おそ松「借金しよう」back

おそ松「借金しよう」


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赤塚金融事務所
金貸し「はい、5万円」
おそ松「どーも」
金貸し「ではまた来週に?」
おそ松「あいよ」
----------------------------------------------------------------------------
2: 以下、
パチンコ店
おそ松「また負けた…。どーすんだよ、ヤバそうなとこから借りた金なのに全部スッちゃったよ…」
おそ松「なんで俺ん時ばっか出ない台に当たるんだよぉ…。さっき隣のババアなんかめっちゃ出てたのに…」
おそ松「はぁ…もうやだ。どうなっちゃうんだろ、これから……」
おそ松「………」
おそ松「ま、いいや。帰って寝よ」
3: 以下、
街中
おそ松「ん?あれ、トド松じゃん?」
トド松「」ペチャクチャ
女の子「」ペチャクチャ
おそ松「おーす!トッティ!」
トド松「? あ……」
女の子「知り合い?」
トド松「ううん、知らない」
おそ松「ちょっとちょっと!兄弟なのにひどくない?」
トド松「……」
女の子「松野くんのお兄さんなの?」
トド松「違うよ。行こっか」
女の子「え?でも…」
おそ松「…ねぇ、ちょっとそいつ借りていい?」
女の子「」ビクッ
4: 以下、
おそ松「ていうか借りるよ」グイッ
トド松「な、なにするんだよっ…!離して…!」
おそ松「あ、彼女も一緒に来る?それでもいいけど?」
トド松「……!?」
女の子「ま、松野くん!」アセアセ
トド松「…ごめん。先行ってて?」
女の子「だ、大丈夫なの?」
トド松「うん。後で合流するから。ね?」ニコッ
女の子「そ、そう…じゃあ先行ってるね」ソソクサ
おそ松「…女の子を逃がしてあげるなんてかーっくいぃ?さすがリア充のトッティ!」
トド松「……さっさと要件だけ言ってくれる?」
おそ松「じゃ、人気のなさそうなとこに行こうか」
トド松「……」
5: 以下、
路地裏
ドカッ バキッ ガンッ ズサァァッ
トド松「ぇほっ…う、うぅ…」ボロッ
おそ松「末っ子のクセに生意気言っちゃダメじゃーん。ケンカで俺に勝ったことないだろ?」ニヤニヤ
トド松「……クズ…」ボソッ
おそ松「…なんか言った?」
トド松「聞こえなかった?クズって言ったんだよ?バカでニートでろくでなしのパチンカス!」
おそ松「あー聞こえない、聞こえない。そういうの遮断するフィルター付けてっから?」ホジホジ
トド松「へー!耳にまでクズゴミが詰まってんの?かわいそー?」
おそ松「めんどくせっ!まぁいいや。ちょっと相談あんだけど」
トド松「……なに?」
おそ松「金貸して!おねがい!」
トド松「ムリ」
おそ松「あーそう…」コキッコキッ
7: 以下、
カフェ
女の子「松野くん、大丈夫かな…」
ピロリロリン♪
女の子「……!」ピッ
『心配かけてごめんね。もう終わったから、すぐ行くよ』
女の子「」ホッ
ピロリロリン♪
女の子「…写真?」ピッ
女の子「きゃあっ!?」ギョギョッ
ザワッ
女の子「???!!」ブルブル
店員「お客様、大丈夫ですか?」
女の子「ご、ごめんなさい…!なんでもないんです…!」ブルブル
店員「なんでもないようには見えませんが…」
女の子「お、お会計お願いします!」ガタッ
店員「は、はぁ…740円になります」
女の子「(松野くんと遊ぶのやめよ…!なんかこわい…!)」ブルブル
8: 以下、
―――公園―――
おそ松「へっへーん!あの女の子ビビったろうなー?」
おそ松「登録してたアドレスに片っ端からトッティのフルボッコ写メ送ってやったもんねー!」
おそ松「しっかしあいつ意外と持ってたなー。ちゃんと仕事してんだ。えらいえらい!」ピラッ
おそ松「さーて、もっかい勝負するかな!今度こそ取り返すぞー!」
ワイワイキャッキャッ
おそ松「ん?うるせーガキ共だな。公共の場所で騒ぐのは税金払ってからにしろっての」
十四松「ハッスルハッスル!マッスルマッスル!」
子供たち「マッスルー!」キャッキャッ
おそ松「十四松…なにやってんだ?」
9: 以下、
おばさん「十四松くん、いつもありがとうね」ニコニコ
十四松「いーえ!どういたしまして!」
おばさん「うちの子供たちも十四松くんが来ると喜ぶのよ」
十四松「マジっすか!僕も楽しんでマッスルマッスル!」
子供たち「十四松にいちゃーん!鬼ごっこしよー!」
十四松「やりマッスル!」
おそ松「俺も混ぜてよ。十四松にいちゃーん」
十四松「!?」ギクッ
子供たち「わー!おんなじお顔だー!」
おばさん「あら、ご兄弟の方?」
おそ松「どうもー!いつも十四松がお世話になってます!」
おばさん「まぁ、ご丁寧に?こちらこそいつもお世話になっております?」
おそ松「ちょこっとだけ十四松借りていいですか?」
おばさん「どうぞ私達にお構い無く?」ニコニコ
子供たち「えー!」ブーブー
おばさん「私と遊びましょうね?」
おそ松「十四松!そっちのベンチで話そうぜ!」
十四松「う、うん…」
10: 以下、
おそ松「へー?じどう養護施設のボランティアしてんだ?」
十四松「そ、そう!おそ松兄さんも遊んでこーよ!みんな素直でかわい一本足打法!王貞治!」
おそ松「いや、俺はいーや。ガキのお守りとか、かったりーし」
十四松「あ、あはは…あははのは……」オロオロ
おそ松「それよりさー。金貸してよ」
十四松「…え、えーと」マゴマゴ
おそ松「十四松はいい子だもんなー?素直に貸してくれるよなー?」
十四松「お、おっけー…ツーストラーイク…ワンナウト?…」
おそ松「サンキュー!やっぱお前はいい奴だなー!」ナデナデ
十四松「ど、どーいたしましてー…えへへ…」オロオロ
11: 以下、
街中
おそ松「…なんだ、40円ぽっちかよ。ちゃちーな」チャリンッ
ホームレス「」フラフラ
おそ松「おっ!ってーな!どこ見て歩いて……」ドンッ
ホームレス「……」ボーッ
おそ松「お、お前…一松か?」
一松「……おそ松兄さん?」
おそ松「なにやってんだよ…」
一松「なんにも…」
おそ松「……くっさ。風呂入ってんのか?」
一松「なぁ、兄さん…頼みがある」
おそ松「は?」
一松「金……貸してくれないか?」ブルッ
おそ松「え?なんで?」
一松「み、三日間……水しか飲んでない…」
おそ松「そうなんだ?で?」
一松「千円でいいんだ…!たのむよ…!」ガシッ
おそ松「お、おい…!?」
一松「いつか返すからさぁ…!兄弟だろ…!?」ユサユサ
おそ松「はな…せよっ!」バッ
一松「うぁぁ…あうう…」ドサッ
おそ松「…飯が食いたきゃ家に帰ればいいだろ」
一松「ひぃぃ…ひぃぃぃぃ…」ズルズル
おそ松「馬鹿馬鹿しい…」スタスタ
13: 以下、
パチンコ店
ジャラジャラ ジャラジャラ
おそ松「うっひょー!来た来た!来ました!出るよ出るよ!どんどん出るよー!」
チョロ松「…おい!!このクソバカ兄貴!!」ガッ
おそ松「え?あ、チョロ松!?」
チョロ松「やっぱりここにいたな!このろくでなしが!?」
おそ松「はぁ…めんどくせーな。ちょっと今、忙しいから後にしてくれる?」
チョロ松「うるせぇ!いいから来い!?」グイッ
おそ松「はぁ!?ちょっ!?バカじゃねぇの!?見てわかんねぇの!?出てんだって!ドル箱積んであるだろ!?」
チョロ松「……じゃあそれ換金して来い!」
おそ松「え?なに?聞こえない?」
チョロ松「今すぐ換金して来いってんだよ!!」グイッ
おそ松「わああ!!引っ張んな、バカ!!このツキを逃したら……」ズルズル
チョロ松「うるせぇ!いいから来い!」グイッグイッ
14: 以下、
おそ松「あーあ!チョロシコスキーが邪魔しなきゃあと10万は勝ってたのに!」
チョロ松「誰がチョロシコスキーだ!?」
おそ松「たく!シコシコした手で触るから服がベチャベチャ!」
チョロ松「なんも付いてないからね!?アイドルの握手会じゃあるまいし!?」
おそ松「で、なんか用?」
チョロシコシコ「なんか用…じゃねーだろ。このメールなんだよ?」バッ
おそ松「あぁ…トッティのか。よく撮れてるっしょ?あいつのスマホ画質いいよな!」
チョロ松「お前な…!」
おそ松「いや、あいつが悪いんだよ?俺がフレンドリーに話しかけてんのに無視するから?」
チョロ松「お前が母さんたちに迷惑掛けてるからだろ!ニートなのに借金まで作ってなに考えてんだよ!?」
おそ松「またその話?お前も好きだねー」
チョロ松「いい加減、自立しろよ!みんな家出てんだぞ!?」
おそ松「はーやだやだ。これだからライジングは…」
15: 以下、
チョロ松「長男なのに…いつまでこんなこと続けんだよ…!」
おそ松「チョロ松だって、こないだまでニートだったじゃん。自分が外れたからって急に説教するのやめてくんない?」
チョロ松「うっ…」
おそ松「俺もフリーハグから始めてみよっかなー?そんで語学留学だっけ?」
チョロ松「ひ、人の黒歴史突っつくなよ!」
おそ松「なんの役にも立たない経験だろーなぁ?今まで身に付けたもの、今の仕事で使ってる?」
チョロ松「……!」
おそ松「だろーねぇ?だって無駄だもん?英語がちょっと喋れたって4ヶ国語ぐらい喋れなきゃ通訳はできないし、ハグなんて一般社会じゃただのセクハラ!」
チョロ松「……」
おそ松「つかさ、母さんも父さんも納得してるから、いちいち出しゃばんないでいいよ?」
チョロ松「はぁ…!?」
おそ松「俺のことは俺が決める。指図すんな。シコ松が!」ペッ
チョロ松「おそ松兄さん…」シュン
16: 以下、
松野家
おそ松「ただい…ま?」
松造「でかしたぞ!カラ松!」
松代「これであたし達も安心して老後を迎えられるわ」
カラ松「ふっ…待たせて悪かったな」
トト子「ふふ…よかった。反対されたらどうしようって話してたのよね」
松造「反対なんてとんでもない!」
松代「そうよ!今時できちゃった婚なんて珍しくないわ?」
カラ松「早く俺達のベイビーを拝ませてやりたいな」
トト子「うん…」ポッ
松造「うっうっ…よかったのう母さん!」シクシク
松代「ほんと…ようやく孫が出来るのね!」シクシク
カラ松「…で、しばらく妊活に専念したいから実家に置いてほしいんだが」
松造「もちろんだとも!いいよな、母さん!?」
松代「えぇ、えぇ、こんな可愛い花嫁さんが来てくれて嬉しいわ。うちでゆっくりしてってちょうだい!」
トト子「ありがとうございます!お義父さん!お義母さん!」
松造「今夜は最高!寿司を取ろう!」
松代「そうね。電話して……あら」
17: 以下、
おそ松「……」
カラ松「……おそ松」
トト子「あ、おそ松くんじゃない?久しぶり!」ニコニコ
松造「なんだ、帰ってたのか」
松代「あんたも一緒に座んなさいよ。今から二人のお祝いするから」
おそ松「寿司来たら部屋に持ってきて。一人で食うわ」スタスタ
松造「おい!」
松代「ちょっと…おめでとうくらい言ったらどうなの?」
カラ松「いいんだ。父さん、母さん」
松造「し、しかしだな…」
カラ松「今日は帰るよ。また他の兄弟が集まった時に祝ってくれ」
松代「で、でも…」
トト子「とりあえず報告はできましたから、またお伺いしますね?」ニコニコ
松造「…あ、あぁ」
松代「……」
カラ松「さ、帰ろう。トト子」スッ
トト子「はい!カラ松さん?」パシッ
松造「……見送ってくよ」
松代「体に気をつけてね。カラ松もトト子さんも…」
カラ松「ああ、ありがとう」
トト子「お邪魔しました!」ペコッ
18: 以下、
屋台
チビ太「カラ松がトト子ちゃんと結婚したぁ!?」
おそ松「だとさ…ういーひっく」
チビ太「そいつは驚いたな。あいつは一生、鏡に告白してるもんだと思ってたぜ」
おそ松「やだやだ…なーんもかも」
チビ太「…お前もさ、そろそろ」
おそ松「瓶が空っぽだよ…」
チビ太「……ほれ」ゴトン
おそ松「」トクトク
チビ太「なぁ、おそ松」
おそ松「」グビグビ
チビ太「あー!あぶねぇって!そんな急いで飲まなくても……」
おそ松「おぇ…げふぅぅ…」
チビ太「うっ…ゲップすんなよ?行儀わりーぞ、チキショー!」
おそ松「チビ太ぁ……」
チビ太「あ?」
おそ松「出てけって…言われちゃったぁ……」ブワァッ
チビ太「……」
おそ松「ひっ…ひんっ……う、うああああん!!」ビエー
チビ太「はぁ…しゃあねぇな」
おそ松「っ…!っ…!」メソメソ
チビ太「オイラの奢りにしてやらぁ!付き合ってやるから愚痴吐いていきやがれ!コンチキショー!」
おそ松「うぇぇぇぇぇぇん……」メソメソ
19: 以下、
おそ松「俺だって…ほんとは頑張りたいよ…。でも…どうしていいか分かんないんだ…」
おそ松「何をすればいいかもさぁ…適当な目標立てたって…いざやると全然、やる気になんないし…」
おそ松「資格とか…本読んでも…結局ペラッとめくって終わりだしさぁ」
おそ松「バイトとか…面接の日になったら……急に行きたくなくなってドタキャンしちゃうしさぁ」
おそ松「開き直って今まで通りにしてたら…いつの間にかみんな別世界にいてさぁ」
おそ松「俺だけ…取り残されて…誰も味方がいなくなる」
おそ松「頑張ろう頑張ろうと思うほど…頑張るのがイヤになる…苦しいよぉ」
チビ太「……」
おそ松「チビ太ぁ…!俺どうすればいいんだよぉ!?」
チビ太「甘ったれんな、バーロー」
おそ松「え?」
チビ太「今日からオイラもお前の味方じゃねぇ。それ食ったら帰れ」
おそ松「ち、チビ太…?」
チビ太「ツケも払わねー客に構ってられっか!てめぇの金で食えるようになるまでツラ見せんなよ?」
おそ松「そ、そんなぁ…お前まで俺を置いてきぼりにするのかよ!」
チビ太「それが社会人だ、バーロー!!」
おそ松「」ビクッ
チビ太「置いてかれたくなかったら…とっとと自分の足で進めよ」
おそ松「……」
チビ太「苦しいのはお前だけじゃねぇ。いや…社会で頑張ろうとしてる他の兄弟達のがよっぽど苦しんでらぁ!」
チビ太「どこまで行ったって不安は付きまとうし、いきなりガクッと落ちる事だってある。それでもやるしかねぇんだよ!」
チビ太「気楽な人生なんてありゃしねぇんだ!!」
おそ松「っ……」
チビ太「てやんでぇバーローチキショー!!てやんでぇバーローチキショー!!てやんでぇバーローチキショー!!てやんでぇバーローチキショー!!」
おそ松「あー!!うるさいうるさいうるさい!!お前なんか絶交だ、バーカ!!」ダッ
チビ太「おう、上等だ!二度と来んな!?」
ダダダッ………
チビ太「……がんばれよ。おそ松」
20: 以下、
河川敷
イヤミ「仕事を紹介してほしい?」
おそ松「頼むよ、イヤミ!もうお前しかいないんだ!」
イヤミ「イヤに決まってるザンス」
おそ松「え!?」
イヤミ「チミに紹介するくらいなら他の誰かに紹介するザンスよ」
おそ松「な、なんでだよ」
イヤミ「じゃあ聞くザンスが…車の免許は?」
おそ松「ない」
イヤミ「資格は?」
おそ松「ない」
イヤミ「職歴は?」
おそ松「ない」
イヤミ「最終学歴は?」
おそ松「高卒」
イヤミ「住まいは?」
おそ松「実家」
イヤミ「やる気は?」
おそ松「ない」
イヤミ「根気は?」
おそ松「ない」
イヤミ「ない、ない、ない…何を聞いてもすっからかん!そんな奴に紹介できる仕事なんか、もーっとないザンス!!」
おそ松「!?」ガーン
イヤミ「現実を見て物言うザンス!ウッシッシ!」
おそ松「……」
21: 以下、
釣り堀
おそ松「……」ボケーッ
おそ松「なーんもかかんないなー」
おそ松「そりゃそうか、柵の外から眺めてるだけだし」
おそ松「また釣り…したいなぁ」
おそ松「……おそ松と一松のデリバリーコント、ほんとは正直な狼少年!」
おそ松「みんなー聞いてくれ!狼が出たぞー!」
おそ松「わぁ大変!家に隠れろー!」
おそ松「うそぴょん!」
おそ松「また嘘ついたなー!今度やったら承知しないぞ!」
おそ松「数日後」
おそ松「狼だ狼だー」
おそ松「誰が信じるもんか」
おそ松「ほんとなんだよー!開けてくれ!食べられるー!」
おそ松「なら食われちまえ。嘘付きめ!」
おそ松「こうして狼少年は食べられたとさ……あれ?」
おそ松「はは……まんまじゃん。やっぱ誰かと一緒に考えないと思い付かないな」
おそ松「デリバリーコント…まだまだネタあったのになぁ」
22: 以下、
取り壊し予定地
おそ松「…潰れたんだ。ハタ坊の会社」
おそ松「そりゃそうだよな。アメリカンドッグじゃなぁ…」
おそ松「次はどこに行くかなぁ」
23: 以下、
デカパンラボ
おそ松「デカパン博士?…あ」
一松「あ」
おそ松「ひ、久しぶり」
一松「…久しぶり」
おそ松「元気…してた?」
一松「別に…」
おそ松「博士は…?」
一松「学会に出てる…」
おそ松「い、一松も…デカパン博士を頼ってきたのか?」
一松「違う」
おそ松「……?」
一松「僕がホームレスしてんの知った十四松が心配して…博士に頼んでくれた」
おそ松「そ、そうなんだ」
一松「助手見習いって形で引き取ってもらえたから…今はここで博士を手伝ってる」
おそ松「あ、あ?そっかそっか…」
一松「…これ以上は博士も限界だから」
おそ松「……」
一松「他当たってくれる…?」ジトッ
おそ松「う、うん…そうするわ」
24: 以下、
公園
おそ松「しっあわっせは?あるいてこーない♪だーからあるいていくんだね♪」
おそ松「……」グスッ
おそ松「俺…どうなっちゃうんだろ」
「探しましたよ」ポンッ
おそ松「え?」クルッ
バキッ
おそ松「ぐえっ!?」ドサァッ
金貸し「返済期限…過ぎてますよねぇ?」コキッコキッ
おそ松「…あ、あの…こ、これはその…まだ……」ガクガク
金貸し「みすぼらしいですなぁ。ひょっとしてホームレスですか?」
おそ松「」グゥゥゥ
金貸し「ハハハハハ!!あなたのお腹はいい返事をされますな!?」
おそ松「か、金を…お金を貸してください!お願いします!」ガシッ
金貸し「しがみつくんじゃないよ!!」ゲシッ
おそ松「ぐわっ!?」ズサァァ
金貸し「スーツがシワになるでしょうが?」パッパッ
おそ松「う、ぐぅぅ…!」ゴロゴロ
金貸し「ところで松野さん…ご家族はおられますか?」
おそ松「はぁぐぅ!い、ひぃでぇ!いてぇよぉ!」ゴロゴロ
金貸し「聞いてます…か!?」ドフッ
おそ松「ぎゃあ!!」
金貸し「まだ蹴られたいと?」
おそ松「!!!」ブンブン
金貸し「では…もう一度」
25: 以下、
金貸し「ご家族は?」
おそ松「います!兄弟と両親が!」
金貸し「ほう…?」
おそ松「か、代わりに返済してもらえるよう頼んでみます!だから……」
金貸し「いいえ、その必要はありませんよ」
おそ松「え?」
26: 以下、
金貸し「松野さん…あなたはまだ若い」
おそ松「は、はい?」
金貸し「これからやり直すチャンスはいくらでもある。でもそれにはご家族との信頼が不可欠です」
おそ松「(家族との…信頼)」
金貸し「私もね、若い時分はあなたのように生活苦に悩まされ、家族にもたびたび迷惑をかけました」
おそ松「あ、あなたも?」
金貸し「はい。なので気持ちはよく分かります」
おそ松「……!」ウルッ
金貸し「辛かったでしょう。怖かったでしょう。誰にも頼れず塞ぎこんでしまったことかと思われます」
おそ松「は、い…はい…!」ズビッ
金貸し「私があなたの更正をお手伝いしてさしあげます。どうかもう一度…やり直しませんか?」スッ
おそ松「金貸しさん…!」パシッ
金貸し「まずは銭湯で汚れを落としましょう。その後はファミレスで暖かい食事を召し上がりましょうか」
おそ松「い、いいんですか…!?」
金貸し「もちろんです」ニッコリ
おそ松「(か、神様みたいな人だ…!)」パァァ
27: 以下、
ファミレス
金貸し「スッキリしましたか?」
おそ松「はい!おかげさんで!」
金貸し「なんでも注文なさってください。お金の心配は要りませんから」
おそ松「あざーす!!どれにしようかなー!!」
金貸し「あ、ところで松野さん。今、住居はないですよね?」
おそ松「え?あ、はい…恥ずかしながら?」
金貸し「…では私どもの子会社で使われてる寮に住まれてはいかがですか?住所不定では職探しもままならないでしょうしね?」
おそ松「え?そ、そこまでしてもらっていいんですか?」
金貸し「はい。どうぞ遠慮なさらず?」
おそ松「やったー!あなたに金借りて本当にラッキーっす!」
金貸し「ふふ。いえいえ、これもご縁ですから…」
28: 以下、
トド松「こちらお冷やになりま……あ!」
おそ松「げっ!トド松…!?」
金貸し「お知り合いですか?」
おそ松「い、いや…」
バシャッ
おそ松「うわっ!つめたっ!?」ビショビショ
トド松「……あぁ、大変失礼しました。ただいま拭く物をお持ちします?」
おそ松「ま、待てよ!いきなり何すんだよ!」ガッ
トド松「……」ジロッ
おそ松「うっ…」タジッ
金貸し「よく見たらお顔立ちが瓜二つですね。双子の兄弟なんですか?」
トド松「いいえ、こんな奴知りません」
おそ松「こ、こんな奴ってお前…!」
金貸し「場所を変えましょうか。松野さん」
おそ松「え?」
金貸し「ここでは何かと不都合がおありでしょう」
トド松「…あなた誰ですか?この人とはどういう関係で……」
金貸し「赤の他人には関わりないことです」
トド松「」ムッ
金貸し「行きましょうか。松野さん」
おそ松「そ、そうっすね」
トド松「ちょっとおそ松兄さん!その人、なんなのさ?ていうか今までどこに…」
おそ松「あなたこそなんなんですかー?俺にはこんなクソ生意気な弟いませんけど?」
トド松「っ…か、勝手にすれば?」ムスッ
おそ松「あぁ勝手にするよ、バーカ」スタスタ
トド松「……兄さんのバカ」ボソッ
29: 以下、

金貸し「さて、松野さん。今日からここがあなたの帰る場所です」
おそ松「(き、期待してた訳じゃないけど…ずいぶんボロい寮だな)」
金貸し「こちらは部屋の鍵になります。なくさないでくださいね」チャラッ
おそ松「あ、ども…」パシッ
金貸し「家賃は月3万、とりあえず前金として2ヶ月分の6万をお支払いいただきます」
おそ松「……え?金取るんですか?」
金貸し「そりゃそうですよ。なに言ってんですか?」
おそ松「だ、だって…」
金貸し「あぁ、ご心配なく?とりあえずここは私が貸しておきますよ?」
おそ松「か、貸し…?また借金するってことですか?」
金貸し「はい。お金がないんですから、そうするしかないでしょう?」
おそ松「い、いや、そ、それはちょっと…」
金貸し「とりあえず細かい分は差し引いてあげますから…利息を含め、締めて40万の貸し付けになります」
おそ松「40万!?ちょっと待って!どういうこと!?」アセアセ
金貸し「はい?」
おそ松「だって2ヶ月分の家賃って6万でしょ!?それがなんで40万に……」
金貸し「はぁ?元の借金が残ってますよね?」
おそ松「え?ちゃ、チャラにしてくれるんじゃ……」
金貸し「なに寝言ほざいてんですか。そう簡単に借金を取り消せる訳がないでしょうが?」
30: 以下、
おそ松「……や、やっぱり帰る!この話は無しってことで!」
金貸し「松野さん…」ギロッ
おそ松「」ビクッ
金貸し「あんまナメたこと抜かしてっと…こっちもいろいろと考えますよ」
おそ松「」ガクガク
金貸し「私はね、善意であなたに救いの手を差し伸べてるんだ。そいつを無下にされちゃ気分が良くありませんねぇ?」
おそ松「す、すみませんでしたぁ!!」ドゲザ
金貸し「……」
31: 以下、
金貸し「松野さん、顔を上げてくださいよ」
おそ松「……!」バッ
金貸し「…ふふ。ご安心ください。私は何もあなたを貶めようってんじゃない?」ニッコリ
金貸し「松野さんが更正出来るよう、敢えて責任を持たせているんです」
おそ松「せき…にん」
金貸し「借りたお金はきちんと返す。当たり前のことですよね?」
おそ松「は、はい…」
金貸し「何事も責任感がないと途中でだらけて長続きしませんからねぇ?」
おそ松「……」
金貸し「まずはこの責任を果たしてみましょう?それが更正の…いいや、まともな大人になる第一歩ですよ?」
おそ松「で、でも40万なんて…そんな大金……」
金貸し「ハハハハハ!なにも今すぐ返せとは言いません。いつか返してくれたらいいんです?」
おそ松「ほ、本当に…?」
金貸し「はい。なので当面の生活は心配なさらず…ご自身の新たなスタートに専念ください」
おそ松「わ、分かりました!が、がんばります!」
金貸し「ではこちらの契約書にサインをもらえますか。名前の欄に書いていただくだけでいいんで?」
おそ松「はい!」
金貸し「」ニヤリ
32: 以下、
部屋
おそ松「ここから俺の新生活が始まるのか…」
おそ松「にしても汚い部屋だなぁ…。前に住んでた人の荷物とかそのままっぽいし、壁紙も剥げてる…」
おそ松「えーと説明書によるとトイレは…げっ!共用かよ?きったねぇ!」
おそ松「風呂なし?きっつ!!」
おそ松「しかも四畳半かぁ…。物置小屋と変わんないじゃん」
おそ松「はぁ…やんなっちゃうよ。今日は疲れたし寝ようかな」ゴロン
おそ松「グーグー」スヤスヤ
33: 以下、
おそ松「はぁー動くのダルい。今日も寝てよっかな」
おそ松「……」
おそ松「いやいや!何を言ってんだ!親切な金貸しさんに当面の生活費10万ももらっちゃったし真面目に職探ししないと!」
おそ松「よし!ハロワに行こう!」
34: 以下、
パチンコ店
おそ松「なんでこうなった」タバコスパー
おそ松「通りかかっただけなのに…ちょっと新台、覗いてみようと思っただけなのに……」
おそ松「もらった金…無くなっちゃったぁ…!」グスッ
35: 以下、
部屋
おそ松「……」ゴロゴロ
ガチャッ
おそ松「」ビクッ
金貸し「松野さん。調子はいかがですか?」
おそ松「あ、あう…どうして…金貸しさんが?」ビクビク
金貸し「初日で不安でしょうから様子見に来たんですよ。ご自身に合った職は見つかりましたか?」
おそ松「そ、それが…その…」
金貸し「……怯えなくて結構です。怒りませんから話してごらんなさい」
おそ松「じ、実は…」
36: 以下、
金貸し「なるほど、ギャンブルに浪費してしまったと」
おそ松「すみません!すみません!すみません!すみませんでしたぁ!!」ドゲザ
金貸し「」ゴソゴソ
おそ松「ひっ!?」
金貸し「どうぞ。10万あります」バサッ
おそ松「え?」
金貸し「ギャンブル依存は精神の病です。松野さんは悪くありませんよ」
おそ松「……!」プルプル
金貸し「気に病むことはない。何事も失敗は付き物です。大事なのは最後の最後で結果を出すこと」
おそ松「か、金貸しさん…」
金貸し「今はまだ過程の段階です。結果を出すまで何度でも挫ければよろしい」
おそ松「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!!」ヘコヘコ
金貸し「…では私はこれで。また様子を見に来ますが…もし御入り用でしたら遠慮なく事務所にお越しください?」ニッコリ
おそ松「は、はい!!」パァァ
おそ松「(なんだ…今までと変わらない。これでいいんじゃないか!)」
37: 以下、
パチンコ店
おそ松「ふんふんふーん」
チョロ松「あー!!やっと見つけた!?」
おそ松「今日はダメだなー。あ、今日もか!あはは!」
チョロ松「おい!」ガッ
おそ松「は?」
チョロ松「お前、今までどこにいたんだよ!?」
おそ松「え?なに?」
チョロ松「もう!しょうがないなぁ!!来い!!」グイッ
おそ松「あっ……ちょっやめろよ!」ズルズル
38: 以下、
チョロ松「今までどこほっつき歩いてたんだよ!?」
おそ松「べっつにー?どうだってよくね?」ホジホジ
チョロ松「……!」イライラ
おそ松「あ、そうだ。金貸してくんない?今日の分、スッちゃってさ」
チョロ松「この…クソ松がぁ!!」バキッ
おそ松「いってぇぇ!?」ズサァァ
チョロ松「ふーっ…ふーっ!」ワナワナ
おそ松「てめぇなにすんだよぉ!?」ガッ
チョロ松「父さんが死んだぞ…!」ジロッ
おそ松「……え?」
チョロ松「母さんも入院してる!」
おそ松「は?なに?どゆこと…?」
チョロ松「…怪しい男とつるんでんだって?父さんの葬儀にも出ないで何してんだよ!?母さんも心配してんぞ!?」
おそ松「……」
チョロ松「とりあえず見舞いに行くぞ!話はそれから!」
おそ松「…行かない」
チョロ松「は?」
おそ松「追い出したクセに…今さらなんだよ!?」バッ
チョロ松「うわっ!」ヨロッ
おそ松「もう俺に構うな!!」
チョロ松「兄さん…」
おそ松「うるせぇ!兄弟も親もいないし!!俺は一人っ子だ!!」
チョロ松「……」
39: 以下、
チョロ松「……父さんがいなくなって母さん、生活が苦しいんだ。葬儀に掛かった金と入院費で貯金は使い果たしてるし」
おそ松「……だからなんだよ」
チョロ松「今こそ…僕たち六つ子が力を合わせて協力しなくちゃ」
おそ松「勝手に数に入れんなっつの」
チョロ松「たしかに追い出されたかもしれないけど…ずっと養ってくれてたんだよ?」
おそ松「……」
チョロ松「あんなに楽しい時間が続けられたのは…母さん達のおかげじゃんか」
おそ松「楽しかったのに…俺を置いて行ったのはお前らだろ…」
チョロ松「僕だって、ずっとニートでいたかったよ!?今でも働きたくないって思ってる!!我ながらライジングしちゃってるしティッシュの消費量も変わんない!!でも!でもさ……」
おそ松「シコ松事情はいらないけど」
チョロ松「いつか…両親が弱って…働けなくなったら……今度は僕たちが養ってあげなくちゃいけないだろ!?」ブワァッ
おそ松「!!!」
チョロ松「…いつまでもしがみついてらんないよ。それにそうなった時、自分がなにも出来なかったら…きっと一生後ろめたいし、自[ピーーー]るしかないかもしれない!」
おそ松「ちょ、チョロシコスキー」
チョロ松「今チョロシコスキーって言うなぁ!?大事な場面だぞ!?」
40: 以下、
おそ松「それでも…俺は行けないよ」
チョロ松「はぁ!?まだ意地張って……」
おそ松「そうじゃなくて…借金あるんだ」
チョロ松「ま、また…!?なにやってんだよ、もぉぉ!!」
おそ松「ごめん…!」
チョロ松「はぁ…いくらぐらい?」
おそ松「さ、300万くらい…」モジモジ
チョロ松「シエーーー!!!」ピョンッ
河川敷
イヤミ「ふえーっくしゅん!」
41: 以下、
チョロ松「さ、さ、さ、んびゃく……どうするんだよ!?」
おそ松「い、いや、だけど借りてる相手、すごく優しいからさ?なんとかなるって!?」
チョロ松「そういう問題じゃないだろ!なんで300万も借りたんだよ!?」
おそ松「え、えーと…最初は5万だったんだけど…」
チョロ松「はぁ!?5万が300万になるわけないだろ!?」
おそ松「い、いろいろ…あったからさ」
チョロ松「それ騙されてるんだよ!優しいふりして借金を膨らましてドバッと請求する気だぞ!?」
おそ松「そんなわけないだろ。金なんか持ってないもん」
チョロ松「家族にだよ!!このバカ!バカ!ケツ毛燃えろバーカ!!」
おそ松「そ、そうだったのか!」ハッ
チョロ「まったく…どこまでバカなんだか!」ポリポリ
おそ松「面目ない…」
チョロ松「案内して」
おそ松「え?ど、どこに?」
チョロ松「その金貸しの事務所に決まってんだろ!?」
おそ松「えぇぇ!?」
42: 以下、
赤塚金融事務所
金貸し「おや、松野さん…ようこそいらっしゃいました。今日も融資のご相談ですか?」
おそ松「ま、まぁ…」
金貸し「そちらは…この前のバイトさんですか。やはりご兄弟で?」
チョロ松「バイト…?」
おそ松「あートド松と勘違いしてんだ」
チョロ松「…そういえばトド松から聞いた。怪しい奴がおそ松兄さんと一緒に来たって」
金貸し「おやおや…なにか誤解してらっしゃる?私は松野さんを窮地から救った善意の協力者です。感謝されこそすれ憎まれる筋合いはございませんな?」
チョロ松「率直に伺います。兄さんの借金は今、いくらなんですか?」
金貸し「ははぁ…?なるほど、返済のお手続きでしたか。少々お待ちを…引き出しにこれまでの滞納分の記載がございますので」ガラッ
おそ松「」ドキドキ
金貸し「あーあったあった。ご確認ください」ペラッ
チョロ松「」マジマジ
おそ松「あれ…?」
金貸し「松野おそ松さんは現在、ウチで600万借りております」
チョロ松「話が全然ちげーじゃねぇか!?」
おそ松「ごめん!ほんっとごめん!!」ヘコヘコ
金貸し「いやぁ、さすがにそろそろ回収も視野にと考えておりましたので助かりますよ。弟さんから御返済頂けるんですね?」
おそ松「イケる?チョロ松?」
チョロ松「イケるかボケぇ!!?」
おそ松「そ、そんな怒鳴らなくたっていいだろー?」
チョロ松「お前よくもそんな事が言えたな…!?えぇおい!?」
おそ松「さ、サーセン…」タジッ
43: 以下、
金貸し「で、御返済頂けるんですか?」
チョロ松「返せるわけないだろ!?だいたいなんで5万の借金が600万になんだよ!?」
おそ松「そうだそうだー」
金貸し「こちらでご用意した融資を松野さんが毎日ギャンブルで使い果たし、借金を重ねたからでは?」
チョロ松「おい長男!?」
おそ松「てへぺろ!」
44: 以下、
チョロ松「にしたって数ヵ月でこれはおかしいよ!あんたんとこの金利どうなってんの!?」
金貸し「…お察しの通り、法定金利など守っておりませんよ」
チョロ松「だ、だったらこんな違法な借金、無効だ!」
金貸し「ほう?つまり踏み倒すと?」
チョロ松「そ、そうは言ってないけど…正規の金利分しかこっちは払わないからな!」
おそ松「過払い金請求しちゃうぞー!アディー〇だぞー!」
金貸し「過払い金とはお支払い頂いた高翌利分から戻るものです。残念ながらウチはまだ松野さんから1円もお返し頂いておりませんので過払い金は発生致しません」
おそ松「そうなの?」
チョロ松「そうなの?じゃねーよ!他人事か!?」
金貸し「まずは一度、全額お返し頂きまして…それから改めてお話を伺いましょう」
おそ松「だってさ、チョロ松」
チョロ松「だから他人事じゃねーんだよ!!全部お前から引き起こされてんの!?」
45: 以下、
金貸し「融資の相談でも返金の手続きでもないのなら、お帰り願えますか?」
チョロ松「け、警察に相談しよう!もうそれしかないって!」
おそ松「う、うん。そだな……」
金貸し「おや、松野さん。その言い種はないでしょう?」ギロッ
おそ松「」ビクッ
金貸し「死にかけていたあなたを拾い、衣食住、何から何まで取り揃え、遊びの金まで工面して養ってあげたのは他ならぬ私ですよ?」
おそ松「よ、呼んでるぜ。松野さん」ツンツン
チョロ松「お前のことだよ、松野さん」
金貸し「おふざけはやめにしましょうか…」ピラッ
チョロ松「しゃ、写真…?」
おそ松「と、と、トト子ちゃん…!?」
チョロ松「な、なんであんたがトト子ちゃんの写真を!?」
おそ松「金貸しさんもトト子ちゃんのファンだったの!?」
チョロ松「ちげーよ、バカ!黙ってろ!しゃべんな!どっか行け!?」
おそ松「い、言い過ぎじゃね…?」ズーン
46: 以下、
金貸し「松野さんの周辺を洗ってみたところ…いろいろと関係性が見えてきましてねぇ」
チョロ松「と、トト子ちゃんに何する気だ!?」
金貸し「もし本人からお支払い頂けないということでしたら…こちらを訪ねてみようかと」
おそ松「トト子ちゃんは関係ねーだろ!?」
金貸し「身重な身体なんですってねぇ?過度なストレスは胎児に影響を及ぼしかねませんが…私どもも商売ですから致し方ない」
チョロ松「やめろ!そんな事したら警察に捕まえてもらうからな!?」
おそ松「そ、そうだぞ!警察ナメんなよ!?」
金貸し「警察、警察とおっしゃいますが…警察に相談されたところで何も困りませんよ?」
チョロ松「ハッタリだろ!闇金が警察に逆らえるわけがないんだから!?」
金貸し「以前、こちらの契約書にサインを頂きましたね」ペラッ
おそ松「あ……」
金貸し「松野さんにお貸ししている部屋の家賃、そして立て替えている生活費…これらにはウチの金利が発生しておりません。書類内容もまっさらで正当な手順を踏んでおります」
チョロ松「お、おい!それっていくらなんだよ!」
おそ松「ま、毎日10万くらい借りて…パチンコに使ったから……」
チョロ松「っ……あきれた!バカ通り越してクズだな、ほんと!?」
47: 以下、
金貸し「締めて400万…こちらはきっちり返していただきますよ」
おそ松「は、はは……どうしよ、チョロ松?」
チョロ松「…いったん帰るぞ!」
おそ松「え?」
チョロ松「僕一人じゃどうにもならないよ!みんなにも正直に話そう!」
おそ松「わ、わかった…」
金貸し「…松野さん」
おそ松「」ビクッ
金貸し「その場しのぎは所詮、その場しのぎ…破滅への秒読みは刻一刻と迫っている」
金貸し「逃げられませんよ?」ニヤリ
おそ松「」ゾゾゾッ
金貸し「またのお越しをお待ちしております」ペコッ
チョロ松「…行こう」
おそ松「……」ブルブル
48: 以下、
松野家
チョロ松「っていう訳なんだ」
おそ松「すまん!みんな!ダメな兄貴を許してちょんまげ!!」ドゲザッ
チョロ松「こんな時にふざけんな!?」
カラ松「はぁ…やれやれ。溜め息しか出てこないな」ハァッ
一松「借金に溺れて[ピーーー]よ…クズ松が」ケッ
十四松「お、おそ松兄さん!元気出しマッスル!ハッスルハッスル!!」アセアセ
トド松「ふん!自業自得じゃないの?僕は知らないからね!」プンプン
おそ松「うぅ…返す言葉も金もない!」
チョロ松「もう…」
49: 以下、
チョロ松「みんなさ、母さんも入院してるし、こんな時こそ兄弟で助け合うべきだと思わない?」
おそ松「よっ!よく言ったチョロ松!」パチパチ
カラ松「まぁな…。ブラザー同士でいがみ合ってもしょうがないが」
おそ松「いいね、カラ松!分かってるね!」
一松「あの時、突き飛ばされた恨みは忘れない…」
おそ松「ごーめんって一松ぅ!なっ?このとーり!」
十四松「またみんなで仲良くしマスクマン!満塁ホームラン!!」
おそ松「やー十四松は優しいね!いい子だよ、ほんと!」
トド松「僕は絶対にやだよ!こんなクズ助けたくない!」
おそ松「トド松ぅ??そんな事言わずにさー?たのむよー!」
チョロ松「うーん…バラバラだな。一回分かれようか」
50: 以下、
チョロ松「えー…おそ松兄さんを助けたい人ー」
カラ松「血の繋がりは60億分の6のミラクル……俺は10億分の1の確率で出会った兄を救ってやろうと思う」
十四松「僕もー!おそ松兄さんと、またいっぱい面白いことしたいでっす!」
チョロ松「じゃあおそ松兄さんを助けたくない人ー」
一松「むしろトドメを刺したい…」
トド松「…僕は反対。助けたって、どうせまた借金して家族に迷惑かけるもん。付き合いきれないよ」
おそ松「うーん!割れたねー?」
チョロ松「だから他人事じゃないって……ちなみに僕は助ける派ね」
トド松「えー!なんでさ!?」
一松「……」
チョロ松「母さんが心配してるからだよ」
トド松「っ…で、でも」
チョロ松「それに…父さんが亡くなって初めて家族の重さが分かったんだ。もうあんな思いしたくない」
一松「ちっ…」
51: 以下、
おそ松「……そういえばそうだったな」
カラ松「おそ松…?」
おそ松「父さん…死んじゃったんだってな」
十四松「お、おそ松兄さん!」オロオロ
チョロ松「…そっか。兄さんは看取ってなかったもんな」
トド松「自分がわるいんでしょ!」
一松「そうそう…」
おそ松「……」
52: 以下、
おそ松「……母さんの病気は治るのか?」
チョロ松「…分からない」
おそ松「へ?」
チョロ松「父さんの事もあるし…兄さんのことで心労が祟ってたから」
おそ松「……!」
チョロ松「せめて母さんにだけは元気でいてほしいだろ?」
カラ松「それには…おそ松がしっかりし、安心させてやるのが第一だな」
一松「無理でしょ、こんなクズ…」
十四松「大丈夫!兄さんなら余裕のよっちゃんイカフライ!センター前キャッチ!!」
トド松「兄さんが無責任なせいで……僕らから父さんだけじゃなくて母さんまで奪う気?」ジトッ
おそ松「……」
53: 以下、
おそ松「チョロ松」
チョロ松「…なに?」
おそ松「あちこち探し回ってくれたり、いろいろ世話焼いてくれてサンキューな。お前が弟でほんとによかった」
チョロ松「は?な、なに突然!?気持ちわるっ!?」ゾワッ
おそ松「カラ松」
カラ松「ふっ…感謝なら言葉にしなくてもハートに届いてるぜ。ブラザー?」
おそ松「よくも俺のトト子ちゃんを寝取りやがったな。このクソ松が!」
カラ松「えっ」
おそ松「でも父さんも母さんも…孫が生まれるって本気で喜んでた。だからそれでチャラにしてやんよ」ニカッ
カラ松「やれやれ…素直じゃないな」
54: 以下、
おそ松「一松」
一松「……」
おそ松「あの時は…ごめん。俺も心に余裕がなかったんだ」
一松「……けっ」
おそ松「…お前が一番、心配だったよ。暗いし闇人形だしぼっちだし」
一松「あぁ…?」イラッ
おそ松「でもお前が誰より家族を大事にしてたよな。気にしてないようで一番、周りを気にかけてた?」
一松「…は、はぁ?なに言っちゃってんの?そんなんじゃねーし?」
おそ松「いいヤツだよ、お前は?」ニカッ
一松「……!」カァァ
おそ松「十四松」
十四松「はいはいはいハイリスクノーリターン!!」
おそ松「お前は優しくていい子だな」
十四松「そ、そうでっしゃろか!?でへへ!」テレテレ
おそ松「十四松がいると不思議と気分を明るくしてくれる。独りになって改めて気付いたよ」
十四松「ありが盗塁王!!カッキーン!!ファール!!」
おそ松「クズ兄貴で悪いけど、これからもよろしく?」グッ
十四松「よろしくお願いしまスリーアウトチェンジ!!」グッ
55: 以下、
おそ松「トド松」
トド松「……」
おそ松「お前は末っ子で小賢しいとこあるから、よく上の俺たちを出し抜いて母さんに甘えてたよな」
トド松「……」
おそ松「正直、世渡り上手なお前に嫉妬して、いろいろ邪魔してきたこともあった…。ほんとごめんな。ダメな兄貴で?」
トド松「……」
おそ松「でも…なんだかんだ弟の中で一番、気楽に話せたのはトッティだった気がする。ダメな俺にいつも合わせてくれてたもんな?」
トド松「……」
おそ松「この前、無理やり取った金、ちゃんと働いて返すよ。あの写メ送った相手にも一人ずつ事情を話して、きちんと謝る!」
トド松「……」
おそ松「だから許してくれ!!お願いします!!」ドゲザッ
トド松「え?あ、ごめん!スマホ見てて聞いてなかった!」
おそ松「ズコーッ!?」バタッ
56: 以下、
トド松「もうめんどくさいから、なんでもいいや?多数決だとそっちだし、好きにしたら?」プイッ
おそ松「マジ!?やったー!!」
十四松「いえーい!仲直りー!タイムリー!ブルース・リー!!」
チョロ松「トド松、耳真っ赤じゃない?」
トド松「へ?あ、あー…熱っぽいかも?」キョドキョド
カラ松「ふっ…俺は信じてたぜ。ブラザー?」ポンッ
一松「触んなクソ松。てか許すなんて言ってねーし…」ブツブツ
おそ松「よーし!松野家の六つ子みんなで力を合わせてこの危機を乗り越えよー!」
カラ松、チョロ松、一松、トド松「お前が言うなっ!!!!」
十四松「乗り越えマッスル!ハッスルハッスル!」
57: 以下、
?????????
チョロ松「で、結局……」
トト子「私が完済しました!テヘッ☆」キャピッ
カラ松「ふっ…さすがはマイワイフ…」
トド松「正確にはトト子ちゃんのお父さんだけどねー」スマホタッチタッチ
一松「魚屋なのに儲かりすぎでしょ…」
十四松「なんにしてもハッピー!ハッピー!」
おそ松「みんな!ほんとにありがとう…!これからは俺、まっとうな人間になるよ!!」グシッ
チョロ松「ほんとかな??」ジトッ
トド松「嘘くさー?」ジトッ
おそ松「うっ…あ、あとでぎゃふんと言わしてやる!」
カラ松「あぁ、期待してるぜ。おそ松?」ポンッ
十四松「僕も一緒にがんばりマッスル!!」ガシッ
おそ松「…へっへーん!見てろよ?ビッグなカリスマレジェンドになってやるからな!」エッヘン
トト子「…元通りになってよかったわね?」ニコッ
一松「…う、うん。と、トト子ちゃんがそう言うなら僕も…そう思う」モジモジ
トト子「お義母さんも退院したし、赤ちゃんも無事に生まれたし…うふ!」ダッコ
赤ちゃん「だーぶー」
松代「ニートたち……じゃなかったわね。みんな揃った記念に写真撮りましょ?」
おそ松「お、いいね!松野家勢揃いなんて久々!」
58: 以下、
イヤミ「たく…なんでミーがカメラマンを…めんどくさいザンス」ブツブツ
おそ松「いいから早く撮れよ、イヤミ!」
トド松「能無し!低所得者!富裕層!人間国宝!!」
イヤミ「う、うるさいザンスね…。あと褒めるか貶すかどっちかにするザンス?」
松代「みんな並んだかしら?」
松造「おう!」
ザワッ
おそ松「あれ!?父さん死んでなかったっけ!?」
チョロ松「ひぁぃぃ!オバケオバケごめんなさいごめんなさい安らかにお眠りください!」ナマンダブナマンダブ
松代「落ち着きなさい。父さんは生きてるわ」
カラ松「な、なぜ…確かに死んだはず」
松造「全部ドッキリだ」
カラ松「なんだ、ドッキリか」
トト子「じゃあしょうがないわね」
赤ちゃん「だぶぶー」
十四松「わーい!みんなハッピー!」
一松「おい、トッティ…大丈夫?気絶して……し、死んでる…」
トド松「」ブクブク
おそ松「なにぃ!?よし!ここはお兄ちゃんが人工呼吸で……」
トド松「ぶはぁっ!!」ガバッ
おそ松「あ、起きた」
トド松「なんか分かんないけど、あと少しで一生のトラウマを抱えそうだった気がする!!」ゼェゼェ
おそ松「なんだとこいつー!?」ガシッ
トド松「ちょっとなに!?やめてくんない!?暴力!?また暴力なの!?」ジタバタ
十四松「イエス!プロレス!ワンツースリー!」
一松「はい、トッティの負け?」
おそ松「よーし!カラ松かかってこい!」
カラ松「ふっ…望むところだ」
トト子「あなたー!がんばってー!」
赤ちゃん「だぶー」
おそ松「と、トト子ちゃん……くそ!絶対負けねぇ!」
松代「あらあらまぁ」
松造「ハッハッハ!いつまでも変わらんな!」
イヤミ「……撮るなら早くするザンス!?ミーは暇じゃないザンスよ!?」
59: 以下、
ワチャワチャ ガヤガヤ
チョロ松「……あのさ」
チョロ松「ここまでの前フリなんだったの!?すっごいシリアスだったのにいいの!?」
チョロ松「しかもこんなあっさり解決しちゃっていいの!?」
チョロ松「最後にキメたのが僕たち六つ子じゃなくてトト子ちゃんのお父さんなんだけどいいの!?ねぇいいの!?」
チョロ松「父さんも生きてるし母さんも元気だし赤ちゃんも無事に生まれちゃってるけどいいの!?ご都合主義にも程があるよ!?」
おそ松「おーい!チョロ松!なにやってんの?早く来いよ!」
チョロ松「いや、だっていいの!?これで!?前半なんだったの!?」
おそ松「いいんだよ、これで?赤塚先生も言ってたろ?」
チョロ松「」ハッ
おそ松「な?」
チョロ松「…うん。そうだね」ニコッ
おそ松「うし!みんな揃ったー?」
イヤミ「やっとザンスね…じゃあ撮るザンスよ?合言葉はー?」
全員「これでいいのだ!!!!!」
パシャッ
お粗末!
62: 以下、

まさかのカラ松大勝利でワロタわ。まあフラワーさんの件を見るに一度スイッチ入ったら
一番成功しそうではある。その次はトッティチョロ松かな
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458742015/
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紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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美咲:岡部「む、助手がワゴンセールか」 クリス「オカベー」
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美咲:岡部「クリスティーナを無視ししつつも愛情をそそぐ」
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美咲:岡部(CV:若本)「フゥゥーーーハハハァァ!!」
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美咲:紅莉栖「そんな大金払えるわけないじゃない・・・」
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美咲:岡部「例えば俺が、助手を犯すとするだろう?」
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