雪乃「比企谷くん、食事に行きましょう」八幡「は?」back

雪乃「比企谷くん、食事に行きましょう」八幡「は?」


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3:
雪乃「比企谷くん、今夜の予定は空いているわよね?」
八幡「おい。さらっと他人の予定を捏造するなよ」
雪乃「あら?引きこもりでボッチな比企谷くんに予定があるとは到底思えないのだけれど?」
八幡「相変わらず失礼な奴だな。あと当然のように引きこもりを付けるな。俺は外出するから引きこもりじゃないぞ」
雪乃「それはごめんなさいね」ニコリ
八幡「綺麗な笑顔のクセになんでそんな嫌味ったらしく見えるのか不思議だな」
雪乃「人間は自分の行動原理を他人にも当てはめるものね」ニコリ
八幡「さらっと俺の人間性を貶すのやめてもらえませんかね?」
5:
雪乃「私は人間性を貶めたつもりは無いのだけれど」
八幡「それは俺の人間性に問題があるって言いたいのか?」
雪乃「さぁ?そこは比企谷くんの国語力に期待するしかないわね。国語万年学年三位の比企谷くん」
八幡「勝手に万年銅メダル扱いすんなよ。まだ二回しか取ったことねーよ」
雪乃「残りの学年生活で一度でも思い出を作ることができるといいわね」ニコリ
八幡「一位を取らせるつもりが無いなら最初からそう言えよ」
雪乃「比企谷くんの唯一のアイデンティティーを奪ってしまってもいいのか、一瞬迷ったのだけれどいらぬお節介だったようね」
八幡「はいはい…。それで学年一位でいらっしゃる雪ノ下様がなんで俺なんかを食事に誘ったのでしょうか?」
6:
雪乃「父の仕事で姉が招待されたのだけれど、生憎予定が重なってしまったからお鉢が回って来たのよ」
八幡「左様ですか…。けど俺なんかが言ってもいいのか?けど俺マナーとか詳しくないぞ」
雪乃「一人で行くという考えもあったわ。でも男の人と行ったほうが問題も少なそうだから仕方なく、ね」
雪乃「それからマナーについては細かくは気にしなくていいわ。パーティーではなく、開店祝いなの」
八幡「うーん……。小町は友達の家でパジャマパーティーするとか言ってたな」
雪乃「ということは小町さんは来られないということね」
八幡「なんだ。小町も連れて行ったほうが良かったのか?」
雪乃「えぇ。今後の付き合いも考慮すると小町さんにはぜひ来て欲しかったのだけれど、突然だったし致し方ないわね」
8:
八幡「その言い方だと俺だけだと不服みたい聞こえるぞ」
雪乃「そうね…言い方を変えましょう。小町さんと一緒に来て欲しかったのだけれど、比企谷くんで我慢しましょう」
八幡「はっきり言いすぎだろ……」
雪乃「招待されている側だから無料でおいしい食事にありつけるわよ?」
八幡「仕方ない。そこまで言うからには相当うまいもの食べさせてくれるんだよな?」
雪乃「えぇもちろんよ。味は私が保証するわ」
八幡「ならご馳走になろうかな」
雪乃「比企谷くんは参加、というわけね。それで由比ヶ浜さんは今夜大丈夫かしら?」
9:
結衣「え!?あたしも行ってもいいの!?」
雪乃「始めから由比ヶ浜さんにも説明しているつもりよ。もしかして話を聞いていなかったの?」
結衣「ううん!ちゃんと聞いてたよ!でもヒッキーとばっかり喋ってるからお呼びじゃないのかなーって」アハハ
雪乃「そんなこと微塵も思っていないわ。第一不要だというのならそこにいる腐った男が最優先でしょうに」
結衣「あはは。だよねー」
八幡「おい、さらっと二人で俺をディスるのやめろよ」
雪乃「これから軽く説明をするわね」
結衣「うん!」
八幡「あれ?俺のことは無視ですか?」
10:
雪乃「これから説明をするのだから静かにしなさい。全く外食ではしゃぐなんて小学生未満ね」
結衣「あー確かに外食ってなんか『特別!』って感じでワクワクしたよね!」
雪乃「由比ヶ浜さん。申し訳ないのだけれど、時間に余裕があるわけではないので説明してもいいかしら?」
結衣「ゆきのんごめんね」アハハ
雪乃「別に気にしていないわ」
八幡「あれ?俺っていらない子なのか?」
結衣「そ、そんなことないと思うよ、ヒッキー!」
雪乃「時間が無いから話を進めるわ」
13:
八幡「はいはい」
雪乃「といっても細かく言うことはあまりないのよね。一応お祝いだから大人っぽい服装をお願いできるかしら」
八幡「前にホテルのバーに行った時の服で良いか?」
雪乃「死んでくれるかしら」
八幡「ちょ!?酷くないか!?」
雪乃「致命的なのはあなたのファッションセンスよ。贔屓にしている店にチンピラを連れて行けるわけないでしょう」
八幡「チンピラって…。あとさらっと人に致命傷与えるのやめてもらえませんかね。なぁ由比ヶ浜」
結衣「え!?あたし!?……あ、はは?」サッ
14:
八幡「由比ヶ浜がフォローもしないって」orz
雪乃「……はぁ。比企谷くん、黒のスラックスに白いシャツを着てきなさい。ジャケットは不要よ」
八幡「へーへー」
結衣「ゆきのん!あたし黒のスラックスなんてもってないよ…」
雪乃「由比ヶ浜さんは女の子だからボトムじゃなくて良いわ。シックなデザインのワンピースはないかしら?」
結衣「シックなワンピースかぁ……。そう言えばお母さんが持っていたような気がするなぁ?」
雪乃「カジュアルな服装でいいからそこまで深刻に考えなくても大丈夫よ」
結衣「う?ん……でもあたしのお母さん胸が大きいからゆるくなっちゃうかもなんだよね?」
雪乃「」
15:
雪乃「」
八幡「雪ノ下…?」
結衣「ゆきのん……?」
雪乃「っ!……な、なんでもないわ由比ヶ浜さん」
結衣「ゆきのん大丈夫…?」
雪乃「えぇ大丈夫よ。一時解散して、着替えてから学校で落ち合いましょう」
八幡「了解」
結衣「ゆきのん、ヒッキーまたあとでね?」
17:
 ☆ ☆ ☆ 
結衣「ゆきのん!ごめんね、待った?」
雪乃「いいえ。私たちもさっき来た所よ」
八幡「おい。俺への言葉はないのかよ」
結衣「あ、そういえばヒッキーも居たんだね」
八幡「いやもういいや…」
結衣「ゆきのんが髪をアップって珍しいね?それにしてもゆきのんのワンピースカッコいいよね!てかそのコサージュかわいすぎる!」
雪乃「あ、ありがとう由比ヶ浜さん…。そのワンピース、すごく由比ヶ浜さんに似合っているわ」
結衣「ゆきのんそれホント!?あたし本気で喜んじゃうよ!?」
18:
二人の嬌声に中てられた俺はやることもなく二人を眺める。
(由比ヶ浜は俺の予想に反してシックで黒いワンピースを着て、同色でヒールの高いエナメル製のパンプスを履いていた。
膝下丈で落ち着いたデザインながらも襟や丈はレース素材で出来ている。
一瞬普段と違う大人っぽさに戸惑ってしまう、しかし時折無邪気な笑みを見ると年相応ということを思い出す。
ところどころに由比ヶ浜らしさを残したそのワンピース姿はかわいらしい。
雪ノ下はいい意味で予想通りだった。そして予想外でもあった。
淡い水色のカラードレスの上にミルク色のボレロを羽織って、低めのスカイブルーのパンプスを履いていた。
膝上五センチのワンピースは普段の“完璧美少女”という雪ノ下の印象を和らげている。
パンプスやシュシュ、胸に咲くコサージュは水色や白色の花を模ったかわいらしいものだった。
雪ノ下らしい凛然さと少女らしい可憐さがマッチしている。」
19:
と、そんなことを漫然と考えているといつの間にか、周囲の空気がなんとも言えぬものになっているのを感じ取った。
ギギギとブリキ人形のように錆び付いた首を回せば、夕焼けを背にした二人が頬を朱で染めていた。
八幡「………………なぁ」
結衣「」プイッ
八幡「………………おい」
雪乃「」サッ
八幡「………………」
拝啓 親愛なるブリキのきこり様へ
心が欲しいと言っていましたが、心なんていりません…
現実逃避を始めた俺はいつタクシーが来て、どこで降りたのかも曖昧なまま一軒の店の前に立っていた。
 
34:
 ☆ ☆ ☆ 
八幡「……さ、さぁ着いたし美味い飯で食べるか!な?」
雪乃「………………そうね」サッ
八幡「……な、何屋なのかは外からじゃ分からないな!な?」
結衣「………………そうだね」プイッ
八幡「…………………………」
学校でのやり取りが尾を引いて、相変わらず二人は俺と顔を合わせようとしない。
え?なにこれどうすんの?
この空気のまま後数時間過ごさなきゃいけないの?これなんて拷問?
35:
雪乃「すぅ……はぁ……」
結衣「?」
八幡「?」
突然深呼吸しだした雪ノ下の横顔は眉目秀麗な雪ノ下雪乃になっていた。
雪乃「……そろそろ入りましょうか」
結衣「う、うんっ!」
八幡「あいよ…」
雪ノ下を先頭に俺たちは門をくぐり抜けた。
36:
店内は白と黒を基調とした落ち着いた雰囲気のいかにも大人の店、というものだった。
雪ノ下から招待状のようなものを受け取り、奥に消えていった店員は黒のユニフォームを着ている。
そしてすぐに店長らしく人物が雪ノ下の前に現れて挨拶を交わしだした
 この度はお父様御自ら設計していただきありがとうございます
 御開店おめでとうございます。父もお祝いを申し上げたかったのですが、生憎どうしても外せぬ用がありまして
 いえ、お父様がご多忙なことは承知の上ですから
 父も近いうちに必ず、と申しておりました。それからこれは父からお祝いの品です。
 ご丁寧にありがとうございます。
37:
どうやら設計・施工したのが雪ノ下の父とその会社らしい。
で開店祝いに来れない父親の代理として立てられたのが雪ノ下、と。
することもなく周りを見渡すと黒・茶・白を基調にした店は祝いの花々で飾られている。
整然さと華やかさが同居する店内で圧倒的な存在感を示すものがあった。
暇を持て余した由比ヶ浜もソレに気付いたようで不思議そうに眺めている。
それは今にも鳴き声をあげそうな馬の絵だった。
八幡「あれはたぶん赤兎馬だな」
結衣「ねぇヒッキー。“セキトバ”って何?」
八幡「赤兎馬っていうのは汗血馬の別名だよ」
38:
結衣「その“カンケツバ”ってどんな馬なの?ってか馬だよね?」
八幡「赤兎馬っていうのは中国の前漢時代に名を馳せた馬の名前だよ」
結衣「ゼンカン…?」
八幡「お前…腐っても高校生なんだから前漢くらいわかれよ。三国志って知ってるか?」
結衣「あー聞いたことあるよ!」
八幡「聞いたことしかねぇのかよ…。まぁいいや。その三国志で有名な馬だよ」
結衣「へー。それでどんな馬なの?」
八幡「名馬らしい。千里…つまり五百キロを一日で駆けたらしいぞ」
39:
結衣「へー……?」
八幡「いや、もういいや……。つまり簡単に言うとだな、凄い馬ってことだ」
結衣「うん……うん、分かったよ!凄い馬なんだね!」
雪乃「由比ヶ浜さん、あなたは世界史を専攻しているのだからもう少し頑張るべきじゃないかしら?」
結衣「あ、ゆきのんお話終わったの?」
雪乃「えぇ。個室を用意してもらえたから移動しましょうか」
八幡「へいへい…」
雪ノ下の言葉を聞いた店長が歩を進め、俺たちも後に続いた。
40:
案内された個室は縦軸の掛けられた座敷だった。
結衣「あたしこういうお店で食べたこと無いから少し緊張しちゃうや」アハハ
お手拭を畳みながら由比ヶ浜は困ったように笑う。
雪乃「別に緊張すること無いわ由比ヶ浜さん。ここは個室だし、店長も顔馴染みだからある程度の融通は利くのよ」
挨拶をした雪ノ下は喉が渇いていたのか、お冷を一口飲んでから由比ヶ浜を落ち着ける。
結衣「て言うかさ!ヒッキーもあんまりこういう経験なさそうなのになんでそんなに落ち着いてるの!?」
八幡「アホかよ。飯を食いに来てるのに緊張するとか本末転倒もいいところだろうが」
八幡「ある程度の常識を持っていれば別に緊張することなんて何もねーよ」
41:
結衣「うわっ。なんかヒッキーのくせにかっこいいコト言ってるし!」
雪乃「人間何かを極めるとここまで達観することができるのね…人類の神秘だわ」
八幡「おい。お前らはなんで人を素直に褒めることができないんだよ」
雪乃「あなたの口から“素直”なんていう言葉が出てくるとは思わなかったわ」
結衣「あはは。ヒッキーって素直とは真逆の位置に居るしねー」
八幡「お前らはなんで俺に対してだけそんなに攻撃的なんだよ」
雪乃「あら?直接口に出しても良かったのかしら?」
更なる雪ノ下の口撃を止めたのは先ほど雪ノ下と挨拶を交わした店長の一声だった。
42:
食前酒:キール・ロワイヤル?スパークリンググレープジュースとフレッシュカシス?
結衣「甘酸っぱっ。…けど炭酸効いてておいしいね!」
雪乃「まぁ私たちは未成年だから、正確にはフォー・キール・ロワイヤル風といったほうが正しいわね」
八幡「偉そうに薀蓄語ってる割には美味そうに飲むよな」
雪乃「う、うるさいわね。おいしいのだから仕方ないでしょう」
シャンパングラスにはルビー色の気泡が浮かんでいる。
フルーツの甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、強めの炭酸が口の中で小さく爆ぜる。
グラスの底に沈んだカシスは黒真珠のようで噛めば酸味の強い果汁が広がる。
結衣「おいしっ♪」
雪乃「ふふっ」
43:
前菜:サクラの五種盛り?コウネ・ブリスケ・上バラ・ロース・内もも?
結衣「なにこのお皿?桜の形しててすっごくかわいいっ!」
雪乃「桜とサクラを掛けているのね、ふふっ。お刺身は醤油につけて薬味を巻いて食べるのよ」
結衣「ねぇねぇゆきのん。この黄色っぽくてぶにゅぶにゅしたのって何処のお肉?」
雪乃「それはコウネと言ってたてがみの付け根の部分ね。ゼラチン質でお肌にいいわよ」
結衣「そうなんだ。じゃあこのお肉はなんていうお肉?」
雪乃「それは内ももね。サシが入っていなくてあっさりとした味わいよ」
雪乃「…順番に説明すると由比ヶ浜さんから見てコウネ・ブリスケ・上バラ・ロース・内ももよ」
八幡「………今食事に集中したくて纏めて説明したな」ボソッ
44:
雪乃「ブリスケはコリコリとした食感ね。上バラ・ロースは赤身とサシが入っているわ。ロースは馬刺しの中でも特に人気のある部位ね」
結衣「へーそうなんだー。……ん?ね、ねぇゆきのん…。……今“馬刺し”って言った?」
雪乃「えぇそれが何かしら?」
結衣「これってもしかして馬のお肉なの!?」
雪乃「そうよ。だってここは馬肉料理店ですもの」
結衣「え!?あたしそんなの聞いてないよ!?」
雪乃「看板にも書いてあったし、第一たてがみは馬にしかないでしょう」
由比ヶ浜が騒ぎ、雪ノ下が宥める様子を横目に俺は馬刺しを口にする。
八幡「…………内もも美味いな」モグモグ
45:
コウネは黄色がかったゼラチン質の肉で、醤油を弾いてしまうほどだった。
噛めばゼラチン質のねっとりとした旨みが口に広がる。
独特の食感がいかにも健康的、と言った感じで女子が好きそうだな。
上バラは綺麗な霜降りで、脂が美味くも赤身があっさりとしていて何とも言えぬ味わいだった。
口の中で脂と赤身が絡まりあって一瞬牛肉を思わせるも後味はあっさりとしている。
あーこれ炙って食ってみたいな。これ炙ったら絶対美味いわ。
ブリスケはコリコリとした食感で、ホルモンを思わせるものだった。
脂身で赤身を挟んだような味わいで、あっさりとしていながら濃厚な味がする。
46:
これホルモンとか好きな人が好きな味だな。しかもあっさりしてるからドンドン食べられるし。あ、煮込んでも美味そうだな。
ロースは脂と赤身が均一で、一瞬くどいかなと思ったけどそんなことは全然なかった。
脂なのにあっさりとしていて、けど噛んでいくうちに脂の旨みがあふれてくる。
ちょっと飽きてきたかな、と思ったら生姜とネギを包んで食べるとまた箸が進む。
内ももはあっさりとしていて魚の刺身かよってくらい食べやすいんだよな。
それでいて肉本来の食感や旨みが噛めば噛むほどに溢れてくる。
特に梅肉をベースにしたタレが絶品だね。馬肉のあっさりとした味に梅肉の酸味が合うんだな。
馬肉自体があっさりとした味だから食べやすいんだよな。牛肉が獣臭いっていう人でも馬肉なら食べられるんじゃないか?
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