面接官「採用トーナメント開幕!」潤滑油「絶対優勝してやる!」back

面接官「採用トーナメント開幕!」潤滑油「絶対優勝してやる!」


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1:
ワアァァァァァ……!
面接官「ただいまより採用トーナメントを開幕いたします!」
面接官「アットホームな社風と、すぐに重要なポジションにつくことができるのがウリである我が社!」
面接官「優勝して一流企業である我が社への内定を手に入れることができるのは、誰か!?」
面接官「さっそく8名の選手に入場していただきましょう!」
面接官「全選手入場!!!」
2:
潤滑油
歯車
スポンジ
3:
バイトリーダー
ゼミ長
4:
実況『噛めば噛むほど味が出る! スルメだァーッ!』
実況『どんなものも吸収して、この世の汚れを落としまくったる! スポンジ!』
実況『困ってる人を助けるのがなにより楽しい! 現代に生きる聖人、ボランティアだ!』
実況『学術書からラノベまでなんでもいけまっせ! 趣味の帝王、読書が来てくれたァ!』
実況『よく観察するからこそ、よく労働できるのだ! 人間観察ッ!』
実況『リーダーシップという言葉は自分のためにある! バイトリーダー!』
実況『俺のために組織があるんじゃない、組織のために俺がいる! 歯車の登場だ!』
実況『機械も人間も円滑に動かしてみせます! 潤滑油だァッ!』
5:
まちづくりボランティア
フェアトレード
アフリカに学校建設
6:
実況『厳正なる抽選の結果、トーナメントの組み合わせは以下のように決まりました!』
          ┌─ 潤滑油
      ┌─┤
      │  └─ バイトリーダー
  ┌─┤
  │  │  ┌─ 歯車
  │  └─┤
  │      └─ スルメ
─┤
  │      ┌─ スポンジ
  │  ┌─┤
  │  │  └─ 読書
  └─┤
      │  ┌─ ボランティア
      └─┤
          └─ 人間観察
7:
正直ちょっと面白いと思ってしまった
8:
<控え室>
潤滑油(いよいよ試合が始まる……)
潤滑油(今日まで潤滑一筋で頑張ってきたんだ……絶対に優勝して、内定を取ってみせる!)
潤滑油(だけど、他の面々も一筋縄でいきそうもない奴らばかりだ……)
スルメ「よっしゃあ、絶対優勝してみせるぜ!」
読書「やかましいですよ、読書の邪魔です」クイッ
人間観察「ヒヒッ……どいつもこいつも観察してやる……ヒヒヒッ」
10:
人間観察そのキャラかw
11:
ボランティア「弱い人や困ってる人を助けるのがボクの使命です!」
スポンジ「あ?……お腹減った。なにか吸収したいなぁ……」
歯車「必ずや優勝し、立派な社会の歯車となってみせる!」
バイトリーダー「えーと、一回戦の相手はお前だったよな?」
潤滑油「!」
バイトリーダー「ラッキーだったぜ。どうやら一回戦は無傷で勝ち進めそうだ」
潤滑油「なんだと……」
バイトリーダー「俺の時給の高さ……たっぷりと思い知らせてやるよ」ニヤッ
潤滑油「望むところ!」ヌルッ
12:
ヌルッてなんだよワロタ
14:
<試合場>
【一回戦第一試合 潤滑油VSバイトリーダー】
実況『さあ、いよいよ第一試合が始まります!』
実況『潤滑のエキスパート潤滑油と、アルバイトの達人バイトリーダー! 勝つのはどっちだ!?』
ワァァァ……! ワァァァ……!
審判「始め!!!」
潤滑油(アルバイトとはいえリーダーまで上り詰めただけあって、かなりの気迫だ……)
バイトリーダー「…………」ニヤ…
15:
バイトリーダー「さっそくだが、俺の時給を教えてやろう」
潤滑油「ほう」
バイトリーダー「俺の時給は……850円だ」
潤滑油「ん……? 意外と低いんだな。もっと時給が高いバイトはいくらでもあるぞ」
バイトリーダー「勘違いするなよ? 今のは、いってしまえば気を入れてない状態の時給だ」
バイトリーダー「俺が本気になると……こうなる!」
バイトリーダー「はああああああ……!」ゴゴゴ…
バイトリーダー「860……870……880……890……!」
潤滑油「な、なにっ! 時給がどんどん上がっていく!?」
17:
バイトリーダー「バイトリーダーとはただのアルバイトにあらず! アルバイトの長よ!」
バイトリーダー「当然、時給もうなぎ上りというわけよ!」
潤滑油「ま、まだ上がるのか……!」
バイトリーダー「1030……1040……1050……!」
潤滑油「ぐ……!」ビリビリ…
実況『時給の上昇が止まらない! ついに四ケタに達しましたぁ!』
潤滑油(まずいな……これ以上時給を上げられたら、戦いが厳しくなる!)
潤滑油(いや……待てよ?)
18:
潤滑油「“オイルサポート”!」ジャバァッ
バイトリーダー「!?」
実況『潤滑油、体の一部を飛ばしてバイトリーダーにぶつけたァ! ですがダメージはなさそうだ!』
潤滑油「お前の働きぶりを“潤滑”させて、時給アップを手伝ってやろう」
バイトリーダー「おおっ!?」
バイトリーダー「俺の中にかつてない“バイトパワー”が沸いてくる!」グゴゴゴゴ…
バイトリーダー「時給がさらに増えるぞォッ!」
バイトリーダー「うおおおおっ! 1120……1150……1200……ハッハッハ、まだまだぁっ!」
スルメ「あいつ、みすみす敵を強くしてどうすんだ!?」
読書「いえ……私には彼の狙いが分かりましたよ」クイッ
19:
バイトリーダー「1300……1400……1500……ゲ、まずい! これ以上はッ!」
バイトリーダー「俺はアルバイトでいたいんだ! 責任を背負いたくないんだぁっ!」
バイトリーダー「ひぃぃぃっ! 時給が止まらない!」
バイトリーダー「あくまでこのバイトは、ちゃんとした就職までのつなぎ――」
潤滑油「もう手遅れだ」ヌルッ
潤滑油「今やお前の時給は……ブレーキオイルを抜かれた車と同じ!」
バイトリーダー「うああああ……! 俺の体が……変化していくぅ……!」メキョメキョ…
ズオッ!!!
正社員「ああああああっ!」ジャキーンッ
20:
その発想はなかったわ
22:
採用されとるやんけ
23:
>>22
バイト先にでそ
24:
潤滑油「正社員昇格おめでとう。と同時にお前はこのトーナメントの参加資格を失った」
正社員「俺の……完敗だ!」
実況『一回戦第一試合は、潤滑油が見事な潤滑プレイで勝利だぁっ!』
ワアァァァァァ……!
○ 潤滑油 VS バイトリーダー ×
25:
潤滑プレイw
28:
【一回戦第二試合 歯車VSスルメ】
ワァァァ……! ワァァァ……!
実況『第二試合は歯車とスルメが登場だ!』
実況『どちらも就職面接では頻出する実力者! 好勝負が期待できそうです!』
スルメ「歯車ァ! やっと一対一で決着をつけられるな!」ウネウネ
歯車「ああ、いい試合をしようではないか」ギュルルッ
審判「始め!!!」
29:
スルメ「スルメ拳法!」シュババババッ
ドガガガガガッ!
歯車「ぐっ!」
ワアァァァァァ……!
実況『スルメ、十本の足を使って怒涛の連続攻撃ィ!』
スルメ「この日のためにどれだけ修行してきたと思ってるんでえ!」ドガガガガッ
スルメ「いい試合をするつもりなんかねえッ! このまま一気に――」
歯車「吾輩は歯車……歯車とは部品……部品の真骨頂は忍耐力!」
歯車「この程度では屈せぬ!」ギュルルルルッ
実況『歯車の回転数が上がった!?』
30:
歯車「“歯車疾走”ッ!!」ギュィィィィン
実況『歯車、ものすごいスピードで地面を転がることでスルメのラッシュから脱出したぁっ!』
スルメ「なんつうスピードだ! このぉっ!」シュババッ
歯車「無駄だ! ギアを上げた吾輩のスピードは捉えられぬわ!」ギュンッ
歯車「吾輩はこのスピードで社会の歯車となり、経済活動を廻してくれるッ!」ギュンッ
歯車「“歯車乱舞”ッ!」ギュルルルッ ギュルルルルッ
ザシュシュシュッ! ザシュッ! ザシュシュシュッ!
スルメ「ぐあぁぁぁぁ……っ!」
実況『先ほどまでのお返しとばかりに、四方八方からスルメを切り刻むッ!』
31:
期待してなかったけど見入ってしまった
32:
サークルの幹事と体育会系と旅行がない
33:
普通に面白い、もっとやれ
36:
スルメ「強ええ……」ガクッ
歯車「無益な殺生はしたくない……降参するがいい」
スルメ「いや……勝負はこれからさ……」ハァ…ハァ…
歯車「降参せぬというのなら……トドメだ!」ギュルルルルッ
スルメ「残念だが、そうはいかねえ!」キッ
歯車(こいつ……ダメージが蓄積されてるのに、気力はむしろ充実している!?)
スルメ「教えてやるよ……」
スルメ「オレは噛めば噛むほど、味が出るってことを!!!」
38:
スルメ「オレは味が出れば出るほど、より上位のイカ技を使える!」
スルメ「スルメ拳法“槍イカ”!!!」シュバァァァッ
ザグゥッ!
歯車「ぐ、は……! 一撃で、吾輩のボディを貫くとは……!」ギュルル…
歯車「吾輩はまだまだ、歯車として力不足だった、ということか……」ドサッ
スルメ「勝利の味ってのもなかなか悪くねえもんだ……」
スルメ(だが……もしオレのことを気遣わずトドメを刺してたら、アンタの勝ちだったろうぜ……)
× 歯車 VS スルメ ○
40:
リザーバーに期待
41:
【一回戦第三試合 スポンジVS読書】
審判「始め!!!」
読書「私は月100冊以上の本を読む、活字中毒者です」
読書「本を読むことで蓄積した私の豊富な知識力で、あなたを屈服させてあげましょう」
スポンジ「どんとこ?い!」
42:
読書「いきますよ……」
読書「文豪、夏目漱石の脳みそは東京大学に保存されているのです!」
読書「ノーベル数学賞が存在しないのは、ノーベルは数学者と確執があったからという説があります!」
読書「犬小屋は英語で“kennel”といいます! 犬寝る(ケンネル)、と覚えましょう!」
読書「太陽の寿命はおよそ100億年と考えられている!」
読書「ルイ14世は医者に全部歯を抜かれて、柔らかいものしか食べられなくなった!」
読書「いかがです? ……読書によって培った豊潤な知識による“国数英理社”五連続攻撃は?」クイッ
スポンジ「うまい、うまい」ペロリ
読書「バカな……! 私の知識を……吸収している……!?」
スポンジ「ぐふふ、もっとちょうだ?い」
44:
読書「おのれぇっ! だったらさっき控え室で読んだ面接本に載ってた面接マナーを喰らえッ!」
読書「ドアの前に着いたらまずノックをして、『どうぞ』という声が聞こえたら中に入りましょう!」
読書「中に入ったら『失礼いたします』と一礼しましょう!」
読書「『どうぞ』といわれたら椅子に座り、手は丸めて膝の上に置きましょう!」
読書「面接中は面接官の目を見て、ハキハキと質問に答えましょう!」
読書「面接が終わったら『ありがとうございました』と頭を下げてから席を立ちましょう!」
読書「出口でもう一度『失礼いたします』とお辞儀をしてから退室しましょう!」
読書「ハァ、ハァ……どうだ!? 驚いたか!?」
45:
スポンジ「うまい、うまぁ?い」ペロリ…
読書「そんな……! 私の知識で屈服しないだと……!?」
読書「私の……負けだ……」ガクッ
審判「勝負ありッ!」
実況『ここで読書、スポンジの吸収力の前に屈したァッ!』
ワアァァァァァ……!
○ スポンジ VS 読書 ×
46:
【一回戦第四試合 ボランティアVS人間観察】
実況『一回戦最後の試合! 準決勝最後の切符を手にするのは、ボランティアか!? 人間観察か!?』
ボランティア「よろしくお願いします!」
人間観察「ヒヒヒ……」ジロッ
ボランティア「ひっ!」ゾクッ
ボランティア「なんですか……!? 不気味な人だなぁ……」
人間観察「ワタシはね、ヒヒッ、人を観察するのが、大好きなんだぁ?……」
人間観察「キミのことも観察してやるよぉ?」ジーッ…
ボランティア「やめて下さい!」
47:
ボランティア強そうだな
48:
人間観察「!?」
?
シュウカツノネタニナルカラシカタナクボランティアナンテヤッテルケドカッタリー
ナンデオレミタイナミライアルワカモノガジジイヤガキヤカラダガフジユーナヤツノメンドウミナキャナンネーンダ
コンナコトシテルヒマアッタラオンナトアソビテーカラオケイキテーサケノミテースマホイジリテー
シカモナンデカネモラエネーンダヨロウドウナンダカラカネヲヨコセヨ
ボランティアッテホントクダラネクダラネクダラネクダラネクダラネクダラネ…
?
人間観察「…………!」
ボランティア「どうしましたか? なにか見えましたか?」ニコッ
人間観察「ヒッ……!」ビクッ
49:
この程度でビビるなよ(マジレス)
50:
人間観察「ひ、ひええええぇぇぇぇぇ?????っ!!!」タタタッ
ボランティア「おやおや、逃げてしまいましたか」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
実況『なんと人間観察、試合場から走り去ってしまいました! 一体なにがあったのでしょうか!?』
正社員「腹でも痛くなったのか? サボリだとしたら許せないな!」
歯車「体調不良というより、なにかに怯えているような感じであったが……」
○ ボランティア VS 人間観察 ×
51:
一回戦が全て終了し――
<控え室>
潤滑油(人間観察の逃げ方……只事じゃなかった。いったい何があったんだ?)
潤滑油(それにスポンジの吸収力も脅威だ……だが!)
スルメ「よぉ!」ウネウネ
スルメ「潤滑油、今まで出会ったことはなかったが、おめえのことはよく知ってる」
スルメ「オレに敗れた歯車のためにも、おめえに勝って決勝進出してやるぜ!」
潤滑油「こっちこそ……負けるものか!」ヌルッ
潤滑油(今は準決勝に集中しなければ、俺はスルメに負けるだろう!)
52:
<試合場>
【準決勝第一試合 潤滑油VSスルメ】
ワァァァ……! ワァァァ……!
実況『ただいまより準決勝を行います!』
実況『最初の試合は、潤滑油とスルメの対決! 先に決勝にコマを進めるのはどっちだ!?』
審判「始め!!!」
潤滑油「“オイルタックル”!」ギュォォッ
スルメ「スルメ拳法“剣先イカ”!」シュバァァッ
53:
ズガァンッ!
ドガガガガッ! ガガガッ! バシッ! ガキンッ! ズガァッ!
実況『す、すごい! すごい肉弾戦です! 油とイカがぶつかり合い、試合場に火花が散るッ!』
潤滑油「…………」ニヤッ
スルメ「…………」ニヤッ
ワアァァァァァ……!
54:
潤滑油(噛めば噛むほど味が出るスルメに長期戦は危険……次の技で決めるッ!)
潤滑油「“オイルウェーブ”!」ザバァァァッ
ザバァッ!
スルメ「うおっ!?」
実況『潤滑油、大波となってスルメの全身を油まみれにしたァッ!』
スルメ「くっ……!」ギトギト…
潤滑油「油まみれじゃ、味も落ちるだろう。これでだいぶ俺が有利になった」
スルメ「そいつはどうかな?」ボワッ…
潤滑油「自分に火を!?」
焼きスルメ「忘れたか? スルメってのは“あぶってからが本番”なんだぜ……?」メラメラ…
潤滑油「し、しまったァッ!」
55:
焼きスルメ「いくぜえ、潤滑油!」メラメラメラ…
焼きスルメ「油であるおめえに拳法は通じにくいが、この状態ならダメージも通るだろう!」
焼きスルメ「“槍イカ”!」ザクッ
焼きスルメ「“裂きイカ”!」ベリィッ
焼きスルメ「“のしイカ”!」ドスゥンッ
潤滑油「ぐ、はぁ……っ!」ベチャッ…
実況『刺して、裂いて、のしかかる! 電光石火の三連撃ィ!』
実況『これには液体である潤滑油も、さすがにダメージがあるようです!』
ワアァァァァァ……!
57:
燃えたら消えるだろ潤滑油
59:
焼きスルメ「まだまだいくぞォッ!」ニュルッ
潤滑油「“重油”!」
焼きスルメ「!?」ズシッ…
潤滑油「さっきお前に浴びせた油を重油にした……つまり今お前には『100G』の重力がかかっている!」
焼きスルメ「へへへ……やるな! ――だが!」ムキムキ…
実況『スルメが巨大化していく!』
大王スルメ「最終奥義“大王イカ”!」
大王スルメ「巨大化してパワーアップすることで、お前の重力をハネのけたぜ!」
潤滑油「こんなとっておきを残してたとは……!」
60:
大王スルメ「このパワーで、おめえを粉砕してやるッ!」グオオオッ
潤滑油(液体のままでは、再生不可能なほど飛び散らされてしまう! ――ならば!)
潤滑油「はああああっ!」ヌルヌルッ
アスファルト「油からアスファルトに変身ッ!」カチーンッ
大王スルメ「おもしれえええッ!」シュババァァッ
実況『こ、これは……ッ! “石油王”と“大王”、王(キング)同士の激突だァァァァァッ!!!』
ワアァァァァァ……!
ズガガガァァァンッ!!!
61:
大王スルメ「ぐはぁぁぁ……!」ドザァッ…
アスファルト「ぐ……!」シュゥゥ…
実況『両者、元の姿に戻りました! 立っているのは……潤滑油です!』
スルメ「いい戦いができた……が、勝利という花はアスファルトに咲いたようだな……」
スルメ「優勝しろよ……」ガクッ
潤滑油「……もちろんさ」
――潤滑油、決勝進出!!!
○ 潤滑油 VS スルメ ×
63:
【準決勝第二試合 スポンジVSボランティア】
スポンジ「むっふっふ……」
ボランティア「正々堂々戦いましょう!」
実況『興奮冷めやらぬ中、準決勝第二試合が始まろうとしております!』
実況『圧倒的な吸収力を誇るスポンジと、不可解な勝利を遂げたボランティア!』
実況『この戦いも勝敗が全く予想できません!』
子供「ボランティアのお兄ちゃん、がんばってー!」
ボランティア「ありがとう!」ニコッ
実況『おっと、ボランティアにはファンがついている模様! さすがです!』
65:
誰も採用したくねぇ
66:
こういう発想力があれば就活楽にいけたんだろうか
67:
審判「始め!!!」
ボランティア「いきますよ!」ダッ
ボランティア「ボランティア戦術――“千羽鶴ミサイル”!」ズガガガガッ
ボランティア「“募金銭投げ”! “ゴミ拾いタックル”!」ドゴゴゴゴッ
実況『凄まじい連続攻撃が立て続けにヒットォ!』
スポンジ「ぐふふ……」ペロリ…
ボランティア「効いてない!?」
68:
ボランティア「“スーパー草むしり”!」ブチチチッ
スポンジ「ぐっふっふ……」
ボランティア「“ゴミ片付けバックドロップ”!」ドゴォンッ
スポンジ「いいねぇ?、キミの技はどれも慈愛に満ちててとてもおいしいよ」ペロリ…
ボランティア「くっ!?」
スポンジ「そら、キミの“ボランティア精神”を全部吸い取ってあげよう!」ズオオオッ
ボランティア「うっ、うわぁぁぁぁ……!」
実況『これは早くも勝負が決まってしまったかァッ!』
実況『――――!?』
69:
悪ボランティア「あ?……スッキリしたぜ」シュゥゥ…
スポンジ「うえぇ!?」
悪ボランティア「感謝するぜ……オレの“ボランティア精神”という名の鎧をはぎ取ってくれてよォ……」
悪ボランティア「ぶっちゃけた話、オレは困ってる奴なんかどうでもいいんだよ!」
悪ボランティア「人の手に頼らなきゃ生きられねェゴミどもを助けるなんざヘドが出る!」
悪ボランティア「就活のネタにでもならなきゃ、誰がボランティアなんかするかよ!」
悪ボランティア「この世の弱者は全てオレの踏み台……餌よ!!!」
スポンジ「な、なんて邪悪な気だぁ……!」
人間観察(これだ……ワタシが見てしまったのは“これ”だったんだ……!)ガタガタ…
70:
悪ボランティア「一度でいいからボランティアで鍛えた体で暴れてみたかったんだよなァ……」
悪ボランティア「ヒャハハハハハハァ!!!」
ドゴォッ! バキィッ! ガゴォッ!
スポンジ「きゅ、吸収しきれな――」
グシャッ!!!
悪ボランティア「へっ、もう動けねえか」
実況『あ、圧倒です……! ボランティア、決勝進出……!』
子供「ウソだ……こんなのウソだぁ……!」
悪ボランティア「泣いてんじゃねーよ、ガキ! オレはガキが嫌いなんだ!」
悪ボランティア「ヒャハハハハハハハハハハハハハァァァァァ!!!」
× スポンジ VS ボランティア ○
71:
面接官「いよいよ最後の戦いが始まります!」
面接官「潤滑のスペシャリストであり、油という強みを生かし切る潤滑油!」
面接官「善人の仮面を外し、圧倒的な強さと殺意を見せつけたボランティア!」
面接官「どちらも、ぜひとも我が社に欲しい人材です!」
面接官「しかし、採用予定人数はたった一人!」
面接官「我が社の内定を勝ち取るのは一体どっちだ!?」
面接官「決勝(ファイナル)!!!」
ワアァァァァァ……!
72:
アスファルトはもう潤滑油じゃないだろ
73:
<控え室>
スルメ「潤滑油、あんなヤロウに負けんじゃねーぞ!」
歯車「うむ、あんな輩が社会人になったらとんでもないことになる」
正社員「俺を正社員にしてくれたアンタが負ける姿は見たくない……勝ってくれよ!」
潤滑油「みんな……ありがとう! 行ってくる!」ヌルルッ
74:
正社員で笑う
75:
<試合場>
【決勝戦 潤滑油VSボランティア】
ワアァァァァァ……!
潤滑油(黒い……! なんてどす黒い闘気を放っているんだ!)
悪ボランティア「ヒャハハ……油如きがオレに勝てるかよ! すぐ廃油にしてやるぜェ!」
実況『採用トーナメント決勝戦! 内定の栄冠を勝ち取るのはどっちだァ!?』
審判「始め!!!」
76:
悪ボランティア「ヒャッハァァァ!」ギュオッ
ドガァッ! バキィッ! ドゴォッ!
潤滑油「ぐふっ!」
悪ボランティア「“黒千羽鶴ミサイル”!」ヒュバババッ
ズガガガガッ!
悪ボランティア「“点字歩いてる人キック”!」
バキィッ!
悪ボランティア「“寝たきり老人ストンピング”!」
ドゴォォッ!
潤滑油(つ、強い……!)
78:
もはやボランティアではないと思うが
79:
潤滑油「“潤滑ダッシュ”!」ギュンッ
悪ボランティア「おせぇっ! “優先席占領ダッシュ”!」ギュオッ
ドゴォッ!
潤滑油「がはっ……!」
潤滑油(パワーもスピードも俺とは段違いだ……! 一撃もらうたびに体が飛び散る……!)
潤滑油(この攻撃力には、アスファルト化しても耐えられまい……!)
悪ボランティア「ヒャハハハハァ! 雑魚をいたぶるのは楽しいぜぇ!」
悪ボランティア「弱者は徹底的にボコって、てめーは社会に必要ねェって思い知らせる!」
悪ボランティア「これが真のボランティアよォォォォォ!!!」
実況『ボランティア強い! 強すぎるッ! 潤滑油、なすすべがありませんッ!』
80:
潤滑油「お前は……本当にボランティアを就活のネタにするためだけにやってたのか……?」
悪ボランティア「その通りィィィ!」
悪ボランティア「でなきゃ、一銭にもならねーのに人助けなんかやるかよ! くっだらねぇ!」
潤滑油「許せん!」ヌルッ
悪ボランティア「ヒャハァッ!」ギュオッ
ドゴォッ!
潤滑油「ぐげぇっ……!」ベチャッ…
子供「ウソだ……」
子供「お兄ちゃんはボクのいる幼稚園に、紙芝居しに来てくれた……」
子供「あれが就職活動のネタにやってたことなんて……ウソだぁぁぁぁぁっ!」
81:
いやいや採用しちゃうのこれ
82:
悪ボランティアの言動見たら間違いなく不採用だろ
83:
子供「ウソだぁぁぁっ!」タタタッ
実況『あっ! 子供が試合場に入っていった!』
実況『試合場の中は、潤滑油が大量に飛び散っているため危険です!』
子供「うわっ!」ズルッ
潤滑油「……いかん!」
84:
感動の予感
85:
悪ボランティア「危ないッ!」ササッ
子供「うわっ!」ボフッ
子供「ありがとう……お兄ちゃん……」
悪ボランティア「――――!」ハッ
悪ボランティア「ちっ、とっとと観客席に消えやがれ! クソガキが!」
子供「うん!」タタタッ
潤滑油「…………」
潤滑油「ボランティアよ……お前はボランティアを嫌々やっていたといったが、本当は――」
潤滑油「心の奥底の、さらに奥底では……」
悪ボランティア「ち、違う!」
86:
悪ボランティア「オレは偽善者だ! いや……悪だ! 断じてボランティアなんか好きじゃあないッ!」
潤滑油「だったら……俺がお前の真実を暴き出す!」ヌルルッ
悪ボランティア「な、なんだとォ!?」
潤滑油「潤滑油は真実の姿を映し出す!」
潤滑油「“アブラーの鏡”!!!」ピカーッ
悪ボランティア「うぎゃぁぁぁ……! や、やめろぉぉぉ……!」ジュゥゥゥ…
悪ボランティア「オレは……いやボクは……!」
悪ボランティア「嫌々ボランティアをやってる、うちに……」
悪ボランティア「人助けの楽しさ、素晴らしさに……目覚めて……!」
87:
実況『これは……ボランティアから邪悪さが消えて……!?』
スルメ「……どうやら、あれがボランティアの真の姿みてえだな」
歯車「うむ、心の自覚できぬほど深い部分では、人助けの楽しさに目覚めていたようだ」
真ボランティア「…………」
真ボランティア「“偽善”と“悪”を経て、ボクはようやく真のボランティアになることができた」
真ボランティア「ボクはこの戦いが終わったら、ボランティア団体に入ろうと思う」
真ボランティア「最後に……全力で相手をしてくれないか」ニコッ
潤滑油「いいとも!」ヌルリッ
88:
真ボランティア「うおおおおおおおおおおおっ!!! “赤い羽根(レッド・フェザー)”!!!」
潤滑油「はああああああああああっ!!! “黄色い油(オリーブ・オイル)”!!!」
――ズギャアッ!!!
真ボランティア「ふっ……堪能したよ、潤滑油の滑らかさを……」
潤滑油「俺も堪能したよ……ボランティアという行為の高潔さを……」
89:
真ボランティア「君の……勝ちだ……」グラッ…
ドサァッ……
実況『決まったァ??????????ッ!!!』
実況『採用トーナメント優勝は……潤滑油だァッ!!!』
ワアァァァァァ……!
○ 潤滑油 VS ボランティア ×
90:
オリーブオイルつええ
92:
内定式――
面接官「ふっふっふ……優勝おめでとう」ニッコリ
面接官「残念ながら、敗れた7人は我が社に入る器ではなかった」
面接官「潤滑油君、君のような優れた油こそ我が社の社員に相応しい」
面接官「さあ、この辞令を受け取りたまえ」
潤滑油「…………」
潤滑油「いや……俺は内定を辞退する」
面接官「――なんだと!?」
93:
なんだと
94:
潤滑油「このトーナメントを勝ち抜いて、俺はようやく悟った」
潤滑油「俺たちのような就職面接でおなじみの者たちを集め、内定を餌に戦わせて見世物にする……」
潤滑油「この大会で一番どす黒いのは、邪悪だった頃のボランティアなどではなく、アンタだとな」
潤滑油「今思うと、ウリにしている“アットホームな社風”と“すぐ重要なポジションにつける”ってのも」
潤滑油「きっと罠に違いない……!」
潤滑油「よって、俺は別の会社を探させてもらうよ」
潤滑油「さらばだ」ヌルッ
面接官「…………」ビキビキッ
95:
いまさらかい
96:
面接官「待ていッ!」
面接官「せっかく良質な社畜になりそうな者を選抜できたというのに、今さら逃すものかッ!」
面接官「こうなったら無理矢理にでも、社畜にしてくれようぞ!」
潤滑油「やっと正体を現したな!」
黒面接官「我が社の犬になるがよい……」ズズズ…
潤滑油「この闘気は……真に会社に魂を売り渡した者だけが習得できるという、黒闘気(ブラックオーラ)!」
黒面接官「そのとおり! そして、このオーラを浴びた者は……問答無用で社畜と化す!」ズオオオオ…
潤滑油「ぐっ……!」
潤滑油「ぐああああああっ……!」メキメキメキ…
97:
スルメ「まずいッ! このままじゃあいつが社畜にされちまう!」
スルメ「みんなの力を送るんだ!」ズォォォ…
歯車「うむ」ギュルルルッ
読書「承知しました」クイッ
人間観察「ヒヒヒッ……」ジロジロ…
正社員「いいとも! 俺の初任給をくれてやるゥッ!」チャリーン
スポンジ「ボクの力を貸すよぉ?!」ジワァァァ…
真ボランティア「ボクのボランティア精神、受け取って下さい!」パァァァ…
潤滑油「ありがとう……みんなのおかげでかつてない滑らかさを得ることができた!」ヌルルルッ
黒面接官「バカな……ッ! 私のオーラが滑らかさで受け流されている……ッ!」
98:
熱いな
101:
潤滑油「どす黒いオーラをそっくりそのままお返ししてやるッ!」
潤滑油「“潤滑”!!!」ヌルルルッ
ドゴォォォォンッ!!!
面接官「ぐはっ……! この私が、倒されるとは……!」
面接官「だが、覚えておくがいい……」ニヤ…
面接官「私を倒したところで……ブラック企業はなくならん……!」
面接官「しょせんこの勝利など、幻のようなものだと、すぐ気づくことになるであろう……!」
面接官「今後の貴様らのご活躍やご健勝を、祈っておいてやろう……」
潤滑油「分かってるさ……そんなこと」
102:
深いssだったな
104:
スルメ「やったな! おめえは就活界の“ペレストロイカ”だぜ!」
潤滑油「ありがとう、みんなの力がなかったら勝てなかったよ!」
スルメ「へへへっ、おめえこそよくみんなの力を使いこなせたよ!」
歯車「うむ……よくやった」
読書「本以外のことに感動したのは、本当に久しぶりのことですよ」クイッ
スポンジ「水を吸うはずのボクから涙があふれてくるよぉ?」ドバァァァ
人間観察「ヒヒ、ヒヒヒッ……いいものを観察させてもらったよ」
真ボランティア「潤滑油は、ボクたちの仲を“潤滑”してまとめ上げてくれたんだ……」
105:
発想がすごいな
107:
正社員「そうだ!」
正社員「これから俺の店で打ち上げをしないか!?」
スルメ「もちろん、おめえのおごりなんだろうなぁ?」
正社員「ハハハ、まさか! きっちり料金払ってもらうに決まってるだろ!」
歯車「フッ、さすが正社員なだけある。利益に対する意識が高い」
ハハハハ…… ワイワイ……
潤滑油(ようやく、一息つけるな……)
潤滑油(だけどこの世に就職活動がある限り、俺たちの戦いは終わらない)
潤滑油(俺はこれからも社会に滑らかさを与える存在であり続ける! ――潤滑油として!)
― 完 ―
108:

109:

111:
10年コテやってるけど一番面白かった
114:

115:
あれ、正社員が一番勝ち組やん
12

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