【デレマスSS】千秋「茶道雪美」back

【デレマスSS】千秋「茶道雪美」


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1:
雪美大好き痴秋さんのお話です。
2:
千秋「あら、佐城さんお昼寝しているのね」
千秋「ふふっ、ペロも一緒なのね。 かわいらしいわ」
千秋「あらあら、よだれが出てるじゃない。 だらしないわよ。」
千秋(よだれ………? 佐城さんの……?)
千秋(これを使えば……!?)
千秋「ちょっとだけ、ちょっとだけだから……」
4:
――――――黒川宅
千秋(佐城さんのこの唾液と宇治茶で……)
千秋「出来たわ、これこそ最高のお茶よ」
千秋「早飲んでみましょう」
千秋「…………いいわね、このほのかなゆきみと宇治茶の苦味がいい塩梅ね」
千秋「まさに甘みと苦味の輝く世界の魔法ね」
千秋「でも何かしら、何か足りない気がするわ」
千秋「なにかしら、この気持ちは……」
千秋「そうだわ、こういうときにとっても頼りになる人が居るじゃない」
5:
――――――――――
千秋「というわけなの」
雪乃「………えっ?」
千秋「佐城さんがお昼寝をしているときに採取した唾液でお茶を煎じた結果美味しかったけれど何か足りないきがしたのよ」
雪乃「唾液」
千秋「だからこういうことはお茶に詳しい相原さんに聴こうと思ったの」
雪乃「すみません私緑茶は専門外なので……」
千秋「そう、でも何か通じるものはあるんじゃないかしら?」
雪乃「そうですね」
千秋「…………で、どうかしら」
雪乃「そ、そうですね。やっぱりお茶は皆で飲むほうがおいしく感じると思いますよ?」
千秋「ふふっ、そういうと思って持ってきたの。 少し味見してくれる?」
雪乃「えっ、え、えぇ……」
雪乃(私のばか!)
6:
千秋「相原さんに水筒で持ってきたお茶を飲ませるのは少し恥ずかしいけれど」
雪乃(恥ずかしがるところそこじゃないです千秋さん!)
千秋「大丈夫かしら?」
雪乃「だ、だ、大丈夫ですよっ?」
千秋「それじゃぁ、佐城さんに…乾杯」
雪乃「乾杯」
雪乃(何の因果で私は雪美ちゃんの唾液入り宇治茶の入った紙コップで千秋さんと乾杯してるんだろう)
雪乃(………味は普通の宇治茶で美味しいけれどなんだか複雑な気持ち)
千秋「どうかしら?」
雪乃「美味しい宇治茶ですね」
千秋「そうね、宇治茶のほろ苦さが佐城さんのゆきみを引き立てているわよね」
雪乃「はい」
千秋「確かに二人で飲むと1人で飲む時より楽しいわ」
雪乃「そうですか、よかったです」
千秋「それじゃぁまたね、相原さん」
雪乃「はい」
雪乃(一体なんだったのかしら……)
7:
千秋(確かに私も1人で飲むよりは大勢で飲むほうがいいと思ったのだけれど)
千秋(それでも何か足りないのよね)
千秋(そもそもの材料の問題?)
千秋(お茶はいいものを仕入れたはず)
千秋(じゃぁ佐城さんの唾液が問題だと言うの?)
千秋(そういえば唾液は精神状態によって成分が左右されるって聞いたことがあるわ)
千秋(つまり佐城さんがイチゴのことを考えているときの唾液を集めれば……!?)
千秋(早佐城さんの元へ向かいましょう)
8:
――――――――――
千秋(いたわ、篠原さんと喋ってるみたいね)
礼「雪美ちゃん、問題よ」
雪美「……………?」
礼「女の子と一緒にいるとすぐにたってしまうもの、なーんだ?」
雪美「……………………??」
礼「雪美ちゃんにはちょっとむずかしかったかしら?」
雪美「…………!」
礼「あっ、わかった?」
雪美「………ペロの毛…………!」
礼(えっ、ペロちゃんってそういう感じなの!?)
千秋「わかったわ、答えは時間ね。 佐城さんと一緒に居るとすぐ時間が経ってしまうんですもの」
礼「千秋、黙って」
9:
礼「ところで雪美ちゃん、ペロって女の子と一緒に居るといつも毛が立つの?」
雪美「……うん……千秋……見ると……すぐ……立つ…………」
雪美「ペロ……千秋……好き……ふふっ……」ナデナデ
ペロ「にゃぁ」
礼(それ怒ってるだけなんじゃ……)
ペロ(そうやで、でも雪美ちゃんに怒ってるって言いたくないやろ?)
礼(えっ、何今の!?)
千秋「少し佐城さんに話があるのだけれどいいかしら?」
雪美「…………?」
礼「いいわよ」
雪美「礼……また…………なぞなぞ……して……」
礼「えぇ、またね」
10:
――――――――――
千秋(というわけで佐城さんと二人きりになるために会議室にきたわ)
雪美「千秋……ここ……勝手に……入っちゃだめ……」
千秋「大丈夫よ、許可はもらったから」
雪美「…………そう………」
千秋「それでね、大学の実験で使うから唾液を採取させてほしいの」
雪美「………………?」
千秋「まずはこのイチゴの写真を見てちょうだい」
雪美「……………おいしそう…………」ダラーッ
千秋「それじゃぁ失礼するわ」
11:
――――――――――
千秋「というわけでこれが佐城さんがイチゴのことを考えているときに分泌した佐城さんの唾液いちご風味よ」
翠「唾液」
千秋「これとこの佐城さんと同じ京都で生まれ育った宇治茶を使って最高のお茶を作るわ」
翠「京都」
千秋「そして最高のお茶を私の最高のライバルでありパートナーでもあるあなたと飲む」
千秋「きっと素晴らしいお茶になる。そう思わない?」
翠「千秋さん」キュンッ
12:
千秋「………………出来たわ」
翠「はい、出来ましたね」
千秋「さぁ、翠さんどうぞ」
翠「これが、最高のお茶……」
千秋「飲みましょう」
翠「はい……!」
千秋「……………どうかしら?」
翠「何か足りないような気がします」
千秋「素直に言ってくれて嬉しいわ。 私もそう思っていたの」
千秋「でも何が足りないのかしら……」
翠「お茶請けでしょうか?」
千秋「なるほど、そういえば佐城さんがくれたイチゴ八ツ橋があるわ。 いただきましょう」
翠「大事にとっていたものを……いいんですか?」
千秋「いいのよ、食べ物は食べなきゃもったいないでしょう?」
翠「そうですね」
14:
千秋「イチゴの酸味と佐城さんのゆきみと宇治茶の苦味がとても素晴らしい三重奏を奏でているわ」
翠「えぇ、素晴らしいですね」
千秋「でも、やっぱり何か足りないわね」
翠「なんでしょう、私も何か大事なものがかけている気がします」
千秋「佐城さんと同じ場所で育ったお茶、佐城さんの唾液、佐城さんからもらったお菓子」
翠「素晴らしいことには変わりありません」
千秋「でも何か足りない」
翠「そうですね、根本的にゆきみ(形容詞)がかけている気がします」
千秋「もっと強いゆきみ………」
千秋「佐城さん自身!?」
翠「雪美ちゃん自身!?」
15:
千秋「それじゃぁ早佐城さんを呼んでくるわ」
翠「お願いします」
雪美「千秋……翠……私……ここに……居る…………」
千秋「わっ、佐城さんいつの間に」
雪美「八ツ橋……食べるところから……」
雪美「影から……見てた……巨人の……星……みたい……」
千秋「佐城さんよくそんな古い漫画知ってるわね」
雪美「菜々が……読んでた……」
翠「菜々さんもずいぶん渋い趣味をお持ちなんですね」
雪美「私に……用……? 何……?」
千秋「佐城さん、私達の間に座って」
雪美「……………うん」
翠「ふふっ、なんだか姉妹みたいですね」
千秋「佐城さん、八ツ橋どうぞ」
雪美「……んっ………」
千秋「美味しい?」
雪美「…………うん」
千秋「ふふっ、よかったわ」
雪美「………千秋………なんだか……嬉しそう…………いいこと……あった……?」
千秋「えぇ、佐城さんが八つ橋を美味しそうに食べてるのを見られて嬉しいわ」
雪美「…………?」
翠「ふふっ、不思議ですね。 自分で食べるよりも雪美ちゃんが食べてるのを見るほうが嬉しいなんて」
千秋「結局、佐城さんこそが究極のお茶請けだったのね」
終わり
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