【SS】凛「凛たちは、二人で一人の」花陽「仮面ライダーです!」back

【SS】凛「凛たちは、二人で一人の」花陽「仮面ライダーです!」


続き・詳細・画像をみる


第三話 怪盗E/悲しみの果て
※このSSはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
3:
前回のラブライダー!
いつも捜査に協力してくれる、秋葉原警察署の特殊犯罪捜査課所属、園田海未ちゃん。
そんな彼女の幼馴染の南ことりちゃんが、特殊犯罪捜査課の新米としてこの街にやってきた。
同時に、ケーキが盗まれるドーパント事件解決の依頼も舞い込んできた!
ことりちゃんに辛辣な依頼人の楠田アイナさんと、怪しい動きをすることりちゃん。
結局、犯人はメイド喫茶のオーナーさんで、ことりちゃんの疑いも晴れてハッピーエンド!
新しく現れた"ナスカ"のメモリのドーパントもなんとか撃退して、いつも通りの日常に戻った!
???矢澤探偵事務所???
"仮面ライダー、またもドーパント事件を解決"
"仮面ライダーの正体とは?女性説が有力か"
ここあ「どの新聞も仮面ライダーの話題で持ち切りだね?」
こころ「いいことじゃないですか!この事務所の名前が売れれば…」
花陽「ちょ、ちょっと待って!」
凛「…かよちん?どうかした?」
花陽「いや…その、正体、明かすの?」
ここあ「ダメなの?」
花陽「いや…その…うん」
凛「凛もあんまりよくないと思うなぁ」
こころ「何か理由があるんですか…?」
凛「それはね――――――」
『すみません!すみませーん!!』ドンドンドン
凛「わぁっ!?な、なに!?」
花陽「依頼人さんかな…?はーい!」ガチャ
依頼人「お邪魔します!」
4:
こころ「わぁ…すごい美人さんですね」
ここあ「外国の人かな?」
花陽「今日はどうしましたか?」
依頼人「仮面ライダーを探してほしいんです!」
花陽「仮面ライダーを…?」
ここあ「なーんだ、簡単な依頼だね」ヒソヒソ
こころ「この場で解決しちゃう依頼なんて初めてですね」ヒソヒソ
凛「だから正体は明かさないんだってば」ヒソヒソ
依頼人「そうです…街の敵っ!極悪怪盗、仮面ライダーですっ!」
凛「ま、街の敵…!?」
花陽「仮面ライダーが怪盗!?」
5:
花陽「…とりあえず、お話を聞かせてください。お名前は?」
亜里沙「絢瀬亜里沙です」
花陽「亜里沙ちゃん…えーっと、仮面ライダーが、怪盗って…?」
亜里沙「これを見てください!」バンッ
凛「写真?」
花陽「これは…」
ここあ「ダブルじゃないじゃん!」
亜里沙「ダブル?」
こころ「そうです!あの半分こ怪人、もとい仮面ライダーの正しい名前はダブル!ここにいる、花陽さんと凛さんが―――――」
花陽「わーっちょっとぉ!」
こころ「もご…」
凛「…とにかく、これは正義の仮面ライダーとはまた別の存在だにゃ」
亜里沙「そうなんですか?」
凛「うん」
亜里沙「でも…この仮面ライダーは、怪盗仮面ライダーだって言ってました」
花陽「…そんなの許せません」
こころ「花陽さん?」
花陽「…街の人が付けてくれた、素晴らしい名前を汚す怪盗…絶対に許せません」
花陽「…調査開始します」
こころ「あっ、わ、私も行きます!」
ここあ「私もー!」
7:
花陽「よい、しょっと…今日もよろしくね、ハードボイルダー」
亜里沙「あの二人は別行動なんですか?」
花陽「あ、うんっ。あの子たちはあの子たちのやり方があるから…」
亜里沙「そうですか…」
花陽「…」
亜里沙「あの!」
花陽「?」
亜里沙「私も、連れて行ってください」
花陽「え…でも、ドーパント事件かもしれないし…危ないよ」
亜里沙「確かめなきゃいけないことがあるんです…」
花陽「……後ろ、乗ってもいいけど…しっかり捕まっててね」
亜里沙「はい…!」
prrrr prrrr
花陽「あ、電話…はい花陽」
海未『海未です』
花陽「あ、海未ちゃん?どうしたの?」
海未『先程、UTXのアニメ展から出演者の衣装が盗まれる事件が発生しました』
花陽「えっ…今!?」
海未『はい…もし犯人らしき人を見つけたら知らせてください。メールに情報を添付しておきます』
花陽「わかったよっ」
海未『では、失礼しま…』
亜里沙「あの!」
花陽「亜里沙ちゃん?」
亜里沙「ちょっと代わってください!」
花陽「え、えっ」
8:
亜里沙「あの!」
海未『え?どなたですか?』
亜里沙「今起こった盗みの犯人は、仮面ライダーでしたか!?」
海未『い、いえ…違いますよ…というか、仮面ライダーが盗みなんてするわけないじゃないですか。変な噂が建っているようですが、私は信じません』
花陽(海未ちゃんありがとう…)グスン
亜里沙「じゃあ、ドーパントですか!?」
海未『いえ…普通の窃盗事件です』
亜里沙「探偵さん…急いでください」
花陽「え?」
亜里沙「早くしないと…その犯人さんが危険です…!」
海未『…花陽?今のはいったい誰なんですか?』
花陽「あ、えっとね、依頼人さんで…あ、あとで話す!」
??????
凛「さて、凛は検索して、かよちんにサポートでも…」
凛「…?」
ギュオーン!
凛「…こ、この声…っ…!?」
凛「…き、気のせい…?」
凛「…だ、だよね」
9:
???UTX学院???
アサコ「…ねえ、あんじゅ」
あんじゅ「はい?」
アサコ「あの子が見つかったというのは本当なんだよね?」
あんじゅ「もちろん」
アサコ「…じゃあ、どうしてあなたは動いていないの?」
あんじゅ「もう動き始めてますよ、焦らなくても」
アサコ「あらそう?」
あんじゅ「ええ♪」
英玲奈「…帰ってくるのか」
あんじゅ「ま、上手くいけばねぇ」
アサコ「…ねえ、あなたたち」
あんじゅ「どうかしました?」
アサコ「私たちは何?」
あんじゅ「私たちは…地球に選ばれた」
英玲奈「人類進化の先導者…」
アサコ「…そうよ。その為にも、どうしてもあの子が必要なの」
あんじゅ「そんなに急ぐとシワが増えますよ…あら、もうこんな時間」
あんじゅ「じゃ、ちょっとお仕事に行ってくるわね♪」
アサコ「…」
英玲奈(…煽る必要はあったのか?)
あんじゅ「…ふふっ?」
10:
亜里沙「あのー!」
花陽「な、何?」ブゥゥゥン
亜里沙「どこにいくんですか!?」
花陽「バットショット…えっと、偵察を出してあるの。それが示していたのが、この辺りだったんだけど…」
亜里沙「…ハラショー」
「ぎゃあああああああああ!!!!」
花陽「!」
亜里沙「あの地下駐車場から聞こえました!」
花陽「わかってる!」ブゥゥゥン
???地下駐車場???
犯人「やっ…やめてくれ…盗んだ衣装は渡しただろ…」
仮面ライダー?「いいえ…盗みを働いたあなたは、この私…怪盗、仮面ライダーが裁く」
犯人「お、俺をどうするつもりだ…まさか、その短剣…」
仮面ライダー?「ええ、もちろん…こうよ」
11:
キキーッ ドンッ!
仮面ライダー?「ちっ…何よ一体…!?」
花陽「そこまでです!」
仮面ライダー?「…あらあら、これはこれは探偵さん…いえ、仮面ライダーさん、ね」
花陽「な、なんでそれを…!?」
亜里沙「探偵さんが、仮面ライダー…?」
仮面ライダー?「…あなた」
亜里沙「…」
花陽「…?」
仮面ライダー?「…探偵さん、なぜあなたの正体を知っているか、聞いたわね」
仮面ライダー?「それはね…私が仮面ライダーだからよ」
花陽「…違います」
花陽「街を護るのが仮面ライダーなんです…街を汚すあなたは、仮面ライダーなんかじゃありません!」
仮面ライダー?「あら、街を汚すだなんて…それはちょっと、聞き捨てならないわ」
花陽「何が違―――――」
仮面ライダー?「…」シュイィィン
花陽(変身を解いた…!?)
怪盗「…この顔に見覚えはない?」
花陽「…あ、あなた…!」
花陽「怪盗、エリーチカ…!」
亜里沙「お姉ちゃん…」
エリーチカ「正解よ」
12:
花陽「…うぇ!?お、お姉ちゃんっ!?」
亜里沙「…そうです。私のお姉ちゃん、怪盗エリーチカ…いえ、絢瀬絵里です」
花陽「最近は現れてなかったけど…この街から盗まれたものを静かに盗み返し、元の場所に戻す…『怪盗専門の怪盗』」
花陽「誰も傷付けることなく、一概に悪とは言い切れないことから、住民はもとより、警察にすらあなたを支持する人も多い…」
エリーチカ「あら、そこまで知ってもらえているなんて…嬉しいわ」
亜里沙「…でも、今のお姉ちゃんは」
エリーチカ「何?」
亜里沙「…静かに、誰も傷付けず…というルールに反している」
花陽「…もしかして、最初から…」
亜里沙「はい…もしかしたらお姉ちゃんなんじゃないかな、って…疑ってました」
花陽「亜里沙ちゃん…」
13:
亜里沙「…お姉ちゃん、どうして…?」
エリーチカ「どうして?何が?」
エリーチカ「今までとやってることは変わらないわ。悪人に盗まれたものを取り返す」
亜里沙「だから、その方法が―――――」
エリーチカ「…」チャキッ
亜里沙「!」
亜里沙「…お姉ちゃん、元のお姉ちゃんに戻って!私、お姉―――――」
エリーチカ「…うるさいわね」パァン
花陽「亜里沙ちゃん!」ガバッ ブシュッ
亜里沙「探偵さ…!」
花陽「うぅっ…!」
花陽(ダブルには不可欠な左腕だけど…掠めただけでよかった…)
亜里沙「探偵さん!?」
エリーチカ「…ご立派ね」
エリーチカ「依頼人を守るのが探偵の仕事…どっかの誰かさんも言ってたわ」
花陽「…!?」
エリーチカ「ま、でも…私はもう止められない」
エリーチカ「ガイアメモリという…禁断の果実を手にした私はね」
花陽「…メモリを捨ててください」
エリーチカ「いいえ…メモリを捨てるくらいなら…私は、怪盗の美学を捨てるわ」カチッ
『シーフ!』
シーフドーパント「…さあ、本物さんの力を見せてちょうだい?」
14:
花陽「…亜里沙ちゃん、下がっててください」スッ
亜里沙「それって…」
花陽「…」
腰にバックルを当て、ダブルドライバーが花陽に装着される。
同時に、凛の腰にもドライバーが現れる。
凛「…ん、もう見つかったんだ」
凛「…あれ、かよちん?怪我してるの?」
花陽『…大丈夫、このくらいなら平気だよ』
ダブルドライバーを通じて二人の意識が繋がっているので、このように頭の中で会話をすることができる。
凛「…無理はしないでね」
花陽『わかってる』
りんぱな『「変身!」』
『サイクロン!』
ギュオーン!
凛「…っ!?」
花陽『…凛ちゃん?どうしたの?』
凛「…大丈夫、なんでもないよ」ガシャーン!
凛「…」ドサッ
『ジョーカー!』
花陽「…」ガシャーン!
ドライバーを展開し、花陽はダブルへと姿を変える。
15:
ダブル『…これが噂の、怪盗仮面ライダー?』
ダブル「うん…亜里沙ちゃんのお姉さんだったの」
ダブル『…そんな関係だったんだ』
シーフ「これが本物ね…うーん、私の方が装飾が豪華ね」
亜里沙「本当の仮面ライダー…」
シーフ「…はっ!」
ダブル「!」
シーフドーパントは軽快なステップで距離を詰め、蹴り主体の格闘戦を仕掛けてくる。
ダブルもサイクロンのスピードを活かし、華麗に攻撃を受け流す。
シーフ「やるわね」
ダブル「…」
シーフ「…そらぁっ!」
ダブル「ぐっ…!」
シーフドーパントは腰に下がっている短剣を逆手に持ち、ダブルに斬りかかってくる。
間一髪のところでで回避し、風を纏った拳を叩き込む。
シーフ「…ふふっ、流石といった感じね」
ダブル『かよちん、メタルでいこう。武器には武器で』
ダブル「うん!」
『メタル!』
『サイクロン!メタル!』
シーフ「…はぁっ!」
ダブル『効かないよ!』
シーフの短剣をメタルシャフトで受け止める。
小気味良い金属音が、地下駐車場に鳴り響く。
16:
シーフ「…それはどうかしら」
ダブル「!」
シーフは変身前にも使っていた拳銃を取り出し、ダブルの左手に狙いを定め弾丸を撃ち込む。
鍔迫り合いの状態になっていた為、ダブルはとっさに手が出ず弾丸を喰らってしまう。
ダブル「うぅ…っ!」
ダブル『ただの弾丸じゃない…メモリの力で強化されてるにゃ!』
シーフ「ほら、反撃しないとやられちゃうわよ!」
ダブル「が…あぁっ…!」
ダブル『さっきから同じところばっかり…かよちんの怪我を狙ってきてるんだ…!』
シーフ「どう?盗みの腕だけじゃなくて、戦闘の腕もなかなかでしょう」
ダブル『…援軍、カモンにゃ!』
シーフ「させないわ!」
ダブル『もう遅いよ!』
シーフ「なにを…きゃぁっ!?」
地下駐車場の高さ制限のバーもお構いなしに、リボルギャリーが突っ込んでくる。
『ヒート!トリガー!』
シーフ「なっ…」
ダブル「はあああああっ!!!」
赤と青の狙撃手となったダブルはリボルギャリーを踏み台にし、高所から炎の弾丸を撃ち出す。
このヒートトリガーは火力に優れた形態だが、その分花陽への負担が大きい。
『サイクロン!トリガー!』
右半身を緑色に変え、風の弾丸を連射する。
サイクロントリガーは連射に優れてはいるが、火力はあまり出ない。
シーフ「…ええい、鬱陶しいわね…!」
17:
ダブル「させない!」
『ヒート!メタル!』
シーフ「ぐっ…!」
シーフの構えた短剣と拳銃をメタルシャフトで弾き飛ばし、喉元にシャフトを突き付ける。
ダブル『さあ、覚悟するにゃ』
ダブル「…仮面ライダーの名前を汚した罪、数えてもらいます…!」
こころ「…あ、ここあ!もう始まってます!…っていうか遅いくらいです!」
ここあ「…ほんとだ!…あーっ!あれが偽仮面ライダーだ!覚悟しろー!」
シーフ「…ふふっ」
ダブル「何がおかしいんですか…!」
シーフ「いえ…そろそろいい時間かな、と思ってね」
ダブル「え…?」
シーフが指を鳴らすと同時に、ダブルに向けて巨大な光弾が飛んでくる。
ダブル「きゃああぁっ!」
ダブル『な、なに…!?』
ドーパント「…ふふふっ?」
ダブル『あ、あいつ…ビギンズナイトの!」
18:
ダブル「たしか、タブードーパント…」
赤い女性の上半身に、芋虫のような下半身のドーパント。
眼は存在せず、裂けた口は縫い付けられたような状態になっている。
タブー「…面白いくらいに引っかかってくれてありがとぉ…もういいわよぉ」
犯人「…へ、へへへ」ダッ
ダブル「なっ…もしかして…」
ダブル『組織の罠…』
タブー「そうよぉ…ぜぇんぶ、あなたたちをおびき出すためのお芝居…さあ、来なさい!」
タブーが手を振り上げると、周囲に潜んでいたマスカレイド・ドーパントたちが姿を現す。
タブー「この子たち、戦闘力はあんまり強くないんだけどぉ…これだけ沢山いたら、さすがの仮面ライダーさんも手が出ないわよねぇ」
ダブル『…このぉっ』
シーフ「おっと!いいのかしら?」
ダブル「なっ…!?」
こころ「…つ、捕まっちゃいましたぁ…」
ここあ「私たち、来る必要無かったぁ…」
亜里沙「っ…」
こころたちはマスカレイドに拘束されており、頭に拳銃を突き付けられている。
シーフ「変身を解きなさい」
ダブル「…わかりました」
ダブルは、ドライバーのメモリに手をかける。
19:
ダブル(…かよちん、変身を解除…すると見せかけて、ルナで意表を突こう)
ダブル(…わかってる)
ダブルがヒートのメモリを抜き、ルナのメモリを取り出した瞬間シーフも動いた。
ルナメモリを正確に撃ち抜き、一瞬で距離を詰める。
バックルの留め具に短剣の一撃を貰い、ダブルドライバーは弾き飛ばされ、ダブルの変身は解除されてしまった。
シーフ「はぁ…ガッカリだわ」
花陽「う…うぅっ…!」
シーフ「…目的の子は、そのデカブツの中に居るのよね」
花陽「!」
シーフは、リボルギャリーに向かってゆっくりと歩みを進める。
凛「…!」
花陽「凛ちゃん逃げてっ!!」
シーフ「黙ってなさい!」
花陽「ああああああああああっ!!!」
凛「かよち…っ…」
花陽「逃げてええええええええええっ!!!!!」
怪我をした腕を踏みつけられて悲鳴を上げる花陽の姿に、思わず声が出そうになる。
口を押さえて声を殺し、足音を立てないように凛は駐車場を去った。
タブー「そんなことしても無駄なのに…ここは任せたわよぉ、絵里ちゃん♪」
シーフ「ええ、任せて…」
20:
???秋葉原警察署???
海未「ですからっ!仮面ライダーは正義の味方です!」
ことり「そうですっ!私も助けてもらったんですから!」
巡査「いーやそんなこたない!」
部長「この写真見ろ!どう見ても仮面を被ってるじゃないか!」
ことり「違いますーっ!本物の仮面ライダーはこう、半分こなんですーっ!!」
海未「…もう知りません!行きますよ、ことり!」
???公園???
凛「はぁ、はぁ、はぁ…っ」タッタッタッタッ
凛「こ、ここまで、来れば…」
タブー「ここまで来れば、何かしらぁ?」
凛「!」
タブー「…ねえ、大人しく投降しなさい…ねぇ?」
凛「…嫌だよ」
タブー「…いい加減にしなさい」シュイィィン
凛(変身を解いた…?)
あんじゅ「ねぇ、リホ」
21:
凛「…リホ?」
あんじゅ「そうよ…それが、あなたの本当の名前」
凛「…凛は、リホ…?凛じゃなくて…?」
あんじゅ「ええ。星空凛なんて人間は本来、どこにも存在しない。…帰ってきなさい、リホ」
あんじゅ「あなたは運命の子…あなたを手にした人間が、この地球の勝者…」
凛「手にするとかなんとかって…凛はモノじゃないっ!」
あんじゅ「…私のこと、覚えていないのぉ?私はあなたの――――」
凛「あなたが誰かは知らないけどっ!」
凛「…でも、敵だにゃ…!」
あんじゅ「…随分生意気ね」
あんじゅ「まあいいわ…どうせまた、どうでもいい記憶は消すんだから」カチッ
『タブー』
凛「…っ」ダッ
タブー「…待ちなさい!」
凛「待てって言われて待つ人はいないにゃ!」
タブー「生意気言うんじゃないわっ!」ブンッ
凛(…やられる!)
22:
ガキン!
凛「…!?」
タブー「…あらぁ?当たったように見えたんだけどぉ…」
ギュオーン!
ファングメモリ「ギュオーン!」
凛「ファング…!?」
凛(…やっぱり、幻聴じゃなかった…!)
凛「…こ、来ないでっ!凛にはファングは必要ない!」
ファングメモリ「…ギュゥゥン」ピョン ピョン
タブー「ちっ…邪魔が入ったわねぇ…でも、まあいいわぁ」
タブー「…一緒に帰るのよ、リホ」
凛「ぐぅっ…!」pi po pa
23:
シーフ「…?」
ギャルルルルルル!!
ドンッ!
マスカレイド「グワーッ!」
マスカレイド「イヤーッ!」
ここあ「リボルギャリー!…って、逃げるのぉ!?」
こころ「わ、私たちのこと置いて行っちゃうんですかぁ…!?」
ここあ「薄情者ーっ!!」
花陽「…大丈夫、なんとかするから…今は、凛ちゃんだけでも…」
シーフ「…探偵さん」
花陽「…なんですか――――」
シーフ「ふんっ」ガッ
花陽「か…っは…」ガクッ
こころ「花陽さん!」
ここあ「ちょっと、何すんの!」
シーフ「黙ってなさい…」
24:
亜里沙「お姉ちゃん…やめてよ…目を覚まして…!」
亜里沙「お姉ちゃんは怪盗だったけど…でも、こんなことする悪党じゃな―――」
シーフ「亜里沙」シュイィィン
エリーチカ「…あなたは本当にいい子に育ったわね」
亜里沙「…お姉ちゃん」
エリーチカ「…あなたも一回、使ってみるといいわ」カチッ
『シーフ!』
亜里沙「いっ…いや…!」
エリーチカ「…流石に、実の妹を傷付けるのは心が痛むわ。消えなさい」
亜里沙「でも…っ!」
エリーチカ「消えなさいっ!」
亜里沙「…っ!……ッ…!」ダッ
シーフ「…ふん」
???リボルギャリー内???
凛「…ごめん、かよちん…こころちゃん、ここあちゃん…亜里沙ちゃんも…絶対助けに行くからね」
凛「…でも」
ギュオーン!
凛「…ファングだけは、使いたくない…使えないっ…」
凛「凛は…凛は、どうしたら…」ガクッ
25:
次回予告
花陽「…絶対来ちゃダメ。私のことはもう忘れて…もし来たら…凛ちゃん、絶交だからね――――」
海未「じゃあ見捨てるんですか!?」
亜里沙「そんなのわかってます…でも放っておけないんです…っ」
凛「凛はもう、知らないよ」
第三話 怪盗E/悲しみの果て(後編)
これで決まりにゃ!
※このSSはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
※内容は予告なく変更になる場合がございます。
一旦休憩です
30:
???矢澤探偵事務所 ガレージ???
ガコンッ
凛「…う、うぅっ…着いた…かぁ…」
prrrr prrrr
凛「…!」ピッ
こころ『凛さん…』
凛「こころちゃん!無事っ!?」
エリーチカ『戻ってきなさい』
凛「エリーチカ…!」
エリーチカ『場所はこの前潰れた工場。…あ、そうそう、早くした方がいいわよ』
エリーチカ『もうすぐあなたの相棒さんが参加する、残虐ゲームを――――』
花陽『凛ちゃん、ダメ!』
凛「かよちんっ!?」
花陽『…絶対来ちゃダメ。私のことはもう忘れて…もし来たら…凛ちゃん、絶交だからね――――』
花陽『っ…ああああああああああああああああああっ!!!!!』
凛「かよちん!かよちんっ!!」
エリーチカ『…死んじゃったら、絶交も何もないわよね』
エリーチカ『…それじゃあ、また後でね。待ってるわ』
エリーチカ『お願いね、星空の本棚さん』
花陽『うううううううううううっ、ああああああああああああああああああ!!!!!』
凛「かよちん、かよち―――――ー」プツッ
凛「…っ」
31:
???UTX学院???
あんじゅ「?♪」
ツバサ「…随分ご機嫌ね、あんじゅ」
あんじゅ「ええ、まあね。無くした宝物が戻ってきそうなの♪」
ツバサ「…そう。ところで」
あんじゅ「何かしら?」
ツバサ「試作の強化型メモリが一本、消えていたんだけれど…知らない?」
あんじゅ「何のメモリ?」
ツバサ「シーフ、なんだけれど」
あんじゅ「全然?私は知らないわぁ…シュシュが咥えて持って行っちゃったんじゃないかしら」
ツバサ「…そう」
33:
花陽「…はぁ、すごくがっちり縛られちゃってる…几帳面なんだなぁ、エリーチカ…」
こころ「感心してる場合ですか!」
ここあ「…ねえ、花陽ちゃん」
花陽「…?」
ここあ「…もうダメかな、私たち」
花陽「…ファングがあれば…チャンスはあるかもだけど…」
ここあ「ファング?」
こころ「牙…ですか?」
花陽「…ダブルの、7本目のメモリなんだ。凛ちゃんの身体で変身する、唯一の方法」
こころ「そんなものが!?」
ここあ「もっと早く使おうよ!」
花陽「あ、あはは…それができたら苦労しないんだよね…」
花陽「…ファングは普通のメモリじゃないの。自分で動き回る、恐竜のメモリ」
花陽「…それに、現れても…凛ちゃんが認めないと思う」
花陽「…昔、組織から抜け出すときに一回だけ変身したんだけど――――」
???????
凛「もうファングは使わない…」
凛「あれを使い続けたら…凛が、凛でなくなる…!」
???????
花陽「…ファングは、凛ちゃんの中の何かを壊して…暴走しちゃう」
ここあ「暴走…」
花陽「そうなったらもう、私たちはダブルじゃない」
こころ「ダブルじゃない…?」
花陽「…ただのドーパントです」
34:
???矢澤探偵事務所???
凛(…見捨てるわけにはいかない)ズゾゾーッ
凛(でも…)
凛「…うぅ、ラーメンの味…わからないや…」
ギュオーン!
凛「…」
ファング「ギュオーン?」
凛「来るな…来るなぁっ!」ブンッ ガシャァンッ
ファング「ギュゥゥン…」ヒョイッ
凛「来ないでぇっ!」ブンッ
海未「失礼します…花陽は居ま――――」ビシャァッ
凛「あ…海未ちゃん…」
海未「…い、いったいなんなのですか…」
凛「ご、ごめんなさい!し、シャワー浴びる?」
海未「…お借りします」
ことり「…あれ、凛ちゃん一人?」
凛「…うん、一人」
ことり「…この辺で、怪盗エリーチカっぽい人を見かけたって言うから、お話聞きたいなぁって思ってここに来たんだけど」
凛「…?」
35:
ことり「…じゃあ、花陽ちゃんたちは廃工場に捕まってるんですねっ」
凛「そ、そうだけど…」
海未「…行きましょう、ことり」
ことり「うんっ」
凛「待って!下手なことしたら…」
海未「じゃあ見捨てるんですか!?」
凛「そうじゃないけどっ!!」
コンコン
凛「…誰だろ」
亜里沙「…」ガチャ
凛「亜里沙ちゃん…!」
海未「…か、怪盗エリーチカ…に、似てますけど」
凛「…エリーチカの妹さん…今回の事件の依頼人だよ」
ことり「い、妹!?」
ことり(かわいい…)
36:
凛「…亜里沙ちゃん」
亜里沙「…探偵さん、帰ってきてないんですね」
凛「…まあね」
亜里沙「…」
凛「…ねえ、亜里沙ちゃん。凛、かよちんたちを…いや、エリーチカを助けたいの!」
凛「何か知ってることはない!?エリーチカの弱点…ううん、弱点じゃなくても、なんでもいいから!」
亜里沙「…スリーサイズが上から、88/60/84です」
海未「随分ナイスバディですね…」
ことり「すごい…」
凛「…じゃなくてぇっ!」
亜里沙「チョコレートが好きで、梅干と海苔…あと、暗いところが嫌いで…」
亜里沙「身長は162、B型で10月21日生まれ…ロシアのクォーターです…」
凛「…亜里沙ちゃん?」
亜里沙「お姉ちゃんは…憧れだったんです…っ」グスッ
亜里沙「怪盗は、悪い事だけど…っ…それでも…この街の為に盗みをしてる、かっこいいお姉ちゃん、だったんです…っ」ヒグッ
亜里沙「でも…もうお姉ちゃんは、亜里沙の知ってるお姉ちゃんじゃなくて…」
亜里沙「…もう一度、会いに行きます…っ…!私がお姉ちゃんを…」
凛「危ないよ!エリーチカは、ガイアメモリの力に飲まれてる…」
亜里沙「そんなのわかってます…でも放っておけないんです…っ」
亜里沙「大切な人だから…っ」
凛「…大切な人…」
亜里沙「…?」
凛「…ちょっと行ってくる」ダッ
海未「り、凛!?」
亜里沙「刑事さん、私も連れてってください!」
海未「で、ですが…」
ことり「…海未ちゃん!」
亜里沙「刑事さん!」
海未「…わかりましたよ!」
37:
ギュオーン!
凛「…」ニッ
ファング「ギュオーン!ギュオーン!」
???工場跡???
花陽「うわ…っ!?」ズッ
エリーチカ「…目が覚めたみたいね」
花陽「…こ、これは…!?」
気が付くと、花陽はロープで縛られ宙吊りの状態になっていた。
そのロープはこころとここあが二人で支えており、花陽の下には鋭利な棘が敷き詰められている。
ロープはあまり長くなく、二人の手からロープが離れた瞬間―――――
花陽は串刺しになる。
こころとここあの手からは血が滲んでおり、ロープがだんだん赤く染まっていく。
その様子を、エリーチカはクスリとも笑わない凍てついた顔で、あんじゅは隠れてあきれ顔で見ている。
あんじゅ「…あらあら、どうなってるかと思えば…いい趣味ね」
38:
エリーチカ「…結構持ってるわね。あなたたち、根性あるのね」
ここあ「このくらい、お姉ちゃんなら…」
こころ「余裕だもの…!」
エリーチカ「姉…あ、もしかしてあなたたち…ああ、なるほど。それは根性もあって当然ね」
花陽「…もしかして、知ってるんですか」
エリーチカ「え?」
花陽「…にこちゃんのこと」
エリーチカ「…ええ、まあね。昔世話になった事があったわ」
花陽「…そうなんですか」
エリーチカ「…命綱を他人に任せて世間話とは良いご身分ね」
花陽「…辞世の句です」
エリーチカ「なに?」
花陽「…こころちゃん、ここあちゃん、ありがとう」
ここあ「そういうこと言うなぁーっ!!」
花陽「私、にこちゃんに…こころちゃんとここあちゃんに、会えて良かった」
こころ「まるで死ぬ人の台詞ですっ…!!」
ここあ「…や、ばっ…!」ズリッ
こころ「あぁっ…!」ズリッ
シュルルルルッ
花陽「…さよなら」ギュッ
エリーチカ「…っ」
39:
ガッ
こころ「…?」
ここあ「…あ、あれ…」
花陽「…?」プラーン
花陽「…あっ!?」
ファング「ガググググ…」
花陽「ファング…!?も、もしかして…」
エリーチカ「…ちぃっ」ヒュンッ
エリーチカは苛立ちの表情を見せ、花陽のロープに向けてナイフを投げる。
バキュゥンッ
ガキィンッ
エリーチカ「なっ…!?」
海未「ふぅ…間一髪、ですね」
40:
花陽「海未ちゃん!?」
ことり「怪盗エリーチカ!殺人未遂、ガイアメモリ使用、その他もろもろの罪で…逮捕しちゃうぞっ!」
海未「ちょっとノリが古いです…」
亜里沙「お姉ちゃんがノリが苦手だからってことですか…?ハラショー…」
海未「違います…って、コントやってる場合じゃないんですよ!」
ことり「ことりはエリーチカをやります!海未ちゃんは花陽ちゃんを助けて!」
海未「わかりました!」
ことり「覚悟ーっ!」ダッ
エリーチカ「…警察風情が…!」チャキッ
ことり「!」
エリーチカ「消えなさい!」パァンッ
ことり「…」ヒュンッ
エリーチカ「…嘘!?」
亜里沙「銃弾を避けた!?」
41:
ブウゥゥゥゥゥゥン…
キキーッ
凛「…」
花陽「…凛ちゃん!」
こころ「凛さん!」
ここあ「来ちゃったの!?」
凛「…絶交でもなんでもするといいにゃ、かよちん」
凛「…させないけどねっ!」
凛「…後悔しないでよ、怪盗エリーチカ」
凛「凛はもう、知らないよ」
エリーチカ「なんですって…?」
あんじゅ「ちっ…何なのよ、この展開はぁ…マスカレイド部隊!」
あんじゅ「…何!?デカい車で足止め!?…早くしなさぁい!」
42:
凛「…かよちん」
花陽「…凛ちゃん、まさかファングを…」
凛「…もう一度聞くけど…」
凛「星空の上から地獄の果てまで、悪魔と相乗りしてくれるかにゃ?」
花陽「…ま、待っ…」
凛「来て…ファング!」
凛の腰に、ドライバーが現れる。
いつもとは逆に、花陽のジョーカーメモリが凛のドライバーに転送される。
凛「…」
凛の掌に乗ったファングは、ガイアメモリへと姿を変える。
『ファング!』
花陽「…凛ちゃんっ!!待って!!!」
凛「…変身!」
『ファング!ジョーカー!』
花陽「っ…」ドサッ
海未「…花陽?」
43:
凛「うっ、うぅっ…!」
ダブル「うわああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
凛の身体は、白と黒の刺々しいダブルへと姿を変えた。
ここあ「本当に凛ちゃんの身体がダブルになった!」
マスカレイド「…」ザッ
あんじゅ「やっと来たのね…おっそい…!」
ダブル「うわぁううぅっ!!!」ガッ
マスカレイド「!?」
ダブル「あああああああああっ!!!!!!」
右手で一人の首を、左手でもう一人のマスカレイドの足を掴み、それを地面に何度も叩きつけるダブル。
エリーチカ「い、いったいなんなの…!?」
ダブル「があああああああああああああああ!!!!」
馬乗りになり、動かなくなるまで何度も何度も殴りつける。
腹に蹴りを入れ、倒れたところを何度も何度も踏みつける。
ダブルのその荒々しい戦闘スタイルは、まるで野獣のようだった。
海未「…な、なんですか…あれは…」
ことり「あれ…本当に、凛ちゃんと花陽ちゃんなの…?」
44:
ダブル「うぅ…!」
変形したファングのツノにあたる部分を一度倒し、ガイアウィスパーが"武器"の使用を告げる。
『アームファング!』
ダブル「うああああああああああああああああああああ!!!!!」
ダブルの右腕から白い刃が伸び、マスカレイドを次々に切り裂いていった。
全てマスカレイドが片付くと、ダブルはエリーチカに標的を定める。
亜里沙「…お姉ちゃんっ…!」
ダブル「がぁ!」
エリーチカ「…!」
アームファングの一閃を躱し、落としたメモリを回収する。
『シーフ!』
シーフ「この…っ」
ダブル「ああああああああああああああああああっ!!!!!」
短剣でアームファングを抑えようとするも、不意打ちの頭突きを喰らいふらつく。
その隙を突かれ、シーフは腹に一閃をもらう。
シーフ「がは…っ…!」
45:
あんじゅ「そうか…あのファングとかいうメモリ」
あんじゅ「あれはリホを守るためにあるんだわ…」
あんじゅ「リホを守るためなら、手段を選ばない…」
あんじゅ「ダブルを、変えてしまう存在なのね…」
ダブル『凛ちゃん、もうやめて!』
ダブル「ああああああああ!!!!」
花陽が必死に抑えようとするも、凛はもう止まらない。
攻撃を加えようと、シーフを追いかけ続ける。
ダブル『これが…これが、凛ちゃんの恐れてた…』
シーフ「動かないで!…こ、この子がどうなってもいいわけ!?」
ダブル『…こころちゃん!』
こころ「ひっ…!」
シーフはこころの頭に拳銃を突き付け、ダブルを脅す。
海未「なんて卑怯な…!」
ことり「…ま、待って…凛ちゃん、動いてる…!?」
海未「なっ…!」
ダブル「…うわああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
ダブル『凛ちゃぁん!!』
こころ「きゃー!!!!!」
ここあ「ぎゃー!!!!!」
ダブル『星空凛ッ!!!!』
46:
?????????
花陽「…っ!?」
花陽「ここは…」
花陽(たくさんの本と本棚が燃えている…)
花陽「もしかして…星空の本棚…!?」
うううううう…
花陽「…いや、違う…!凛ちゃんの意識の中だ…!」
うわああああ…
花陽(…凛ちゃんは、自分の理性と知識が全部燃えあがって…怖いんだ)
花陽「凛ちゃーんっ!どこーっ!?」
花陽「凛ちゃあああんっ!!」
花陽「…って」
花陽「…本の中に、手!?」ガサゴソ
47:
凛「…」
花陽「凛ちゃん…!」ギュッ
凛「…かよちん…ありがとう…」
花陽「…なんでこんな無茶したの…っ」
凛「…こうして…」
凛「こうして、かよちんが、凛のこと…助けてくれる…見つけてくれると、思ったから…」
花陽「…凛ちゃんのバカ…っ」
凛「えへへ…」
花陽「…当たり前だよ、凛ちゃん…だって、私たちは…」
凛「…うん、凛たちは…」
『「二人で一人だから…!」』
こころ「ううううお姉さま……あれ?」
ここあ「…止まってる!」
ことり「凛ちゃんが…止まった!」
海未「…やりました!」
ダブル「…もう大丈夫。ごめんね、こころちゃん」
48:
こころ「凛さん…!」
ダブル「…はぁっ!」
こころの首筋直前で止まっていたアームファングを一旦引き、シーフの脳天に拳を食らわせる。
シーフ「っつぅ…!」
ダブル「悪い子にはゲンコツしないとね」
ダブル『「さあ、あなたの罪を…数えなさい!」』
シーフ「うっ…うぅっ…!え、エリチカ、おうちに帰る…!」
『ショルダーファング!』
ファングのツノを二度倒し、右肩に刃が現れる。
逃げ出したシーフに向けてその刃を投げると、独特な軌道を描きシーフを斬りつける。
シーフ「がっ…はぁ…はぁ、はぁっ…!」
49:
ダブル『凛ちゃん、メモリブレイクだよ!』
ダブル「うん!えっと、必殺技の名前は…」
ダブル『ファング…』
ダブル「ファング…ストライザーなんてどう?」
ダブル『いいね!意味は?』
ダブル「凛が作った!」
ダブル『…なるほど!』
ファングのツノを三度倒すと、ガイアウィスパーが鳴り響き、
『ファング!マキシマムドライブ!』
ダブルの右足に刃が現れる。
ダブル『「はぁああああ…はっ!!」』
ダブルは高く飛び上がり、回転しながらシーフに近づく。
ダブル『「ファングストライザー!!」』
シーフに向け、恐竜の牙を思わせるような回し蹴りを見舞う。
シーフ「きゃあああああっ!!!」
エリーチカ「ぐっ…うぅ…」
エリーチカの身体から排出されたシーフメモリは、粉々に砕け散った。
52:
亜里沙「お姉ちゃんっ!」
エリーチカ「亜里沙…私、今まで…」
亜里沙「お姉ちゃん…よかった…」
海未「…怪盗エリーチカ、逮――――」
ことり「海未ちゃん」
海未「…そうですね」
ことり「写真、撮った?」
海未「…あっ!?」
ことり「…もう!本物の仮面ライダーの写真撮って証拠にしよう、って言ったじゃんっ!」
海未「…うぅ、すみません…」
ブーン
海未「わっ…な、なんですか?」
ことり「カブトムシ?」
ポイッ
海未「わっ…これ、写真ですね」
ことり「…あっ!?これ、さっきの必殺技の瞬間の写真!?」
海未「な、なんでこんなものが…?」
53:
『今回の事件は、凛ちゃんの大活躍によって幕を閉じた。
仮面ライダーが怪盗という誤解も、海未ちゃんとことりちゃんが頑張って解いてくれた。
新しい力のファングも加えて…これからも、街を護っていこうと思う。
…仮面ライダーとして。
そういえば。
怪盗としての美学をガイアメモリに浸食されて、心を滅ぼされてしまった怪盗エリーチカ。
…どうやらメモリの後遺症も無く、無事に…と言っていいのかはわからないけれど。
今まで通りの絢瀬絵里、もといエリーチカとしての意識を取り戻し、警察に逮捕された。
…はず、だったんだけど…』
絵里「ねえ凛?これおかしくない?ちゃんとウィンナコーヒー?」
凛「うん?ちゃんとウインナーコーヒーだよ?」
絵里「え?」
凛「え?」
絵里「…うーん」ゴクッ
凛「…でも絵里ちゃんも変わってるね。なんでコーヒーにウインナーなんて入れるの?」
絵里「ウインナー…?」
凛「うん。腸詰めのアレ」
絵里「!?」ブーッ
凛「わっ!?」
絵里「ちょっと、ちゃんと調べて作ったんでしょうね!?」
凛「うん、そうだよ?コーヒーの上にウィンナ・コーヒーっていうのもあったけど」
絵里「それよ!」
花陽(エリーチカ…いえ、絵里さんは…なぜか、うちに住み込んでいます…)
54:
花陽「…あの、絵里さん?」
絵里「あら、私も『絵里ちゃん』でいいのに」
花陽「…絵里ちゃん、こんなところに居ていいんですか?」
絵里「駄目なことがある?」
花陽「えっと…ほら、その…」
ことり「こんにちは?」ガチャ
海未「失礼します。花陽、今回の事件の資料を…」
絵里「…ハラショー。なるほどね」
海未「…か、怪盗エリーチカ!?」
ことり「た、たたた逮捕ですーっ!!」
絵里「そうはいかないわ!」バサッ
エリーチカ「また来るわ!凛、その時までちゃんとウィンナ・コーヒーの淹れ方覚えておくのよ!」
海未「待ちなさーいっ!!」
ことり「待てぇ?っ!!」
『…これからも、しばらく怪盗エリーチカに関するドタバタは続きそうです…』
55:

続き・詳細・画像をみる


【M6.5】イタリアで深さ10キロの大地震きたあああああああああああ

日本人の夏ファッションに驚く外国人たち「スーツにネクタイ、日傘で長袖なんて信じられない!」

海外有名歌手に曲がパクられる→なぜか著作権違反でYouTubeから自分の曲が削除される

ファミマが本気を出した!!

2ちゃん史上最も有名なコピペwwwwwwwwwwwwwwwwww

西住みほ「花火大会?」

主人公が弱小野球部に入る作品にありがちなことwwwww

ルノーも排ガス不正操作か 仏政府は「知りながら公表せず」とフィナンシャルタイムズ紙

レジ俺「iDで」「Edyですね(シャリーン)」俺「なんとかならないのか?」ドコモ「とくに利用者から『まぎらわしい』といった声はない」

警察官「あんた真昼間から何やってるの? 身分証明書を出して?」彡(゚)(゚)「」

応援するチームが負けるとその忠誠心は強くなる。サポーターが弱小チームの応援を止められない理由(英研究)

【どうなる?】フィギュアスケートのアニメ放送決定!課題は「羽生を超えられるか」?

back 過去ログ 削除依頼&連絡先