八幡「その時、戸塚彩加は」back

八幡「その時、戸塚彩加は」


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短いです。間違って深夜の方に建ててしまったのでこちらで建て直させていただきます。
初投稿、初SSです。宜しくお願いします。
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2: 以下、
戸塚彩加。
最近思うことがある。
戸塚は俺にとってなんなのだろうか。
世間一般で言うぼっちの俺に毎朝のように挨拶をしてくれる。さも彼の頭に損得勘定など存在しないかのように。
今でこそ奉仕部に所属し、国際教養科では畏敬の念を抱かれている雪ノ下とも顔見知り。何でか総武高でもトップカーストである葉山や由比ヶ浜、一色とも顔見知りだ。
しかしそうなってこそ俺のぼっちは偽物ではなく本物であるという証明をするために心から気を許すことなどしてこなかった。今でもだ。
日頃接してきて感じることがある。どうやら俺は戸塚に好かれているらしい。いや、そういう意味じゃない。病気かな?(病気)
いくら俺が他人に気を許さないとは言え、他人から向けられる好意は本物か偽物かに関わらず流石に気付く。難聴でも鈍感でもないからだ。
3: 以下、
中学の時、折本かおりに抱いてしまった感情は偽物ということで結論を出せた。しかし、しかしだ。もし折本が受け入れてくれたのなら、いずれ本物になっていた可能性だってある。
中学生カップルが成長し、成人後もなお関係が続き結婚に至るケースは多くない。
中学生の恋愛観なんてのは興味に始まり興味に終るのだ。中には興味からの好意がその対象そのものが愛おしくて憤りを覚えるまでになるケースは稀ではあるが、稀にある。
しかしだ。戸塚彩加、その人は生物学的には男だが、見た目はどう見たって女だ。彼だって幼い頃から周りからの視線や扱いを直で受けて自覚しているだろう。
それなのに、俺に対して無償の愛(親愛…?)を向けてくる。それに加えて戸塚は俺の好みドストライクだ。それになんだよ彩加って。ありがとう戸塚の親。
こんなの俺じゃなくたって……どうしようもない感情が頭の中を廻る。
「はちまーん!」
こういう時に限って思考を中断しなければならない事案が舞い込んでくるもんだな。
「…ああ、戸塚。今日も可愛いな」
「もうっ、八幡!僕は男の子だよ」クスッ
そもそも最近は一人称が僕なんて男は中々いない。ネットに毒されてるのか知らんが、一部の人(俺)にはいい迷惑だ。
4: 以下、
「それで戸塚、俺に何か用か?」
「こんな事頼んでいいのかわからないけど……実はね、今週の日曜日に部活の大会があるんだ。それで、マネージャーが急用出来ちゃって来れなくなっちゃって」
「なんだ、そんなことか。もちろん行くよ。戸塚が頑張ってる所、見たいし…それに」
「それに?」
「奉仕部は手助けするのが仕事だからな」
「八幡……。ありがとっ!じゃあよろしくね!」タタタッ
ああ…天使が去って行ってしまった…。ってか俺くせえな……誰かに聞かれてたら確実に晒し上げられる。あいにく大丈夫だ、たぶん。
それにしても戸塚は部長頑張ってるな。どこぞの生徒会長にも爪の垢を煎じて飲んで貰いたいくらいだ。
しかし大会か…。大会……ユニフォーム……汗……タオル………。
やばいな、これはやばい。どれくらいやばいかって言うと大会を主催してくれた高体連のおっさん連中に感謝するまである。
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ああ、だめだ。ユニフォーム姿ならまだしも、汗が滴る戸塚の姿を想像しただけで頭がだめになりそうだ。融ける。
そんなこと考えてたらいつの間にか放課後になってたし奉仕部も気がついたら終わっていた。
由比ヶ浜にはキモいキモい言われてた気がするし、雪ノ下には生まれてきたことを後悔させられるレベルの罵詈雑言を浴びせられていた気もする。
家に帰って鏡を見たら……うん、こりゃキモい。目が腐ってるのはいつもの事として、口元はピク付いてるわ目元はニヤけてるわで見れたもんじゃない。
って、なんで自分でこんな事思わなきゃいけないんだよ………。
 × × ×
6: 以下、
日曜日。県内のテニス場に来ている。俺が日曜日に太陽が物凄く照る場所に来るなんて天変地異が起こりそうだ。
しっかし暑い。どれくらい暑いかって言うと今すぐ家に帰ってクーラーをガンガン効かせて太陽の神様への呪詛を唱えながら素っ裸で寝込むレベル。
ただ見てるだけでこの暑さなんだ、今試合している戸塚は塩分や水分が身体からガンガン失われてそうだ。
せめてサポートだけでもちゃんとしないとな。
笛が鳴り響く。どうやら試合が終わったようだ。
対戦相手との礼を終えてこちらに歩いてきた戸塚にスポーツドリンクを渡す。
「おう、戸塚お疲れ」
「えへへ、八幡ありがと!」
「めちゃくちゃ暑いな……、汗、大丈夫か」
そう言って戸塚の首にタオルを掛ける。
「あっ、ありがと…」
おい戸塚、照れるな。こっちが恥ずかしくなる。可愛い。
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きょとんをこっちを見ていた戸塚に視線を合わせると顔を赤らめて視線を横に逸らす。
逸らしたので今度はこっちが戸塚をじっと見る。
細いが纏まった髪が微妙に濡れ、太陽の光のように白い肌にうっすらと浮かぶ汗。
身体にも汗をかいているのか、ユニフォームがくっついているので団扇で扇いでやる。
笑いながら涼しそうに次の部員に試合を眺める戸塚。
その横顔を見ているとキュッと胸が締め付けられる。
もう、ゴールしていいんじゃないか。いつもの冗談ではなく、本当に。
ここ数日抱えていた闇を一気に放出したくて堪らなくなる。
抱き着いて、背中に腕を絡め、締め付けたい。
あの首筋。あの耳の裏……戸塚の全てを独占したくなる。
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この暑さで頭がやられているのだろう。ああそうだ、これはきっと暑さのせいだ。
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「……戸塚」フラッ
「ど、どうしたの?大丈夫?」
ガシッ
「は、八幡?具合悪いの…?」
「戸塚……戸塚…」
ユニフォームの裾から手を潜らせる。肩甲骨に引っかかり動きが止まる。
鼻孔を首筋に密着させて空気を吸い込む。
なんだ…なんだよ。この幸福感は。
戸塚はみ、見られちゃうよとか、あっ…と喘いでいるがそれを考える余地がない。
髪が汗で蒸れてほんのり温いがそれも良いアクセントだ。
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戸塚を抱いている時の気持ちはそれはそれはこの世のものとは思えない。カマクラを撫でている時の安心感や小町が側にいる時の安心感とはまた違う感情。
ああ、これが本物だ。戸塚は俺の全てを受け入れてくれる。俺も戸塚になら気を許せる。
他人に期待してはいけないなんていうのは思い上がりだ。向こうがこちらに与えてくれている以上、こちらが拒絶するのは失礼だ。
貰った分だけ、返さなくてはいけないのだ。
いくら捻くれていても父親や母親は当たり前だが信用しているし、ましてや小町には信用以上の感情を抱いている。
雪ノ下や由比ヶ浜、川崎。そして一色には俺の中でもある程度の信頼関係を築いてきたつもりだ。
しかし同姓である戸塚彩加。その人は。
同姓が、同姓であることを考えさせることもなく、俺に与えてくれる。その、全てを。
ならば俺も同等のものを与えてやらなければならない。同姓は関係ない。ファーストインプレッションからして違うのだ。
堕ちるところまで堕ちるとこへ来た。
いや、堕ちるのではない。本物を、本物として適切に扱う時が来ただけの、単純な話だ。
ゴミはゴミ箱に。偽物は偽物、本物は本物。男は男、女は女。つまりそういうことだ。
戸塚の心地良い戸惑いの声を聴き、全身で戸塚を感じながらいつしか俺の意識は闇に沈んでいった………。
BADEND
11: 以下、

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