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モバP「誰かのラブコメ第一話」


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アイドルマスターシンデレラガールズのSSスレです。
2: 以下、
 一限目から登校してきた。それがすでにニュースだった。
 さらに、授業の始まった瞬間教壇に歩み寄り、担当教員にごにょごにょと言ってピンク色の頭を下げ。
 その後頭部に、パコーン、と教科書が炸裂した。
 教室中に爆笑の渦が巻き起こった。
 当人はあいたたー、なんて言いながらはにかんでいて、面白半分の擁護が次々にあがり、それを見る教師も大して怒っている風でもなく。
 つまり、教科書を忘れたというそれだけで、ひとつのエンターテイメントができあがっていた。
 僕といえば、人気者はこういう時も得だよな、なんてぼんやり考えていた。
 僕は城ヶ崎さんのことが好きではなかった。そもそも、住む世界が違いすぎる人間だったのだ。教室ヒエラルキーの最上位のカリスマギャルと、大して目立つことのない僕。
 そんな彼女がアイドルまで始めて、もはや別次元の人になったものだから、僕は努めて無関心を装い、その裏で、意味もなく嫉妬したりした。
 たとえ今、教室で席が隣だったとしても、お互いに用がない以上、関わることはないはずだった。
 だから、次の瞬間に起こったことは、まったく僕にとって予想外だった。
「ごっめーん、よかったらなんだけど、教科書、見せてくんない? アタシ忘れちゃってさぁ」
 気がついたら、目の前に城ヶ崎美嘉がいて、僕に話しかけていた。 
 僕のちっぽけなプライドはあっさり瓦解していた。 
 一流アイドルにウィンク気味に頼まれて、断ることができるやつなんかいるんだろうか? 一も二もなく頷くと、城ヶ崎さんはそそくさと自分の机を僕の真横に隣り合わせ、ひらりと座りなおした。
 その着席の瞬間、ふわりと舞った香りは、一撃で僕を真っ白に焼いた、
 城ヶ崎さんは二つの机の橋渡しのように置いた僕の教科書を覗き込み、小難しい顔をしたかと思えば、急にぱあっと明かるい表情を作ったり。
 そうやって体や髪が揺れるたびに、甘ったるい匂いが鼻先をくすぐって、僕は授業どころじゃなかった
 だから教科書を見るふりして、彼女が記述する丸っこい文字や、その手首のアクセ、キラキラしたネイルをずっと追っていた。 
 
 肘より上を見る勇気はとても無かった。
「ホント、助かっちゃったよー。ありがとねっ!」
 城ヶ崎さんが忘れ物をしたのはその教科だけだった。一時間目の終わりに、彼女はにっこり微笑んで僕に礼を言い、机を元の位置に戻していた。
 僕は、ああだか、うんだか、返事をした気がする。
 初めて呼ばれた名前を、その響きの新鮮さを受容れるのにいっぱいいっぱいだったから。
 四限目が終了すると、城ヶ崎さんは急いで荷物をまとめ始めた。横目で眺める、見慣れた光景だった。
 よっと、なんて言いながらバッグを肩にかけ立ち去る瞬間。
 振り返られたときにはもう遅かった。
「また何かあったらヨロシクッ!」
 ばっちり目があった状態で、ファンが何十万出しても欲しがるであろうスマイルを正面からぶつけられた。そして僕の前を横切り、駆け足で教室を後にした。真夏の花みたいな残り香が、鼻先を撫でて消えた。
 次、忘れ物をしてきたら――
 忘れ物、するんだろうか。
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3: 以下、
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美嘉「おっ待たせー★ それじゃよろしくね、ドライバーさん!」ガチャッ
P「アッシーくんだな」
美嘉「え? あっしーくん? ソレ新しいゆるキャラ?」バタン
P「……いや、なんでもない」ブロロ
美嘉「いやー、昨日教科書とか、忘れてきちゃったみたいで……えへへ」
P「だと思ったよ。机の上に開きっぱなしだった。ほら、後部座席の、俺のカバンに入れてる」
美嘉「あ、コレコレ! 持ってきてくれたんだー、ア・リ・ガ・ト」
P「でもソレ、持って行ってても意味なかったんじゃないか? 昨晩、宿題一向にはかどってなかったみたいじゃないか」
美嘉「み、見たの?! 乙女のノート勝手に開くとかありえなくないっ?」ムキー
P「ノートの中身見なくても、髪と爪と携帯ばっかりいじってたらなー。はかどってるかそうじゃないかはわかるよ」
美嘉「そ、それはぁ! その、プロデューサーの部屋、久しぶりだったから、集中できなかったっていうか、なんていうか……」モジモジ
P「あとさ、落書きはあんまり目立たないようにな」
美嘉「え…………あ゛!!」
     
   :☆:
   ┏┻┓
  ┏┛ ┗┓
  ┏┛ LOVE ┗┓
  ┻━━┳━━┻
   P┃りみ
   く┃かか 
   ん┃☆★
   ☆┃
   ★
P「字体からすると莉嘉っぽかったけど……」
4: 以下、
美嘉「そ、そうそう莉嘉のヤツがこの間勝手に……ってやっぱり見たんじゃんっ!!!!!」カァー
P「あはははやばやめやめ運転中だからやめて」
P(でも存外気に入って消せなかったんだろうなあ……)
美嘉(うぅ……消せなかったなんて言えない!!)
P「まあ、昨日に関しては俺も悪かったよ」
美嘉「むぅ??」プイー
P「あのパジャマで『んー、きゅ、休憩きゅうけい?』なんて言いながらベッドに横になられたら俺の精神力じゃとても我慢は」
美嘉「……!」カァッ
P「朝もドッタバタだったし」
美嘉「そ、それはプロデューサーが朝イチから……そのぉ」チラッ
P「…………」
美嘉「…………」
P「あ」
美嘉「……あ」
P美嘉「パジャマ置きっぱなしだった」
美嘉「ま、また今晩……取りにいかなきゃ、だね」
P「……洗って返そうか?」
美嘉「い、いいからぁー! 仕事終わって、イロイロ準備して行くから、その……」
 ……きょうも、いれてね?
5: 以下、
 あ……ヤバいって、今日は帰るって莉嘉に……ん、んっ、
 ぷは…………っ。そ、それは、そうだけど……ぁん! 
 
 で、電気、消して、ん、んぁ、んむ、んちゅ…………
 
 ふぁ、あ――――、ううっ、あああああっ!!
 あっ、あっあっ、あっ、んっ、んっ、んっ、んんっ、ん、んふ、ぁ…………
 あ、ああっ、あっ、あっあっあっあっあ…………っ
8: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
 俺は食い入るようにテレビを見つめていた。やってる番組は、『生放送 春のスポーツ祭り』
 今はバレーボールの競技中だった。
 普段だったら、遊び半分でやってる連中の試合なんて鼻で笑って、若干の胸クソ悪さを覚えながらチャンネルを変えるところだが、今日ばかりは違った。
 俺のクラスの三村が出演しているからだ。
 
 三村はこの収録のため、苦手なバレーを克服したいと、バレー部に仮入部を申し出て、毎日のように練習に来ていた。
 最初は、冷やかしだと思って軽くあしらっていた。話題のアイドルが、たかだか一回の練習のために、そんなに大げさなことをする必要はないだろうと思い、顧問も同じ考えのようだった。
 でも、三村は本気だった。その熱意に押され、顧問が許可を出して、部員で交代で教えたりしてた。
 そりゃ最初は拙かった。まあ……運動神経や体型はともかく、ボールに対して恐怖心や苦手意識がどうしても強かったみたいだから。
 当然、当たったら痛いし、当てても痛い。そんな競技だ。俺が見てるだけでも何回もボールにぶつかって、ひっくり返ったことも一度や二度じゃない。
 だけど、三村は絶対にあきらめなかった。教室やバラエティで見るような、ふわふわした雰囲気はなりを潜めて、気迫にこっちがたじろぐほどだった。
 これが、この集中力が、三村を人気アイドルにしたてあげたものなのだろうと直感した。たとえ畑違いでも、そういうストイックさはやっぱり分かるものだ。
 聞いた話じゃ、部活の時間帯に仕事が終わらなくても、夜に練習してたこともあるらしい。
 そして時間中は真剣そのものだが、練習が終わるといつもの柔らかい態度に戻って、マネージャーばりにお茶を配ったり、部員に自作の菓子を配ったりしてた。
 糖分は禁止なんだよ、っていうと、じゃあヒミツだねっ、って、にっこりしながら手渡してきたりした。
 そんな、ある日の練習中。
 どうしてそこまでするんだ? と。聞いてしまったことがある。
 すると三村は汗をぬぐい、お仕事だから、と答えた。その後、恥ずかしそうに笑った。
 俺はボールを取り落として、ごまかしながら拾い上げた。
 ローテーションで前列に来ていたかな子に、リベロが絶好球をあげる。
 テレビの中の小さなかな子は天井を見上げ、両足で踏み切って、渾身のアタックを決めた。
 あれは俺が教えたんだと、明日部員全員が言うことだろう。 
 そして、無理を承知で、正式に入部してもらえないかと、全員が言うだろう。
 カメラには最高の笑顔が写っていた。
 
12: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
かな子「ふー、ふー、あ、Pさん! がんばりましたよぉー!」トテトテ
P「おー、お疲れ……」
かな子「」グラッ
P「っ?!」ダッ
――がしっ、
かな子「あれ? えへへ、ごめんなさーい、ちょっと疲れちゃって……」クラクラ
P「大丈夫か? よしよし、ちょっと休もうな、よーくがんばった……」ヨイショ
かな子「きょ、今日はすみませんでした……」ショボーン
P「いいよいいよ、燃え尽きちゃったんだろ。最後のアタック、すごかったぞ」ナデナデ
かな子「ふあぁ……! えへ、えへへー! Pさんが見てくれてるの、わかったから、がんばっちゃいました!」テレテレ
P「よしよし、でも最後の笑顔は、ちゃんとカメラに向けないと。俺を見てもダメだろう?」サスリサスリ
かな子「だってぇ、ふぅ、一番にPさんに、見てもらいたかったから……えへ、ごめんなさい」ポワワァ
P「まったく、しょうがないかな子だ」ナデナデ
かな子「ん??っ」スリスリ
P「本当に……毎日仕事に学校に忙しい中、よく時間を捻出できたもんだよ。どうしてそこまで……」
かな子「だ、だって、その……お、お仕事、ですから」
13: 以下、
P「確かに、仕事は大事にしてくれるとうれしいけど」
かな子「……その、えへへ。大事なことだから、言いますね?」
ぎゅう……
かな子「Pさんが、私のためにとってきてくださったお仕事だから。ぜったいに上手くなりたくて……」カアッ
P「かな子……」
かな子「あ、あの、Pさん……私、カラダ、すこし締まったと思いませんか?」
P「ああ。出るべきところは保ったまま、ウエストラインは細くなって……正直、今までで一番だ」
かな子「……もっと痩せた方がいいなら、私、もっともっと、運動もレッスンもがんばりますっ! お仕事の……Pさんの、ために」
P「心がけは立派だが、お菓子は我慢できるのか?」
かな子「おか、お菓子は、その……用法用量を守って正しく」
P「頑張るのはいいことだが……無理をしろとは言わないよ。お菓子が好きなのも、かな子の大切な魅力だ。だから無理な我慢は」
かな子「あ……! でも、お菓子、我慢できる方法、ひとつだけ……Pさん」トロン…
ぎゅぎゅーっ
かな子「これからは、お菓子が欲しくなったら……それ以外もので、おくち、塞いでほしいんです……」ムニムニ
……むにゅう、
かな子「カロリーひかえめ、でも、とっても甘いもので……あまくて、とろけちゃうような」
ぎゅ…………むにゅぅ、 
かな子「……ねえ、P、さぁん。わたし、Pさんのためにがんばったんです、だから……ぁ」レロ…
 
 あまいごほうび、くださぁい……
14: 以下、
 ふぁ……あむっ、んちゅっ、ちゅぱれろっ、んちゅ……ぅ、ぷほっ!!
 
 えへへ、もっと、もっと欲しいです……ちゅっ、ちゅうっ、んむちゅ……ぅ
 
 あ、もう、ボールじゃないですよぅ、んっ、ぁん……んっんっあっあぁ……、
 ふー、ふー、ふぅ……ひぅぅぅぅぅぅぅ! は、あは、あっんんあっあっ、あっ、
 ふぁ、うぁ、あ、ああぁ、あー、あんみゅ、んむんちゅっ、んっんっんっん…………っ 
 あっ、あっ、あつ……ぃ
15: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
 それ、ニチアサのヤツだよな?
 きっかけは、この一言だった。
 こっそりカバンに付けて来た、傍目には絶対にソレとわからないグッズに目を遣りながら、神谷さんはぼくに尋ねた。
 今までほぼ絡んだことのない相手からの突然の接触に、内心びくびくしながら彼女を見返すと、向こうも相当緊張していることは見て取れた。
 神谷さんの、ぼくと似たような趣味を知ったのは、それがきっかけだった。
 それからは、新しい番組が始まると、どちらともなく感想を言ったりするよになった。
 この歳になって、女子と話題を共有できたことは、今まで一度たりともなかったから。、しかも分かり合える人がほとんど期待できないジャンルで、だ。
 だから、ぼくはとてもうれしかった。
 
 すこしして、どういうわけか、彼女はアイドルになった。
 ぼくなんかが話しかけられる相手じゃ、なくなった。
 その日、午後からの雨は、結局止むことのないまま放課後まで降り続いていた。
 下足場では、ここぞとばかりにめいめいが傘を開き、雨の中へ滑り出ていっていた。
 それを見ていて、溜息を吐いても雨が止むはずもない。仕方なしに、濡れるの覚悟で下校することにし、靴を履き替える。
 そして、ダサいから走りたくはないが歩いているところを強がっていると思われたくもないしどうしようかと悩みながら外に出ようとする。
 すると、下校する生徒たちの流れに逆らい、一人の女子生徒が玄関へ戻ってきているのと鉢合わせた。
 ビニール傘をたたみ、傘立てに突き刺し、靴箱のあるこちらへ来たところで、はたと、ぼくの姿を認めたらしかった。
「……お前、傘は?」
 気安く話しかけてきたのは、彼女がぼくを認識していたからだろう。それはもちろん、こっちも認識していた。
「いや、忘れた……神谷さんは? 帰んないの?」
 でもぼくの方はというと、今までのような距離感を取ってもいいものかわかりかねて、
 
「ん? あ、あー、忘れ物、しちゃってさ……ってそれより、いま結構降ってるぞ? 大丈夫かよ?」
「大丈夫だよ。走って帰るから」 
 心配そうな顔をする神谷さんに対し、走って帰ることをたった今決め、宣言する。これで、彼女の義理は済んだはずだった。すなわち、傘も持たないぼくに対する一応の親切心だ。
 でも、彼女は「ん?」なんてアイドルらしからぬ声でひとしきり唸った後、くるりと踵を返し、今しがた突っ込んだ自分の傘を取り出すと、 
「ん!」
 ぶっきらぼうに差し出してきた。
「……え?」 
「つ、使えよ! アタシはその、折りたたみも教室に置いてるからさ、お前、濡れて風邪でも引いたらよくないだろ?」
「いや、でも」
 突然の出来事に、遠慮というか疑問の意味で手を振ると、その手にぎゅっと神谷さんの両手が伸びてきて、ビニール傘の柄をむりやり掴まされた。
 跡も残らないくらい弱く、彼女の爪がぼくの手の甲を擦った。
「い、いいからな! 返してくれればそれでいいから、それじゃ!」
 真っ赤になった彼女は、有無を言わさぬ勢いで製靴を脱ぎ律儀に靴箱の中に押し込み、後ろ髪をゆさゆさ揺らして校舎の中へ消えて行った。後に残されたのは、ぼくと、傘だけだった。
 手の中にある神谷さんの傘を見る。
 それを包んだ両手の一瞬の感触を、必死に思い出そうとしている自分に気がつき、余りにも気恥ずかしくて、彼女と顔を合わせないようそそくさと帰ることにした。
 雨の中でぼくの持つ傘だけが、勢いよく広がった。
19: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
奈緒「ああ、いま靴履くから……」トントン
P「転ぶなよー」
奈緒「転ぶかよっ! っと……ごめんな、こんなところまで来させて……その、ありがと」
P「どういたしまして……前とは逆だなあ。『傘忘れたから学校まで迎えに来て』なんて」
奈緒「しょ、しょ?がないだろ、あたしも完璧じゃないからな! ついでに言うと、傘係でもないし!」
P「ははっ、なんだよ傘係って。しかし最近は厳しいもんだなあ、校内に入るのに警備の人説得するの大変だったんだぞ」
奈緒「そりゃあ、Pさんが怪しく見えたんだろ」
P「『OBです』って言えばどうにかなると思ったんだけどな」ウーン
奈緒「どう考えてもそれが原因じゃねーかっ!」
P「そうかもな…………あー、なあ、奈緒」
奈緒「ん? どうし……っ?」
P「お前の傘、取られた訳じゃないよな?」
奈緒「…………っ!」ゾクッ
P「いやな、俺の見間違いか、勘違いか……奈緒、ビニール傘の持ち手にマスキングテープで目印つけてただろう? 丁度俺が校門を通る時、一瞬だがソレを持ったやつとすれ違った気がして、な」
奈緒「ち……ちがう……よ?」
20: 以下、
P「今日のも、本当は忘れたんじゃなくて……って思ってしまってな……その時は確証がなかったが、奈緒がもし、そうだって言うなら」ギリッ
奈緒「…………」
奈緒「ち、違う、違うんだPさん! アレはその…………あたしが貸したんだ!」
P「…………え?」
P「クラスメイトが傘忘れたのを見かねて、ねえ……どれだけお人よしなんだよ」ワシワシ
奈緒「んな、な、撫でるなーっ! ワシワシするなーっ! 子供じゃないだからぁ!!」ウネウネ
P「うんうん。ただ――まあ、悪かったな、クラスメイトを疑うようなまねをして」ワシワシワシワシ
奈緒「……ううん、それは、もう…………もうっ!! いいから行くぞっ!」カァー
P「…………」
すちゃっ、
奈緒「P、さん?」
P「ほら、奈緒、入れ入れ」コイコイ
奈緒「え、ええっ、でもでも、もう小雨だし、やっぱりあたしアイドルだし、その……っ」アタフタ
P「いいからいいから。奈緒を濡らすなんて出来ないよ」
奈緒「……あう、う…………ぅん」キュッ
奈緒(……ごめん、Pさん、あたし、嘘吐いた)
奈緒(あたしはお人よしなんかじゃない。Pさんに迎えに来てもらいたくて、Pさんと、相合傘、したかっただけなんだ)
――ぎゅうっ
奈緒(……Pさん、あたしのために、あんなに怒ってくれた……)ゾクゾク
奈緒(いいよね、あたしも、これくらい
      だって誰も損をしてない)
21: 以下、
 あめ、止まないね……制服、ぬれちゃったよ
 ……そ、そーいう意味じゃないから、ばか
――――――――――――――――――――――――――――――――
 Pさぁん、あんっ、あむっ、しゅきっ、しゅきぃ、ひふぅ、んぁ……
 んっ、はふっ、んふっ、れろっ、あぇろっ、ちゅ……ぱぁっ、
 ふぅ、はふっ、Pさん、んっ、んっ、んんん………………ぁ!!!
 ふあっ、あっ、うあっ、ぎゅって、ぎゅってして、っんみゅ、うぅ、んんんんっ、
 
 んちゅっ、んちゅぱっ、んっあんっんむっ、ふあっ、あっ、あっあ……………… 
 あっ、れてるっ、でて……あっあっ、あああ……ぁ
22: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
 花に興味なんてなかった。
 ただ、放課後の公園でたまに見かけるその人は、それ以外のものは目に入らないようだった。
 公園中の花壇から花壇へ、かとおもえば木の幹へ、せわしなく飛び回っている姿は、元気いっぱいのチョウかミツバチみたいだった。 
 そうやってぼーっと姿を追っていると、ふと、目が合って。
 慌てて目を逸らしたのもお構いなしに近づいてきて、こんにちはーって。
 そこから先は、完全に向こうの世界だった。
 興味あるの? この花みたことある?
 なに色の花が咲くと思う? 花言葉は知ってる?
 いっぺんにまくし立てられた。
 興味ないです、とはとても言えなかった。うんうん頷きながら話を聞いた。
 可愛らしい女の人に話しかけられることへの下心ももちろんあったけれど、不思議なことに、それだけでもなかった。
 今まで気に留めたこともなかった公園のプランターや街路樹が、灰色の景色に過ぎなかったものが、彼女の語り口で彩色され、活き活きと光を湛え始めたからだ。 
 大学に通いながら、ボランティアで植物の世話をしているとのことだった。でも、自己紹介なんてそっちのけで、彼女は花の紹介をした。
 自分のことのように嬉しそうに、花の生長を喜び。
 自分のことのように誇らしげに、花の綺麗さを自慢した。
 部活もしてなくて、特に行くあてもない自分は、放課後公園を横切って帰るようになり、あいばさんがいる日には植物の話を聞くのがもっとも有意義な過ごし方となっていた。
 本当に、その人は植物の話ばかりしていて――でもいずれは、もっと違う話ができるものと思っていた。
 そうやって、公園の植物の名前をある程度覚えた頃――何気なく見遣ったテレビ画面に、その人が写っていて、目を疑った。
 最近よく名前を聞くアイドルだと思っていたが、まさか同一人物だとは思わないから。
 というか、名前はそこではじめて知った。彼女は――相葉さんは、自分のことなんかそっちのけだったから。
 そこでようやく、最近彼女が公園に姿を見せていないことと事情が一致した。
 このところの花の世話は、別のボランティアの人がやっているようだった。
 でも、この辺に住んでいるのだろうから、近いうちにまた会うこともあるだろう。
 そうしたら、まずはどの話から切り出そうか……そんなことを考えながら、今日の放課後も、公園に足を運ぶ。
 そろそろ切り出したかったんだ。自分も手伝います、って。
 
 
23: 以下、
―――――――――――――――――――――――――――――――― 
ピンポーン、
夕美「はーい、あっ、Pさんっ? 今開けるねー」
……ガチャッ、
夕美「あは、いらっしゃーい!」
P「うん、おじゃまします……どうやら落ち着いたみたいだな」
夕美「うん! もうダンボールは開け終わっちゃったよ。えへへ……つい昨日まで、足の踏み場もなかったけれど。さあっ、入って入って!」
P「それじゃあ、女子寮入居、おめでとう!」
夕美「ありがとう! かんぱーい!」チンッ
くいっ、
夕美「ふぅ……といっても、お酒用意できなくて、ごめんね?」シャンメリー
P「気にしないでくれ。そもそも、夕美に買わせる訳にもいかないさ。それに……これだけおいしそうなものが並んでたら、食べるほうに集中しないと」
夕美「えへへ、張り切っちゃいました!」エッヘン
P「これって実は……夕美が育てたのも、入ってたり?」
夕美「あ、分かっちゃった? そうなの、事務所のお庭とか、プランターとか、スキを見つけては色々試してるんだ!」
P「そうか、うん……うまい!」
夕美「えっへへ、ありがとう! あのね? ここに引っ越せてよかったなあって、改めて思うんだ。最近、とても忙しくなっちゃって、大学のことも考えたら絶対、こっちの方が便利だから」
P「実家が神奈川で近いといっても、あくまで『通える』って距離だからなあ」
夕美「でしょ? でも、家賃は高いし、ガーデニングも難しくなっちゃうから、ずっと踏み出せずにいたんだ……あっ、お皿貸して? よそってあげる!」
P「おっ、ありがとう……ふむふむ」モグモグ
24: 以下、
夕美「もぐもぐ……うん、いい出来! でねでね? ここだったら家賃も何とかなるし、お庭は使わせてもらえるし、みんなが住んでるから、寂しくないし安全だし……その、Pさんも、いるし」モジモジ
P「嬉しいこと言ってくれるな……おっと、そうだ」ゴソゴソ
夕美「?」
P「こんなものしか用意できなくて悪いけど……引っ越し祝いだ」コトン
夕美「わ、わ、ワ……」
P「ワ?」
ぴょーん!
夕美「わぁぁぁい!! いいの、ほんとにいいの?! ありがとう、ありがとー! Pさん、だーいすき!」ギュー!!
P「こ、こらこら、ちょっと落ち着いて……よしよし」ナデナデ
P(これがPa……ッ!)
夕美「ごめんなさーい、えへへ……! ね、ね、開けていい? いい?」ワクワク
P「ああ。もちろん……でも、『気をつけて』な?」
夕美「? う、うん……」ドキドキ
夕美「――あ」
つんつん、
夕美「サボテン、だね」ツンツン
P「ああ、その……こういうことは詳しくないんだが、スペースをとらないで、あんまり手が掛からないようにって思ったんだ。まあ、大事にしてくれ」
夕美「…………っ」キュッ
P「……夕美?」
夕美「……ずるいなあ、知らないでやってるんだろうなあ。ズルいなあ……ねえ」トクン、トクン
  私からも 受け取ってほしい お花があるの
25: 以下、
 ふあぁう、はふっ、んむっ、あむぅ、んちゅっ、
 あぇろ、んっ、んっんっんっ、ぷほ……はぁ、はぁ、は……っ 
 あ、うん、きて……ん、んんううううううぅ???ッ!!
 あっ、おっき、あっ、あっあっ、や、かんじゃ、りゃめっ、んむっ、かぷっ、んんうんっ!!
 ふあ、ほあぁ、あふぅ、う……うぁっ? らめらめっ、そこ、ひっぐ…………ぁぁぁ!!
 
 あ、あー、あっあっあぅ、あ! あ! あっ、あああああああああぁ………………ァ!
28: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
 調理実習なんて、普通ならご免な行事だ。
 出席簿順の別に仲良くもないクラスメイトと班を組み、予習ノートなんて宿題を増やされたり、材料の分担とか、作業の割り振りとか、やっかいなことこの上ない。
 そうして出来上がった物は大してうまくもない。
 先生には悪いけれど、五教科で大変なところに家庭科なんかに余計な手間を増やされて面倒くさい、っていうのが率直な感想だった。
 でも今回は、今回の実習だけは、班が決まってから楽しみでしょうがなかった。 
 なにしろ、アイドルがいる。しかも『お嫁さんにしたいアイドル』の上位入賞者。
 その名は、五十嵐響子。
 正直な話、デビューする前からみんな口を揃えて、付き合いたいと思ってた女の子だ。
 だってまず可愛い、それに明るくて、優しい。
 それに料理も上手とくれば、高望みとはわかっていても、手料理を作ってくれる夢を抱いてしまうのは仕方ないはずだ。
 
 でも、それが調理実習なら夢じゃなくなる。
 あの五十嵐響子の手料理が食べられるんだ。そう思うと、期待が高まるのも当然のことだろう。俺は、今か今かとその日を待っていた。
 そして当日、こちらの期待を上回る出来の手料理が振舞われ、俺は大満足だった。
 調理中の手際や仕草も見とれてしまうようだったが、盛り付けや味まで完璧だなんて、文句なしの『お嫁さんにしたいアイドル』だった。
 あまりの旨さに舌が滑り、調子に乗って言ってしまった。五十嵐さんと結婚するやつは幸せだなって。 
 
 そしたら――彼女はみるみる内に赤くなって、やだもう、なんて言って慌てて見せたんだ。
 余りの可愛らしさに、言った俺のほうまで悶絶して、なんだか変な空気になってしまった。
 後片付けの時間もギクシャクして、逆にそれが新鮮で、俺はドキドキしっぱなしだった。
 
 その妙なテンションに押され、俺は言うだけ言ってみることにした。
 終業のチャイムがなり、家庭科室の席をめいめいが離れるそのどさくさ。
 出来るだけ冗談のように言う。
 『また今度も頼むわ!』 
 すると五十嵐さんは驚いたような顔をした後で――完ペキな笑顔で、うんっ、と答えた。 
 そうして足早に立ち去る彼女の背中を、俺はいつまでも見つめていた。
 
 今度の調理実習はいつだろうか。
 それとも――もしかすると――
29: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
――やっぱりファンの皆さんあっての私、ですから! 皆さんの笑顔が、私の宝物です!
――いつか、ファンの方みんなに私の手料理、食べてもらいたいなって! あはは、ちょっと難しいとは思いますけど。
――だから、これからも応援してくださいね!
響子「お茶が入りましたよー」コトッ
P「ああ、すまない。おいしかったよ――仕事明けにまで来てくれるなんて、響子には本当に頭が下がる」
響子「いいんですよ、私が好きでやってることなんですから」
P「ずず――ふぅ、なあ、響子」
響子「はい?」
P「……今日のイベント、改めてお疲れ様」
響子「はい、Pさんもお疲れ様でした! どうでした? 私の想い、ファンの皆さんにも届いてたと思いますか?」
P「そのことなんだが……何か、あったのか?」
響子「はい?」
P「なんだろうな……気のせいか、表情がな」
響子「私、変な顔してましたか? えいえい」ムニムニー
P「いや、完璧な笑顔だったよ。くさい言い方だが――誰もが恋に落ちるような」
響子「そうですか! そうでしょうそうでしょう、私もしっかりアイドルとしての自覚が」
P「――ずっと、そうだったんだ」
響子「……はい?」
30: 以下、
P「イベントの始まりから終わりまで、判で押したようにその笑顔を維持するのは、辛かったんじゃないか? いや――違うな。辛い時にこそ、響子は元気に、笑顔になるだろう」
響子「……!」
P「駆け出しの頃はぎこちなかったが、今は完璧な笑顔を作れるようになったんだな。でも、癖自体は変わっちゃいない」
響子「……あは、あはは。考えすぎですよう! 辛いことなんて、私は何も」
P「……そうか」
響子「…………」
響子「…………っ」
 ファンのため
 
 そう教わって、あなたの言うとおりにしました
響子「……えへ、私ったら、油断すると仕事中でも、今日のご飯は何にしよーとか考えちゃって」
響子「目の前のファンの方に失礼だから、表情に集中したら、どーしてもああなっちゃうんですよー」
 ファンのため
 
 そう思っても、あなたの顔ばかりが浮かびました
響子「……ああでも、やりすぎると不自然になっちゃうってことですよね? だったら、そこも改善していかないと、ですね! ご指摘ありがとうございます!」ペコリ
響子「今後も、ファンのために、頑張っていきましょうね、Pさん!」
 ファンのため
 そう言えば、あなたは嫉妬してくれるかしら
 最初のファンはあなたひとり
 
 あなたと私のふたりだけ
 私は、ただひとりのファンのため 
 
 他に何もいらない
 
 
 
31: 以下、
 
 
 それじゃあ私、そろそろ帰り……きゃあっ、Pさ、や、やめ……んんっ!
 んむっ、あみゅっ、あふっ、んんっあっ、だ、だめですっ、らめ……あんっあむっ、んっんっん……っ、
 ふあっ、はっ、はあっ、ふあ……ぁ、あ、お、おっきぃ……ひいぃん!!
 
 あくっ、んあっ、あふぁっ、ちゅぱっ、ちゅっ、んつゅ、ふくあっあっあああぁ!
 
 あっあっ! らめっ、だめだめダメッ! りゃ、え――、あーっ、あっ、あぁ、ああっあ……っ!!
 んちゅっ、れろちゅっ、ちゅぱっ、らめ……あふ、ん……ぅ、んちゅっ、ちゅ……ぅ、ん、んはぁっ、また、はいってぇ……あああぁ…………ぁ! 
 
36: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
 塾帰り、普段ならまず通らないその公園を横切ったのはほんの気まぐれに過ぎない。
 しいて言うなら、近くのコンビニで買ったアイスを、家に着く前にひとりで食ってしまおうというしょうもない魂胆はあった。
 
 ビニール袋を提げ、階段をあがって、広場の正面に噴水を見据える。
 すると、その噴水と灯りを背に先客が居るのが、目に入った。 エラい美人が座ってるなと、うっかり投げた視線は、ものの見事に相手と繋がった。
 絡み取られるように、吸い込まれるように、俺は目線を動かすこともできず、立ち止まっていた。
 唇が、ゆっくりとほころぶ。
 そこから声だけが、映画のワンシーンのように聞こえてくる。
 ――あら、今晩は。
 クスリと、噴水をバックに微笑んだその人物は、正確に俺の名前を言い当てた。
 声から逆算して、俺はようやく相手の正体に至る。
 水奏――クラスは違うが、その存在は当然俺も知っている。顔だけなら毎日テレビで見ているし、運がよければ学校ですれ違うこともある。
 だがまさか、たまたま通りがかった公園に彼女がいるとは思いもよらなかった。それに、向こうが俺のことを知っているだなんて、なおさらだ。
 なにしろこっちは、冴えない普通の男子高校生。天下のアイドル様が気に掛けるような対象じゃない。
 俺は、よお、だか、やあ、のどっちつかずで、ぎこちなく返事すると、水はふふっ、と笑い、続けた。
 ――塾の帰り?
 目のやり場に困る格好をした水は、そんな俺の迷いを知ってか知らずか、俺のことを見つめたまま尋ねてくる。
 どうして知っているのだろう――戸惑いながら、まあ、うん、と、答え、沈黙が生まれる。なけなしのメンツから勇気を振り絞り、お前は? と尋ね返す。
 ――そうね、ひとりで、月を見ているの。
 
 水は空を見上げた。
 白い喉がすっと立ち上った。
 髪がさらさらと、噴水を映して七色に流れた。
 その眩さにあてられ、俺はまたもや言葉を失ってしまう。
 ――あなたも、見ていく? ふふっ、その心算で来たんでしょう。
 一瞬、言葉の意味が理解が出来なかった。月を見る? あの水奏と、二人で?
 余りにも現実離れした状況で、俺はふと、手にぶら下がるアイスを思い出した。
 一も二もなくそれに縋った。
 アイス、食べるから。帰るわ。 
 水は一瞬きょとんとして、その後、ふふ、あはは、と、初めて歳相応に笑った。 
 
 その笑い声でようやく、俺は自分がどれだけ幼稚な発言をしたのかを自覚した。
 もうこれ以上この場に留まりたくなかった。
 じゃあな、と言葉ばかりを強くして、俺は駆け足で彼女の前を通り過ぎた。
 ――また会いましょうね。
 最後に流し見た視界の端で、唇が言葉を紡いだ気がしたけれど、確かめる勇気はなかった。
37: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――――――
…………コツ、コツ、コツ、コツ
P「……はぁ」
奏「さて……お待たせ、プロデューサー」
P「話は済んだのか?」
奏「ええ、振られちゃった。恥ずかしいトコロ――見られちゃったわ」
P「珍しいこともあるもんだな」
奏「結構、自信あったんだけど、ね……そんなことより、隣、どう? 月が綺麗よ」
P「…………」トスッ
奏「ほら、もっと近くに。心配しなくても、夜が隠してくれるわ」
P「意図的に隠れられると困るんだけどな」
奏「電話一本で駆けつけるなんて、プロデューサーの鑑ね! 素敵」
P「あのなあ……『公園に来て』って、都内に幾つあると思ってるんだ?」
奏「でも、一時間足らずで辿り着けた。ふふっ、運命みたいね」
P「噴水の音がしたからな。電話は、そのつもりだったんだろう?」
奏「そういうのは、口にしない方がモテるわよ?」
P「そういうんじゃなくてだな……」
奏「減らず唇を塞ぎたいのなら教えるわ、とっておきの方法よ」
P「いい加減にしないと、怒るぞ?」
奏「怒られるのは好きじゃないわね。叱られるのは嫌いじゃないけれど」
38: 以下、
P「こんな夜遅くに女の子一人で、何かあったらどうするんだ」
奏「それは、『アイドル 水奏』の心配? それとも『水奏』に向けての言葉かしら……その優しさ、嫌いよ。月並みな言葉なんか、あなたからは欲しくないわ」
P「…………むぅ」ポリポリ
奏「…………」
 分かっているわ。あなたが私の遊びに付き合ってくれているってこと。
 とぼけた顔して困った顔して、その掌でを躍らせて、大人びているといい気にさせれば。
 そうすれば、『水奏』はあの月の様に昏く輝くと、他ならぬあなたがはじめに観測したのだから。
 ならば私は、私が望むように――あなたに望まれたように踊るだけ。
 決して届かぬツェノンの背理が、少女の暴挙を赦す限りに。
奏「……なあんて、ね」スッ
奏(でも、我侭もここでお仕舞い。これ以上は……嫌われない自信がない)
奏「はぁ……うーん、身体、冷えきっちゃった。私、17歳だから。夜はここまでね。さあ、戻りま……ぁ」
――ぎゅうっ
奏「はぁ――ん、P、さん……っ? あっ、んん……っ」
P「……さっきのは『アイドル』に向けての『プロデューサー』からの忠告だ――『お前』に向けての『俺』の言葉は別にある」
奏「はぁ…………んっ」
P「夜は隠してくれる……でもな、隠した本心だけは、夜に見つかるんだよ」
奏「そう、なの……? ふふ……だったら。見せて欲しいわ、あなたの全部」
 
   
 
 私のも全部も 見ていいから
39: 以下、
 あ、んっ、んっ、んぅ、んっ、んんっ、ちゅうっ、ちゅぱっ、んちゅっちゅうっ、んっ、
 あぇろ、れろっ、ちゅうっ! あふっ、んふぅっ、んっあんあっ、ん……っ、んンっ!
 はあっ、ふうっ、はやく、キて、焦らさな…………あ、ああ、あ――あああああっ! んあっ、ああっ、うあぁ!!!
 あっ、すきよっ、あ、うんっ、うんっ! わたしあなたのものっ、だから、あっ、あっ、んっはぁう!! 
 おくっ、イっ、んっんん――――――んき、ゃぁっ!! あー! あつっ、あ、アあああああぁ!!!
 はあ。はあ、はあ、はあ、ふあ、ちゅっ、んちゅっ、ん――っ、んっ、ん……あン……ぅ
40: 以下、
――――――――――――――――
美嘉「Pさん、Pさん……っ好き、すきっ、んっ、もっと、もっと……ぉ!」
――――――――――――――――
かな子「えへ、あん……んっ、ん! おなか、Pさんのでアツい……だいすき、Pさんっ、あん……ぁ」
――――――――――――――――
奈緒「ぎゅっとして、ぎゅっとしてて……ぇ! ふあぁ、ああっ、すきだよっ、Pさん、はなしちゃ、いやっ、すきっ、ああっあっ、あ!」
――――――――――――――――
夕美「うあぁ……ふぁ、Pさん、の、おしべ、またナカで震えて……うぁ、あ……あふ、かぷ……っ、ん……ぅ」
――――――――――――――――
響子「だめですぅ……デキちゃうから、あっ、Pさんの赤ちゃん、デキちゃうから……ぁ、デキちゃう……えへ、あっあっ」
――――――――――――――――
奏「やっ、あっ、こんなの、あなただけ……んちゅっ、ん……だめ、はなしちゃ、や、いやっ、あぅ……んんん……っ」
――――――――――――――――
 第1話 完
41: 以下、
これでおしまいです
お読みくださったかた、ありがとうございました
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1463/14634/1463415083.html
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