【SS】国木田花丸「黄昏の理解者」back

【SS】国木田花丸「黄昏の理解者」


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かきねのかきねのまがりかど??
たきびだたきびだおちばたき??
あたろうか?あたろうよ??
っと、そろそろずら……
アチっ!
それは、ある秋の夕暮れ。
2:
?教室?
モブ「ねぇねぇ、津島さん」
善子「ん?どうしたの?」
モブ「よかったら、連絡先交換しない?」
善子「えっ?」
モブ「私、津島さんと友達になりたいんだ?」
善子「い、いいわよ!もちろん!」
モブ「ホント?嬉しいな!」
モブ「今度みんなで一緒にカラオケ行かない?駅前に新しくーー」
3:
ーー
ルビィ「花丸ちゃん、窓の外なんか見てどうしたの?」
花丸「うん……」
花丸「今日は一日中、雨なのかなって……」
ルビィ「ルビィが今朝見た天気予報でも言ったね」
花丸「ルビィちゃんは、雨は嫌い?」
ルビィ「う?ん。ルビィ、濡れるのは嫌だなぁ……」
花丸「でも、雨の音って……何か心が落ち着くような気がしない?」
ルビィ「その気持ちはちょっとわかるかも。何でだろうね?」
4:
花丸「マルもわからない」
花丸「でも、言葉で説明出来ない事って……なんか神秘的ずら」
ルビィ「確かに、不思議だよねぇ……」
ルビィ「あっ!ねぇねぇ、花丸ちゃん!アレ見て」
花丸「アレ……?」
ルビィ「善子ちゃん、あれからクラスに溶け込めたみたいだね」
花丸「うん。みんなに囲まれて、嬉しそうずら」
ルビィ「やっぱり、Aqoursに入ってから何か変わったのかな?」
花丸「う?ん……」
花丸「変わったのは善子ちゃんじゃなくて、周りの方なのかも」
ルビィ「周り?」
5:
花丸「善子ちゃんにとって、堕天使っていうのは自分を表現する術で」
花丸「逆に言えば、それはみんなと仲良くなりたいって事なんだよ」
ルビィ「善子ちゃんって、ちょっと不器用な所あるもんね……」
花丸「それに昔から目立つ事が好きで、美人でスタイルも良いし」
花丸「きっと、クラスのみんなも探してただけなんじゃないかな」
花丸「善子ちゃんと仲良くなるきっかけを……」
ルビィ「それで堕天使キャラを、みんなが受け入れ始めてきたんだね」
花丸「うん。マルはそう思う、かな……」
ルビィ「なるほど。流石、花丸ちゃんは善子ちゃんの理解者だね!」
7:
ルビィ「でも、そういえば……」
ルビィ「たしか花丸ちゃんって、善子ちゃんの監視係だったよね?」
花丸「そうそう。善子ちゃん、気付いたらすぐ堕天しちゃうし」
ルビィ「その度に止めに入ってたんだよね。懐かしいなぁ?」
花丸「でも、もう善子ちゃんに監視係は必要ないみたい……」
ルビィ「そうだね。今の善子ちゃん、凄く幸せそうだし!」
ルビィ「良かったね!花丸ちゃん?」
花丸「・・・」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
花丸「えっ?あ、うん……」
花丸「マルもこれで良かったと思うずら。アハハ……」
ルビィ「……?」
9:
?放課後、下駄箱?
ルビィ「今日は雨だから、部活休みだね」
花丸「うん……」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
花丸「えっ?」
ルビィ「さっきから元気無いね?何かあったの?」
花丸「そ、そんな事ないずら!別にオラは普通ずらよ……」
ルビィ「ふーん……」
花丸「……あれ?」
ルビィ「どうしたの?」
10:
花丸「マルの傘が、無い……」
ルビィ「えっ?誰か間違って持ってっちゃったのかな?」
花丸「どうしよう……」
ルビィ「ルビィの傘じゃ、二人が入るにはちょっと小さいね……」
花丸「ううん。ルビィちゃんは気にしないで」
花丸「マルはどうにかして帰るから、大丈夫ずら?」
ルビィ「花丸ちゃん……」
善子「何してんのよ?ずら丸、ルビィ?」
11:
花丸「善子ちゃん……」
善子「ん?ずら丸、もしかして傘持ってないの?」
ルビィ「それが花丸ちゃんの傘、無くなっちゃったみたいで……」
善子「ちょっと待ってなさい。よいしょっと……」
花丸「それは?」
善子「予備に持ち歩いてる方の折りたたみ傘よ」
ルビィ「貸してくれるの?」
善子「そりゃ貸すわよ。友達が困ってるんだから」
12:
花丸「善子ちゃん……」
ルビィ「良かったね!花丸ちゃん!」
善子「いいわよ、別に」
花丸「このお礼は、今度必ずさせてもらうずら?」
善子「お礼って何よ?」
花丸「実は、今度新しくオープンした喫茶店なんだけど……」
モブ「あっ、津島さん!」
善子「ん?」
13:
モブ「もうみんな待ってるから、早く喫茶店に行こうだって!」
善子「ごめん、ずら丸。その話は明日聞かせてもらうわ」
花丸「あっ、うん……」
モブ「津島さん?何してるの?」
善子「ううん、なんでもないわ」
善子「じゃあね……花丸、ルビィ!」
ルビィ「バイバイ、善子ちゃん!」
花丸「バイバイ……」
14:
ーー
ルビィ「善子ちゃん、行っちゃったね」
花丸「うん……」
花丸「善子ちゃん、楽しそうだったずら……」
ルビィ「えっ?花丸ちゃん、何か言った?」
花丸「ううん、何でもない」
ルビィ「とりあえず、ルビィ達も早く帰ろう!」
花丸「うん?(段々雨が)」
花丸「(強くなってきた)」
15:
?翌日、昼休み?
花丸「(善子ちゃん、またあの娘と喋ってる)」
花丸「(昨日の喫茶店の事を話してるのかな)」
花丸「(それに善子ちゃんのあんな顔、初めてみた気がする)」
花丸「(でも、オラには別に関係無いし……)」
ルビィ「花丸ちゃん?」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「お昼、食べよう?」
花丸「……うん?」
16:
善子「ちょっと!ずら丸、私も混ぜなさいよ」
花丸「善子ちゃん……」
善子「……何よ?」
花丸「ううん、何でもないずら」
善子「ずら丸。なんか最近、ちょっと変よ?」
花丸「別に、オラは……」
善子「もしかして、体調悪いの?」
モブ「つーしーまーさんっ?」
19:
善子「どうしたの?」
モブ「これからみんなと屋上でお昼を食べるんだけど……」
花丸「・・・」
モブ「よかったら、津島さんも一緒に行かない?」
善子「あぁ、ゴメン!その話なら……」
花丸「……善子ちゃん」
善子「ずら丸?」
花丸「行ってあげたら?屋上に」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
善子「はぁ?ずら丸、何言ってんのよ?」
20:
花丸「折角だし。それに、みんな待ってると思うから」
善子「だって、いつもお昼は……」
ルビィ「そうだよ、花丸ちゃん……」
花丸「善子ちゃん、みんなといると楽しそうだし」
善子「・・・」
花丸「それにマルは、ルビィちゃんと食べるから大丈夫ずら?」
善子「ずら丸、それ本気で言ってるの?」
花丸「ううん。マルはそういうつもりで言ったわけじゃなくて……」
善子「……もういいわ」
ルビィ「あっ、善子ちゃん!ちょっと待って!」
花丸「・・・」
21:
?放課後、屋上?
果南「ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー……」
ーー
曜「ねぇ、千歌ちゃん?」
千歌「どうしたの曜ちゃん?」
曜「なんか今日の一年生組、元気無いと思わない?」
梨子「実は私も、ちょっと感じてた……」
千歌「う?ん?何かあったのかな?例えば……」
梨子「例えば?」
22:
千歌「返ってきたテストが赤点だった!とか」
曜「それは千歌ちゃんの事だよね。アハハ……」
梨子「たしか、今回は結構簡単な範囲だったハズよね……」
千歌「だって今日の星座占い、最悪だったんだもん!」プンスカ
梨子「しし座、12位だったわね……」
曜「いやいや、それは関係無いと思うよ……」
ドンッ!
千歌「あっ、花丸ちゃん!善子ちゃん!大丈夫!?」
23:
鞠莉「Oh?!二人とも大丈夫デ?ス?」
ダイヤ「少し休憩ですわ。練習のやり過ぎは良くありませんもの」
善子「イタタタ……」
花丸「ごめん、善子ちゃん……」
善子「・・・」
花丸「全部、オラが……」
果南「……ん?」
花丸「すみません、千歌先輩……」
千歌「へっ?」
24:
ーー
ルビィ「善子ちゃん、大丈夫だった?」
善子「うん。私は別に平気よ」
ルビィ「花丸ちゃん、途中で帰っちゃったね……」
善子「・・・」
ルビィ「具合悪いって言ってたみたいだけど」
善子「知らないわよ、あんな奴……」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「帰るわよ、ルビィ」
ルビィ「うん……」
25:
?翌日、教室?
ルビィ「(花丸ちゃん、学校休んじゃった……)」
ルビィ「(花丸ちゃんの席には誰もいない……)」
ルビィ「(やっぱり、いつもと違うのは……)」
ルビィ「(……)」
善子「おはよう、ルビィ」
花丸「善子ちゃん、おはよう」
善子「・・・」
ルビィ「・・・」
26:
ルビィ「花丸ちゃん、今日学校休みなんだって……」
善子「ふーん……」
ルビィ「善子ちゃんは……」
ルビィ「寂しくないの?」
善子「別に……」
ルビィ「そうなんだ……」
善子「・・・」
ルビィ「それと、善子ちゃんに渡したい物があって……」
善子「渡したい物?」
27:
ルビィ「これなんだけど」
善子「これ、この前ずら丸に貸した傘……」
ルビィ「昨日、花丸ちゃんから善子ちゃんに渡しといてって」
善子「・・・」
ルビィ「でも……」
善子「……?」
ルビィ「花丸ちゃん、言ってたよ」
善子「・・・」
ありがとう、って
28:
?空き地?
花丸「こうして焚き火を見ていると」
花丸「なんか心が落ち着くずら……」
花丸「でも、何でだろう?」
花丸「言葉で説明出来ない事って」
花丸「なんか神秘的ずら……」
花丸「って、前にルビィちゃんとそんな話をした記憶が。アハハ……」
花丸「ルビィちゃんは元気かな」
花丸「今頃みんな練習してるのかな」
花丸「それに……」
花丸「・・・」
29:
花丸「言葉で説明出来なくても」
花丸「相手に想いが伝わればいいのに……」
花丸「そうすればきっと」
花丸「こんな気持ちになる事もないのかな……」
花丸「でも、オラはもう……」
花丸「善子ちゃんの、監視係じゃないし……」
花丸「善子ちゃんには、善子ちゃんの……」
花丸「・・・」
善子「ずら丸。ここで、何してんのよ?」
30:
花丸「善子ちゃん……」
花丸「どうしてここに?」
善子「いいでしょ、何だって」
花丸「・・・」
善子「・・・」
善子「ずら丸、具合は大丈夫なの?」
花丸「それは……」
善子「まぁ、焼き芋焼いてる人に聞くセリフじゃないわよね」
善子「それと、私まだ……」
31:
善子「ずら丸と一緒に、お昼食べてないんだけど?」
花丸「・・・」ぎゅーっ
善子「……ずら丸?」
花丸「ごめんね、善子ちゃん」
花丸「マルのせいで、心配掛けちゃたずら」
善子「・・・」
花丸「マル……」
花丸「マルは、善子ちゃんの事が……」
善子「もう気にしてないわよ。それに、私も悪かったわ……」
善子「だから……」
善子「そういうの、やめなさいよ……」
善子「焚き火の火が……」
善子「消えちゃうじゃない……」
32:

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