川崎沙希「恋」back

川崎沙希「恋」


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俺ガイルSSです。
・少女漫画的な乙女回路全開。
・全体的に暗い雰囲気です。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
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2: 以下、
――高校三年時、冬
沙希(夕暮れの差す教室を眺めながら、一人で廊下を歩く)
沙希(最近じゃ登校してくる三年生もまばらで、こんな放課後まで残ってる三年生となるともっと少ない)
沙希(私も平塚先生に合格の決まったことを伝えにでも行かなきゃ、きっと帰ってるし)
沙希(担任でもないのに、私の希望する学校などを親身になって聞いてくれて、一緒に探してくれた先生)
沙希(奨学金などの手続きもしっかり教えてくれて、頭が上がらない。感謝を伝えると『当たり前のことだよ』なんて笑ってるし)
沙希(良い先生だ。良い高校に来たと、高校三年間を振り返って改めて思う。多くの友達ができたわけじゃないけど、少しはできたし)
沙希(しんとした廊下を一人で歩いていると、海老名を見つけた)
3: 以下、
姫菜「あ、サキサキだー。やっはろー」
沙希「お疲れ。何してんの?」
姫菜「んー分かんない問題があったから、先生に聞きに。私のとこ、二次試験がもうすぐだからね」
沙希「……そっか。がんばってるね」
姫菜「あは、普通だよ。それよりサキサキ、合格おめでとう」
沙希「……ありがと」
姫菜「お、照れてる?」
沙希「バカ……」
姫菜「あは、サキサキは可愛いな?。んーうりうり」
沙希「ちょ、やめなって」
沙希(頭をなでながら抱きついてくる。なんかむずがゆい)
4: 以下、
姫菜「……」サワサワ
沙希「ちょ、無言でどこ触って」
姫菜「は?柔らかい」サワサワ
沙希「やめ、やめてって……ひゃん」
姫菜「あはは、ごめんごめん。つい」
沙希「ついじゃないって……」
沙希(やっと私から離れた海老名は笑いながら謝ってくる。なんか怒れないから、この子はずるい)
5: 以下、
姫菜「んーサキサキのおっぱいも触れたし二次試験までピリッと頑張れそう!」
沙希「……あっそ。無理、しないで。できることがあったら何でも言って」
姫菜「ありがと!大丈夫だよ。……でも、きつくなったらお願いね」
沙希「うん」
姫菜「よーしまた笑顔でサキサキのおっぱい触るために頑張るよー!じゃあね」
沙希「ちょ、そんな何度も大きな声で言わないでって。……もう、じゃあまた」
姫菜「うん、ばいばい」
沙希(海老名は笑いながら手を振って、教室の方に歩いていった)
6: 以下、
沙希(一人になって、廊下に立ちつくす)
沙希(……やっぱり今日も、会えなかった)
沙希(なんで来なくてもいい学校にきて、こんな放課後まで残ってたのかって)
『サンキュー!愛してるぜ川崎!』
沙希(きっと自分の言ったことも覚えてない、あいつに会いたかったからだなんて)
沙希(馬鹿だよね)
沙希「……帰ろ」
7: 以下、
――帰路にて
大志「あれ、姉ちゃん」
沙希「大志」
大志「姉ちゃんと帰る時間が一緒になるの久しぶりだね。今日は学校いってたんだ?」
沙希「うん、ちょっと先生と話があってね」
大志「そっか」
沙希(そこまで話して、二人とも黙った。並んで歩いていると、夕陽に伸びる大志の影が私の影より少し長くなっていることに気づく)
8: 以下、
沙希「あんた、身長のびた?」
大志「うん、まあね。姉ちゃん追い越しちゃったぜ」
沙希(どやーなんて自分で言って、大志は笑っている)
沙希「生意気」
大志「いって」
沙希(肩を軽く小突いてやると、大志はおおげさに痛がってみせた)
9: 以下、
大志「姉ちゃん乱暴なの直せよな。大学いっても彼氏できねえぞ」
沙希「余計なお世話」
大志「姉ちゃんの彼氏になろうとする男なんて、そうそういないだろうしね。怖いから」
沙希「そんなことないよ。私、告白されたし」
大志「マジで!え、いつ?」
沙希「三年に上がった頃くらいから、ポツポツと」
沙希(私が海老名たちと一緒にいることが多くなった頃くらいからだろうか。少し人と話すことも増えてきて、そういうのも増えた)
10: 以下、
大志「……へー」
沙希「何、面白くなさそうな顔して」
大志「別に」
沙希「言いなって」
大志「別に……ただ、姉ちゃんは比企谷先輩のことが本当に好きなんだなって思っただけ」
沙希「……何いってんの。ほら、スーパー寄って行くよ。荷物持ちして」
沙希(大志はまだ何か言いたげな顔だったが、肩をすくめてスーパーの方に歩いて行った)
沙希「……生意気」
11: 以下、
――自宅にて
沙希(スマホのロック画面を解除して、電源ボタンを軽く押して暗転。電源ボタンを軽く押して、ロックを解除して、また電源ボタンを軽く押して暗転)
沙希(不毛な作業だ。メーラーを開くことすらしない)
沙希(どうせ自分からメールなんて、できないし)
沙希(思えば、自分から誰かに連絡を取るという行為を私はほとんどしない。家族にくらいだ)
沙希「だから、何もできないんだよね……」
12: 以下、
沙希(自分から行動を起こさない人間が、振り向いてもらえるわけがない。そんなの当たり前だ)
沙希(だから私に告白してくれた男の子たちは、みんな尊敬できる。私にはできないことを、彼らは勇気をもって実行したのだから)
沙希(その気持ちに応えられなかったことは、本当に申し訳ないけれど)
沙希(きっと私は、好きな人になにも言えないまま総武高校を卒業するのだろう。そして、そのことを後悔しながら生きるのだろう)
沙希(いつかは忘れるのかもしれないけど、私にはそれはとても現実味のない物語のように思える)
13: 以下、
沙希「大学、か」
沙希(夕方、大志に言われたことを思い出す。大学に入って彼氏の一人でもできれば、変われるのだろうか)
沙希(もっとも、そんな気持ちで付き合うなんて器用なことはできないだろうけど)
沙希(まあ、今からそんなことを考えても仕方がない。海老名が合格した時のためのプレゼントの案でも考えた方が建設的というものだ)
沙希(なにあげようかな。なにをあげれば喜ぶだろう)
沙希(そういえば海老名は結局、どうするんだろう。それとも、もう答えは伝えたのだろうか)
14: 以下、
姫菜『戸部っち、私ってこういう人だよ。こういう、『腐ったもの』が私。知ってた?』
姫菜『だから――』
戸部『ちょタンマタンマ。俺ってさ、バカだから正直よく分からんけどさ、それが俺の諦める理由になるん?』
姫菜『……なるよ。なってよ』
戸部『いやならないっしょー。全然ちっともならないっしょー』
15: 以下、
戸部『だってさ、それでもやっぱり俺は海老名さんのことマジで好きだし?』
戸部『……だから、ふるなら俺のダメなとこ言ってよ。『戸部とは合わないと思う』とか、そう言われた方が分かりやすいっしょ』
姫菜『そんなの……』
戸部『あ、ごめん言いづらいか。でも、海老名さんがそう言わない限り、俺ってば諦めんよ?』
戸部『だから、もっかい考えてくれんかな。お願いしゃす!』
姫菜『……戸部っちって本当に、バカだね』
戸部『知ってる!』
16: 以下、
沙希(二人とも、笑っていた。海老名は『もう一度、ちゃんと考えてみる。だから次は、私の言葉をきいてください』なんて言っていたけど)
沙希(なんで私が知っているかって、海老名から直接きいたからだ。相談、なんて言って。でも彼女の中ではもう、その答えは決まっているようだった)
沙希(お似合いの二人だと思う。前はそんなこと思わなかったけど、人は見かけによらない。話して、言葉を聞かないと分からないことだらけだ)
沙希(ふと時計を見ると、もう二時を回っていた。明日は卒業式の予行演習がある。久しぶりに三年生がほぼ全員そろうだろう)
沙希(胸に微かな期待を抱いて、すぐにそれを打ち消して。床に就いた)
17: 以下、
――次の日、朝。校内
沙希(いつもより早く目が覚めてしまって、登校時間より一時間も早く登校した。学校にはまだほとんど誰も来ていない。閑散とした校内を一人で歩いていると、とても不思議な気分にな
る)
沙希(でも、嫌いじゃない。そんな静けさだ)
沙希(廊下の先に、ある男子を見つけた)
沙希(以前、告白してくれた男子だ。彼もこちらに気づいたようで、軽く手を挙げて近づいてきた)
18: 以下、
男「おはよ、川崎さん。早いね」
沙希「おはよ。なんか目が覚めてね」
男「ああ、俺も。本番は明日なのにね」
沙希「うん」
沙希(彼はゆっくりと廊下の端から端までの教室を見まわした)
19: 以下、
男「一日早いけど、お世話になりました」
沙希「うん。こちらこそありがと」
男「良い高校だったよね」
沙希「そうだね」
男「楽しかったな……」
沙希「早いって」
男「はは、そうだね」
沙希(彼は困ったように笑った)
20: 以下、
男「川崎さん、例の好きな人にはまだ何も言ってないの?」
沙希「……うん、まあ」
男「そっか。頑張ってとは言いたくないけど、後悔しないようにね」
沙希「……」
男「俺は川崎さんに振られたけど、後悔してないよ。言えてよかったと思う。川崎さんもそうなればいいなって、お節介だけど、そう思うよ」
沙希「……ありがとう」
男「うん。それじゃ、友達きたっぽいからまたね!」
沙希「うん、また」
21: 以下、
沙希(彼は爽やかに笑って今来たらしい男子の方に駆け寄っていった。彼が後悔してないっていうのを聞いて、少しホッとしている自分に気が付いた)
沙希(そして今の私は、告白を断ってきた彼らに恥じないような女だろうかとふと考えてしまう)
沙希(別に考える必要がないことであるのは分かっている。だけど)
沙希(だけど)
沙希(少し刺さるものを感じながらも、無視して私は自分の教室に足を進めた)
22: 以下、
――帰りのHR終了後
沙希(卒業式の予行演習が終わって、久しぶりに全員出席したクラスはがやがやと盛り上がっている)
沙希(カラオケやボーリングに繰り出しそうとしているグループ、デートに行こうとするカップルなど、様々だ)
沙希(そんな中、一人で帰宅の準備をしている男子がいた)
23: 以下、
結衣「ヒッキー、帰るの?」
八幡「ん。特にやることもないしな」
結衣「そっかー……。明日の約束、覚えてるよね?」
八幡「ああ、部室に集合だろ」
結衣「そうそう、それ。ちゃんと平塚先生への手紙、ヒッキーも書いといてよね」
八幡「ああ、やっとくよ。じゃあな」
結衣「ばいばーい」
24: 以下、
沙希(ひらひらと手を振って、比企谷は教室を出ていった)
沙希(以前はあまり教室では喋らないようにしていた二人だが、最近ではそんなこともなく普通に喋っているように見える)
沙希(彼女の方から更に歩み寄ったのか、それともあいつが歩み寄ったのかは分からないけど)
沙希(ふと気づくと、隣に海老名が立っていた)
姫菜「追いかけなよ、さきさき」
沙希「え?」
姫菜「二人で一緒に下校デートできる、最後のチャンスだよ。ほら」
沙希(海老名はそう言って微笑んで、私の背中をぽんと叩いた)
25: 以下、
沙希「でも、何て言えばいいのか分からないし……」
姫菜「そんなの、いつも私に言うみたいに『一緒に帰る?』なんてぶっきらぼうな感じで言えばいいの!ほら行く!」
沙希(もう一度私の背中を強くたたき、海老名は笑って親指を突き出した)
『後悔しないようにね』
沙希(朝に話した男子の声がリフレインする。今行かなかったら後悔するだろうか。分からない。ただ海老名の気持ちを無下にしたくもない)
沙希「……うん」
沙希(頷いてみせて、私は走り出した)
26: 以下、
姫菜(やっとのこと、沙希は教室を飛び出した)
姫菜(なかなか手のかかる友人である。あんな美貌を持ってるくせに、自信がなくて、弱虫で。何を考えているのか分かりにくくて、でも優しい)
姫菜(ただ、結衣には悪いことをしたと思う。結衣が彼のことを好きなのを、私は知っていた)
姫菜(それでも私は、沙希のことを応援したかった。あの強情っ張りで妙に甘いところがある友達の泣くところは、見たくなかった)
姫菜(だから、頑張って。沙希)
姫菜(そしてごめん、結衣。本当に、ごめん)
27: 以下、
戸部「海老名さん、い、一緒に帰らん?」
姫菜「うん、帰ろっか」
姫菜(まだ少し緊張している様子の彼と、私も帰途に就くことにした)
姫菜(明日は、卒業式。空を見上げると灰色の雲が薄く広がっていた)
28: 以下、
――総武高校からの帰路
八幡(高校からの帰り道というのも、今日と明日で終わり)
八幡(そう考えると、少しはセンチメンタルにもなる)
八幡(掌でくるくるとマッ缶を弄って、開ける。半分近く飲み干して、息を吐いた)
八幡(少しは苦く感じるかと思ったが、いくらなんでもそれはねえな。多少のセンチメンタリズムで苦く感じるほど、俺の愛飲しているこいつは甘くない)
八幡(イヤホンから流れる音楽に耳を傾けながら、またマッ缶に口を着けた)
29: 以下、
沙希(いた、追いついた)
沙希(でも何も言葉が出てこない。いきなり『一緒に帰る?』なんて言えたらこんな苦しい気持ちをずっと抱えていない)
沙希(ふと、いつかの男子の表情が思い出される)
『川崎さん、ちゃんと答えてくれてありがとう』
30: 以下、
沙希(私が断った男子はあの時笑顔でそう言っていた。その拳が震えていることに私は気づいていたのに)
沙希(私にも彼のようにできるだろうか。彼のように勇気を出せるだろうか)
沙希(いや、分かっている。できないんじゃなくて、しないだけなんだ。それだけのことができなくて、好きな男の子に何もできなくて、私はここまでズルズルときてしまったんだ)
沙希(行け、川崎沙希)
沙希(女なら、背筋を伸ばして真正面から玉砕しろ)
沙希「ねえ、比企谷。一緒に帰らない?」
31: 以下、
八幡(背後から、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした)
八幡(振り返ってみて違ったら恥ずかしいぞこれ、とは思うが本当に自分を呼んでたら悪いのでチラリと後ろを見てみる。すると、川崎がいた)
八幡(イヤホンを外し振り返る。川崎は何故か顔を赤らめて、でも目線はたしかにまっすぐにこちらを貫いていた)
八幡「川崎、何か言ったか?」
32: 以下、
沙希(比企谷は不思議そうな顔をしてこっちを見ていた。さっきの私の言葉は聞こえなかったようだ)
沙希「あの……一緒に、帰らない?」
八幡「ん?」
沙希(何故、みたいな顔をして比企谷は固まっている)
沙希「最後だし暇だしなんとなくだし別に嫌ならいいけど」
沙希(思わず言い訳めいたセリフが早口で出てくる。顔はきっと赤くなっているだろう)
33: 以下、
八幡「いや、別に嫌じゃないけど」
沙希(キョトンとしたような顔で比企谷はそう言い、また前を向いた)
八幡「んじゃ、帰るか」
沙希「うん」
沙希(ホッとして私は横に並ぶ。ちらっと横目で彼を見ると、何を考えているのか分からないような顔で前を見ている)
沙希(ずっとこうやって二人で歩きたかった。もっと早く勇気を出していれば、きっとそのチャンスはいくらでもあったのに)
34: 以下、
八幡「あー……なんか、話すの久しぶりだな」
沙希「そうかもね」
沙希(そうかもね、なんて。最後に話した日を大事に何度も思い出していたくせに)
八幡「……なんていうか、お前にも色々と世話になったな。サンキュ」
沙希「別に。……こっちも、色々とありがと」
八幡「ん」
沙希(会話が途切れた。なんとか話題をひねり出す)
35: 以下、
沙希「さっき、なに聴いてたの?」
八幡「ブルーエンカウントのもっと光を」
沙希「意外」
八幡「なんでだよ」
沙希「なんとなくだけど。そういうのあまり好きじゃなさそう」
八幡「好きだっつうの」
沙希(ドキッとして、会話を途切れさせてしまった。「私もそのバンド好き」と言って、繋げることもできたのに)
沙希(また二人とも無言になって、足を進める。何か話題を探そうと頭を巡らせるけど、何故か一つしか出てこない。怖くて仕方がないけど、聞いてみようか)
沙希(そうだ、さっき誓ったばかりじゃないか。頑張れ、私)
36: 以下、
沙希「あの、さ」
八幡「ん?」
沙希「比企谷って、その。……彼女とか、いるの?」
沙希(聞いた瞬間に、しまったと思った。この質問をこういう風に訊いてしまったら、もう答えは一つしかない。確実に伝わってしまう)
沙希(少し間を置いてから比企谷は赤面し、すぐ何かに気づいたように悲しそうな顔になった。それは自分のことを責めているようでもあった)
37: 以下、
八幡「……いる」
沙希「そ、そうなんだ。私の知ってる、人?」
八幡「……由比ヶ浜だよ」
沙希「そっか。仲、いいよね」
八幡「……ん」
沙希(涙は出ていない。声も震えないようにしているはずだ)
38: 以下、
沙希「お似合いだと思うよ、あんたたち。……本当に」
八幡「……すまん」
沙希「なんのこと?」
八幡「なんでもない。……ありがとう」
沙希「ううん。……こっちこそ、ごめん」
八幡「何がだよ」
沙希「何でもない」
沙希(少し、おかしくなった。どうしてふられているたった今の方が、これまでよりもずっと長く二人きりで喋っているんだろう)
39: 以下、
沙希「ねえ。……本当に、あんたたちには感謝してるんだ、私。雪ノ下と由比ヶ浜にも会ったら言っておいて。ありがとうって」
八幡「おう」
沙希(いつの間にか別れ道まで来ていた。ここから私たちの道は別々になる)
沙希「それじゃあ。また、明日」
八幡「ああ。また明日、川崎」
沙希(手をふる彼に、私はきっと笑顔で手を振り返せたと思う。彼の記憶の中に、笑顔の私を残せたと思う。それだけでも嬉しい)
40: 以下、
沙希(遠ざかっていく彼の背中を見ながら、私は色々なことを思い出す)
沙希(彼は着慣れていないジャケットを着て私のバイト先に乗り込んでくる。わざわざ明け方のマックで待ってて、私の抱えてる問題について打開策を提案する)
沙希(それは奉仕部の依頼だからで、私だからじゃないけど。でも私はちょっと嬉しくて、くすぐったく思う)
沙希(私が「お節介」と言うと、彼は「仕事なんでね」なんて飄々とした顔で受け流す)
沙希(休み時間はよく眠そうにしていたり本を読んでいたりする。たまに戸部たちに絡まれて、面倒くさそうに眉根を寄せている。雪ノ下や由比ヶ浜と話すときだけに見せる顔がある。そ
の顔を見るたびに少しずつ私は傷つく)
沙希(戸塚を見ると嬉しそうな顔をする。そのときの発言に私は少し引く。材木座とかいう男子に絡まれているときは本気で鬱陶しそうな顔をする。その顔が少し可愛くもある)
沙希(「愛してるぜ、川崎!」なんて言って私を戸惑わせる。そんなことを言ったと思ったらいつのまにか走ってどこかに消えている。次に会ったときはそのことを完全に忘れていて私を
怒らせる)
沙希(よく悩んで、よくがんばって、文句を言って、たまに少し笑って、周りの人を助けていく)
沙希(比企谷八幡といつか付き合える日を考えて、私は毎晩ベッドに入って夢を見る)
41: 以下、
沙希(携帯の着信を見ると、海老名から何件も入っていたことに気づいた)
沙希(コールバックをするとすぐに彼女は出て、その声は涙で濡れているようだった)
姫菜『ごめんサキサキ、さっき結衣から初めて聞いて、二人はちょっと前から』
沙希「大丈夫、私もさっき比企谷から聞いたから」
姫菜『ごめん、ごめん、傷つけてごめん。本当にごめん。謝っても済まないけど、ごめん』
沙希「いいよ。大丈夫だから」
沙希「だから、泣かないで」
42: 以下、
沙希(海老名も、以前と比べて変わったように思う)
沙希(『私、腐ってるから』なんて冷たい瞳で言っていたあの頃の彼女を、私はもう思い出すことができない)
沙希「ありがとう、海老名」
姫菜『……』グスグス
沙希「ほら、あんた試験まであと少しなんでしょ。泣いてる暇があったら勉強しな」
姫菜『うん……』グスグス
沙希「でも、終わったらたくさん話きいて。約束」
姫菜『うん……うん!』
沙希「それじゃ、また明日」
43: 以下、

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