ポケモンGOで運命の人に出会った話back

ポケモンGOで運命の人に出会った話


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1:
このまえ流行ってたポケモンGO。
あれをやってたら運命の人に出会ったって話。
               
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3:
説明しなくてもわかると思うけど、ポケモンGOは現実で歩き回ってりして、ポケモンを探して捕まえるアプリで、俺もリリース日にそれを始めた。
小さい頃はポケモン好きだったし、アメリカで大流行とか言われてて気になってたんだ。
俺はそういう世間の流行に弱いらしくてさ。
大学も夏休みに入って暇だったのもある。
               
          
5:
それがやってみたら割と面白かった。
だって、小さい頃ゲームの中にいたポケモンが、現実の景色の中にいるんだよ、なんか久々にわくわくしたね。
ただ、俺はあんまり外に出るのは好きじゃなくて、去年なんかほとんど家に引きこもってたから、ポケモンGOをやるのは基本夜にすることにしたんだ。
               
          
7:
夜の十一時くらいになると、外に出てポケモンを探した。
俺の家は都会とも田舎とも言えない微妙なとこにあるけど、ポケストップも多少はあったから、それなりにポケモンを捕まえられた。
ポケストップっていうのは、モンスターボールとかそういうアイテムがもらえるところで、ポケモンもそこに集まりやすいらしいんだ。
都会に行くとそれももっとあるんだけど、俺は家の近くで十分満足だった。
               
          
8:
そんな夜の散歩が何日か続いた頃、俺はあの人に出会った。
               
          
9:

その日も俺はポケモンを探してた。
近くの公園の中に入ると携帯が振動したから、確認するとポケモンのプリンがいた。
まだ手に入れてないポケモンに出会ったことで、少しテンションも上がって、あんまり褒められたことじゃないんだけど、ベンチまで歩きながらプリンを捕まえようとタッチしたんだ。
               
          
11:
そうやって何歩か歩いたとき、何かにぶつかった衝撃と「きゃっ」という女性の声が聞こえた。
俺が携帯に夢中になって、その人にぶつかったみたいだった。
「すみません、大丈夫ですか」
俺は起き上がって、すぐにその人に駆け寄って声をかけた。
               
          
12:
「……はい、大丈夫で――、あぁぁ! プリンがいない」
俺の手を握って立とうとしていたその人が、自分の携帯の画面を見て叫んだ。
突然大きな声をだすもんだから、俺もびっくりしちゃってしばらく声を出せなかったよ。
               
          
13:
少ししてその人はバツが悪そうに切り出した。
「あの……すみません。大きな声出して」
そもそもぶつかったのは俺なんだから、謝るのは俺の方なはずなのに、彼女は申し訳なさそうにそう言ったんだ。
だから、俺も謝って「少し座りませんか?」と提案した。
彼女はそれを了承して、俺たちは二人でベンチに腰をかけた。
ベンチの街灯に照らされて、初めて彼女の顔がよく見えたんだけど、すごい綺麗だったな。
               
          
14:
「ポケモンGOですか?」
俺は率直な疑問を彼女にぶつけた。
まあ、ほとんど確信してたわけだけど。
彼女は少しうつむきながら、恥ずかしそうに頷いた。
それから少し話すと、どうやら彼女も俺と同じで夜にポケモンを探していたらしい。
まあ、俺みたいに外が苦手なんじゃなくて、仕事の関係で夜に出歩いていたみたいだけどね。
               
          
15:
俺と同じようなことしている人もいるんだな、って思ったらおかしくて少し笑ってしまった。
そしたら彼女が少しムッとしちゃってさ「おかしいですか?」って言ったんだ、それがまたおもしろくてしばらく笑いが止まらなかったよ。
               
          
16:
「そもそもあなたのせいでプリン逃げちゃったんですからね」
俺の笑いがおさまりかけた頃、まだ怒り気味な彼女がそんなようなことを言った。
「……ごめんなさい」
少し落ち込み気味に言った俺に、ふざけすぎたと思ったのか、彼女は「冗談ですよ」と笑った。
               
          
17:
「でも、あれですね、何かしてもらわないと」
彼女は俺の安心した顔をみて、今度は悪戯っぽく笑った。
「そうだ! 手伝ってくださいよ、プリン探し」
名案と言わんばかりの、自信満々な顔を彼女はしていた。
               
          
18:
彼女が言うには、夜に女性が一人で歩くのは危ないし、つまらなかったからちょうどよかったとのことだった。
まあ、確かに危ないとは思ったよ。
思ったんだけど、なんでこの人は俺のことを危なくないと思ってるんだと、そうも思った。
ただそれを聞くと、真面目な顔で「危ないんですか?」とか聞かれちゃったからさ、そんなこと言われたら「危なくないけど……」と返すしかなかった。
               
          
20:
それから明日の約束をしてその日はわかれた。
誤解しないでほしいんだけど、俺はしっかり「家まで送ります」って言ったんだよ。
言ったんだけど断られたんだ。
無理やりついていくわけにもいかないしさ。
とにかく俺はしっかり言ったから、それだけは覚えておいてほしい。
ちなみに、俺の携帯にはまだプリンがいたんだけど、なぜだか捕まえるのは彼女とじゃなきゃダメだと思えて、俺は結局プリンを捕まえることはしなかった。
こうして俺と彼女の夜のポケモン探しが始まったんだ。
               
          
21:

次の日の夜、公園にいくと彼女はもうベンチに座っていた。
「こんばんは。本当に来てくれたんですね」
「約束ですから……」
そんなことを言いながら俺たちは公園を出て歩き始めた。
               
          
22:
それから二時間くらい歩いてもプリンは見当たらず、大した収穫もないまま俺たちはとりあえず元の公園に戻った。
「うーん、いなかったね」
コラッタとポッポばっかりが並んだ画面見て彼女が呟く。
電子上とはいえ一応生き物に当たるものにこんなこと言うのは良くないかもしれないけど、こいつらはそこらじゅうに掃いて捨てるほどいるやつらだ。
正直、この二時間はほぼ無駄だったと言ってよかった。
               
          
23:
ただ、思わぬ収穫もあってさ、いや、別に収穫ってほどのことでもないんだけど、この二時間彼女と話していてわかったことがあったんだ。
それは、俺と彼女は割と話が合うってこと。
少なくともプリンが見つかるまでは一緒にいるわけだし、話が合わないよりは合う方がいいだろ?
まあ、俺が勝手に思っているだけかもしれないんだけどさ。
でも、彼女もこの二時間でそう思ってくれたと思うんだ。
口調なんかもあったときよりだいぶくだけてきてたし。
               
          
24:
「ねー、聞いてる?」
聞いてなかったので、「えっ」と声が漏れてしまう。
「まったく、女の子の話はちゃんと聞かないとモテないよ」
彼女が笑いながらそう言うので「すみません」と返したら、「冗談だよ」とまた笑われた。
話というのは、明日の時間などのことだったみたいで、明日も今日と同じ時間同じ場所という約束をして別れた。
               
          
25:
この日も彼女を送ることはできなかった。
               
          
27:

それから俺たちは夜の散歩を毎日続けたんだけど、それでも一向にプリンは見つからなかった。
そうしてそんな日が続いて何日かした頃、彼女が突然ある提案をしてきたんだ。
               
          
28:
早くしろ俺のコカーンが限界だ
               
          
29:
「秋葉いかない?」
秋葉――秋葉原はポケストップがたくさんあるからポケモンがたくさん出る、そう聞いたことはあった。
               
          
30:
どうやら、彼女は何日経ってもプリンが現れないのに業を煮やしたらしく、ポケモンがたくさん出る場所ならプリンも出やすいと思って、今回の秋葉行きを計画したようだった。
               
          
31:
それにしても彼女のこの情熱はどこからくるんだろう?
ここから秋葉までは、そこまでではないにしても結構な距離がある。
これまでの会話から彼女は俺と同じで、出不精気味だと感じてたんだけど、違うのかもしれないな。
               
          
33:
俺は正直そこまでしてまでプリンが欲しいわけではないし、一人だったら絶対に行かなかったと思う。
だけど、結局俺は秋葉まで行くことになった。
俺が行こうと思った理由は、多分ポケモンGOではなかったんだと思う。
               
          
34:
ただ、俺はそのことについてはあまり考えなかった。
彼女との時間をただ楽しもうと思ったのかもしれない。
俺はこの時にはもう彼女といるのが楽しいと思ってたんだな。
それが無意識だとしても。
               
          
35:

「わぁ、桜だらけだね」
秋葉原の地に降り立ち携帯を見て一言、彼女がそう言った。
               
          
36:
桜というのは、ポケモンGOのある道具を使うと出るエフェクトのことで、それによってポケモンが集まりやすくなるものだ。
一人のプレイヤーがその道具を使うと周りのプレイヤーも恩恵を受けられるので、人が多い秋葉ではその道具の使用量も多く、画面上ではそこらじゅうが桜だらけに見えるんだ。
               
          
37:
これならいけるんじゃないかなという期待を胸に、俺たちは早歩き始めた。
               
          
38:

「うーん、いなかったね」
彼女の言葉の通り、俺たちは夜まで歩き回ったんだけど、結局プリンは見つからなかった。
「まあ、仕方ないですよ」
少し落ち込み気味な彼女を励まそうとそんなことを言ったわけだけど、正直俺も脱力感が半端じゃなかった。
               
          
39:
わざわざ秋葉原まできたのに結果は散々だったわけだから、仕方ないのかもしれないけどさ。
ただ、彼女の落ち込み方は少し尋常じゃない気もしたんだ。
そんな疑問と脱力感のせいか気が緩んでたんだろうな、俺たちは前からくる影に気がつかなかった。
               
          
41:
まあ、ただ単に前から来たガラの悪い奴らにぶつかったってだけなんだけどさ。
でも考えてみてよ、簡単にぶつかったって言うけどさ、不良っぽい奴らにぶつかるのって結構怖いよ。
現に不良たちの顔は明らかに怒ってたし、俺たちは裏路地を歩いてたんだけど、すぐに顔面に一発拳が飛んできたからね。
               
          
42:
そういうわけで地面に吹っ飛んだ俺に、彼女が不良たち二人に謝ってる声が聞こえてきた。
               
          
43:
「だからさ、謝ればいいってことじゃないじゃん? わかるでしょ? 大人なんだからさ」
そのあと聞こえてきたのはそんな下衆な声だったわけだけど、何を思ったんだか気づいたら俺は起き上がって、彼女の肩にかかっていた不良の手を振りほどいていた。
               
          
44:
勝てる可能性なんてゼロパーセントなわけで、案の定すぐに吹っ飛ばされたんだけど、それでも俺はすぐ立ち上がった。
あんまり殴られた経験なんてないからさ、新鮮だったよあの感覚は、ああ、殴られるってこんな感じなんだなってさ。
               
          
45:
多分頭がバカになってたんだろうな、ただ、殴られてる途中で泣いてる彼女の顔が見えてさ、彼女が無事ならそれでいいかななんて思ってた。
どう? ちょっとかっこよくない?
               
          
47:
なんでくだらないこと言っている場合じゃなくて、実際のところ結構やばかったんだよね。
半分死を覚悟してたんだけど、そんな俺に急に幸運が降ってきた。
なぜだかわからないけど突然不良たちが逃げて行ったんだ。
               
          
49:
その時は何が起きたかわからなかったんだけど、いつのまにか見覚えのないスーツを着た男の人が目の前にいたんだよね。
少し落ち着いて話を聞くと、どうやらその人が通りかかって、警察を呼ぶぞみたいなことを言ってくれたみたいで、不良たちは渋々逃げて行ったらしかった。
               
          
51:
まだ半分ぼやけている意識の中で、彼女がひたすらお礼を言っている声が聞こえた。
               
          
56:
「大丈夫ですか?」
その人は俺の方に近づいてそう言うと、手を差し出してくれたんだ。
今時こんないい人がいるんだなって思ったよ。
手をとってお礼を言いながら立ち上がって、しっかり話そうとしたんだけど、泣きじゃくった顔の彼女が抱きついてきてできなかった。
               
          
57:
そうやって少し止まっていると、その人が帰ろうとしちゃったんだ。
「じゃあ、私はここら辺で、気をつけてくださいね、ここら辺危ないですから」
その人が
そう言って去ろうとしたので、追いかけようとしたんだけど、彼女が離してくれなかった。
               
          
59:
「あの! せめて名前だけでも……」
「磯崎です。また、どこかであったらその時はよろしくお願いします」
磯崎さんは笑いながらそういうと、今度こそ去って行った。
               
          
60:

「まずはごめんね、でも、言わせて」
お互いに落ち着くために少し歩いて川沿いのベンチに座ると、彼女がそう話し始めた。
               
          
61:
「バカ! あんな危ないことして、もし……もし死んじゃったらどうするの! 死ななくたって本当に危ないんだよ」
               
          
62:
少し怖い顔をしてそう言う彼女に俺は「ごめん」としか返せなかった。
彼女の言ってることは正しいんだ。
ああしなかったら彼女が怪我をしていかもしれない、なんて言い訳できることじゃない。
もっと良い解決の仕方があったかもしれないし、俺はそれを探すために努力すべきだったんだと思う。
               
          
63:
「じゃあ、もうしない?」
「先生みたいなこと聞きますね」
笑いながら返した俺に彼女の顔が強張る。
「ふざけないで!」
               
          
65:
それでも俺はこの問いに頷けなかった。
もしまたこんなことがあって彼女が危ない目にあいそうだとして、それで彼女が守れるなら俺はきっとまた同じことをするだろう。
それが間違ってるとわかっていても多分やる。
だから俺は「できるだけ頑張ります」としか言えなかった。
そんな俺に彼女の厳しい視線が向けられる。
               
          
66:
長い沈黙の後、深いため息を彼女がついた。
「わかった、もういいよ。この話は終わり。
じゃあもう一つ。……助けてくれてありがとう。すごいかっこよかった」
彼女の瞳は少し潤んでいた。
               
          
67:
「ごめんね、こんなになっちゃって」
顔についた傷にそっと触れる。
「こんなのすぐ治りますよ」
「かっこいいね君は。……ずるい」
「惚れました?」
「ばか」
今度の二文字はとても暖かかった。
               
          
68:

「もうやめにしよっか、プリン探し」
しばらくして、彼女が突然そう切り出した。
               
          
69:
「なんで?」とは聞けなかった。
理由はわかる、顔の傷を痛ましく見る彼女の目が全てを語っていた。
ただ、理由がわかるからといって、受け入れる理由にはならない。
               
          
70:
「俺なら別に大丈夫ですよ、こんな傷別に――」
「よくない! いいわけないじゃん……」
哀しそうに彼女がそう言った。
               
          
71:
「ごめんね、私から頼んだのに…… でも、私のせいでまた誰かが傷つくの嫌なんだ。だからもう終わり。ね?」
さっきとは打って変わって、諭すようにそう言う彼女に反論はできなかった。
               
          
72:
「でも……」
やっとの事で絞り出したその声はほとんど意味を持たなかった。
「本当はこれも言うべきじゃないと思うんだ。でも、ここまで付き合ってくれた君に何も言わないのは失礼だと思う。だから聞いてくれる?私がプリン探してる理由」
断る理由なんかなかった。
               
          
73:
そうして彼女の話が始まる。
               
          
75:

「櫻子先生!」
放課後になると、その子は毎日元気な笑顔で私がいる音楽室に来た。
               
          
76:
ピアニストを目指している彼女は、そこで私に演奏を聴かせてくれた。
誰にも縛られないでピアノを弾ける場所が欲しかったらしい。
彼女の演奏はとても綺麗で、私はそれに心を奪われた。私は彼女の奏でる音が大好きだった。
               
          
77:
「私なれますかね? ピアニストに」
ある日彼女がそんなことを聞いてきたことがあった。
               
          
78:
「わかんないなー、それは。私も学生の頃歌手目指してたんだ。でも全然届かなかった。ピアニストと歌手は違うけど、難しいのは一緒じゃないかな」
「ですよね」
彼女が顔を曇る。
「でも、私はなってほしいなピアニストに。あなたのピアノもっと聴きたいからさ」
               
          
79:
それを聞いて彼女が顔をパァァと明るくさせた。こんな顔を見ると、歌手じゃなくて教師になったのも悪くなかったなと思う。
               
          
80:
「でも、歌手目指してたって本当ですか?」
「うん、私は演奏する方だけど。まあ、結局私は教師やってるし、その子も美容師になったけどね。あ、そういえばその一緒にやってた子なんだけどさ、最近十歳下の男の子と付き合ってるらしいんだよね。その男の子まだ高校生だよ? どうよ? これ」
自分でも生徒にする話じゃないよね、とか思ったんだけど、彼女が笑っていたからよしとした。
               
          
82:
そんなくだらない話も、真剣な話も彼女とはたくさんした。
その時間は私にとってかけがえのないものだった。
               
          
83:
だけどそれは簡単に崩れることになる。
始まりはあの一言からだった。
               
          
85:
「先生……私、もうピアノを弾けないんだって。……手が……うまく動かないって……」
彼女が事故にあったと聞いて病院にかけこむと、無表情で彼女がそう言った。
               
          
87:
あの時彼女はどんな気持ちだったんだろう?
私にはわからない。彼女の痛みも、苦しみも。
               
          
88:
それでも私は時間が許す限り、病院に通い続けた。
彼女と会ってたくさん話して、そうするうちに彼女の傷は癒えてきている、そう思っていた。
でも、それは勝手な思い込みだった。
               
          
89:
彼女は手首を切った。
               
          
90:
自殺未遂。
ついさっきまで一緒にいた彼女がそれをした。
そう聞いた時私の中で何かで崩れた。
彼女は右手を切ったらしかった。
事故でうまく動かなくなった右手を。
幸いなことに命に別状はなかったらしいが、それでも彼女がどんな思いで自分を傷つけたのか、それを考えたら私はもう教師でいる自信がなかった。
               
          
91:
だから私は逃げた。
彼女からも仕事からも逃げた。
               
          
92:
仕事を休んで、なにもしないでただ毎日漠然と過ごして一ヶ月くらいしたころ、ニュースからある単語が流れてきた。
『ポケモンGO世界的大ヒット」
このニュースをみて彼女が手首を切る前に言っていたことを思い出した。
               
          
93:
そろそろリリースされる『ポケモンGO』というアプリで、プリンというポケモンを捕まえたい。
それがあの病室で彼女が初めて口にした、未来の話。
それを思いだしたらもう、いてもたってもいられず、すぐにアプリをインストールして外に出た。
               
          
94:
プリンを捕まえて、私はどうしようと思ったのかはわからない。
彼女に会いに行く? 逃げたくせに。
じゃあ自己満足? そんなの意味がない。
わからなかったけど、それでも私はプリンを探し続けた。
               
          
95:
それから程なくして私は彼に出会う。
               
          
96:

全てを話し終わった彼女は悲しそうな顔で、遠くを見つめていた。
               
          
97:
「くだらないよね、プリンを見つけたくらいでどうにかなる話じゃないのにさ…… ごめんね、変なことにつき合わせちゃって」
「そんなことないと思います。意味なくなんかない。その子だってきっと、またあなたに会いたいはずです」
それでも彼女の表情はなおも曇ったままだった。
               
          
98:
「意味なんかないよ。何の意味もない。私は彼女を助けられなかった。……教師失格だよね。それなのに今更どんな顔して会いに行けばいいの? 無理だよ。結局私はなにもできない…… 」
               
          
99:
「それでいいんじゃないですか?」
「えっ」
               
          
100:
彼女が驚いた顔で俺を見つめていた。
正直俺もどうしたらいいかなんてわからなかった。だから思ってることを全部素直に言うことにした。
何て言ったらかっこいけど、本当はそれしかできなかったってだけなんだけどさ。
               
          
101:
「何もできなくたっていいじゃないですか。そもそもそんなの簡単にどうにかできる話しじゃないでしょ? そんなことより大事なのは、あなたがなんとかしようと思ったってことじゃないんですか?」
               
          
102:
彼女は黙って俺の話を聞いてくれていた。
               
          
103:
「それだけで、少なくとも俺だったら嬉しいですよ。もちろん俺が簡単に言っていいことじゃないってわかってます。でも、それでも俺はあなたのために何かしたいって思いました。大事なのはその気持ちなんだと俺は思います」
「でも、それで……それで、もしまた彼女を傷つけたら…… そうしたら……私は」
「それでも、その子の中に踏み込んで行かなかったらなんにもならない。踏み込んでもしその子を傷つけても、仮に自分が傷つくことになったとしても、それでもそうするしかないんですよ」
               
          
105:
「誰も救えないかもしれない、人の悲しみ一つすら癒せないかもしれない。きっと人は女神になんてなれない。それでも、そうやって生きていくしかない、それが人間なんだと俺は思います」
               
          
107:
今日、何回目だろうか?
彼女が涙を流していた。
もう、彼女の涙を見るのは最後にしたい、そのために俺にできることなら……
               
          
109:
「もし、俺に手伝えることがあったら、全力で手伝います。だから、俺と一緒にそうやって生きてくれませんか?」
               
          
110:
なんて、言ってから気づいたけど、大袈裟すぎるな。
それでも、これが俺だ。
後悔はなかった。
               
          
111:
「……君は本当に優しくて、かっこよくて……ずるい。いいの? 私はきっとたくさん迷惑かけるよ? 」
「いいです」
「すぐ泣いて、怒って、落ち込んで、多分君を振り回しちゃうよ?」
「それでも、笑顔が見れるなら構いません」
そうだ、そんなことはどうだっていい。
そんなの……
               
          
112:
「全部含めてあなたが好きです」
               
          
113:

「待って、送っててよ」
帰り道に駅でそう言われた時、一瞬なにを言われたのかわからなかった。
               
          
114:
「いいんですか?」
「だって、一緒に生きてくれるんでしょ? それに傷の手当もしなきゃいけないし。それとも嫌なの?」
ジトっとした目で彼女が見つめてくる。
               
          
115:
「嫌じゃないです! 全然!」
「じゃあ、行こっ」
そう言うと、彼女は俺の手を握ってきた。
               
          
116:
「そういえば、君、名前なんていうの?」
突然思い出したかのように、彼女が聞いてきた。
「今更ですか?」
「だって知らないじゃん。そうだ!自己紹介しようよ」
急になにを言い出したんだ、この人は?
振り回されるってこういうことなのか?
まあ、それでいいと言った以上従うしかない。
               
          
117:
「柏田 涼です。好きなものは田園です。よろしくお願いします」
どうだ? 模範的な自己紹介だろ?
               
          
118:
「え、田園好きなの?」
不思議そうな顔で彼女が訪ねてきた。
「綺麗な田園風景が好きなんです」
「へー、変なのー」
彼女がすごく面白そうに笑うから、なんだか少し恥ずかしくなってきた。
「もういいでしょ。それより早くしてくださいよ、自己紹介」
               
          
119:
「わかったよ…… じゃあ、自己紹介します。
名前は高木 櫻子、好きなものは……」
               
          
120:
「柏田 涼です」
               
          
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