【俺ガイル】一色「先輩のことが好きなんです!」back

【俺ガイル】一色「先輩のことが好きなんです!」


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1:
葉山「は?」
舞台はディスティニーランド
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2:
葉山「俺と付き合いたいの?」
一色「はい!サッカー部のマネージャーになったときからずっと先輩のことが好きでした!」
葉山「ふーん……あっそ、で俺のどこが好きなわけ?顔?家柄?それともカースト?」
一色「やだなーもう!優しいところに決まってるじゃないですかぁー」
葉山「は?」
葉山「俺がお前にいつ優しくした?」
一色「えっ………」
4:
一色「ええと……わたしたちの声援にも笑顔で答えてくれましたし、部長として戸部先輩とかの面倒もきちんと見てあげてくれいますし……」
葉山「それは優しさじゃないよねぇ?」
葉山「俺はただみんなの期待を裏切るまいとしているだけだよ?」
一色「そ、そう!わたしが好きなのは葉山先輩のみんなの期待を裏切るまいとする優しさですよ!わたしたちが失望して傷つかないようにしてくれてますよね!」
葉山「は?」
葉山「みんなが"葉山隼人"に失望して一番傷つく人間は誰だと思ってんだ?オイ」
5:
一色「えっと………それは………」
葉山「俺、だよなぁ?」
一色「う………」
葉山「つまり誰かの期待に応えようとする俺の姿勢は単なる自己愛にほかならない訳だ」
葉山「優しさは優しさに違いないだろうな、ただその対象は自分だ。それをいろはは自分に向けられたものだと勘違いしたと。合ってるな?」
一色「は、葉山先輩?どうしたんですか今日少し様子がおかしいですよ……?」
葉山「あ?」
一色「ひぃっ……」
葉山「いいから質問に答えろよ。お前の俺への好意は勘違いだったんだよな?」
一色「ち……違います!」
一色「わたしの先輩への気持ちは本物です!」
葉山「じゃあなんで俺が好きになったんだ?『わたしの期待に応えてくれるはやとくんかっけー!』なんつー理由じゃなくちゃんとした理由はあるよなぁ?」
一色「え、えーとその……なんだ、そう」
一色「憧れです!先輩への憧れが次第に恋心となったのです!」
葉山「は?」
葉山「お前は俺になりたいのか?」
6:
一色「えっ……、いや、まぁ、なれるなら」
葉山「クラスでは女王様の機嫌をとり」
葉山「期待に答えるため運動も勉強も常にトップレベルを保ち」
葉山「数多いる女の中から一人を選び付き合うことすらままならない」
葉山「そんなやつになりたいのか?」
一色「た、確かに大変かもしれないですが先輩はたくさんの人に笑顔を与えていますし、たくさんの人の希望となっています!わたしもそうなりたい、と思うのはいけないことではないです!」
葉山「は?」
葉山「お前そうなろうと少しでも努力してるか?」
一色「」
8:
葉山「勉強は中の下」
葉山「運動神経もさほどよくない」
葉山「顔だけはいいみてぇだが自分より立場が上のやつに媚びるための道具としてしか使ってねぇ」
葉山「生徒会長もやってるらしいがだいたいが奉仕部任せ」
葉山「そんなお前が俺に憧れるか」
葉山「よく言ったもんだわ。尊敬するよ」
一色「あ、あの………」
葉山「俺に憧れてんならお前の行動はまったくもっておかしいんだよ」
葉山「もう一度聞くぞ」
葉山「お前はなんで俺が好きなんだ?」
一色「……………………」
一色「か、かっこいいから……」
葉山「は?」
葉山「かっこいいだけの男なら俺以外にもいっくらでもいるぜ?」
一色「せ、先輩じゃないとダメなんです」
葉山「じゃあなんで俺じゃねぇとダメなのか説明しろやおら」
一色「………」
11:
一色「わ、たしは………」
葉山「質問変えるぞ」
葉山「どうして俺と付き合いたいんだ?」
一色「…………………」
葉山「…なんか言えよ」デコピンッ
一色「たっ!?え、えぇと……それは……」
葉山「なんで好きでもねぇ男と付き合いたいんだ?言ってみろよ、なぁ」
一色「そ、そんなこと……」
葉山「は?」ギロリ
一色「い……!ぁ……」
葉山「……いろは」
一色「」ビクッ
葉山「もう嘘はつかなくていいんだよ、演技をする必要も無いんだよ」
葉山「自分が思っていることを、ありのままを俺に教えてくれ」
一色「ぁ………はやま……ぜんばい……ヒグッ、グスッ……」
16:
一色「ヒグッ……わたしはっ!葉山先輩の彼女というっ……グスッ……ステイタスが欲しくてっ……!先輩に告白しましたっ……!」
葉山「………よく言えました」
一色「ごめんなさいっ……わたし、わたしはっ……ヒグッ……」
葉山「いいんだ、わかっていたことだよ」
葉山「それよりもね、もう一つ質問したいことがあるんだ。いいかな?」
一色「えっ……?グスッ………」
葉山「本当に、それだけかい?」
17:
一色「………………!?」
葉山「常識的に考えてみろいろは」
葉山「お前はただのマネージャーだ。優美子のように付き合いが長いわけでもないし、雪乃ちゃんのようにお互いのことをよく知っているわけでもない」
葉山「そんなやつが特に何のイベントもなく告白したところでOKが貰えるわけがないだろ?そしてそのことが理解出来ないほどお前はアホじゃないはずだ」
一色「…………………」
葉山「何か、あったんだろ」
葉山「お前を告白に駆り立てた何かが」
一色「ッ…………!!」
葉山「…………………」
葉山「『それでも俺は、本物が欲しい』」
一色「!?」
18:
一色「せ、先輩………なぜ、それを…」
葉山「そんなことはどうでもいいだろ」
葉山「それよりもその反応…図星らしいな」
一色「……………」
葉山「つまりそういうことだ」
葉山「お前は俺に"本物"を期待した」
葉山「期待に応えてくれるのが葉山隼人だから。それこそが俺の利用価値だから」
一色「ぁ………ちが………」
葉山「は?」
一色「ッ……………………」
葉山「沈黙は肯定と受け取るよ」
19:
葉山「だがお前の期待には応えられそうにない。すまないね」
一色「……なんでですか。付き合ってくれなんてことはもういいません。でも……もう少し距離を縮めてくれても」
葉山「……俺では、君に本物をあげられないからだよ」
一色「………?」
葉山「いろは、俺は最初に『なぜ俺のことが好きなのか?』っていう質問をしただろ」
一色「は、はい……」
葉山「そのときお前がでっち上げた解答を言ってみろ」
一色「で、でっち上げたなんて……」
葉山「早く」ギロリ
一色「いっ………わ、わかりました…」
一色「優しくて……」
一色「私の憧れで……」
一色「かっこいいから……」
一色「だったような……気がします」
葉山「あぁ、合ってるよ」
葉山「そこで一つクイズを出そう」
一色「?」
葉山「自分に優しくしてくれて、自分のピンチをかっこよく救ってくれて、自分の憧れになっている奴は、誰だ?」
20:
一色「ぁ……………」
葉山「……それが、お前の本物だよ」
葉山「俺は、彼の代わりになることは出来ない」
葉山「だから、お前に本物なんて与えてやれない」
一色「で、でも先輩には奉仕部が……」
葉山「だからといって俺という代替品で済まそうというのかい?」
葉山「それは"偽物"だよ」
葉山「本物は本物だから本物足りうるのさ」
一色「……ぁ……ぅ……」
一色「なら、わたしは……どうすればっ……!いいんですかっ……」
葉山「……したいようにすればいいさ」
一色「………?」
葉山「お前の比企谷への気持ちが本物なのなら、その本物の気持ちを持ち続けて、それを比企谷に納得させろ」
葉山「お前のやり方で、お前がやりたいように、な」
葉山「俺が言えることはこれくらいだ」
一色「………はやま、せんぱい」
一色「ありがとうございますっ!」
ダダッ……
葉山「………………」
21:
八幡「……………」
葉山「……やぁ」
八幡「………おお」
葉山「いろはには悪いことしたな」
八幡「勝手だな。罪悪感抱くくらいなら振らないで付き合えばよかっただろ」
葉山「無理だよ。わかってるくせにそういうこと言うのは性格悪いな」
八幡「まぁな」
葉山「………君は知っているのか、なぜいろはが告白してきたか」
八幡「いや、知るはずがないだろ」
葉山「ふ、そうか……」
葉山「………君は、すごいな。そうやって周りの人間を変えていく。………いろはも、たぶんそうなんだろうな」
八幡「は?なんだよ急に褒めて」
葉山「ははっ、違うよ。言っただろ、俺は君が思っているほどいい奴じゃない」
葉山「君を褒めるのは、俺のためだ」
22:
葉山「雪乃ちゃん」
葉山「俺は諦めないよ」
葉山「どんな手を使ってでも」
葉山「君を俺のモノにする」
葉山「……いろは、結衣」
葉山「頑張ってくれ」
葉山「フフフ………」
葉山「ハハハハハハハハ!!」
やはり葉山隼人はクズである

2

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