんだって」
幼 女幽霊「『キャーっと驚くニャ!』ってね!あーっはっはっはっはっは!!!」ゲラゲラ
DQN幽霊「...先輩って顔広いっスよね。話聞いてると有名な都市伝説の人とか妖怪の名前が出てくるっス」
幼 女幽霊「まあこの辺は幽霊とか怪物とか、そういう怪奇が多く住んでるからね。自然と交流関係ができちゃうんだよ」
幼 女幽霊「何かこの町全体が、風水とか気の流れとかで住みやすいらしいよ?私はここから出たことないから知らんけど」
DQN幽霊「へーそうなんスか」
DQN幽霊「ところであいつらの様子見なくていいんスか?あれから数時間近くは経ってるはずっスけど」
210: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:41:00.54 ID:nqsYhprWo
幼 女幽霊「あぁ、そうだね。そろそろ監視カメラでどれだけビビってるか確認してみようか」ピッ
ザザー...ザザー...
『こ、この部屋も違うな』
『おい先生ェ!勘弁してくれよ!もうこれで何部屋連続でハズレだ思ってんだ!?』
『し、仕方ないだろうが!違うんだから!』
ドンッ!!!!!
『うるせぇぇぇ!!!!!今イライラしてんだから黙ってろ!!!』
幼 女幽霊「...」
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「...何か思ってたやつと違う」
DQN幽霊「全然ビビってないっスね」
211: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:42:01.72 ID:nqsYhprWo
幼 女幽霊「これあれか...オーブちゃんに物音出すだけの指令してたから、あいつらが慣れちゃったのか」
DQN幽霊「あの人達、心霊系のビデオ作品作ってるみたいっスからね?...元々こういうところは耐性があったのかもしれないっス」
幼 女幽霊「というかほぼあのヤクザ野郎の仕業だろ...あいつのせいで雰囲気もクソもないよ、全然怖くなくなるわ」
DQN幽霊「どうするんスか?」
幼 女幽霊「...一足先にステップ2に進むか」
幼 女幽霊「オーブちゃん?オーブちゃん?もしもーし」
幼 女幽霊「ちょーっと問題があって...全然怖がってなくない?...あーいいよ!いいよ!謝らなくて!命令したのは私なんだし!」
幼 女幽霊「ということで先にプランSに進んでいいよ。うん、加減はしなくていいから」
幼 女幽霊「んじゃよろしく?」
212: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:43:46.73 ID:nqsYhprWo
ディレクター「クソが...これで二階も全部探し終わったぞ。残りは三階しかないじゃねえか」
カメラマン「...ディレクターさん、あの霊能力者の人って本当に信用出来るんですか?何か胡散臭い気がするんですけど」ボソッ
ディレクター「...あぁ、俺もそんな気がしてきたところだ。もし偽物だったらただじゃおかねぇからな」ギロッ
坊主爺「」ビクッ
坊主爺「む、むむむむっっ!?この気配は...!!!!」
坊主爺「おいっ!!!!今すぐ元居た場所に戻るぞ!!!!あの娘達が危険だ!!!!!」
ディレクター「...は?」
カメラマン「どういうことですか?」
坊主爺「邪の気配が迫っておる!!!!このままだと無事ではす済まんぞ!!!!!」
213: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:44:30.55 ID:nqsYhprWo
カメラマン「ど、どういう意味ですかね。AD達が危ないって」
ディレクター「...もしかしてあいつ、三階に行ったらインチキがバレるから時間稼ごうとしてんじゃねえのか」
坊主爺「うおおおおおおおお!!!!急げぇ!!!!間に合わなくなるぞぉ!!!!」ダッ
ディレクター「なっ...!オイちょっと待てよ!!カメラマン!行くぞ!」ダッ
カメラマン「は、はい!」ダッ
ダダダダダダダダダッッッ!!!!!!
坊主爺「急げぇ!!!!時間がないぞぉ!!!!」
ディレクター「どうなってるか事情くらい説明しろよ!」
214: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:45:25.41 ID:nqsYhprWo
ダダダダダダダッッッ
ダダダダダダダッッッ
ディレクター「...ん?」ピタッ
ディレクター「おい...ちょっと待て」
カメラマン「ぜぇ...ぜぇ...どうしたんですか?」
坊主爺「何をしている!早く行かんと...」
ディレクター「俺達は二階を探し終わって、三階に上がろうとした時に階段を降りたはずだ」
ディレクター「つーことは...階段を降りたここはもう一階なはずだろ。なんでまだ下り階段があるんだ?」
カメラマン「えっ...そ、そういえば」
坊主爺「確かに...」
215: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:46:07.19 ID:nqsYhprWo
ダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
『ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』
216: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:46:51.03 ID:nqsYhprWo
カメラマン「!?」ビクッ
坊主爺「な、なんだっ!?上から音が!」
ディレクター「...おいやべぇぞ逃げろ!上から誰か来るぞ!」ダッ
ダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ダダダダダダダダダダダダダダッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ディレクター「クソッ!どうなってやがる!降りても降りても一階に着かねぇぞ!」
カメラマン「僕達、二階に閉じ込められたんですかねっ!?」
ディレクター「オイッ!この状況何とかしろよ!このままだとあいつに追い付かれるぞォ!」
坊主爺「む、無理だ!わしの手に負える相手じゃない!!」
ディレクター「ああっ!?んだとコラ!何のためにテメェを雇ったと思ってんだ!!」
217: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:47:50.24 ID:nqsYhprWo
ディレクター「もう埒が明かねぇ!止まってあいつを迎え撃つぞ!」
カメラマン「迎え撃つってどうするんですかっ!?」
ディレクター「そこの坊主を差し出してその隙に殺るんだよッ!」
坊主爺「!?」ビクッ
ディレクター「テメェ...偽物の霊能力者だろ!もう分かってんだよそんなこと!」
ディレクター「ギャラ分の仕事はしてもらうからな!自分で囮なってあいつを引き付けろ!」
坊主爺「い、嫌だッ!そんなことをしたらわしがあいつに殺されるだろうがッ!!!!」
ディレクター「じゃあ今ここで俺に
が階段から落として殺してやるよおおおおおおお!!!!!!!オラァ!!!!!」ガシッ
218: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:48:39.93 ID:nqsYhprWo
坊主爺「は、離せぇ!!!!やめろおおおおおおおおお!!!!」ジタバタ
カメラマン「ディレクターさん!さすがに不味いですって!逃げましょうよ!!」
ディレクター「うるせェ!!!こいつ俺を騙しやがって...金返せよこのクソジジイ!!!!」
坊主爺「やめてくれええええええええええええ!!!!!謝るから!謝るからそれだけはああああああああああ!!!!」ジタバタ
コツンッ...コツンッ...
ディレクター「謝って済むなら呪いなんて存在しねェんだよ!!!!!」
カメラマン「ディレクターさん!後ろ!後ろ見てください!!」
ディレクター「あ?なんだよ」クルッ
219: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:49:18.69 ID:nqsYhprWo
首無男「...」ジー
ディレクター「!?」ビクッ
坊主爺「く、首が...首がな...」
首無男「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」ダダダッ
ディレクター「うおおおおおおおおお!?!?逃げろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ダッ
坊主爺「助けてくれええええええええええええ!!!!!!!」ダッ
カメラマン「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!」ダッ
220: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:50:25.93 ID:nqsYhprWo
幼 女幽霊「私さぁ、疾走って動画がすごく好きなんだよね」
DQN幽霊「あぁ、心霊番組で毎回やってるあの首がない男が追いかけてくるやつっスか」
幼 女幽霊「うん。よく考えたら首がないのに叫んでるとことか、こいつの走るフォームめちゃくちゃ綺麗だなとか、おかしなところはあるんだけどあの勢いはすごいよ」
幼 女幽霊「まさに情報の物量で押してるって感じで...考える暇も与えない恐怖ってのは簡単なようで結構難しいからね」
幼 女幽霊「初めて見たときのインパクトはすごいよアレ、まあ再放送し過ぎて初見なんて居ないけど」
DQN幽霊「それにしても...あの首がない男もオーブが操ってるんスか?凄いっスね」
幼 女幽霊「私が持ってきたマネキンにオーブちゃんが憑いて、それを幻覚でコーティングしてる感じだね」
幼 女幽霊「それでもあのリアルな動きはオーブちゃんにしか出来ないよ。私も一度やったことあるけど、ロボットみたいな動きしかできなかったもん」
221: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:51:33.32 ID:nqsYhprWo
DQN幽霊「正直なところオーブって何なんスか?俺ら幽霊とは違うみたいですし」
幼 女幽霊「んー...実は私もよく知らないんだよね」
幼 女幽霊「形を保てなかった人間以外の霊とか...残留思念とか、魂の欠片とか諸説は色々あるみたいだけど本人達も分からないみたい」
幼 女幽霊「覚えてることは自分達は生きていたって事実だけ...生前の名前も歳も性別すらも分からないんだって」
DQN幽霊「...不思議っスね。同じ幽霊でも俺らとはだいぶ違う感じなんスか」
幼 女幽霊「まっ、この世界は不思議なことがいっぱいあるからね。でもあの子達の実力は本物だよ?」
幼 女幽霊「ぶっちゃけここの病院にいるオーブちゃんだけでも、単純なエネルギーなら私の倍くらいあるからね」
222: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:52:24.10 ID:nqsYhprWo
DQN幽霊「倍!?先輩より凄いんスかっ!?」
幼 女幽霊「そりゃ魂の塊みたいなもんだからね。塵も積もれば山になるし」
幼 女幽霊「でもあくまで単純に比べるとそれぐらいの差があるってだけだからね?オーブちゃんは嫌がらせぐらいしかできないから、総合的には私の方がずっと上だよ」
幼 女幽霊「あ、でもお前みたいな下級霊だったら、ちょっと群れるだけでオーブちゃんの方が格上になるからな」
DQN幽霊「お、俺オーブ以下だったんスか...」ズーン
幼 女幽霊「さてそろそろ無限階段を解除するか。体力的にも厳しそうだし」ピッ
DQN幽霊「あー...今までずっとあいつら走ってたんスか。忘れてたっス」
223: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:53:12.58 ID:nqsYhprWo
ディレクター「いつまで続くんだよこの階段っ!?いい加減しろよ!!!!」ダダダッ
カメラマン「はぁっ...はぁっ...も、もう駄目だ。カメラが重い...」クタクタ
坊主爺「ひぃーはぁー...ひぃーはぁー...も、もう無理だ...息が...」クタクタ
ディレクター「おいカメラマン!死んでもカメラは離すなよ!!撮り続けろ!」
カメラマン「そ、そんなこと言われても...もう走れな...」クタクタ
ディレクター「!?」ピタッ
ディレクター「おい!もう階段がないぞ!行き止まりだ!」
カメラマン「ど、どういことですか...?」
224: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:53:51.89 ID:nqsYhprWo
ディレクター「逃げ道を塞がれたのか!?クソッ!走るぞォ!」ダッ
カメラマン「ま、待って...」クラクラ
坊主爺「と、年寄りにはもう無理だ...」クラクラ
タッタッタッタッタ タッタッタッタッタ
ディレクター「ハァッ...!ハァッ...!一体どこまで走ればいいんだよ!」
ユラァ
ディレクター「あああああっ!?」ビクッ
AD「」ビクッ
AD「えっ...ディレクターさんですか...?どうしたんですかそんな汗だくで」
ディレクター「え、AD...?ってことは戻ってきたのか?」
225: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:54:59.81 ID:nqsYhprWo
.........................................................
..........................................
AD「そんなことがあったんですか...やっぱりここってかなり危ない場所なんですね」
ディレクター「あぁ、さすがの俺もあれには参ったな」
カメラマン「映像は全部撮れてるはずだけど...見る?」
ピッ
AD「これは...凄いもの撮れてますね」
アイドル「あの?...それで出口は見つかったんですか?結構長い間、探してたみたいですけど」
AD「そうだ、私もそれ聞きたかったんですよ。どうでしたか?」
坊主爺「」ピクッ
ディレクター「...あぁ、思い出したわ。そういや出口を探しに行ってたんだったな」スクッ
226: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:55:37.93 ID:nqsYhprWo
坊主爺「」ビクビク
ディレクター「おいジジイ、テメェ本当は霊能力なんてないんだろ?ただの詐欺師なんだよな」
坊主爺「...」
アイドル「えっ...」
AD「ど、どういうことですか?」
カメラマン「実はかくがくしかじか...」
ディレクター「オラ答えろよ。正直に言えば許してやる」
坊主爺「わ、わしは...わしは...」
ディレクター「...さっさと答えろよゴラァ!!!!!!テメェは霊能力なんてないペテン師なんだろォ!?ああっ!?」ドンッ
坊主爺「ひぃっ!?」ビクッ
227: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:56:32.79 ID:nqsYhprWo
AD「ちょ、ちょっとディレクターさん...」
ディレクター「止めるなよAD、こいつのせいで俺達こんな目に遭ってるみたいなもんだからな」
ディレクター「もし、こいつの代わりの霊能力者が本物だったら...俺達はとっくにここから脱出してたかもしれないんだよ」
ディレクター「こいつが嘘をついたせいで、俺達はずっとここから出られなくて死ぬ可能性もあるってことだ。違うか?あ?」
AD「た、確かにそうですけど...」
坊主爺「...」
坊主爺「ご、......な......ぃ...」ビクビク
ディレクター「あ?何だって?」
坊主爺「ご......ん......さい......」
ディレクター「もっと聞こえるようにハッキリ喋れやゴラアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」ドンッ
228: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:57:24.08 ID:nqsYhprWo
坊主爺「ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!!!!!」ペコー
ディレクター「お?認めたな?認めたな?偽物だって認めたのか?」
坊主爺「はいそうですううううううううう!!!!!自分に特別な能力なんてありませんぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
ディレクター「ほぉ??...そうかそうか。つまりテメェは俺を騙してたわけだな」
ディレクター「...オラァァァ!!!!」ブンッ
坊主爺「ぐひゃっ!?」ボコォ
AD「ディ、ディレクターさん!?暴力は駄目ですよ!」グッ
ディレクター「こいつはな!!!!俺達を騙してただけじゃなくて、ビデオを買う視聴者も騙そうとしてたんだぞ!!!!!」
ディレクター「そんなやつを許せるわけないだろがァ!!!!俺はやらせって言葉が一番嫌いなんだよッ!!!!!」
229: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:58:33.05 ID:nqsYhprWo
坊主爺「さ、さっき許すって...」
ディレクター「そりゃこいつらの話だ!!!!俺が許すなんて一言も言ってねぇよ!!!!」ゲシッ
坊主爺「痛い!」
AD「ディレクターさんやり過ぎです!落ち着いてください!」
ディレクター「るせぇ!!!!離せ!!!!!」ゲシッ
AD「きゃっ!」ドサッ
ディレクター「帰ったらギャラも全部返してもらうからな!!!!あと違約金と賠償金と慰謝料もだ!!!!」ボコボコ
ディレクター「それに今まで出したDVDも1000本くらい買ってもらうからな!!!!!」ボコボコ
坊主爺「は、払います...!買いますからもう止め...」ビクビク
ディレクター「それとこれとは話が別に決まってんだろうがぁ!!!!!」ブンッ
坊主爺「うひぃ!?」ドゴォ
230: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 05:59:21.14 ID:nqsYhprWo
『オラッ!!よくも恥かかせてくれやがったなこのクソジジイ!!!!』
『帰ったらテメェの全財産全部貰うからな!!!!この乞食がッッ!!!!』
『ご、ごめんなさっ...許してっ...』
『ごめんで済んだら呪いなんて存在しねえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』
ボコボコ ボコボコ
幼 女幽霊「...」
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「...なんかさ、よく幽霊より実在する人間の方が怖いって言うじゃん?」
DQN幽霊「...言うっスね」
幼 女幽霊「あれってあながち間違いじゃないんだな...」
DQN幽霊「そうっスね...」
231: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/07(日) 06:00:38.85 ID:nqsYhprWo
今日はここまで
また間が空いてしまってごめんなさい...夏が終わるまでには終わらせたいです
234: 以下、
コワすぎ!じゃねーかwwwwww
235: 以下、
やっべW
ガチクズだけどこのディレ好きだわwww
238: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:33:44.01 ID:POdW0I4no
............................................................
...............................................
坊主爺「う...あ...」ボロボロ
ディレクター「けっ、これくらいで勘弁してやるよ」
AD「こ、これくらいって...ボコボコじゃないですか!いくら何でもやり過ぎですよ!」
ディレクター「殺されないだけありがたいと思えよ。今の俺はここにいる幽霊共よりもイラついてるんだからな」
アイドル「うぇぇ...このおじさんこわぃぃぃ...」シクシク
ディレクター「んなことより体動かしたら腹減ったわ。飯はどれだけ余ってんだ?」
AD「...一応、休憩用に軽食はいくつかありますけど...それでも本当に少しだけです。この人数だと持って一日が限界ですよ」
239: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:35:30.38 ID:POdW0I4no
ディレクター「一日か...なら、節約してそこで伸びてるジジイの分を抜けば一日半から二日は持つな」
AD「なっ...あの人に何も食べさせないんですかっ!?」
ディレクター「当たり前だろ、あいつは今までのインチキ商売でたっぷり美味い飯を食ってきたんだ」
ディレクター「これは天罰だよ天罰、あいつはここでのたれ死ぬ運命なんだよ」
AD「そんなの間接的な殺人じゃないですか!!私は反対ですよ!」
ディレクター「じゃあなんだ?お前はあいつにちょっとでも怨みがないって言えるのか?」
ディレクター「俺らが貧乏で、汗水たらして取材してる時もあいつは人を騙して高級店で何万もするコースを食ってたんだ」
ディレクター「それに何の感情も湧かないのか?お前はそんなに聖人なのか?あ?」
242: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:36:38.04 ID:POdW0I4no
AD「...こ、高級店かどうかは分からないじゃないですか」
ディレクター「ああいうやつは大体高い料亭で食ってるって相場が決まってるんだよ!!!!」
AD「とにかく...私は反対ですからね!どうしても言うなら私の分の食料をあげます!」
ディレクター「けっ...勝手にしろよ。この馬鹿女」
カメラマン「あ、あの...ちょっと休憩を取りませんか?皆さん今日の夜からずっと寝てないですし...時計だと今はお昼ですから、一度寝た方がいいと思います」
ディレクター「...こんな状況で寝れるわけないだろ」
カメラマン「そ、そうですよね...ごめんなさい」
AD「...私はカメラマンさんに賛成です。いつ寝れるか分からないですし、落ち着くためにも睡眠は取った方がいいと思います」
244: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:37:37.49 ID:POdW0I4no
アイドル「じ、実は私もずっと眠くて...」
AD「ならディレクターさん、眠れないなら見張りしててくださいよ。私達はちょっと仮眠を取りますから」
ディレクター「...呑気な連中だな」
カメラマン(...念のために寝てる間もカメラを回しておくか)カチャ
AD「じゃあ私達はこっちで一眠りしますからね、見張りよろしくお願いします」ゴロン
ディレクター「...」
シーーーーーーーーーーーン
ディレクター「...本当に寝たのかよ、あの馬鹿共」
ディレクター「普通寝るか?この状況で...いつ襲ってくるかも分かんねぇんだぞ」
ディレクター「アホらしい、俺は絶対寝ねぇからな」ゴロン
246: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:38:29.25 ID:POdW0I4no
DQN幽霊「先輩、何かあいつら寝たみたいっスよ」
幼 女幽霊「えっ?マジで?この状況で?」
DQN幽霊「モニター見てください。あのヤクザ含めて全員スヤスヤ眠ってるっスよ」
『Zzz...Zzz...』スヤァ
幼 女幽霊「...よくこの状況で眠れるな」
DQN幽霊「神経が図太いというか、無用心というか...ちょっと考えられないっスよね」
幼 女幽霊「まあせっかく寝てるんだし、このチャンスは有効に使わせてもらおうか。そうだな...」
幼 女幽霊「ここら辺で一人消しておくか」
247: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:39:24.88 ID:POdW0I4no
DQN幽霊「もうっスか?結構ペース早いっスね」
幼 女幽霊「あいつらちょっと調子乗ってるからな。ここら辺で身の程を分からせてやるよ」
幼 女幽霊「連れ去る相手は...あのインチキ霊能力者でいっか」
DQN幽霊「結構無難っスね」
幼 女幽霊「まあこういうのはテンプレが決まってるからね。古くからの風習に従うことにするよ」ピッ
シュゥゥゥゥゥ
DQN幽霊「な、なんスかこの黒いモヤモヤは...」
幼 女幽霊「私のプライベート空間の扉、最終日までここで眠ってもらうよ」
幼 女幽霊「この中だと食事を取らなくても、外に出ない限り死なないから監禁用に便利なんだよね?」
DQN幽霊「...何でもありっスね」
248: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:40:21.51 ID:POdW0I4no
ディレクター「Zzz...Zzz...」スヤァ
AD「Zzz...」スヤァ
アイドル「Zzz」スヤァ
カメラマン「Zzz...」スヤァ
坊主爺「」
シュゥゥゥゥゥ......
坊主爺「」ガシッ
シュンッ
AD「...んん?」パチッ
AD「なんだろ...何か今、変な感じがしたような」キョロキョロ
249: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:41:05.55 ID:POdW0I4no
AD「あれ?」
AD「...ちょ、ちょっとみんな起きてください!!大変ですよ!」
ディレクター「...あん?んだよ...」ゴシゴシ
アイドル「ふわぁぁ...どうかしたんですかぁ?」
カメラマン「んん...なに?」
AD「た、大変ですよ!あの先生が居なくなってます!!そこで気絶してたのに!」
ディレクター「...は?」
アイドル「えっ...うそ...」キョロキョロ
AD「ディレクターさん!まさかどこかに置き去りにしてきたんじゃないんでしょうね!?」
250: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:42:00.05 ID:POdW0I4no
ディレクター「んなことするわけねぇだろうが、俺はずっとここで寝てたんだよ」
AD「というかなんでディレクターさんも寝てるんですかっ!?見張っててくださいって言いましたよね!?」
ディレクター「...」
ディレクター「お、俺も寝ないとは一言も言ってねぇよ」
AD「ふざけないでくださいよ!!!!誰かが起きてないと何が起こるか分からないじゃないですか!!!!」
ディレクター「ああっ!?じゃあなんだ!俺が悪いって言うのかァ!?アアンッ!?」
AD「そうですよ!!!!起きてなかったディレクターさんが悪いんですよ!!!!」
251: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:43:04.62 ID:POdW0I4no
カメラマン「...」ポチッ
AD「ああっ!もう!だからあなたみたいな人が嫌いなんですよ!!!」
AD「はっきり言わせてもらいますけどね!私、ここから出られたら辞めますからね!こんな仕事!!」
ディレクター「はぁっ!?てめぇが辞めたら誰がアシスタントするんだよ!!!!」
AD「自分でやればいいんじゃないですか?ディレクターさん、一人でやる方が似合ってますよ」
ディレクター「どういう意味だよ!?上司にそんな口聞いてんじゃねぇ!!!」バシッ
AD「痛っ...そのすぐ暴力に頼る癖も治してくださいよ!!!!暴力で解決できないことなんていっぱいあるんですからね!」
252: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:44:05.85 ID:POdW0I4no
ディレクター「ああっ!?あのな、この世は暴力で出来てるんだよ!!幽霊でもキチガイでも殴れば何でも言うこと聞くんだよ!!!!分かったか!?」
AD「...この単細胞が」
ディレクター「てめぇ今なんつった!?」
アイドル「うぇぇん...け、喧嘩はやめてくださいよぉ」
カメラマン「...」
カメラマン「ちょ、ちょっと皆さん...これ見てください」
ディレクター「あ?こんな時までカメラ回してんじゃねえよ」
カメラマン「ぼ、僕...寝る前に何か写るかもと思って...電源を付けたまま眠ったんですよね」
カメラマン「そ、それで今...チェックしてみたら...ガッツリ撮れてます」
253: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:45:21.11 ID:POdW0I4no
『...え?それ本当ですか?』
『おいちょっとカメラマン、見せろよ』
幼 女幽霊「あっ、やべ」
DQN幽霊「思いっきり撮られてるっスね」
幼 女幽霊「くそぅ...まさか寝てる時も撮ってるとは思わなかったわ。あいつのカメラには注意しないとな」
DQN幽霊「カメラに写ると何かマズいんスか?」
幼 女幽霊「うん...カメラとか鏡とか人を写すものってさ、目には見えないモノも視える時があるんだよね。心霊写真とかまんまそれだし」
幼 女幽霊「今回は見られてもギリギリセーフなやつだったけど...これが私達だったらやばかったかも」
DQN幽霊「...俺だったら完全にギャグ映画になってるスね」
254: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:46:17.73 ID:POdW0I4no
ディレクター「...」
AD「...」
アイドル「こ、これって...」ブルブル
ディレクター「あの黒い影みたいなやつが、ジジイの下に現れて...そのままどっかに連れ去ったってことか」
AD「ど、どこに行ったんでしょうかね?まさか殺され...」
アイドル「も、もうやだぁ...家に帰りたいぃぃぃ...」ブルブル
ディレクター「とにかくだ、これからは一人で行動するのは禁止だな。誰かが側に居ればあいつらも手出しは出来ねぇはずだ」
カメラマン「そう...なんですかね」
ディレクター「こういう霊ってのは俺の経験上、一人になったところを狙ってくるからな。二人組ならまず襲われる心配はねえ」
255: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/09(火) 09:47:01.02 ID:POdW0I4no
ディレクター「まあ今はここでじっとするべきだな。下手に動くと、階段の二の舞だ」
ディレクター「まずはあいつらがどう出るか、こっちが観察してやろうじゃねえか」
カメラマン「は、はぁ...」
AD「...ディレクターさん、あの人に申し訳ないと思ってないんですか?あなたがちゃんと見張ってたら、こんなことにはならなかったのかも知れないのに」
ディレクター「...そりゃあ、ちょっとは後悔してるよ」
ディレクター「あいつが居ないと帰った時に金が入って来ないからな...惜しいことしたわ」
AD「...」
カメラマン「...」
270: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:19:06.70 ID:60l550gLo
???? 12時間後 ????
幼 女幽霊「...」ゴロゴロー
DQN幽霊「...」ジー
幼 女幽霊「...」フワフワー
DQN幽霊「...」ジー
幼 女幽霊「...何か動きあった?」
DQN幽霊「ないっスね。ずっとあそこで固まってるっス」
幼 女幽霊「...」スゥー
幼 女幽霊「暇ァァァァッッッッッ????!!!!!!」
幼 女幽霊「何で動かないんだよっ!?探索しろよっ!ここから出たくないのかよ!」
271: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:19:57.41 ID:60l550gLo
幼 女幽霊「めちゃくちゃ退屈なんですけどっ!?こっちは人間以上に暇持て余してんだよ!ネット使わせろよ!!!!」
幼 女幽霊「ああああああああっ!!!!暇過ぎてこっちの精神がどうにかなりそううううううううう!!!!」ゴロゴロ
DQN幽霊「...漫画とか読んだらどうスか」
幼 女幽霊「よく考えたら本棚にあるやつは全部読んでたああああああああああああ!!!!!補充しとけばよかったあああああああああ!!!!!」ゴロゴロ
DQN幽霊「あー...そっスか」
DQN幽霊「というか何でこっちから動かないんスか?そんなに暇ならおどかせばいいのに」
幼 女幽霊「今はこっちから手を出す雰囲気じゃないだろうがああああああああああああ!!!!!」
272: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:21:25.27 ID:60l550gLo
幼 女幽霊「あいつらは仲間を失ったことで、次は自分の番が来るかと恐怖してるの!でもここでじっとしていても状況は悪くなるばかり...」
幼 女幽霊「八方塞がりでどうしようもない、すると誰かが耐えられなくなって叫ぶんだ!」
幼 女幽霊「俺はこんなところに居られるか!家に帰らせてもらう!」
幼 女幽霊「他の人の制止も聞かずに、帰還するために一人闇の中に消えて行く...」
幼 女幽霊「そこを襲って、叫び声を聞かせて残りのメンバーにその末路を悟らせるのが私の黄金パターンなの!!!!これだけは譲れないっ!」
DQN幽霊「...つまり、あいつらの内の誰かが一人にならないと物語が進まないってことっスか」
DQN幽霊「それに対して、向こうはこれ以上襲われまいと集団で固まってる...わりと完璧な対処法っスね」
幼 女幽霊「誰か早く孤立しろよおおおおおおおおおお!!!!」
273: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:22:25.13 ID:60l550gLo
幼 女幽霊「あー...ひまひまひまひまひまひまひまひまひまァ!!!!!今すぐにでも襲いたいいいいいいいいい!!!!!!」
幼 女幽霊「...」
幼 女幽霊「...暇潰しに一曲歌ってもいい?」
DQN幽霊「何でそこで歌うんスか...まあいいんじゃないっスか?ここ、完全な防音スから聞こえないと思いますし」
幼 女幽霊「じゃあ歌うわ...オーブちゃん、スピーカーモードになって」
オーブ「」フワァ
DQN幽霊「それスピーカーにもなるんスか...」
幼 女幽霊「あー...あー...よし、音はよよく響くな。音楽スタート!」
デデッデデデッデデデッデデーデッデ
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛...
幼 女幽霊「シャナnァ...」
DQN幽霊「...ん?先輩!何か動きあるみたいっスよ!」
幼 女幽霊「今いいところだろうがああああああああああ!!!!!!」
274: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:23:29.58 ID:60l550gLo
............................................................
.............................................
ディレクター「...」
AD「...」
カメラマン「...」
アイドル「...」モジモジ
ディレクター「...まあいつかは来ると思ってたが、どうするか」
AD「もっと早い段階で来てもおかしくなかったですよね...むしろよくここまで誰も行きませんでしたよ」
カメラマン「自分も行こうかと思った時があったんですけど...恐怖で引っ込みました」
アイドル「うぅ...」モジモジ
ディレクター「...トイレか」
275: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:24:17.67 ID:60l550gLo
ディレクター「俺的にはそこら辺の隅っこでしてもいいんだけどな」
AD「そんなのダメに決まってるじゃないですか!女の子なんですよ!?私も嫌ですよ!」
カメラマン「僕もさすがに...」
ディレクター「...ならどうするっつんだよ。今、俺達は4人しか残ってねぇ」
ディレクター「アイドルちゃんがトイレに行くなら、付き添いは女のADってことになる」
ディレクター「だが、女二人で行くのは危ないってんだろ?」
AD「...そうですよ。昨日、アイドルさんと私だけで放置された時は本当に不安でどうにかなりそうだったんですからね」
AD「正直二人だけだと、一瞬目を離したらどうなるか分かりません。やっぱり三人以上じゃないと」
276: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:25:37.60 ID:60l550gLo
ディレクター「だが俺かカメラマンのどっちかが行くと、また一人残ることになる」
カメラマン「つまり...」
ディレクター「全員で行くしかねぇってことだな」
AD「...それでいい?」
アイドル「うぅ...はい。ちょっと恥ずかしいですけど、そんなこと言ってる場合じゃないですもんね」
AD「うん...ごめんね。怖い想いさせちゃって」
ディレクター「なら行くか、俺もションベンしたくなって来たところだ。ちょうどいい」スクッ
AD「...少しは言葉を選んでくださいよ」
277: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:26:47.29 ID:60l550gLo
DQN幽霊「どうやらトイレみたいっスね」
幼 女幽霊「ふーん...トイレかぁ...」
幼 女幽霊「ちょーっと予定と違うけど、まあいいや。このチャンスを逃がさずに一人消すか」
DQN幽霊「えっ?いいんスか?あんなにシナリオに拘ってたのに」
幼 女幽霊「ここら辺でやっておかないと、一生あそこから動きそうにないからね。精神的に余裕を持つ前に仕留めるよ」
DQN幽霊「うす。了解っス」
DQN幽霊「ところでどうでもいいんスけど、いや本当にどうでもいいんスよ?ただ純粋にどうしてか気になるだけで、別に下心とかそんなのは全っ然ないんスけど」
DQN幽霊「...ここってトイレに監視カメラは付いてないんスか?」
幼 女幽霊「...うわぁ」
278: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:28:00.43 ID:60l550gLo
DQN幽霊「ちょっと引かないでくださいよ!そういうことじゃないって言ってるじゃないっスか!」
幼 女幽霊「うわぁ...さっきの発言は私的にかなりマイナスだわ...お前のランクが二階級は落ちたな」
幼 女幽霊「ヘタレパシりDQNからドスケベ変態チカン猥褻物まで落ちたわ...」
DQN幽霊「ひ、ひどっ!?だからぁ!別にそんなのじゃないっスから!ただの疑問スよ!!!!」
幼 女幽霊「普通に考えたらトイレに監視カメラは置かないだろ...常識的に考えて。例え疑問に思ってもすぐ察するわ」
幼 女幽霊「そういうことを口に出して聞いてくる時点で、何か僅かな希望を求めてるみたいでキモい...」
DQN幽霊「だ、だって先輩が!この前ここの監視カメラに死角はないって言ってから、おかしいなーと思って...!」
幼 女幽霊「言い訳やめろよ...見苦しい」
DQN幽霊「だから違うんですってばああああああああああああああ!!!!!」
279: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:29:17.52 ID:60l550gLo
スタスタ スタスタ
ディレクター「...」キョロキョロ
AD「トイレってここの奥でしたよね?」
カメラマン「取材中に確認したから間違いない...はず」
アイドル「うぅ???...」モジモジ
『W.C』
AD「ありましたね...どうやらここみたいです」
ディレクター「じゃあ俺先に行ってるわ、すぐ終わるから。カメラマン着いてこい」
AD「はぁっ!?そこは先にアイドルさんじゃないんですか!?」
ディレクター「すぐ終わるって...ションベンなんだから数十秒もありゃ、こっちも限界が近いんだよ」スタスタ
カメラマン「えっ?ちょっ!ディレクターさん!!」ダッ
280: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:30:21.20 ID:60l550gLo
AD「し、信じられないあの人...どこまで自己中心的...」
アイドル「うぅっ??...うぅ...」モジモジ
AD「ご、ごめんね。もうちょっとだけだから。あと本当にちょっと我慢してね」
スタスタ スタスタ
ディレクター「ふっー...スッキリした。ほら、早かっただろ!」
AD「うるさいですよ!!さっ、入って入って!」
アイドル「は、はいっ!」ササッ
バタンッ
AD「良かった...間に合って、私は扉の前に居るから何かあったらすぐ知らせてね」
『うぅ...ごめんなさい、ごめんなさい...』
281: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:31:18.24 ID:60l550gLo
ディレクター「おい、どうだ?間に合ったか?」スタスタ
AD「なっ...ちょっとディレクターさん!ここ女子トイレですよ!?早く出てって外で見張っててくださいよ!」
ディレクター「いいじゃねえか。どうせ見えるわけじゃねぇんだし」
AD「関係ないですよ!!!!いい加減にしないと帰ったら警察に通報しますよっ!?」グッ
ディレクター「うるせぇなぁ...分かったよ出て行けばいいんだろ」スタスタ
AD「まったく...本当に信っじられない」
AD「ごめんね、アイドルさん。もう追い払ったから」
シーーーーーン
AD「...アイドルさん?」
282: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:32:13.61 ID:60l550gLo
AD「ね、ねぇ...聞こますか?もしかして怒ってる?」コンコン
シーーーーーン
AD「へ、返事がない...あの子の性格的にこんなイタズラをするとは思えないし...」
AD「ディ、ディレクターさんっ!カメラマンさんっ!」ダッ
ディレクター「どうでもいいけどよぉ 、女のトイレは個室なんだろ?」
カメラマン「まあそれが普通ですけど...それがどうかしたんですか?」
ディレクター「個室ってのは密閉された空間と同じじゃねえのか?一緒に中に入るならともかく、外で待ってるだけだと一人になってるのと変わんねぇのかもと思ってな」
カメラマン「...まさか」
283: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:33:40.17 ID:60l550gLo
AD「ディ、ディレクターさんっ!カメラマンさんっ!大変ですよ!!!!」バッ
ディレクター「なんだっ!?何かあったのか!?」
AD「ア、アイドルさんに話しかけても返事がなくて!ドアをノックしても反応が...!」
ダダダダッ
ディレクター「おい!!!!どうしたっ!?何かあったのか!?」ドンドン
シーーーーーン
ディレクター「クソッ!返事がねぇな!こうなったらブチ破るか!!」
カメラマン「えっ!?さ、さすがにそれは不味くないですか?」
AD「...いえ、私は賛成です!やってください、ディレクターさんっ!!!!」
ディレクター「行くぞォーー!!!!オラァァ!!!!!」ドンッ
284: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/11(木) 03:34:20.10 ID:60l550gLo
バターン
ディレクター「...おい、マジかよ」
AD「う、うそ...」
シーーーーーン
カメラマン「だ、誰も居ないですね」
ディレクター「...ここの個室に入ったのは間違いねぇんだよな?」
AD「そ、そんな...嘘...なんで...」ブルブル
ディレクター「落ち着け!!!!てめぇまでおかしくなってどうする!!!!」バシーン
AD「...はっ!?」ヨロッ
AD「は、はい...間違いないです...」
ディレクター「...どうやら奴らも本気で俺達のことを消しに来たらしいな」
291: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:32:49.94 ID:Sie/ryQfo
.........................................................
.........................................
ジャー
アイドル(ふっー...スッキリした...)
アイドル(それにしても...ちょっと心配してたけど、ここってちゃんと水流れるんだ...廃病院で電気も通ってないのに)
アイドル(いや、それ以前にこの状況で流れた水ってどこに行くんだろ...?)
アイドル(外はずっと夜から変わってないから、もう私達の居た世界とは違うってことだし...でも水はどこかに向かって流れて行く...)
アイドル(...まさか!トイレに流されて行けば元に戻れるっ!?)
アイドル(...あほらし)ガチャ
アイドル「すみませんー...待たせてしま...って?」
シーーーーーン
アイドル「...あれ?ADさん?」
292: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:33:52.10 ID:Sie/ryQfo
アイドル「ど、どこですか?ADさーん?」キョロキョロ
アイドル(ど、どうなってるの?ADさんはトイレのドアの前で待っててくれたら、もし何あったら教えてくれるはずだし...)
アイドル(それにトイレから出て行ったら、まず足音が聞こえるはずだよね...?)
アイドル「...っ!?」ゾクッ
ダッ
アイドル「み、みなさーん!!!!どこですかー!?」
シーーーーーン
アイドル(ト、トイレの前にいた二人もいない...)
アイドル(本当にどうなってるの...やだ、一人は怖いよぉ...)ブルブル
293: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:34:50.21 ID:Sie/ryQfo
テレレン♪テレレン♪
アイドル「」ビクッ
アイドル「え...?なに...電話?」ガサゴソ
アイドル「閉じ込められた時から携帯は圏外で繋がらなかったのに...相手の番号は...」
アイドル「444-444-4444...な、なにこれっ!?」パッ
ガタッ
テレレン♪テレレン♪
アイドル「うぅ...もうやだぁ...早くここから出してよぉ...」シクシク
プツッ...
アイドル「!?」ビクッ
アイドル(で、電話が勝手に出て...)ブルブル
294: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:35:34.81 ID:Sie/ryQfo
『ハローシドニー』
アイドル「...?」
アイドル「あ、あの...私シドニーじゃな...」
『好きなホラー映画は?』
アイドル「えっ」
アイドル(ホ、ホラー映画...?なんでそんなこと聞くんだろ...)
アイドル「ご、ごめんなさい...わ、私ホラー映画とかあんまり見ないタイプで」ビクビク
『...いや、それでも何かあるだろ。"ハロウィン"とか"エルム街の悪夢"とか』
アイドル「ご、ごめんなさいぃ...そういうジャンルは興味がな、いや怖くて見ないんですぅ...」
295: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:36:30.47 ID:Sie/ryQfo
『...あ?』
アイドル「ひぃっ!?」ビクッ
アイドル「あ、あの!ホラーかどうか分からないんですけど!この前、友達と一緒に見たアパートでゾンビが襲ってくるやつは怖くて面白かったです...!」
『アパートでゾンビ...あーはいはい、"REC"ね』
『中々いい趣味してるじゃん、ゾンビモノなら新ドーンの次くらいに好きだよ私は』
『でもあれも続編になるにつれて微妙になって行くよね。特に2のアレとか賛否両論だし、やっぱり一作目が一番いいや』
アイドル「そ、そうなんですか...」
『じゃあクイズをしようか。これに答えられたらここから出してあげるよ』
296: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:37:28.68 ID:Sie/ryQfo
アイドル「え...クイズですか?で、でも私そういうのは苦手で...」
『なに、簡単なクイズだよ。誰にでも答えられるレベルのね』
『"13日の金曜日"の犯人は誰?』
アイドル「じゅ、13日の金曜日...」
アイドル(これって確か...ジェイソンが出てくる映画だったよね?それなら簡単だ!)
アイドル(...あれ?こんな問題どっかで聞いたような。確かこれって引っかけ問題じゃなかったっけ?)
『さあ、そろそろ時間切れだ。答えを聞かせてもらおうか』
アイドル「あ、あの...ジェイソンのお母さん...でしたっけ?」
『.........』
297: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:38:41.87 ID:Sie/ryQfo
アイドル「確か1作目はジェイソンの母親が犯人なんですよね?」
『あー、うん...そうだな...』
『...ざ、残念ながら不正解だ』
アイドル「えっ!?違うんですか!?」
『では特別サービスでもう一回だけ回答のチャンスをやろう...』
アイドル「じゃあジェイソン?」
『フハハ...不正解だ...』
『"13日の金曜日"に出てくる犯人は三人、ジェイソンと1作目のパメラと...5作目に出てくる偽ジェイソンのロイだ』
アイドル「はいっ!?13日の金曜日って1作目のことじゃないんですかっ!?」
『いや、だって何作目とか指定してないし。普通13日の金曜日って言ったらシリーズ全作まとめてのことだろ』
298: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:39:43.61 ID:Sie/ryQfo
アイドル「そ、そんなズルいですよ!!!!途中で問題が変わってるじゃないですか!!!!」
『い、言い訳をしても無駄だ。君はクイズに負けたんだ』
『さて、敗者がどうなるかはホラー映画をあまり見てなくても想像がつくはずだよな?』
シュウウウウウ...
アイドル「」ビクッ
アイドル(な、なに...急に空気が変わったような...)
『...では最後のクイズを出してやろう』
『右と左、どっちから襲ってくると思う?』
アイドル「きゃ、きゃああああああああああああああああ!!!!!!!!」
299: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:40:42.78 ID:Sie/ryQfo
幼 女幽霊「よっしゃ大成功!」
DQN幽霊「どこが大成功っスか。めちゃくちゃグダグダじゃないっスか」
幼 女幽霊「...だ、だって仕方ないじゃん。まさかあのアイドルが答え知ってるとは思わなかったし」
DQN幽霊「それでもあれはないっスよ...引っかけどころか問題文自体が問題じゃないっスか...」
幼 女幽霊「う、うるせー!!いいんだよ!ちゃんと怖がってたんだから!」
DQN幽霊「いやぁ...あれは怖がってるというより、あまりの理不尽に叫ぶしかなかったというか」
幼 女幽霊「とにかく!これで残りは三人だ!もうここまで追い詰められたらあいつらが取る行動は一つ!」
DQN幽霊「何して来るんスか?」
幼 女幽霊「殴り込みだよぉ!」
300: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:41:58.73 ID:Sie/ryQfo
.........................................................
............................................
ディレクター「アイドルちゃんが消えた今、やるべきことは一つしかねぇ」
ディレクター「...殴り込みだ」
カメラマン「な、殴り込み...ですか?」
ディレクター「そうだ、ここでジっとしてても食い物も水もすぐ尽きる。そうなりゃ俺達に助かる道はねぇよ」
ディレクター「奴らが本気を出せば、俺達をすぐ全滅することだって出来るはずだ。だがして来ないってことはだな...楽しんでやがるんだよ」
AD「...」
ディレクター「だが逆に言えばこれはチャンスだ。油断してるところを一気に叩けば、俺達も元の世界に戻れるかもしれねぇ」
301: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:42:38.64 ID:Sie/ryQfo
カメラマン「で、でも殴り込みってどこに行くんですか?幽霊がどこに出てくるかも分からない状況なのに...」
ディレクター「簡単だ。俺達は一階から二階を隅々まで探したが、何も出なかったし見つからなかった」
ディレクター「っつーことは...残された場所はあと一つしかないだろ?な?」
AD「...三階ですか」
ディレクター「そうだよ。俺の勘だと奴らは三階に固まってる...そこをドカッと襲撃して!」ドンッ
ディレクター「一網打尽にしてやるって作戦だ。完璧だろ」
カメラマン「...」
AD「...」
ディレクター「んだよ、二人とも黙りやがって...何か言いたいことでもあるのか?」
302: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:44:12.91 ID:Sie/ryQfo
AD「...私は嫌です。これ以上怖い目に遭うなら、餓死した方がマシです」
ディレクター「...は?何言ってんだよお前」
AD「ディレクターさんはあの二人が急に消えて怖くないんですか?わ、私は...私は...」ブルブル
AD「もう今にでも自殺したいほど怖いんです...これ以上は耐えられませんよ...」ギュッ
ディレクター「...」
ディレクター「...カメラマンも同じ気持ちか?」
カメラマン「い、いえ僕は...ディレクターさんに着いて行きます」
ディレクター「そうか、おいAD」
ディレクター「俺はな、この仕事に命懸けてやってんだよ。幽霊に襲われて死ぬなら本望だ」
303: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:45:19.01 ID:Sie/ryQfo
ディレクター「お前も映像制作に関わってる人間なら、同じだと思ってたんだがな」
AD「...」
ディレクター「俺だって怖い気持ちは一緒だ。だがな、それ以上にこの怪奇現象を世間に見せたいんだよ」
ディレクター「今回のことをまとめたDVDは売れるぞっ??!何だって前代未聞の内容だからな!ニュースでも取り上げられるかもしれねぇ」
ディレクター「そしたら俺達は億万長者だ。もう今までの貧乏生活とおさらばしたくないのか?」
AD「...結局儲けたいだけじゃないですか」
ディレクター「あぁ、そうだよ。俺は金が大好きだからな」
ディレクター「だがな、今は生きるためにやってんだよ。死んだら金なんていくら持ってても仕方ねぇ、俺は生きてここから脱出するために行動すんだよ」
304: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:46:02.79 ID:Sie/ryQfo
ディレクター「お前はここで死んでもいいのか?生きて金持ちになりたくないのか?」
ディレクター「もしかしたらさらわれた二人も見つかるかもしれねぇ、お前はあいつらを見殺しにしてもいいのか?」
AD「...」
ディレクター「まあここで死にたいなら勝手にしろよ。俺のスタッフに根性なしは要らねぇからな」
ディレクター「行くぞカメラマン!あいつらをぶっ飛ばしに行くぞ!」スタスタ
カメラマン「は、はい!」ダッ
AD「...」
AD「...ディレクターさん」
305: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:47:34.12 ID:Sie/ryQfo
ディレクター「...んだよ」
AD「売り上げは...売り上げはもちろん私達で三等分ですよね?」
ディレクター「は?んなわけねぇだろ。ディレクターの俺が5で、お前らはその半分の2.5ずつだ」
AD「...分かりましたよ。後で全部、俺の取り分だとか言わないでくださいよ」スタスタ
ディレクター「...お、おう。分かってるよ」
ディレクター「カメラマン、ここから先は全部撮っておけよ」
ディレクター「世界初、史上初の人間と幽霊との全面戦争だからなァ!!!!!」
306: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:48:40.45 ID:Sie/ryQfo
スタスタ スタスタ
AD「...ディレクターさん、三階に行くんじゃなかったんですか?ここ一階の警備室ですけど」
ディレクター「あぁ、前にちょっと気になるもん見つけてよ。それを取りに来たんだ」ガサゴソ
ディレクター「...あった。これだぁ!」ニヤァ
AD「それって金属バットですか?どこからそんなもの...」
ディレクター「いや俺だってなんでこんなところにあるのか知らねぇよ。でも戦争するには武器が必要だからな」
ディレクター「ほらAD、お前はこれ使え。サスマタだ」ポイッ
AD「うわっ!?きゅ、急に投げないでくださいよ!」
307: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:49:58.79 ID:Sie/ryQfo
『カメラマンは...そのカメラで適当に殴ればいいな。あ、でも死んでもカメラは壊すなよ』
『え、えぇ...難しいですよ』
『これで武器は整った...さあ行くぞ!てめぇらぁ!!!!!!』ガンガン
DQN幽霊「...なんであんなところに金属バットがあるんスか」
幼 女幽霊「そういえば、この前オーブちゃんが野球したいって言ったから貸してあげたんだよね」
DQN幽霊「...俺あんなに金属バット装備が似合ってるやつ見たことないっスよ」
幼 女幽霊「餃子にラー油以上に合ってるよね。まさに暴力人間だよ」
DQN幽霊「どうでもいいっスけど、何で幽霊相手に物理攻撃で対抗しようとしてるんスかね」
幼 女幽霊「ノリじゃない?」
308: ◆gqUZq6saY8cj 2016/08/13(土) 22:56:02.18 ID:Sie/ryQfo
今日はここまで
そういえばあと1時間ちょっと8月14日(日)の午前0時からニコ生で戦慄怪奇ファイルコワすぎ!の一挙放送が始まりますね(ステマ)
とても面白いので未見の方は是非見て欲しいです(ステマ)
309: 以下、
工藤のメインウェポン来たwwwwww
310: 以下、

スクリームネタが笑える
311: 以下、
工藤さんほんと無謀
313: 以下、
あんなに横暴でDQNだったディレクターにまさかの主人公属性が!
325: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:42:49.08 ID:wjB/OyYmo
コツッ...コツッ...
ディレクター「...」チラチラ
AD「ここが...問題の三階ですよね」
ディレクター「...おいAD、ここから先はお前が先頭で行け」
AD「え、嫌ですよ」
ディレクター「いいから行けっつんだよ。危なくなったら俺が助けてやるから」クイクイ
AD「...分かりましたよ」スタスタ
ガタッ
ディレクター「!?」ビクッ
AD「な、何の音ですか!?」
カメラマン「す、すみません...ちょっと機材を落としちゃって」
ディレクター「ビックリさせんじゃねえよ!ちゃんと持ってろ!」
326: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:44:02.07 ID:wjB/OyYmo
AD「...ディレクターさん、聞き忘れてたんですが幽霊を倒すと言ってもどうするんですか?」
AD「何かノリでここまで来ちゃったんですけど...よく考えてみたらバットなんかで幽霊が倒せるんですか?」
ディレクター「だから前にも言っただろ。こういうのは気の持ち用が大事なんだよ」カンカン
ディレクター「あいつらをぶっ倒せると思ったら殺れるっ!そういうもんだ」
AD「...」
ディレクター「いいから早く前に進めよ。どんどん時間が経っちまうだろうが」
カメラマン(...あそこでじっとしてた方がマシだったかも)
AD(...今回の件が終わったら絶対転職しよう、絶対に)
327: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:44:44.39 ID:wjB/OyYmo
ギィー...
AD「...いませんね、ここにも」
ディレクター「五連続ハズレか...中々出てこねぇな」
AD「やっぱり幽霊を退治して脱出するなんて無理なんじゃないですか?何か別の方法を...」
ディレクター「あ?じゃあお前は何かアイデアがあんのか?」
AD「...ないですけど」
ディレクター「なら俺に従ってればいいんだよ。いいから次のドア開けろよ」クイクイ
AD「...はい」
ガチッ
AD「?」ガチャガチャ
AD「ここの部屋...鍵がかかってますよ」
328: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:45:42.90 ID:wjB/OyYmo
ディレクター「鍵ぃ?」
カメラマン「おかしいですね...今までの部屋は全部開いてたのに、この部屋だけかかってるなんて」
AD「ここは...リハビリ室みたいですね。どうしますか?」
ディレクター「くせぇな、ここは絶対何かあるぞ。俺の勘がそう言ってる」
ディレクター「よーし...ちょっと待ってろ。こういう時のためにいいもん持ってきたからよ」ガサゴソ
AD「ディ、ディレクターさん?何するつもりなんですか?」
ディレクター「穴は...あーはいはい、こんな感じね。これならすぐ開くな」ジー
ディレクター「...」カチャカチャ
AD「それってまさか...ピッキングですか?」
329: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:46:30.91 ID:wjB/OyYmo
ディレクター「そんな目で見てんじゃねえぞ。人を泥棒扱いしやがって」
AD「いや誰も泥棒とまでは...でも...」
カチッ
ディレクター「ほら、開いたぞ。いいから入れよ」
AD「結局、私が先頭なんですか。はぁ...」
AD「これでただ鍵が閉まってるだけの部屋だったら拍子抜けですよね。そっちの方が可能性高そうですけど」チラッ
モゾモゾ...モゾモゾ...
AD「...っ!?」サッ
ディレクター「おいどうした、何か居たのか」
AD「い、いま...いま...います。な、何かが三個くらい...う、動いて...」ブルブル
330: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:47:19.02 ID:wjB/OyYmo
ディレクター「なんだとォ??野郎共、やっと正体を現しやがったかッ!」
ディレクター「行くぞカメラマン!俺がバケモンを倒すところちゃんと撮っておけよ!」ダッ
カメラマン「ほ、本当に戦うつもりなんですか?」
ディレクター「ここまで来たらやるしかねぇだろ!いいから来い!」
ドンッ
ディレクター「オラァッ!!!!出てこいよカス共が!!このディレクター様が相手になってやるよぉ!!!!」
ムカデ人間「」カサカサ
武器人間「」カサカサ
セイウチ人間「」カサカサ
ディレクター「...あ?」ポカーン
331: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:48:03.16 ID:wjB/OyYmo
DQN幽霊「先輩、何スかアレ」
幼 女幽霊「あー...あいつらあの扉開けちゃったかー。一応、鍵かけて入れないようにしてたんだけど」
DQN幽霊「いやそんなことよりも何スかあのクリチャー共は...うちにあんな薄気味悪いやつらが居たんスか?」
幼 女幽霊「それがさぁ、昨日私があの不良に腹パンされたじゃん?だからそろそろ代わりの物理担当が欲しいと思ってね」
幼 女幽霊「んで適当にマネキンと粘土とその他諸々をこねて、オーブちゃんが中に入れるような戦闘用の人形を作ったんだよ」
幼 女幽霊「あれ中々動かすのが難しいらしくねー...だからあそこの部屋で練習してたってわけ」
DQN幽霊「えぇ...」
332: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:48:45.53 ID:wjB/OyYmo
幼 女幽霊「でもまさかピッキングされるとは思わなかった、あいつはルパンか」
幼 女幽霊「まーちょうどいい実験台かも、ちょっと試験運用してみようかね」
DQN幽霊「実験台って...アレ動かして大丈夫なんスか?かなり危ないやつらに見えるんスけど」
幼 女幽霊「そりゃ物理攻撃もできるように頑丈に作ってるからね。でも殺しは無理だから安心しなよ、所詮日曜大工で作ったやつだし」
幼 女幽霊「怪我はすると思うけどな!」
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「ということでオーブちゃん!初陣だよ!目標はあのヤクザ、ボコボコにしてやってちょうだい!」
333: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:49:29.18 ID:wjB/OyYmo
カタカタ カタカタ
カタカタ カタカタ
AD「ディ、ディレクターさん...なんなんですかこの化け物...」
ディレクター「お、俺が知るかよ。でも今のところ襲ってこねぇみたいだな」
カメラマン「何かヤバい予感がしませんか?ここを離れた方が...」
ピクピクッ
ムカデ人間「」ギロッ
AD「!?」ビクッ
AD「きゅ、急に雰囲気が...空気が変わったような...」
334: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:50:30.93 ID:wjB/OyYmo
ムカデ人間「」ガタガタガタ
ムカデ人間「...」
ダッッ!!!!!
AD「うわぁっ!?」
カメラマン「ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ!?やばいですって!」
ディレクター「オイッ!早く扉閉めて押さえろォ!こっちに来るぞぉぉぉ!!!!」
ドンドンドン!!!!!ドンドンドン!!!!!
AD「ど、どうするんですか、この状況...!早く何とかしないとこっちが持たないですよ!」グッ
AD「というかディレクターさん!?さっき倒すとか言ってましたけど何で普通に逃げてるんですか...!」ググッ
ディレクター「う、うるせぇよ!あの状況で逃げる以外の選択肢があると思ってんのかッ!!」グッ
335: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:51:29.42 ID:wjB/OyYmo
ドンドンドン!!!!!ドンドンドン!!!!
カメラマン「まずいですって!こ、このままだとあと1分もしないうちに扉が壊れますよ...!」グッ
AD「ディレクターさん!?どうするんですか!?早く決めてくださいっ!」グッ
ディレクター「...分かったよ。ちょっと離れるから、ここ踏ん張っとけ」スッ
AD「ちょっとぉ!?まさか一人だけ逃げるつもりじゃないんですかっ!?」グググッ
カメラマン「ぎ、ぎつい...!!!」グググッ
ディレクター「んなわけあるかッ!ここで待ち伏せするんだよ!!!」
ディレクター「いいかッ!?五秒後に手離せ!俺がコイツで叩きのめしてやるからよォ!!」グッ
AD「んなこと言われても...!二人だけだとあと五秒も持たなっ...」グググッ
336: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:52:35.81 ID:wjB/OyYmo
ディレクター「じゃあ3秒だ!口を動かす時間があったら手に力入れとけェ!!」
AD「じ、自分は何もしてないくせに...!」グググッ
ディレクター「数えるぞ...一二の三で手を離せよ。いーちー...」
ドンドンドン!!!!!ドンドンドン!!!!!
AD「うぐぐ...ぐぎぎぎ...!!!!」グググッ
カメラマン「おぉ...!!!おういいいいいい...!!!!」グググッ
ディレクター「にのー...」
AD「...も、もうだめ」パッ
カメラマン「え、ADっ!?ちょおっ!?」パッ
ディレクター「あぁっ!?何やってんだよクソッッ!!!!!」
337: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:53:21.25 ID:wjB/OyYmo
バンッ!!!!!
ムカデ人間「」ドドドッ
武器人間「」ダダダッ
セイウチ人間「」バババッ
ディレクター(押さえとけつっただろうがッッ!おかげでタイミングがずれちまったじゃねえか!)
ディレクター(この野郎...もうここまで来たらやるしかねぇ、一匹残らずにぶっ殺してやる!!!)グッ
ディレクター「オラアッッッッッ!!!!!!」ブンッ
ドゴォッ!!!
ムカデ人間「!?」ヘブチッ
338: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:54:08.28 ID:wjB/OyYmo
DQN幽霊「...」
幼 女幽霊「うーん...このクロスワードパズル難しいな。たまたま見つけたけど、いい暇潰しになりそうで良かった」
DQN幽霊「...あの先輩、例の人形ってかなり頑丈に作ってあるんスよね?」
幼 女幽霊「んー?そうだけど?」
DQN幽霊「...もし、金属バットで思いっきり殴られたらどうなるんスか?」
幼 女幽霊「そりゃ金属バット程度ならノーダメだよ。多少外装がへこむかもしれないけど、オーブちゃんが操るには何の支障もないね」
幼 女幽霊「完全に機能停止にするなら、重火器でぶっぱするか液体窒素で凍らせて粉々にするくらいしかないんじゃない?まあ準備してるうちにやられると思うけどね!」
DQN幽霊「そうっスよね...バットで殴られたくらいなら全然平気なはずっスよね」
339: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:56:11.39 ID:wjB/OyYmo
ムカデ人間『』
ディレクター『残り二匹だゴラァッッ!!!!!』
DQN幽霊「普通にやられてるんスけど...」
幼 女幽霊「ワッツ!?」
ゴンッ
DQN幽霊「あ、また一人やられた」
幼 女幽霊「はぁ!?いやなんでぇ!?嘘でしょ!?」
幼 女幽霊「ちょっと待てよオイ!なんでやられてるわけぇ!?ちゃんと強度実験もして大丈夫なはずなのにっ!」ガンガン
DQN幽霊「先輩、モニター叩くのはやめてください。壊れるっス」
幼 女幽霊「まさかあのヤクザもどきの腕力が...いやそれもない!成人男性の10倍の力でも耐えられる構造になってるもん!あれを正面からぶっ壊せるのは私の知り合いでも数人しかいないし!!」
340: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:57:17.85 ID:wjB/OyYmo
DQN「何か脆くなってる弱点とかないんスか?例えば頭とか...」
幼 女幽霊「私がそんな欠陥作るわけないだろ!むしろ頭は胴体より頑丈にしてるわっ!!」
幼 女幽霊「くそ??...本当に何が原因なんだ?オーブちゃんが入った影響で人形に影響が出たのか...でもそんな前例、聞いたことも見たこともないし...」ブツブツ
DQN幽霊「...ん?」ジー
DQN幽霊「...先輩、ちょっとここ見てくださいっス。何かこのバット微妙に光ってませんスか?この辺りが」ツンツン
幼 女幽霊「光ってるってなんだよ、バットが光るわけないだろ...電球を入れてるわけじゃあるまいし」チラッ
幼 女幽霊「...オウッッ!?」ビクッ
幼 女幽霊「そ、そういうことか!!!!分かったぞ!なんであいつがオーブちゃん達を倒せてるか!」
341: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:58:09.45 ID:wjB/OyYmo
DQN幽霊「えっ?マジっスか?」
幼 女幽霊「仕掛けはあのバット自体にあったんだ!...というかアレ、ほぼ私のせいじゃねえかクソッタレ!」
DQN幽霊「先輩のせいって...ま、まさか先輩...あのバットに何かしたんスか?」
幼 女幽霊「...い、いやあれってオーブちゃんが野球したいからって用意したバットじゃん?」
幼 女幽霊「でもオーブちゃん達の野球って球は自分達でやるからボールがいらないんだよね。だから普通のバットだと透けて打てないって相談されちゃって...」
幼 女幽霊「だからオーブちゃん達にも触れられるように、ちょこーっと私の力を使って霊体バットに改造したんだよね?...」
DQN「れ、霊体バットって...ってことはあのバットで殴られると俺らもヤバいってことじゃないんスか?」
342: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 01:58:55.77 ID:wjB/OyYmo
幼 女幽霊「あー...うん、かなりの高確率で私たちにも効くと思う」
幼 女幽霊「というかお前みたいな弱小霊だと、殴られたら一発KOの可能性もあるレベル」
DQN幽霊「...どうするんスか、これ」
幼 女幽霊「うーん...どうしよう」
『おっしゃああああ!!!!あと一匹だゴラアアアアアアア!!!!!』
幼 女幽霊「...ちょっともったいないけど、ここら辺で終わりにしよっか」
DQN幽霊「まあそうなるっスよね」
幼 女幽霊「ないとは思うけど私の空間にも影響が出るかもしれないからねぇ...まさかこんな終わり方になるとは思わなかったよ」
343: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 02:00:13.74 ID:wjB/OyYmo
DQN幽霊「どうやってあいつらを気絶させるんスか?オーブだとあのバットっでボッコボコにされそうっスけど」
幼 女幽霊「そりゃ私が出るしかないでしょ。めんどくさいけど」
DQN幽霊「...大丈夫っスか?あれで殴られたら先輩でもヤバいっスよね?」
幼 女幽霊「あの程度なら楽勝っしょ。当たらなきゃいいんだから、当たらなきゃ」
幼 女幽霊「さて肉体出すとするか。はぁ...せっかく考えたシナリオがめちゃくちゃになったわ」ボンッ
長髪白装束娘『』
DQN幽霊「今日も身体使うんスね」
幼 女幽霊「やっぱり実体の方が相手にプレッシャー与えられるからね、それに私もこっちの方が動きやすいし。よいしょっと」
スゥ
344: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 02:01:00.22 ID:wjB/OyYmo
長髪白装束娘「あーだる!めんどくせ!」ポキポキ
DQN幽霊「めっちゃ骨の音鳴ってるっスね」
長髪白装束娘「そりゃ日頃からまったく動かしてないからね。もうバッキバキ鳴るよ」バキバキ
DQN幽霊「どうでいいっスけど、普段先輩の肉体ってどこにあるんスか?何かいつもどっかから引き出して来てるっスけど」
長髪白装束「さあ?あの世とかじゃない?」
DQN幽霊「...そこら辺は適当なんスね」
長髪白装束娘「んじゃ私はちょっと着替えて来るわ。見張りよろしくぅ」スタスタ
長髪白装束娘「あ、覗いたらぶっ殺すからな」
DQN幽霊「誰も覗かないっスよ、失礼な」
345: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 02:01:53.05 ID:wjB/OyYmo
ジジジ...
DQN幽霊「あ、最後の一匹がやられた」
DQN幽霊「想像以上にやべぇなこれ、あれで正面の扉やガラスをぶん殴ったら先輩の空間から脱出してもおかしくないぞ」
DQN幽霊「まあ先輩が出るなら大丈夫だとは思うが...あの人って時々ドジだからまさかの展開があり得そうで怖いんだよな」
DQN幽霊「...そういや着替えて来るって行ってたけど何を着るつもりなんだ?」
ガチャ
長髪白装束娘「なぁ!この人肉マスクと釘が刺さってるマスク、どっちがいいと思う?」
DQN幽霊「...両方やめた方がいいと思うっス」
346: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 02:02:47.19 ID:wjB/OyYmo
長髪白装束娘「ちぇっ、じゃあ今日は素顔で行くか。髪で見えないけど」ポイッ
DQN幽霊「着替えるってわざわざそのマスク探しに行ってたんスか。ハロウィンの日くらいしか使い道なさそうっスね」
長髪白装束娘「え?ちゃんと着替えて来たけど?気付かない?」クルッ
DQN幽霊「...特に変わってるようには見えないっスけど」
長髪白装束娘「いつも白装束なのに今日は白いワンピースになってるじゃん!お前は本当にファッションに疎いな!」
DQN幽霊「えぇ...」
長髪白装束娘「まったく人がせっかくオシャレしてんのに少しは気付けよな!時々髪切ってるのも知らないだろばーか!」バタン
DQN幽霊(ほぼ変わってない...)
347: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/06(木) 02:05:36.82 ID:wjB/OyYmo
今日はここまで
はい気付いたら夏が過ぎて秋になってました
書き溜めは大体終わってるのでここからは毎日更新できると思います
348: 以下、
待ってた乙
秋の夜長にホラーも悪くない
353: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:03:48.50 ID:M3zyoIJYo
.........................................................
.............................................
ディレクター「ぜぇ...ぜぇ...これで全部だな」
AD「す、すごいですね...ディレクターさん。いくらこっちが武器を持ってるからって、三人全員を倒すなんて...」
カメラマン「しょ、正直もう駄目かと思いましたよ」
ディレクター「あぁ、何か知らねぇんだけどさ、このバット持ってると異常に体が軽く感じるんだよな」
ディレクター「殴った時の手応えもズバーン!って感じで...力が溢れてくるみたいだわ」
ディレクター「それにADの援護もあったからな、最後の一匹はお前がサスマタで押さえてくれなかったら危なかったわ...ありがとな」
ディレクター「お前が危なくなったら、今度は俺が助けてやるよ」
AD「...え、いや急にどうしたんですか?気持ち悪い」
354: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:04:44.03 ID:M3zyoIJYo
ディレクター「...お前気持ち悪いってなんだよ。せっかく人が礼を言ってやったのに」
AD「だって普段のディレクターさんからは出てこない言葉が出てきて...縁起の悪いこと言うのやめてくださいよ」
ディレクター「...ったく、人が少し下手に出たらいい気になりやがって。助けてやんねぇぞ」
カメラマン「ま、まぁまぁ!今はそんなことより探索を続けましょうよ!」
ディレクター「そうだな、こいつらが起きてたら拷問でもしてここから出る方法が聞けたんだが...人形みたいに固まってビクともしねぇ」ゲシッ
ムカデ人間『』
AD(本当に拷問しそうだから怖い)
355: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:05:20.02 ID:M3zyoIJYo
ディレクター「あとは残りの部屋を探すだけだな。それでも見つからなかったら一か八か、こいつで正面扉をぶち破るしかねぇ」
ディレクター「まあそれまでには何か見つかんだろ。三階に来て始めてこいつらが出てき...」
ヒュゥゥゥッゥゥゥゥゥ
ディレクター「」ゾクッ
AD「」ゾクッ
カメラマン「」ゾクッ
AD「な、なんですか?今背筋が急にビクって...」キョロキョロ
カメラマン「じ、自分も同じ感じがしました...」キョロキョロ
ディレクター「...ほぉ??ついに親玉の登場ってわけか」
356: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:05:56.84 ID:M3zyoIJYo
ディレクター「二人とも構えとけよ、何か来んぞ」
AD「か、構えとけって言われても...どうすればいいんですか」
カメラマン「やばいですって、今までと全然雰囲気がちがっ...」
ガシッ
AD「え?」クルッ
ズサアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
AD「きゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!」ズルズルー
ディレクター「ADァッ!?」
AD「ディレクターさあああああああああああん!!!!!!!助けてえええええええええええええ!!!!!!」ズルズルー
カメラマン「え、ADが...引きずられて...」
ディレクター「クソッ!ADを狙って来やがったか!!行くぞォ!カメラマン、お前も来い!」ダッ
357: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:06:48.86 ID:M3zyoIJYo
カメラマン「行くってADを追いかけるんですか!?」
ディレクター「当たり前だ!助けんに決まってんだろ!いいから来い!!」グッ
カメラマン「は、はいッ!!!」ダッ
ズサアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
AD「いやああああああああああああああああああ!!!!!!!」グルッ
ディレクター「オイィッ!あそこの角曲がったぞ!!」ダダダッ
カメラマン「あの先って確か部屋が一つありましたよね!?」ダダダッ
バタンッ!!!!!
ディレクター「入りやがったなァ!これで袋のネズミだッ!!」
358: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:07:40.59 ID:M3zyoIJYo
カメラマン「ま、待ってください!何かの罠かもしれませんよ!?迂闊に入るのは危険じゃ...」
ディレクター「んなこと言ってる場合じゃねえだろ!ADが死んでもいいのかテメェはァ!?」
カメラマン「そ、そういうわけじゃ...」
ディレクター「待ってろよADァ!!今すぐ助けてやるからなッッ!!!」ガラッ
バタンッ!!!
カメラマン「...え?」
カメラマン「ディ、ディレクターさんが入った途端に扉が閉まって...」
カメラマン「ディレクターさぁん!?大丈夫ですかっ!?ディレクターさん!!!!」ドンドン
カメラマン「あ、開かない...ディレクターさん!!!!返事してくださぁい!!!!」
359: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:08:16.74 ID:M3zyoIJYo
バタンッ!!!
ディレクター「!?」クルッ
ディレクター「オイどうなってんだ!?扉が勝手に閉まったぞ!カメラマン!?聞こえるかぁ!?」ドンドン
ディレクター「あ、開かねぇ...」
ユラァ...
ディレクター「ッッ!?」クルッ
長髪白装束娘「...」
ディレクター「テ、テメェがADを連れ去った犯人か!!!!」
ディレクター「さっさとここから出せやゴラアアアアアアアアア!!!!!」ブンッ
360: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:09:29.92 ID:M3zyoIJYo
長髪白装束娘(うわあぶねっ)サッ
長髪白装束娘(いきなり幽霊殴って来るとかなんだよこいつ...ホラー映画なら絶対してこないぞ)
ディレクター「避けてんじゃねええええええええええええ!!!!!!!」ブンッ
長髪白装束娘(うーん...やっぱりさすがの私でもあのバット食らったらやばいな。霊体で食らうよりは実体の方がダメージ少ないけど)
長髪白装束娘(肉弾戦とかやってみたかったけどさっさと終わらせるか)クイッ
シュンッ
カラーン
ディレクター「!?」パッ
ディレクター(バ、バットが手から離れて...う、動けねぇ...)ガクガク
長髪白装束娘「...」スタスタ
361: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:10:17.39 ID:M3zyoIJYo
ディレクター(クソが...う、動きやが...)ガクガク
長髪白装束娘「...」スタスタ
長髪白装束娘「...」ピタッ
長髪白装束娘「...」ジー
ディレクター(な、なにガン飛ばしてやがる...ぶっ殺すぞ...)
長髪白装束娘「」ギロッ
ディレクター「!?」ビクッ
ディレクター「あっ...あっ...」
ディレクター「」ガクガクガクガクブルブルブルブル
ディレクター「」ガクガクガクガクブルブルブルブル
362: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:11:05.86 ID:M3zyoIJYo
長髪白装束娘「ほい終了っと、これでしばらくは意識を失ったまま痙攣し続けるな」
ディレクター「」ガクガクガクガクブルブルブルブル
ディレクター「」ガクガクガクガクブルブルブルブル
長髪白装束娘「女の方はもう私の空間に閉じ込めておいたし、あとは外のカメラマンを何とかするだけだな」チラッ
長髪白装束娘「...さてこのバットどうしよう」
長髪白装束娘「んー...普通のバットに戻すのには時間かかりそうだし、とりあえずはあの部屋に運んどきゃいっか。暇な時に元に戻せばいいしね」
長髪白装束娘「あーあ、まったく余計なもん見つけやがって。おかげで私の計画が台無しじゃん!バカ!」ゲシッ
ディレクター「」ガクガクガクガクブルブルブルブル
363: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:11:46.62 ID:M3zyoIJYo
カメラマン「ディレクター
さんっ!?ディレクターさああああああああああああん!!!!!」ドンドン
シーーーーーン
カメラマン「うっ...ぐ...ど、どうすれば...ずっと返事がない」
カメラマン「...ごめんなさい、ディレクターさん!必ず出口を見つけて助けますから!!」ダッ
カメラマン(坊主爺さんもアイドルさんも...ADもディレクターさんもみんな居なくなってしまった...最後に残ったのは僕だけ...)
カメラマン(もうどうしようもない...次に狙われるのは...)
カメラマン「...」カチャ
カメラマン「...もし、このカメラの映像を見ている人が居たら...お願いします。僕達を助けてください」
カメラマン「ここは本当に危険な場所です...もしここから無事に出られた人が居たら、本物の霊能力者にこのことを知らせてください」
364: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:12:25.52 ID:M3zyoIJYo
プツンッ
カメラマン「...もう撮ってても意味ないか」
カメラマン「後はこれを隠すだけ...神様、誰かこのカメラを見つけてください...お願いします...」ガサガサ
カメラマン「うぅっ、どうしてこんなことに...来なければよかった...」ポロポロ
ガサッ
カメラマン「...ん?なんだここ、何かが挟まって...」
ジジジ...
カメラマン「カメ...ラ?こんなところに...なんで...」
カメラマン「電源は...入ってる。ま、まさか...これを仕掛けた誰かにずっと見られてた?」
365: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:13:05.12 ID:M3zyoIJYo
DQN幽霊「あっ!?やべっ!」
シュンッ
長髪白装束娘「ふぅ、バット置きに一旦戻ってきたわ。もう一人の方はいい感じにビビってる?」
DQN幽霊「先輩、マズいっスよ!カメラマンの方が監視カメラに気付いたっス!」
長髪白装束娘「はぁっ!?マジぃ!?」
DQN幽霊「ほらこれ!98番カメラをあいつが持ってるっス!!」
長髪白装束娘「うっわマジじゃん!急いで片付けてくる!」
シュンッ
DQN幽霊「まさかあの監視カメラに気付くとは...さすがプロだな」
366: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:14:31.05 ID:M3zyoIJYo
カメラマン「一体誰がこんなことを...まさか今までの現象は全部生きてる人間の仕業?」
カメラマン「でも科学じゃ説明出来ない事がいくつもある...ということは幽霊に監視されていた...?」
シュンッ
長髪白装束娘「わああああああああっっっっ!!!!!!!」バーン
カメラマン「!?!?!?!!!っっっ!?」ビクッ
カメラマン「」バタッ
長髪白装束娘「ふぅ...危ないな、まさか気付かれるとは思わなかった。さすがプロ」
長髪白装束娘「あー...なるほど、この持ってるカメラの隠し場所を探してたら見つけたのか。ちょっと位置を調整する必要があるな」
長髪白装束娘「ついでにこいつのカメラは私が没収しておくか。どんな映像撮れてるか私も見たいし」スッ
長髪白装束娘「お、重っ...よくこれ持って走れたな」ズンッ
367: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:16:32.57 ID:M3zyoIJYo
シュンッ
DQN幽霊「お疲れっス」
幼 女幽霊「はぁ?...今回は色んなアクシデントがあったわ。やっぱり業界人を相手にするのはめんどいな」
DQN幽霊「確かに色んなことあったっスね?。何か3ヶ月くらいあった気がするっス」
幼 女幽霊「実際は1日ちょっとしか経ってないんだけどね。あー疲れた」ゴロン
DQN幽霊「あのスタッフとインチキ坊主とアイドルはどうするんスか?」
幼 女幽霊「んー...記憶を消して、車をどっか適当な場所に移動させてその中で放置しておくか。さすがに違和感に気付くと思うけど、ここの病院の記憶ごと消すからバレることはないよ」
幼 女幽霊「しかし最近の制作会社ってのは金持ってないな。あのディレクターなんて財布の中3000円しか入ってなかったぞ」
幼 女幽霊「カメラマンにいたっては100円しかなかったし...向こうも貧乏なんだねぇ、全部貰ったけど」
368: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:17:35.62 ID:M3zyoIJYo
DQN幽霊「それでも全部盗ったんスか...そういうところはキッチリやるんスね」
幼 女幽霊「でも坊主の方は結構持ってたから儲けたよ?まあそれでも前の不良グループの方が金持ってたけどね」
幼 女幽霊「さっ、後片付けするか。今回は荒れたからな?...DQN、お前も手伝えよ」
DQN幽霊「うっす、了解っス」
幼 女幽霊「オーブちゃ?ん!あいつらが来た形跡の削除と人形の修理、あとカメラの調整お願いね?!」
幼 女幽霊「ん?何してんの?お前も早く行ってこいよ」
DQN幽霊「えっ...先輩はやらないんスか?」
幼 女幽霊「今日はめんどいからパス、借りて来た映画見てくるわ」フワフワ
DQN幽霊「えぇ...」
369: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:19:49.27 ID:M3zyoIJYo
............................................................
............................................
ガヤガヤ ガヤガヤ
「...ここが例の町か、それでここが依頼の病院で...」
「遠いな。これだと隣町から行った方が楽だった」
「...それにしてもここ、何かがおかしい。日常と非日常が合わさってるような...危ういバランスで保たれてるって感じ」
「ワタシの勘が鈍ったのか、それとも...」
「はぁ...話だと普通の霊が二人いるだけ。一晩で終わる楽な仕事だし早く終わらせよう」
「しかし今日は暑い...かき氷でも食べて夜に備えるか」
370: ◆gqUZq6saY8cj 2016/10/07(金) 02:22:50.53 ID:M3zyoIJYo
今日はここまで
次から最終章的な何かです
371: 以下、

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