ズデーン! ダイヤ「花丸さん!?」 果南「マル!」 花丸「あいたたた……えへへ、またやっちゃったずら……」back

ズデーン! ダイヤ「花丸さん!?」 果南「マル!」 花丸「あいたたた……えへへ、またやっちゃったずら……」


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>>早朝/学校/屋上
果南「大丈夫マルっ?さっきとおんなじ転び方したけど、怪我してない?」(駆け寄り)
花丸「あ、ありがとう果南ちゃん。でもオラ、身体だけは頑丈だから……」
果南「もう、またそんなこと言ってー。マルはまだ身体が出来上がってる途中なんだから、大事にしなきゃ!」(なでなで)
花丸「か、果南ちゃんっ、くすぐったいずらっ」
ダイヤ「……」
2:
果南「それに、マルの運動経験が浅いのもちゃんとわかってるんだぞー」(すりすり)
果南「身体を動かす感覚だけじゃなくて、傷みかけてる感覚とかもまだ手探りなんだろうしさ」(さわさわ)
果南「痛くなくてもどこかに違和感とかあったら、ちっちゃなことでもちゃーんと言うんだよ?」(さすさす)
花丸「かな、果南ちゃ、ひゃっ。そ、そんな全身撫で回さないでぇ?」
ダイヤ「…………」
3:
果南「うん、確かに異常はなさそうだね────って、さっきから黙りこんでさ。ダイヤさんはどうしちゃったって言うのよ」
ダイヤ「……花丸さん、あなたやはり……」
ダイヤ「ターンが苦手ですわね」
花丸「それは……」
果南「ちょっとダイヤ……」
4:
ダイヤ「責めているのではありません。ただ、人には得手不得手、向き不向きがあります」
ダイヤ「それを無視して無理をさせるのは大局的観点や効率的にも……いいえ、失礼しました」(フルフル)
ダイヤ(ボソッ)「今はこれが一番……ですわね」
ダイヤ「────花丸さんの身体と、何より気持ちのことを考えれば、よろしくありません」
5:
花丸「……ごめんなさい……マル、ちっちゃいころからくるくる回るのってどうしても苦手で……」
ダイヤ「ええ……花丸さんの目が回りやすいというお話。幼い頃より、ルビィの口からよく耳にしていましてよ……」(優しく微笑)
花丸「でも!オラ……オラ頑張りたい……やりたいんです!」
6:
花丸「きっと3人揃って決めたターンは、この曲で一番盛り上がるパフォーマンスになる……。だからマル、絶対……絶対形にしたい……」
花丸「だって……次のミニライブは、AZALEAの大切なお披露目舞台ずら……」
花丸「3人の100%を見てもらって、たくさんの人にマルたちのこと、覚えて貰いたい……」
花丸「だから、だから……マル……」
8:
果南「マル……」(ニッコリ)
ダイヤ(両肩はしっ)「花丸さん……あなたの気持ち、しっかりと伝わりましたわ」
花丸「果南ちゃん、ダイヤちゃん……」
ダイヤ「私の見立てでは軸を生む下半身に問題はありません。振り向く瞬間、目が回ってしまい僅かに上半身が軸からブレているのね」
ダイヤ「そこで、ほんの……もう少し。我慢して粘れれば……きっと上手くいきますわ」
9:
果南「そうそう、確かにこう……首がぐるんってなっちゃってる感じがあるよね。他は私から見てもバッチリだと思うよ?」
花丸「う、うん……」
ダイヤ「だから、花丸さん」
ダイヤ「……もう少しだけ……私たちと、頑張ってみましょうね」(ニコッ)
花丸「ダイヤちゃん……」
10:
果南「マルひとりにしょい込ませたりなんかしないよ」
果南「私たちだって、AZALEAの初ライブ……絶対成功させたいって思ってる。だから……」
果南「だから、マルがそう言ってくれるんなら……できるようになるまで────いつまでだって私たち、付き合うからさ!」(胸どーん)
花丸「果南ちゃん……」
花丸「ありがとう、2人とも……オラ、頑張るずら!へへへ……」
11:
果南「うん……いい笑顔だね、マルっ。さっ、それじゃあ早もう一回チャレンジしてみよっか。
はい、手つかまって」
花丸「えへ、何から何までかたじけないずら、果南ちゃ────」
果南「……マル?どうかした?」
花丸「…………」
ダイヤ「花丸さん……?」
果南「おーい、マ────」
12:
花丸「────ごっ、ごめんなさい!2人とも!」
ダイヤ・果南「「?」」
花丸「オラ、今朝は図書委員の貸し出し当番だったずらっ」
ダイヤ「あら、そういえば花丸さんは図書委員でしたわね」
果南「ええ?いいんじゃないかなぁ、どうせ始業前から本なんか借りるひと────」
13:
ダイヤ「か・な・ん・さん?」
果南「と言うのは冗談……冗談?……」
ダイヤ「まったく、誰の前だと思ってらっしゃるのかしら……?」
果南「だから冗談だってば?、生徒かいちょー……っと、話がずれちゃったよ」
果南「それは残念だったね、マル。急ぎになりそう?」
花丸「うん……朝はまず先生に図書室の鍵を借りなきゃいけなくて……あと……その……き、着替えも……あるし……」
14:
ダイヤ「ちょっと今朝の練習は花丸さんに負担がかかり過ぎていた気がしますし、ちょうど良かったのではないかしら」
果南「そうだね。とりあえずいったん身体を休めて、放課後また頑張ろっか」
ダイヤ「私も果南さんにお話しなければならない案件ができたことですし……」
ダイヤ「ねぇ?果南さん……?」( に っ こ り )
果南「ちょ、ダイヤ、目がまじだよ……こわっ……」
15:
花丸「あ、あはは……じゃあ、オラそろそろ行こうかな……」
果南「うん、お勤め頑張ってね?」(ヒラヒラ)
花丸「オラから頑張るって言ったのに、こんな中途半端になっちゃってごめんなさい……ずら……」
ダイヤ「気に病む必要はありませんわ、花丸さん。放課後にはきっと、上手くできるようになっていますから」
花丸「うん、放課後こそ……放課後……こそ……」
16:
果南「────さて、じゃあ私は残った時間はちょっとグラウンドで体力錬成でもっ」(ピュンッ)
ダイヤ「ちょ────待ちなさ……果南さん!!こ……んのぉ……」
果南「じゃあね!マル!また放課後!」(屋上ドアガチャ)
ダイヤ「階段を駆け降りるんじゃありません!────花丸さん、私も失礼しますわね────こら!果南さ……かなぁあんっ!!」
花丸「はは……」(手フリフリ)
花丸「は……」(フリ…フリ…)
17:
花丸(ど……)
花丸(どうしよう……)
花丸(なんで、どうして────)
18:
花丸(ブラジャー、壊れちゃったずら?????っ//////////)
19:
>>廊下
花丸(今朝が図書当番なのは、うそじゃない……)
花丸(うそじゃないけど、こんなに早く朝のユニット練習を切り上げる必要はなかったのに……)
花丸(本当……あんなに優しい2人を、裏切るみたいなことして……)
花丸(でも)
花丸(でも……)
20:
(テクテク)(ぷる…ぷる…)
花丸(うう……)
花丸(お、落ち着かないずら……)
花丸(ダイヤちゃんたちにうそまでついて稼いだ図書当番までの時間……)
花丸(トイレでゆっくり状況の確認はできたけど……)
花丸(結局ホックの金具が壊れてて……)
21:
花丸(今日着けてたのはフロントホックだから、金具がないとカップがどんどん開いていっちゃって、全然固定できなくて……)
花丸(そのままだと、ズレた様子が服の上からでも一目で違和感でわかっちゃうから……その……)
花丸(ぬ……ぬぐしか、なかったずら……/////)
(テクテク)(ぷる…ぷる…)
22:
花丸(今はまだ始業開始のずっと前で、廊下に誰もいないけど……)
花丸(さっき、職員室で図書室の鍵を借りるとき……)
花丸(早番で出てきてた先生に、挨拶するだけで……)
花丸(ひとに近付いて……視線を感じるだけで……)
花丸(うう……顔から火が出そうなくらい、恥ずかしかった……)
23:
花丸(下着、一枚着けてないだけで……)
花丸(まるで、全身……は……は、裸でっ……)
花丸(裸で、その場所を歩いてるみたいに思えちゃうの……)
花丸(なんで、なんだろう……)
24:
(ピタッ)(ぷる…ん)
花丸(オラの動きに合わせて……胸が揺れてるの、よくわかる……)
(すっ…すっ…)
花丸(それに、夏服……生地が薄くて……)
(じっ…)
花丸(白い……から……じっと見てたら、マルの胸の先……もしかして……わかっちゃうんじゃ……)
25:
花丸「……」(キョロキョロ)
花丸(……なにより、一番困るのは……)
花丸(……校外授業のない関係で校舎にいる時間の多い一年生の夏服だけ、涼しいようにって……袖無しのデザインが用意されてて……)
花丸(オラ……なんで今日こっちにしちゃったんだろう……)
花丸(普段は袖付きなんだけど……昨日の帰り、ルビィちゃんと食べたアイス……はねちゃって……)
26:
花丸(もぉう!昨日オラのばか!おたんこなす!くいしんぼ!)
花丸「……」(腋の下じーっ)
花丸(……何かの拍子に腕を上げたら……後ろからだとオラが下に何も着けてないの……)
花丸(きっと……丸見えになっちゃうずらぁっ////)(頭フルフル)
(プルンプルン)
27:
花丸(うぅっ、こんな小さな動きでも簡単に胸……)
花丸(オラ……)
花丸(オラ……これから、どうすれば……)
28:
>>教室
(コチ…コチ…)
数学教師「この式のXに代入される数字は正の値のみです。と言うのも……」
花丸「……」(そわそわ)
花丸(結局、朝の図書当番は誰もこないまま何事もなく終わって)
花丸(教室までは鞄で胸を隠しながらなんとかたどり着いて……)
花丸(それからはもう何も無駄なことはしないように……誰からも話しかけられないように……)
花丸(本を読んでる振りをして、授業までこぎ着けたずら……)
29:
花丸(マル、おちびだから。図書室でちょっとおっきなハードカバーの本を借りて)
花丸(机で開いてれば、ちょうどいい高さで他の人からはマルの胸が隠れるみたいで……)
花丸(これでなんとか1日乗り切れそうかも、なんて思ってたけど……)
花丸「…………」(そわそわ)
花丸(……とんでもないずら……)
花丸(授業中に本を開いたままなんてできないから)
花丸(今は……オラ……何も……)
花丸「────っ」
花丸(何も隠せてないっ……!)(指ぎゅーっ)
30:
花丸(……それに……)
花丸(それに、最初は”着けてない”ってことに気が向いててなんともなかったんだけど……)(もじ…もじ…)
(…こしゅ…)
花丸「ん……ん」
花丸(衣替えしたばかりの……おろしたての制服の生地……)
花丸(ちょっと、堅さがあって……)
(…さ…わ…)
花丸「ん、ん……」
花丸(胸の先……すごく……)
(かしゅっ…)
花丸「は、ぁ……ん……」
花丸(気になっちゃうよおぉ……//////)
31:
数学教師「じゃあここを……黒澤さん」
ルビィ「ぴぎっ!」
花丸(────っ!)
数学教師「どう?この問題、前に出て解けそうかしら」(カッカッ)
花丸(しまっ────授業には板書もっ……)
ルビィ「えっと……その……」
花丸(それに、この流れは……)
ルビィ「わ、わかりません……」(シュン…)
数学教師「むむ、しょうがないわね。それじゃあ……国木田さん?また黒澤さんに、助け船出してあげて貰えるかしら」
花丸(やっぱり????っっ!!!)
32:
花丸「えっと、あの……」
花丸(ど、どうしよう……こんな状態でみんなの前になんか……)
ルビィ「うう、マルちゃん……」
花丸(────ああ……ルビィちゃん……そんな……そんな泣きそうな顔、しちゃだめずら……)
花丸(そんな顔されたら、オラ……オラ……)
花丸「は、はい……」
ルビィ「マルちゃん!」(パァア)
33:
花丸(やっちゃいました……マル、ルビィちゃんにはかないません……)
花丸(でも……オラ、数学苦手だけど……)
花丸(この問題、ちゃんと予習してきたやつずら!)(ふんす!)
花丸(だいじょうぶ……これくらい、すぐに終わらせて……)
数学教師「ふふっ。黒澤さん、国木田さんにまた借りが増えたわね。ありがとう、国木田さん。それじゃあお願いできるかしら」
花丸「は、はい」
(すくっ)(ぷる…ん…)
花丸(う……やっぱり、胸……)
花丸(でもオラ、負けないよ……ルビィちゃん……っ)
花丸(ルビィちゃんのためだったらこれくらい────)
花丸(────って!?!!)
34:
花丸(先生にあてられたことがショックですっかり頭から抜け落ちてたけど……こんな……)(あわわ…)
花丸(こんな高いところに答え書かなきゃいけないの?!?)
花丸(そんな……こんなの、オラの身長だと背伸びして……たくさん腕を上げて板書しないと、届かない……)
花丸(みんなの前に出るって言っても、板書だったらずっと背中向けてるから大丈夫だって思ってたけど……)
花丸(これじゃ、袖無しの制服の、腋のところから……マルの何も着けてないところ……ぜったい見えちゃうずら……)
36:
(…ゴクッ…)
花丸(もう黒板の前で、チョーク握っちゃってる……)
花丸(い、いまさら引き返せないよ……)
数学教師「あら……国木田さん、どうかした?」
花丸「い、いえ……」
花丸(────ル……ルビィちゃんのため……ルビィちゃんのため……ルビィちゃんのため……)(ぐるぐるぐるぐる)
花丸(────え?????いっ!!)
37:
(カカッカッカカッ!!)
クラスメート一同「「おお?」」
花丸(素早く書いて……)
(カッ!カカカッカッ!!)
花丸(────一瞬で終わらせれば!!)
(カカッカッ!!)
花丸(やった!順調ずら!あとちょっ────)
38:
────(こりっ)
花丸「ひゃああんっ!?」(しゃがみこみっ)
ルビィ「マルちゃん?」
クラスメートD「ど、どうしたんだろ……」
(ザワザワ)
数学教師「……国木田さん?だ、大丈夫?」
花丸「────!?い、いえっ、ちょっと……」
花丸(いま、なにか”右のさきっぽ”に……)
39:
花丸「せ、背伸びしてたら足が吊っちゃったみたいで……」
花丸(咄嗟にしては良い言い訳が……)
数学教師「あら、それはいけないわ。平気?」
(…むく…)
花丸(───あ)
花丸「だ、だいじょぶです///もう……収まったみたい、なので////」(ウツムキ)
(むくむく…)
花丸(だ、だめっ……こんな……)
花丸(こんなところでっ……)(ナミダメ)
40:
数学教師「ごめんなさいね、国木田さん。私がそんな高いところに問題を書いてしまったから……」
花丸「いえ、お気になさらず……////」(…にこっ…)
花丸(なにかあたった、右の……さきっぽが……)
────(むっくり?)
花丸「???っ///////」
41:
花丸(……も、もう……さすがに立ち上がらなきゃ……)
(すくっ)(こすっ)
花丸「く、ふ……ん」(手で口抑えて)
花丸(さっきまでもすごい気になっちゃってた、けど……)
(ぷくっ…)
花丸(”右”だけ……段違いに敏感にっ……)
花丸(あ……)
花丸(ラムネ磁石(※)……)
花丸(上ばっかり見てたから、全然気付かなかった……)
花丸(黒板にくっついてたこれが、さきっぽにあたって……)
(※ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org917214.jpg )
42:
花丸「……、……ふう」
花丸(あと2工程くらい……なんとか、頑張って……)
(すっ)(ずりずりっ)
花丸「???っっ」
花丸(手っ、上げただけでこれっ……!?)
花丸(こんなんじゃ……さっきみたいに素早くなんて……)
43:
(カッ…カッカッ…)
花丸(うう……)
花丸(マルの腋から……見えて、ないよね……?)
(カッカッ…)
花丸(式が進んでさっきより位置が低くなってるから、だいじょうぶだよね……?)
花丸(は……恥ずかしすぎて……死んじゃいそうずら……)
(カッ!)
花丸(お、おわった……これで────)
???「……マル!マル!」(こしょこしょ)
花丸「えっ?」
44:
花丸(よ、善子ちゃん……?)
善子「上から二番目の式だけ間違ってるわよ!そこから下はあってるのに……」(こしょこしょ)
花丸(あ……)
花丸(ほんとずら……)
善子「この前マルが見てくれた宿題で私がやったのとおんなじようなミスしてるじゃない!しっかりしてよね!」(こしょこしょ)
45:
花丸「……」(コクン)
善子「ふんっ……」(こしょ)
善子「この前やった席替え……一番前の真ん中の席を引き当てて、流石は堕天使ヨハネ……なんて思ってたけど」(こしょこしょ)
善子「こんな風に友だちを助けられる場所だったなんてね……」(こしょこしょ)
善子「悪魔失格かしら……ふふっ」(こしょ)
花丸(ありがとう……善子ちゃん……)
花丸(でも……)
花丸(でも……今日は見逃して欲しかったずら……)(ズーン)
46:
花丸(また、高い位置だから背伸びしなきゃ……)
花丸(えいっ)(スッ)
────(ぴとっ)
花丸「────ひ、い……」
花丸(こ、黒板に……)
花丸(右のぷっくりしちゃったさきっぽが……)
花丸(当たってる……?!)
花丸「……ぇ……え?」
花丸(黒板つ、つめた────制服とは違う本物の固さが押し返してきて────こんな……もっと────膨らんじゃうっ!!)
47:
花丸「は……あ……」
(カッ…カリ…)(クッ…ククッ…)
花丸(身体の動きに合わせて……さきっぽが……)
花丸「あ……ぁん……」
花丸(マイナスを……プラスにするだけっ……)
(カリ…カッ…)(クッ…スリッ…)
花丸「ん、んぅ……」
花丸(マイナスを……プラスに……っ……)
48:
(カリ…カリ…)(シュッ…コリ…)
花丸「ふぁ……」
花丸(頭が……ぼーっとしてきたずら……)
花丸(開いた腋から……マルの何も着けてないの、見られちゃってるかもしれないのと……)
花丸(右のさきっぽからの刺激で……)
花丸(もう……オラ、もう……)
花丸(────あと……ひと……つ!!)
(カッ!)
────(……ピンッ!)
花丸「?????っっっ!!!」(ビクビクビクッ)
49:
数学教師「はい、よくできましたね、国木田さん。よく勉強の出来ている国木田さんに免じて、この問題はそのまま次の試験に出してあげちゃいましょう。みんな、必ず解けるようにしときなさい?」
クラスメート一同「「おおー!」」
数学教師「とくに、黒澤さんはね……?」
ルビィ「はい、先生……」(シュン…)
花丸(せ、先生……それより……オラを、早く席に……)
50:
(ジンジン)
花丸(右のさきっぽ……痛いくらいに硬くなってる……)
(ぴんっ)
花丸(うう、いまなら制服の上からでも……注意して見たら完全に……)
花丸(た……たっちゃってるの……わかっちゃう……)
クラスメートN「国木田さんありがとう!」
クラスメートG「さすがマルちゃん!」
花丸「……」(…にこっ…)
花丸(幸い、みんなそれどころじゃなかったみたいだけど……)
花丸(授業ひとつ受けただけでこれなのに、まだそれがいくつも、いくつも……)
花丸(マル……いったい、どうなっちゃうずら……)
51:
ごめんなさい、書きためここまでです……なるべく早く続き上げられるように頑張ります。
それではいったん失礼します。
86:
>>渡り廊下前昇降口
ルビィ「マルちゃん、遅いなぁ……」
善子「そうね」
ルビィ「次の授業の準備もしないで、真っ先にトイレに向かっちゃって……」
善子「ずいぶん急いでたみたいだけど」
ルビィ「……さっきの授業中も、よく思い出してみたらずっと顔が少し赤かった気がするし……」
ルビィ「もしかして体調、良くなかったのかなぁ……」
87:
善子「確かに……」
善子「私もよくこの季節は、汗ばむものだから最初今年も暑くなってきたかしら……って思っていたらだんだんゾクゾクしてきて、次第に身体の節々が痛んできて、そしてついには……」
ルビィ「善子ちゃん、私やっぱりトイレ見てくる!」(タタッ)
善子「ちょ────最後まで話を聞きなさいよ!それに私はヨハネよ!ヨハネ!あと、私も行くんだから!」(タッ)
花丸「────お、お待たせ!」(ハア…ハア…)
ルビィ「マルちゃん!」
善子「マル……」
88:
花丸「ごめんね、2人とも……待っててくれたんだよね……」
善子「お、遅いわよ。もうすぐ授業始まっちゃうじゃない」
花丸「ごめんね、善子ちゃん。オラ、でれすけで……」
善子「そういうつもりで言ったんじゃないわ……もう……」
ルビィ「マルちゃん、大丈夫?なんだかさっきの授業中、具合良くなさそうだったから……」
花丸「っ……」
花丸「だ……だいじょうぶ、だいじょうぶ……。ちょっと朝のユニット練習で張り切り過ぎちゃって……」
89:
ルビィ「もうすぐだからって、無理するのは良くないよ……?」
花丸「うん……でも、ルビィちゃんたちのあんなステージ見せられちゃったら、やっぱり気合い入っちゃうずら!」
ルビィ「マルちゃん……」
花丸「それに……」
花丸「マルたちがまた頑張れば、次の善子ちゃんたちのステージにも弾みがつくんだもん。ちょっとの手抜きだって、しようと思ってもできないずら♪」
善子「嬉しいこと言ってくれるじゃない……マル。善子じゃなくてヨハネだけど……」
花丸「────あ、もう授業始まっちゃうよねっ。マルのせいでごめんね?行こう、2人ともっ」
ルビィ「うん!」
善子「ええ……」
善子(意外と私の話聞かないわよね、2人とも……)
90:
(タッタッタッ)(ぷる…ぷるぷるん…)
花丸(次の授業……)
花丸(────体育……!)
花丸(体育館での器械体操で……)
花丸(多分、今日の授業の……一番の山場……)
花丸(……本当にごめんね、2人とも)
花丸(マル、下着着けてないから、みんなと一緒に着替えられなくて、トイレでこっそり着替えてたずら……)
花丸(あと……)
(タッタッタッ)(ぷるんぷるんぷるん)
花丸(もう……ひとまず揺れちゃうのは置いておいて……)
(タッタッタッ)(ぷるんぷるんぷるん)
(シュッシュッコスッ)
花丸(敏感すぎてどうしようもない先っぽを、なんとかしたくって……)
花丸(マル……着替えと一緒に……)
91:
花丸(トイレでばんそうこう、貼ってきたずら!)(ドーン!)
(タッタッタッ)(ぷるっぷるぷるん)
(カスッコシュッコシュッ)
花丸(やった……ぜんぜんこすれてる感じがない)(ホッ)
花丸「……////」
花丸(マルの……先っぽだけじゃなくて……)
花丸(回りのぷっくりした盛り上がりも大きいから……)
花丸(普通の大きさのばんそうこうじゃ幅がたりなくて……)
花丸(い、一番大きい、正方形のでなんとか全部隠れたけど……////)
花丸(と、とにかく!)
花丸(これでなんとか、普通に授業は受けられそうかも……)
92:
(タッタッタッ)(ぷる…ぷるぷる)
花丸「……」
花丸(でも……)
花丸(やっぱり、マルの胸……すごい揺れて……恥ずかし────)
花丸(……ううんっ)
花丸(オラ、今トイレからここに走ってくる途中で……もしかしたら気付いちゃったかもしれないずら!)
善子「ふう、なんとか間に合ったみたいね」
ルビィ「わわっ、みんなもう準備してる……ルビィたちも整列しなきゃ」
花丸「みんな、遅れてごめんなさいずら……」
クラスメートC「あ、良かったー。間に合ったんだね」
クラスメートA「チャイム前チャイム前♪先生まだ来てないし、ぜんぜんオッケーだよっ」
花丸(ひょっとして、オラ……この胸のこと、気にしすぎてたんじゃないかって……)
93:
花丸(だって、朝から一限が終わるまで、ずっとマルは胸のことばっかり気にして……小さなことでも不安になって……)
花丸(実際、さっきの授業……あんなに……)
『 「ひゃああんっ!?」 』
『(むっくり?)』
『「?????っっっ!!!」(ビクビクビクッ) 』
花丸(あんなに、いろんなことがあったのに……みんな……)
『「「おおー!」」』
『「 国木田さんありがとう! 」』
花丸(みんな、ぜんぜん……オラの胸のこと、気付いてないみたいだったずら)
クラスメートA「あ、先生きたね」
花丸(つまり……それって……)
クラスメートA「気をつけ!……礼!」
クラス一同「「お願いしまーす!」」
花丸(マルの、“自意識過剰”ってやつだったんじゃ……)
94:
(ぐい???っ)
ルビィ「う、う?ん」
花丸(そうなってくると……)
ルビィ「ふう……ダンスレッスンの前にいつもやってるけど、やっぱり背中を借りてぐで?んって伸びをするのって気持ちいいねっ」
ルビィ「はい、次はマルちゃんの番だよ、のってのって♪」
花丸(これからオラが立ち向かえばいいのは……)
花丸「はい、お言葉に甘えてお背中お借りします、ルビィちゃん?」
花丸(マル自身の、恥ずかしいって気持ちだけ……?)
95:
ルビィ「いくよ??」
花丸「んっ……ふわぁ……」
(ぐい???ん)(ぷるっ…)
花丸(そう……たとえ……マルの胸が、こんなふうに暴れたって……////)
ルビィ「どうどう?マルちゃんも背中伸びて、気持ちいい?」
(ぷるん…)
花丸「う、うん……////」
花丸(こんなにマルの胸……体操服一枚だけへだてて……裸みたいにまあるく、2つ形が浮き出ちゃったって……//////)
ルビィ「よぉし、じゃあルビィもっと張り切っちゃうよぉ?それっ……それそれぇ?っ♪」
(ぐいっぐいっ)(ぷるんっぷるるんっ?)
花丸「あっ……ルビィちゃん、だ……め、ずら……?」
花丸(オラがっ……オラが恥ずかしいだけで……)
花丸(────誰も気にしてないんだからっ/////)
96:
体育教師「────今日でマット運動の授業も三回目だけど、そろそろ高難度の技もやってみようかしら」
花丸(準備運動……何事もなく終わった……)
クラスメートF「うわぁ……先生ハンドスプリングの話してるよ……」
花丸(やっぱり……誰もマルのこと、気にしてないみたい)
クラスメートB「げげ……私これ、中学の時から一回もできた記憶ないんだよなぁ……」
花丸(ほんとは、誰も着てないけど……暑いの我慢して校内ジャージを着て体育、受けたかったずら。でも……)
花丸(昨日千歌ちゃんが先生に頼まれて貰ってきた、学校のプール開きに向けた大掃除のお仕事で、ドロドロになっちゃって……)
花丸(トイレから出るまで、心の底からがっかりしてたけど……)
体育教師「……といったところかしら。とにかく、まずは怖がらずにやってみる……って言うのがいちばん大事よ」
花丸(どうやら、その残念な気持ちは無駄に済みそうみたいずら)
97:
花丸(逆に、オラ、気にしすぎてて……)
『「 なんだかさっきの授業中、具合良くなさそうだったから…… 」』
花丸(マルが自分でみんなの注目、集めてただけなのかも……)
体育教師「今日の目標は成功じゃなくいいわ……チャレンジね」
花丸(それに……)
花丸(さっきまではこんなこと、考えられもしなかったけど……)
体育教師「それじゃあ、いつもみたいに班に分かれてマットの準備から取りかかって────始め!」
花丸(下着を着けないで自由に身体を動かすのって……)
花丸(いつもあった、窮屈な感じから解放されたみたいで、なんだか……)
花丸「???♪」(のび?っ)
(ぷる…るんっ)
花丸(なんだか────少し気持ちいいかもしれないずら♪)
98:
善子「ずいぶんご機嫌ね、マル」
花丸「うんっ。ちょっと新しい発見があったかもしれないせいかな?気持ちが軽くって♪」
善子「ふーん……」
善子「私は逆にどん底よ……走れば転んで青なじみ。手を付く先はマットの窪みで突き指に。着地で足を取られたらマットの外まで転がって、たんこぶくらいは当たり前」
善子「器械体操なんて、このヨハネの堕天使ぶりが遺憾なく発揮される見本市でしかないんだから……」
善子「それがこんな大技やらされてみなさいよ……いったいどうなることか……」
ルビィ「だ、だいじょうぶ?結構本気でいやそうだけど……」
善子「ふんっ。精々あなたたちはそうはならないよう、祈りながら念入りにアップとイメトレを重ねておくことね」
ルビィ「私も苦手だなぁ……マット運動……すぐ転んじゃって打ち身だらけになっちゃうんだもん……」
99:
花丸「善子ちゃん、ルビィちゃん」
善子「……ヨハネよ」
花丸「気をしっかり持つずら。なんとかなるって思えば、きっとなんとかなるはずだから」
善子「何よ、さっきから本当にポジティブね」
ルビィ「うん……マルちゃんこの前の体育の前、すごいいっぱいため息つきながら……」
『「マル……きっとマット運動が学校でいちばん苦手な生徒ずら……」』
ルビィ「って言ってたのに……」
100:
花丸「そのとおりずら……マル、でんぐり返しだって目が回って満足にできないのに、あんな大技……今日もきっと、たくさん失敗するずら……」
花丸「だけど、それでも失敗なんて、なんともないずら!」(ふんぞりっ)
(ぷるるんっ)
花丸「先生も言ってたずらっ。怖がらずにやってみることが大切だって!」
善子「うん……まあ……マルがそれでいいなら……?」
ルビィ「今日のマルちゃん、何か違うね……ちょっと、かっこいいかも……」
花丸「それじゃあ、2人とも。怪我には気を付けて……頑張ろうねっ」(にっこり)
101:
(タッタッタッ)(ぷるっぷるっぷるっ)
(ダダンッ…バッ…)(ぷるん…ぷるっ…)
(ズデデーン!!)(ぷるるるんっ)
花丸「あいたたぁ……ずら……」(おしりさすさす)
ルビィ「す────」
ルビィ「────ごぉおい!マルちゃん!すごいよ!!」
善子「ちょっとマル!どうしたのよ突然!」
花丸「えへへ、もうちょっとだったかな……」
102:
ルビィ「うん!転びはしたけど、着地の姿勢まで完璧だったよっ」
善子「……根拠のない自信に浮かされてるだけかと思ってたけど……確信があったのね、マル……見くびっていたわ」
花丸「ふ、ふたりとも、成功してもないのに誉めすぎだよっ。オラ、照れちゃうずら……」
クラスメートA「ううん国木田さん、私たちも見直しちゃったよ」
クラスメートC「あんなに鋭く踏み切れるなんて……怖くないの?」
クラスメートG「何かコツってあるのかなぁ。あったらさ……こっそり教えてよ、マルちゃん♪」
花丸「だからマル、成功したわけじゃ……////」
103:
花丸(────いつもだったらこういう、何か難しいことに挑戦するとき)
花丸(マルは、失敗するのが怖くって……やる前から失敗したあとのことばかり考えちゃって)
花丸(────やってもいないのに、どうせ失敗するって……)
花丸(ぜんぜん目の前の挑戦に集中できてなかったんだけど)
花丸(今日は……胸のことで吹っ切れられて……その軽やかな気持ちのせいなの……?)
花丸(一時的なものかも知れないけど、いつもだったら怖いはずの失敗も……まったくへっちゃらな気でいられるずら)
104:
花丸(だからかな……)
花丸(目の前の挑戦に気持ちがまっすぐ向かって。集中力と成功のイメージがどんどんわいてきて────)
花丸(鋭い感覚で世界を掴める!思った通りに身体が動く!)
花丸「ふふ……なんだか、マルがマルじゃないみたい……」
花丸(意識がすうっと広がって……いまなら、自分の身体の外のことまでしっかり把握できるから……)
花丸(床と天井と、右と左と前と後ろ……)
(ぴょーんぴょーん)(ぷるんっぷるっ)
花丸(そのどこにマルがあって。どっちを向いて、何をしてるのか。ちゃんと理解できてて)
花丸(目が回る余地もないくらい、すべてが鮮明に頭に入ってくる……)
105:
花丸(この感覚────すごいずら)
花丸(これがいつでも引き出せるようになれば)
花丸(マル……きっとAqoursのおミソを卒業できるっ)
花丸(もう……みんなの足を、引っ張らなくて済むようになるずら……)
花丸(運動の苦手なマルに降ってわいたこのチャンス……)
花丸(ぜったいものにしたい!……だから……)
花丸(だから、今、ここで。この技を成功させて……)
花丸(どこかまだふわふわしてるこの集中を、確かな実感に代えてみせるずら……!)
106:
花丸「ふぅ……」
花丸(……だいじょうぶ。今のマルなら、きっとできる)
花丸(次に走り出すときが、成功するとき)
花丸(確信が、マルにそう教えてくれてる……)
ルビィ「マルちゃん!できるよ!頑張って!」
善子「これで決めちゃいなさい……マル!」
107:
花丸(感覚が、頂点に達してるのかな……)
花丸「……いきます」
花丸(肌だけで、クラスみんなの視線を感じれる……)
クラスメートB「国木田さんって、あんなに堂々としてたっけ……」
クラスメートO「かっこいい、かも……」
クラスメートJ「うわあ、絶対成功するよ……あれ」
花丸(囁き声まで余さず……耳に届く)
(タッ…)
花丸(いつもだったらこんな注目、萎縮しちゃうだけだけど……いまは何も気にならない)
108:
(タタッ…)
花丸(床を蹴る感覚……体重移動、腕の振り……そこから繋がる、成功のイメージ……全部が完璧ずら)
花丸(あとはそれに委ねるだけ、感じるだけ……)
(タタタタッ!)
花丸(────成功の予感)
109:
花丸(……余裕があるのかな。こんなときなのに……走ってるマルの胸、スローモーションで……)
花丸(縁日の水風船みたいに跳ねてて……えへっ、なんかちょっと面白いな……)
(ダー…ン…)(…ぷるるんっ…)
クラスメートO(ヒソッ)「────でも、いつもすごいけど……今日はもっと、なんていうか」
( バッ…)(ぷるんっぷるんっ!)
クラスメートO「国木田さんの胸────」(ヒソッ)
花丸(────え?)
110:
クラスメートO「……えっちくない?」
111:
花丸「っ!???!?」
花丸(そん────マルの胸?────みんな気にしてないんじゃ────”えっちく”って??───)
花丸(────あっ……着地……)
(ズ────ダァァアアン!!…)
113:
>>?
???「あら……あらあら!国木田さん、気付いたのね?」
花丸「ここは……」
(白いカーテン……白い、ベッド……白衣の……先生)
花丸「保健室……?」
養護教諭「ええ、場所はわかるみたいね。良かったわ……」
花丸「そっか……マル、体育の授業で……」
114:
『「 今日はもっと、なんていうか国木田さんの胸────」』
花丸「?????っ//////」
花丸(思い出すだけで、恥ずかしい……)
『(誰も気にしてないんだからっ/////)』
花丸(オラ……なんて勘違いをして……)
『「新しい発見があったかもしれないせいかな?気持ちが軽くって♪」』
花丸(調子に乗って……)
『(タッタッタッ)(ぷるんぷるんぷるん)』
花丸(下着がないのに、体操着一枚で……)
『(縁日の水風船みたいに跳ねてて……)』
花丸(なんて格好で、授業受けてたずらっ……)
115:
養護教諭「今は……二限のあとの休み時間が始まったばかりよ。だから……気を失ってたのは30分くらいかしら?」
花丸「30分……気を、失って……」
(ザァアア…)
花丸(……いつの間にか雨、降ってる……)
(プルルル…プルルル…)
養護教諭「あら……多分体育の先生ね?授業が終わったから国木田さんのこと、確認したくてかけてきたのかしら。国木田さん、ちょっとごめんなさいね」(ペタペタ)
花丸「いえ……お構いなく……」
116:
花丸(確かに天気予報で、午前中からお昼過ぎまで降るって……)
養護教諭「もしもし……ええ、ご安心ください。今ちょうど気が付いて……」
花丸(そういえば……)
花丸(誰がオラのこと、保健室まで運んでくれたんだろ……)
花丸(先生、かな……それとも、他の……)
花丸(それで、オラのこと運ぶときに……お、おんぶとかだったら……////)
『(ぷる…るんっ)』
花丸(何も着けてないマルのが……背中にぴったりくっついちゃって……////)
花丸(ぅ、ぅう???っ……//////)
花丸(オラの胸のこと、もう完全に……ば、ばれちゃって────)
117:
花丸「…………」(ふる…ふる…)
花丸(ううん……そんなことよりも……)
(ガラッ!)
ルビィ「マルちゃん!マルちゃぁあんんっ!!」
善子「マル!気が付いたって!?」
養護教諭「こら!保健室では静かに!」
花丸「ルビィちゃん、善子ちゃん……」
ルビィ「うわぁぁああんん!マルちゃぁああんっ!!」
善子「マル……大変なことにならなくて、本当に良かったわ……」
花丸「……ふたりとも、心配かけちゃってごめんね……」
花丸(今までは、自分だけの問題だったはずなのに……)
118:
(ズキッ…)
花丸(ボソッ)「いたい……」
花丸(先生方、クラスのみんな……そして、ルビィちゃん、善子ちゃん……)
花丸(こうして、マルのせいで……たくさんの誰かに、迷惑をかけちゃったずら……)
(ズキッ…)
花丸(いたいし、恥ずかしいけど……)
花丸(ボソッ)「なんだか……」
花丸(……打った頭じゃなくて……)
────(ズキンッ…)
花丸「胸(ここ)が、いたいよ……」
119:
>> 昼休み/図書室
(コチッ…コチッ…)
花丸「…………」
花丸(あれから、保健の先生に良く診てもらって……病院に行くほどではなさそうだってことだったけど)
花丸(大事をとって午前中の授業は休むことになったずら……)
花丸(みんながオラのこと、いっぱい心配してくれて……)
『「うえぇえ??んっマルちゃん!良かったよぉお、マルちゃぁああんん!!」』
『「マル……頭と首のケガだけは用心しなきゃだめよ!いい?!これは忠告でも助言でもない……私からの、お願いなんだから……」』
花丸「…………」
花丸(先生方も口々に、なんだか今日の花丸さんは調子が悪そうだから早退してもいいですよって言ってくれたけど……)
花丸(でも、今日はオラ、図書当番だし……)
花丸(本当に体の調子が悪いわけじゃないのに帰るなんて……良くないことずら……)
120:
花丸(それに、放課後はダイヤちゃんと果南ちゃんと、ターンを完成させる約束もしてる)
花丸(マル……もうこれ以上、あの優しい2人の足……引っ張りたくないよ……でも)
花丸(でも……こんな状態で、オラ……練習なんてできるのかな……)
花丸「はあ……」
花丸「オラ、何やってるんだろう……」(じわっ…)
(…ポタッ)
花丸(あれ……マル、泣いて……)
花丸「ん……?」
花丸(ち、違うこれは────)
121:
花丸「あつ……い……?」
花丸(汗の、雫……?)
花丸(そういえばさっきからすっごいジメジメむしむしする────)
(ザワザワ)
花丸(え!?なんで────いつの間にこんなに図書室に人が────?!!)
???「最悪?、現国の課題明日までに読書感想文原稿用紙5枚以上とかさ……高三だよ!わたしら!」
三年生B「普段本なんか読まないもんね……薄い文庫なら簡単そうだから、早く借りなきゃってわざわざ昼休みに図書室来たけど……あーあ、考えることはみんなおんなじか」
三年生A「人居すぎ……プラス雨のせいでめちゃくちゃ蒸し暑くなってるし……」
三年生B「ほんと……何もしてないのに汗浮いてきちゃった……。朝はカラッとしてた分、水気が蒸発してえらいことになってるっぽいね……」
三年生A「もう……無理!!ねえねえ、窓開けちゃわな────」
122:
花丸「あ、あの!」
花丸「あの、この天候だと本が……本が傷んでしまうんで……窓は……」
三年生A「あ、そっ……か……ごめんごめん。うっかりしてたよ」
花丸「いえ……暑いですけど、ご協力お願いします」(ニッコリ)
花丸(三年生の国語の宿題……)
花丸(それで、こんなに人が……)
花丸(マル、ぼーっとしちゃってて……こんなに人が来てるの、気付かなかった……)
123:
三年生A「……あれ?そう言えさっきの眼鏡の子、なんか見覚えが……」
三年生B「あんたわかんないの!?遅れてんの?。ほら、ウチのスクールアイドルの……」
三年生A「あ……ああ……!それ!ふーん、ぱっと見地味っぽいけど……確かによく見たら……」
三年生A「くっ……か、かわいい……」
三年生B「ね?ね?そうでしょ?」
三年生A「なにその食いつき……」
三年生B「今度さ、確かあの子と果南ちゃんと……あの、ダイヤさんで!ユニット組んでさ、ミニライブやるんだってっ。ねーえー、一緒に行こうよー」
三年生A「あんた、詳しいわね……。いいけどさ……まず本、選ぼうね……」
三年生B「あ、そうだった……」
124:
花丸(……そういえばさっき声を掛けてから、みんながオラのいるカウンターの方をちらちら見てるのは……)
花丸(オラたちの……)
花丸(マルの、こと……学校のみんなが知ってるってことなんだ……)
花丸(うう……)
花丸(ほんとだったらすごく喜ばしいことのはずなのに……)
花丸(今だけは、マルのこと……知らないままでいて欲しかったずら……)
花丸(それにしても……)
125:
(ジメジメムシムシ)
花丸「はあ……あ、つ……」(ボソッ)
(むわぁ…)
花丸(ほ、ほんとに……暑いずら……)
(…ポタッ)
花丸(あ、また汗……)
花丸(ハンカチだそ……)
(ゴソッ…)
花丸(────え……?)
花丸( え え っ ! ? ? ! )
126:
花丸(そ、そんな……)
(ペッタリ…)
花丸(あ、汗と……湿気で……!?)
(スケッ…)
花丸(制服っ────張り付いて────透けちゃってる!??)
花丸(は、肌色ッ───一目で!!)
(がばっ!!)
127:
(ドキンッ…ドキンッ…)
花丸(お、思わずカウンターの中に隠れちゃった……)
花丸(でも……今、胸のところ……完全に肌色一色で────)
花丸(ううん……)
花丸(────結局、体育も終わってひとまず落ち着いたあと)
花丸(なんだか、かぶれそうだったから……着替えるとき、ばんそうこうはとっちゃってて……)
花丸(だから、さきっぽだけ……色が違うのも……はっきり……)
128:
(ドキンッ…ドキンッ…)
花丸「はあ……はあ……」
花丸(……カウンターからだと……一回扉とは別方向に回り込まなきゃ、図書室から出られない……)
(ドキンッ…ドキンッ…)
花丸(でも……そうするとたくさんひとがいる前を、どうしても通らなくちゃ……)
花丸(しかもオラ、一回注目浴びちゃってるあとだから、きっと今動いたら、すごい目立つずら……)
129:
(ドキンッ…ドキンッ…)
(ポタッ…ポタッ…)
花丸(汗、止まらない……)
(ピタッ…)(スケスケ…)
花丸(……迷ってる時間が、もったいない……)
花丸(こうしてる間に、誰かが本を借りにこっちに来ちゃうかも知れない……)
花丸(もう……小走りで図書室の外へ……)
(ドキンッ…ドキンッ…)
花丸(でも、そのあとは……?)
花丸(結局……昼休みで混み合った廊下を、この格好で……?)
花丸(それに……)
花丸(ドキンッ…ドキンッ…)
花丸(それに、図書委員の仕事を放り出して……)
花丸(マルはいったい、どこへいくつもりなの……)
花丸(……どこに、いけばいいの……)
────(ドキンッ…)
130:
花丸「う……」(じわ…)
花丸(だ、だめずら……)
花丸(オラ、今度こそ……泣いちゃいそう……)(じわわ…)
三年生C「ねーねー!図書委員さーん、本借りたいんだけど……」(スタ…スタ…)
花丸「!」(ピクンッ…)
花丸(あ、ああ……ひとが、歩いてきて……)
三年生C「あれ?どこいったんだろ……」(スタ…スタ…)
花丸(マル……見つかっちゃう……)
131:
三年生C「あ、いるじゃん。落とし物ですか?」
花丸「っ!」(ビクッ!)
花丸(誰か……)
三年生C「ねえ、この本の貸し出し手続き────」
花丸(誰か────!!)(目ぎゅー!!)
132:
???「あ、いたいたっ」
花丸(────ぇ?)
???「マル、────お待たせ!」
133:
三年生C「あ、松浦さん」
花丸(果南……ちゃん……?)
果南「あ、本借りようとしてた?悪いけど、見ての通りこの子、いま体調良くないみたいでさ」
花丸(なん、で……?)
果南「いま代役立ててるから、もうちょっと待っててよ」
三年生C「う、うん……別にいいけど……」
果南「ありがとう、すぐ来ると思うから」
134:
(スタスタ)
果南「マル、カウンター入るよー」(ガチャッ)
花丸(なんで……果南ちゃん……)
(テクテク)
(ファサ…)
花丸(あ……パーカー……果南ちゃんの練習着の……)(※)
果南「さ、マル……立てる?」
花丸「う、うん……」
果南「はい、手。じゃあ────行こ?」
(※ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org923218.jpg )
137:
>>体育館/用具室
果南「いやあ……マル、探したよぉ。まさか倒れた後も律儀に図書委員の仕事やってるとは思わなくって」
花丸「…………」
果南「ほんとはすぐに”あれ”、渡したかったんだけど。いかんせん私の方が準備できてなかったからさ」
花丸「…………」
果南「でも間一髪、一番恥ずかしい思いしちゃう前に間に合って良かったな────って、マル?どうしたの?」
花丸「なんで……」
花丸「なんで果南ちゃん、マルのこと……ここに……」
果南「いやいやマル、さすがに下着着けてないままずっとあそこにいさせるわけにはいかないでしょ」
花丸「果南ちゃん……やっぱりマルのこと、知ってて……」
果南「やっぱりって……んん?」
138:
花丸「……マルのこと、いつから知ってたの……?」
果南「あ、そっか……あのときマル、倒れてたから……」
花丸「あのとき……」
果南「体育の時間だよ。一年生が体育のとき、たまたま今日三年生は外で美術の写生のモチーフ探しをしてたんだけど……」
果南「それで体育館で騒ぎがするから何かと思って覗いてみたら、マルが転んで気を失ったって言うんだもん」
果南「ダイビングの経験から誰かがそうなったときの対応には心の準備ができててさ。先生に言って、保健室までマルのこと、責任持って運ばせてもらったよ。そしたら……」
139:
果南「毛布とほうきで簡易担架作ったんだけど、それに乗せるとき、たまたまたマルの胸に手が当たっちゃって……その感触が、ちょっと思ってたのとはズレた感じで……」
果南「そういえば倒れたマルを介抱してる間も、何回か胸に手があたっちゃったタイミングがあったけど。思い返すと下着越しにしてはあったかいっていうか、柔らかいっていうか、しっとりしてる……っていうか?」
花丸「……っ……」
果南「それで、最後に保健室のベッドに寝かせるとき。運ぶの手伝ってくれたルビィたちの目を盗んで、布団掛ける振りをして────ごめんね、マル。わざとだけど、どうしても確かめたくてさ」
果南「布団を掛けながら、ちょっとゆっくりマルの胸にさわってみて……そして、確信したんだ」
果南「マルが、下着を着けてないって」
花丸「そう、だったんだ……」
140:
花丸(やっぱり、保健室に運ばれるとき……)
果南「それでね……ふふっ、使い慣れない頭をせいいっぱい働かせて、色々考がえたんだよ?」
果南「マルが自分の意志でこんなことするはずない、何か理由があるはずだ……って……」
花丸(ぜったい……誰かに気付かれちゃう状況だったんだ……)
果南「そしたら、朝練を切り上げたときのマルの様子が少し変だったことが思い当たって……もしかして、あのとき下着に何かあったのかなって」
花丸「…………」
141:
果南「ちょっと穴だらけの仮説だったけど、それでも……とにかくマルが困ってるっていうのだけは確信できたから」
花丸(でも、それが……)
果南「今すぐは無理だけど、絶対なんとかしてみせるって────」
花丸(それが果南ちゃんで────本当に、よかった……)
果南「────そのとき果南さんは、決めたんだ」(にっ)
花丸「果南、ちゃん……」(くすっ…)
花丸(だって、あんなことがあったあとなのに……)
花丸(もう、オラ……笑えてるんだもんっ)
142:
ダイヤ「花丸さんが体調不良の上、多数の図書室利用者が見込まれると聞いて代役に来ましたが……」
千歌「ねえねえ……なんか本屋さんのアルバイトみたいでわくわくしない、ダイヤちゃん?お釣り渡すのは私に任せてね!あ、ほら?この引き出しレジみたい♪(ガシャーン!)わあっ!引き出しすぎて落ちちゃったよおっ!!」
ダイヤ「何故この組み合わせですの……果南さん……」
143:
果南「と言うわけで、マルがもう一つ心配してるっぽい図書の貸し出しについても、のんきにお昼寝してた────私たちを勧誘してこの事件の元凶になったとも言える暇人に、生徒会長権限を抱き合わせて代役を任せたから、安心してね」
花丸「千歌ちゃんとダイヤちゃんが……」
果南「2人ともマルの調子が良くないって言ったら喜んで引き受けてくれたよ。だから……」
果南「そんな顔しないー」(ぐにぐに)
花丸「 ご、ごへんひゃひゃい……」(ぐにゃぐにゃ)
果南「マルには暗い顔なんか絶対似合わないんだから、ほら、笑って笑って」(ぐいーっ)
花丸「は、はなんひゃん、いひゃいよほぉ……」(にんまり…)
果南「うん、これでよしっ……と」(パッ)
花丸「う、うう……ほっぺ、ひりひりするずら……」
144:
果南「……それで……ブラはホックが壊れちゃってたんだ」
花丸「う、うん……」(ほっぺさすさす)
花丸「ホックの近くの繊維も傷んじゃってて、補修も難しい感じで……」
花丸「確かにスポーツ用のじゃなかったかもしれないけど、こんなことになるなんて……考えてもみなかったずら……」
果南「ふーむ……」
果南「……朝も言った気がするけど、マルの身体は今まさに出来上がってる途中でさ」
花丸「……?」
145:
果南「それは骨とか、筋肉とか。そういう基礎のところだけじゃなくって」
果南「要するに……女の子として、まだまだかわいく、きれいに……魅力的になってるってこと」
花丸「マルが、女の子として……」
果南「あんなにぺたんこで元気印がトレードマークだった千歌だって、ここ最近は身体つきもいっちょ前にふっくらしちゃってさ」
果南「ふとした拍子にも、ずいぶんドキッとさせられる仕草や表情をするようになったけど……」(※)
(※ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org923233.png )
146:
果南「……」(じっ……)
花丸「か、果南ちゃん……?マル、何か変かな……」
果南「ううん。それを考えたら、マルなんかは将来がもっと楽しみで……逆に末恐ろしいくらいだなって思ってさ」
────『(下着を着けないで自由に身体を動かすのって……”いつもあった、窮屈な感じから解放されたみたいで”────)』
花丸「…………!!!///////」(ボッ!)
果南「うわっと、常連のおじさんのセクハラが移っちゃったかな!なしなしっ、今のは忘れてっ」(アセアセ)
147:
果南「……それで、さ。そんなこんなで、多分ブラのサイズが合わなくなってきたところで、あの激しいダンス練習でしょ?」
果南「そりゃあ壊れるのもしょうがない、って感じだよね」
花丸「……ダンス、練習……」
花丸「う、うぅ……」(じわ…)
果南「こらマル、今度はなに?また泣きそうな顔しちゃって……」
花丸「果南ちゃん、ごめんね……せっかく果南ちゃんがマルのこと気付いてくれて、助けてくれたのに……マル……」
果南「……?」
花丸「マル、放課後の練習……きっと、うまくいかないずら……」
果南「ほえ?」
148:
花丸「果南ちゃんには感謝してるし……今さらマルの状況を恥ずかしがることはないけど、でも……」
花丸「それでも……Aqoursのみんなには、知られたくないずら……」
花丸「だって、マル……みんなに知られちゃうの……」
『「国木田さんの胸……えっちくない?」』
花丸「……やっぱり、恥ずかしいよ……」
花丸「ごめんね……マル、勇気がないから……」
花丸「みんなが今のマルのこと、果南ちゃんみたいに何も誤解しないで受け入れてくれるの、わかってる……」
花丸「わかってるけど、マル……怖いずら……」
149:
花丸「そのせいで、きっとマルはこのことを隠そうとしちゃう……隠そうとして、練習よりそっちばっかりに気が向いちゃう……」
花丸「だから……朝、果南ちゃんと……ダイヤちゃんともした、今日の放課後で絶対ターンを決めるって約束……」
花丸「守れそうにないずら……」
果南「……あれ?なんで?」
果南「だってマルはもう、何も心配することなんかないはずじゃ……」
花丸「ううん……マル、果南ちゃんが貸してくれたパーカー羽織ってても……」
花丸「揺れ方が変じゃないか気にしたり、さきっぽがこすれて変な声が出ちゃったりして……」
花丸「きっとぜんぜん練習に集中できなくて……ターンの完成どころじゃない……」
花丸「それだけは……今日1日過ごしてきて……今、マルが確信を持って言えることずら……」
果南「…………」
花丸(本当にごめんね、果南ちゃん……きっとオラのこと、呆れちゃって……何も言えな────)
150:
果南「────あぁ……ああ!!違う違う!”あれ”っていうのは、そのパーカーじゃなくて……」
果南「……いや……私が回りくどかったか(ボリボリ)……マル、ちょっと待っててよっ────ほっ!」(ガバッ)
花丸「えっ!?ええっ!?」
花丸(か、果南ちゃん!突然────制服を脱いで……)
果南「ふう……(バサッ)お次はっと……」(グイッ)
花丸(っ!?!?なん────下着も!??)
花丸(わわっ……/////)
(ぷるるっ…)
花丸(あ……果南ちゃんの胸……おっきいのに、ぴんってしっかり上に向いてて……)
花丸(きれい……)
151:
果南「────はい、これ」(ずいっ)
花丸「……へ?」
果南「だから、はい。お待たせ♪」
花丸「お待た、せ……?」
果南「つまりね、私の言ってた”あれ”って」
152:
果南「”私のブラのこと”だよ」
153:
花丸「え……ええぇっっ!?!??」
果南「え?そんな驚く……?」
果南「だってさ、マルはブラが壊れて、着けるものがなかったんだよね……?」
花丸「そう、だけど……」
果南「だからさ、はい。貸すよ、私のブラ」
154:
果南「”サイズ、おんなじ”だったよね」
155:
花丸「あっ……」
果南「あれ……忘れてた?私はマルとスリーサイズほぼ一緒ってことで、すごい印象に残ってたんだけどなあ……」 (1※)(2※)
果南「ウエストも近かったから、そこまでアンダーに差があるとは……いやでも、マルのは純粋なバストだけど、私は胸筋で稼いでるところもあるかもか……」
果南「────まあ……いいや!とにかく、無いよりは絶対いいでしょ?」
花丸「でも……」
果南「あ、もしかして私がすぐさっきまで使ってたのじゃ、嫌だった……?うーん……そこは緊急事態ってことで、今日の午後だけだと思って我慢して……」
(1※ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org923243.png )
(2※ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org923249.png )
156:
花丸「ちがう!」
果南「マル……?」
花丸「違うよ、果南ちゃん……そうしたら……」
花丸「そうしたら、果南ちゃんはどうするの……?」
果南「……ふふっ、本当にマルは優しいね。こんなときくらい、他のひとのこと忘れたってバチはあたらないと思うけどな」
花丸「そんな……果南ちゃん……」(ふるふる)
果南「だいじょうぶだよ、マル」(なでなで)
果南「私の方も準備してたって言ったでしょ?」
果南「昼休み入ってすぐ、坂の下の学校指定の商品扱ってくれてる文具屋さんでさ、これ……買ってきてたから時間かかっちゃったんだ」(ガサガサ)
果南「文具屋だから流石にブラは売ってなかったけど……でも、私たちには……」
(バーン!)
果南「”これ”があるしね!」
157:
花丸「スクール……水着?」
果南「そっ。曜と良く話してたんだー」
果南「私たちみたいな飛び魚女には、ひらひらした女の子らしい下着もいいけど……こういうピチピチの無愛想なナイロン生地を身に付けてる方が、落ち着くときがあるよねって」
果南「特にこんな────暑い季節になってくるとさ!」
花丸「でも、白い制服の下にそんなの着たら……」
果南「まあ……透けちゃうだろうね。濃紺だし、メーカーのマークとかも……」
果南「でも……先生もクラスメートも『まあ私だし』って感じで、深く考えないと思うよ?」
果南「マルとはまた違った意味で日ごろの行いが良いからね、私も♪」
158:
果南「あ、でも。一応理由を付けとくとして……」
果南「昼にひとり、体育館でアイ活にのめり込む余り大汗で下着まで濡れ鼠になってしまった果南さんは、着替えがなかったのでこれを着てます。それでこの水着は、放課後はそのままダイビングショップを手伝う予定があったので持っていました……」
果南「うん、とりあえずそういうことにしとこうかな」
果南「だからさ、マル。遠慮も心配もしないで……」
果南「私の────借りちゃいなって!」
花丸「果南ちゃん……」
果南「……いつも自分のことは後回しにして、他の誰かのことばっかり考えてるマルだけど」
果南「本当に困ったときは、その誰かに思いっきり甘えて、頼って……いいんだからね」
花丸「オラ……そんな……」(ふるふる)
159:
果南「私もね……」
果南「すごい、昔の話だけど……プールの授業がある日に横着して下に水着で学校に来たら、下着……忘れちゃったことがあってさ……」
果南「マルみたいにみんなに秘密にして、1日しのいだこと……あったよ」
果南「流石の私でもえらい恥ずかしかったけど……」
果南「でも、私みたいな楽観無思考系女子ならまだしも、マルみたいな繊細な子が同じ目にあったと思うと……」
160:
(テク…テク…)
(ぎゅう…)
花丸「あ……」
果南「……ねえ、マル……?怖かったね……恥ずかしかったね……」
果南「でも……もうだいじょうぶ。だいじょうぶだから……」
花丸「……ぅ……」
花丸「……うううっ……」
果南「ほら、もう安心していいんだよ、マル……」
(ぽん…ぽん…)
花丸「果南ちゃん……果南ちゃん!!」(がばっ!)
(ぎゅううぅぅ……)
花丸「怖かったよ!恥ずかしかったよ!オラっ、オラ……」
果南「よし……よし……マルはいい子だ、えらい子だ……」(なで…なで…)
花丸「う、うあぁあ……」
花丸「うわあぁぁぁあああんんっ!!!」
161:
花丸(このとき、マルは自分でも信じられないくらいいっぱい泣いちゃって)
花丸(でも果南ちゃんは、そんなマルをいっぱいなでて、なぐさめて。いっぱいいっぱい、抱きしめてくれた……)
花丸(そうして、そのあと借りた果南ちゃんのブラジャーは)
花丸(ほんのり暖かくて、どこか優しい……内浦の海の香りがしたのでした)
162:
>> 放課後/屋上
(クルッ…)
(ビシッ!!)
3人「「「はあ……はあ……」」」
花丸「で……」
花丸「できた……」
花丸「いま……できたずら!ダイヤちゃん……果南ちゃん!!」
ダイヤ「ええ……」
果南「うん……完璧だったね!」
花丸「や……やったー!!オラ、オラ……オラっ……」
花丸「わーい!わーい!」(ぴょんぴょん)
ダイヤ「ふふ、花丸さんらしくない喜びよう……よほど嬉しかったのね……」
果南「あんなに恥ずかしいって抑えてたのに……”オラ”……流石にちょっと出すぎじゃないかな……」
花丸「やったー!オラ、できたよ!ばんざーい!!」
花丸(────体育のときのあの感覚……果南ちゃんにもらった安心感で、ちゃんと思い出せたずら……!)
果南「あー、もうマルったら……そんなはしゃぐと……」
163:
────(ステッ…)
花丸「あ────」
(ズデーン!)
ダイヤ「花丸さん!?」
果南「ほら、もー、マルったら……」
花丸「え、えへへ……またまたやっちゃったずら」
果南「嬉しいのはわかるけど、けがしちゃったら元も子もないんだからさ」
ダイヤ「それに……まだ一度できただけなんですから。今の感覚を忘れないうちに、何度も反復して身体に覚え込ませなければ、身になりませんわ」(クスクスッ)
花丸「あはは……ごめんなさい、2人とも……」
164:
花丸「でも、オラ……本当に嬉しくて……」
ダイヤ「ええ……私もきっと、花丸さんと同じ気持ちですわ」
果南「うん、そうだね……。ま、今はとりあえず起きよっか。マル、ほら、手……」
花丸「あ、果南ちゃん?ほんとにいつもかたじけないず────」
果南「……マル……?」
花丸「────あ、れ……」
ダイヤ「……?花丸さん?」
果南「マル……まさか……」
165:
花丸(ど、どうしよう……)
花丸(今度は────果南ちゃんに借りたブラジャーが壊れちゃったずら?????っ//////////)
【おしまい】【結局”サイズが同じ”ままだからね……】
168:
まず始めに、こんなに完結まで時間がかかってしまってすみませんでした。
保守や途中までの感想、本当に励みになりました。ありがとうございます……
先に指摘の通り、マルちゃんのえっちなSSを別スレでやってました(ます?)。
でも今回は精液くさくない……ジャンプに1枠はあるお色気漫画みたいな、明るく楽しくえろっちい話を目標にしました。
現行の、しかも類似スレ持ってるのに別にしたのはこういう理由です……ごめんなさい。
エロ加減が段々細くなってるのは、恐らく話を優先してしまったからです。ほんとはもっと終始エロくできそうな予感はあったんですが……
そういうことで、多分多くの方のご期待に添えなくて申し訳ありません……
169:

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