比企ヶ谷「奉仕部部員共」back

比企ヶ谷「奉仕部部員共」


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1:
※キャラ崩壊
※下ネタ有り
※本家のネタ多用
※綺麗なヒッキー
以上の点、ご留意ください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1390209431
2:
 
 
小町「」ドドン
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
雪ノ下「総武高校奉仕部部則第一条」
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
小町「」ドンドンドン
雪ノ下「朝は一発ヌいていいわよ、その若さなら」
比企谷「始まりから最悪すぎる…」
3:
 
 
結論を言おう
青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ。
 
平塚「比企谷、私が課したレポート課題はなんだったかね?」
比企谷「これまでの高校生活を振り返って、というテーマでしたね」
平塚「ああ、私もそのつもりだ。なんだこのレポートは」
比企谷「いや、大体今の高校生ってこんな感じじゃないですかね」
平塚「爆発するのはお前の性欲だけでいい!」
比企谷「教師がそれ言っちゃダメでしょ」
4:
 
比企谷(どうせレポートの件で呼び出されることは分かっていたが、まさかこんな展開になるとは)
比企谷(いや、正直普段の授業からして嫌な予感がビンビンしていたものの、まさかぼっちである俺にまでこの調子だとは思わなかったわけで)
平塚「とにかく、君のその腐った性根を叩きなおさないといかんな」
比企谷「いや、そういうの本当に間に合ってるんで」
平塚「む、そうか。比企谷はMじゃなかったか…」
比企谷「いつ俺の性癖の話したんですかね?」
 
5:
 
 
平塚「雪ノ下、邪魔するぞー」
比企谷(強引に連れてこられてしまった…)
雪ノ下「平塚先生、ノックを」
平塚「おお、そうだったな。もしも雪ノ下がオ○ニー中だったらとんでもないことになっていた、すまない」
比企ヶ谷「いや、常識的なマナーの話じゃないんですかね?」
雪ノ下「大丈夫です、まだ盛り上がる前でしたから」
比企谷「もうやだこの高校」
比企谷(目の前にいる美少女は確か雪ノ下雪乃。詳しくはwikipediaで調べてくれ)
比企谷(とりあえず完璧超人で俺とは絶対に相容れないなとか思っていたらこの変態っぷりである)
 
6:
 
雪ノ下「ところで先生の隣にいるMっぽい男は誰ですか?」
比企谷「ねえ俺ってそんなにMっぽい?」
平塚「雪ノ下、こんな見た目でも比企谷はSだそうだぞ」
比企谷「先生、訂正してくれるのはありがたいんですがちょっと方向違います」
雪ノ下「Mっぽい容姿なのは否定しないのね」
比企ヶ谷「ツッコミが間に合わないんだよ!」
比企谷(どっちも見た目は美人なのに言動が残念ってレベルじゃねえ)
 
7:
平塚「コホン、彼は比企谷八幡。入部希望者だ」
比企谷「ども…ってえ?」
比企谷(何故か勝手に入部希望者になっていたでござるの巻)
雪ノ下「困ったわね…彼もS、私もSだとするとおそらく相容れない可能性が高いわ」
比企谷「心配するところが違うなぁ」
平塚「安心したまえ、彼のMの本能を目覚めさせるのが君への依頼だ」
比企谷「少し前のアンタ自身のセリフを思い出せ」
平塚(性根を叩きなおす→躾にはある程度の体罰が必須→お尻ぺんぺん→快楽の世界へ…)
比企谷「とりあえずその失礼な想像をやめろ」
 
8:
 
平塚「とにかく、頼んだぞ雪ノ下。逃げるなよ比企谷」スタスタ
雪ノ下「……座ったら?」
比企谷(…なんかよく分からんうちに入部させられていた)
比企谷(とりあえず俺の安穏なボッチ生活の為にもここは睨み効かせて嫌われる一手だな)ギロッ
雪ノ下「」ゾクッ
雪ノ下「はぁはぁ」
比企谷(あ、これダメな奴だ)
雪ノ下「もしかしたら私、Mの才能があるのかもしれないわね」
比企谷「聞いてないのに勝手に答えるの止めてくんない」
 
23:
──翌日
比企谷(今日も一日が終わった。帰ってチバテレビでも見るとするか)
比企谷(え?昨日入った部活?行くわけがない)
比企谷(誰が好き好んで部活なんかやるんだっての)スタスタ
比企谷(おまけにあんなツッコミが大変そうな部活…)ガラッ
平塚「比企谷、部活の時間だ」ニッコリ
比企谷「あのですね先生、生徒の自主性が云々」
平塚「学校は社会に適応されるための訓練の場であり、性知識を高める場だ」
比企谷「後者には同意できない」
 
24:
 
平塚「次に逃げようとしたら分かるな?あまり私の拳を煩わせないでくれ」
比企谷「拳は確定なのかよ…」
平塚「フィ○トファックだ」
比企谷「スルーしようとしたのに言いやがったこいつ!?」
平塚「さあ行くぞ」
比企谷「あー一人で行けますから、子供じゃあるまいし。もう逃げたりしませんよ」
平塚「気にするな、私が一緒に行きたいのだよ」ニコッ
比企谷「は、はぁ」ドキ
平塚「こういう強引なプレイも嫌いじゃないんだろう?素直になれよ」グイッ
比企谷「俺のトキメキをかーえせ」ズルズル
 
25:
 
比企谷(他人を見たら他人と思え)
比企谷(要するに気まずさとは「何か話さないと」という強迫観念があるから生まれるんだろう)
比企谷(俺レベルにまでなるとこういう状況にも慣れたもので、気まずさなんて感じないどころかこの疎外感を楽しむまである)
雪ノ下「……」ペラッ
比企谷(…………)
雪ノ下「はぁはぁ」
比企谷(……スルーしろ、別にツッコむ義理は無いだろ。つーかツッコんで何それキモいとか言われたら投身自殺しちゃうよ)
雪ノ下「……貴方、来たのね」
比企谷「別に来たくて来たわけじゃねえよ、勘違いするなよ」
雪ノ下「ひょっとしてそれは比企谷君なりの愛情表現なのかしら。ツンデレ的な表現で私に会いたいと」
比企谷「違ぇよ」
雪ノ下「違うの…」ショボン
比企谷「なんでしょんぼりされてんの俺」
 
26:
 
比企谷「そういやここって何部なんだ?」
雪ノ下「今更ね」
比企谷「まあ来る気なかったんで」
雪ノ下「ならゲームをしましょう。ここが何部か当てるゲーム」
比企谷「他に部員は?」
雪ノ下「いないわ」
比企谷(……他に何かヒントになりそうなものは)キョロキョロ
雪ノ下「ヒントならあげましょう」スッ
比企谷「なんだこれ」
雪ノ下「オ○ホよ、尻型の」
比企谷「降参するんでそれしまってください」
 
27:
 
雪ノ下「持つ者が持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの」
雪ノ下「ゲイにはホモを」
雪ノ下「SにはMを」
雪ノ下「モテない男子には理想の女子と理想のシチュエーションのエッチ本を」
雪ノ下「困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部活よ」
比企谷「例えがピンポイント過ぎない?」
 
28:
 
雪ノ下「優れた人間には憐れな者を救う義務がある」スッ
雪ノ下「よってあなたの問題を矯正してあげるわ」ビシーン
比企谷(いつもこのノリなのか…?)
雪ノ下「この鞭で」ピシィン
比企谷「矯正されるべきなのはお前だよ!」
雪ノ下「はぁはぁ」ゾクゾク
比企谷「しまったこのツッコミは逆効果か!?」
 
29:
 
比企谷「なあ、お前友達いないだろ」
雪ノ下「そうね、いないわ」
比企谷(随分素直だな…)
比企谷「だろうな。昼も放課後も一人で本読んでる時点で大体察してるけどさ」
雪ノ下「だって怖いじゃない」
比企谷「は?遠回しな自慢かなんかですか?」
比企谷「雪ノ下みたいな品行方正眉目秀麗文武両道と四字熟語をたくさん並べられるような完璧超人が、友達を作るのが怖い?俺へのあてつけかよ」
雪ノ下「経験が無いもの」
比企谷「経験?そんなもんお前なら黙ってても寄ってくるんじゃないのか?」
雪ノ下「処女喪失がナンパ男は流石に抵抗あるわ」
比企谷「うんごめん何の話してたっけ?」
雪ノ下「セ○レの事でしょう?」
比企谷「俺友達って言ったよね」
 
30:
 
比企谷(──まあ、なんだ。下ネタを除けば、の話だが)
比企谷(色々と話してみてわかったが、こいつは俺と似ている)
比企谷(雪ノ下雪乃は自らに決して嘘をつかない。その姿勢は評価しないでもない。それは俺と同じだから)
比企谷(──なら、俺と彼女は)
比企谷「なぁ、雪ノ下──」
比企谷「俺が友達に──」
雪ノ下「セクハラよ」
比企谷「うん違うから、そっちじゃないから。普通の方だから。今ちょっと良い事言おうとしてるんだから黙ってて」
雪ノ下「……そろそろ帰るわ」スッ
比企谷「このタイミングで!?どうすんのこのモヤモヤ感」
雪ノ下「比企谷君、オ○ニーは一日一回まで、私との約束よ」スタスタ
比企谷「もう帰ってください」
比企谷(やはり青春は擬態で欺瞞で虚偽妄言だ)
比企谷(というかいつもこんな感じなのか?)
 
41:
 
 
小町「」ドドン
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
雪ノ下「総武高校奉仕部部則第二条」
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
小町「」ドンドンドン
雪ノ下「トイレの目的外使用は、禁止」
比企谷「別にしねえよ…」
 
42:
 
平塚「君はあれか、調理実習にトラウマでもあるのか」
比企谷(サボった調理実習の代わりのレポートを提出したら、なぜか呼ばれた職員室。デジャヴ…)
比企谷「先生って現国の先生ですよね?」
平塚「私は生徒の性生活指導担当でもあるのだよ」
比企谷「まず先生が指導されるべきだと思いまーす」
 
43:
 
平塚「とにかく、調理実習をサボった理由を聞こう。簡潔に答えろ」
比企谷「や、あれですよ。クラスの連中と調理実習とかちょっと意味わかんなかったので…」
平塚「その回答がもう意味が分からないよ、比企谷。そんなに班を組むのが辛かったか?それともどの班にも入れてもらえなかったのか?」
比企谷「いやいや、何言ってるんですか先生。これは調理実習でしょう?つまりより実地に近くなければ意味が無く、俺の母親はいつも一人で料理しているので逆説的に云々」
平塚「つまり乱○は嫌、と…純愛派か」
比企谷「俺の話をどう解釈したらそんな回答が出てくるんだよ」
 
44:
 
平塚「やあ、奉仕部の諸君」
雪ノ下「何か用ですか?」
平塚「いやなに、君達が仲良く乳繰り合っているかの確認だよ」
比企谷「んなことしてませんよ…」
雪ノ下「……乳と呼ぶほど、胸ありませんから…」
比企谷「雪ノ下…」ブワッ
平塚「あの、その、なんか、本当にごめんなさい」
 
雪ノ下「中学時代、陰で板ノ下さんと呼ばれていたの。悲しい事に、私はその真意を一発で汲み取ったわ…」
 
45:
 
平塚「ちょ、ちょっとばかり変な空気になったが、本題に入ろう」
比企谷「先生が余計な事言わなきゃよかっただけの話なんですけどね」
平塚「それでだ、これから君達にはセッ○スをしてもらう!」
比企谷「……」
雪ノ下「……」
平塚「間違えた、勝負だ」
比企谷「一文字もあってないよ」
 
46:
 
平塚「これから君達の元には多くの依頼が舞い込んでくるだろう」
平塚「その依頼を君達が解決していく際に、どれだけ貢献したかを私が独断と偏見で判断する」
比企谷「そんなもん雪ノ下の圧勝じゃないですか」
平塚「そうとは限らないぞ、君の斜め下過ぎる発想が解決に導くことも無きにしも非ずだろう」
比企谷「はぁ…」
平塚「無論、勝者には例の敗者に何でも言う事を聞かせる権利を与えよう」
比企谷「な、何でもっすか」ゴクリ
雪ノ下「それは比企谷君のア○ル調教も可能という事でしょうか?」ハアハア
平塚「無論だ」
比企谷「絶対に負けられない戦いになっちゃったよ」
 
47:
 
比企谷(さて、平塚先生は行ってしまったが…)
比企谷(ぶっちゃけこの部活、ただの読書クラブだよな)
比企谷(依頼者なんて誰も来ないし、ここでぼーっと読書でもしてれば時間が流れていく)
比企谷(勝負も成立しないだろ)コンコン
雪ノ下「どうぞ」
比企谷(依頼者来ちゃったよ…)
由比ヶ浜「し、失礼しまーす」ガラッ
由比ヶ浜「ふぇ?、ここが奉仕部なんだぁ」キョロキョロ
由比ヶ浜「って、な、なんでヒッキーがここにいんのよ!?」
比企谷「……俺もここの部員だからだ。んな怒らなくてもいいだろ」
比企谷(ぼっちは存在すら害悪とでもいう気かこいつ)
由比ヶ浜「これ別に怒ってるわけじゃないし!二日目なだけだし!」
比企谷「理不尽に怒られた上に誰も聞いてない!」
 
48:
 
比企谷「ま、まあとにかく座れば?」
由比ヶ浜「あ、うん」
由比ヶ浜「よいしょっと」ストン
由比ヶ浜「ちべたっ」ビクッ
比企谷「何してんのお前」
由比ヶ浜「うん、ノーパンだから椅子の冷たさがダイレクトに」テレテレ
雪ノ下「比企谷君、何をしてるの」
比企谷(聞いてなければツッコむ義務は発生しない…!)ミミフサギ
 
49:
 
雪ノ下「由比ヶ浜結衣さん、ね」
由比ヶ浜「あ、あたしのこと知ってるんだ」パァ
比企谷「すげえなお前。全校生徒の名前知ってるんじゃねえの?」
雪ノ下「そんな事無いわ。貴方の事なんて知らなかったもの」
比企谷「そうですか……」
雪ノ下「別に落ち込むことではないわ。これは私のミスだもの。だから私を罰するというのならぜひ鞭で」
由比ヶ浜「異議あり、鞭よりも蝋の方がいやらしい上にお仕置きになると思います」
雪ノ下「そうね、異議を認めるわ。比企谷君、さあ蝋を私のお尻に垂らしなさい」
比企谷「却下だしお断りだ」
 
50:
 
由比ヶ浜「なんか楽しそうな部活だね」
比企谷「お前どんだけ目が悪いの?それとも濁ってんの?比企谷アイなの?って失礼だバカ野郎」
由比ヶ浜「いや、ヒッキ-が勝手にボケただけじゃん…」
比企谷(いかん、最近頭のおかしいやり取りをしまくっていたせいか俺も壊れてきている)
由比ヶ浜「でもさ、ヒッキ-教室にいる時とは全然違うじゃん!なんいうのかな、教室だと何も喋んないでボーっとしてるし」
比企谷「別にいいだろ…」
由比ヶ浜「だけど今のヒッキーはなんて言うんだろ?うーん…あ!」
由比ヶ浜「スク水を得たロリコン、的な」ドヤァ
比企谷「意味分かんねえよ」
比企谷(こいつも雪ノ下と同類か…)
比企谷(ドヤ顔が可愛かったのは胸の内に秘めておこう)
 
67:
 
由比ヶ浜「……あのさ、平塚先生から聞いたんだけど、ここって生徒のお願いをかなえてくれるんだよね?」
比企谷「そうなのか?」
比企谷(読書クラブかなんかだと思ってたぜ)
雪ノ下「少し違うかしら。あくまで奉仕部は手助けするだけ。願いがかなうかどうかは貴方次第」
由比ヶ浜「どう違うの?」
雪ノ下「エッチ本を求めている人に買い与えるか、河原で良くエッチ本が落ちている場所を教えるかの違いよ。ボランティアとは本来そうした方法論を与えるもので結果のみを与えるものではないわ。自慰を促す、というのが一番近いのかしら」
比企谷「そんなお節介いらない上に噛むところが最悪!」
由比ヶ浜「なるほど、よく分かったよ」
比企谷「何で分かる!?」
 
68:
 
雪ノ下「必ずしもあなたのお願いがかなうわけではないけれど、出来る限りの手助けはするわ」
由比ヶ浜「あ、あのあの…クッキーをね…」チラッ
雪ノ下「……」ジイッ
比企谷(由比ヶ浜が赤らんだ頬でこちらをチラチラと見ている)
比企谷(雪ノ下は俺を軽く見つめている)
比企谷(まあなんとなく察した。俺がいると話しづらい話題なんだろう。男子は出てって!って奴だな)
比企谷(空気を察してさりげなく行動するとか俺超KOOL)
比企谷「あ、俺ちょっと──」
由比ヶ浜「なんかじっと見られてると興奮するねっ」ハァハァ
雪ノ下「逆視姦もいいものよ」ニヤニヤ
比企谷「飲み物買ってきまーす!!!」
 
69:
 
比企谷「話終わったか?」ガララ
雪ノ下「丁度終わったところよ」
由比ヶ浜「凄かったよ雪ノ下さん…」トロン
比企谷(面倒だからスルー)
比企谷「で、何すんの?」
雪ノ下「家庭科室に行くわ。比企谷君も一緒にね」
比企谷「家庭科室?何すんの?」
由比ヶ浜「えへへ、子作り!」
比企谷「……」
由比ヶ浜「な、なぁんちゃって…クッキーつくりだよ」
比企谷「あ、そう」
由比ヶ浜「……」ショボン
雪ノ下「由比ヶ浜さんはクッキーつくりを手伝ってほしいそうよ。でも自信が無いから手伝ってほしい、というのが彼女のお願いね」
比企谷「それ友達に頼めよ…」
由比ヶ浜「こういうマジっぽい空気、友達とは合わない、から」
比企谷「はっ」
由比ヶ浜「あうっ…だ、だよねー。あたしみたいなのが手作りクッキーとかなに乙女ってんだよって感じだよね…」
雪ノ下「貴方が言うのならそれは構わないけれど…そこのS男の事は気にしなくていいのよ?AVの射○シーンでチ○コだけ映る男優みたいなものだから。強制的に手伝わせるし」
比企谷「今日も雪ノ下のフォローはキツいぜ!」
 
70:
 
由比ヶ浜「いいよいいよ!だって、あたしには似合わないし…」
雪ノ下「まあそうね、貴方のようなビッチっぽい人がやりそうなことではないわね」
由比ヶ浜「ビッチだなんて照れるよー」テレテレ
比企谷「そこ照れるところじゃないって」
由比ヶ浜「や、やっぱ変だよね…?」チラッ
比企谷「……いや、別に変だとかキャラじゃないとか似合わないとか柄でもないとかそう言う事が言いたいんじゃなくてだな、単純に興味がねぇんだ」
由比ヶ浜「もっとひどいよ!」
由比ヶ浜「ヒッキーマジありえない!あー腹立ってきた。あたし、やればできる子なんだからねっ!超美味しいクッキー作ってアヘ顔ダブルピースさせるし!」
比企谷「しないよ」
 
71:
 
 
──家庭科室にて。
 
 
由比ヶ浜「あ、あのさ、ヒッキー」
比企谷「な、なにかね?」
比企谷(やべ、エプロン姿見てにやけたのばれたか?)
比企谷(男の子だもの、仕方ないだろ)
由比ヶ浜「家庭的な女の子って、どう思う?」
比企谷「別に嫌いじゃねえけど。男ならそれなりに憧れるもんじゃねえの」
由比ヶ浜「そ、そっか…」
比企谷(む…なんでそこで微笑むの勘違いしちゃうだろやめろ)
由比ヶ浜「そういえばヒッキーってさ、嫌いなものとかある?」
比企谷「いや、特に思いつかん。自慢じゃないが大体のもんは食って美味いと言えるレベルの舌だ」
由比ヶ浜「そっかー、ヒッキー凄いね。あたしはあれが嫌いかな、あわび」
比企谷「は?なんでだよ、美味いだろ?」
由比ヶ浜「なんかね、共食いしてる気分になるの」
比企谷「へぇ」シコウテイシ
雪ノ下「職務放棄は感心しないわね」
 
93:
 
由比ヶ浜「あ、そだそだ」ガサゴソ
比企谷「ん?何してんのお前」
由比ヶ浜「ほら、あたし料理なんてしたことないじゃん?」
比企谷「知らんけど。まあしてなさそうな感じだな」
由比ヶ浜「だからさ、料理本持ってきたんだー。今日持ち物検査だったからマジ焦ったし!」ガサゴソ
比企谷「すげーどうでもいい。…まあ、料理本見りゃベタな失敗はしないだろ」
由比ヶ浜「これかな」スッ
『SM倶楽部』
由比ヶ浜「これは私の愛読してる雑誌だったよ」テレテレ
比企谷「この学校の持ち物検査はどうなってるんだよ」
 
94:
 
由比ヶ浜「よーし、やるぞ!」
由比ヶ浜「たーまーごーまーぜまぜー」グルグル
由比ヶ浜「バター投入っ」ポトッ
由比ヶ浜「お砂糖をサラサラー」シオザバー
由比ヶ浜「バニラエッセンスを少々」ドバー
由比ヶ浜「牛乳をアクセントに!」ドバドバ
由比ヶ浜「むふん、料理って案外楽しいかも!」
雪ノ下「……」クラッ
比企谷(こいつの料理スキルが修羅場過ぎて雪ノ下がふらついてるぞ)
由比ヶ浜「さて、と」ドサッ
比企谷(小瓶…?飲み物かなんかか?)
比企谷「飲み物か?飲み物があった方が食も進むし、気が利いてるな」
由比ヶ浜「はあ?違うんですけど!これ隠し味だから。飲むとちょっとドキドキするやつ!」
比企谷「はい没収」
 
96:
 
由比ヶ浜「完成っ」
比企谷「何が完成だ。お前これなんだよ、何を作りたかったの?クッキーっつったよね?形からして違うんだけど、ホットケーキなのコレ」
由比ヶ浜「な、なんでだろ…」
雪ノ下「理解できないわ…どうしたらあんなにミスを重ねられるのかしら…」
由比ヶ浜「で、でもさ!見た目はあれだけど…その、味はどうか分からないじゃん?」
雪ノ下「そうね、味見してくれる人がいるし」
比企谷「ふははは!雪ノ下。お前にしては珍しい言い間違いだな。……これは毒見っていうんだ」
雪ノ下「大丈夫よ。こいつと付き合う前に軽く味見しとくか、みたいなノリで食べて頂戴」
比企谷「どんなノリだよ…つーかマジで食うのかこれ。黒ずみ過ぎて木炭みたいになってんぞ」
雪ノ下「食べられない原材料で作ってるわけではないし、私も食べるわ」
比企谷「マジで?お前ひょっとしていいやつなの?」
雪ノ下「Mに目覚めつつある私にならこの程度の罰ゲーム、快感へと変えてみせるわ」
由比ヶ浜「私のクッキー罰ゲーム扱い!?」
比企谷「ツッコミが中途半端だよ由比ヶ浜…」
 
97:
 
雪ノ下「結論としては」
比企谷「不味い。リアルな不味さ。漫画みたいに気絶できた方がマシなレベル」
雪ノ下「概ねあってるわね。噛んではいけない劇薬みたいな感じよ」
由比ヶ浜「二人とも酷い!?」
雪ノ下「さて、じゃあどうすればよりよくなるか考えましょう」
比企谷「由比ヶ浜が二度と料理しないこと」
由比ヶ浜「全否定された!?」
雪ノ下「比企谷くん。それは最後の解決方法よ。」
由比ヶ浜「それで解決しちゃうんだ!?」
雪ノ下「……なるほど、解決方法が分かったわ」
比企谷「どうすんだ?」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、さっきから貴方私達に隠れてバ○ブオ○ニーしてるでしょう?」
由比ヶ浜「あちゃー!ばれちゃったかー」ヴィィィィイイン
比企谷「こっちがあちゃーだよ」
 
99:
 
雪ノ下「……結局バ○ブを抜いても変わらないわね」
比企谷「そりゃそうだろ…」
 
由比ヶ浜「やっぱりあたし料理向いてないのかな?才能っていうの?そーゆうの無いし……」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、まずはその認識を改めなさい。最低限の努力をしない人間には才能のある人を羨む資格は無いわ」
由比ヶ浜「で、でもさ、こういうの最近やんないっていうし。…やっぱりこういうの合ってないんだよ、きっと」ニヘラ
雪ノ下「……ッ」ドンッ
比企谷(こっわ)ビクッ
雪ノ下「……その周囲に合わせようとするのやめてくれるかしら。ひどく不愉快だわ。言っておくけど、私はMであるけどSでもあるの。自分の不器用さ、無様さ、愚かしさの遠因を他人に求めようなんて恥ずかしくないの?貴方みたいな態度の人ってただ単純に不愉快なだけなの」
比企谷(ダメだ…耐えろ今はシリアスシーンだ……)プルプル
由比ヶ浜「……っ」プルプル
雪ノ下「……」
由比ヶ浜「き……気持ちいいっ」ブルッ
比企谷「えっ」
由比ヶ浜「人に建前とか冗談じゃなくて、本気で攻めてくれるんだ……。なんていうか、すごく気持ちいいっ」ハアハア
比企谷「俺の我慢を返せよぉ!」
 
100:
 
雪ノ下「えっと、あの…私結構本気で言ってたのだけど……」
由比ヶ浜「うん、それは分かってるよ。だからこそすごい気持ち良くて…えへへ」
比企谷(もうツッコむの面倒くさくなっちゃったなー)
由比ヶ浜「でも、やっぱ本音っていいね。あたし人に合わせて合わせられてばっかりだったから、こういうの初めてで…」
雪ノ下「……」
比企谷(逃げないのか…)
由比ヶ浜「こうやって性癖の話を素直に話せるのってやっぱりいいもんだね」
比企谷「それは勘弁してくんない?」
 
101:
 
由比ヶ浜「……ごめん。次はちゃんとやる」
比企谷(正論をぶつけられて素直に謝れる……案外こいつ、凄いやつなのかもな)
雪ノ下「……」ソワソワ
比企谷(あーこれ雪ノ下さんアドリブ弱いパターンかよ。まあ大抵の奴はあそこまで言われたら顔真っ赤でムキーがデフォだろうしな…)
比企谷「……正しいやり方を教えてやれよ。由比ヶ浜もちゃんと聞け」
雪ノ下「……ふぅ。そうね、見本を見せるから、その通りにやってみて」スッ
 
──少し時間が流れて。
 
 
雪ノ下「どうぞ」
比企谷「そうそう、クッキーってのはこういうもんだよ。つーわけで頂きます」モグモグ
由比ヶ浜「一言多いよヒッキ?!」モグモグ
比企谷「うまっ!お前何色パティシエールだよっ!」
由比ヶ浜「うわぁ…ほんとおいしい。雪ノ下さんすごい…」
雪ノ下「ありがとう」ニコッ
雪ノ下「でもね、レシピに忠実に作っただけなの。陰毛や体液なんか入れてないわ」
比企谷「当たり前だよ」
 
102:
 
由比ヶ浜「あ、あたしにもこういう美味しいクッキー作れるかな?」
雪ノ下「ええ、レシピ通りにやればね」
比企谷(かくして、由比ヶ浜のリベンジマッチが始まった)
比企谷(ここではその一部を抜粋してお送りしよう)
雪ノ下「そこはもっと円を描くように粉を振るうの。円よ、円。小学校で習わなかった?」
雪ノ下「混ぜるときはボウルを抑えて。それじゃあボウルごと回転して全然混ざってないわ」
雪ノ下「違うの。違うのよ。隠し味はいいの、桃缶は今度にしましょう。そんな水分を居れたら生地が死ぬわ。死地になるわ」
比企谷(とまあこの雪ノ下のセリフを聞けば分かる通り、リベンジマッチも敗戦の色を濃くしていた)
由比ヶ浜「……なんか違う」
雪ノ下「どうすれば伝わるのかしら……」
比企谷(雪ノ下がうんうんと唸っているが、たぶん雪ノ下が教えている限りは、絶対に上手くは行かない)
比企谷(こいつは天才であるがゆえに、出来ない人間の気持ちが、思考が理解できない)
比企谷(由比ヶ浜が出来ないことを理解できない、だがそれは雪ノ下が悪いのではない。問題は由比ヶ浜にある)
由比ヶ浜「なんでできないのかなぁ…言われたとおりにやってるのに」
比企谷(まあ素直な言い方をしてしまえば、残念な奴には何を言っても残念な奴には理解が出来ない)
比企谷(何度繰り返してもその溝は埋まることは無いだろう──このままでは)
 
103:
 
比企谷「あのさあ、さっきから思ってたんだけど、お前らなんでそんなにうまいクッキー作ろうとしてんの?」
由比ヶ浜「はあ?」
比企谷「お前さあ、自称ビッチのくせに何にもわかってないのな」
由比ヶ浜「ビッチ関係ないし!」
比企谷「男心が全く分かってないわ、お前」
由比ヶ浜「あ、あたしは最近流行りの処女ビッチだもん!男子とか付き合ったこととか無いし!」
比企谷「むしろ処女でその耳年増っぷりは尊敬を覚えるレベルなんだけど」
雪ノ下「別に由比ヶ浜さんのマ○コ事情はどうでもいいのだけど。結局比企谷君は何が言いたいの?」
比企谷「もう少し言い方ってもんがあるだろ!?」
 
104:
 
比企谷「……ふっ。どうやらお前らは本当の手作りクッキーを食べたことが無いみたいですね。十分後ここに来なさい。俺が“本当のクッキー”って奴を教えてあげますよ」
由比ヶ浜「むっ…上等じゃない!」スタスタ
雪ノ下「……」ズルズル
比企谷(……さて、ここからは俺のターンだ)
 
──少し時間が流れて。
 
 
比企谷「どうぞ」
雪ノ下「形も不揃い、黒焦げあり…これって──」
由比ヶ浜「ヒッキ?これが本当のクッキー?ぷぷっ、全然大したことないじゃん!食べるまでもないし!」
比企谷「……ま、まあまあ食べてくださいよ」イライラ
由比ヶ浜「そ、そこまで言うなら…」スッ
雪ノ下「……」スッ
由比ヶ浜「あ、陰毛とか入ってないよね?」
比企谷「お前らじゃないんだから入れるわけないだろ……」
由比ヶ浜「エッチな気分になる薬も?」
比企谷「良いから食え」
 
105:
 
由比ヶ浜「特別何かがある訳でもないし、時々ジャリってするしぶっちゃけあんまりおいしくない!」ギロッ
雪ノ下「……」ジーッ
比企谷「美味しくなかったか…頑張ったんだけどな」
由比ヶ浜「え、あ、その、ごめん…」
比企谷「わり、捨てるわ」スッ
由比ヶ浜「ま、待って!べ、別に捨てるほどじゃないでしょ!……別にいうほど不味くない、し」
比企谷「……ま、これ由比ヶ浜がさっき作ったクッキーなんだけどな」
由比ヶ浜「は?」
比企谷「ま、俺が作ったとは言ってないので嘘はついてないからな」シレッ
由比ヶ浜「え?え?……じゃああたしがさっきうっかり入れちゃった媚薬入りクッキーなのコレ!?」
比企谷「お前本当に何してんの!?」
由比ヶ浜「冗談だよ」
比企谷「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ!」
 
106:
 
雪ノ下「……で、この茶番の意味は?」
比企谷「ま、端的に言うとだ。お前らはハードルを上げすぎてるんだよ」
比企谷「フッ…ハードルという競技の主目的は飛び越えることじゃない。最のタイムでゴールすることだ。飛び越えなくちゃならないなんてルールは無い」
雪ノ下「いいえ、ハードルは高ければ高いほど失敗したとき股に食い込んで痛気持ちいいわ」
由比ヶ浜「その意見に賛成です」
比企谷「そう言う話してるんじゃねー」
 
107:
 
雪ノ下「言いたいことは分かったわ。ようは手段と目的を取り違えてたと言う事でしょう?」
比企谷「せっかくの手作りクッキーなんだ、手作りの部分をアピールしなきゃ意味がない。市販の物よりも味が悪いくらいでいいんだよ」
由比ヶ浜「悪い方が良いの?」キョトン
比企谷「ああ、そうだ。上手くできなかったけど一生懸命作りました!ってところをアピールすれば男はコロッと勘違いするんだよ」
由比ヶ浜「そんなに単純じゃないでしょ…」
比企谷「そういうもんだよ、男なんてな。話しかけられるだけで勘違いするし、手作りクッキーってだけで嬉しいの」
比企谷「別に特別何かがある訳でもないし、時々ジャリってするしぶっちゃけあんまりおいしくない!やつでもいいんだよ」
由比ヶ浜「うっさい!」
由比ヶ浜「あもう腹立つ!もう帰る!」スッ
比企谷「……まあ、アレだ。お前の気持ちがこもってればそれだけで男心ってのは揺れるもんだよ」
由比ヶ浜「ヒッキ?も揺れんの?」
比企谷「あ?あーもう超揺れるね。タイダルウェイブ位。むしろ優しくされただけで好きになるレベル」
由比ヶ浜「ふ、ふぅん。……その、気持ちを込めるってさ、陰毛とか入れればいいのかな?それともラブジュース?」
比企谷「何の話だよ」
 
108:
 
雪ノ下「由比ヶ浜さん、依頼の方はどうするの?」
由比ヶ浜「あれはもういいや!今度は自分のヤリ方でやってみる!ありがとね、雪ノ下さん!」
雪ノ下「そう。…貴方なりのヤリかた、見つけられるといいわね」
由比ヶ浜「また明日ね、バイバイ!」ヒラヒラ
雪ノ下「ええ」
比企谷(今の会話におかしい所は無かったのに何か違和感を感じるのはなぜか)
 
109:
比企谷(こうして俺が奉仕部に入ってから初の活動は終わりを告げた)
比企谷(ここがどう言う事をする部活なのは理解できた)
比企谷(こういう面倒はこれっきりにして欲しいもんだけどな……普段だけで手一杯だっての)
雪ノ下「帰宅準備は終わったかしら?鍵を閉めたいのだけど」
比企谷「おう」
比企谷(俺が雪ノ下や由比ヶ浜のえげつないシモトークを捌けるのにはそれなりの理由がある)
比企谷(……はあ、俺に心の休まる場所は無いな。下ネタさえなければどいつもこいつも妹も、可愛いんだけどな)
 
──翌日。
 
 
由比ヶ浜「やはろー」
雪ノ下「……何か?」
由比ヶ浜「あれ…なんか歓迎されてない感じ……?もしかして雪ノ下さん、あたしのこと嫌い……?」
雪ノ下「別に嫌いじゃないわ。ちょっと苦手なだけよ」
由比ヶ浜「それ女子言葉では嫌いと一緒だかんね!?」
雪ノ下「で、なんの用かしら」
由比ヶ浜「えっと、昨日のお礼を兼ねて、クッキーを作ってみました!いやー料理って面白いよねー!」
雪ノ下「……ごめんなさい、今日私月イチのアレの日だから食欲無いの」
由比ヶ浜「生理の日はむしろ食欲わくでしょ!」
比企谷「そのツッコミはなってねえよ由比ヶ浜!」
 
110:
 
由比ヶ浜「あ、でさでさ、ゆきのん今度一緒にお昼食べようよ!」
雪ノ下「いえ、私一人で食べるのが好きだからちょっと。あとゆきのんって背筋がぞくぞくするからやめてくれる?」
由比ヶ浜「うっそ、寂しくない?ゆきのんどこで食べてるの?」
雪ノ下「部室だけど……、私の話、聞いてる?」
由比ヶ浜「あ、それでさ、あたしも放課後とか暇だし、部活手伝うね。いやーもうーなに?お礼?これはお礼だから!全然気にしなくていいからね!」
雪ノ下「……話、聞いてる?」チラッ
比企谷(助けを求められたって知らん。……お前の友達だろ)
比企谷(これは雪ノ下が努力したからこそ得られた結果である訳だし、俺が邪魔しちゃ悪い)スタッ
比企谷「……お疲れさん」ボソッ
由比ヶ浜「あ、ヒッキ?」ブンッ
比企谷「うお、あぶね」パシッ
由比ヶ浜「いちおーお礼の気持ち?ヒッキ?も手伝ってくれたし」
比企谷「……そういうことなら」スタスタ
由比ヶ浜「別に変なものとか入ってないからね!変なものは!」
比企谷「一言多いだけでこんなに不安に駆られるとは…由比ヶ浜さんマジぱねー」
比企谷(こうして俺の周りに変態包囲網が張られていった)
比企谷(oh…)
 
 
111:
以上、ガハマ編終わりで本日の投下を終了します。
ネタの都合上材木座部分丸々カットします。材木座は好きな人は脳内補完してください。オナシャス
後ネタの解説とかクッソ恥ずかしいので出来ません、貴方の解釈が正解です。
123:
 
 
小町「」ドドン
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
雪ノ下「総武高校奉仕部部則第三条」
由比ヶ浜「」ピッピッピッ
小町「」ドンドンドン
雪ノ下「読んだエロ本はクラスで回し読みしなさい!」
比企谷「だめ、だーめ!」
 
124:
比企谷「……」
比企谷(昼休み。その辺のぼっちにとっては地獄の時間と呼ばれる時間である)
比企谷(しかしプロぼっちである俺にしてみれば昼休みは思考であり至福の時間である)
比企谷(はずだったが、なんともまあ具合の悪いことに、空模様は雨。このままではベストプレイスで飯を食うプライスレスな時間は過ごせないだろう)
比企谷(そんなとき、ぼっちはどうするのか?──思考である)
比企谷(とりとめのないことをひたすらに考え、身の無い思考をただ紡いでいく)
比企谷(そんな風に思考の海へと沈んでいく俺の瞳に、教室の端で煌びやかな光を放つ一行を発見する)
比企谷(──三浦由美子を中心とした、クラス上位カーストの連中だ)
比企谷(葉山何たらっていう超絶イケメンもいるが、何故か周りのモブと同じくらいに空気感が小さくなっている)
三浦「あーし今日サーティーワンでアイス食べたーい。チョコとショコラダブルのやつ」
由比ヶ浜「それどっちもチョコじゃん?」
三浦「ええー。全然違うし、ていうか超お腹減ったし」
比企谷(まあこの会話を見れば分かる通り金髪縦ロールという派手な格好に由比ヶ浜よりも数倍頭の悪い言動)
比企谷(はっきり言って苦手だ。つーか純粋に怖い。何言われるか分かんないし)
 
125:
由比ヶ浜「やーでも由美子、あんまり食べ過ぎると太っちゃうよ?」
三浦「あーしいくら食べても太んないし。やっぱ今日も食べるしかないかー。ね、ユイ?」
由比ヶ浜「うーんあたしはちょっと厳しいかも…」
三浦「は?なんで」
由比ヶ浜「アイス食べ過ぎて太りたくないし!」
三浦「ユイもスタイルいいし全然大丈夫っしょ、あーしが保証する」
由比ヶ浜「でも太ったらプレイの幅が狭まるんだよ!?ボテ腹プレイとか一部の層しか喜ばないよ!!」
三浦「あーしユイをアイスに誘うのはもうやめるわ」
比企谷「!?」
 
126:
 
比企谷(今のは一見女子同士の軽いじゃれ合い…だが、あの由比ヶ浜のジョークを返せる…だと…?)
由比ヶ浜「あーでも由美子マジ神スタイルだよねー」
三浦「えーそうかなー」
由比ヶ浜「胸とか超大きいし!」
三浦「ちょっと言い過ぎだって」
由比ヶ浜「超美人だし!」
三浦「ユイだってかわいーじゃん」
由比ヶ浜「脚とか超キレーだし足コキフェチにはたまんないよね!」
三浦「それは褒め言葉じゃなーい」
比企谷「!?」
 
127:
 
由比ヶ浜「ってこんなことしてる暇なかったんだった!」
三浦「?どしたん」
由比ヶ浜「いやーちょっと行くところがありまして」
三浦「そうなん?じゃあ帰りにあれ買ってきてよ、レモンティー。あーし今日飲みもん持ってくんの忘れててさー」
由比ヶ浜「んー今はちょっと出ないから難しいかな」
三浦「は?」
由比ヶ浜「別に今は催してないし…出せって言うなら頑張るけど」テレテレ
三浦「あーし頼んだのレモンティだよ!」
 
128:
比企谷(……三浦…)
三浦「つーかさユイ最近付き合い悪くない?」
由比ヶ浜「や、やーそれはちょっとやむに止まれぬ事情がありますと言いますか」
三浦「それじゃ分かんないから。言いたいことあんならはっきり言いなよ。あーしら友達じゃん」
由比ヶ浜「ご、ごめん…」
三浦「ごめんじゃなくてさー、何か言いたいことあんでしょ?」
比企谷(アホくさ…身内で潰し合え──と、普段の俺なら言っていただろう)
比企谷(だが、ここで三浦と由比ヶ浜の中に亀裂が走ろうものなら、由比ヶ浜&雪ノ下という頭の痛くなる絶望コンビが完成してしまう)
比企谷(ここは多少強引にでも二人の仲を何とか戻して三浦には由比ヶ浜のツッコミを頼みたい)
比企谷(決して由比ヶ浜が可哀想とかではない。なぜなら──)
由比ヶ浜「はぁはぁ」ドキドキ
比企谷(これ助けなくてもいいかな俺ー)
 
129:
 
比企谷「おい、その辺で──」
三浦「るっさい」
比企谷「……そ、その辺でジュースでも買ってこようかなぁ…や、やっぱやめようかなぁ…」
比企谷(なにこれ超怖い)
比企谷(人ってあんなに冷淡になれるの?あれ完全に殺す気だったよ?鷹の目のユミーコとかそんな感じだったよ?)
比企谷(やっぱ友達になれそうとか淡い期待だわクソ)
三浦「あんさーユイの為に言うけどさ、そう言うはっきりしない態度って結構イラッとくるんだよね」
由比ヶ浜「ご、ごめん…」
三浦「またそれ?」
由比ヶ浜「……っ」
比企谷(……雲行きが怪しくなってきたな。いつの間にか由比ヶ浜もガチビビりしてるし)
比企谷(もうその辺にしてやれよ。面倒くせえ。……どうせ嫌われるも何もねーし、リスクゼロならちょっと位でしゃばっても)
雪ノ下「貴方は遅漏なの?由比ヶ浜さん」
比企谷「登場の仕方が酷過ぎんだろ!?」
 
130:
 
雪ノ下「由比ヶ浜さん。貴方自分から誘っておいて待ち合わせ場所に来ないのは人としてどうかと思うのだけれど」
由比ヶ浜「ご、ごめんね…?」
雪ノ下「遅れるのなら連絡の一つでも寄越すのが筋じゃないのかしら」
由比ヶ浜「でもあたしゆきのんの携帯知らないし…」
雪ノ下「そう?なら貴方が一概に悪いとも言えないわね。今回は不問にしましょう」
由比ヶ浜「あ、ありがとう…?」
雪ノ下「貴方を待っている間全裸で待っていたのだけれど、寒くて服を着てしまったわよ」
三浦「いや、意味わかんないし」
雪ノ下「俗に言う全裸待機よ」
比企谷「わけがわからないよ」
 
131:
三浦「つーかあーしら話まだ終わってないんだけど?」
雪ノ下「何かしら?貴方と話す時間が惜しいのだけれど」
三浦「ハ、はあ?いきなり出てきて何言ってんの?いまあーしユイと話してたんだけど」
雪ノ下「話す?がなり立てるの間違いじゃなくて?あなた、あれが会話のつもりだったの?ヒステリーを起こして自分の意見を一方的に押し付けているようにしか見えなかったのだけれど」
三浦「なっ!?」
雪ノ下「気付かなくてごめんなさいね。貴方たちの生態系に詳しくないものだから」
三浦「??っ」
比企谷(全裸の女王と滾るツッコミの女王)
比企谷(個人的な気持ちを含めばツッコミの女王に勝ってほしい気持ちはある)
雪ノ下「あまり虚勢を張るのやめなさい。貴方の胸のパッド同様、すぐに剥がれ落ちるわよ?」
三浦「は?これ正真正銘本物の乳だけど」
雪ノ下「……メイクの間違いよ」
比企谷「雪ノ下……っ」ブワッ
 
132:
雪ノ下「先に行くわね」
由比ヶ浜「う、うん…あたしもすぐ行くからっ」
雪ノ下「待ってるわ」
三浦「……ふん」
比企谷(俺も出ていこう…なんか疲れたわ……)スタスタ
由比ヶ浜「……ありがと、さっき立ち上がってくれて」
比企谷「……」
由比ヶ浜「あ、股間も勃ち上がったとかいうオチはいらないよ?」アセアセ
比企谷「お口にチャーック」
 
139:
 
 
──朝。
 
 
小町「ふ?んふ?ん♪」ペラッ
比企谷(眠い……)モシャモシャ
比企谷(つーか小町、行儀わりーな)モグモグ
比企谷(あーあー苺ジャムが唇の上にべっとり付いてるし…雑誌なんて家帰ってからでも読めるだろ)モグモグ
小町「へぇ?」
比企谷(へえ?じゃねえよ。どうせラブ活だのなんだのとかいう低偏差値の雑誌だろ)
比企谷(もうすぐ家でる時間だし、ここは兄としてびしっと)
比企谷「おい、朝っぱらから雑誌読むな。時間見ろよ」
小町「うっわやばあ!」
比企谷「いやいやお前口元見ろ、ジャム付いてるぞ」
小町「え?ウソ?ジャムってる?…ってなんだあ、ただの鼻血じゃん」
比企谷「いや鼻血の方がやばいだろ、大丈夫かよ」
小町「大丈夫だよ、お兄ちゃんの部屋に隠されたトレジャー読んでちょっと興奮しちゃっただけだから」
比企谷「よーしお兄ちゃん、妹にお説教しちゃうぞー」
 
140:
 
小町「よいしょっと」ヌギヌギ
比企谷(ここで脱ぐなここで)
小町「お兄ちゃん洗濯籠に入れといてー」ポイッ
比企谷(……はあ。ったく)バサッ
比企谷(ま、下着姿を見ようが素っ裸を見ようが妹は妹である。そこにときめきなんて微塵もない)
比企谷(とっとと洗濯籠にぶち込んどくか…)スッ
小町「あ、そだ。お兄ちゃん、朝勃ち処理用に小町の下着いる?」
比企谷「俺の妹がこんなに下品なわけが無い」
 
141:
 
小町「お兄ちゃん!準備できた!」
比企谷「お兄ちゃんまだコーヒー飲んでるからちょっと待って」
小町「ちっこく♪ちっこく♪」
比企谷「遅刻したいのかしたくないのか判断に微妙に困るな、それ」
小町「お兄ちゃん早く!ゆっくりしてるからこんな時間だよ!」グイグイ
比企谷「ったく、このガキ……」スタスタ
小町「レッツゴー!」
比企谷「お前感謝とかないのな?」
小町「今度は事故ったりしないでよ?」
比企谷「俺が一人の時は事故ってもいいのかよ…」
小町「いやいやいや、お兄ちゃん時々ダッチ○イフみたいな目をしてボーッとしてるから心配なんだよ。これは妹の愛だよ!」
比企谷「意味はすっごい伝わるんだけど他に言い方なかった?」
 
142:
 
比企谷「……ま、気を付けるよ」
小町「特に、小町が乗ってる時は気を付けて、マジで」
比企谷「段差のあるとこだけ選んで走ったろか、このガキ」
小町「ふふーん残念でしたっ!小町はMです」
比企谷「うんちょっと意味が分からない」
 
143:
 
比企谷(そういや、あの事故からもう結構経ってるのか…)
比企谷(俺は入学初日、交通事故に遭っている)
比企谷(入学式、新しい生活にワクワクしてしまったあまり、一時間も早く家を出たのが運の尽きだ)
比企谷(──あれは、七時ごろだっただろうか)
 
 
──回想
 
 
???「ふんふんふ?ん♪……ん、あれは…っ!」
???「どうしてこんなところにあたしの愛読書のSM倶楽部が!?しかもこれあまりに内容が過激すぎて発禁になった限定モノじゃん!」
???「ごくり…ちょっと……ちょっと読むだけだから」ハアハア
犬「ワンッ」
???「あ、サブレ!そっちは危ないからだめぇ──!」
比企谷「!」
比企谷(リムジンが…このままだと轢かれるぞあの犬)
比企谷(あーくそッ!)ダッ
 
 
比企谷(まあ勿論、無傷だったわけもなく、俺はあっさりと轢かれた)
比企谷(その結果、救急車で搬送され、三週間の入院)
比企谷(入学ぼっちが確定した瞬間である)
 
150:
 
小町「でもさ、早く治ってよかったよねー」
比企谷「ま、そうだな」
小町「やっぱあれかなギプスが良かったのかな、やっぱ打ち身には石膏が効くよねー」
比企谷「ばっかお前、あれは軟膏のおかげに決まってるっつーの。つか、打ち身じゃなくて骨折だし」
小町「またまたそんなこと言ってー、本当はアレでしょ?」
比企谷「アレ?」
小町「もー入院初日に退屈しないようにって漫画貸したでしょ?」
比企谷「確かに暇つぶしにはなったな」
小町「気の利く妹は夜も退屈しないように漫画と漫画の間にエッチ本を仕込んでみたわけだけど」
比企谷「気の利く兄は丁寧にゴミ箱に捨てたよ」
151:
 
小町「そいやさー、あの事故の後、あのワンちゃんの飼い主さん。ウチにお礼に来てたよ」
比企谷「知らなかったな……」
小町「お兄ちゃん、寝てたからね。で、お菓子もらった。おいしかった」
比企谷「ねえ、それ確実に俺食べてないよね?なんでお兄ちゃんに黙って全部食べちゃうの?」
小町「てへぺろ(・ω<)」
比企谷「ほんとむかつくなこいつ…」
小町「でもさ、同じ学校なんだから会ったんじゃないの?学校でお礼言うって言ってたよ?」
比企谷「……」キキッ
小町「わわ、いきなりなにー?」
比企谷「……お前、なんでそういうのもっと早く教えないんだよ。名前とか聞いてないのか?」
小町「えー?……『お菓子の人』だったかな?」
比企谷「お中元かよ。『ハムの人』みたいに言うな。で、名前は?」
小町「んー、忘れちった。あ、もう学校じゃん、小町行くね」タタッ
比企谷「あのガキ…」
小町「行ってくるであります!お兄ちゃん、ありがとー!」フリフリ
比企谷「ったく…」
比企谷(ま、一年経って出会わないって事は、向こうにその気はないんだろう。まぁ、そんなもんさ)
小町「いけないいけない!読みかけのお兄ちゃんのトレジャーを忘れてたー!!」
比企谷「それは没収だ」
152:
 
 
──テニスの練習とかなんだかんだあってお昼休み
 
 
比企谷(特別棟の一階。ここが俺のベストプレイスだ。テニスコートを眺め、風に吹かれながら食う飯は中々に美味い)
比企谷(お昼を境に風向きが変わるというのも乙なもんで、時折、脳内風能力者ごっこをやったりする)
比企谷(この風を感じながら一人で過ごす時間が俺は嫌いじゃない)
由比ヶ浜「あれ、ヒッキーじゃん。なんでこんなとこにいんの?」
比企谷「由比ヶ浜か…。普段ここで飯食ってんだよ」
由比ヶ浜「へー、そーなん。なんで?教室で食べればよくない?」
比企谷「……」
由比ヶ浜「衆人監視の中でご飯を食べる…なんだかとっても興奮するよねー!プレイみたい!」
比企谷「ソウダネーっていうか分かってんじゃねえかお前!!」
 
153:
 
比企谷「それよかなんでお前ここにいんの?」
由比ヶ浜「それそれっ!じつはね、ゆきのんとのゲームでジャン負けしてー、罰ゲームってやつ?」
比企谷「俺と話すことがですか…」
比企谷(もう自殺しちゃおっかな)
由比ヶ浜「ち、違うよ!負けた人がジュース買ってくるってだけだよ!」ブンブン
比企谷(なんだーよかったーあっぶねーうっかり死んじゃうところだった)
由比ヶ浜「最初はさー、ゆきのんと二人で脱衣ポーカーやってたんだけど、二人とも脱ぐもの無くなっちゃってさー。しょーがないからジャン負けでジュース買ってこようって話になったんだよね」
比企谷「それ脱衣ポーカーのくだりいる?」
154:
 
由比ヶ浜「んでさ、じゃんけんでゆきのん勝った瞬間、無言で小さくガッツポーズしててもうなんかすっごい可愛かった…」
比企谷「あいつ言動や見た目とは裏腹に意外とガキっぽいからな…」
由比ヶ浜「なんかこの罰ゲーム初めて楽しいって思った」
比企谷「前にもやってたのか?」
由比ヶ浜「前に、ちょっと、ね…。なんていうか、SとMの愛、みたいなのがないんだよね。ただのイジメとSのいぢめは全然違うんだよ?」
比企谷「心底どうでもいいです」
 
155:
 
比企谷「ま、それはいわゆる内輪ノリって奴だろ?はっ」
由比ヶ浜「なによ、その反応!感じ悪いし」
比企谷「内輪ノリとか内輪ウケとか嫌いにきまってんだろ。あ、内輪もめは好きだ。なぜなら俺は内輪にいないからなっ!」
由比ヶ浜「理由が哀しいな上に性格がゲスだ!」
比企谷「ほっとけ」
由比ヶ浜「ていうか、ヒッキーだって内輪ノリ多いじゃん。部活で喋ってるときとか楽しそうだし。あーあたしは入れないなーって思うときあるよ?」
比企谷「あれを楽しいように見えるならお前ちょっとマジで病院行った方がいいぞ」
由比ヶ浜「あ、あたしももっと話したいなーとか。…べ、別に変な意味じゃないけどねっ!」
比企谷「いや、お前の話って下ネタだろ…」
由比ヶ浜「ち、違うよ!その、好きなタイプとかごにょごにょ…」ドキドキ
比企谷「……何言ってんのお前」
由比ヶ浜「な、なんでもないし!……うぅ」モジモジ
比企谷「…………」
比企谷(あれ?なんでこんなラブコメしてるの?え?違うでしょう?そこは重いジョークを放つ場面じゃない?え?)
 
156:
 
比企谷「まぁ、あれだ。雪ノ下は別だ。あれは不可抗力って奴だよ」
由比ヶ浜「どゆこと?」
比企谷「ん?ああ、不可抗力ってのは一人ではどうにもならない逆らうことのできない力や事態って意味だ。難しい言葉使ってごめんな」
由比ヶ浜「違うし!!言葉の意味じゃないから!!ていうかあたしのことバカにし過ぎ!あたしだってちゃんと入試受けて総武高に入ったんだからね!?」ズビシッ
比企谷「いてっ」
由比ヶ浜「ね、ねぇ、入試っていえばさ、入学式のこと覚えてる?」
比企谷「ごほごほっ!…あ、あー、いや、俺当日に事故に遭ってるからなー」
由比ヶ浜「事故……」
比企谷「入学式の日に俺が自転車漕いでたらあほな飼い主が犬のリード手放してな。そのワンちゃんが車に轢かれそうな所を身を挺して守ったの。それはもう颯爽とヒーロー的にな」
由比ヶ浜「あ、アホな奴って……ひ、ヒッキーはその子のこと覚えてたり、しないの?こう、エッチ本を読んでた、とか」
比企谷「そんな奴だったらいやでも記憶に残るわ」
 
15

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