西住みほ「堕ちていくほど、美しい」back

西住みほ「堕ちていくほど、美しい」


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闇深過ぎぃ!!
いつも台詞SSばかり読んでるせいか新鮮ですわ
36: 津島 2016/04/02(土) 23:57:26.95 ID:5Tnn/W+A0
*
手記を持つ手が震えていた。
私は頭がおかしくなりそうだった。
37: 津島 2016/04/02(土) 23:57:58.64 ID:5Tnn/W+A0
あの子が何を思っていたのかなど、私は知る由もなかった。
自分の言葉が、あの子にどんな意味を持ったのかもわかっていなかった。
その結果がこれだ。
笑い話にさえなるものか。
38: 津島 2016/04/02(土) 23:58:29.70 ID:5Tnn/W+A0
西住の名を継ぐ者。戦車道の体現者。
私はそうあろうと努めてきたし、それ以外の道を知らぬまま生きてきた。
39: 津島 2016/04/02(土) 23:58:55.04 ID:5Tnn/W+A0
あの子は、何を求めていたのだろう。
あの子は、救いを求めていたのだろう。
40: 津島 2016/04/02(土) 23:59:22.16 ID:5Tnn/W+A0
傍にあったウォトカを少し呷ると、私は震える手で次の頁をめくることにした。
素面では、正気を保てそうにない。
46: 乙乙 2016/04/03(日) 03:03:32.34 ID:ehBgl/W/0
いいねぇこういうのは期待できる
48: 津島 2016/04/03(日) 22:22:52.21 ID:ZVeZtIZf0
*
大洗はよい町でした。
大きくはないけれど、素朴な人々が美しい町でした。
何よりも友人がいました。
49: 津島 2016/04/03(日) 22:23:18.95 ID:ZVeZtIZf0
沙織さんがいて、華さんがいて、優花里さん、麻子さんがいました。
教室で、誰と話すこともなく、席にいて、ペンを落とし、消しゴムを落とし、拾おうとして机に頭を打つ醜態をさらしていた時、声をかけてくれたのは沙織さんと華さんでした。
食卓を3人で囲むうちに、仲良くなりました。
50: 津島 2016/04/03(日) 22:24:00.36 ID:ZVeZtIZf0
その後のことでした。
51: 津島 2016/04/03(日) 22:24:27.18 ID:ZVeZtIZf0
「西住ちゃん?」
52: 津島 2016/04/03(日) 22:25:06.80 ID:ZVeZtIZf0
心臓がどきりと跳ね、命の危機を訴えます。
この時に私のところにきた3人は、生徒会の役員の方だとあとで聞きました。
53: 津島 2016/04/03(日) 22:25:33.72 ID:ZVeZtIZf0
「は、はい」
「大洗にようこそ。戦車道とってね〜」
54: 津島 2016/04/03(日) 22:27:11.21 ID:ZVeZtIZf0
3人は去って行きました。
石のように固まった私を、二人が心配してくれました。
55: 津島 2016/04/03(日) 22:27:54.88 ID:ZVeZtIZf0
「みほさん、大丈夫ですか」
「大丈夫...大丈夫だから」
「顔色悪いよ?保健室行こっか?」
「いいんです、いいんです」
56: 津島 2016/04/03(日) 22:28:20.68 ID:ZVeZtIZf0
「...何かあったのですか?」
57: 津島 2016/04/03(日) 22:28:53.77 ID:ZVeZtIZf0
華さんの問いで、私は答えに窮しました。
そして同時に、ようやくできた友らしい友を喪いはしないかと畏れました。
58: 津島 2016/04/03(日) 22:30:47.24 ID:ZVeZtIZf0
「大丈夫だよ。なにか不安なら、言って」
59: 津島 2016/04/03(日) 22:31:17.63 ID:ZVeZtIZf0
沙織さんは強いひとでした。
戦車道という規範など無くても、沙織さんのような女性ならばきっと良妻賢母となるでしょう。
私は意を決して、経緯を告白したのです。
60: 津島 2016/04/03(日) 22:31:56.42 ID:ZVeZtIZf0
戦車道の試合中に、後輩の?号が川に落ちたこと。
助けようとフラッグ車を放り出して、その結果黒森峰は敗れたこと。
そして?号に乗っていた後輩は死に、私も重体になったこと。
そうした責任や戦車道を棄てて逃げてきたこと。
61: 津島 2016/04/03(日) 22:32:41.49 ID:ZVeZtIZf0
全てを話し終えると、二人は深刻そうな顔をしましたが、すぐに一周回って何も感じていないような顔になりました。
今度は友人を喪った。そう思いました。
62: 津島 2016/04/03(日) 22:33:07.02 ID:ZVeZtIZf0
ところが背を向けて去ろうとすると、二人は私を引き止めるのです。
63: 津島 2016/04/03(日) 22:34:37.87 ID:ZVeZtIZf0
幸せなことに、二人は私を案じてくれました。
行かずともよい、と言ってくれました。
もし生徒会が何か言ってきたら、直談判してあげるとまで言ってくれました。
二人のおかげで、かりそめとはいえ安心が得られました。
64: 津島 2016/04/03(日) 22:35:08.24 ID:ZVeZtIZf0
悪夢はそこから始まりました。
73: 津島 2016/04/07(木) 23:52:58.60 ID:RnEfYJDs0
*
ウォトカの瓶が転がっている。
一つや二つではない。
吐き気を催すほど、身を抉られるほど、読むのが辛い。
私がここにいること、今生きていることさえもが、あの子を苦しめていたように思える。
頭を抱えてうずくまっていると、声がした。
74: 津島 2016/04/07(木) 23:53:32.48 ID:RnEfYJDs0
「大丈夫ですか、しほさん」
振り返ると菊代さんであった。
75: 津島 2016/04/07(木) 23:54:07.92 ID:RnEfYJDs0
大丈夫です、と短く答えてから、手記に向き直った。
目を背けるわけにはいかない。
それは許されない。
76: 津島 2016/04/07(木) 23:54:59.71 ID:RnEfYJDs0
*
その日の放課後に、生徒はみな体育館に集まるようにと放送がありました。
行ってみれば何のことはなく、戦車道のプロパガンダ映画の上映でした。
77: 津島 2016/04/07(木) 23:56:08.74 ID:RnEfYJDs0
乙女の嗜み。良妻賢母となる為に進むべき道。
78: 津島 2016/04/07(木) 23:56:55.04 ID:RnEfYJDs0
規範。
79: 津島 2016/04/07(木) 23:58:01.78 ID:RnEfYJDs0
熱狂する女生徒たちは、それが人を死に至らしめうるものであることを忘れているようでした。
80: 津島 2016/04/07(木) 23:58:44.91 ID:RnEfYJDs0
戦車とはもとより、戦争のための兵器です。二度の世界大戦でも用いられ、今日では武道です。
人を殺すための道具であるにも関わらず。
81: 津島 2016/04/07(木) 23:59:52.90 ID:RnEfYJDs0
いかに特殊カーボンに護られていようと、防げるのは砲弾と銃弾に過ぎません。
それすら不安な時だってあるのですから。
83: 津島 2016/04/08(金) 00:01:00.98 ID:WehW0Hup0
昨年の全国大会で命を落とした赤星さんたち後輩のことは、無かったことにされたのです。
85: 津島 2016/04/08(金) 00:01:47.40 ID:WehW0Hup0
私にとって何より辛かったのは、私の味方になってくれた沙織さんも華さんも他の女生徒たちと同様に、生徒会が煽った熱狂にあてられていることでした。
願わくば、少なくとも二人には戦車道などという恐ろしいものには触れもせずに生きていて欲しいと思っていたのです。
86: 津島 2016/04/08(金) 00:02:17.07 ID:WehW0Hup0
私は既に、戦車道で近しい人を喪っていたからです。
92: 津島 2016/04/09(土) 01:05:49.97 ID:NNwyxT3D0
翌日のことです。
蛇が蛙を睨むように、私は履修登録用紙に睨まれていました。
93: 津島 2016/04/09(土) 01:06:33.72 ID:NNwyxT3D0
戦車道という単語さえ、私を窒息させるに足るのです。
94: 津島 2016/04/09(土) 01:07:00.28 ID:NNwyxT3D0
死体のように固まっている私を見かねてか、二人は心配そうに私の顔を覗き込んでいます。
95: 津島 2016/04/09(土) 01:08:06.54 ID:NNwyxT3D0
逃げることは容易いのでした。
けれども、一人でその道を行く勇気は無いのでした。
96: 津島 2016/04/09(土) 01:09:42.09 ID:NNwyxT3D0
沙織さんは、わかった、と一言言って、幸せにも私に合わせてくれました。
私は胸のつかえが取れたようでした。
97: 津島 2016/04/09(土) 01:10:54.62 ID:NNwyxT3D0
これで少なくとも、やっとできた友人を、また戦車で喪うことはないと思えたからです。
98: 津島 2016/04/09(土) 01:11:48.74 ID:NNwyxT3D0
翌日の昼、校内放送がありました。
99: 津島 2016/04/09(土) 01:12:21.15 ID:NNwyxT3D0
『西住みほ、生徒会室に出頭せよ』
100: 津島 2016/04/09(土) 01:13:21.71 ID:NNwyxT3D0
私は震え上がりました。
死の宣告をされた気分でした。
取り落とした箸が情けなく転がって行き、体はどうしようもなく強張っています。
101: 津島 2016/04/09(土) 01:14:15.33 ID:NNwyxT3D0
私の顔はきっと青ざめていたでしょう。
103: 津島 2016/04/09(土) 01:14:59.64 ID:NNwyxT3D0
幸いなことに、二人が寄り添ってくれました。
そのおかげで、なんとか生徒会室にはたどり着けました。
104: 津島 2016/04/09(土) 01:15:35.51 ID:NNwyxT3D0
鉄塊の様な扉を開けると、生徒会の方が揃い踏みでした。
案の定、何故戦車道を選択しないのかと詰問されました。
105: 津島 2016/04/09(土) 01:16:06.48 ID:NNwyxT3D0
「私、戦車道が嫌で、この学校に...」
「取ってくれなきゃ困るんだよねぇ」
106: 津島 2016/04/09(土) 01:16:56.66 ID:NNwyxT3D0
駄々をこねる子供を見るような調子で、私を横目に見ながらそう言うのです。
107: 津島 2016/04/09(土) 01:17:41.27 ID:NNwyxT3D0
その傍らでは、広報の河嶋さんがこれはどういう事だと履修登録用紙を突き出していて、また副会長の小山さんが我が校はお終いですと嘆き悲しんでいました。
108: 津島 2016/04/09(土) 01:18:15.08 ID:NNwyxT3D0
みほが戦車道を取らねばならぬ道理などない、生徒の規範たる生徒会が道理を捻じ曲げようというのか、と沙織さんと華さんは臆することなく声をあげてくれました。
けれども、二人はそれほど戦車道に抵抗を示しているわけではないのでした。
109: 津島 2016/04/09(土) 01:19:12.84 ID:NNwyxT3D0
何故生徒会が私にそこまでこだわるのかはのちにわかるのですが、この時はまだそんなことおくびにも出ず、私は混乱し怯えるばかりでした。
事情もわからず渦中に放り込まれるほど、心にのしかかるものはありません。
110: 津島 2016/04/09(土) 01:20:30.25 ID:NNwyxT3D0
本当はどこかで戦車道をやりたいと思っているであろう二人に申し訳なくなり、私は我知らず、やります、と口走っていました。
これが良いことだったのかは、未だに答えを出せずにいます。
111: 津島 2016/04/09(土) 01:21:16.24 ID:NNwyxT3D0
そして図らずも、追い込まれていることに気づかずに、逃げ出したはずの戦車に自ら足を踏み入れていたのです。
今思えば、なんと愚かだったことか。
112: 津島 2016/04/09(土) 01:21:44.69 ID:NNwyxT3D0
*
夜が明けていた。
暗い家の中に、青白い光が浮かび上がっている。
足取りはおぼつかないけれど、顔を洗うことにした。
113: 津島 2016/04/09(土) 01:22:25.00 ID:NNwyxT3D0
顔を上げて鏡を見た。
写っていたのは、まるで死者だった。
114: 津島 2016/04/09(土) 01:22:58.98 ID:NNwyxT3D0
みほの苦しみは、どれほどのものだっただろう。
私が最後に見たあの子の姿は、どんなだっただろう。
振り向いて、家の中を見回してみても、記憶は浮かんでこないのだ。
115: 津島 2016/04/09(土) 01:24:28.33 ID:NNwyxT3D0
あの子はどんな風に笑う子だったか。
考えてみれば、まほの笑った顔も覚えていない。
私さえ、笑った記憶がない。
116: 津島 2016/04/09(土) 01:25:26.08 ID:NNwyxT3D0
私は、みほのことも、まほのことも、何も知らなかったのだ。
娘としてでなく、西住流の後継者としてしか見ていなかった。
117: 津島 2016/04/09(土) 01:27:09.98 ID:NNwyxT3D0
今更悔やんでも、悔やみきれない。
126: 津島 2016/04/12(火) 20:23:02.68 ID:/bxXoDww0
*
私が戦車道を取るとなってからは早いものでした。
総勢22名が集められ、目の当たりにしたのはガラクタの様な?号戦車1輌でした。
経験者ではない私以外も、これだけかと疑問を口にしています。
127: 津島 2016/04/12(火) 20:23:47.47 ID:/bxXoDww0
「書類上はまだ残っているはずだ。捜せ」
128: 津島 2016/04/12(火) 20:24:20.50 ID:/bxXoDww0
河嶋さんはそう言い、会長は愉快そうに笑っているだけでした。小山さんは力なく首を振っています。
大洗の戦車道は、戦車の調達から幕を開けたのです。
129: 津島 2016/04/12(火) 20:25:20.75 ID:/bxXoDww0
けれども、まず?号の装甲に触れてみれば、まだまだ活きの良いもので、整備さえすれば戦闘は可能な車輛でした。
単砲身の威力は些か心許ないですし、錆など長い間放置されていたらしき傷が心配でしたが、自動車部の皆さんが一晩で修復してくださいました。
130: 津島 2016/04/12(火) 20:25:51.33 ID:/bxXoDww0
しかし、1輌では試合など夢想に過ぎません。
131: 津島 2016/04/12(火) 20:26:24.77 ID:/bxXoDww0
皆さんの懸命な捜索活動により、?号突撃砲、八九式中戦車、38t、M3リーを発見することができました。
沼に沈められていたものもあったり、森に棄てられていたようなものもありましたが、一人一人の協力と自動車部の皆さんの尽力でどうにか全ての戦車が完璧に修復されたのです。
132: 津島 2016/04/12(火) 20:27:12.47 ID:/bxXoDww0
また捜索の傍ら、友人であり、戦車の専門家でもある優花里さんに巡り会えました。
戦車道の経験はないとのことでしたが、経験不足を補って余りある知識と洞察力は、経験者のほぼいない大洗にとっては願ってもないアドヴァイザーでした。
133: 津島 2016/04/12(火) 20:27:47.64 ID:/bxXoDww0
何より、数少ない私の友人でした。
134: 津島 2016/04/12(火) 20:28:18.05 ID:/bxXoDww0
それから、遅れて登校した日に、綿毛のようにふらついていた女生徒に出会いました。
それが麻子さんでした。
135: 津島 2016/04/12(火) 20:28:44.42 ID:/bxXoDww0
あまりにふらふらしているので、肩を貸したことを覚えています。
聞けば、低血圧ゆえに遅刻ばかりしているとのことです。風紀委員長の園さんが憤慨なさっていました。
136: 津島 2016/04/12(火) 20:29:58.99 ID:/bxXoDww0
何日か後、陸自の教官を招いて指導を請うと聞きました。
137: 津島 2016/04/12(火) 20:30:24.38 ID:/bxXoDww0
その日、輸送機から落下傘で投下された10式は、学園長の車を破壊してから私たちに向かってきました。
44トンの重量は軽量な部類といえど、車を潰すには充分です。
138: 津島 2016/04/12(火) 20:30:51.09 ID:/bxXoDww0
しかしそんなことは皆、意に介さない様子でした。
139: 津島 2016/04/12(火) 20:31:40.30 ID:/bxXoDww0
中から現れた女性は蝶野さんと言いました。
140: 津島 2016/04/12(火) 20:32:32.24 ID:/bxXoDww0
私が西住の娘であることに気づかなかったのか、はたまた気づかないふりをしてくれていたのかは定かではありませんけれど、私に注目しないでいてくれたのは僥倖でした。
しかし、その後の経験はあの時以来の恐ろしいものでした。
141: 津島 2016/04/12(火) 20:33:00.86 ID:/bxXoDww0
基礎訓練もままならぬのに、教官はいきなり実戦を指示したのです。
危険ですと言っても、大丈夫だと言って聞かぬのです。
142: 津島 2016/04/12(火) 20:33:49.34 ID:/bxXoDww0
愉快そうに、会長は笑っています。
そうして、なし崩し的に模擬戦が始まったのです。
143: 津島 2016/04/12(火) 20:34:17.84 ID:/bxXoDww0
戦車に乗ったこともない素人をいきなり戦車に乗せて戦わせるということは、子供に銃を持たせるほど危険なことなのに。
144: 津島 2016/04/12(火) 20:43:09.19 ID:/bxXoDww0
問題なのはそれだけではありません。
私は戦車に乗ると、動悸と頭痛に悩まされるようになっていたのです。
145: 津島 2016/04/12(火) 20:43:39.68 ID:/bxXoDww0
とはいえ、この時はまだそれほど深刻ではありませんでしたから、なんとか堪えておりました。
146: 津島 2016/04/12(火) 20:44:37.99 ID:/bxXoDww0
車長は沙織さん、操縦手は華さん、砲手は優花里さん、装填手は私。
ひとまず通信手は置かずに模擬戦が始まりました。個人の殲滅戦です。
147: 津島 2016/04/12(火) 20:47:26.79 ID:/bxXoDww0
試合開始から10分も経たぬうちに、こちらに八九式の砲撃が浴びせられました。
148: 津島 2016/04/12(火) 20:48:05.41 ID:/bxXoDww0
車長の沙織さんは、先ほどまではまだ元気でしたけれど、今や半狂乱で、もうやだと泣き叫んでいます。
操縦手の華さんは、無理もありませんが初めての操縦にまごついています。
砲手の優花里さんは、沙織さんとは反対に初めての戦車に高揚していました(一種のcombat highでしょうか)。
149: 津島 2016/04/12(火) 20:48:32.99 ID:/bxXoDww0
私は砲塔脇のハッチから周囲を観察しつつ、冷静さを欠いた沙織さんを励まして指示を出しました。
150: 津島 2016/04/12(火) 20:48:59.00 ID:/bxXoDww0
その時、演習場だというのに草っ原で昼寝している麻子さんがいたのですから、全く肝の冷える思いがしました。
151: 津島 2016/04/12(火) 20:49:27.01 ID:/bxXoDww0
戦車の外は危険極まりないので、私たちは麻子さんを車内に収容して向こう岸に向かうため、吊橋を渡ろうとしました。
152: 津島 2016/04/12(火) 20:49:56.34 ID:/bxXoDww0
不覚にも、そのすぐそこには?突がいたのです。
153: 津島 2016/04/12(火) 20:50:26.37 ID:/bxXoDww0
砲撃を受けましたがまだ撃破はされておらず、それなのに?号は動きを止めたのでした。
目をやれば、華さんがぐったりと横たわっていて、失神したのだと直ぐに合点がいきました。
154: 津島 2016/04/12(火) 20:50:58.73 ID:/bxXoDww0
?号の直下は川が流れており、このまま砲撃を浴びていては落ちてしまいます。
私はどうなっても構いませんが、この人たちをここに沈めてはならない。
155: 津島 2016/04/12(火) 20:51:24.79 ID:/bxXoDww0
そう思った私が操縦手を替わるために華さんを通信手席に座らせていると、俄かに?号が命を取り戻しました。
覚醒した麻子さんが説明書を片手に、まるで手足のように?号を乗りこなしています。
156: 津島 2016/04/12(火) 20:51:54.57 ID:/bxXoDww0
「西住さんには借りがある。ここは任せてくれ」
これなら、と感ぜられました。
157: 津島 2016/04/12(火) 20:52:21.33 ID:/bxXoDww0
麻子さんは手早く吊り橋を渡りきると、草陰に車体を潜めました。
158: 津島 2016/04/12(火) 20:52:48.81 ID:/bxXoDww0
「優花里さん、あの?突を破ってください」
「はい」
159: 津島 2016/04/12(火) 20:53:16.77 ID:/bxXoDww0
優花里さんは先ほどの興奮が嘘のように落ち着いていました。
冷静に、教えてもいないシュトルヒ計算を淡々とこなし、一撃で?突を撃破したのです。
160: 津島 2016/04/12(火) 20:53:49.10 ID:/bxXoDww0
味方である私さえ恐れを抱くほどに、鮮やかな砲撃でした。
背後で橋を渡り終えた八九式も、すぐに撃破してくれました。
161: 津島 2016/04/12(火) 20:54:23.18 ID:/bxXoDww0
近くにいたM3リーは泥糠に嵌ってエンジンが燃えてしまったらしく、また残る38tも優花里さんが撃破して、この危なげない模擬戦は幕を閉じました。
162: 津島 2016/04/12(火) 20:54:49.74 ID:/bxXoDww0
蝶野さんが試合終了を告げ、毒にも薬にもならないお言葉でもって演習は終わりになりました。
163: 津島 2016/04/12(火) 21:00:43.12 ID:/bxXoDww0
現状はこれで充分だということになり、河嶋さんの一本締めで解散になりました。
164: 津島 2016/04/12(火) 21:01:09.72 ID:/bxXoDww0
練習試合の話も早く、来週の寄港時にはSaint. Glorianaとの練習試合があると聞かされ、暗澹たる思いになったものです。
それでも、私は年端もいかぬ頃から戦車に乗ってきましたから、持ち合わせている情報と西住流仕込みの経験で戦力の差を埋めることを必死に考えました。
165: 津島 2016/04/12(火) 21:02:00.98 ID:/bxXoDww0
採用されたのは河嶋さんの作戦でしたが、あの校にはそれほど有効な作戦とは言えぬものでした。
166: 津島 2016/04/12(火) 21:02:30.67 ID:/bxXoDww0
待ち伏せはあらゆる戦いにおいて基本中の基本ですし、真っ先に警戒すべき点の一つです。
流派はどうあれ、その程度の作戦ならば容易く撃ち破る力を持ち合わせた高校が、Saint. Glorianaという強豪なのです。
167: 津島 2016/04/12(火) 21:03:52.54 ID:/bxXoDww0
その上当時の私たちには、作戦を完遂するだけの戦車も練度もありませんでした。
168: 津島 2016/04/12(火) 21:04:20.08 ID:/bxXoDww0
私は脅されるようにして引き込まれた身であるし、若輩者の部類に入ると頭ではわかっていましたけれども、口を出さずにはいられませんでした。
169: 津島 2016/04/12(火) 21:04:50.56 ID:/bxXoDww0
案の定と言うべきか、結果は河嶋さんを激昂させただけでした。
170: 津島 2016/04/12(火) 21:05:16.91 ID:/bxXoDww0
「黙れ。私に文句があるならお前が隊長をやれ」
171: 津島 2016/04/12(火) 21:06:10.42 ID:/bxXoDww0
言い分としては尤もです。
未経験者ばかりの中で、河嶋さんは年長者として、隊を率いていかなければならない重圧もあったのでしょうが、私には青天の霹靂みたいな大声でした。
172: 津島 2016/04/12(火) 21:06:47.25 ID:/bxXoDww0
会長が河嶋さんを宥め、ひとまずその場は取り持たれました。
175: 以下、

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