女騎士「男勇者とはぐれちゃった」back

女騎士「男勇者とはぐれちゃった」


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1:
女騎士「とりあえずあっち」
女騎士「こっち」
女騎士「やべえ、完全に迷った・・・・」
女騎士「ん?こっちから声がする」
女騎士「男勇者いるの?」
女騎士「ん?今度はこっちから・・・・」
               
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4:
「ブツブツブツ」
女騎士「こっち?」
「ブツブツブツウ」
「キーキーキー」
女騎士「皆ふざけてないで出てきなよ!つまんないよ!」
「フフフ、フフフ」
女騎士「え?この声男勇者じゃない?・・・・女魔法使い?」
               
          
5:
「ブツブツブツ」
女騎士「!?・・・ひょっとして精神攻撃?しまった!」
「クスクスクス」
女騎士「幻聴?!聞くな!!聞くな効くな聞くな!」
「ブツブツブツ」
「フフフフフ」
女騎士「(こんな高度な攻撃はモンスターにできるはずがない・・・相手は人間?!)」
女騎士「ハァハァハァ!(走れ!もっとく走れ!どんな攻撃も攻撃圏外に逃げれば一緒!)」
               
          
6:
「クスクスクス」
「ブツブツブツ」
「フフフフフ」
女騎士「ハァハァハァ!ハァハァハァ!ハァハァハァ!」
「クスクスクス」
「ブツブツブツ」
「キーキーキー」
「フフフフフ」
女騎士「(聞くな聞くな効くな聞くな効くな効くな!怖い怖い怖い!)」
               
          
8:
女魔法使い「ふふふ・・・」
女騎士「!?」
女騎士「(幻覚っ・・・仲間っ・・が見える・・攻撃層が深くなってる・・・・刷り込みだ!もっと!・・・早く!・・・逃げないとっ!・・・・)」
女魔法使い「フフ、こんな簡単な手に引っかかるなんて」
女騎士「え・・・・」
女魔法使い「どうしたの?もう鬼ごっこしないの?」
女騎士「これも幻覚っ!?・・・・」
女魔法使い「あんたやっぱり馬鹿ねー」
               
          
9:
女騎士「幻覚!幻覚!幻覚!幻覚!」
女魔法使い「本物よ」
女騎士「え・・・本物・・・・これは・・・あんたは・・・幻覚じゃないの?・・・」
女魔法使い「そう、幻覚じゃない」
女騎士「ええ・・・・何で・・・なんでこんな意地悪するの!」
女魔法使い「暇だから、楽しいから、あんたを壊して男勇者と幸せしたいから」
女騎士「あんたあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
               
          
10:
男戦士「おれ!お前が好きだ!女騎士がすごく好きだ!」
女騎士「え?何言ってんの・・・・あなたいつの間に・・・」
男戦士「お前が好きだ!お前が好きなんだ!お前を犯したい!もう我慢できない!犯したい!」
女魔法使い「キャー!ガンバレ男戦士!早くしないと男勇者に女騎士取られちゃうよ!ファイト!」
男戦士「はあはあはあ!うおおおおおおおお!」
               
          
11:
女騎士「あああああああああああああああ!!!来るな来るな!!!!おまえら全員ぶっ殺してやる!!!!あああああああ!!!!!!」
女魔法使い「そんなに剣を振り回すと危ないわ!男勇者に当たっちゃうわよ!」
女騎士「ああああああああああああああ!!!!!!!来るなああああああああ!!!!!!!!!!!!!(ザク!!!)・・・・・・!?!?!?!」
女騎士「うそ・・・なんで・・・男勇者」
               
          
12:
男勇者「・・・・グフ・・・・お前を・・・助けようと・・・カハ・・・」
女騎士「・・・・え、嘘!!・・・血が・・・血が・・・男勇者・・・」
男勇者「・・・・お前のせいで・・・・・・・ガク」
女騎士「違う違う違う!これは違う!現実じゃない!」
男勇者「死にたくない・・・・死にたくない・・・・俺はこんな奴に・・・・」
女騎士「ぁぁぁ・・・・」スト
               
          
13:
女騎士「(あれ?なんだっけ?・・・・・空が見える・・ナンデ?)」
女騎士「・・・・・・・・・・・・・・」
???「ふふふっははははっ」
               
          
14:
.
女騎士「・・・」
女騎士「ん・・・・」
女騎士「目が・・・・見えない・・・・」
女騎士「目隠しされてるんだ・・・・ん、体もあまり動かない・・・・」
女騎士「体が・・・・鎖みたいなので・・・・・繋がれてる・・・・あと、・・・・なんで目隠しされてるんだろう・・・・」
               
          
15:
女騎士「ここはどこだろう・・・・・冷たい床・・・・地下?なのかな・・・・拘束するのには最適だし・・・・」
女騎士「拘束・・・・なんで私こんなところに・・・・・何かあったんだけ・・・・・何が・・・・あったんだっけ・・・・」
女騎士「・・・・・・・・うう・・・・・うっ・・・うっ・・・・うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
女騎士「あたし!・・・・殺しちゃった・・・・・!男勇者殺しちゃった・・・・!!ううううう・・・・・!!」
               
          
16:
女騎士「(何時間・・・・いや、何日たったんだろう・・・・)」
女騎士「(もう泣き疲れて・・・頭ぼーとして・・・・もうどうでもいいや・・・・)」
女騎士「(体力は誰かが魔法で回復させているみたい・・・・)」
女騎士「(私、酷い臭いだ・・・)」
               
          
18:
女騎士「(足音がする・・・・)」
女騎士「(私の前で止まった・・・・)」
女騎士「誰?」
女騎士「ねえ誰!」
女騎士「あたし死刑になるの!そうなのね!!勇者を殺したから!!」
女騎士「それとも魔物か!・・・・・魔物どもか!!!!!!!!」
女騎士「え、これ、冷たっ・・・・」
女騎士「(この感覚・・・・刃物?・・・・)」
               
          
19:
女騎士「ヒッ・・・」
女騎士「(はあっ・・・・手から・・・・頬に・・・・体をなぞってる・・・・あああ刺さる刺さる)」
女騎士「こ!コロすなら早く殺せ!ヒッ・・・・(首にっ!首に来てる!!)」
女騎士「(殺されるコロされるんだっ・・・・)」
女騎士「(誰が何人が近くにいて何してるのか分からない!コワイコワイコワイ!)」
女騎士「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
               
          
20:
女騎士「(魔物にっ・・・・)」
女騎士「ヒー・・・ヒー・・・ヒー・・・」
女騎士「(お腹に・・・・何か当たってる!・・・刺さる刺さる!)」
女騎士「殺せ!怖くなんかない!・・・ハァ・・・ハァ・・・早く殺せ!」
女騎士「(暗い、怖い、怖い、殺される殺される殺されるコロされるコロされるコロさ・・・・)」
               
          
21:
ブン!!!
女騎士「!!!!!?!??!?!?(斬られた?・・・痛くないけど・・・でも切られた??)」
ジョロジョロジョロ・・・・
女騎士「(え?おまたが温かい・・・血?おしっこ?漏らしてる?・・・なんで?・・・とっ止まんない!・・・)」
その瞬間、わたしの中で何かが音を立てて崩れた
               
          
28:
女騎士「あれ・・目隠しが外れてる」
目の前には憎き敵である女魔王が立っていた
女騎士「!? おまえええええ!!!!!!」
目の前の女魔王を認識すると頭はたちまち沸騰した
怒り狂ったケモノの様に女魔王に飛びつく
女騎士「うおおおおお!!!!」
女魔王「落ち着きなさい!」
体が大分弱っていたのか女魔王は簡単に私を受け止めてしまった
片手で私の腕をつかみ、振り上げたこぶしは宙に浮いたままになる
もう片方の腕で私をがっちりと抱きしめる
女騎士「殺し・・・て・・・やるぅ・・・ん!!!?!?!?」
女魔王は私の唇をふさいでそれ以上しゃべらせようとしなかった
女騎士「ん!・・・ん・・んん・・・んー!んー!・・ん」
必死に首をそらして逃げようとするが逃げられない
女騎士「んっ・・ん!ん!・・・ん・・ん・・・ん・・・」
されるがままに魔王のキスに蹂躙される
いつの間にか私は疲れ果てて魔王に襲い掛かるどころか抵抗すら放棄していた
女騎士「ふは・・・・ん・・・はあ・・ん・・・」
数分の事だったのか数時間か
時間の感覚さえ狂うような魔王のキスで私は意識も失いかけていた
女魔王「どう?おちついた?」
女騎士「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・」
呼吸を整えるのに必死で私は魔王を睨みつけることしかできない
               
          
30:
どうやら魔王は私に軽い食事を持ってきたようだった
女騎士「・・・・」
魔王「そんな怖い顔しないで、食べないと元気になれないわ」
女騎士「元気にしてどうするつもりだ?太らせて魔物の餌にでもするのか?」
魔王「・・・・そんなことはしないわ」
魔王「あなたのように抵抗できない者は殺さない、どんな種族でも、たとえ人間でも、そんな卑怯なことはしないわ」
魔王「私たちは私たちに刃向かう者だけを倒す」
魔王「さあ一口でもいいから食べて、魔法で回復させてもいいけど一時的なものだし、ちゃんと食べなきゃ」
私がどうしても食べようとしないので魔王はパンを千切って私の口の辺りまで持ってくる
食事の世話をされるのはとても恥ずかしい
女騎士「そんなものいるか!!!」
私は魔王の手を振り払った
するとはずみで食事が床に落ちた
魔王「そう・・・いいわ当分食事は抜きよ、・・・反省なさい」
               
          
31:
それから私はまた目隠しと拘束をされて永遠とも思える時間を過ごした
その間、何もできない私は自分がとてもちっぽけな存在に思えて自信を無くした
そしてまた何かが心の中で崩れた
でも剣で突かれたりのイタズラはなかったから幾分穏やかにすごすことができたし
冷静に物事が考える暇もあった
それから私は魔王の世話焼きを受け入れる様になった
反抗なんて無意味だってはっきりわかったから
               
          
32:
数日後
女騎士「なんで私を精神攻撃で捕まえたわけ?」
魔王「?・・・それは初耳だわ、私は部下から貴方を捕まえたという通報を受けてあなたを辺境の城から魔王城に連れてきただけ」
女騎士「なにもしらないのか?」
魔王「ええ詳しい状況は、でも魔物がそんな高度な技を出せるとは思えないわ」
魔王「ちなみにどんな精神攻撃を受けたの?」
女騎士「!!・・・・・・・・いや・・・フツーの・・・」
魔王「顔色が悪いわ、大丈夫?」
女騎士「うん・・・・ウゲッ!モ゛!」
魔王「ありゃー、トラウマみたいなこと聞いちゃってゴメン、大丈夫すぐ綺麗にしてあげるから」
女騎士「ウゲーウゲー」
魔王「相当酷いかったのね、でも大丈夫」
女騎士「(じゃああれはいったいなんだったの・・・?!もしかして・・・本当・・・いや・・・ちがう・・・!!)」
魔王はゲロと涙まみれの私を優しく抱きしめて落ち着かせてくれた
そのあと私は魔王と一緒に体を洗った
               
          
33:
魔王「残念な知らせがあるわ・・・・」
女騎士「・・・・覚悟はできてる」
魔王「大丈夫、あなたの命に関わることじゃないから」
女騎士「じゃあなに・・・」
魔王「あなたを人間界に返してやることが出来なくなった」
女騎士「あはは、返すつもりなんかないくせに」
私は渇いた笑いをあげる
魔王「理由はこっち側にあるわけじゃないわ、人間界があなたを魔界追放にしたから」
女騎士「・・・・」
魔王「・・・状況は分からないけど」
魔王「あなた・・・辛かったわね・・・わかるわ・・・・」
女騎士「うっ・・・うっ・・・うう・・・」
人前で泣いたのは子供の時以来だった
               
          
34:
魔王「人間界ではだいぶあなたのことを酷く言ってるみたいね」
魔王は私に最近の人間界ついて書かれた報告書を見せてくれた
そこには私に対する誹謗中傷暴言、人間界で言われているあらゆることが書いてあった
私はたまらなく悲しくなって辛くて怖くて目の前が真っ黒になった
女騎士「なんで・・・こんな・・・」
魔王「本性を表してパーティーの仲間に襲い掛かったって話だけど・・・どうもあなたが悪いってわけじゃなさそうね、いろいろな報告書に目を通すかぎり」
魔王「やっぱりあなた嵌められたのよ、パーティーの誰かあるいはそれ以外の誰かに」
女騎士「・・・」
魔王「あなたを“裏切った”パーティーのひとたち“酷いわねえ?”」
女騎士「・・・・・・」
魔王「でも大丈夫、私はあなたを裏切らない、傷つけない、いつまでもあなたの味方・・・」
女勇者「ん・・・」
そして魔王はまた私の唇を奪った
               
          
35:
魔王「こっちに来てだいぶたつけど、これからはどうするの?・・・」
女騎士「・・・わかんない」
魔王「そうよね・・・」
魔王「ねえ・・・もし・・・よければ・・・私の為に働いてくれない?」
女騎士「え?・・・」
魔王「大丈夫、同族と戦わせたりはしないわ、私の護衛としてそばに置いてときどき雑用してもらうだけ」
魔王「そろそろ暇で仕方なくなってきた頃でしょ?」
女騎士「う、うん・・・・」
               
          
36:
それからずいぶん歳月がたった
私はすっかり魔王に依存してしまっていた
私はいつものように城の中で魔王さまの護衛をしていると怪しい者を見つけた
魔王さまの安全を考えてすぐに知らせに行く
女騎士「まおうさま、あいつ、あやしい・・・」
魔王「ん?」
女騎士「あいつ、ニンゲンのスパイだよ、きぐるみのなかはニンゲン」
魔王「わったわ、確かめてくる」
女騎士「アブナイヨ、わたしが確かめにいくよ・・・わたしは まおうさま のゴエイなんだから!」
魔王「でも相手は人間なんでしょ?もし相手が斬りかかってきたらあなたは相手の事を殺せるの?」
女騎士「だいじょばない、イッてくる」
その日私は初めて人間を殺した
魔王さまは私の事をすごく褒めてくれた側近の人たちも褒めてくれた
私の中で何かが急激に満たされていった
               
          
37:
やがて勇者の一団が魔王城にやってきた
わたしは彼らを待ち構えるように魔王城の入り口に立つ
男勇者「!?・・・・女騎士・・・なのか?・・・」
女騎士「ああ・・・・オマエラをずっとマッテタ、ツーカ、ユウシャ、おまえイキテタノカ?」
戦士「大丈夫か!お前の事ずいぶん探したんだ!それでも見つからなくて!」
女騎士「アアア?挿シタ?アハハハハ!それで腰振ってエ?」
男勇者「まともじゃない・・・」
女魔法使い「女勇者ごと転移魔法で・・・ここは出直しましょ!男勇者さま!」
女騎士「そのテにはノラナイょ」ブン
私は電光石火の一撃で女魔法使いの利き手を切り落とす
もうこれであの忌まわしい魔法は使えない
女魔法使い「ぎゃあああああああああああああ!!!!」
女騎士「オマエはすぐにコロサナイよ、イッパイくるしむんだよ・・・!」
次は動けないように両足のふくらはぎを軽く切る
女魔法使い「あああああああああああ!!!!」
女騎士「だいたいナンダヨ、オトコユウシャさまーなんてアマイこえでユウワクしやがって」
               
          
38:
その時、私の事を後ろから男戦士が羽交い絞めにしようとした
私は素早く男戦士の腕を振り払うと首の辺りに一撃を食らわす
真っ赤なシャワーが私に降り注ぐ
男勇者「お・・・おまえ」
目の前の光景に驚愕して立ち尽くしていた男勇者はようやく正気を取り戻し
恐怖に顔を歪ませて剣引き抜き私に向けてきた
女騎士「オトコユウシャのコト、ココロのドコカデ、しんじて、たんだけど、ヤッパリまちがってた」
女騎士「オトコユウシャも、ワタシのこと、ヤッパリ、ウラギルんだネ」
男勇者は恐怖に支配されて半狂乱になって出鱈目に剣を振り回す
でも私が剣を一度ふるえばすぐに静かになった
出血多量で瀕死の女魔法使いがわたしの事を見ていた
女魔法使い「おねがい・・・いまならまだ間に合う・・・みんなを助けて」
女騎士「ナンダヨ、テメー、わたしニ、サシズ、すんのか」
それから私は気が済むまで女魔法使いに剣を振り下ろし続けた
やがて剣はボロボロになりソレはミンチ状になった
               
          
39:
こんな満たされた気分は久々だった
わたしは空を見上げる
城の上部で魔王が私のことを見ていた
わたしはハツラツとした声で叫んだ
女勇者「まおうさまあああ!!!ミテミテええエ!!コイツラ、やっつけた!!」
               
          
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