【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」back

【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」


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*キャラ崩壊注意
2: 以下、
P「いやぁ、ちひろさん、聞いてくださいよ」カタカタ
ちひろ「何ですか?」カタカタ
P「昨日の夜、飲み会行ったじゃないですか?」
ちひろ「はいはい、行きましたねぇ。私とプロデューサーさんと楓さんの3人で」
P「楓さんが絡んできて大変でしたね本当」
ちひろ(…甘えてただけじゃないですかねぇ)
P「そうそう、それで、その帰り道なんですが……」
P「歩道橋の上にね、若い女性が立ってたんですよ」
----------------------------------------------------------------------------
3: 以下、
ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!こ、怖い話ですか?それ」
P「いやいや、そんなんじゃないですって!」
ちひろ「そんなこと言ってー季節的にもあれですし…」
P「まぁまぁ、それで、その人、歩道橋の上からじーっと地面をみてるんですよ。」
ちひろ「うわ」
P「この世の終わりって感じのオーラを纏ってて、今にも…飛び降り自殺しそうな雰囲気があって…」
ちひろ「うわ!うわうわ!」
P「もちろん、すぐに止めましたよ!だって、危ないですから!」
ちひろ「ほ。そ、そうですよね。良かったぁ」ッホ
5: 以下、
P「それで、どうして自殺なんか?って、聞いたら、その人、なんでも仲の良かった友達に借金押し付けられちゃったらしくて…」
ちひろ「わぁ…」
P「寒くないのにぶるぶる震えていて、あんまり気の毒だったんで。空いていたラーメン屋でついラーメンなんて奢っちゃって親身に話を聞いちゃって…」
ちひろ「へー、でも自殺を思いとどまらせるだなんて。良いことしましたね、プロデューサーさん」
P「ええ。それで酔った勢いで100万なんて大金あげちゃったんですけど…。間違ったことはしてなかったってことですねー」
ちひろ「っぶ!!?」
6: 以下、
ちひろ「ちょ、な、なに考えてるんですか!プロデューサーさん!!」
P「え?いやぁ、なんか、かわいそうでしたし。」
ちひろ「かわいそうでしたじゃないですよ!100万あれば、何個スタージュエル買えると思ってるんですか!」
P「いやでも、ほら、泣いてましたし…」
ちひろ「そんなのは、詐欺ですよ!詐欺!プロデューサーはまんまと罠にはめられたんですよ!」
P「えぇ!?」
7: 以下、
P「でも、嘘を付くような人には見えませんでしたよ?すごく気が小さそうな人で…」
ちひろ「そういう人に限って、平然と嘘をつくんですよ!」
?「あの…」
P「いや…でも…」
ちひろ「はぁ、もうすぐデレステは1周年記念まで控えてるっていうのに!失望しましたよ!みくちゃんのファン辞めます!」
?「あ、あの…」
P・ちひろ「あ、はい!」クル
?「あの、ここにPさんという方は居ますか?」
8: 以下、
ガチャ
凛「振り返らず事務所に行って?♪そしてプロデューサーにおはよ……」
美優「……」
P「……」
凛「」
凛(だ、誰あの人……!?)
ちひろ「り、凛ちゃん」
凛「……ちひろさん、あの人誰?プロデューサーの……何?」
ちひろ(ひぇ!)「えーっと、私にも詳しい話はわからなくって……」
凛「ふ?ん…」
9: 以下、
美優「き、昨日は、本当にありがとうございました」
P「え、あ、いやいや!どうぞお気になさらず!」
美優「……」
P「……」
P(……気まずい)
美優「あの、昨日のお金なんですが」
P「!え、ああ、昨日の、はい」
P(やっぱり悪いから、持ってきてくれたとか…?酔いが回っていたとは言え100万は常識的な額じゃないしな…)
美優「その、夕べ、家の前にいた借金取りに、そのすぐに持っていかれてしまって……」
P「あ、あ?そうなんですね」
P(まぁ、そんな甘くないかー…)
美優「はい、家も家具も、全て取り押さえられてしまっていて、それでも足りずに私も連れていかれそうになったのですが…」
美優「もらったお金のおかげで、どうにか、借金は返し終わったんです…」
P「そ、そうなんですか?良かったですね!」
美優「は、はい、本当に、ありがとうございます…!」
P(ま、まぁ人一人助けられたと思えば……良いのか?…そう思おう……)
10: 以下、
美優「それで、その、何かお礼をと思ったのですが…生憎、今は何も持ち合わせがなくて……」
P「べ、別に良いですよ!気にしなくて!」
P(まぁ無一文だし、何か返せって方が難しいだろう…)
美優「す、すみません」
美優「……私、もうどこにも行く当てもなくて……ふと、昨日、あなたが私に名刺をくださったのを、思い出して夢中でここに…」
P「……え、ええ」
P(なんか、渡したような…渡してないような…)
美優「それで、その、本当に…あの…」ジワ
P「あ、はい。大丈夫ですから!言葉をつづけてください、み、美優さん?」
美優「!は、はい…あの。昨日、Pさんが行く当てがないならウチでアイドルをって、あの……すみません……」
P「」
美優「行く当てなんて、ない私にも…ちゃんと、その道が…」ジワァ
P(お、重い……)
美優「ぐす、でもやっぱり、こんな、すみません、すみません……それに、こんな私がアイドルなんて…」 プルプル
P「あー!えっと三船、美優さん、でしたよね!」
美優「!は、はいそうです!」
P「行く当てがないなら、今日から、俺と一緒にトップアイドルを目指してませんか!?目指せアイドルマスター!なんて…」
美優「……!!?」
P「あの、美優さん?」
美優「……」ポロポロ
P「ちょ、美優さん!?」
美優「す、すみません、嬉しくって、私……」 グス
P(だ、大丈夫かなぁ)
12: 以下、
P(まぁ、でも、すごく綺麗な人だし、アイドルとしてはやってけそうだなぁ)
P「美優さん、ほら、泣かないでください。綺麗な顔が、台無しですよ」ハンカチ
美優「!!……ぅ、ううわああ!」ギュ
P「うわ……よしよし、大丈夫ですから。」ナデナデ
凛「!?ちょ、あんた…ふざけたことやってんじゃ…」
ちひろ「やめろ!凛っちゃん!」
凛「離して!ちひろさん!じゃないと私…」
ちひろ「いいえ、離しません!一体ナニをする気ですか!」
ちひろ(それにしても、プロデューサー……その女性は本当に信用できる方なのでしょうか…?)
13: 以下、
-レッスンスタジオ-
凛「ほ、っは!」
美優「はぁ…はぁ………」
P(とりあえず実力を見るためにレッスンをつけに来たけれど…)
P(やっぱり、いきなりダンスなんて厳しいかな。どうもつらそうだし…)
美優「」フラフラ
P「あ!危ない!美優さん!」ガシ!
美優「あ…」
P「大丈夫ですか?どこか、気持ちが悪いですか?」
美優「い、いえ、あの……」
ぐぅ?
美優「///」
P(す、すごい、お腹の音だ…)
P「えーっと。美優さん、どうやら、俺すごくお腹がすいてるらしくて…、今から昼食でも行きませんか?」
美優「え、でも、今のは………」
美優(わ、私の……)
P「では、行きましょう。何か食べたいモノはないですか?」
美優「あ、あの、私は、なんでも…//」
バタン
凛「……」
凛(まぁいいけど…)
ガチャ
P「おーい。凛は一緒に行かないのかー?」
凛「!い、行く!」
凛(まぁ、いいけど!)
14: 以下、
-事務所(夕方)-
P「とりあえず、まぁ、アイドルってこんな感じですねー」
P(まだダンスも歌も素人っぽさがあるけれど、呑み込みが早いし、もしかすると……)
美優「はい、ありがとうございます。…でもやっぱり、私には…」
P「何を言ってるんですか。今日一日で、間違いなく美優さんは才能があると確信しました」
P「これからも、一緒に頑張りましょう!」
美優「は、はい!」ニコ
P「あ!その笑顔!…すごく、素敵ですよ」
美優「え、あ…///」カァ
P「…さて、じゃあ、そろそろ上がってもらって大丈夫ですよ。明日は…」
美優「……」
P(ん?帰って良いって言ったのに、俯いてあんまり…あ!そうか。家もお金もないのか!)
P「あー、いや、美優さん、一緒に帰りながら話しましょうか」
美優「え?」
P「まぁ、汚いところですが、うちでよければ来てください」
P(数日もすれば多分、自分からどっかに出て行くだろう。女性だし)
美優「で、でも、そこまでしてもらうと、私、何も、返せなくて…」 オロオロ
P「じゃあ、トップアイドルになって、いっぱい俺を楽させてください。えーっと」チラ
美優「あう……」
ちひろ「はいはい。良いですよ?。後は任せてください」
P(すみません、ちひろさん…今度何か奢りますね)
ちひろ(期待してます。はぁ、しょうがないですねー…本当)
P「じゃあ、行きましょうか。美優さん」
15: 以下、
-デパート(洋服コーナー)-
美優「あの…ここは」
P「ああ、いや、ちょっとアイドルとして必要なことを忘れてまして」
美優「必要な…?」
P「美優さん、ここで、服を買ってきてください。パジャマとか、普段着とか、4着くらい。」
美優「え?」
P「良いですか、これは服のセンスを見るレッスンですからね。ちゃんと、値段とかより自分に合うものを選んでくださいね」
美優「でも、そんな…」
P「歯ブラシとか、化粧品のセンスも見たいですね……じゃあ、はい、これだけお金を渡すんで、後1時間で選んできてください!!」
美優「えぇ!?あの、あのこんなに」ワタワタ
P「じゃあ、俺は、そこのフードコートで寝て待ってるんで、終わるまで、来ちゃだめですよ」
美優「あ……」
美優「P…さん…」
16: 以下、
P(はぁ、流石に財布が寂しくなったなぁ……)
P(まぁでも…今は生活が苦しいだろうし。彼女の生活が軌道にのるまでは…)
美優「あの、Pさん、お待たせしました」
P「あ、ちゃん買ってきましたか?」
美優「は、はい」
P(結構大き目の袋を二つ持って現れた美優さん。ちゃんと服は買ってくれたようだ)
P「じゃあ、後でちゃんとチェックしますよー。あ、夕飯はここで食べてしまいましょうか。」
美優「はい。あ、お釣りを…」
P「それは…今日の給料ってことで」
美優「え、でも、今日は別に…」
P「それより、何食べますか。俺、こういう所のカルビ丼みたいなの好きなんですよねぇ」
美優「あ、う……えっと、私は……Pさんと同じものを…」
P「え、大丈夫ですか?俺カルビ丼食べますよ?」
美優「えっと、あの、はい…」
P「…」
17: 以下、
美優「うぅ…」
P「大丈夫ですか?ちゃんと自分に合うものを食べないと…」
P(結局全部食べられずに、オレが半分ほど食べることになってしまった…。食が細いのは昼になんとなくわかっていたが……)
P(それは良いとして……)
美優「す、すみません、すみません」
P「美優さん、大丈夫ですから」
美優「……ぅ」
P(彼女は何かに怯えているようで……やっぱり不安なのだろうか)
P「ほら、ここが俺の家ですよ。あんまり綺麗なところじゃないですが…」 チャラ
美優「そんな、全然……本当に、すみません…私…」
P「…」
ガチャ
P「ただいまー」
美優「え」
P「いや、中には誰もいませんよ。だから、そういう時は、美優さんがただいまとか、おかえりって言ってくれたら嬉しいですね」
美優「あ…えっと、すみません…」
P「美優さん」
美優「あ、た、ただいま…」
P「はい。じゃあ入り……あ、いや!ちょっと待ってくださいね!?」
P(な、なんかまずいものとかでてなかったか!?…ああぁ、結局締まらないなぁ俺って…)ドタドタ
P「うわ!しまった…」ガン!
P「いひ!?こゆ!こゆぅ……あっ…ちょ、ちょっと待っててくださいね!」ドンガラガシャーン
バタン
美優「くす………変わった人…」
美優(でも、本当に…)
18: 以下、
-自宅(朝)-
P「…ん…」
P「しまった、今何時だ!?」ッバ
P「…朝7時…、うーん、寝すぎたか…」
P(昨日、美優さんは色々な疲れが溜まっていたのか、お風呂に入り、続いて俺がシャワーを浴びて出てくるとソファで横になって眠ってしまっていた)
P(なぜか、俺のシャツを抱いて……)
P(仕方がないので、そのまま俺の布団に寝かせて、俺はソファで寝ていたのだが……)
P「美優さんの朝ご飯を買いに行かないと……あれ?なんだ、うまそうな匂いが…」クンクン
美優「あ、おはようございます。Pさん」ポニテエプローン
P「え、あ、はい、おはよう…ございます」
P(誰だこの美人…!?)
19: 以下、
美優「すぐに支度ができるので、待っていてくださいね」
美優「着替えのシャツは、そこに…アイロンがあったので、使わせていただきました…すみません」
P「あ、いえ」
美優「そうだ、Pさん。トーストはジャムとバター、どちらがお好きですか?」
P「え、あ、マーガリンで…」
美優「はい!」
パタパタ
P「……」
P(だれえええええ!?)
20: 以下、
P(なんだ、あの美人!?昨日の美優さんも確かに綺麗だったけど、なんか、ええええ!?)
P(すんごいキラキラしてる…)
美優「?♪」
P「…鼻歌聞こえてきた、可愛い」
P(って、一応、俺と彼女はアイドルとプロデューサーじゃないか)
P(何考えてるんだ、一体……)
美優「Pさん、ごはん出来ました?!」
P「可愛い…」
美優「え!?あの//」
P「あ、いや、なんでもないです!」
21: 以下、
P(うお、三角形のトースト!ふわっとした感じのオムレツ!程よく健康を考えられたサラダ!)
P(なんじゃこりゃああ)
美優「すみません、勝手に台所をお借りして…でも、何か少しでもお役に立ちたくて」
P「そんな、大助かりですよ!美味しそうだなぁ」
美優「そ、そうですか?」
P「はい、では、いただきまーす。……お!サクサク!それに、オムレツもふわっふわ!うまい!」
美優「ふふ、こんなの誰が作っても同じですよ…」
P「いえいえ、美味しいですよ!それに、普段は惣菜とか、慌ててると食わずに出てきちゃいますから、まともな朝食なんて久々で」パクパク
美優「そうなんですね…」
美優「……よかった、気に入ってもらえて…」ホッ
22: 以下、
P(スーツもパリパリ)
美優「あ、Pさん、寝癖が…」
P「あ、すみません」
P(普段凛に怒られながら直してもらう寝癖まで梳いてもらい)
美優「ネクタイも……」シュルシュル
P(ネクタイまで綺麗に締めてもらって…て、ちか!?…良い匂い…!?)
美優「はい…もう大丈夫です」
P「あ。ありがとうございます。その、では行きましょうか」
美優「はい」
P(表情が昨日に比べて数段柔らかい、嬉しいことなんだけど…)
美優「……」ジー
P(理性がやばい!)
美優(Pさん……)
23: 以下、
-事務所-
美優「お、おはようございます」キラキラ
ちひろ「」
凛「」
ちひろ「ちょ、プロデューサー!?美優さんに、何かしたんですか!?」ヒソヒソ
P「ま、まさか、そんなことないですよ!大体、俺と彼女はプロデューサーとアイドルですよ!」ヒソヒソ
P「どうやら、化粧をしたみたいで…なんせ、この前のはすっぴんだったらしく……あ、今も薄化粧ですが…」ヒソヒソ
ちひろ「ひええ、この前のがすっぴ!?…いやいや、でも昨日と今日とで別人じゃないですかー!?」ヒソヒソ
24: 以下、
凛「ん?……プロデューサーの匂い…美優さん一緒の車で来た?」
美優「え、あ、はい」
凛「ふーん…」クンクン
凛(この匂い、車だけじゃなくて、もっと強い匂いな気がする、でも直接って感じじゃないね…)クンクン
美優「あ、あの…」
凛「…ま、良いけど…」クル
P「ど、どうしたんだ、凛」
凛「別に。それより、今日は雑誌の撮影でしょ。早く行こうよ」
P「お、おう。わかった」
P(まだ凛は心を開いてくれてないのかなぁ、俺に対するアタリがキツイよなぁ)
凛(今日は寝癖が付いてない…ネクタイも曲がってない…)ショボン
凛(!あ、肩に……ご「あ、Pさん、肩にゴミが…」 …!?)
P「わ、ありがとうございます」
凛(先を越された…!?いや、まさか寝癖もネクタイも全部美優さんが…!?)
P「な、なんか、照れちゃいますね」
美優「え?あ!?」
美優(ち、近い…)カァ
凛(……これは、もしかしなくても…)
美優「?」
凛(私の正妻としての地位が危うい……?)
25: 以下、
-事務所(午前11時)-
奈緒「…おはよ…Pさん…ふわーあ」
P「おー、おはよう奈緒。ん、お前また遅くまでアニメ見てただろ。」カタカタ
奈緒「な、み、みみ、みてねぇし!」
P「ははは、奈緒はわかりやすいなぁ。でも、あんまり寝不足が続くと肌が荒れるから、ほどほどにな」
奈緒「う、うん…気をつける…」
奈緒(ん……?)
凛「」ジロ
奈緒「ひっ」
奈緒(り、凛のやつ、なんでソファからPさんのことにらみつけてるんだ!?)
27: 以下、
凛「あぁ、奈緒。おはよう」クル
奈緒(あれ、いつもの凛に戻って……)
凛「…」ジロ…
奈緒(ま、またPさんのこと睨み始めた……ファイヤーかよ、こいつ…)
P「……」カタカタカタ
P(凛がめちゃくちゃこっちを睨んでくるうう!!!)
32: 以下、
>>27
この凛ちゃんつついてくるんですか下さい!
35: 以下、
>>32
そんなお前への周囲のこころのめは絶対零度だよ
30: 以下、
凛(……目と目が合う……)
P「…」チラ
凛「!」ギラリ!
凛(瞬間にー好きだと―……ってね……ふふふ)
凛(私とプロデューサーレベルになれば、目を合わせるだけで会話できるよ。格の違い?ってやつ)
凛(例えば……)
凛(プロデューサーいつもありがとう!)ッジ
P(り、凛……)
P(俺を何秒で殺せるか、シミュレーションしてるのか……?)ガタガタ
31: 以下、
凛(中々こっち向かない……まだまだ私の愛が、足りないのかもね)
奈緒(とかなんとか思ってんだろうなぁ……凛のやつ…)
美優「あ、あの」
奈緒「へ、ほあ!?」
美優「あの、ど、どうも初めまして…あの、み、三船美優と申します…。昨日から、この事務所専属のアイドルになりまして…」
奈緒「え、あ!えっとあの、か、神谷奈緒っていいましゅ」
奈緒(うわー、綺麗な人だなぁ。…でもアニメの話は出来なさそうだなぁ)
美優「あ、こ、こちらこそ、よろしくお願いします。奈緒さん」
奈緒「な、奈緒さん!?な、奈緒で良いですよ!年上だし…」
美優「え、えっと、で、ではその、奈緒ちゃんで…」
奈緒「う、うん」
奈緒(なんか、この人とは波長が合いそうだなぁ?、優しいひとっぽいし…)
凛「……」
33: 以下、
美優「Pさん、お茶をお持ちしました」
凛「…」ジー
P「お、ありがとうございま…「はい、ストップ」!?」
ズンズン
奈緒(り、凛のやつ、Pに出されたお茶をもって、今度は何を……)
凛(ふぅん…緑茶ね。プロデューサー、眠くなっちゃうから砂糖多めのコーヒー派なんだけど)ズズ
凛(…熱すぎず、温すぎず…調整したね……まぁまぁって、とこかな)ズズ
凛「……」ズズ
凛(とまらない!?)ズズ
P「俺のお茶……」
凛(え、なにこのお茶)
34: 以下、
凛(ほっとするような香りに、どこか、安らげる風味……)
凛(甘いと思えば、お茶特有の苦みが癖になりそうな…)
凛「このお茶を作ったのは誰!?」
美優「わ、私です」
凛「ど、どうやって?」
美優「え、えっと、ジャスミンティーとほうじ茶をブレンドして…」
凛「へぇ……でも、それだけで、この味は出せないよね?」
美優「そ、それは…」チラ
P「?」
美優「///」
凛(愛情が隠し味ってか!?くわぁ!!)
36: 以下、
P「ふぅ、じゃ、そろそろ、外回りに行ってきます」
美優「あ、はい、行ってらっしゃい……//」
奈緒「!お土産、その」
P「ポケモンチョコエッグだろ、わかってるよ。じゃ、行ってきます」
バタン
凛(チャーンス!)
凛「さ…てと」ガタ
美優「?どうしたんですか」
凛「別に、ちょっとね」
ガサガサトントン
凛「はぁ?!全く、だらしのないプロデューサーで困るよね。ほら、デスクもこんなに汚いし?」
凛「定期的に私が整理しないと、すーぐこのざま」
凛「ま、ちょっとはお世話に?なってるわけだし?綺麗にしておいてあげようかなーって」
美優「…あ、おそうじですか?なら、私が…」
凛「……え?……い、いやいや、いいよ、美優さんが別にこんなことしなくても」
凛「プロデューサーのデスクだよ?男の人のデスクなんて基本、不潔だよ?」
奈緒(Pさんより凛の方が座ってることが多いけどな、そのデスク……)
美優「いえ、私、出来ることなら、なんでもあの人のお役に立ちたくて…」
凛「へ、へぇ……じゃあ、頼もうかな」
奈緒(あーあ、負けた。素直になれよな、いい加減……)
凛(お前が言うな)
奈緒(!?こいつ、直接脳内に……)
37: 以下、
キラキラキラ
美優「おそうじ、終わりました」
凛「」
奈緒「すげー!デスクや床までピッカピカだ!」
美優「そんな、私は普通に……」
奈緒「え、あれ、何だ?こんな小物入れあったっけ?」
美優「あ、それは……ティッシュの空箱で……」
奈緒「おお、すごい……」
凛「……」ツツー
美優「……」ドキドキ
凛「……ふ、ふーん?まぁまぁ、かな」
美優「…ッホ」
凛(ま、今日のところは引き分けかな?)
48: 以下、
-レッスン場-
加蓮(遅いなぁ、プロデューサー)
加蓮(凛も奈緒も事務所に行ったんだ……私もプロデューサーと一緒に来ればよかった…)
加蓮「ふぅ……」
-----------------
----------
------
加蓮『はぁ?アイドル?アタシが?』
P『ティンときたんだ!君なら、間違いなくトップアイドルを目指せる!』
加蓮『胡散臭いなぁ……大体さ、もし仮にアイドル?をやるとしても、アタシって体力とか根性とかそういうのないから、向いてないと思うよ。諦めなよ』
P『いや、絶対にトップアイドルになれる』
加蓮『……根拠は』
P『可愛い』ジッ
加蓮『ば、馬鹿じゃん!?』
49: 以下、
---------------
---------
----
加蓮「ふふ、でもそんな言葉一つでアイドルやっちゃってるんだから……アタシも馬鹿なのかも…」
ガチャ
P「おー加蓮、早いなぁ」
加蓮「!おそい…!プロデューサーが遅いんじゃん!」
P「すまんすまん、ちょっと事務所でくつろぎすぎた」
加蓮「もう、いつもは、加蓮はもっとやる気出せって言ってたのに…」
P「面目ない……それにしても、最近の加蓮はやる気十分だな」
加蓮「そう?」
P「ああ、昔はすぐにレッスンをさぼろうとして、ちょっとキツイことがあると…」
加蓮「あー!もう、何時の話してるの?…でも、ふふ、一緒にレッスンさぼってたあの頃も楽しかったね」クス
P「そうだな、また暇が出来たらさぼりにいくか?」
加蓮「あはは、休みの日だったらさぼりじゃなくてデ…」
P「デ…?」
加蓮「///」カァ
加蓮「な、なんでもない!!」
P「??」
50: 以下、
加蓮「それよりほかのみんなは?」
P「ああ、もうすぐ着替えて…」
ガチャ
奈緒「それでさ!それで、そのときのプロデューサーの顔ったら…なぁ凛」
凛「うん…あの時はおかしかったね」
美優「ふふふ、そうなんですね」
凛(……美優さん、聞き上手……!?あの人見知りの奈緒がこんな短時間で…)
加蓮「わ、すごい美人。新しいアイドルの人?」
P「あぁ、昨日からアイドルになった三船美優さんだよ」
加蓮「へぇ、私も挨拶してこよっと」 タッ
P「仲良くしてやってくれよー」
P(…良かった、美優さんもみんなとすぐ馴染めそうだ。そろそろ年の近い楓さんもくるし…)
P「もう何にも心配ないな!はははは!」
51: 以下、
2週間後
P「ただいまー」
美優「あ、おかえりなさい、Pさん」
P(バッグを受け取り、スーツの上着を脱ぐのを手伝ってくれる美優さん)
美優「Pさん、今日は暑かったですしお風呂から入りますか?」
P「え、えーっとはい、では、お風呂を…」
美優「はい…あ、今日はPさんの好きなカツカレーにしてみました」
P「本当ですか?嬉しいなー」
美優「でも、お風呂はちゃんと浸からなきゃダメですよ。ふふ」
P(……あ、あれ?)
52: 以下、
-公園(夜)-
P「ふぅ……」
P「とりあえず、アイスを買いに行くと言って外に出てきたのは良いものの」
P「これからどうしよう……」
P(美優さんが家を出ていく気配がない……!)
P(それどころか、最近、部屋は綺麗で飯は美味い。おまけに、美優さんの私物もどんどん増えて……!)
P(しかし、あそこまで元気になった美優さんに、そろそろ家を出る気はないかとも言えないし…)
P(かといって、このままアイドルとプロデューサーが一緒に住んでるってのはもっとまずいし……)
P(どうしたものか……)
P「はぁ……」
?「あー、何かお困りなのでございますですか?」
P「ん?」
ライラ「わたくしライラさんと申しますです。困った人は助けますです」
53: 以下、
P(ちかちかと壊れた街灯の下にいたのは金色の髪をした、褐色肌の少女だった)
P「ライラさん?」
ライラ「わたくしライラさんですよー」
P(片言の日本語、埃っぽい服……)
P「ライラさん、もう暗くて危ないから帰ったほうが良いよ」
ライラ「?ライラさんの家はすぐそこなのですよー」
P「そう?じゃあ、気を付けて帰…」
ライラ「ほらーあそこが今のライラさんのお家ですねー」
P「!?」
P(そう言ってライラさんが指さした方向を見ると…そこには公園の…穴の開いた遊具があった…)
54: 以下、
ライラ「この前までアパートに住んでいたのですがー」
ライラ「オオヤサンという人にお家賃が払えなくて追い出されたのですよー」
P「え……」
ライラ「あそこは雨も風もしのげるし、お家賃も要らないので…」
ライラ「ライラさんはあそこが気に入っているのでございますよー。でもちょっと寒いですねー」
ライラ「それより、何か困ってますか?困ったはよくないでございます」
P「」ブワ
55: 以下、
-P宅-
美優「…」カチャカチャ
美優(私、このままここに居たらダメなんでしょうね…)
美優(Pさんを…、困らせてしまってる…)
美優(だけど、こんなに居心地が良い場所は…)
P『ただいま、美優さん』
P『おかえり、美優さん』
美優(こんな、幸せな毎日は生まれて初めてで……)
美優(…私………)
ガチャ
タ、タダイマー
美優「!」パァ
美優「あ、おかえりなさい、Pさん。遅かったですね、心配し…」
ライラ「オー綺麗な人ですねー。わたくしライラさんですよー」
美優「」
56: 以下、
美優「P、Pさんこちらの方は…?」
P「え?っと……ライラさんですよ?」
ライラ「ライラさんですよー」
美優(ま、まさかPさん…隠し子?それも…すごく訳ありな匂いがするわ……)
美優(…でも…)チラ
ライラ「?」
美優「…」ナデナデ
ライラ「お?お?」
美優(この子……昔飼っていたゴールデンレトリバーに似てる…)ナデナデ
ライラ「頭を撫でられるとふわふわですねー」
P(よくわからないが、美優さんはライラさんを受け入れてくれたらしい。)
57: 以下、
ライラ「久々に暖かいお風呂、ライラさんもサッパリですねー」
P「お、さっぱりしたのか、湯上り美人になったなーははは」
ライラ「ユアガリサンですねー」
美優「ライラさん、ちゃんと髪は乾かしましょうね?ほら、ここに座って」
ライラ「おー…ドライアーはすごいでございますですねー」ゴォー
美優(……少し痛んだ髪と肌。腕には擦り傷のようなもの……Pさんは多分……)ゴォー
59: 以下、
P(うーむ、明るいところでさっぱりしてみると、中々の美少女だ)
P「ライラさん、お風呂上りにアイスでも食べる?」
ライラ「アイス?食べていいのです?でもライラさん、お金ないですよー」
P「お金もお家賃もこれからは気にしなくていいよ」
ライラ「?」
P「お家賃ならその体で払ってもらうからさ」
美優「!?」
ライラ「おー、ライラさんでもできることなのでございますか?」
P「ああ、ライラさんにしか、出来ないお仕事さ」
ライラ「それは素敵でございますですねー」
美優(か、かかかか、身体!?保護したのではなくて、堂々と連れ込んで……!?)
60: 以下、
ライラ「…すぅ、すぅ」
P「…おやすみ、ライラさん」
ぎぃ…バタン
P「ふぅ…」
美優「はい、プロデューサーさん、お茶を、お入れしましたよ」コト
P「あ、ありがとうございます…」
P(…微笑んでいるのに、なぜか、美優さんから凄まじいプレッシャーを感じる…)
美優「……その、聞かせてくれますか?」
P「……実は……」
-------------
--------
-----
61: 以下、
美優「そうですか、公園で……」
P「まぁ不幸中の幸いで、食べ物には困っていなかったようです。公園に来る人から定期的に何かもらっていたらしくて」
美優「でも、16歳の女の子が一人でそんな生活は…」
P「はい、なので彼女には、アイドル候補生として、住み込みで家で働いてもらうことにしました」
美優「……アイドル…」
P「彼女、才能があると思います。人に喜んでもらいたいと言う、アイドルに一番大切なことを知っています。」
P「まだ、自分がそのつぼみを花開かせられるかわかりませんが」
P「彼女の魅力をもっとほかの人に伝えたいと、そう思えました」
美優「…」
美優(まっすぐな目……ただでさえ、担当アイドルが多くて、私に隠れてドリンク剤を毎日飲んで、倒れそうなくらい忙しいのに…)
美優(…でも、そうなると、流石に、私までこの家に厄介になるわけにはいきませんね…)
美優(アイドルにと言われたのも、私に行く当てがなかったからで……)
美優(ここが…潮時なのかもしれません…)
62: 以下、
P「もちろん、自分が輝かせたいのはライラさんだけじゃないですよ」
美優「え?」
P「凛や、加蓮も、奈緒だってそうですし」
P「美優さんだってそうです」
美優「私…ですか?」
P「美優さんは、自分が流されやすくて、面白くない人間だとよく言っていますが…」
P「それは違います」
P「美優さんは優しすぎるので人の意見を尊重してしまうんですよ」
美優(違います、私は、人が嫌われるのが怖くて…)
P「周りをよく見ていて、人の話をよく聞いていて…」
美優(それは…)
P「料理もおいしくて、毎日楽しみになってしまいましたし、」
P「何より、ふとしたときに見せる笑顔がとても素敵だ」
美優「…あ」
P「美優さんの素敵な笑顔は本当に綺麗なんですよ。そんな美優さんのたくさんの魅力を、日本の人に、いや、世界中の人に知ってもらいたいんです」
美優「……!」
P「美優さん」
美優「は、はい!?」
P「これからも、一緒に(トップアイドルへの道を)歩んでいきましょう」
美優「…!」 ブワ
美優「はい……喜んで!!」
63: 以下、
P「と、ところで美優さん」
美優「は、はい、何ですか?」
P「えーっと、ライラさんも増えたことですし、その……」
P「美優さんと一緒に、(美優さんの)新しい家を探しに行きたいと思っているんですが……」
美優「え?」
美優(わ、私と新しい家まで?それって……)
P「い、いや、今すぐというわけではないのですが、ここに3人住むと言うわけにはいかないですし……」
美優「そうですね……将来の事を考えると……」
P「わかっていただけますか!?じゃあ、早日にちを決めて……」
P(よかった!色々とあったが、美優さんもようやくわかってくれたか!)
P(この人、自分がどれだけ魅力的か自覚していないから困るんだよなぁ)
P(でもこれで安心だ!新しい家を探してあげないと!)
64: 以下、
-不動産屋さん-
P(今日は美優さんの新居探しだ!)
P(すぐに決めて、ちゃっちゃと出てってもらおう)
不動産屋「ニコニコ」
P「へー色々あるんですねー」
P「あ、美優さん、この部屋なんかどうですか」
美優「この部屋ですか?あ、あの、どうせ引っ越すならもう少し広い方が良いかもしれません…」
P(うおう、美優さん意外に住宅にこだわるなぁ…)
美優「あ、この家なんてどうでしょうか。キッチンも綺麗だし、憧れます」
P「え?」
P(デカ!?確かにキッチン綺麗だけど、さ、流石に部屋4つはいらないんじゃ!?てか、たか!!美優さん一人が住むにはいろいろと…)
不動産屋「良いかもしれませんねー、ここは日当たりもよくてベランダも大きいですし」
P「え?」
美優「そうですよね。素敵な部屋だと思います」
P(ええ?俺の感覚がおかしいのか?)
不動産屋「今急ぎで入居者を探している関係でお安いんですよー。でもこれを逃したら…」
美優「Pさん…」
P「そ、そうですか?うーん」
P(まぁ、最近、彼女は慣れないグラビアの仕事などにも出てくれているし、将来的に大物になると考えて……)
P「じゃあ、ここにしてもらいましょうか」
65: 以下、
-新居-
美優「Pさーん。今日はしょうが焼きとなめこのお味噌汁ですよ」
ライラ「なめこさんはぬめぬめでございますねー」
P(美優さんと不動産屋に行って住む場所を探していたら)
P(いつの間にか3人まとめて大きなマンションに住んでいた)
P(何を言っているかわからないだろうが俺にもわからない……)
ライラ「P殿、後で宿題一緒にやりますです」 モグモグ
P(いや、でも思い返せば俺の言い方がよくなかったか?)
美優「ライラさん、口元にタレが……」フキ
ライラ「ありがとう」ペコ
美優「!?」
P(ま、まぁ、もうしばらくならいいか……仕事が軌道に乗り始めたら自分から引っ越すと言い出すだろう…)
66: 以下、
P(……これ以上状況が悪くなることもないしな!)
67: 以下、
-車-
P(トライアドプリムスの3rdライブ……今日は、ライラさんも見学として連れてきていた)
P「いやぁ、みんな今日もご苦労様」
奈緒「うん!あ?今日のライブは、しんどかったな?……でも気持ちよかった?!!」
加蓮「そうそう、奈緒が途中のトークで噛み噛みになっちゃって!」
凛「……ふふ」
奈緒「な、なんだよ?!加蓮だって、歌詞間違えてたけど、慌てて踊りでごまかしたろ?」
加蓮「あ、私はああいうアレンジも良いかなって思っただけだから!ね、凛」
凛「うん。二人とも、ライブならではって感じで、お客さんは喜んでくれてたよ」
P(……やっぱり凛ってクールだなぁ、3人の中じゃ年少なのに、一番クールな気がする)
奈緒(普段からあの調子なら、正妻(笑)にならないのになぁ?)
P「ライラさんはみんなを見ていてどうだった?」
ライラ(助手席)「そうですね?。みんなキラキラで楽しかったでございますです」
ライラ「でも一番は、ウチアゲのお持ち帰りでしたねー」
P「そうかー。でも、ライラさん。今練習してる新曲が出来て、レコーディングが終わったら、次はライラさんがステージに立つ番だぞー」
ライラ「オー。ライラさんもですか。お金もお持ち帰りもがっぽがっぽですねー」
P「ははは。まだ難しいかもなーでも、そうなるように頑張ろうなー」ワシャワシャ
ライラ「オー…。アイスもハーゲンですよー」
凛(…ライラさん、そこ変わって)
68: 以下、
P「じゃあ、今日も家が近い順に送ってくな」
加蓮「はーい」
奈緒「そういえば、ライラって今どこに住んでるんだ?」
ライラ「P殿のお家ですねー」
奈緒「へー!……え!?」
キキィ!
P「……」
凛「……」
奈緒「……」
加蓮「……」
ライラ「ライラさんはP殿の家でぬくぬく生活してますよー」
69: 以下、
凛「……どういうこと?」
P「っひ、あ、いやーその?」
奈緒「なんか事情があるんだろ?なぁPさん」
P(!奈緒良いこや……)「ああ、実は……」
-------------
-----------
----
70: 以下、
P「ということで、ライラさんは俺の家に来たのでした」
P(どうにか、美優さんが居ることは省いて説明できたぞ)
奈緒・加蓮「」ブワ
奈緒「そ、そうだったんだな?、大変だったんだな?ライラ?」ワシャワシャ
加蓮「うぅ…ぐす、今度マック食べにいこう!そして、お洋服買いに行こう?」ナデナデ
ライラ「?よくわかりませんが、ライラさんは幸せ者ですねー」
凛「でもそれって、プロデューサーの家に住む必要なくない?」
奈緒「ライラ―、ぷにぷにだなー」
加蓮「さらさら―」
ライラ「おー、くすぐったいでございますです」
凛「……でもそれってプロデューサーの家に住む必要なくない?」
P「お、お前ら運転中にあんまり手を伸ばしてくるなよー」
奈緒「ごめんごめん、そうだ、ライラ、スマホもってないのか?」
ライラ「スマホ?」
凛「でも!それってプロデューサーの家に住む必要なくない!?」
加蓮「Pさん、買ってあげなよー。女子高生がスマホ持ってないなんてありえないよ?」
P「え、ああ、そうだったな。ちょっと盲点だった…」
加蓮「じゃ、今度みんなで買いに行こう?ふふ」
凛(プロデューサーの家えええええええ!!)
71: 以下、
凛(大体、プロデューサーの家に一緒に住むなんてことになったら)
----------
----
--
P「ただいまー」
凛「おかえりなさい。今日も遅かったね」
P「あ、もう寝てて良いって言ったのに…ありがとう凛」シュルシュル
凛「良いよ、別に」
凛「そうそう、今日はPの好きなカルビ丼だよ」
P「お!楽しみだなー」
凛「普段頑張ってくれてるからね。たまには…ね」
P「はは、凛は本当にいいお嫁さんになるなー」
凛「…え?」
P「俺、凛みたいなお嫁さんがほしい……」
凛「あ、ちょっと、Pさん……お隣さんに聞こえちゃう…!」
P「聞かせてやればいいんだよ、凛のネバーセイネバーをさ」
凛「Pさん…!」
---------
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---
凛(ふぅん、ま、悪くないかな?)
P「凛ー、ついたぞ…」
凛「あ、うん?ここ私たちの家じゃないよ?」
P「どうみてもおまえんちの花屋だよ」
奈緒(まーたトリップしていたのか…)
72: 以下、
-事務所(夜)-
P「……」カタカタカタ
P(それにしても、うちの会社も相当ブラックだよなぁ)
P(トライアドプリムスに、楓さんと言った人気アイドルをはじめ…)
P(ライラさんや美優さんという今までにないタイプの新人アイドルが伸び始めて仕事も忙しいのに…
ちひろ「…」カタカタカタ
P(俺とちひろさんしか事務所にいないって……いくら彼女が優秀でもいつか倒れてしまうぞ)
P「ちひろさん、そろそろ上がった方が良いんじゃないですか?定時はとっくにすぎてますよ」
ちひろ「いえ、キリが悪いのでもう少しだけ…」カタカタカタ
P「何言ってるんですか、30分前も同じこと言ってましたよ?」
ちひろ「え?あれ?そうですか?」
P「無理しないでくださいよ?。俺、ちひろさんに倒れられたりしたら……困ります」
ちひろ「え…」ドキ
P(居なくなられたら仕事が回らない…)
ちひろ「あ、あの!ではお先に失礼いたします!」
P「はい、お疲れ様です」
バタン
P「はぁ……新しいアイドルより社員を増やさないと……」カタカタ
73: 以下、
-事務所(夜中)-
P(さて、仕事もあと少しか……)カタカタ
P(コンビニに夜食でも買いに行くか…)ギィ
P(ん?3時間前にライン…?)
P(…美優さんからだ、今日は帰ってこれますか?…か)
P(今日は、無理そうですと……うわ、すぐ既読がついた)
P(無理なさらないでください、か…心配かけてしまったなぁ。帰ったら、謝らないと…)ゴソゴソ
ガチャ 、ヒュゥ
P(うぅ、もうすっかり夜も寒くなったな。)ヒュー
P(こんな日はコンビニのおでんでも食うに限る……)
P(それにしても、公園でライラさんが寝てなくて本当に、よかった…)
P(公園で人が寝たりするわけ……ん……)
?「……」
P(うおう!誰か公園の真ん中で倒れてるぞ!?)
P「ちょ、大丈夫ですか?」
?「…ぁ……」
P「え?」
周子「お腹すいたーん………」
74: 以下、
-牛丼屋-
周子「ガツガツ、もぐもぐ」
P(…丼を傾けて飯を掻きこむ行き倒れの彼女…)
P(名前を塩見周子というらしいが……それ以外の情報はご飯を食べ始めてしまって聞けていない。)
P(にしても、行き倒れなんて今時いるんだなぁ……)
周子「ごくごく……ぷはぁ…いやー生き返ったー」
周子「こんなに美味しいカルビ丼は生まれて初めて食べたねー。ごちそうさまー」
P「そ、そうか、お粗末様」
P(結局5杯も丼ものを完食した……。味噌汁とかも随時追加してたし、遠慮がない……)
周子「ふぅー…さてさて、改めまして……どーも恩人さん。あたしシューコね」ペコリ
P「どーも、俺は……」ペコリ
周子「さっき名乗ってくれた通り、Pさんねー。どうぞよろしゅう、なんて」
P「こちらこそ…あれ、関西の出身なのか?」
周子「ん、実家は京都だよー。」
P「へー……って、そんな話じゃなくて」
周子「あぁ、私がなんで倒れてたかって?うーん、ま、ごはんも奢ってもらったし話しちゃおっかな」
75: 以下、
-事務所(夜中)-
周子「へーアイドルのプロデューサーだったんだー。お、ポスターまで…って、かえで?楓ってあの高垣楓!?」
周子「うわ、こっちはトライアドプリムスじゃん!…もしかしてPさんって、すごい人?」
P「まぁ、一応彼女たちのプロデューサーをやってるよ。しかし、みんなの知名度も大したもんだなぁ。関西にもちょっとは知られているみたいだし」
周子「そんなもんちゃうよー。もう全国区だと思う」
P「はは、そうかー。まぁ、座って。お茶でも飲んでさ」コト
周子「……ん」ボスン
P「……」ズズ
周子「……」ズズ
周子「……えーっと。じゃあ、しゅーこちゃんの物語、はじまりはじまりー」
P「おー」
周子「まず、高校を卒業したしゅーこちゃんは、実家の和菓子屋で毎日ごろごろまったり生活しておりましたー」
周子「そして、進学も就職もしないしゅーこちゃんに、両親はこう言いました」
周子「しゅーこは何か、やりたいことはないのかーと」
P「…」ズズ
周子「しゅーこちゃんはこう答えました」
周子「毎日楽してゴロゴロしたいと」
P「ぶふっ」
周子「ちょ、だいじょーぶ?もう…」フキフキ
76: 以下、
P「いや、ごめん、続けて」
周子「……そして、しゅーこちゃんは両親に当然のように呆れられました。」
周子「でもまぁ、父親はけっこーしゅーこちゃんに甘いのでー、とくに厳しいことは言いませんでした」
P「……」
周子「毎日しゅーこちゃんは望み通り、ゴロゴロして過ごすことが出来ました」
周子「……でも、楽で望み通りなのに、しゅーこちゃんはなんだか、とてもむなしくなりました」
周子「なので、なので、家を飛び出してやりたいことを探すことにしましたー」
周子「自分探しってやつ?ま、よくある話じゃん?」
P「まぁ、確かによく聞くけど。それでも、お金は持ってきてたんだろ?」
周子「それが…」
周子「全国旅していると、美味しそうなもんがいっぱいあって…、食べ歩きたくなるんよー」ジュルリ
P「」がくっ
P「はぁなるほどね。で、力尽きたと」
周子「……ん、そういうこと」
P「でも、お金がなくなったんなら、素直に両親に電話して迎えに来てもらうか、帰りの旅費なり振り込んでもらえば…」
周子「……あー…ま、そうだね、うん、そうするよ。ありがとう」
77: 以下、
周子「と、言うわけで。しゅーこちゃんのお話は終わり!」
周子「じゃあね、Pさん。京都に来てくれたら。今日のお礼にしゅーこちゃんが案内したげる」
P「楽しみにしてるよ……ん、いや待てよ。」
P「手ぶらだったけか?何か荷物とか…」
周子「ああ、5日前にパクられちった」
P「!?」
周子「まぁ、電話代くらい交番に言えばくれるでしょう」
P「でも、今日泊まるとことか…」
周子「…じゃ!」
P「ちょ、ちょっと待て」ガシ
周子「な、なにさ」
P(こんな細っこいのに、頼る当てもなく、倒れるくらい飲まず食わずで……?それに、さっきまで気づかなかったけど)
P(混乱してるっていうか、目の焦点もどことなくあってないし、身体が疲れてるのか抵抗も弱弱しい…)
P「……家に来い」
周子「え」
78: 以下、
-自宅-
ガチャ
P「……ゆっくりだぞ、ゆっくり…」
周子「どうしてそんな隠れるみたいに」ヒソヒソ
P「良いから」ヒソヒソ
パチッ
P「!?」
美優「おかえりなさい、Pさん、心配して…」
P「み、美優さん!?」
周子「こ、こんばんはー」
美優「」
79: 以下、
-----------
------
---
P「えーっと、というわけで、今日泊めてあげようと……」
美優「そうなんですか……大変でしたね」
美優(っほ、彼女さんではなかったんですね…)
周子「いやぁ、それほどでも……でもPさんみたいな冴えない人にこんな美人な奥さんがいるなんて、しょーこちゃんびっくりだよ」
周子(ちょっとショックだなぁ)
美優「お、おく……!?///」
P「ははは、そんなわけはないだろ。美優さんはえーっと」
P(あれ、なんで俺んちに住んでるんだっけ……)
P「まぁ、なんだ、成り行きで住んでる担当アイドルであって、奥さんとかじゃないよ」
美優「……」
周子「…ちょ、え?担当アイドルがプロデューサーと住んでるの?えっとさ、それって…世間的にかなりまずいんじゃ…」
P「……まぁ、うん、そうです…はい……」
周子(…ん!?てことは……ティンと来た!!)
周子「ってことはさー、アイドルになれば、ここに住んでいいってことだよね?」
P「いや、その理屈はおかしい」
80: 以下、
周子「いいじゃんいいじゃん。あたし、自分で言うのもなんだけど、そこそこ人気あるよー?」
P「うーん」
周子「まだ京都には帰りたくないんよ。それに…」
周子「Pさんがプロデュースするなら、その、アイドルって、ちょっと興味あるかなーって……」
P「………」
周子「………」
P「………」
周子「……」ドキドキ
P「……レッスンとか厳しいぞ?」
周子「!うん」パァ
美優「はぁ、Pさんなら、そういうと思いました……」
P「ははは、でも、あんまりのんびりできないでございますですよー?」
周子「へ?あ、ああ、うんうん、だいじょーぶ、しゅーこちゃんやれば出来る子」(何語?)
P「よし、じゃあ、一緒にトップアイドル目指して頑張ろうな、周子」ス
周子「おー!」ガシ
ガララ
ライラ「ん?……ぁ」ゴシゴシ
ライラ「らいらさんもー」ガシ
P「あ、すまん起こしちゃったかライラ」
周子(何人住んでんの、この家……)
81: 以下、
-自宅(朝)-
P(あれから数週間がたった)
ライラ「晴れの日はライラさんが洗濯してあげますですよー」
周子「おっと、あぶないあぶない、下着がとんでっちゃうところだった―」
美優「ふふ……本当、洗濯日和ですね」
P(アイドルたちがエプロンや割烹着を着て並んで洗濯をしてくれている光景)
P(なんとも、微笑ましい光景だ)
P(……そう、ここが俺の自宅でさえなければ!)
周子「ふんふんふーん♪」
P(し、下着をそんな俺のものと一緒に干さないでくれぇ…)
周子「おー…Pさんのおぱんつ」
ライラ「おぱんつさんもゆーらゆらですねー」
美優「//」
P(もうやめて、Pのライフはゼロよ!)
P「ちょ、ちょっと公園に行ってきます」
美優「あ、はい」
周子「行ってらしゃーい」
82: 以下、
周子「ほい、ライラさん、今度はシャツだよーん」
ライラ「おー……」
ライラ「ライラさんはP殿のシャツ好きですねー」
ライラ「とっても優しい匂いがしますです」
周子「そう?」クンクン
周子「……//」
ライラ「ナオさんやカレンさんに買ってもらった服もお洗濯ですねー」
ライラ「ライラさんの服は思い出もたくさんですよー」
美優「ふふ、そうね」
美優(……本当に……毎日が幸せな…)
83: 以下、
-事務所-
P(かー、なんでこんなにも忙しいんだ…)カタカタカタ
P(あ、そうか、アイドルが増えたからか……)
P(最近、仕事のオファーが減ってるし、頑張らないとなぁ……)カタカタカタ
奈緒「ライラ―、なんか珍しいポケモン捕まえたかー?」
ライラ「ライラさんはコダックさんばかりですねー」
楓(コダックの子沢山…ふふふ)
周子「お、ミニリュウみっけ」
奈緒「うそだろ周子ぉ、どこどこ?」
楓(ミニリュウのみ、二流…ふふふふ)
美優(楓さん…カップを眺めて思いに耽って居ると思えばにやにやと……)
84: 以下、
凛「……」
凛「……ねぇ、ライラ、今度ライラの家に遊びに行って良い?
凛「ていうか、泊まりに行って良い?」
ライラ「お泊りですかー良いですねー」
奈緒・加蓮「!?」
凛(……私、気付いちゃったんだよね)
凛(…ライラの家に泊まりに行けば…)
凛(合法的にプロデューサーの家に泊まれるって!)
奈緒(そこに気が付くとは…)
加蓮(やはり天才……)
凛「じゃあ、早、今日から一か月くらいお泊りし…」
バーン!
ちひろ「た、大変ですプロデューサーさん!外に黒塗りの高そうな車が止まってます!」
P「何だって!?ち、ちひろさん、なんかやらかしたんですか?」
ちひろ「が、ガチャの排出率は正常のはず…まさか、物欲センサーの存在がばれた…?」
P「…よくわかりませんが、すぐに対応します」
ちひろ「はい」タタタ
凛「いや、そんなことより…おとま…」
ライラ「……オー、懐かしい車ですねー」ペター
楓「どこかの社長かしら…」ペター
凛(おとまりいいい!)
85: 以下、
-応接室-
小太りの男「おぉ、君があの子のプロデューサーかね!」
P「あ、はい、お世話になります。Pです。よろしくお願いいたします。」
P(この人、どこかで……)
小太りの男「ああ、良いって、そんなに畏まらなくて…はい、これが私の名刺」
P「は、はぁ」
P(この会社名………あ!思い出した!この人山○パンの社長だー!)
小太りの男「早なんだけど、あの子は居るかな…」
P「あの子…?」
P(か、楓さんか、凛あたりか?)
ガチャ
ライラ「オーお久しぶりでございますですよー」
P「あ、こら、ライラ勝手に…」
小太りの男「ラーイラさーん!お元気でしたか!?」
P「へ」
ライラ「ライラさんは元気ですよーシャチョーももう元気ですかー?」
小太りの男「そりゃもう、あの時ライラさんに公園で色々と話を聞いてくれたおかげでー!」
P(ど、どういうこと…)
86: 以下、
奈緒「すげーな!ライラ!あの山○パンのCMに出るなんて!」
ライラ「確かに、パンを食べるだけでお金をもらえるなんてすごいですよー」
楓「パンでかんぱんなお仕事…ふふ…」
凛「ライラさん、さっきのお泊りの話なんだけど…」
周子「あそこのパンって美味しいんだよねー」
P(いや、びっくりした…)
P(あのパン会社に勤めていた社長はある日を境に事業を失敗)
P(社員一同首を吊るしかないと公園でたそがれていたら…ライラさんに出会い…)
P(彼女のおしゃべりによって笑顔を取り戻したのだと言う)
P「いやー、映画化決定ですねこれは」
ちひろ「映画化、良いですねー!関連グッズに次のライブのコンサートが当たるチケットを入れて…」
美優「あ、あの…」
P「ええ、何ですか美優さん」
美優「そ、外に黒塗りの長い車が…もう一台きました…」
P「な、なんだってー!!?」
87: 以下、
-応接室-
浅黒い老人「……」ゴゴゴゴ
SP「……」
通訳「……」
P(なんという威圧感だ…)
ちひろ「お、お茶です。その、ごゆっくり……」
バタン
ちひろ「うわ、うわうわ、びっくりですね!外国人でしたよ!」
楓「今度はどんな話してるのかしら」ワクワク
美優「ちょ、みなさん駄目ですよ覗いたりしては…」ジー
凛「ライラさん、ライラさん、さっきの話なんだけどさ」
奈緒「くそー見えないなぁ」
老人「ワフーメンヨウヤーリィウッウー」
通訳「えーこの度は突然の非礼をお詫びいたします」
P「い、いえそんな…」
老人「ヴォイアラアラトカチ」
通訳「今日お尋ねしたのは、他でもありません、実は…」
ガチャ
ライラ「おーオジイサン、お久しぶりでございますですね」
老人「ラーイラさーん!」ガタ
P「」
88: 以下、
奈緒「今度はあたしたちも出演できるのか!?」
ちひろ「あ、あの人超有名な車会社の会長さんだったんですよ!それで…」
加蓮「キャンペーンガールに、CM出演かぁ」
楓「ライラへの依頼ら…ふふふ」
凛「ね、そんな話よりお泊りの話しない?」
ライラ「あのオジイサンはキャラメルくれたですよー」
P(ライラさん、一生ついていくよ…)
周子「ぷ、プロデューサー!」
P「ど、どうした周子!また黒塗りの長い車か!」
周子「いや、外に普通のタクシーが!」
P「あ、そう」
89: 以下、
P「せめて、次はヘリコプターとかで来てくれないと…」
P「はいはい、どちらさまで…」
美城専務「…」
P「……」
90: 以下、
-応接室-
美城「すまなかったな、ヘリコプターでこれなくて」
P「い、いえ!そんな!」
P(み、美城専務だったのかー!さっきの人たちの100倍怖い…)
周子「誰?あの人」
ちひろ「せ、専務ですよ!美城専務!若くして成功を収めキャリア人生を突き進んだうちの事務所のお偉い様です!」
加蓮「私たちが入った時に、ちらっと顔を見せにきてたっけそういえば…」
ちひろ「すごく厳しい人だと有名なんです!あぁ、もしやうちのアイドルも何人かリストラに、いや、まさか私が……」
美優「そ、そんな……」
美城「……ふぅ、君の事務所は騒がしいな」
P「は、ははは、すみません」
美城「…まぁ、良い、そんなことを話に来たのではないのでな」
P「?」
P(そんな話……!ま、まさか…)
P(アイドル3人と同棲してるのがばれた!?)
91: 以下、
P(た、確かに朝の通勤時間が基本的に一緒だったり、お弁当のある日の中身が同じだったり、アマ○ンの荷物を誰が受け取れるかの話をいてたりするけど……)
P(まさか、ばれるわけが……)
美城「さて、P」
P「は、はい!」
美城「…単刀直入に聞くが……」
P「…」ゴク
美城「君の仕事の量は適切か?」
P「…へ?」
92: 以下、
P「し、仕事量ですか?」
美城「うむ、はっきり言って、私は君の才能を認めている」
美城「高垣楓、トライアドプリムス、三船美優に塩見周子、そして、ライラさん…」
美城「これだけのアイドルを見つけ、育ててきた君は大いに我が社にとって有益な存在だ」
美城(クールな面々でかなり私の理想に近い!)
美城「だからこそ、オーバーワークを見過ごすことができない」
美城「精神的にも、体力的にも常に万全であるように…」
P「」ブワ
P「せ、専務ぅ!ありがとうございます!」ギュゥ
美城「きゃ、な、何を…」
P「そうなんですよ!人が、人が足りないんですよ!事務員もマネージャーも、その他大勢が!」
美城「そ、そうか、苦労してきたのだな…」
凛「……ちょっと、あんた、ふざけたことやってんじゃ…」
奈緒「やめろ凛っちゃん!?」
93: 以下、
美城「ゴホン!えー兎に角だ、君の現状はわかった。すぐに有能な人材を派遣しよう」
P「は、はい!ありがとうございます!」
美城「では」コツコツ
P「」ヒラヒラ
バタン
P(やったああああ人が増えるよ!)
ガチャ
ちひろ「やりましたね!Pさん!」
P「ちひろさーん!」ギュウ
ちひろ「ぁ!//」
楓「いえーい、Pさん。今晩は宴会ですね♪」
P「楓さーんいえーい!いきましょいきましょ!」
凛(チャンス)
凛「ついでにお泊りとか行っちゃう感じかな!」
P「え、いや、それはないわ…」
凛「」
周子「ハイタッチハイタッチ」
加蓮「いえい!あはは」
94: 以下、
-数日後-
和久井「どうも、派遣されてきた和久井です」
服部「服部です、よろしくお願いします…」
P「おお、早有能そうな人材がやってきたぞ!」
95: 以下、
-さらに数日後-
P「……」
P(彼女たちは今、事務所でマネージャーや事務員といった仕事を淡々とこなしてくれている)
P(そう、淡々と……)
服部「……」カタカタカタターン
P(仕事上必要なこと以外、会話がない。いつの間にか、緊張感あふれる職場になっていた)
ガチャ
和久井「P君、営業先に顔を出したついでに何件か使えそうな仕事を取ってきたわ」
P「あ、はい、ありがとうございます」
ガタ
服部「Pさん、今度のキャンペーンガールの企画書と資料をまとめておいたわ」
P「わお、これ俺がやったら3日かかるやつですね。1時間かー」
和久井「P君、ついでにそろそろ美優さんたちのレッスンが終わるころだろうから迎えに行くわ」
服部「私も、少し市場の調査に……結果はまた報告します」
P「あ、ありがとうございます、いってらっしゃい……」
バタン
P(……やることがない!)
96: 以下、
P「何なんですか、彼女たちは!優秀すぎるでしょう!」
ちひろ「えー、有り難いじゃないですか。おかげで定時退社できますし…」
P「それだけなら、ありがたいんですが……」
P「どうにも、彼女たちは真面目に?働きすぎと言いますか……事務所の空気がピリッとしてしまって…」
ちひろ「あ?確かに最近は私語もほとんどなくなっちゃいましたね………暇さえあれば来ていたアイドルたちもみんなスケジュールを徹底管理されて仕事漬けですし…」
P「仕事があるのは良いことなんですがちょっと、厳しすぎる気が……」
ちひろ「まぁ、初めだけじゃないでしょうか?彼女たちも少し気が張っているんですよ!」
P「そうだといいんですが……」
97: 以下、
-数週間後(自宅)-
周子「ふいーつかれたーん」バターン
P「お、お疲れさま。周子」
周子「Pさん…あーPさんやーあー癒されるー」
P「ははは、いつも見てる顔だろ」
周子「2日ぶりやってーうわー、やばい、ちょっと涙でそう…」
P「おいおい……忙しいとはいえ……」
P(でも、こんな弱気な周子は珍しいな)
P「周子、今のマネージャー業もしてくれてる和久井さんたちと、どんな状況なのか、教えてもらえるか?」
周子「…うん、えっとさ。まぁ、別に和久井さんも服部さんも悪い人じゃないんだよ。仕事もすっごくできるし、私がミスしそうになったらすぐにフォローしてくれたり……それは先に行っとくね」
P「うん」
周子「休憩とか考えてレッスンやお仕事取ってくれてるけど、本当に休むだけやし、移動中もなんもしゃべらんと運転してるだけやし、美味しそうな店見つけたから入ろ―って誘っても全然…」
P「そうか…」
P(仕事はできる人なのだけれど、真面目すぎるんだろうなぁ)
98: 以下、
周子「うん、そーだ!明日からまたPさんがしゅーこちゃんのプロデュースすること!」
P「え?いや、プロデュースは今まで通り俺がしてるんだけど…」
周子「そうじゃなくってさ、今まで見たいに、美味しいもん食べたり、しょーもないテレビ見て、一緒に笑ったり…」
P「……」
周子「……それに、なんか、ようやく何か掴めそうだったのに……最近のアイドル、楽しないもん」
P「周子……」
P「…はぁ……じゃ、仕方ないな。わかったよ」
周子「え!?あ、ほんまに!?」
P「だって、モチベーション上がらないんだろ?周子はちょっとだらけてるくらいが良い顔するし」 ワシャ
周子「!……ん、ンフフ、そうそう、さっすがPさん!しゅーこちゃん博士の称号をあげよー」ギューホッペスリスリ
P「ば、くっつきすぎだ」
P(周子が言うんだから、よっぽどだろう……もしかしたら、他のみんなも内心そう思っているのかもしれない。これは早めに手を打った方が良いな……)
99: 以下、
-事務所-
P(あの後……)
P(トライアドプリムスのみんなはやる気が出てないってベテラントレーナーさんから話を聞いたし、楓さんは俺を見つけるなり腕をつかんで飲みに行き、朝まで離してくれないし、美優さんも、どことなく元気がなかった…)
和久井「……ふぅ」カタカタ
服部「…はい、はい、ありがとうございます!」
P(でも、和久井さんも服部さんも、この激務に対して文句の一つも言わずに頑張ってくれている……)
P(そう、今回の件に関しては、誰も悪くない)カタカタ
P(和久井さんたちは、きちんと自分の仕事をこなしてくれているし、たまたま彼女たちとの相性が良くなかった、ただそれだけだ)
P(だから俺にできることは…)ガタ
P「和久井さん、これからお昼でも一緒にどうですか?」
和久井「え!?……私?」
P(彼女たちに、少しでもこの職場に馴染んでもらえるようコミュニケーションを取ることだ!)
100: 以下、
-食堂-
ガヤガヤ
P「いやー、ここのランチって美味しいんですよね。週替わりでメニューが変わるので、一回は誰かと来るんですよ」
和久井「…そう」
P「……あー、そういえば、和久井さん、趣味とかあるんですか?」
和久井「趣味…?そうね、しいて言うなら……仕事ね」
P「…仕事」
和久井「…そうよ。それぐらいしか趣味なんてないの。今までも、そして、これからも……」
P「は、はぁ……」
P(これは思った以上に強敵だ……!か、会話が続かない…)
和久井「……」
P「……」
101: 以下、
和久井「……はぁ、ごめんなさい、駄目ね、私」
P「…?」
和久井「こんな時に、気の利く面白い話でもできれば良いんだけれど…」
和久井「生憎、目つきも悪いし、趣味もなし、おまけに話題もないし、話を聞くのも下手…」
和久井「本当につまらない女……」
P「……」
和久井「今日話そうと思っているのは、アイドルたちの管理の話?……そうね、明らかに私は彼女たちの力を引き出せていないわ」
和久井「車でも碌に会話をしないし、私が迎えに行ったアイドルは露骨に嫌そうな顔をされる」
和久井「あなたと一緒にしているときの彼女たちは何倍も魅力的だわ」
和久井「やっぱり、アイドルのことはあなたに任せたほうが…「和久井さんって…」…?」
P「和久井さんって、すごく魅力的な方ですね」ジー
和久井「……へ!?」
102: 以下、
和久井「……何言って…」
P「和久井さんって、美人だけど、優秀すぎて近寄りがたい人なのかと思ってました。」
和久井「び、びじ…!?」
P「でも、本当は、そんな自分のことを色眼鏡なしに、客観的に見れる聡明な人で……」
和久井「な、なな」
P「アイドルたちのこと、あまり見てくれてないのかなと思っていたのですが…」
P「そんなことなかったです。みんなのことちゃんと考えてくれてるとても優しい人で…」
P「不器用なところもあって、すごく、魅力的な女性だと思いました」
和久井「……」カァ
P「和久井さん、これからも、お昼に誘っても良いですか?」
和久井「え。そ、それは構わないけれど…」
P「!ありがとうございます」
P「俺、もっと和久井さんのこと、知りたいです」
和久井「」
103: 以下、
-事務所(夜)-
服部「…」カタカタカタ
服部「ふぅ、これで終わりと……」キィ
服部(……はじめはこんな小さな事務所の……なんて、って思っていたけど、案外、楽しいところもあるわね。でも、歌のセットリストなんか作ってると……)
服部「……もっとつーよく、そーつーよく♪………ふふ」
P「あれ、服部さんって、歌上手ですね!」
服部「!!?」
104: 以下、
服部「ま、まさか聞いて?」
P「え、はい、すみません」
服部(……恥ずかしい)
P「……あ、今度のライブの企画書ですか?」
服部「ええ、プログラムと、演出の提案を……」
P「なるほど、スモークで衣装の着替えを……たしかに重ね着しておいて脱ぐだけならそれで十分な時間が……服部さんの企画って、アイドルたちの視点に立ったものが多くて、良いですね」
服部「…そ、そう?……」
服部「……これでも一応昔はアイドルを目指していたの…」
P「え……昔は?」
服部「そう、昔の話よ……」
服部(…誰もが夢を叶えられるわけじゃないのよ。私だって、本当は…)
P「そうなんですか……でも辞めるなんて勿体ないですね」
服部「は!?……勿体ない?」
服部(あなたに、何がわかるの?私だって、本当はあきらめたくなんか…!)
P「服部さん、こんなに綺麗だし、今でもアイドルとしてやっていけると思うんですが…」
服部「へ……!?」
105: 以下、
P「声も綺麗で、芯も通ってて……」
服部「な、なにを…」
P「あ、そうか。今からスカウトすればいいんですね」
服部「え、あ…」
P「服部さん、俺と一緒にアイドル…目指しませんか」
服部「」
P(なんて、流石になるわけないか)
P「ははは、なん「良いわ…」え?」
服部「…それほど自信があるならいいわ…これがラストチャンスね…今年こそ、アナタに賭けてみるわ…」
P「え?」
服部「信じているわ……Pさん//」
バタン
P「」
P(……と、取り返しのつかないことをしてしまったかもしれん)
106: 以下、
P(あれから一週間……)
奈緒「ライラー!この前のポケモンみたか!?」
ライラ「おー、大興奮でしたねー」
P(アイドルたちは普通に事務所にやってくるようになった)
奈緒「なぁ!あの、ゲッコウガとジュプトルのぶつかり合い!くぅ?たまんないよなぁ!、今までの積み重ねがあった分さぁ!」
服部「はい、お茶よ」
奈緒「あ、ありがとう…ございます」
ライラ「ありがとうございますですよー」
服部「ふふ、懐かしいわね、ポケモン。私も最近始めたのよ。ほら、噂の…」
奈緒「え!そうなんですか!?」
服部「ええ、Pさんに入れてもらったの……でも、なぜかカビゴンばかりでるのだけれど…」
奈緒「えー!?か、カビゴンって、すっごくレアなんですよ!」
ライラ「ライラさんはコダックさんばかりですねー」
P(服部さんもアイドル兼アシスタントとして活動をはじめ、すっかり皆に馴染んでいる)
107: 以下、
和久井「P君、この前行ったあそこなのだけれど…」
P「ああ、猫カフェですね」
和久井「ちょ…声が大きいわよ!」
P(和久井さんも、雰囲気が少し変わった。)
P「別にばれても恥ずかしいことじゃないじゃないですか、むしろ可愛いと思います」
和久井「きゃ、キャラじゃないのよ、全く……もう、かわいいだなんて…」
P(よく笑うようになったし、本人が気にしていた目つきも穏やかなものになった気がする)
和久井「…そ、それで、またあそこに行こうと思うのだけれど?」
P「お、そうですか?そういえば、加蓮のやつも行きたがっていましたね。今度お二人で行かれては…」
和久井「はぁ……察しが悪いわね、あ、あんなだらしのない顔、あなた以外には…」
P「え?」
和久井「んん!……これ、仕事の書類よ、サインしておいて」
P「あ、はい、すみません」
和久井「…よろしくね」
P(本当に変わったなぁ…)
P(猫好きという情報だけ知って初めて連れて行った猫カフェではえらい目にあったし、二人で腹の立つ営業先に行ったあと、バッティングセンターに行ったりしているうちに……最近では、この通り、書類の中に婚姻届けを混ぜてくるようなジョークを挟んでくれる)
P「ちょっと、和久井さん、これにサインしちゃまずいですよー」
和久井「あ、あら、ごめんなさい」
P「ははは。そうだ、また、眺める猫カフェ、行きましょうね」
和久井「!え、ええ……」
P「うわ、もうこんな時間だ、行くぞーみんな」
奈緒「あ、ま、待ってよPさん」
108: 以下、
バタン
和久井「…」
和久井「…」ニヤ
和久井「……ふふふ」ニヤニヤ
和久井(いつか、本当にこの書類に…)
楓「和久井さんがワクワクする……」ニュ
和久井「!!??」ガタガタ
楓「あら、大丈夫かしら?」
和久井「こ、腰が……抜けたわ」ペター
109: 以下、
-自宅(夜)-
周子「あっははは!」
女芸人『お、押さないでくださいね!絶対に押さないでくださいね!』
女芸人『可愛いボクがこんなこ、うわあああああ』
美優「っ!!???あは、ははははは!ははは!」
周子「あははっ、美優さん、つぼってるしっ!」
P「ひひひ、く、はぁ、はぁ、苦しい、本当、リアクションが上手いですよねーこの子」
P(美優さんも、あんなに笑うようになって……昔は死にそうな顔してたのになぁ)
女芸人『うわあああん』
美優「あははは、あ、ああっあっ、苦しいですPさんっ…!はははは!」
ピンポーン
ライラ「お?誰か来たですねーライラさんが出ますです」
P「お、ありがとうライラ…あははは!」
110: 以下、
美城「……ふぅ」ソワソワ
美城(私としたことが、やりすぎだろうか。わざわざ部下の自宅へ赴き、仕事のストレスチェックのために酒の席を用意するなど……)
美城「しかし、これからも彼には私の理想のアイドルたちを育ててもらわねばならん……」
美城「そのためにも、定期的なメンタルケアは必要不可欠だ……私が人肌脱ぐしかあるまい」
ガチャ
美城「!」ピシ
ガチャ
ライラ「はいはい、ライラさんですよー」
美城「」
111: 以下、
美城「ライラさん、なぜここに……」
ライラ「ライラさんはライラさんですよー」
美城(なるほど、わからん)
P「おーい、どうしたんだライ…げぇ!?美城専務!?」
美城「!P……君は、パジャマ姿のアイドルを自宅へ招いて一体何を?」プルプル
P「」
P「あーいや、違うんですよ!これは」
美優「どうしたんですか、Pさん?」パジャマー
周子「何々、どったの?」チョイトハダケタパジャマー
P「く、来るんじゃない!」
美城「」
112: 以下、
-居間-
美城「なるほど、つまり、君の家で、アイドルたちがパジャマパーティーをしていたと?」
P「え、ええ!そうなんです!いやーライラがどうしてもって言ってきかないので」
ライラ「?ライラさんはいつm」ッバ
周子「しー、ライラさん!」
美城「ふむ……」キョロキョロ
P「…」ダラダラ
113: 以下、
美城「P、君は、部屋の中に化粧品を置くタイプなのか?」
P「え?ああ、いやそれは美優さんの…持ってきたものです」
美城「……使いさしで、随分生活感があるようだが?」
P「え、えーっと、愛用しているものらしくて家からわざわざ…」
美城「そうか、ところで、P、君の家の雑誌は中々幅が広いな。料理本に女子向けの雑誌に、子供の心を掴んでやまないアイス特集までそろえられている…」
P「えっとその、今日読むために持ってきたようで」
美城「ほう、わざわざ本棚に入れて。忘れていってしまいそうだ」
P「…え、えっと」
美城「玄関には彼女たちの他の靴。それぞれのドアには名前のついたドアプレート。4つコントローラーの刺さった64とマリオパーティ………」
美城「さて、改めて聞こう」
美城「これらはどういうことだ?説明したまえ」
P「」
P(お、終わった…)
114: 以下、
美城「君への処分は明日言い渡す、君たちはすぐにでも荷物をまとめて、ここを出ろ」
美優「……」
美優「あの、美城専務……」
美城「なんだ?三船美優」ギロ
美優「……あ…」ビク
美優(……で、でも、このままじゃ…!)
美優「ぷ、プロデューサーさんは、何も悪くないんです!!!」
P(み、美優さん…)
美城「悪くない?アイドルである君たちを連れ込んで悪いも何も…」
周子「まぁ、ちょっとくらい、話を聞いてくれてもいいんじゃない?」
ライラ「アイスを出しますですよー。」
P「えーっと、専務、悪いことをしていたとは思うのですが、その、経緯くらいは……」
美城「……」
美城「……ふむ、良いだろう、話してみたまえ」
116: 以下、
P「と、言うわけで……彼女たちと一緒に住むことに……」
美城「……なるほど、事情はわかった。」
美城「しかし、いかなる事情があろうと、君が行っていたことはプロデューサーにあるまじき行為だ。それは認識しているな」
P「そ、それは、はい…」
美優「……あの、Pさんがプロデューサーを続けられないなら…」
美城「ん?」
美優「私、アイドルを辞めます」
美城「!?」
P「な、美優さん!?」
美優「今の私がここに居るのは、全部、全部Pさんのおかげで……だから…私のせいで彼が夢をあきらめるくらいなら……」
美優「私……どうなっても……」
P「美優さん…」
周子「じゃあ、私もやめたーん」
美城「!!?」
ライラ「ライラさんもー」
美城「!!!?」
周子「前のマネージャーついたときにも思ったけどさ?、だらだらしゅーこちゃんがアイドル続けられるのって、Pさんくらいじゃなきゃ無理だろうしさー」
周子「信頼、してるし?んふふ」ニマニマ
ライラ「?ライラさんもー」
P「周子……ライラさん……」
美城「」ガクガク
美城「こ、この流れは……」
117: 以下、
P「専務彼女たちはああ言っていますが……」
P「やっぱり、処分を下すならプロデューサーである自分だけにお願いします」
美城「…」
P「俺はどうなっても構いません。ですが、彼女たちには素質があります、このままアイドルを続けさせて……「ま!」」
美城「……まてまてまて、私は別に君たちを解雇しようと思っているわけではない!」
P・美優・周子「え!?」
118: 以下、
-自宅-
カチカチガチャ
P「ただいまー」
シーン……
P(あ、そうか……もう……)
119: 以下、
P(あれから、数日……)
P(俺たちは今も変わらず、アイドルとプロデューサーという関係を続けている)
P(一緒に住むことになった経緯、専務が今までの俺たちの活動や、将来の事務所のことを考慮して、特に問題が起きなかったことから、信じられないことに今回は軽い注意だけで、終わったのだ)
P「うわ、しまった、これ、賞味期限切れてる……」ガチャ
P(しかし変わったこともある)
P「……」
P「うちってこんなに広かったか?」
P(家に住んでいた3人のアイドルはみんな、家を引っ越していった)
P(まぁ、当然と言えば当然で、全員分の引っ越しの費用まですべて負担してくれた専務には頭があがらないのだけれど……)
P「はぁ……」ゴロン
P「ベランダ……」
ライラ『晴れの日は、ライラさんがお洗濯しますですよー』
P「リビング……」
周子『えっへっへ、Pさんお菓子食べよー』
P「玄関……」
美優『Pさん……おかえりなさい』
120: 以下、
P「はぁ……馬鹿だなぁ、もともと一人暮らしだったのに、今更寂しいなんて……」
ピンポーン
P「……」
P「はーい」
ガチャ
美優「こ、こんばんわ」
P「」
121: 以下、
P「み、美優さん!?どうしてここに……」
美優「え、えっと、その……私だけじゃなくて」
周子「あ?、あなたがPさんですね?」
ライラ「どうぞよろしくお願いしますです」
P「周子に、ライラまで?一体、何の話を…」
美優「そ、その……今日から、お隣さんなので…」
ライラ「引っ越しそばでございますよー」
P「えええ!?」
122: 以下、
周子「専務がさ、一緒にすんじゃだめって言ってたけど……」
周子「お隣さんならセーフじゃないかなって思ってさ」
美優「は、はい、それで私たちそろってお隣に……」
P(普通にアウトだと思うんですが……)
ライラ「P殿、お腹すきましたです。未来のトップアイドルがはらへりはよくないですよー」
P「!は、ははは。そうだな。うん。じゃあ、新しいお隣さん。今夜は、うちで食事でもどうですか?」
美優「は、はい!では、お言葉に甘えて」
周子「あはは、もう回りくどいなー…ただいま!Pさん!」ッギュ
P「え!?あ、おい周子!」
ライラ「ライラさんもー」ギュ
P「ら、ライラ!?」
美優「……」
美優「え、えい!」ギュム
P「あちょ、美優さんまで!?」
P(……ああ、でもやっぱり…)
P「……おかえり」
P「人助けしてたら大変なことになった」
おわり
123: 以下、
終わったのか…
またいつか楓さんやら他のアイドルとの出会い編書いてくれよな?頼むよ?
面白かった!乙
元スレ
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