渋谷凛「アイドル、上昇中?」 小関麗奈「テーマは悪!」back

渋谷凛「アイドル、上昇中?」 小関麗奈「テーマは悪!」


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晶葉「おはよう」ガラッ
ゆかり「???♪」
晶葉「おっと。フルートの演奏中か」
ゆかり「あっ……晶葉さん。おはようございます」
晶葉「私にかまわず、続けていいんだぞ?」
ゆかり「いえ。少し吹きたいな、と思っただけなので。もう十分です」
ゆかり「お茶、飲みますか?」
晶葉「ああ、いただこう」
ゆかり「はい。少し待っていてください」パタパタ
3: 以下、
晶葉「……ゆかりは本当に、あれだな。献身的だな」
ゆかり「献身的、ですか?」
晶葉「頼まれなくても、いつもみんなの飲み物とおやつを用意しているじゃないか。普通はなかなかできないぞ」
ゆかり「うーん……そんなに手間はかかりませんよ?」
晶葉「そういう問題ではないと思うが……」
ゆかり「それに、これは私自身のためでもありますから」
ゆかり「両親に言われているんです。小さなことでもかまわないから、誰かの支えになれるような人になりなさい、と」
晶葉「……しっかりした両親なんだな。どうりでこういう娘が育つわけだ」
4: 以下、
ゆかり「どうぞ。アイスティーです」
晶葉「うむ」ズズッ
晶葉「にがっ!」
ゆかり「あら?」
晶葉「というかよく見たら色がめちゃくちゃ濃いぞ! これ、茶葉何杯入れた?」
ゆかり「ええと、確かに書いてあった通りに……あっ」
ゆかり「すみません。使うスプーンの大きさ、間違えてしまいました」
晶葉「……この天然さえなくなれば、完璧なのだが」
晶葉「いや、むしろこれはチャームポイントと言うべきか」
ゆかり「ごめんなさい……」
ゆかり「お口直しに、こちらの甘い和菓子を」
晶葉「いただきまーす」ワーイ
5: 以下、
麗奈「あーあ、朝なのに外あっつー」ガラッ
麗奈「ゆかりー、なんか冷たい飲み物ちょーだい」
ゆかり「はいはい。ただいま」
麗奈「はやくしなさいよねー」
晶葉「こら、麗奈。人にものを頼む時にはもっと言い方というものがあるだろう」
麗奈「うっさいわねー。そんなのアタシの勝手じゃない」
麗奈「あ、アイスティーあるじゃない。もーらいっ」
晶葉「あ、それは」
麗奈「にがっ!? なにこれ!」
晶葉「馬鹿め、それはゆかりが入れるのに失敗したものだ。人の物を勝手に取るからバチが当たったな」ニヤニヤ
麗奈「くーっ! このレイナサマを罠にはめるなんて、いい度胸ね!」
晶葉「罠でもないものに勝手に引っかかっただけだぞ」
麗奈「うえー、口の中が苦い。甘いもの甘いもの……あ、お菓子あるじゃない。もーらいっ」バクバクッ
晶葉「こらこら、そんなに一気に食べると」
麗奈「んむぐっ!?」
晶葉「喉に詰まるぞ、と言おうとした途端これだ……本当に落ち着きのないやつだな」セナカトントン
麗奈「はあ、はあ……おのれー、死ぬかと思ったわ!」
晶葉「君はさっきから誰と戦っているんだ?」
6: 以下、
凛「おはようございます」
真奈美「おはよう、みんな」
つかさ「はよーっす。お、もうP以外全員揃ってんのか」
ゆかり「おはようございます。凛さん、真奈美さん、つかささん」
晶葉「おはよう、みんな」
麗奈「ククク、来たわねつかさ! 勝負よ! あ、おはよう」
凛「おまけみたいな扱いだけど、一応あいさつは忘れないんだ」
真奈美「前に朝のあいさつくらいはするようにと叱ったことがある。それを守ってくれているようだな」
麗奈「だって守らないとグリグリ攻撃が……っと、そんなことはどうでもいいわ。つかさ、今日の勝負は」
つかさ「あー、今日はパス」
麗奈「なんと囲碁……え、パス?」
つかさ「他にやることがある。凛、次のライブのことでちょっと話があるから、来い」
凛「あ、うん」
つかさ「Pが昨日言ってたんだが――」
凛「えっと――」
7: 以下、
麗奈「………」ポツーン
晶葉「振られたな」
麗奈「な、なによつかさのヤツ! 生意気ねっ」
ゆかり「最近、つかささんと凛さんはお仕事が増えていますから。ユニットのメンバー同士、相談することも多いんでしょうね」
ゆかり「はい。みなさんのぶんのアイスティーです。今度は苦くないはずですよ」ニコリ
麗奈「フン! アタシのほうが人気は上よ」
真奈美「確かに、つかさと凛、単独の人気は麗奈より下だろうな」
晶葉「だが、ユニットとして見た場合は……」
麗奈「それでもアタシが上よ! ……たぶん」
麗奈「……ふんっ」
真奈美「………」
8: 以下、
真奈美「麗奈」
麗奈「なによ」
真奈美「元気を出せ!」バシーン!
麗奈「いたーーっ! あ、アンタ背中叩く力いつも強すぎっ!」
真奈美「はっはっは、まあいいじゃないか。気合いを入れる意味で少し強めにしているんだ」
真奈美「それより、ふて腐れるなんていつもの君らしくないじゃないか」
麗奈「べ、べつにふて腐れてなんて」
真奈美「麗奈の力は、まだまだこんなものじゃないだろう。少しつかさ達に追いつかれそうになっただけで、焦る必要がどこにある」
麗奈「………」
真奈美「それとも? 自信が持てないのなら、持てるようになるまで私が特訓に付き合ってやるが」
麗奈「……ハンッ! 自信が持てないですって?」
麗奈「このレイナサマが、そんなことでいちいち落ち込むわけないでしょっ!」
麗奈「あいつらが人気出てきたんなら、こっちもちょーっと本気だしてやるだけよ!」ニカッ
真奈美「ははっ。そうだな、その意気だ」
真奈美「そうだ。囲碁なら私が相手になってやろう」
麗奈「ククク、後悔するんじゃないわよ」
9: 以下、
ゆかり「………」
ゆかり「真奈美さん、すごいですね」
晶葉「人生経験豊富な彼女だからこそ、適切な励まし方を思いつけるんだろうな」
晶葉「まあそれ以前に、ゆかりにああいったやり方は似合わないか」
ゆかり「そうでしょうか? 私だって……」
ゆかり「てやーっ」ペシッ
ゆかり「と、背中を叩くくらいは」
晶葉「ふわふわしていて逆に気が抜けそうだぞ……」
真奈美「ところで麗奈。囲碁のルールは知っているのか?」
麗奈「トーゼンよ。アレでしょ、なんか神の一手とかを打てばいいんでしょ?」
真奈美「……ふわふわしすぎで不安になるな」
10: 以下、
その後
凛「アイドルLIVEロワイヤル?」
P「そうだ」
P「簡単に言うと、いろんな事務所のアイドルが三人一組のチームになってライブをして、観客からの投票数を競い合うというイベントだな」
P「今回のは、比較的ランクの低いアイドルが参加する予定のロワイヤルだ」
凛「なるほど。それで、そのイベントに参加するのが……私と」
ゆかり「私と」
麗奈「アタシってことね」
麗奈「低ランクのアイドルなんて、アタシにかかれば楽勝ね!」
P「自信があるのは結構だけど、ちゃんと練習はしてもらうからな」
ゆかり「がんばりましょう」
凛「うん」
ゆかり「初めての、凛さんと一緒に立つステージ……楽しみです」ウフフ
凛「私も、そうかな」
凛(私がアイドルになる前から、ゆかりは『凛さんと一緒なら、もっといいステージが作れる』って言ってくれてたんだよね……)
凛「……頑張ろう」
麗奈「アンタ達! 足引っ張るんじゃないわよ!」
凛「麗奈こそ」
麗奈「なんですってー? 生意気ね、このこのっ」
凛「ふふっ、くすぐったいって」
P「……よし。初めての組み合わせだけど、うまくやれそうだな」
P「ゆかり。何かあったら、早めに俺に言ってくれ」
ゆかり「わかりました」
11: 以下、
その日のレッスンにて
麗奈「さあ、やるわよ! アンタ達もちゃんとついて来なさいよね!」
凛「麗奈、やる気満々だね」
ゆかり「そうみたいですね。うふふ」
ベテトレ「お、今日は小関がずいぶんと元気のようだな。よーし、私も気合いを入れてダンスを仕込んでやろう」
麗奈「どーんと来なさい!」
ベテトレ「――はい、そこまで! 今日はこれで終わりにする。お疲れ!」
麗奈「つーかーれーたー」ダラー
ベテトレ「こら、小関。だらけるなら着替えてからにしろ」
凛「さっきまでの元気はどこへやら……」
ゆかり「麗奈さん。ポカリですよ」
麗奈「あー、あんがと……ごくごく」
麗奈「ぷはー。生き返った」
12: 以下、
凛「………ふふっ」
麗奈「? なによ、人の顔見て笑うなんて失礼ね」
凛「あ、ごめん。その、麗奈はなんていうか、正直だなって思って」
凛「楽しい時は楽しそうな顔して高笑いするし、しんどい時はしんどそうな顔して文句言うし」
麗奈「そんなの当たり前じゃない」
凛「かもしれないけど、ね」
ゆかり「ふふ、『ね』ですね」クスッ
麗奈「あー、なによ二人きりでわかっちゃって! アンタらふたり、できてるんじゃないでしょうねえ」
凛「できてるって……そんなわけ」
ゆかり「凛さん。できているとは、何ができていることなのでしょう?」キョトン
凛「え? それは、ほら。私とゆかりが……恋愛的に好きあってる、みたいな」
ゆかり「まあ、そうなんですか!?」
凛「違うに決まってるでしょっ。というか自分のことでしょ!」
ゆかり「あっ、そうでした」
13: 以下、
ゆかり「ところで、女の子同士で恋愛というのは、普通にあるものなんですか?」
凛「えっ? ま、まあ……割と話には聞くし、あるんじゃないかな。同性婚を認めている国もあるし、日本でも最近動きがあるし」
ゆかり「なるほど。愛にもいろいろな形があるのですね」
凛(私なんでこんな説明してるんだろ)
ゆかり「凛さんは詳しいんですねっ」
麗奈「そっちのケがあったりしてー」
凛「ないから!」
14: 以下、
なんやかんやでロワイヤル当日
凛「ふう……緊張してきた」
麗奈「なっさけないわねー。このくらいでビビってんじゃないわよ!」
ゆかり「リラックスですよ、凛さん。まずは深呼吸です」
凛「すー、はー」
ゆかり「そして、笑顔を作ってみましょう。はい、にこーっと」ニコニコ
凛「に、にこぉ……だめ、うまくできない」ニゴニゴ
麗奈「表情だけじゃやりにくいわ。ちゃんと声も出しなさい」
麗奈「アーッハッハッハ!!」
麗奈「ほら、アンタも!」
凛「えっ……あ、あーははは」
麗奈「ふざけてんの?」
凛「だ、だって恥ずかしいし」
15: 以下、
麗奈「恥ずかしくてアイドルがやれるかっていうのよ。ねえ、ゆかり」
ゆかり「あーっはっはっは!!」
凛「ゆかり!?」
ゆかり「わあ、やってみると結構楽しいですね」
麗奈「ほーら見なさい。清純派お嬢様のゆかりだってやってるでしょうが」
凛「うぐっ」
ゆかり「お芝居だと思えば、気楽にできると思いますよ」
凛「お、お芝居……よし」
凛「あ、あーっはっは」
麗奈「もっと声を張り上げて!」
凛「あーっはっはっ」
麗奈「もっともっと!」
凛「アーッハッハ!!」
麗奈「そう、その調子! だんだん楽しくなってきたでしょ」
凛「アーハハハハッ!!」
凛(確かに、だんだん胸のつかえがとれてきたかも――)
卯月「あ、あの……なんだか、楽しそうですね?」アハハ
凛「あーっは………し、島村さんっ!?」
卯月「はい、島村卯月です。皆さんおはようございます」
16: 以下、
ゆかり「卯月さん。おはようございます」
麗奈「なんでアンタがここに? 今日のイベント、アンタみたいな人気アイドルが出るようなやつじゃないでしょ」
卯月「今日はフリーだったから、渋谷さん達も含めて、同じプロダクションの人達の応援に来るつもりだったんです」
ゆかり「それは心強いですね。ありがとうございます」
凛「……待って。来る『つもりだった』?」
卯月「えへへ……実はですね。私のプロデューサーさんが担当している子が、体調不良でイベントに出られなくなってしまって」
卯月「三人一組で参加のイベントだから、このままだと他の二人も出られなくなっちゃう……それはよくないと思ったので」
卯月「急遽、私がピンチヒッターで出ることになったんです」
凛「………え」
17: 以下、
麗奈「ふむふむ、なるほど……ってはあああ!? 出るって、アンタが出るの!?」
卯月「はい。その子達の歌やダンスは何度も見ていたし、練習にも付き合ったことがあるので、なんとかなるかなと」
ゆかり「お互い頑張りましょうね」
卯月「はいっ。島村卯月、頑張ります!」
凛(が、頑張られると困る……)
麗奈「ま、マジ……?」
卯月「じゃあ、私は控え室に戻りますね」ペコリ
18: 以下、
凛「………」
凛「ねえ、ゆかり。島村さんって、アイドルとしてはどのくらいすごいんだっけ」
ゆかり「ええとですね……アイドルの人気を、AからFの6段階でわけたアイドルランクというものがあるのですが」
ゆかり「凛さんと麗奈さんがE、私がDで……卯月さんは文句なしのAです」
麗奈「つまり、一番上ってことじゃないのよ」
ゆかり「一応、ランクAの上にランクSがあるんですけど……これはもう、本当にトップアイドルの中でもトップの方に贈られる称号なので」
凛「どのみち、雲の上の存在ってことには間違いないか……はあ」
P「こらこら。やる前からため息なんてついちゃだめだ」
凛「プロデューサー」
P「このイベントは、確かにユニットごとの勝ち負けがはっきりつく形式のものだ。でも、大事なのはそれだけじゃない」
P「お客さんに向き合い、今の自分達の最高のパフォーマンスを見せられるかどうか。これがライブな以上、結局はそれが一番大事なんだよ」
19: 以下、
ゆかり「……そうですね。結果は、そういったことができて、初めてついてくるものですから」
ゆかり「卯月さんのことは気にせず、私達は私達のライブをしましょう」
凛「ゆかり……うん、そうだね。まずは、そこからだよね」
麗奈「フン! Pとゆかりもたまにはいいこと言うじゃない! ちょっとだけ褒めてやるわ」
ゆかり「ありがとうございます♪」
麗奈「よーし! レイナサマの本気、見せてやるわ!」
麗奈「それに、いくら島村卯月と言えども所詮は付け焼刃のダンスと歌! 案外たいしたことないかもしれないしね!」
凛「………」
凛(麗奈……それは多分、負けフラグ)
20: 以下、
そして、イベント終了後
麗奈「あーもう! なによあれ、反則じゃない!」
ゆかり「卯月さん、すごかったですね……あの人がステージに登った瞬間、空気が変わったような気がしました」
P「あまりこういうことは言いたくないんだが……あれはもう、『仕方ない』としか言いようがないな」
P「俺としては、ちゃんと3位という結果を獲れたことを素直に褒めたい。三人とも、よく頑張った」
P「今日の結果を参考にするお偉いさんたちも、トップのユニットに島村さんがいたことは考慮するだろうし」
凛「………うん。ありがと」
P「今日は帰って、ゆっくり休んでくれ」
凛「………」
21: 以下、
凛「………」フーー
凛(やれるだけはやったと思う。私もゆかりも麗奈も、あの瞬間に全部を出し切れたはず)
凛「……それでも、ピンチヒッターのトップアイドルに全然届かない、か」
凛(ネームバリューで投票が偏ったとか、そういう問題じゃない。私が見たって、違いは歴然だった)
凛「あれが、島村さんの実力なんだ」
凛(前にも、あの人のライブは見たことがある。でもそれは、私がアイドルになる前の話)
凛(アイドルになって、一応は同じ土俵に立ってから、あのパフォーマンスを見ると……なんというか、初めてわかる『強さ』みたいなものがあった)
凛「敵わないな……」
麗奈「わっ!!」
凛「きゃあっ!?」
麗奈「ククク、おどかし成功ね」ニヤリ
22: 以下、
麗奈「なにしょぼくれた顔してるのよ、さっきから」
ゆかり「大丈夫ですか? 凛さん。具合が悪いとか」
凛「ああ、ううん。そういうんじゃないから、安心して」
ゆかり「それなら、いいんですけど」
麗奈「はっはーん。さては島村卯月に負けて落ち込んでるのね!」
凛「……そうだね。結構、落ち込んでる」
麗奈「……あれ、意外とマジトーン?」
ゆかり「麗奈さん。少しだけ『しーっ』でお願いします」
麗奈「あ、はい」
ゆかり「……凛さん。よかったら、もう少し話してくれませんか?」
凛「………」
23: 以下、
凛「私、今まで何かに一生懸命打ち込んだことってなかったんだ。高校に入っても、部活とかやらずに、適当に友達と遊んで、だらだら過ごしていただけ」
凛「だからさ、なんかの勝負とかで負けても、ちょっと気にするだけだった」
凛「でも、今は……アイドルには、私なりに本気で打ちこんでるつもりだから」
凛「だから……あれだけはっきり負けちゃったら、ダメージ大きいんだなって。こんな気持ち、初めて知った」
凛「そんな感じかな」
ゆかり「凛さん……」
麗奈「………」
麗奈「悔しいの?」
凛「え?」
麗奈「負けて悔しいの? それとも、ただへこんでるだけ?」
凛「それは……」
凛「……やっぱり、悔しい気持ちもあるよ。いきなり出てきて、一位をかっさらわれたんだから」
麗奈「そう」
麗奈「だったら、アタシと同じね!」ニヤリ
24: 以下、
凛「同じ?」
麗奈「負けて悔しいのなら、次に勝って倍返しすればいいのよ。そしたら絶対楽しいわ!」
麗奈「だからアタシは、アンタみたいにいちいちへこんだりしないのよ!」
凛「……次も負けたら?」
麗奈「そしたら4倍返し!」
凛「次の次も負けたら」
麗奈「8倍返し!」
凛「その次の次の次の次の次も負けたら?」
麗奈「え? えっと、それは……16、32……」
麗奈「ああもう! とにかくどかーんとやり返すのよ!」
ゆかり「負けた数だけ、勝ちの大きさは増していく。そういうことですね」
麗奈「そう、それ。それが言いたかった!」
麗奈「負けたら腹が立つのは当然。だけどそのぶん、ソイツに勝ってひれ伏させた時のことを想像するだけで、こんなに楽しいことはないわ!」
麗奈「悪の流儀で、最後に笑うのはこのレイナサマなんだから! アーッハッハ!」
25: 以下、
凛「………」
ゆかり「ふふ……やっぱり、麗奈さんは元気ですね」
凛「そうだね。悔しかったら、そのぶんやり返せばいい」
凛「いつか、勝つ。島村さんに」
麗奈「あ、それってライバル宣言ってやつ?」
凛「ライバルか……一方的だけど、それもいいかもしれないね」フフッ
麗奈「大きく出たわねー」
凛「麗奈ほどじゃないよ」
凛「……悪の道っていうのも、案外悪くないのかも」
麗奈「あ、そう思う? なら、つかさとのユニット解消してアタシの下僕にしてやってもいいわよ?」
凛「それは遠慮しとく」
ゆかり「うふふ。凛さんが元気になってくれてよかったです」
凛「ありがと、心配してくれて」
凛「……麗奈もね」
麗奈「はあ? 心配なんてしてないわよ。アンタとはこれからも一緒に仕事するかもしれないし、足引っ張られると困るなって思っただけ!」
凛「はいはい、そうだね」
麗奈「なんか引っかかる言い方ね……まあいいわ。女王様はアメとムチを使い分けるもんだしね!」
26: 以下、
後日
美嘉「卯月ー、はいこれ」
卯月「? これ、お手紙ですか?」
美嘉「小関麗奈ちゃんっているでしょ? あの子から」
卯月「はあ……えっと」ペラ
卯月「『島村卯月! この前のライブの借り、いつか絶対返してやるんだから! 首を長くして待ってなさいよね!』」
美嘉「首を長く……首を洗っての間違いかな」
卯月「『以上! ライバル宣言!』」
卯月「『By 小関麗奈と……』」
卯月「……渋谷凛?」
27: 以下、
同時刻
凛「アンタが島村さんにどんな手紙送ろうと勝手だけど、なんで私の名前まで一緒に書いたのか、小一時間問い詰めたい」
麗奈「だってアンタ言ったじゃない。島村卯月のライバルだって。だからついでに書いといてあげたのよ」
凛「これほどまでに『余計なお世話』と言いたいのは生まれて初めてだよ」
凛「はあ……島村さんとは仲良くしたかったのに。怒ってないかな」
つかさ「心配すんな。向こうは格下のかわいい自己主張だと思って見逃してくれるだろ」
つかさ「いちいち目くじら立てたりしないっての」
凛「……それはそれで、なんか複雑」
つかさ「お前めんどくさい奴だな」
つかさ「もぐもぐ……おっ、このカレーパンうまい。外はカリカリ中はもっちりスパイシー」
つかさ「今度から贔屓にしてやるか」
28: 以下、
真奈美「ははは、青春だな」
ゆかり「私も一緒に名前を書いてもらえばよかったかもしれません」
晶葉「麗奈と同じバカだと思われるぞー」カチャカチャ
真奈美「晶葉はなにを作っているんだ?」
晶葉「『おいしいお茶を淹れるっちゃ』。これさえあれば自動的においしいお茶が用意される――」
ゆかり「私、用済みですか……?」ガーン
晶葉「と、なるとゆかりの仕事を奪ってしまうので。お茶を用意する時、適切な淹れ方を適宜指示してくれるだけの機械にしておいた」
ゆかり「わあ、とっても頼りになりそうですね」ニコニコ
真奈美「晶葉も十分気配り上手だな」フフッ
29: 以下、
麗奈「とにかく、送った手紙は戻せないんだから諦めなさい」
麗奈「どうせいつかは倒す相手なんだから、どーんと構えとけばいいのよ!」
麗奈「アーッハッハッハ!」
凛「あーっはっは……笑っていいのかな」
つかさ「ははっ、楽しそうだなー」
凛「ならつかさも高笑いすれば?」ジトー
つかさ「アタシのキャラじゃないんで」
凛「そう言うと思った」
つかさ「ま、そいつの、何度痛い目見ても懲りずにイタズラだのなんだの繰り返す不屈の精神だけは見習ってもいいと思うぞ」
つかさ「アタシもそこは買ってるからな」
凛「……じゃあ、もしかして、麗奈も自分の会社に欲しいとか?」
つかさ「今のままだとバカすぎるからいらねえ」
凛「やっぱり」
30: 以下、

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