提督「金剛型姉妹の人格が入れ替わった?」back

提督「金剛型姉妹の人格が入れ替わった?」


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1:
何番煎じか分からないネタですが、書いてみたかったので。
ちなみに書き溜めはありません。
艦これのSSは初投稿なので至らない点もあるかと思いますが、ご容赦頂けると幸いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463790605
2:
提督「どうしたんだ神通、エイプリルフールはとっくに終わったぞ?」
神通「いえ、あの……決して冗談ではなく……」 ※秘書艦
提督「……本気で言っているのか?」
神通「にわかには信じがたいことかもしれませんが、本当です……」
提督「はあ……何でまたそんなことが」
神通「分かりません……」
提督「それで、金剛達はどんな……いや、聞くより見に行った方がいいか」
神通「それでしたら、先程食堂でお見かけしたので、そちらにいらっしゃると思います」
提督「よし、行くぞ」
3:
食堂
提督「さて、あいつらはどこだ……っと、あそこか」
霧島「金剛お姉様! あっちで食べましょう!」
金剛「もう、そんなに急かさなくても朝食は逃げませんよ、霧島」
比叡「ヘーイ、ブッキー! Good morningデース!」
吹雪「えっ、あっ、はい、おはようございます、比叡……さん?」
榛名「これ食べたらマイクチェックしないと……」
提督「……」
神通「……」
提督「すまない神通、俺は疲れているようだ……今日は休むから、後は頼んだ」
神通「待って下さい、この状況を私に一任されても困ります」
4:
提督「えぇ……いや、どう考えてもおかしいでしょあれ……」
神通「それは同感ですが……さすがに見過ごすわけにはいきません」
提督「え? あの中に飛び込めっての? 俺が?」
神通「もちろんです」
提督「神通は?」
神通「私はここで待機しています」
提督「マジですか」
神通「さあ、早く」
提督「ちょっと待って、せめて心の準備を」
神通「……分かりました」
5:
提督「すぅー……はぁー……」
提督(今からあのカオスな状況に首を突っ込みに行くのか……)
提督(あの明らかに面倒なことになりそうな所に……自分から……)
提督「……やっぱさ」
神通「はい?」
提督「神通もついてきてくれない?」
神通「お断りします」ニッコリ
提督「ええー……」
提督(満面の笑顔で拒否された……)
7:
神通「準備はできましたか?」
提督「……仕方ない、俺も男だ、腹を括ろう」
提督「よし、行くぞ……押すなよ、絶対押すなよ……」
神通「……」
提督「いいか、絶対に押すなよ!」
神通「いいから早く行って下さい」ドンッ
提督「おっふ!」
8:
提督「とっと……」
金剛「あっ、提督! おはようございます!」
比叡「Good morning,テートク! 今日もかっこいいデース!」
榛名「おはようございます、司令」
霧島「おはようございます!」
提督「あ、ああ、おはよう」
提督(しかし改めて見るとすげえシュールな光景だな……)
提督(喋り方から察するに、金剛が榛名、比叡が金剛、榛名が霧島、霧島が比叡の人格になったようだ)
金剛「提督? どうかなさいましたか?」
提督「ん?」
金剛「何やら難しい顔をされていたので……」
提督「ああ、いや……」
霧島「きっとお姉さまがいつも以上に輝いて見えたんですよ!」
提督「お前が言うお姉さまって3人全員じゃないか」
霧島「何言ってるんです! 私が言っているのは金剛お姉さまです!」
比叡「」
榛名「」
提督「うん、それがお前の本心なのは分かった。とりあえず比叡と榛名に謝ろうか」
13:
>>10
ほんとにすいません、性格と人格の意味をはき違えておりました……
正しくは「性格が入れ替わった」ですね、はい……
17:
金剛「それで、何かあったのですか?」
提督「あー、そうだな……」
比叡「テートクが言いよどむなんて……はっ、もしやBad newsデスカ!?」
榛名「私でも分析しきれなかった事態が……?」
提督「いやいや、大したことじゃないんだ! ただ聞きたかったことがあるだけで!」
霧島「聞きたかったこと? 何ですか?」
提督「あー……体に異常はないか? 例えば自分の体じゃないような、そんな違和感とか……」
4人「……」
20:
細かな設定とか何も考えずに書くとgdgdになる、はっきりわかんだね(白目
せっかくなので完結はさせます。と言ってもそんなに長くは続かないかもですが
22:
榛名「……私は特に何もありませんよ?」
提督「……え?」
比叡「Yes! 今日もファイトー、いっぱーつ! デース!」
榛名「比叡お姉さま、それはちょっと違います」
提督「ほ、本当か?」
金剛「はい、金剛は大丈夫です」
霧島「出撃でも演習でも、まっかせてー!」
提督(当人達に自覚はなしか……)
23:
金剛「では提督、私達は一旦部屋に帰ります」
比叡「テートク、また後でネー!」
提督「おう」
神通「提督、お疲れ様です。何か分かりましたか?」
提督「いや、これといったものは……ただ、本人達に入れ替わったという自覚はないみたいだ」
神通「そうですか……」
提督「まあ性格が入れ替わったという点以外は異常はないみたいだし、そこは一安心だな」
神通「それで、これからどうされるのですか?」
提督「とりあえず、あの2人に話を聞いてみようと思う」
神通「あの2人、とは?」
提督「ほぼ常に工廠にこもってるあの2人だ」
神通「……なるほど」
24:
工廠
提督「お前達なら今回の事について、何か知っているんじゃないか?」
夕張「……何ですか、この取り調べみたいな雰囲気」
明石「別に私達、何もしてないですよ?」
神通「では、お二人の仕業ではないのですね?」
明石「その艦娘に何かあったら真っ先に私達が疑われる風潮、何なんでしょうね……ともかく私達は白です」
提督「怪しい薬を盛ったとか、意味不明な機械の実験台にしたとか」
夕張「そんなことするわけないじゃないですか! 第一、薬だって機械だってまだ開発中……あっ」
提督「ほう……」
夕張「い、いや……提督? 今のは違うんですよ? 私は他の皆さんがもっと快適な生活を送れるようにですね……」
神通「……」
夕張「じ、神通さん? 顔は笑ってるけど、目が全然笑ってませんよ? ああ、もう! 明石さんも何か言って下さいよ!」
明石「いやー、夕張さんがそんなことしてたなんてねー」フイッ
夕張「明石さーん!?」
提督「……夕張、後で駆逐艦達と鬼ごっこ1時間な。もちろん夕張が鬼で」
夕張「そ、そんな殺生なー!」
26:
明石「でも、金剛さん達を連れてきてもらえれば体を調べるくらいはできますよ」
神通「提督、どうされますか?」
提督「そうだな……ちなみに検査にはどれくらい時間がかかるんだ?」
明石「大体1人10分くらいですかね。私と夕張さんで2人ずつやれば20分ほどで終わると思います」
提督「それなら頼んでみるか。神通、金剛達に工廠まで来るように伝えてくれ」
神通「分かりました」
明石「じゃあ私は検査の準備してきますね」
提督「これで何か分かればいいんだが……」
夕張「あのー……」
提督「何だ?」
夕張「私が原因を突き止めたら、鬼ごっこの件はチャラってことに……」
提督「ならない」
夕張「ですよねー……」グスン
27:
神通「提督、金剛さん達をお連れしました」
提督「おっ、来たか」
比叡「ヘーイ、テートクゥー! 健康診断だって聞いたヨー!」
提督(流石神通、気が利くな)
提督「ああ。艦娘も体が資本だからな、定期的に検査しないと小さな異常に気付かず大事になる可能性もある」
金剛「それは分かりますけど……いきなりだったので少しびっくりしました。そういうのは事前に通知されるものだと思っていましたから」
提督「それについては申し訳ない。うっかり伝え忘れていたんだ」
榛名「マイクチェックしなきゃいけないんですけど……」
提督「すぐ終わるから大丈夫だ」
明石「準備できましたよー」
提督「よし、じゃあ金剛と比叡は明石に、榛名と霧島は夕張に診てもらってくれ」
金剛「分かりました!」
比叡「行ってきマース、テートク!」
榛名「まあ、大丈夫でしょう」
霧島(金剛お姉さまと一緒が良かったなあ……)
28:
明石「提督ー、皆さんの検査終わりましたよー」
提督「金剛達、突然呼び出してすまなかったな。ご苦労だった、戻っていいぞ」
4人「はーい」
提督「……で、明石」
明石「まだデータを取っただけですよ。これからチェックするんです」
提督「そ、そうか。すまんな、急かすようで」
明石「いえいえ、気持ちは分かります。私にとっても大切な仲間ですから」
提督「引き続き、よろしく頼む」
明石「はい! 任せて下さい!」
29:
一旦ここまで。
夜にまた来ます。
一つ言い忘れていましたが、主はかなり遅筆です。
亀更新になると思います。
31:
提督「……どうだ? 何か分かったか?」
明石「うーん……身体には特に何も……」
夕張「脳にもこれといったものは見られませんね……」
神通「心身共に異常なし……ですか」
提督「……ますます分からん」
明石「当の本人達に自覚がないとなるともう……」
提督「打つ手なし、か」
夕張「残念ながら……」
32:
提督「……他の艦娘の皆にはこの状況に慣れてもらうしかないか」
神通「……ひとまずはそれが最善だと思います」
夕張「……こうなったらもう開き直っちゃいません?」
提督「開き直る……?」
夕張「はい! だってこんなの、滅多にあることじゃないですよ? ここはいっそのこと、受け入れるんです!」
夕張「ああ、いや! もちろん私は原因と解決策の調査を続けますよ? やっぱり元に戻ってほしいですしね」
夕張「でもほら、別に命の危険があるって訳でもなさそうなんで、そんなに深刻になることもないんじゃないかなーって……」
提督「……」
33:
夕張「……どうですか?」
提督「……夕張……」
夕張「は、はい」
明石(あちゃー、これは怒られるパターンかな?)
提督「おまえ……」
神通(仲間思いの提督のことですから、これには黙っていないでしょう……)
提督「いいこと言った……!」
3人「……え?」
34:
提督「そうだよな! あれこれ考えてても無理なものは無理なんだからな!」
神通「いえ、あの……提督?」
神通(そうでした……)
提督「出撃とかに影響はなさそうだし、とりあえずはこのままでもいいか!」
明石「は、はあ……」
神通(提督は仲間思いというのもありますが、何より……)
提督「いやあ、夕張のおかげであれこれ考えずに済んだわ! ありがとな!」
夕張「あっ、はい、どういたしまして……?」
神通(面倒事を抱えたくない性分なんでした……)
35:
提督「今回の作戦海域はこのメンバーで行こうと思う。期待しているぞ」
金剛「お任せ下さい! 必ずや、勝利を提督に!」
霧島「気合! 入れて! 行きます!」
提督「うむ、いい返事だ」
金剛「皆さん! 頑張りましょうね!」
霧島「はい! お姉さまのためなら私、いくらでも頑張れます!」
金剛「もう、霧島ったら……提督のためでしょう?」
加賀(……提督は慣れろと言っていたけれど……)
矢矧(これは予想以上に時間がかかりそうね……)
川内(なんで提督は普通に話せてるんだろう……)
赤城(流石は提督ね……それよりお腹が空きました)グゥー
36:
提督「今回の演習はこのメンバーだ。頼んだぞ」
比叡「私達の出番ネー! Follow me! 皆さん、ついて来て下さいネー!」
提督「おいおい、勘違いするなよ比叡? この演習の目的はあくまで駆逐艦の練度向上だからな」
榛名「そうですよお姉さま。私達は後方支援が役目です」
比叡「Of course! 分かってマース!」
榛名「私の計算によると、一番効果的な後方支援の方法は……」
吹雪(金剛さんみたいな比叡さんに、霧島さんみたいな榛名さん……)
夕立(違和感ありありっぽーい……)
時雨(いつまでこのままなんだろう……)
電(一刻も早く戻ってほしいのです……)
37:
今日はこの辺で。
予想以上に遅いなあ……日曜日には完結させたいが……。
40:
コンコン
「テートク、いますカー?」
神通(金剛さんですか……時刻は午後3時、ということは恐らく……)
提督「比叡か、入っていいぞ」
神通「っ……!」
ガチャ
比叡「失礼しマース!」
提督「おう、どうした?」
比叡「テートクをTea timeのお誘いにキマシタ!」
提督「ん……そう言えば、もうそんな時間か」
比叡「どうしますカー?」
提督「……うん、ちょうど仕事も一段落したところだし、付き合おうかな」
比叡「Yes! それじゃあ早行きまショー!」
提督「ああ。すまないが神通、留守番頼む」
神通「はい、分かりました」
ガチャッ バタン
神通「……」
41:
金剛「あっ、提督! お待ちしてました!」
榛名「こちらへどうぞ、司令」
提督「今日は姉妹全員揃っているんだな」
霧島「はい! 私もお姉さま達も、午後は予定がなかったので!」
金剛「だから今日は私達で、提督にスコーンを作ってきたんです!」
提督「なるほど……はっ!?」
榛名「司令? どうかされましたか?」
提督「い、いや……何でもない」
提督(今金剛は『私達』と言ったな……そして目の前にはスコーンが4つ)
提督(つまりそれぞれが1つずつ作ったんだろう、ということは……)
提督(間違いなく、この中に1つだけある……)
提督(比叡カレーならぬ、比叡スコーンが……! いや、性格が入れ替わっている今、比叡の名を付けていいのかは分からんが……)
46:
提督「ちなみに、どれが誰の作ったものなんだ?」
金剛「提督が召し上がるまで、秘密です!」ニコッ
提督「そ、そうか……」
提督(そんな笑顔で言われたら、もう何も言えないぞ金剛……)
提督(幸か不幸か、見た目だけだとどれがそれかは分からない……)
提督(いや、この場合は後者だな……見た目で分かればまだ覚悟もできた)
提督(これはいわば、いずれ死を引くロシアンルーレット……! どう転んでもマイナスにしかならない……!)
提督(どうする……どうする……?)
比叡「紅茶が入りましたヨー!」コト
金剛「さあ提督、どうぞ!」
提督「あ、ああ……いただきます」
提督(……やめだ)
提督(どうせ死ぬんだ……なら、この瞬間を精一杯楽しもう)
提督(ただ、1発目に外れを引いて他のスコーンが味わえなくなるのは避けたいなあ……)
47:
提督「じゃあ最初は……これにしようかな」
提督(頼む……せめて最初くらいは当たりであってくれ……!)
提督「……」パクッモグモグ
金剛「……いかがでしょうか?」
提督「……うん、おいしい」
榛名「司令の好みの味を分析して、できるだけそれに近づけましたから」
提督「ということは、これは榛名が作ったのか」
榛名「はい」
提督(良かった、ひとまずは回避できたか……)
提督「というか、俺の味の好みなんてどうやって調べたんだ?」
榛名「私にかかれば、分析できないものはありませんよ」ニッコリ
提督「こええよ」
48:
提督「じゃあ次は……これで」
提督(3分の1……これはどうだ?)
提督「……」パクッモグモグ
比叡(テートク、食べてる姿もかっこいいデース……)ジーッ
提督「……うん、うまいよ」
金剛「あ、ありがとうございます!」
提督「これは金剛のか」
金剛「はい! 提督のために、腕によりをかけて作りました!」
提督(まあこの2人はいい、外れる要素がないからな)
提督(問題はここからだ……一旦紅茶を飲んで落ち着こう)ズズ…
49:
提督(爆弾は2つに1つ……のはず……まさかどっちもなんてことはない……よな?)
提督「次は……こっちにしようか」
提督(完全に勘で選んだが……果たして……?)
提督「……」
提督(……ええい、ままよ!)パクッモグモグ
榛名「……」
提督「……うまい」
比叡「テートクならそう言ってくれると思ってマシター!」ダキッ
提督「うおっ! いきなり抱き着くなよ……これは比叡のスコーンか」
比叡「Yes! テートクへのBurning loveを込めて作ったデース!」
提督「ははは、ありがとな」
提督(良かった……どっちも外れという最悪の事態は免れた……)
提督(これで決まりだ、爆弾は比叡スコーンじゃない……)
提督(霧島スコーンだ……!)
50:
霧島「残りは私のですね!」
提督「あ、ああ……」スッ
提督(霧島スコーンを最後まで残せたのは僥倖だった……他3人のをしっかり味わって食べられたからな)
提督(これで思い残すことはない……)
提督「じゃあ、霧島……いただくよ」
霧島「はい! どうぞ!」
提督「……」
提督(……とは言ったものの、いざ食すとなるとなかなか手が動かないな……)
提督「……」チラッ
霧島「?」ニコニコ
提督(しかし、ここまで来て逃げるわけにも行かない……)
提督(ああ、せめてこの時だけ味覚をなくすことが出来れば……味覚?)
提督(……あっ! 閃いた! 閃いたぞ!)
51:
提督(咀嚼して味わうから死ぬんだ……なら……!)パクッ
提督(咀嚼するふりだけして……)モゴモゴ
提督(そのまま飲み込む……!)ゴクン
提督(こうすることで味覚を使う時間を最小限に抑える……)
提督(名付けて、丸飲み作戦! ストレート過ぎるのは勘弁してくれよ、今思いついたんだからな……って俺は誰に説明してんだ?)
提督「……うん、うまいよ霧島」
霧島「本当ですか!? 良かったですー!」
提督(ただこの作戦、デメリットもある)パクッ
提督(丸飲みできる分しか口に入れられないから、必然的に食べきるのに時間がかかる点だ)モゴモゴ
提督(まあ、しなかった場合のことを考えればこのくらい……)ゴクン
52:
提督「ふう……何とか生き延びたぞ」ガチャ
神通「あ、提督。お疲れ様です」
提督「何か変わったことはなかったか?」
神通「先程遠征に出ていた艦隊が帰投、旗艦の天龍さんが報告書を提出しにいらっしゃいました。こちらがその報告書です」
提督「おう、ありがとう。さて、もう一仕事しますかね」
神通「……」
53:
提督「……」カリカリ
神通「……あの」
提督「……ん、何だ?」カリカリ
神通「……お聞きしたいことがあります」
提督「どうした、改まって」カリカリ
神通「……提督は、金剛さん達に、元に戻ってほしいとお思いですか?」
提督「……」ピタッ
神通「比叡さんがドア越しに提督をお呼びになった時、私はその口調から金剛さんだと思ってしまいました」
神通「性格が入れ替わったことを知っていてもです」
神通「ですが提督は、迷うことなく比叡さんだと分かった」
神通「それは提督が、今の状況に違和感を持っていないからではないですか? あの金剛さん達を、それが当然だと受け入れているからではないですか?」
提督「……」
神通「……正直に申し上げます。私は金剛さん達に、元に戻ってほしいです。他の皆さんも同じだと思います」
神通「しかし、提督は受け入れている。それに私は、納得がいきません」
提督「……」
神通「なぜ提督は、こうもあっさり今の状況を受け入れられるのか……それを、教えてほしいです」
54:
提督「……神通」
神通「……はい」
提督「……俺を誰だと思ってる?」
神通「……え?」
提督「俺はこの鎮守府の提督だ。ここに所属する艦娘を統率するのが俺の仕事だ」
提督「俺は提督というのは、いかなる場面でも冷静でいなければならないと思っている」
提督「不測の事態が起こった時、俺まで動揺していたら他の艦娘も不安になるだろう? それで指揮に影響があれば目も当てられない」
提督「だから何があっても、俺だけは冷静さを失ってはならないんだ」
神通「……」
提督「それとな神通、お前は一つ勘違いをしている」
神通「……勘違い、ですか?」
提督「俺はあの金剛達を受け入れてはいない。思いはお前と同じだ。ただそれを見せていなかっただけだ」
神通「……!」
提督「元に戻す方法があるなら今すぐにでも実行する。だがそれが見つからない以上、受け入れざるを得ない。冷静に考えた結果、それが最善だと判断したんだ」
神通「……」
提督「俺はいつだって、それが正しいと思って行動する。だから君達は、俺について来てくれればいい。責任は、俺が取る」
神通(……ああ、こういう所だ……)
神通(この、真っ直ぐで、芯が強くて、それでいて周りへの配慮を怠らない……)
神通(こういう所に、私は惹かれて……)
神通(生涯を、共に過ごしたいと思ったんだ……)
56:
提督「ふう……大丈夫だった? 答えになってたか?」
神通「……はい、充分です」
提督「なら良かった」
神通「……」
提督「いつまでそんな顔してんだよ、綺麗な顔が台無しだぞ?」
神通「き、綺麗……//」
コンコン
「提督、いらっしゃいますか?」
提督「おう金剛、どうした?」
金剛「提督さえ良ければ、夕食をご一緒したいと思いまして……」
提督「おお、もうそんな時間か。いいぞー、ちょっと待っててくれ。今行くから」
金剛「はい! ありがとうございます!」
提督「さて、行こうか」
神通「……私も、ですか?」
提督「もちろん。来てくれるよな?」
神通「……はいっ」
57:
>>55
最初にして唯一ケッコンしている娘です(キリッ
58:
翌日、朝
神通「提督!」
提督「おお神通、どうしたそんなに慌てて」
神通「金剛さん達が……!」
提督「金剛? あいつらがどうした?」
神通「……とにかく来てください!」グイッ
提督「うおっ!? おいおい、ほんとにどうしたんだ一体……」
5

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