八幡「温泉を求めて?」back

八幡「温泉を求めて?」


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注意書
・文章がつたいところが多々あります。
・原作未読でアニメのみです、キャラや設定に違和感を覚えてしまうかもしれません。
それでもよろしければお願いします
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1446567141
2: 以下、
某県 電車内
高校三年生になる前の春休み、俺はほとほと人間関係に疲れていた……雪ノ下や由比ヶ浜と分かり合えたと思えたら離れていく、そんな繰り返しの日常に少し嫌気がさしたのかもしれない。目下差し迫る受験に向け英気を養うのと慰安の意味を込めて俺はある山奥に秘湯を求めて日帰り旅行に出ていた………無論ぼっちで
窓の外の風景を見ながらゆるゆる考え事を続ける……学校の事、今まであった事、未来の事……自分探しの旅なんてらしくないと思ったがこういう時間も悪くないんだな。物理的に一人なる時間も人には必要なのかもしれない…こんな山奥の県になんてまず知人がいることはないだろう、秘湯を見つけてゆっくり疲れを癒すとするか…
3: 以下、
長かった電車の旅から解放され駅から出る…流石に山奥なので人がおらず寂れている…が、この空気も悪くな……
陽乃「あれっ!?比企谷君じゃん!比企谷くーん!!」
物凄く聞き覚えのある声が聞こえたがここは知人になど会おうはずもない寂れた田舎で…
陽乃「なんで無視するかなー?こんな美人のお姉さんが話しかけてるのに」
と勢いよく俺の腕を掴む
八幡「うわっ……もう離してください……雪ノ下さん…」
陽乃「ほらやっぱ気づいてるじゃん比企谷君」
八幡「なんで雪ノ下さんがこんなとこにいるんですか?」
陽乃「それは…んー大学生らしく自分探しってやつ?」
嘘じゃなきゃ不思議な理由をふいてにこりと微笑む……うーんやっぱ画になる美人なんだよなぁ容姿はな
陽乃「ところで比企谷君は何でこんなと所にいるのかなー?」
八幡「ちょっと温泉に入りたくなって…」
陽乃「ふーん……てっきりらしくもなく自分探しの旅にでも出てると思ったよ」
さっきまで浮き世から離れて一人旅とか自分探しも悪かねーなと思ってた手前、気分から醒めてしまった
間髪入れずに冷水を浴びせかけるのやめてくれませんかね
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陽乃「ならさ一緒にいこうよ♪温泉♪」
八幡「えぇ……遠慮させてください」
陽乃「旅は道連れ世は情けだよ?」
心の療養のためにわざわざこんな田舎まで出張ってきたのにこの人といると疲れるんだよな…
陽乃「嫌そうな顔されると流石に傷つくなぁ?」ニコニコ
敏感なレーダーが危険信号をとらえた
八幡「はい…まぁ…行きましょうか…」
陽乃「うん!それじゃあ出発!」
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ここで俺が目指している秘湯について少し説明しておこう。まず場所は何度も言うようだが山奥の県のさらに山奥に位置している、だがその周りは未開の山々があるせいで…温泉街として発展は遂げていなかった、どうやらその秘湯は脱衣所が作られているだけでそれ以外に人の手を加えられた様子はないらしい……そんなところに一人で行くなんてちょっとロマン……ゴホンゴホン……この人といると心まで読まれかねん……考えすぎか?俺
陽乃「比企谷君さーこんなとこに一人で来るつもりだったの?」
山奥に進む道中、雪ノ下さんが訪ねてきた。ちなみに彼女の格好はいつものきれい目の装いではなく動きやすいスポーティーな服だ……やらしい目で見てるんじゃないかって?…俺は読者に向けて…やっぱなんでもねー…
八幡「えぇ…まぁ…」
陽乃「流石ぼっちだねー」
自負もするし誇りに思うこともある……が、何故かイラっとする
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八幡「雪ノ下さんも一人じゃないですか」
陽乃「違うよ、今は比企谷君と一緒にいるよ?」
大きく綺麗な目と上目使いの破壊力……うーん分かっててやってるんだろうな。それに俺も…
八幡「ばっ…そ、そう意味じゃなくて……一人でこんなとこに来たんじゃないかって意味です…」
面白いくらい動揺してしまう…分かってても食らうんだな美人の攻撃には
陽乃「あはは、あたしにだって一人で行動するときくらいあるよ」
八幡「そりゃ…そうかもしれないスけど」
珍しいと素直に思った、例え一人でもすぐに彼女の周りには人が集まる…こういうのをカリスマって言うのかもな
陽乃「比企谷君はここの温泉はどうやって見つけたの?」
八幡「それは……まぁ人から聞いて」
平塚先生が大学生の時に一人でブラブラしてたときにたまたま見つけたらしい
温泉街としては発展していないからネットにも載ってない激レアだそうだ……こんなところを一人で……うっ……涙が……何してたんだあの人…
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陽乃「その人よく見つけたねーこんなとこ」
八幡「そういえば雪ノ下さんはどうやってここの事を見つけたんですか?」
陽乃「うんーそれはねー内緒ってことで」
八幡「なんですか、それ」
陽乃「女の人の秘密をしつこく暴こうとするなんて性格悪いぞぉ??」
あんたより性格悪い女なんてそうそういないと思いますけどねぇ
陽乃「こぉら?なんか失礼な事考えたでしょ??このこの!」
と、俺の首に腕を巻き付けて頭を拳でグリグリする雪ノ下さん…む、胸が当たってます……
陽乃「胸が当たってるとか考えてるでしょ?」
八幡「!?」
陽乃「比企谷君の考えなんてお見通しだよ?」
彼女のそう言ってイタズラっぽく笑う。
完全にこの人のペースだ…
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かれこれ長いこと歩き続けてようやく目的の場所についた。
軽く硫黄の臭いというか温泉の独特の匂いが鼻腔をつく
陽乃「ようやく到着したねー…お姉さんも流石に疲れたよ…」
八幡「ハァ……ハァ……」
なんで男子高校生の俺が息上がってるのにこの人はちょっと疲れただけなんだ?
俺が文科系の部活だからか?
陽乃「比企谷君はちょっとくらい運動した方が良いかもねー」
八幡「よ、余計なお世話です…」
マラソンで意外と走れたはずなんだけどなぁ俺
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少し休憩してから脱衣所の様子を見てみた、どうやらずっと人が来なかったらしく少しホコリっぽい…人の様子は見当たらなかった……良く見るとお金を払う場所も上に電灯もなかった、どうやらここは本当にこの秘湯を入るためだけに作られたらしい…
服を着たまま温泉の様子を見る…さっきより硫黄の臭いがキツくなる…が、湯気が立っている白い温泉をその目で見ると全然気にならなくなった…しかも人がいない…ツイてる!
八幡「雪ノ下さん!見てください!人いませんし今がチャンスですよ!」
陽乃「はは、比企谷君も年相応にはしゃいだりするんだねー」
急に思い出して恥ずかしくなる
というか良いだろ?…ここまで歩いてきて達成感もあるしちょっとくらいはしゃいだってさ
八幡「ならさっさと先入ってくださいよ……」
陽乃「え?一緒に入んないの??」
八幡「な、何いってんスか…」
陽乃「もしかしてお姉さんと裸の付き合いするの緊張してる?」
八幡「ぐっ……そんな訳ないじゃないですか…」
陽乃「なら一緒に入ろうよ?」
八幡「でも……若い男女が一緒に入るのはちょっと……」
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陽乃「もしかして比企谷君は雪乃ちゃんに気を使ってるのかなー?」
八幡「な、なんで雪ノ下に気を使わなければならないんですか?」
陽乃「じゃあ……ヶ浜ちゃん?」
八幡「両方違いますよ!……俺が言ってるのは……」
陽乃「ま、安心してね!水着はちゃんと着るから」
そういう事分かってるなら最初からそう言ってくれませんかねぇ
しかも良く考えたら裸の付き合いなんて言葉、見え見えの罠でミスリードじゃねーか
陽乃「比企谷君はこんな男女が別れてなさそうな所であたしがなんの用意も無しで来ると思ったのかな?」
やっぱりこの人には敵いそうにもない
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俺は下に何もはいてないが温泉がかなり白く濁っていたおかげで危惧していた事態には陥らなかった…雪ノ下さんは水着に着替えてから来るらしい……覗いても良いと言っていたが後が怖いので黙って先にお湯に浸かることにした。というか……
魂が抜ける…全身の力が程よく抜けていく…ここまで歩いてきた疲労で強ばった体もほぐれていく……
あぁ……ここに来て……良かった
陽乃「やっほー比企谷君!いよいよお待ちかねの水着だよ!」
八幡「ハァ……」イヤサレルー
陽乃「むっ……お姉さんをシカトするなんて良い度胸してるねまったく……そうだ」
温度も程よく温い、こんな温泉が外界に晒されてなくて良かった……平塚先生の言う通り確かに激レアだ…
陽乃「ねぇ??比企谷君、本当に良い湯だねぇ?」
いつの間にか雪ノ下さんが温泉に入ってたようだ…脱衣所の方を見ないようにしてたいたから気づかなかった…因みに今も雪ノ下さんを見ないようにしている
13: 以下、
八幡「そうですね?」
陽乃「ねぇねぇ……なーんであたしの方見ないのかなぁ??」
もうっ!分かってるくせにー☆
八幡「温泉で疲れを癒してるのに疲れさせないでくださいよ」
陽乃「そんなこと言ってられるのも今のうちだよ??」
嫌な予感がするが振り向かない……どうせ水着着てないとか、胸当ててくるとかして動揺させようとしてるんだろ?
ドンッと固いような柔らかいような衝撃が背中に走る……ん?なんだこれ?
疑問は直ぐに解けた
陽乃「ふふ、背中合わせで密着してみたよ?」
八幡「な、何がしたいんですか?」
陽乃「さぁ?何だろね?理性の化物君」
生まれて初めて女性の肌とここまで密着した……まぁでも水着着てるし……そこまで……ちょっと待て……こんなにピッタリ密着してるのになぜ背中に布とかヒモの感触がない?
八幡「雪ノ下さん……水着きてますよね?」
陽乃「比企谷君はお姉さんの水着に興味津々なのかな?」
八幡「……」
そういうタイプの水着なのか!?
まぁどちらにせよこの白く濁ったお湯で本当に良かった……今すぐには上がれなくなっちまった
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陽乃「比企谷君がここに来た本当の理由を教えてよ」
唐突に話が変わった
八幡「……温泉に入りたかったのは本当ですよ」
陽乃「そうじゃなくて他にも理由があるんでしょ?」
なんでこの人に言わなければならないのか……まぁでもいいかな…頭も程好くボーッとしてるし…こっちも聞きたいこと色々あるしな
八幡「なんか人間関係に疲れたというか……」
陽乃「それって奉仕部のこと?」
八幡「まぁそうっちゃそうですけど……」
陽乃「あははー君も正直だねー」
でも羨ましいかもと彼女は言う。それってどう言うことですか?と訪ねる前に彼女はさらに言った
陽乃「雪乃ちゃんは今自分というのを悩んでると思う…ずっと誰かに依存してたような物だから……今は余裕がないから人の事まで気が回らないのかもね」
陽乃「でも、君もそんなときがあるんじゃない?」
八幡「……」
陽乃「それでも三人で一緒に居続けようとしてるんでしょ?」
八幡「……はい、そうです……」
陽乃「らしくもなく真面目な話しちゃったかも……温泉の魔力だね」
八幡「雪ノ下さんはいつも誰にでもニコニコしてますけど疲れませんか?」
聞きたかった事を聞く
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陽乃「そりゃ疲れないって言ったら嘘になるかもね…でもその顔を求められる状況にずっといたからなー…分からなくなったのかも」
八幡「……なんか、安心しました…」
陽乃「安心?」
八幡「あんな完璧超人な雪ノ下さんも疲れるんだなぁって…」
陽乃「あははは、疲れるよ!あたしなんて全然完璧超人なんかじゃないよ!」
陽乃「自分で言うのも難だけど人より物事が多少うまく出きるってだけ」
自分で言うと本当に難だが不思議と雪ノ下さんは違和感がない…やっぱ完璧に見えるけどな…
陽乃「それだけじゃ足りないことの方が多いけどね?」
八幡「そういうものですか」
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陽乃「そういうものだよ……見えてるものだけが真実じゃないよ?あたしの水着も着てないように見えるけど着てるかもしれないよ?」
ま、またそっちの話に戻るのかよ
てか俺はそっち見てねーよ
陽乃「そろそろあがろうかな?温泉の魔力で色々余計なこと喋っちゃいそうだし」
八幡「……雪ノ下さんの弱味とか聞いてみたいですね」
陽乃「こらっ」
肘で小突かれる
なら、先あがって外で待ってるねと彼女は言った。背中から感触が消える……
そのあと暫くして俺もあがった
17: 以下、
帰りの電車
陽乃「下山した頃にはまた汗かいちゃったね」
八幡「そうですね」
下山は行きと違いそれほど疲れなかった
陽乃「お姉さんちょっと眠くなっちゃったから寝るね」
おおよそ人に隙を見せなさそうな人が寝ると言ったので少し呆気に取られた
八幡「…はい、ついたら起こしますよ」
陽乃「ふふ、ありがとう……おやすみ」
窓の外を見ながらゆるゆる考え事をする……日帰り旅行の事、温泉の事、雪ノ下陽乃の普段とは違う顔
一人での旅行も良いかと思っていたが、思いがけない組み合わせの旅行も悪くはなかった
確かに彼女の言う通り見えてるものだけが真実じゃない…それは…自分で体験して自分で考えてみないと本当には見えて来ないのかもな……なんだか俺も…眠くなってきた……
18: 以下、

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