【SS】千歌「ラブライブ！」美渡「三姉妹！」
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千歌「あー……」ｺﾞﾛﾝ
美渡「どうしたの」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「なんでさぁ……」
志満「うん」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「セミってこんなに元気に鳴くんだろう……」
美渡「虫だからじゃない？」
千歌「こんなに暑いのに……」
美渡「虫だから気にならないんじゃない？」
千歌「むしすごい……」ｺﾞﾛﾝ
志満「不思議よねぇ……」ｲｼﾞｲｼﾞ
美渡「何が？」
志満「セミって五年も土の中で過ごすんでしょ？」
志満「だったら、千歌ちゃんが小学六年生の頃に生まれたセミが、今鳴いてるってことよねー」
千歌「気が遠くなる……」
美渡「ってことはつまり、今年生まれたセミが鳴く頃には千歌は……」
千歌「うわあああああ聞きたくないいいいい！」ｶﾞﾊﾞｯ
志満「高校って地味に進路で悩むのよねー……」
美渡「ねー……」
3:
美渡「ところでさ」ｸﾙｸﾙ
千歌「んー？」
美渡「セミって、意味もなくﾐﾝﾐﾝ鳴いてんのかな？」
千歌「求愛とかじゃなかったっけ？」
美渡「え゛そうなの」
志満「それもあるけど、仲間を呼んだりして身を守るのもなかったかしら？」
4:
千歌「仲間を盾にするの？」
美渡「肉の壁か」
志満「……？」
千歌「こないだ読んでた漫画のセリフでしょ」
千歌「それ今言ってもわからない人の方が多いと思う」
美渡「えー、面白いのに」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「ね」
志満「じゃあ、今度読ませて」ｸﾙｸﾙ
美渡「うん」
ﾐ-ﾝﾐ-ﾝ…ｼﾞﾘｼﾞﾘ……
5:
美渡「セミの話に戻るけどさ」
千歌「そんなにセミ好きだったの？」
美渡「いや、そうではないけども」
志満「まあこれだけ鳴かれれば気になりもするわよね」
美渡「うん」
千歌「うーん」
ﾐ-ﾝﾐ-ﾝ…ｼﾞﾘｼﾞﾘ……
6:
美渡「……で、セミの鳴き声って仲間呼ぶのに使うんでしょ？」
志満「たぶんね」ｸﾙｸﾙ
美渡「うるさくないの？」
千歌「うるさそう」
志満「あー、えっとね」
志満「昔、ファーブル昆虫記で読んだんだけど」
ちかみと「なつかしっ」
7:
志満「ファーブルさんによると、セミって近くで大砲撃っても気にしないらしいわよ」
千歌「耳が悪いの？」
美渡「耳鼻科への検診をお勧めします」
志満「ううん、そうじゃなくて、聞こえる音が仲間の声がほとんど、ってこと」
志満「あとは人の足音とか……聞こえる音の種類が少ない、的な？」
美渡「的な、って……」
8:
千歌「じゃあ音楽とか聴いてもつまんないのかな」
志満「かもねー」
志満「私たちより聴ける音が少ないのかどうかはわからないけど」
千歌「ってことは、私たちよりもたくさんの種類の音を聞ける動物もいるってこと？」
志満「さぁ……」
千歌「夢が膨らむね」
10:
美渡「でもそれさ」
美渡「仲間の鳴き声が煩いかどうかの説明にはなってなくない？」
志満「たしかに」
千歌「たしかに」
美渡「…………」
志満「…………」
千歌「……うん」
ﾐ-ﾝﾐ-ﾝ…ｼﾞﾘｼﾞﾘ……
11:
志満「何か食べたいものとかあるー？」
美渡「寿司」
志満「高いから却下」
千歌「そうめん」
美渡「ずいぶん価格が下がったな」
志満「家計に優しいわね」
12:
千歌「そうめんって何でできてるんだろう」
美渡「さあ？」
志満「小麦でしょ」
美渡「あ、それっぽい」
美渡「あと塩とか」
千歌「だいたい塩って何にでも合うよね」
志満「でもそうめんに塩かけて食べたことある？」
千歌「……ないけど」
13:
千歌「…………」
千歌「あー……」
美渡「…………」ｲｼﾞｲｼﾞ
志満「…………」ｲｼﾞｲｼﾞ
美渡「……いー」
志満「うー」
千歌「……え」
高海三姉妹「「お」」
高海三姉妹「「ふふふ」」
14:
美渡「のど乾いた」
志満「私の飲みかけのお茶ならあるけど」
美渡「うーん、コーラ飲みたい」
千歌「そんなものあるの？」
美渡「この間買ったのがあるはず」
美渡「千歌、とってきて」
千歌「えー、やだよ」
千歌「自分でとりなよ」
美渡「あんたが一番近いじゃん」
志満「私が一番遠い」
しいたけ「いや、俺だな」
千歌「たしかに」
15:
美渡「…………」
美渡「……え、今なんかおかしくなかった？」
千歌「なにが？」
志満「特になにも……なかったわよね？」ｸﾙｸﾙ
しいたけ「あぁ」
千歌「ほら」
美渡「……あれ、私がおかしいのかな？」
志満「疲れてるの？」
美渡「いや、今日は九時間寝たはず……」
志満「健康的ね」
千歌「聞き間違いでもしたんじゃない？」
16:
千歌「……ま、コーラくらいとってこよっと」ｽﾀｯ
美渡「ありがとう」
千歌「あ、あった」ｶﾞｻｺﾞｿ
千歌「…………」ｼｬｶｼｬｶ
千歌「はい、どうぞ」
美渡「今なんで振った？」
千歌「なつの熱気がわたしをそうさせたの」
志満「エスティヴォーね」
しいたけ「なんだそれは」
志満「言いたかっただけ」
しいたけ「そうか……」
17:
美渡「ペットボトル、パンパンじゃん！」
美渡「千歌め、孫の代だけ恨んでやる！」
志満「理不尽な恨みを一身に背負う千歌ちゃんの孫が不憫でたまらないわ」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「でも、わたしの血筋ってことはみとねぇの血筋もあるんでしょ？」
千歌「だったらみとねぇの孫も危なくない？」
美渡「え、なんで？」
千歌「血のつながり的に」
美渡「？？？」
志満「？？？」
千歌「？？？」
高海三姉妹「「？？？」」」
18:
美渡「……も、もう千歌なんて知らない！」
千歌「心せまーい」
美渡「コンパクトと言って欲しいね」
千歌「コンパクト」
美渡「許す」
千歌「ありがとう」
志満「素晴らしいわね、これがあれね、血の繋がり的な」
美渡「それハマってるの？」
志満「別に」
美渡「ふうん」
19:
千歌「……かき氷食べたい」
志満「夏祭りまで待ちなさい」
千歌「はーい」
千歌「あ、そういえば富士山ってあるじゃん」
美渡「なにを藪から棒に」
千歌「昔って富士山で氷作ってたんだって」
美渡「マジか」
千歌「ごめん適当に言った」
志満「マジ、って江戸時代からあるらしいわよ」
千歌「マジ!?」
志満「うん、真面目に」
20:
美渡「そういえばさ」
千歌「うん？」
美渡「千歌ってスクールアイドルじゃん」
千歌「そうだね」
志満「そうねー」
美渡「人前で踊ったりするのって緊張しないの？」
千歌「うーん」
21:
志満「まあ千歌ちゃんだから緊張しなさそうではあるけど……」
千歌「失礼な！」
千歌「わたしだって緊張くらいするよ！」
志満「どれくらいー？」
千歌「……マックでスマイルください、って言うくらい！」
美渡「それは緊張してるのかしてないのか……」
しいたけ「まあ人の感性はそれぞれだしな」
美渡「！？」ｸﾙｯ
しいたけ「……ﾜﾝｯ」
美渡「……？」ｷｮﾄﾝ
22:
千歌「あ！」
千歌「わたし、この前すごい発明したんだよ！」
美渡「なんだなんだ」
志満「どんな？」
千歌「あのね、早口言葉の『バスガス爆発』って言える!?」
美渡「ばすがすばかっ……」
美渡「……むり」
23:
千歌「えっとね、これ、『バスが【酢】爆発』って考えたら良いやすいんだよ！」
志満「バスが酢爆発」
志満「あ、言えた」
美渡「ばーすーがーすーばーくーはーつー」
千歌「それなら誰でも言えるじゃん」
美渡「だって、バスがガスで爆発することなんてないし」
24:
千歌「そんなこと言ったら何だってそれ言えるじゃーん……」
千歌「なら他に言いにくい言葉ってある？」
美渡「言いにくい言葉……」
美渡「うーん……」
千歌「しまねぇは？」
志満「そうね……」
25:
志満「……別れの言葉、かしら」
千歌「かっこいい……」
美渡「え、かっこいいの？」
志満「私、遊んだ後の夕方に、友達と別れるのとかすごく苦手で……」
千歌「わかるー……」
志満「なんかポツンと言うか、手持ち無沙汰になるのよねぇー」
千歌「わかるー！」
美渡「……なんの話してたんだっけ」
26:
千歌「あー……」ｺﾞﾛﾝ
美渡「どうしたの」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「なんでさぁ……」
志満「うん」ｲｼﾞｲｼﾞ
千歌「二人はさっきからわたしの髪をいじってるの？」
美渡「なんでって言われても」ｲｼﾞｲｼﾞ
志満「千歌ちゃんだからじゃない？」ｸﾙｸﾙ
千歌「わけがわからないよ！」ｶﾞﾊﾞｯ
志満「だってこんなにくせっ毛立ってたら、いじってくれって言ってるようなものだしー……」
美渡「見てると気になるもんね」
千歌「だって勝手にたつんだもん……」
志満「まあまあ」
27:
志満「……あら、もうこんな時間」
志満「今日のばんごはんなにたべたいー？」
美渡「ふぐ」
志満「高いから却下」
美渡「えー」
志満「千歌ちゃんは？」
千歌「…………」
千歌「……そうめん！」
志満「家計に優しいわね」
28:
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