ツンデレ少女笹目ヤヤの素直日和back

ツンデレ少女笹目ヤヤの素直日和


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メルヘン少女関谷なるの恋心日和の続き
2:以下、
教室
ハナ「ヤヤさん! このマンガ読んでみてください!」
ヤヤ「はぁ? 私マンガとか読まないんだけど」
ハナ「まぁまぁ」
ヤヤ「て言うか何冊持ってきてるのよ!」
ハナ「全巻デス! 読み始めれば一瞬デスよ!」
ヤヤ「まぁそんなに勧めるなら今晩読んでくるけど……」
ハナ「主人公と幼馴染の淡く甘い恋がとってもステキで…… とくに夕暮れの教室でのシーンが」
ヤヤ「まだ読んでないんだからネタバレすんなー!」
3:以下、
ヤヤ自室
ヤヤ「ふぅ、後は寝るだけ……」
ヤヤ「……」
ヤヤ「わざわざ貸してくれたハナに悪いし、一応ちょっとだけ読んでおくか……」
ヤヤ「にしても……」
ヤヤ(表紙からして露骨な百合モノよね、これ……)
ヤヤ「私そういうのあんまり好きじゃ無いんだけどなー」
4:以下、
ヤヤ「……」
ヤヤ「…… !」
ヤヤ(これで終わりね…… ハナの言うとおり読み始めたら一瞬だったわ……)
ヤヤ「って、ええっ!? もうこんな時間!」
ヤヤ(ヤバい…… 自分でも想像以上にハマってしまった……)
ヤヤ「て言うか…… この主人公ってなるそっくりよね……」
ヤヤ「少し地味でおとなしい印象だけど、素直で感情豊かで笑うととっても可愛くて、何より幼馴染のことが大好き……」
ヤヤ「それに比べてこの幼馴染は見ててちょっとイライラするわね」
ヤヤ「主人公のこと好きなのにそれを意識した途端急に素直じゃなくなって…… これがいわゆる『ツンデレ』って奴か……」
5:以下、
ヤヤ「明らかに両想いなのにくっつくのにどんだけ時間かかってるのよ」
ヤヤ「この帰り道のシーンだってせっかくいい雰囲気なのに変に強がっちゃって」
ヤヤ「もし私なら……」
なる『えへへ、ヤヤちゃんと喋ってると時間が過ぎるのあっと言う間だね』
ヤヤ『…… そうだね』
なる『ヤヤちゃん?』
ヤヤ(二人っきりの帰り道、二人の道が別れる手前で急に物憂げに立ち止まる私)
ヤヤ『ねぇ、ちょっといい?』
ヤヤ(私はなるを呼び止めて、自分の素直な気持ちを口にする)
ヤヤ『私、なるのことが好き』
6:以下、
なる『え……? いきなりどうしたの、わたしもヤヤちゃんのこと好きだよ?』
ヤヤ(なるは鈍感だから私の気持ちをちゃんと受け取ってくれない、だけど)
ヤヤ『ううんそうじゃない、私となるの好きは違うの』
ヤヤ『私もね最初はおかしいって思ったの、女の子同士だし、なるのことは大切な親友だと思ってたし』
ヤヤ『だけどそうじゃなかった、私のこの気持ちは友愛とか親愛とかじゃなくて……恋愛』
ヤヤ『なる! 私なるが好き! なるの素直でまっすぐなとこ、いつも私のそばで笑ってくれるとこ、なるの全部が好き!』
なる『ヤヤちゃん……』
ヤヤ『…… ゴメン、こんなこといきなり言われても困るよね』
7:以下、
なる『……』
なる『ううん、そんなこと無いよ』
なる『やっぱり違わなかった、わたしとヤヤちゃんの好き』
ヤヤ『なる……?』
なる『わたしも…… ヤヤちゃんのこと好き、何でも出来てかっこよくて、わたしが困った時いつも側に居て助けてくれる、わたしの大切な人……』
なる『わたし、ヤヤちゃんと出会えて良かった、こうやって二人で話したり一緒に帰れたり出来て…… でもそれだけじゃ嫌、だから…… だから!』
ヤヤ『待って、その先は私に言わせて』
なる『えっ……』
8:以下、
ヤヤ『…… なる、ずっと私の隣に居て、幼馴染でも親友でも無くて…… 私の彼女として』
なる『ヤヤちゃん…… !』
なる『ヤヤちゃぁ?ん!』
ヤヤ『もう、嬉しいからって泣きついてこないでよ』
なる『だって…… ヤヤちゃんの彼女になれて、すごく幸せなんだもん……』
ヤヤ『ふふっ、当たり前でしょ、私を誰だと思ってるの? なるのこと、世界一幸せな女の子にしてあげるからね』
なる『ヤヤちゃん……』
9:以下、
ヤヤ『……』
ヤヤ『なる、こっち向いて』
なる『えっ?』
ヤヤ『ちゅっ』
なる『んっ……!?』
ヤヤ『……なる』
なる『……ヤヤちゃん』
10:以下、
ヤヤ(そうして二人は互いの名前を呼び、いつまでも見つめ合っていた……)
ヤヤ「…… アレ?」
ヤヤ「わ、私なんで自分となるでこんな妄想しちゃってるの…… ?」
ヤヤ「うわぁぁ!」
ヤヤ(恥ずかしい! 恥ずかしい恥ずかしい!)
ヤヤ「も、もう寝る! 寝て明日このマンガをハナに返してそれで終わり!」
11:以下、
次の日 教室
ヤヤ(変な妄想してたせいで凄い寝不足……)
ハナ「ヤヤさーん! おはようございまーす!」
ヤヤ「あぁ…… おはよう……」
ハナ「ふきゅっ? 何か元気無さそうデスね?」
ヤヤ「別に…… 大丈夫よ…… それとマンガ、全部読み終わったわ……」
ハナ「あぁ! 夜通しマンガを読んでたから眠そうなんデスね!」
ヤヤ「まぁね……」
ハナ「面白かったデスよね?あのマンガ」
ヤヤ「うん……」
12:以下、
ハナ「特にキャラクターがとっても魅力的で、少しおとなしいけど芯はしっかりしてる主人公はなるそっくりで、ツンデレ気味だけど主人公のこと大好きな幼馴染はヤヤさんそっくりデスよね?」
ヤヤ「え?」
ハナ「どうしました?」
ヤヤ「え、ちょっと待ってよ、主人公がなるに似てるのはわかるけど、あの幼馴染が私に似てるってどういうことよ!」
ハナ「えぇ?? だって美人でかっこよくて主人公のことが大好きなところとか、素直じゃなくてツンデレなところがソックリデス!」
ヤヤ「だからそこよ! 私はあんなに天邪鬼な性格じゃないし、ツンデレでもなーい!」
ハナ「えー…… どう見てもソックリデスけどね? ほらマンガの中でも『わ、私はツンデレなんかじゃ無いからっ!』って言ってますし」
ヤヤ「うっ……」
13:以下、
なる「おはよう ヤヤちゃん、ハナちゃん」
ハナ「あぁなる! おっはよーございまーす!」
ヤヤ「おはよ、なる」
なる「あっ…… その漫画!」
ハナ「なるも知ってるんデスか!?」
なる「うんうん、ついこの前わたしも読んで? もう凄いどきどきしちゃった?」
ヤヤ(な、なるも読んでたのね……)
ハナ「今ヤヤさんとこのマンガの話をしてたんデスよ」
なる「えっ!? や、ヤヤちゃんもこれ読んでたの!?」
ヤヤ「ま、まあね…… け、結構面白かったんじゃない?」
14:以下、
ハナ「あっそうだ! なるにも聞きたいんデスけど、このマンガの幼馴染ってヤヤさんに似てますよね?」
なる「あっ! それわたしも思ったの!」
ヤヤ「えぇっ!? な、なるも似てるって思ってたの…… ?」
なる「う、うん…… 美人でかっこよくて、優しくて面倒見がよくて、少し素直じゃなくてツンデレみたいなところもあるけど……」
ヤヤ(み、みんな私のことめんどくさいツンデレな女の子だって思ってたの…… ?)
なる「あ、あと…… 主人公の女の子のこと大好きなところ…… とか…… ?」
ヤヤ(なるまで私のことをツンデレだと思ってたなんて……)
ヤヤ(アレ…… ?)
ヤヤ「なるもこのマンガ読んだのよね?」
なる「う、うん 読んだよ」
15:以下、
ヤヤ(てことは、なるもこのマンガの展開知ってて……)
ヤヤ(そう言えばなるの様子がおかしかった日…… 教室で二人っきりだった時ってマンガの展開と似てる……?)
ヤヤ「…… あっ!」
ヤヤ(も、もしかしなくても私すっごい恥ずかしいこと言ってたんじゃ……)
なる「や、ヤヤちゃん…… ?」
ハナ「おお…… 顔が真っ赤、Appleみたいデス……」
ヤヤ(な、何が『マンガみたいなセリフ』よ! ど、どうしよう、私マンガと現実を混同するイタイ子だって思われちゃったら……)
16:以下、
なる『ヤヤちゃん…… もしかしてマンガのキャラクターをわたしに置き換えて妄想してたの…… ?』
ヤヤ『こ、これは違うの』
なる『気持ち悪いですもう話しかけないでください笹目さん』
ヤヤ(ど、どうしよう…… なんとか誤魔化さないと……)
なる「あ、あのねヤヤちゃん わたしは漫画とか関係無くて、ヤヤちゃんの美人でかっこいい上に何でも出来ちゃって、少し素直じゃないけどとっても優しいヤヤちゃんのことが…… だっ、大好きだよ……」
ヤヤ「えっ……?」
ヤヤ「今『大好き』って…… ?」
なる「あっ…………」
なる「ちっ、違うの えっ! いや違くないんだけど……」
ヤヤ「な、なる……」
ハナ「おお…… 二人とも顔が真っ赤デス……」
17:以下、
放課後 帰り道
ヤヤ「……」
なる「……」
ヤヤ(朝あんなことあって凄く気不味い……)
ヤヤ(うぅ? これじゃ好きって意識した途端急にヘタレになっちゃうマンガの幼馴染と一緒じゃない……)
ヤヤ「……」
ヤヤ「はぁ……」
ヤヤ(カッコ悪いな、私)
18:以下、
ヤヤ(なるが私のこと『かっこいい』って言ってくれるのが嬉しくて、必死でそんな自分を守っちゃう)
ヤヤ(なるが言ってくれた『好き』って言葉もうやむやにしちゃったし)
なる「それじゃここでお別れだね…… また明日、ヤヤちゃん」
ヤヤ「…… よしっ」
ヤヤ(私はマンガの幼馴染なんかじゃないんだ、カッコ悪くたって私は私のしたいように……)
ヤヤ「ねぇ、なる」
なる「何、ヤヤちゃん?」
19:以下、
ヤヤ「私、やっぱりあのマンガの幼馴染のキャラと似てないと思う」
なる「えっと…… まだ朝のこと引きずってるの?」
ヤヤ「ううん、そうじゃなくて」
ヤヤ「あのマンガの中でもあったでしょ? 帰り道のシーン」
なる「う、うん」
ヤヤ「私あのシーン見てて『なんで好きって言えないの?』ってイライラしてたの」
ヤヤ「だけど実際同じ状況になったら何も言えなくなったなんて、笑っちゃうよね」
ヤヤ「私恥ずかしかったの、なるに『大好き』って言われてどうしていいかわからなくて」
ヤヤ「だけどさ、ほんとに恥ずかしかったのはなるの方だよね 教室の中であんなこと言っちゃったんだもん」
なる「あっ……」
20:以下、
ヤヤ「前に『なるを守ってあげる』って言ったのに守ってあげられなくてゴメンね」
なる「い、いやあれはわたしが勝手に言っただけだからっ!」
ヤヤ「そう、だから私も勝手に恥ずかしいこと言うね、マンガのセリフなんかじゃない自分の言葉で」
なる「え?」
ヤヤ「私、なるが大好きっ!」
なる「えぇっ!?」
ヤヤ「なるは素直で純粋でまっすぐで、なるは私のことをかっこいいって言ってくれるけど私はなるのそういうところ、憧れてるしとってもかっこいいって思う!」
なる「や、ヤヤちゃん…… !」
22:以下、
ヤヤ「私なるのことが好き! だからずっと私の側に居て! 幼馴染でも、親友でもなくて
なる「ヤヤちゃんヤヤちゃんヤヤちゃぁ?ん!」
ヤヤ「わわっ、ちょっとまだ話の途中なんだけど!」
なる「うぅ やっぱりヤヤちゃんはかっこいいよ?!」
ヤヤ「もう! 全然かっこつかないじゃない!」
なる「だ、だって…… わたしもヤヤちゃんの告白聞くの恥ずかしいから……」
ヤヤ「…… ぷっ」
なる「え?」
23:以下、
ヤヤ「やっぱりなるは子どもね、こんなので恥ずかしがっちゃうなんて」
ヤヤ「今日の私は恥ずかしがったりしない、素直で大胆な笹目ヤヤだから」
ヤヤ「今からもっといっぱい、恥ずかしいことしてあげる」
なる「や、ヤヤちゃん…… ?」
ヤヤ「ふふっ、何度でも言うわ 大好きよ、なる」
なる「ヤヤちゃん…… わたしも、大好きだよ……」
ヤヤ「ちゅっ」
終わり
24:以下、

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