小町「お兄ちゃん、明日話しかけられたら相手の下の名前呼んで返事して」八幡「は?」back

小町「お兄ちゃん、明日話しかけられたら相手の下の名前呼んで返事して」八幡「は?」


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1:
小町「はい、小町はフルハウス!」
八幡「ワンペア……」
小町「うわー微妙」
八幡「うるせー、やっぱりホントはイカサマしてるんじゃないだろうな」
小町「かっこ悪いなあ、お兄ちゃんだってもう2回勝ったじゃない」
八幡「でも7回負けてるからな」
小町「お兄ちゃんは運のからむ勝負事に向いてないねえ」
八幡「やかましい、ほら今回の罰ゲームはなんだよ」
小町「じゃあねえ、小町の肩を10回叩く」
八幡「ん」
4:
小町「あーそこそこ、気持ちいいー」
八幡「よし、もう一勝負やろう」
小町「えー、じゃあこれで最後ね、ちょうど10回でキリが良いし」
八幡「分かった、じゃあ最後は5ポイントな」
小町「ポイント制とかじゃないし……ちっさいなー、じゃあ切るよ」
八幡「おう」
小町「……んー、お兄ちゃんも切る?さっき小町のズル疑ってたし」
八幡「じゃあちょっと切るか……ほい」
小町「んじゃ配るね」
5:
八幡「つ、ツーペア……」
小町「はい、小町はストレート」
八幡「マジかよ……」
小町「じゃあ最後の罰ゲームはー」
八幡「んだよ」
小町「お兄ちゃん、明日話しかけられたら相手の下の名前呼んで返事して」
八幡「…………は?」
小町「最後は5ポイント分だしね、じゃあ頑張って!」
八幡「いやいやいや無理だろ無理無理ていうか普通に気持ち悪いって」
小町「そんなに拒絶反応出ちゃうこのお兄ちゃん、本当にまずいなー」
八幡「いや、だって、なあ……?」
6:
小町「だーいじょうぶだよ、お兄ちゃんに話しかけてくるってことはその時点で結構仲良しでしょ?」
八幡「うーん、そうかなぁ、どうかなぁ……あ、でも戸塚が相手だったら……いやでも」
小町「戸塚さんねー……いや、でも小町は甥っ子姪っ子の顔を見る夢を捨てきれない……」
八幡「つーかマジで紙一重で俺の高校生活が終わるんだが」
小町「いやお兄ちゃんさ、終わるって言うけど、具体的にどうなる訳?」
八幡「まず、キモイって思われるだろ」
小町「うん」
八幡「……で、距離を置かれるだろ」
小町「うん」
八幡「…………ぼっちになる…………あれ?これ今とあんまり変わらねえな」
小町「でしょ」
8:
八幡「問題なさそうな気がしてきた」
小町「うんうん、まぁ一応、明日夜になったらお兄ちゃんの知り合い一通りに小町からネタばらししとくから」
八幡「ふむ」
小町「それで大体笑って許してくれるよ」
八幡「ふーむ……わかった、まぁ、本当に話しかけられたら、な」
小町「最低でも部活はちゃんと出てね」
八幡「うぐ」
八幡(まぁ教室では誰かが俺に話しかけてくることはまずない)
八幡(由比ヶ浜も基本教室の外でしか話さないし……まぁ戸塚くらいか)
八幡(で、部活も挨拶さえしのげば後は読書に没頭してればなんとかなる)
八幡(よし、いける)
9:
朝のHR後
平塚「比企谷、ちょっと来い」
八幡「うっ」
平塚「なんだその反応は」
八幡「……ちょ、ちょっとこっちへ」
平塚「む?」
八幡(くっ、流石に教室では無理だ)
平塚「おい比企谷、どうしたんだいったい」
八幡「な、なんですか、し、静……先生」
平塚「なっ!?」
11:
八幡(敬称はセーフだろ……呼び捨てとは言われてねえ)
平塚「な、なんだいきなり……ね、熱でもあるのか?」
八幡「は、はは、やっぱ変ですよね」
平塚「ああ、変だな」
八幡「じゃ、じゃあやっぱ止めます」
平塚「そうだな、しかし比企谷が卒業した後なら良いぞ」
八幡「え?」
12:
平塚「流石に今は教師と生徒としてのラインを守らなければならんからな」
八幡「あ、ああ、そうっすよね」
平塚「それにしても、ふふ、まさか年下の男に下の名前で呼ばれるとは……なかなか新鮮で良いものだな」
八幡(あれ、意外と好感触……?)
平塚「しかしまさか君がなあ、陽乃の影響でも受けたのかね?」
八幡「い、いやそういう訳じゃないんですがね……はは、あ、そういえば何か御用だったんじゃ」
平塚「ああ、そうだったな、いや放課後用事があるから奉仕部へ行くので帰らず待っててくれたまえ」
八幡「は、はぁ、了解っす」
平塚「はは、頼むぞ」
13:
結衣「ね、ねえヒッキー、先生なんだって?」
八幡(うわお前マジかよ……)
八幡「い、いや、なんでもないぞ、ゆ、ゆい」
結衣「……ふぇっ!?」
八幡「……がはま……」
結衣「!?……!?」
八幡「なんか放課後用事があるんだと……それだけ」
結衣「……」
15:
八幡「お、おい?ゆ、ゆ、ゆい………………がはま?」
結衣「う、うん、なに!?」
八幡「いや、話聞いてたか?先生は放課後用事があるからちゃんと部活行けって行ってたんだよ」
結衣「あ、そ、そっかー、わ、わかったー」
三浦「……」
葉山「……」
戸塚「……?」
姫菜「……」
八幡(あれ、なんかクラスの雰囲気が……)
16:
八幡(あれから休み時間の度に左後ろからいやに視線を感じる……自意識過剰すなぁ)
八幡(という訳で昼休みはさっさと逃げることにした、俺のベストプレイスだ)
戸塚「あ、こんなところにいたんだ、八幡」
八幡「お、おお、彩加」
戸塚「えっ?」
八幡「な、なんだ?」
戸塚「ううん、八幡、今、名前で呼んでくれた?」
17:
八幡「あ、ああ、やっぱりおかしいよな」
戸塚「ううん、僕嬉しいよ」
八幡(俺の戸塚がこんなに天使なんかじゃない訳ない何を言ってるのかわからねーかもしれねーが俺もわからん)
戸塚「えへへ、八幡」
八幡「……彩加」
戸塚「えへへ」
八幡(守りたいこの笑顔)
19:
八幡(さて部活だ……幸いにも雪ノ下には由比ヶ浜と同じ手が通じる、しのげるはずだ)
八幡「うっす」
雪乃「あら、ごめんなさいゴミかと思ったら比企谷君だったのね、こんにちは」
八幡「ご挨拶だな、ゆきの」
雪乃「……!?」
八幡「……した」
雪乃「…………?」
八幡(よしあとは読書だ、自分の世界に埋没している雰囲気でやり過ごす!)
雪乃「あの、比企谷君? 今、貴方、私の事……」
八幡(聞こえない聞こえない、読書に集中してるよー)
雪乃「……ちょっと比企谷君、聞いているのだけれど」
20:
八幡(くっそ……)
八幡「なんだよ、ゆきの」
雪乃「っ!? や、やはり貴方」
八幡「した」
雪乃「……貴方、私をからかっているのかしら?」
八幡「いやそういうつもりじゃねえよ……悪かったな、気を悪くしたんなら謝る」
雪乃「そうではなくて」
結衣「やっはろー!」
雪乃「由比ヶ浜さん……」
21:
結衣「あー、やっぱりヒッキーいた! もう、なんで先行っちゃうし」
八幡「いや、お前なんか喋ってたし良いかなって」
結衣「そうかもしんないけどさあ、ちょっとくらい……」
八幡「はいはい、俺はこの本の続き読むからまた今度な」
結衣「むう」
雪乃「はぁ……まぁ良いわ、お茶を淹れるわね」
結衣「わーい」
八幡(精神的にきっつい……早く今日終われ……このままが良いッ!)
葉山「ちょっと良いかな」
三浦「結衣、いる?」
姫菜「はろはろ~」
八幡(神は俺を見捨てたもうた……)
23:
結衣「あれ、みんな、どうしたの?」
葉山「いや、ちょっと優美子がさ」
三浦「ん……」
結衣「?」
三浦「いや、その、なに、こないだ結衣と、その……雪ノ下さん?に世話になったから、これ」
結衣「え、すごい、チョコクッキーだ! これ優美子が作ったの?」
三浦「う、うん、まぁ」
24:
結衣「わー美味しそう、ね、ゆきのん!」
三浦「……」
雪乃「……そうね、これだけ綺麗にできてたら十分なんじゃないかしら」
三浦「ふふん」
結衣「むむ、優美子がゆきのんに認められてる……良いなあ……なんかお菓子作ってこよっかな」
雪乃「それは止めて頂戴」
結衣「ひどっ!?」
姫菜「あはは」
25:
葉山「……やぁ」
八幡「んだよ、俺は忙しいんだ、向こうのキラキラしたやつらで話してれば良いだろ」
葉山「君は、変わらないな」
八幡「さあな」
葉山「だからかな、なんだか安心するよ、君はいつでもそうだから」
八幡「何言ってんだよお前……海老名さんが興奮気味の視線をさっきから向けてきてるから早めにあっち行け」
葉山「はは……そうだな、そうするよ、じゃあな比企谷」
八幡「……ああ、じゃあな、隼人」
葉山「!?」
姫菜「ぶはぁっ!!」
28:
三浦「ちょ、え、姫菜!? なんかいろんなとこからいろんなもの出し過ぎ!」
結衣「ど、どうしたの、姫菜!?」
姫菜「デレが……ついにデレが……ぐ腐ぅっ」
雪乃「はぁ、とりあえず拭くもの持ってくるわ……むしろ水場に行った方が良いかもしれないわね」
三浦「は、隼人手伝って」
葉山「あ、ああ……」
八幡(破壊力ありすぎだろ……ガチすぎるわあの人)
31:
結衣「優美子のクッキー美味しいね」
雪乃「そうね、少し甘いけれど、紅茶に良く合うわ」
結衣「だよねー、それにしても姫菜にはびっくりしたなあ、どうしたんだろ」
雪乃「さあ……」
八幡「……」
川崎「ちょっと良い?」
八幡(俺が望んでいたのは平穏な日々だけだったのに……)
32:
結衣「あ、さきさきだーやっはろー」
川崎「あ、うん」
雪乃「こんにちは」
八幡「……」
結衣「どうかしたの? 依頼?」
川崎「いや、依頼ってほどじゃないんだけど、こないだなんか世話になったし、お礼と思ったんだけど」
川崎「でも先越されてたみたいね、さすがにもういらないか」
結衣「いるいる! 超いるよ! ね、ゆきのん!」
33:
雪乃「ええ、ありがたく頂くわ……それに今日中にということもないのでしょう?」
川崎「まぁね……それじゃ……これ」
結衣「わーい、ありがとう、さきさき」
川崎「いや、お礼に来たのはこっちなんだけど」
結衣「あれ? そっかー」
川崎「あ、あと……ちょっと」
八幡「……あん?」
川崎「これ、けーちゃんから」
八幡「お、おう」
川崎「じゃあ渡したからね」
34:
八幡「京華にありがとって言っといてくれ」
川崎「は?」
八幡「け、京華さん……」
川崎「……それアタシも手伝ったんだけど」
八幡「そ、そうか……ありがとな、えーと……ヵゎ……さき」
川崎「っ!?」
結衣「!!」
雪乃「!?」
八幡(顔を真っ赤にして去ってしまった……激おこだったかな、やっぱり)
35:
結衣「……今日のヒッキー……変」
八幡「え」
雪乃「そうね、いつにもまして異常さが際立っているわね」
八幡「一周まわって正常になってるんじゃないか」
雪乃「どうかしらね」
一色「こんにちわー、あ、先輩いたいた、すみません、ちょっと先輩お借りして良いですか?」
結衣「え、ど、どうかしたの?」
一色「はい、ちょっと生徒会室で男手が必要なんですよー、箱が重くて」
雪乃「そういうことなら仕方ないわね」
八幡(やべえ、面倒臭いのが来ちまった)
36:
一色「ほら行きますよ、副会長が腰痛めちゃったんですから」
八幡「え、マジで? そんな重たいの?」
一色「中身は書類らしいんですけどねー」
八幡「段ボールいっぱいの紙とかやべえだろ……」
一色「そんなの私たちだけじゃ無理じゃないですかー?」
八幡「そこは葉山とか戸部使った方が良いんじゃね?」
一色「戸部先輩はともかく葉山先輩にそんな大変なことさせられないっていうかー」
八幡「えぇー……」
38:
結衣「あはは……」
一色「雪ノ下先輩の許可も頂きましたし、ほらほら行きますよ、先輩!」
八幡「はぁ、わーったよ、いろは」
一色「!?」
結衣「!?」
雪乃「!?」
一色「えっ、ちょ、せんぱ」
八幡「ほらほら行くぞ」
一色「ひ、引っ張らないでくださいよぉ!」
39:
雪乃「いったい何が彼に起こったというの……」
結衣「雪降ったりしてね……でも、あたしはちょっと嬉しかったな、ゆきのんは?」
雪乃「……ノーコメントよ」
結衣「ふーん……ふふ」
雪乃「何笑ってるのよ」
結衣「気持ち悪いとか嫌とか言わないってことは、そういうことなんだろうなーって思って」
雪乃「ちょっと、由比ヶ浜さん、貴女何か勘違いしてるわよ」
結衣「してないもーん、えへへ」
雪乃「全く……」
41:
一色「先輩ちょっ、ちゃんと歩けますから!」
八幡「ん」
一色「あ……え、えっと、さっきのどういうつもりですか?」
八幡「何が」
一色「で、ですからその……きゅ、急に私の事……えっと、下の名前で、呼び捨て……」
八幡「さぁなぁ、なんでだろうなぁ」
一色「ええっ、はっきり言ってくださいよ先輩! 男らしくないです!」
八幡「男にはいろいろ秘密があるもんだ」
一色「は? 何言ってるんですかキモイです」
八幡「はぁ……まぁそのうち分かるから……」
一色「!? ま、まさか先輩からこっ、ここここっこくっ」
八幡「にわとりかお前は……ちーっす、ほら生徒会長、指示出せよ」
一色「えっ、あ、ああ、ええーと、えーと、は、はい、じゃ、じゃあこの箱を……」
43:
八幡「……こんなもんか、あー腰いてえ」
一色「そ、そうですね、助かりました、ありがとうございます先輩」
八幡「まぁ、奉仕部だからな……」
一色「す、素直にそう言われるとなんか怖いです」
八幡「あっそ……まぁこれで終わりだろ、帰るわ」
一色「は、はい、ありがとうございました、先輩」
八幡「おう」
一色「あ、あの先輩」
八幡「あん?」
一色「も、もう名前で呼んでくれないんですか?」
八幡(恥ずかしいんだよ察せよ……お前は雪ノ下や由比ヶ浜と違ってマジで下の名前を呼ばなきゃイカンでしょ)
45:
八幡「どうだろうな」
一色「先輩先輩先輩!」
八幡「なんだよ」
一色「ちゃんと名前呼んで返事してくださいよぉ!」
八幡「葉山にでも頼めよ……」
一色「んー、葉山先輩はいつでも誰でも基本下の名前呼んでますし」
八幡「じゃ良いじゃん、そういやお前も下の名前で呼ばれてたな」
一色「それはそれ、これはこれ」
八幡「は?」
一色「先輩に! 私が! 下の名前で! 呼ばれたいんです!」
48:
八幡「ち、ちかい」
一色「早く呼ばないと……もっと近づいちゃいますよ……?」
八幡「お、おい、これ以上は……」
一色「………………」
八幡「………………」
一色「…………先輩?」
八幡「…………いろh」
結衣「やっはろ?、そろそろ終わった??……って……あれ?」
雪乃「一色さん、比企谷くん……貴方たちこんなところで何やってるのかしら?」
八幡「い、いやこれはあれだそのなんだそうそれだよ」
雪乃「面白いほど動転してるわね……」
49:
結衣「ヒッキー……何してたの……?ほんとに仕事してたの……?」
八幡「バッ、おま、ふざけんなよ超重労働だったわ、この俺が1時間以上段ボール運ぶとか天変地異の前触れだぞ」
結衣「それだけで世界が終わっちゃうの!?」
八幡「あー疲れた疲れたさーて帰るか」
結衣「あ、これヒッキーの荷物」
八幡「お、ああ、ど、ども」
雪乃「はぁ、まったく……行きましょうか、由比ヶ浜さん、それじゃあね、一色さん、ちゃんと戸締りするのよ」
結衣「うん! またね、いろはちゃん! ほらいこ、ヒッキー!」
一色「……はっ、ちょ、ちょっと待ってください! 私も帰りますからぁ!!」
八幡「おう、早くしろよ」
51:
八幡「……疲れた……仕事も疲れたが精神的な疲れマジぱねえわ」
小町「お兄ちゃんおっかえり?戦果はどうだった?」
八幡「俺はリア充にはなれないことが良く分かった……下の名前は無理だわ」
小町「え、呼べなかったの?」
八幡「いや、一応呼んだぞ……大抵驚くか引くかどっちかだったけど」
小町「引かれちゃったかー流石に急だったかな」
八幡「あ、でも彩加だけは喜んでくれてたみたいだったぞ」
小町「さいか……あぁ、戸塚さんか……戸塚さんだけか……どうしよう、お兄ちゃんの業が深まる」
八幡「まぁネタばらしのメールは頼むわ……今日はマジで疲れちまった」
小町「う、うん、ご飯準備してるから早く降りてきてね」
八幡「おう」
小町「うーん、この様子じゃまだまだ道は険しいかな……小町の挑戦はこれからも続く!」
53:
翌日
結衣「ヒッキー」
八幡「ん、おお、どした」
結衣「小町ちゃんからメールきたよ」
八幡「ああ、なんかそのすまんかった」
結衣「う、ううん、大丈夫! ……結構びっくりしたけど、なるほどって感じだし!」
八幡「ははは……」
結衣「で、でもあの、たまになら、良いからね?」
八幡「え」
54:
結衣「……人前でだと、ちょっと恥ずかしいけど……」
八幡「……ぜ、善処する」
結衣「……うん……えへへ……あのさ、ヒッキー……じゃなくて」
八幡「?」
結衣「八幡」ポソッ
八幡「っ?!」
結衣「おかえしっ!」
八幡「……まいったな……」
八幡(クラスの雰囲気が妙にアレな気がするがそれは無視しよう)
八幡(それにしても……いや、確かにこれは心臓に悪いわ)
57:
一色「せ?んぱい」
八幡「なんだ一色来たのか」
一色「来たのか、じゃないですよ」
八幡「じゃあなんか用か」
一色「用と言いますか、その、昨日は良いところで邪魔されたので……」
八幡「へ?」
一色「や、やっぱりほら、最初はこう二人きりで耳元で優しく囁くように呼んでほしいといいますか!」
八幡「え」
一色「な、なんですかその反応、だ、だめですか?」
八幡「い、いや、その、えっと……お前、昨日うちの妹からメール来なかった?」
一色「いえ、妹さんとはまだお会いしたことありませんし、連絡先も知りませんけど?」
八幡「…………………………Oh」
一色「そんなことより、ほらほら、呼んでくださいよぉ」
八幡(どうしようねこれ)
おわり
61:
おまけじゃないけど違うやつね
一色「やばいですやばいです?!うちの両親に先輩と同棲してることがバレちゃったんです?!」八幡「えっ」
63:
一色「それで、父が包丁研ぎながら『ちょっとソイツうちの晩御飯に招待しなさい』って笑顔で」
八幡「それ、間違いなく俺が三枚におろされちゃう流れだろ」
一色「お母さんも楽しみにしてるって、お赤飯炊かなきゃって言ってます」
八幡「いや、あのさ、そもそもさ」
一色「はい?」
八幡「俺たち、同棲とかしてないよね」
一色「……は?」
八幡「なんでそこで凄んでくるんだよ怖えわ」
一色「先輩何言ってるんですか毎日毎日私と一緒に生活しているじゃないですか
 それなのに同棲していないってどういうおつもりですか?もしかしてもう結婚してるから
 同棲なんて生温いもんじゃないっていうことですかすみません純白のウェディングドレスを
 バッチリ着たいので事実婚というのはあまりウェルカムじゃないんですごめんなさい」
八幡「え、ちょっと待ってちょっと待って、毎日?」
64:
一色「はい」
八幡「お前と?」
一色「はい」
八幡「一緒に生活?」
一色「はいっ」
八幡(やべえ、俺って2人いるの?ドッペルゲンガーなの?ちょっと憧れちゃうけど)
一色「とにかく、今度私の両親と会ってくださいね!」
八幡「まだ死にたくないからもうちょっとお前の親父さんが落ち着くまで待とうね」
一色「む……まぁ確かに今のお父さんはちょっと危ないかもしれません……わかりました、仕方ないです」
八幡「お、おう」
八幡(お前の方が危ないまであるんだけど……言えねえ)
一色「それじゃ今日は早く帰ってきてくださいね、おいしいご飯作って待ってますから」
八幡「え? あ、行っちまった……一色は一体どうしちまったんだ……変な宗教とか催眠とかかかってないだろうな」
65:
結衣「……ヒッキー?」
八幡「お、おお、由比ヶ浜か、どうした?」
結衣「もう、またそんなよそよそしい呼び方してる……私の事は名前で呼んでって言ったじゃん」
八幡「え?」
結衣「だ、だって、……私ももうすぐ比企谷になるんだし……」
八幡「あの、もしもし?」
結衣「それにお腹の赤ちゃんも混乱しちゃうよ?」
八幡「ぶー」
結衣「わっ」
八幡「え、なに、由比ヶ浜妊娠してるのか……お前」
結衣「えっ……ヒッキー、ひどいよ……」
八幡「へ?」
67:
結衣「ヒッキー言ってくれたよね、二人で協力して、良い家庭を築いていこうねって……
 俺働きたくないけどお前たちのためなら頑張って働くからって……!」
八幡「な、なにそのカッコいいようで実はあんまりカッコよくないこと言ったやつ」
結衣「私、すっごくすっごく嬉しかったんだからね?」
八幡「お、おう……」
結衣「だから、今日は早く帰ってきてね?……あ、あなた?」
八幡「っ」
八幡(ふ、不覚にもドキッとしてしまった……しかしこれは一体どういうことなんだ……
 一色だけじゃなく由比ヶ浜までおかしい……何がおかしいって俺まだ童貞だもん……
 ふえぇ……子どもなんて出来る訳ないよぉ……)
八幡(……まさか雪ノ下も……い、いや、あいつは大丈夫……きっと大丈夫なはずだ……)
68:
八幡「……ちいっす」
雪乃「あら、今日は私のところに来てくれたのね……嬉しいわ」
八幡「えっ」
雪乃「ふふ、そんなところに立ってないで、入ったらどう?」
八幡「あ、ああ……」
八幡(まさか……)
雪乃「比企谷くん……」
八幡「あ、あの、雪ノ下さん?なんというか距離が近いような気がするんですが」
69:
雪乃「あら……私に近寄られたら困るというの?」
八幡「いや、そうじゃなくてだな」
雪乃「ふふ、もしかして気づいてくれたのかしら」
八幡「え……」
雪乃「前回比企谷くんが私のところに来てくれた際に、私の匂いをたっぷり付けておいたのよ、マーキングね」
八幡「ま、マーキング……?」
雪乃「どうせ私は比企谷くんにとって都合の良い女でしかないけれど、そこにいつまでも甘んじているとは限らないのよ」
八幡「な、なんの話だよ」
雪乃「ふふ、こういう話は男の比企谷くんにはわかりづらいかもしれないわね……まぁ女の意地というやつよ」
八幡「そ、そうか」
雪乃「ねえ……今日は泊まっていってくれるのかしら」
70:
八幡「え?」
雪乃「たまにはその……良いでしょう?」
八幡「わ、悪い、今日はなんだ、小町が家で待ってるんだ」
雪乃「そう、なの……いえ、ごめんなさい、こうして来てくれただけでも嬉しいわ」
八幡「え、えーとあれだ、その、あ、あんまり思いつめるなよ?」
雪乃「優しいのね……ありがとう……でも大丈夫よ、貴方さえいてくれれば私は……」
八幡「じゃ、じゃあまたな!」
雪乃「ええ、またね、比企谷くん」
八幡(どうなってんだよマジで……モテ期とかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねえ……もっと恐ろしいものだ)
八幡(……流石に小町は大丈夫だろ……妹だし……さっさと帰って寝よう、そうしよう)
71:
三浦「ちょっとぉ、ヒキオー?」
八幡「はい?」
八幡(ま、まさか三浦まで……いやそんな事はありえない……絶対大丈夫なはずだ)
三浦「アンタさぁ、結衣になんか言った訳?」
八幡「え? いや別に……むしろ俺が言われたっていうか……」
三浦「あのさぁ、あの娘がそれで良いって言ってるかもしんないけど、もっとしゃんとしなよ」
八幡「と、というと?」
三浦「アンタ、雪ノ下さんとかあの生徒会長とかと時たま噂になってんの分かってる?」
八幡「……そんな根も葉もない噂が立ってるのかよ」
三浦「そういう噂が出る度に結衣が悲しむんだから……気をつけろっての」
八幡「お、おう、忠告あざっす」
八幡(良かった……この三浦はいつもの三浦だ……ちょっと言ってることおかしいけどオカン三浦だ……)
73:
三浦「全く……いつまで経っても世話が焼けるんだから……」
八幡「いやぁ、なんかすみません」
三浦「別に良いよ、こっちも好きでやってることだし……ところでさぁ、結衣が妊娠してから、アッチも相当溜まってるんじゃないの?」
八幡「ぶふぅっ」
三浦「それともまさかアンタ……本当に生徒会長とか雪ノ下さんとか……」
八幡「ないないないそんな訳ない」
三浦「……じゃああーしが確認してあげる」
八幡「は、はぁ!? お、おま何言って」
三浦「大丈夫だよ、結衣には秘密にするし……それにあーしもアンタの初めての時と久しぶりに比べてみたいし」
75:
八幡「なっ」
三浦「流石に今は入れた途端に射精しちゃうようなことはないんでしょ?結衣もすごいって言ってたし」
八幡(ま、まさか俺の童貞、三浦に捧げちゃってるのか……?しかも割と悲惨な感じで)
三浦「ほら、行くよ」
八幡「ま、まま待ってくれ、今日はどうしても帰らなきゃいけないんだよ」
三浦「……そうなの? 誰かと会う訳?まさか姫菜じゃないよね?」
八幡「なんでそこで海老名さんの名前があがるんだよ……」
三浦「……前にちらっと零してたんだよね……ヒキオのこと味見したいって」
八幡「ばっ」
76:
三浦「ふーん、その反応じゃ違うみたいね」
八幡「当たり前だろ……」
三浦「ヒキオ、アンタが抱いていいのは結衣とあーし、この2人だけだかんね」
八幡「なっ」
三浦「……今度、2人で会ってよ……もちろん結衣に内緒で」
八幡「へ……」
三浦「じゃね、ヒキオ」
八幡「……まいったな……三浦までおかしいじゃねーか……しかも今の話じゃ海老名さんまで……」
八幡(小町は……大丈夫なんだろうか……ちょっと心配になってきたわ)
平塚「おい比企谷、ちょっと待て」
77:
八幡「は?」
平塚「ちょっと生徒指導室まで来なさい」
八幡(ま、まさか平塚先生まで……?)
八幡「い、いやあすみません、ちょっと家の都合で急いでるもので明日にして頂けると助かるんですが……」
平塚「大丈夫だよ比企谷、すぐ済む」
八幡「ほ、本当ですか?」
平塚「ああ、天井のシミの数を数えていればあっという間だ」
八幡(それ絶対アカンやつやん)
平塚「ほらほら、大丈夫だって、悪いようにはしないさ、むしろ気持ちよくしてやるさ」
八幡「う……」
平塚「ん?」
八幡「うわああああああああああああああ」
平塚「お、おい!廊下は走るな!……全く、照れ屋だな……」
78:
八幡「はぁっ、はぁっ……」
八幡(……上履きで駐輪場まで来てしまった……いやしかし1秒でも早く学校から立ち去りたい逃げ去りたい)
葉山「おい、大丈夫か? 様子が変だぞ」
八幡「……葉山、か」
葉山「?」
八幡「……ああ、いやなんでもない……早く帰りたくてつい走っちゃっただけでな」
葉山「そうか、今日は部活はもういいのか?」
八幡「ああ……ちょっと家に帰らなきゃいけなくなってな」
葉山「そうか、まぁ、それじゃあ引き止めたら悪いな」
八幡「いや、これくらいは大丈夫だ、問題ない」
葉山「そうか……それじゃあ今夜、いつものところで良いかな?」
79:
八幡「ん?」
葉山「たまには気分を変えてみるか?なんならホテルでも予約するよ」
八幡「……………………………………」
葉山「それとも」
八幡「ふんっ」
葉山「ぐはっ」
八幡「……かえろう……」
80:
八幡(いったいみんなに何が起きたというのか……さっぱり分からん)
八幡(昨日まで……いや厳密には今朝だってこんなおかしいことはなかったはずだ)
八幡(いったいいつ、どこで何があってこうなったんだ……)
八幡(……ん? あれは……留美……か? だが様子がおかしい……というかアレは)
留美「……!」
八幡「!? お、おい、お前大丈夫か……?」
留美「八幡……うっ、ううっ」
八幡「おい、どうした、何があった?」
留美「そ、そこの公園のトイレにいきなり連れ込まれて……」
82:
八幡「マジか……」
留美「そ、それで……持ってた裁縫箱で思い切り頭を殴ったらその人倒れちゃって……私どうしたら良いか」
八幡「……わかった、とりあえず行こう、そんで救急車と警察呼ぶか」
留美「う、うん」
八幡「……お前は来なくても大丈夫だぞ、怖いだろ?」
留美「八幡と一緒なら……大丈夫……」
八幡「そっか……じゃあ一緒にいくか」
留美「……うん……」
83:
八幡「ここ、か?」
留美「……」
八幡「誰もいないぞ……もしかして気が付いて逃げたのか?そうだとすると危ないな」
留美「八幡」
八幡「え?」
留美「ここ」
八幡「ん?」
留美「ここにいるよ、倒れた男の人」
八幡「えっ?」
留美「八幡がここで倒れるんだよ」
84:
八幡「ちょっそれとんかちじゃねえかマジで危ねえわ!」
留美「大丈夫、峰うちだから」
八幡「峰うちの意味分かってねえだろ!」
留美「ねえ、良いでしょ、私だってずっとご無沙汰なんだよ、こんな体にした責任取ってよ八幡」
八幡「えんだあああああああああああああああああああ」
留美「っ!?」
八幡「いやあああああああああああああ」
留美「あっ、ちょっ」
八幡(も、もういやだこんな世界……なんでこんな……こんな……)
86:
八幡(大丈夫……絶対小町は大丈夫なはずだ……絶対、絶対だ……)
八幡(もしこれで小町までおかしかったら、俺はもう……もう……)
八幡「た、ただいま」
小町「あれ、お兄ちゃんお帰り~、今日は早かったんだね」
八幡「あ、ああ……ちょっとな」
小町「お兄ちゃんなんかあったの?ひどい顔だよ」
八幡「だ、大丈夫だ、大丈夫……」
小町「うーん、大丈夫そうにはあんまり見えないけどなー、まぁ、なんかあったら聞いたげるからね」
八幡「な、なあ小町、お前なんともないのか?」
小町「は? なにが?」
八幡「いや、ほら、お兄ちゃん大好きーみたいなの」
小町「……お兄ちゃんキモ……なにいきなりどったの」
87:
八幡「いや、ちょっと学校でなんか……」
小町「ふーむ、なんかよく分からないけどいろいろあったんだね」
八幡「ああ」
小町「そっかそっか、ほらお兄ちゃん、ぎゅー」
八幡「こまち……」
小町「もう、まったくまったく、仕方ないな、お兄ちゃんは」
八幡「こまち……」
小町「良いんだよ、お兄ちゃん、小町は家族なんだから、ちゃんと受け止めてあげるよ」
八幡「こまちぃ……」
88:
小町「よしよし、もう大丈夫だよ、お兄ちゃん……」
八幡「ごばぢぃぃ……」
小町「もう心配しなくて良いからね」
八幡「うん……うん……」
小町「お兄ちゃんを困らせるやつらは、みーんな小町が処分しとくからね、あ、今の小町的に超ポイント高い」
八幡「………………」
八幡(小町……お前もか……)
小町「あ、あれ? お兄ちゃん! おにぃぃちゅゎぁぁぁぁん!!」
90:
??「……っと! ちょっと! 大丈夫!?」
八幡「……う……?」
川崎「すごいうなされてたけど、大丈夫?」
八幡「あ、あれ……川崎……?」
川崎「顔色もひどいし……」
八幡「えっと、ここは」
川崎「学校の保健室だよ……アンタ忘れたの?授業中に突然倒れたんだよ」
八幡「そう、なのか……」
91:
川崎「そんなことも覚えてないの?結構やばくない?」
八幡「い、いや、そうか、夢か……」
川崎「悪い夢でも見てた訳?」
八幡「ああ、そう、だな……」
川崎「ふうん」
八幡「つかお前はここで何してんだ?」
川崎「私は貧血で具合悪くなったからちょっと休ませてもらってただけ」
八幡「そうか……じゃあ起こしちゃったのか?」
9

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