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勇者「お母さんが恋しい」【中編】


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勇者父は今ナニ……何やってんだかなー
otu
452: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:53:03.51 ID:+mXE6E/Co
魔王「エミル、私の上に乗ってくれないか」
勇者「はい」
魔王「くっ……」
勇者「……大丈夫? 苦しくない?」
魔王「問題ない。……動くぞ。そのままじっとしていてくれ」
勇者「うん」
魔王「5401……5402っ…………」
勇者「そんなに腕立て伏せしなくっても、筋力なら魔術で強化できるんじゃ」
魔王「体型をっ……作るためにやってるんだっ……5405っ……」
Section 15 誘拐
453: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:53:40.30 ID:+mXE6E/Co
魔王「私の不在時にエミルが消えたとは一体どういうことだ」
バンッ、と机を叩く音が響いた。
魔王が一時間ほど城を離れている間に、城からエミルの魔力が消え去っていた。
メイド長「私も仕事から手を放せず、上級騎士達に護衛を頼んでいたのですが」
メイド長「一瞬でいなくなられていたそうです」
魔王「くっ……エミルも連れていくべきだった」
執事「妙ですね……一瞬で姿を消したということは」
執事「テレポーションで誘拐された可能性が非常に高い」
執事「しかし、魔王城でテレポーションを使用できるのはごく限られた者のみ」
魔王城には目に見えないシールドが張られており、
魔王城に出入りするためにテレポーションを使用できるのは魔王族の血を濃く引く者か、
許可されたほんの数名のみである。
ただし、許可された者がテレポーションを使用すれば、同行者も同様に出入りできる。
メイド長「ストゥルトゥス様は」
魔王「テレポーションを習得してすらいない。念のためブロックをかけてはいるが」
454: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:54:15.07 ID:+mXE6E/Co
上級騎士1「も……申し訳ございません……」
上級騎士2「どのような罰でも受ける所存でございます……」
魔王「…………」
上級騎士達「「「「…………」」」」
魔王「……エミルが消えた際、妙な魔力は感じなかったか」
上級騎士3「ひっ……一瞬ですが、炎の魔力を感知しました」
上級騎士4「こう、激しく噴火する火山の様な……」
上級騎士2「探知されぬよう魔力を最小限に抑えているようでした」
上級騎士1「しかし確かに暑苦しい気でございました」
魔王「……下がってよいぞ。犯人の目星がついた」
魔王「相手が悪過ぎたな。今回は減給だけで済ましてやる」
上級騎士1「な、なんと寛大な……」
上級騎士2「我等は何処までも陛下についてゆきます!」
455: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:54:49.39 ID:+mXE6E/Co
――
――――――
勇者「う……」
勇者(図書室でうとうとしてる内に何処かに連れ去られてしまったらしい)
勇者「えっと……」
 「まあ座れや」
勇者「は、はあ」
――――――
――
456: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:55:25.69 ID:+mXE6E/Co
魔王「あやつ……今更何のつもりだ」
魔王「殺してくれる」
執事「陛下!?」
魔王はテレポーションを発動した。
執事「陛下! 僕もお供します! ……あーもう!!!!」
メイド長「陛下があれほど憤っておられるのを見たのは初めてよ、私」
執事「はあ……どうなることやら」
457: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:56:00.30 ID:+mXE6E/Co
――遙か南の地・力の一族本家
魔王兄「――ってことがあってな」
勇者「えっそれほんとですか」
魔王「ヴォルケイトス!!」
魔王兄「マジなんだよ」
勇者「ふっふふっあははははははは!」
勇者「あ、兄上!」
魔王兄「よう! 三年ぶり」
魔王「……一体何をやっている」
勇者「ねえねえ、小さい頃メイドさん達から女装させられそうになって逃げ回ったってほんと?」
魔王「っ…………」
魔王兄「『ぼくはおとこなのに』ってぷるぷる震えててな! ははははは!!」
勇者「やばい! かわいい! くっふふふふふふ」
魔王「エミルに……何を吹き込んでいる……」
魔王兄「昔話に花を咲かせてるだけだぜ? がぁははは!」
458: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:56:27.40 ID:+mXE6E/Co
魔王「……出でよ! フリージング・メテオ!」
魔王兄「おいおい怒んなよ! ヴォルカニック・ウォール!」
勇者「喧嘩しなくても」
魔王「エミル、今すぐその男から離れろ」
魔王「そやつの活火山の悪質さはシュトラールに匹敵する」
魔王「我が氷の息吹で死火山にしてくれるわ!」
魔王兄「参ったなこりゃ! はは!」
魔王兄「漸くお前に恋人ができたって聞いたからちょっとちょっかいかけただけじゃねえか」
魔王「黙れ変態色魔」
魔王兄「いやーまさかこんなちみっこい娘っ子と婚約するなんてなあ」
魔王「……ブリザード・サイク」
勇者「待って! 何もされてないから! 談笑してただけだから!! 暴力反対!!」
459: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:56:55.08 ID:+mXE6E/Co
勇者「突然連れてこられた時はびっくりしたんだけど」
勇者「別に危害を加えられたわけじゃないし」
勇者「話してみたら楽しかったから、」
勇者「早く帰してもらわなきゃと思いつつ話に夢中になっちゃって」
勇者「ごめんなさい」
魔王「…………」
魔王兄「流石に弟の嫁候補に噴火しねえよ! がははは!」
魔王「……何故エミルを連れ去る必要があった」
魔王兄「あ? なんとなく誘拐しただけだ。面白そうだったからな! ははは!」
魔王「きまぐれもほどほどにしろ! ……帰るぞ、エミル」
勇者「お茶おいしかったです。ごちそうさまでした」
魔王兄「また来いよ」
勇者「はい、兄上の兄上!」
魔王「やめておけ!!!!」
力族長「あら陛下いらっしゃってたの? 一晩いかがかしらぁ」
勇者「だ、だめー!」
力族長「かわいいわねぇ、婚約者ごと食べちゃおうかしら」
勇者「ひぃっ」
460: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:57:23.51 ID:+mXE6E/Co
魔王兄「お袋、誘っても無駄だぜ」
魔王兄「そいつ親兄弟にしか勃たねえんだよ」
力族長「あらぁ」
勇者「え、そうなの?」
魔王「っぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛」
魔王兄「世の中にはいいオンナが山ほどいるってのに可哀想な奴だよなあ」
魔王兄「五歳下の妹しか抱けるオンナがいないんだぜ」
力族長「不憫ねぇ……。オリーヴィア妃亡き今、」
力族長「あたくしを本当の母上だと思ってくださって構いませんのよ?」
魔王「 や め ろ ! ! 」
魔王「私はエミルさえいれば充分だ! 他の女を抱く必要なんぞ存在せん!!」
魔王兄「お前が『私』っつってても女っぽいだけだぞ」
魔王「ぅ゛……」
勇者「そ、そんなことないよ、大人っぽくてかっこいいよ」
魔王「……………………」
461: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:57:50.76 ID:+mXE6E/Co
魔王「表に出ろ、絶対零度の氷山が貴様の棺となる」
魔王兄「お、この頃骨のある奴と戦ってなくて退屈してたんだ」
魔王兄「仕方ねえからどれほど腕を上げたか確かめてやるぜ」
魔王「我が凍てつく波動よ、穢れ果てた色情魔を滅せよ! ブリザード・サイクロン!」
魔王兄「相変わらずチビだな! 紅蓮の炎<ローリング・フレイム>!」
魔王「漁色家は失せろ! 不滅の氷山<インディストラクティブル・アイスバーグ>!」
魔王兄「よく噛まずに言えるなそれ! 溶岩の針<ラーヴァ・ニードル>!」
勇者「あぁ……喧嘩はやめてってば……」
力族長「仲良いわねぇ」
勇者「え?」
魔王「くっ、雹の大嵐<ヘイル・テンペスト>!」
魔王兄「おおっと! ただの物理殴打!!」
魔王「ぐはっ」
勇者「あっ兄上が負けた」
462: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:58:23.03 ID:+mXE6E/Co
――
――――――
魔王「……この魔王が色情狂に敗れるとは……恥だ……」
勇者「ねえ兄上、さっきの話ほんとなの?」
魔王「……どの話だ」
勇者「その……親兄弟にしか……って……」
魔王「…………」
魔王「……確かに俺は身内に執着するあまり二親等以内の者にしか欲情できなくなったが」
魔王「問題でもあるのか……!?」
勇者「あ、いや、引いてるわけじゃないよ!?」
勇者(さっきのこと気にして一人称変わっちゃってる……)
勇者「ぼく、ヴェルが他の人のこと好きになっちゃったりとかしたらどうしようって、」
勇者「たまに不安になっちゃうんだけど、それなら心配する必要ないかなって」
魔王「……」
勇者「逆に安心できるなって思ったんだ」
魔王「……そうか」
魔王(体術を極めねば真の勇者に負けてしまうな……)
463: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:58:53.00 ID:+mXE6E/Co
勇者「そういえば、さっき何処行ってたの?」
魔王「……知恵の一族の本家跡地だ」
魔王「魔属が生まれた原因についての有益な情報を得られる書物でも焼け残ってないかと思ってな」
魔王「興味があるのだろう?」
勇者「うん!」
魔王「残念ながら核心的な情報を得ることはできなかったが、」
魔王「魔物と動物の生態に関する古い書物と、」
魔王「ちょっとした魔法具を拾ってきた」
勇者「……? 綺麗なネックレス……」
円形の透明な石は、玉から尾が出たような二つの形に分かれた。
それぞれに紐がくくられている。
魔王「魔力を注いでみろ」
勇者「ん……」
勇者「あ、緑色になった。兄上のも、兄上の目とおんなじ白緑になったね」
魔王「これを交換し、互いに身に着けていれば、」
魔王「相手が何処にいるのか瞬時に知ることができる」
魔王「もし何かあった時のために、な」
魔王「……渡す前に誘拐されるとは思っていなかったがな」
勇者「わあ、ありがとう!」
勇者「ヴェルの石、パライバトルマリンみたい……綺麗……」
魔王「お前の魔力が注がれたこの石は……エメラルドそのものだな」
464: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 17:59:33.53 ID:+mXE6E/Co
――大陸南西・シルヴァ地方
森長老「よくぞいらっしゃいました、真の勇者様」
勇者父「『元』だけどな」
森長老「このような平和な森に勇者様が訪れるとは珍しい」
勇者父「この辺は魔物の気性も穏やかだしな」
森長老「どのようなご用件でいらっしゃったのでしょうか」
勇者父「この土地には、人や魔物の心を穏やかにする力がある。そうだろ?」
勇者父「その力の結晶を少々分けていただきたくてな」
森長老「……こちらへ」
465: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 18:00:06.19 ID:+mXE6E/Co
――洞窟
暗闇の中、黄緑色の鉱物があちらこちらで輝いている。
森長老「二十年ほど前、我が村は魔王の襲撃を受け、多くの犠牲者が出ました」
森長老「わずかな生存者と近隣の村の協力によりどうにか再興し、」
森長老「どうにか元の平和を取り戻すことができましたが」
森長老「それも、この石の輝きが皆の心を癒してくれたからです」
森長老「この石の名はオリヴィン、宝石としてはペリドットと呼ばれておりますな」
勇者父「ほぉう、こりゃ綺麗だ」
勇者父「じゃ、このでかいのを一つもらってくか。金はいくらだ」
森長老「お金など要りませぬ」
勇者父「いいのか? あの村の財源だろ、これ」
森長老「あの恐ろしい魔王を倒してくださった勇者様には返しきれぬ恩があります故」
勇者父「そうかい、ありがとさん」
466: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 18:01:05.57 ID:+mXE6E/Co
森長老「魔王に連れ去られてしまった美しい娘がおったのですが」
森長老「彼女も、この石のような瞳を持っておりました」
勇者父「……エリヤ・ヒューレー、だろ?」
森長老「な、なんと」
森長老「彼女を助けてくださったのですか!?」
勇者父「……守りきってやれなかった。風の噂じゃもう死んじまったらしい」
森長老「……そうでございましたか」
勇者父「でも、彼女の遺志は継ぐつもりだ」
勇者父「きっと、次世代の奴等も彼女の願いを叶えるため奮闘してくれるだろう」
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467: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 18:01:36.01 ID:+mXE6E/Co
おまけ
勇者「ねえねえ、ヴェルの昔のこと教えて!」
執事「そうですね……数十代ぶりに女性の魔王が誕生したって噂が流れたりしてましたね」
勇者「ふふっ……」
執事「いやあ、初対面の男性から突然求婚された時は面白かったですよ」
執事「陛下は男性ですよって伝えた時の相手の顔ったらもう」
勇者「さぞ残念そうな顔したんだろうね!」
執事「そりゃあもう、この世の終わりだって表情でしたよ」
勇者「っははははは」
魔王「貴様等何の話をしている」
勇者「あっごめん何でもない!」
魔王「……コバルト、あまり余計なことを言うと解雇するぞ」
執事「すみません! 慎みますから!」
魔王「鍛錬に付き合え」
執事「打たれ弱いですもんね陛下。今行きますよ」
執事「…………僕がいなかったら今頃権力持ってなかったくせに」
468: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/25(木) 18:05:40.89 ID:+mXE6E/Co
kokomade
ヴェルディウスは物理防御力低そう
472: 以下、
魔王様かわいい(真顔)
otu
473: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:44:54.04 ID:sOi7JawAo
魔王母『ネグルオニクスは憎いわ』
魔王母『でも、もし争いのない世界だったら……って、よく思うの』
魔王母『エミル……自ら産んでおいて、』
魔王母『私はあなたの体を作り替えることでしかあなたを守ることができない』
魔王母『お母さんの身勝手さと無力さをどうか許して……』
Section 16 対決
474: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:45:21.75 ID:sOi7JawAo
勇者(平和協会の命令がある限り、お兄ちゃんは魔王と闘わざるをえない)
勇者(そして、ヴェルはお兄ちゃんを迎え撃つつもりでいる)
勇者(ぼくはどっちも死んでほしくない)
勇者(二人とも大切な人だもの)
勇者(ぼくには何ができるだろう)
狼犬「わんわん!」
勇者「パルル……ぼく、どうすればいいのかな」
勇者「お兄ちゃんは、魔族になったぼくのこと、妹だって思ってくれるのかな」
475: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:47:27.79 ID:sOi7JawAo
魔王「荒野で真の勇者と闘うことも考えたのだがな」
魔王「やはり、謁見の間の特殊防壁内で闘った場合が最も犠牲が出る可能性は低いだろう」
執事「勇者と闘うための設備が整ってますもんね」
執事「しかし、本当に【闇王の剣】で闘うおつもりですか?」
魔王「ああ」
執事「無理に代々魔王に受け継がれている魔剣を使わなくても、」
執事「その……体格に合った剣を使われた方がいいと思いますよ」
魔王「……闇王の剣は闇の力の伝導率があらゆる武具の中で最も高い」
魔王「この剣を使いこなせてこそ一人前の魔王だ」
執事「でも、代々受け継がれているとはいっても、開発されたのたったの数百代前ですし」
執事「陛下用の新しい闇の剣でもこしらえておけばよかったですね」
魔王「…………」
執事「いえ、あの」
執事「決して陛下の体格では闇王の剣をまともに振るえないと言っているわけでは」
魔王「俺より低身長の者にどうこう言われたくはない!!」
執事「僕達竜族は成長がゆっくりですからね」
執事「十五年後くらいには陛下より長身になってる自信がありますよ」
魔王「…………」
執事「……そろそろ一人称戻したらどうです?」
魔王「ほっといてくれ」
476: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:48:00.85 ID:sOi7JawAo
勇者「そういえば、真の勇者が死んだら光の珠は光の大精霊様に回収されるけど」
勇者「闇の珠はどうなるの?」
メイド長「所有者が生前に後継者と認めていた人物の元へ自動的に受け継がれます」
メイド長「また、後継者を指定していなかった場合、」
メイド長「最も近しい血縁者が新たな魔王となりますわ」
勇者「なるほど」
メイド長「陛下はまだ後継者を指定しておられないはずですので」
メイド長「陛下が敗れた場合はおそらくヴォルケイトス様が魔王となられるでしょうね」
執事「彼は政治に無関心ですからね〜……揉めるでしょうね」
メイド長「ヴェルディウス陛下が負けるはずありませんもの」
メイド長「心配には及びませんわ」
執事「本当にそう思うかい?」
メイド長「……不安ですわ」
勇者「……」
メイド長「だ、大丈夫です! コバルトもおりますしきっと真の勇者を…………あっ」
勇者「…………どっちも助かる方法、ないのかな……」
477: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:48:26.53 ID:sOi7JawAo

勇者(お兄ちゃんは着実にこっちに向かっている)
勇者「ねえ、兄上」
勇者「ぎゅうってして」
魔王「……」
勇者「頭撫でて」
魔王「……眠れないのか」
勇者「ん…………」
魔王(不安なのだろう。当然だ)
勇者「ヴェル……」
478: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:48:55.85 ID:sOi7JawAo
翌日
魔王「……真の勇者を倒せば、エミルは俺を恨むだろうな」
執事「手加減すれば陛下が死んじゃいますしね」
執事「どちらにしろ悲しませることになるでしょう」
魔王「だが闘わぬ道はなかろう」
執事「……真の勇者は、魔族となったエミル様を自分の妹とわからず、」
執事「殺してしまう可能性も否めません」
魔王「どのような結果になったとしても、エミルは守り通せ。いいな」
執事「はい」
479: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:49:28.92 ID:sOi7JawAo
勇者兄「もうじき魔王の領地だな……食料は充分あるか?」
法術師「ええ。亜空間携帯袋にたっぷり入ってるわ」
武闘家「盗賊か雑魚敵としか戦ってこなかったおかげで実戦経験が乏しいな」
勇者兄「だが退くわけにもいかない」
魔法使い「ここまで襲われなかったんだし、本当に魔王と闘う必要なんてあるのかしら」
勇者兄「俺達を油断させようとしているのかもしれない」
勇者兄「何より、エミルは絶対に取り戻さなければならない」
勇者兄「…………行くぞ」
――
――――――
数週間後
魔団長「陛下、真の勇者が間近まで近付いているとの報告が入りました」
魔王「城にいる者は全員北へ避難させよ」
魔王「軍は城下町の警護にあたれ」
魔王「賢者、魔術師は町にシールドを張れ」
魔王「真の勇者が通るべき道は、この魔王城に繋がる大通りだけだ」
魔王「絶対に犠牲者を出すな」
480: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:49:58.96 ID:sOi7JawAo
勇者「ぼくも城に残ります」
魔王「ならぬ」
勇者「お兄ちゃんと話をさせて!」
魔王「危険だ」
勇者「お願い! おねが――」
魔王「……しばらく眠っていてくれ。すまないな、お前の思いを無碍にしてしまって」
魔王「メルナリア、エミルを北の離宮へ」
メイド長「……はい」
執事「いいんですか、これで」
魔王「彼女を守るためだ」
勇者兄「俺は……エミルを助ける!」
魔王「私は……エミルを守ってみせる」
481: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:50:33.34 ID:sOi7JawAo
勇者(やめ……て……)
勇者(たたかわな……いで…………)
リヒト達が城下町の門に訪れると、大街道の両端に青い障壁が伸びた。
勇者兄「真っ直ぐ来いってか」
リヒトは、焔の様な橙色の瞳で黒くそびえ立つ魔王城を見据えた。
勇者兄「……全員、覚悟はできているな」
法術師「ええ」
魔法使い「まあね」
武闘家「一応な」
法術師「みんな、生きて帰りましょうね」
482: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:50:59.40 ID:sOi7JawAo
魔王「お前は逃げないのか」
執事「お供しますとも」
執事「じゃなきゃ、あなたが負けた時誰が真の勇者を足止めするんですか」
魔王「……ふん」
執事「ちなみに、陛下が戦闘不能になったら僕が雷撃で離宮に合図を送り、」
執事「賢者がテレポーションでエミル様を遠くへお送りする手筈となっております」
魔王「…………いつもすまないな」
執事「今更水臭いね。親友じゃないか」
勇者兄「魔王ヴェルディウス……!」
魔王「来たか、真の勇者リヒト・スターマイカ」
勇者兄「エミルを返せ!」
魔王「彼女は我が眷属となった」
魔王「二度と貴様の元には行かせぬ」
勇者兄「なら力づくで取り戻すまでだ!」
483: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:51:40.20 ID:sOi7JawAo
魔王「人間がエミルに何をした?」
勇者兄「…………」
魔王「孤独な旅へ追いやり、命を奪おうとした」
魔王「人間の元へ帰ったところでエミルは幸せになどなれはしない!」
勇者兄「ああ、俺が聖域なんて安全地帯で腑抜けている間に、」
勇者兄「エミルが散々な目に遭わされていたことは事実だ」
勇者兄「だが俺は真の勇者として目覚めた! クソうるさい世間なんて変えてみせる!」
魔王「ふん。大言壮語もほどほどにするがよい」
魔王「言ったはずだ、貴様がエミルを守りきれなかったら我が迎えに行くとな」
勇者兄「はっ、やっぱりお前あん時の男か!」
勇者兄「決着をつける時が来たようだな!」
484: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:53:12.64 ID:sOi7JawAo
魔王「コバルト、手を出すな。我一人で充分だ」
執事「はいはい」
勇者兄「みんな、俺一人でやらせてくれ」
魔法使い「ちょっと本気!?」
勇者兄「俺の兄としてのプライドをかけた闘いなんだ」
魔法使い「で、でも」
法術師「アイオ」
魔法使い「…………」
勇者兄「――いくぜ、光焔の砕破<シャインスパーク・クラッシュ>!」
魔王「闇氷の障壁<ダークアイス・ウォール>!」
485: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:53:50.45 ID:sOi7JawAo
勇者兄(……胸が熱い)
勇者兄(光の珠が激しく振動している)
魔王「光の珠と闇の珠が最も力を発揮するのは共に在る時だというのは本当だったようだな」
勇者兄「そう……敵を倒すため、俺の光の力は闇を前にして最高に輝きを増す!」
魔王「どれほど輝こうと目晦ましにもならぬわ!」
魔王「我が闇で覆い尽くしてやる」
魔王は体に闇を纏った。
勇者兄「はっ、闇は光に叶わねえって相場が決まってんだよ」
真の勇者も同じく光を纏い、光の聖剣で魔王に斬りかかった。
魔術を交えた激しい剣戟が繰り広げられる。
486: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:54:39.36 ID:sOi7JawAo
武闘家「一撃一撃が大振りだな、魔王」
勇者兄「はっ、剣に振られてるぜ!」
魔王「くっ!」
リヒトの鋭い剣捌きに魔王の黒き大剣が弾き飛ばされた。
執事「あーあ、言わんこっちゃない」
勇者兄「残念だったな!」
魔王「甘いな。――出でよ、我が愛剣・氷柱の孤独【ソリトゥス・スティーリアエ】」
魔王の手元に新たな剣が現れ、リヒトの攻撃を跳ね返した。
勇者兄「なっ!?」
執事「最初からあれ使えばよかったのに」
魔王「驕るな愚か者!」
勇者兄「はっ、くっ!!」
勇者兄(スピードが上がりやがった!)
487: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:55:07.24 ID:sOi7JawAo
魔法使い「リヒト! ああもう見てらんないわ!」
執事「おっと」
アイオ達の目の前に小さな雷撃が落とされた。
執事「邪魔はさせませんよ」
魔法使い「くっ……」
魔王「エミルの兄は我だけで充分だ!」
勇者兄「そんなにっ、兄妹ごっこっ、したいのかよっ!」
魔王「『ごっこ』? ふん、エミルは我が同腹の妹だ!」
勇者兄「な、何言ってやがる!?」
488: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 12:55:33.35 ID:sOi7JawAo
勇者「う……」
勇者「! お兄ちゃんとヴェルは……」
メイド長「現在、闘っておられます」
勇者「止めなくちゃ!」
メイド長「エミル様、お待ちください!」
勇者(光の力は魔属にとって猛毒)
勇者(同様に、闇の力で傷を負わされた人間も無事ではいられない)
勇者「お願い、二人とも……まだ無事でいて!」
Now loading......
489: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 14:57:18.86 ID:sOi7JawAo
光と闇が拮抗し、激しく衝撃音を立てている。
勇者兄「うぉぉおおおおおお!!」
魔王「ぐっ…………!」
勇者「兄上! お兄ちゃん!」
魔王「エミル!?」
勇者兄「エミル……だと……!?」
勇者「よかった、間に合った……」
法術師「エミル……ちゃん……?」
魔法使い「あれ、どう見ても魔族じゃない」
武闘家「…………」
490: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 14:57:44.54 ID:sOi7JawAo
メイド長「エミル様ーっ! ひっ、真の勇者……」
狼犬「くぅ〜ん」
勇者兄(顔も、髪の色も、声色も違う)
勇者兄(でも、変質してはいるが確かにあの魔力はエミルの物)
勇者兄(何より、あれは……エミルの瞳だ)
勇者兄「嘘……だろ……」
魔王「何故此処に来た」
勇者「だって」
勇者「皆で考えれば、もしかしたら血を流さずに済む方法が見つかるかもしれないもの」
勇者「ぼくは、誰にも傷ついてほしくない!」
魔王「エミル……」
勇者兄「……魔王! エミルを人間に戻せ!!」
勇者兄「よくも俺の妹を魔族なんかに……!」
魔王「まだわからぬのか! エミルは元より魔族として生まれついた」
魔王「人間の姿こそ偽りのものだ!」
491: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 14:58:44.50 ID:sOi7JawAo
勇者兄「ふざけるな!!!!」
勇者「やめて! 闘わないで!!」
勇者「いやああああああああああ!!!!!!!!」
その瞬間、凄まじい衝撃波が弾けた。
492: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 14:59:15.41 ID:sOi7JawAo
魔王「う……」
勇者「はぁ…………」
勇者「っ…………」
勇者(力が暴発するなんて……)
魔王「え、み……る……」
勇者「兄上! ごめんね! 大丈夫!?」
エミルは真っ先に魔王の元へ駆け寄った。
勇者兄「えみ、る……」
執事「はは、魔力の衝撃で一時的に体が麻痺しているだけです」
執事「おそらく全員ダメージがあるわけではありません」
地面に這いつくばったままでコバルトが言った。
魔王「……傷はない」
勇者「はあ、よかった……」
493: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 14:59:45.35 ID:sOi7JawAo
勇者兄「エミル、なあ、そいつに洗脳されてるだけなんだよな……?」
リヒトはどうにか立ち上がりながらエミルに語りかけた。
勇者「……ごめんね、お兄ちゃん。ぼくは正気だよ」
法術師「嘘……」
魔法使い(やっぱり、あいつ化け物じゃない!)
武闘家「体中ピリピリする」
勇者兄「くっ……」
勇者兄「魔王……ブッ倒す……!」
勇者「待って!」
エミルはヴェルディウスを庇うように両手を広げ、リヒトの前に立ちはだかった。
勇者兄「そこをどけエミル!」
勇者「お兄ちゃん。お兄ちゃんにとって、魔属は殺して当然の敵。そうでしょ?」
魔王「エミル、逃げろ……!」
メイド長「危険です! 早くこちらへ」
勇者「ぼく、魔族なんだよ。ぼくのこと、殺せる?」
勇者兄「っ――――」
494: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:00:15.71 ID:sOi7JawAo
勇者兄「……ちくしょう」
手から剣が滑り落ち、リヒトは両膝を着いてうなだれた。
勇者「……お兄ちゃん、ぼくのこと、心配してここまで来てくれたんだよね」
勇者「ありがとうね」
勇者兄「…………」
勇者「ぼく、お兄ちゃんとお母さんが違ってたんだ」
勇者「ぼくの本当のお母さんは、先代の魔王の后。今の魔王のお母さんだったの」
勇者兄「…………」
勇者「だから、本当に……半分は、魔王と同じ血が流れてるんだ」
勇者兄「ぁ……あ……」
勇者兄「俺は……俺は……どうしたら……」
勇者兄「っぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!」
勇者父「おまえら何やってんの?」
勇者兄「あああ!? あ?」
勇者「え?」
魔王「っ――」
魔法使い「は!?」
法術師「あらまあ!」
狼犬「わふ?」
魔王父(死ね)
執事「わお」
メイド長「!?」
495: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:00:59.12 ID:sOi7JawAo
武闘家(気配近付いてたのに誰も気づかなかったのかよ)
勇者「お……父……さん?」
勇者父「平和協会の支部が襲撃を受けて魔王討伐どころじゃないってのに――」
勇者父「あ、そうかそうか! 魔族の領地にいておまえらには情報入らなかったのか!」
勇者父「それなら仕方ないよなあ!」
 「「「「「「「「……………………」」」」」」」」
勇者父「おっエミル! 久しぶりだなあ! おまえ魔族に戻ったのか〜」
勇者「…………」
勇者父「はっ……ってことは! おまえ早いなぁ〜流石お父さんの子だ!」
勇者父「したんだろ? セックス」
勇者「……え?」
勇者父「だから、魔族の彼氏とラブラブセッ」
勇者「わあああああああああああ!!!!!!!!!!」
勇者兄「は?」
496: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:01:38.89 ID:sOi7JawAo
勇者父「相手は誰なんだ? お父さんよりイケメンか!?」
魔王「私だ」
勇者兄「は?」
執事(一人称安定しないなあ)
勇者父「おお! こりゃ綺麗な顔だわ! でもおまえら兄妹じゃなかったっけ?」
魔王「近親婚なぞ珍しいことではない」
勇者父「お、そうか! なら問題ないな!」
勇者兄「…………は!?」
勇者「……………………」
勇者兄「魔王テメェやっぱブッ殺す!!!!」
魔王「ふん。返り討ちにしてやる」
勇者「やーめーて!!」
497: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:03:02.64 ID:sOi7JawAo
魔王「何用で我が城に参った」
勇者父「あーまあ、一つずつ説明するわ」
勇者父「二万五千年前に大いなる破壊の意思、別名破壊神が封印されたのは知ってるだろ?」
勇者父「そいつが復活しかけてる」
勇者兄「何だと……」
勇者父「この頃の異常気象や災害もそいつが原因だ」
勇者父「人魔の争いなんてやってる場合じゃない。協力しあわなきゃ全員お陀仏だ」
勇者父「というわけで、魔王の協力を仰ぎにここまで来たわけだ」
魔王「ふむ」
勇者「今までお父さん一体何やってたの?」
勇者父「十二年前、エミルをカトレアに預けた頃に光の大精霊さんから助けてーって言われてなあ」
勇者父「東奔西走、二万五千年前の資料を探しに旅をしてたってわけだ」
勇者父「彼女も五千年前に代替わりしたばっかで、当時のことは詳しくな」
勇者兄「十二年前!?」
498: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:04:17.22 ID:sOi7JawAo
勇者兄「そんな前から助けを求められていたなら、何で俺は魔王討伐の旅なんてしてたんだよ」
勇者兄「平和協会の連中は一言もそんなこと言ってなかったぞ」
勇者父「おまえ、光の大精霊さんの声聞いたことあるか?」
勇者兄「い、いや……」
勇者父「差別意識が強いと彼女の声は聞こえないんだとよ」
勇者父「あと、魔族も彼女の声を聞くことはできない」
勇者父「魔属ってのは、破壊神の呪いを受けて生まれたらしいからな」
勇者「!」
勇者父「光があれば闇があるように、正反対の属性を持つ物があらゆる物に対して存在する」
勇者父「創造神がこの世界を創った時に破壊の意思が生まれた」
勇者父「そして、光の大精霊は創造神の子供みてえなもんだ」
勇者父「相反する者との接触は困難を極める」
勇者父「あ、光の大精霊さんに限らず、大精霊はみんな創造神の欠片らしい」
勇者父「ちなみに、闇の大精霊さんもな」
499: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:05:22.06 ID:sOi7JawAo
勇者父「というわけで、大精霊さん方の声を聞ける勇者は俺しかいなかったわけだ」
勇者父「なんせ魔族の女の子と子供作っちゃうような人間だし! ははは!」
勇者兄「…………」
勇者父「……が、あんまり破壊神云々言って民衆の不安を仰ぐのはよくないし、」
勇者父「そんな神話レベルの話を信じる奴もそういない」
勇者父「平和協会には一応訴えたが無駄だった」
勇者父「あいつら利益第一で動いてるし、」
勇者父「俺、一時期とある女の子と行方晦ましたりしてたから信用なかったわけよ」
勇者(母上のことだ……)
勇者父「だから俺はギリギリまで一人で行動してたってわけだ」
勇者父「いやあ苦労したわ、破壊神に関する情報集めるの」
勇者父「破壊神を封印するために戦った二人の勇者の内、一人は姿を消した」
勇者父「お父さんはその勇者の力を受け継ぐ者を探さなきゃいけなかったわけよ!」
勇者父「二万五千年前に行方不明になった力なんだぞ!! この苦労わかる!?!?」
勇者父「けほっ……ずっと喋ってたら喉乾いた。水ない?」
魔王「コバルト」
執事「はい」
メイド長「あ、私が用意いたします」
500: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:06:18.87 ID:sOi7JawAo
勇者父「あんがと」
勇者父「んでまあ、ついに破壊神の封印が本格的に緩んできちまった」
勇者父「数日前、破壊神に操られた人間により、平和協会の支部が破壊されたんだ」
勇者父「漸くお父さんの言ったことを信じた平和協会は、魔王討伐を取りやめ、」
勇者父「対破壊神の体勢を整えるという決断を下したわけよ」
勇者兄「…………」
勇者父「だからおまえらが争う理由なんてないわけよ!」
勇者父「手を組んで仲良くやろうぜ!」
法術師「突然のことすぎて頭に入ってこないわ……」
勇者父「要するに、共通の敵が現れたから共闘しようぜってことだ」
勇者「あ、で……その、見つかったの? もう一つの力」
勇者父「大陸中探しても見つからなかった……が、一つ閃いたことがある」
勇者父「光の珠と闇の珠って共鳴するだろ?」
魔王「ああ」
勇者兄「めっちゃ力が増幅した」
勇者父「あれ、相手を倒すために強くなってるわけじゃないんじゃね? って」
勇者兄「何だと!?」
501: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:06:59.50 ID:sOi7JawAo
二人の勇者は、大精霊からそれぞれ力の結晶を授かり、
大いなる破壊の意思を封印した。
勇者の内一人は東にある故郷へ帰還し、
もう一人の勇者はいずこかへ姿を消した。
時を同じくして、大陸の生命の半分は魔に侵された。
勇者父「二人の勇者は、光の大精霊と闇の大精霊からそれぞれ一個ずつ力を授かったんだ」
勇者父「俺の仮説だけどな」
勇者父「確かめようにも今の闇の大精霊さんは寝てばっかだし、」
勇者父「多分当時のことは把握してないだろう。悠々自適だからなー彼女」
法術師「でも、闇の力は人間や動物にとって猛毒……」
勇者父「呪いで変質したんだろう、おそらく」
502: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:07:25.19 ID:sOi7JawAo
魔王「我が祖先もまた勇者だったかもしれないというわけか」
勇者「破壊神の呪いを受けて、魔族になってしまったから姿を消したのかも……」
勇者父「ふぅ〜疲れた。今日泊めてもらっていい?」
魔王「構わんが、一つ聞きたいことがある」
勇者父「ん?」
魔王「……エミルに施されていた封印の解術条件。あれは一体何だ……!?」
魔王「あれのおかげで……どれほどの苦難を強いられたことか……!!」
勇者父「いやでもあの条件考えたのエリヤだぞ?」
魔王「な……ん、だと……」
503: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:07:54.53 ID:sOi7JawAo
勇者父「エミルには人間として幸せになってほしかった」
勇者父「だが、もし魔族の男と恋に落ちたら……」
勇者父「人間の体のままじゃ子供を産むなんて不可能だ」
勇者父「だから、両想いの魔族の男と交わったら封印が解けるようにしよう」
勇者父「……っていう、親の真心だったわけよ」
魔王「…………」
勇者「…………」
勇者父「何で『苦難を強いられた』のか聞いていい?」
勇者「やめて」
魔王「………………………………」
勇者兄「……ぐすっ……俺のっエミルがっ……こんな男にっ……」
勇者兄「うわあああああああああん!!!!」
狼犬「?」
狼犬「あおおおおおおおおおおん!!!!」
勇者「パルル、あれ遠吠えじゃないよ」
第一部 完
DISC 2 に取り換えてください。
504: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:08:22.63 ID:sOi7JawAo
夜の闇の中、炎が全てを焼き尽くそうと燃え上がっている。
――響け 滅びの唄 純然たる破滅の意思よ 
少女は唄いながら、刀を振るった。
――私と、私達の命を奪った人間を、私は決して許しはしない
血飛沫を浴びても尚、少女は笑顔を崩さなかった。
――ねえ、私、生まれ変わったのよ。
瞳に宿った破壊の神気に駆り立てられるがまま、彼女は憎しみに身を任せた。
――もう一度、あなたに会うために
思い出の地を目指して、少女は歩を進める。
505: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/27(土) 15:10:01.30 ID:sOi7JawAo
kokomade
第二部はちゃんと骨組み作ってからやりたいので、開始するまでちょっと時間かかるかもしれません
先日申し上げました通り、三月中には完結させます
じゃないと忙しくなってエタるので
507: 以下、
さりげない魔王父が…ww
今度は共闘か
otu
508: 以下、
otu!
魔法使いの重いが報われる時はくるのか…
509: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:47:03.50 ID:W9zzJ8cFo
勇者兄「まさか敵の本拠地で一泊することになるとは……」
魔法使い「魔気濃いわね……うっぷ」
勇者兄「俺の近くに寄れよ、光の力で結界張るから」
魔法使い「あ、ありがと」
勇者「よかった……誰も死なずに済んで……」
勇者「でも、戦いはもう始まってるんだね」
勇者父「お前の夢を叶えるチャンスだぞ?」
勇者「え?」
勇者父「仲が悪かった者同士が最も仲良くなりやすい時って、どんな時か知ってるか?」
勇者父「共通の敵ができた時だよ」
Section 17 里帰り
510: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:47:40.06 ID:W9zzJ8cFo
勇者「でも……」
勇者父「相手は神様ってか、破壊衝動そのものだ。生命を持たない」
勇者父「それどころか人間を操って攻撃してくるやっかいな奴だ」
勇者父「ためらうことはないぞ」
勇者父「話し合いが通じる奴でもない。戦うしかないんだ」
勇者「……わかった。ぼくのこの魔力を活かす時が来たのかもしれない」
勇者「戦うよ、ぼく」
勇者父「よしよし」
勇者「ん……」
勇者父「一人でよくがんばったな」
勇者「……何で助けに来てくれなかったの?」
勇者「結果的にヴェルのこと思い出せたからよかったけど……」
511: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:48:23.58 ID:W9zzJ8cFo
勇者父「昔、今の魔王と一緒に遊んでただろ?」
勇者「えっ知ってたの?」
勇者父「まあな」
勇者父「ガキの頃のあいつを見てすぐに正体を見破ったさ」
勇者父「あいつがお前を殺すはずがないと信じてた」
勇者「……そっか」
勇者父「何より、お前の人生はお前のもんだ」
勇者父「お前がどう生きるかはお前と周囲の奴等次第」
勇者父「赤ん坊のお前を守るために魔族の血を封印せざるを得なかったが、」
勇者父「お前はもう赤ん坊じゃない。自分の意思を持って生きてるだろ?」
勇者父「生命の危機にでも晒されようもんなら助けるが、」
勇者父「お父さんは必要以上に子供の人生に介入しない主義なんだ」
勇者兄「いやふざけんな!!!!」
勇者父「下手に乗り込んで騒ぎを起こせば戦争になりかねんだろう」
勇者父「そもそもお父さんもう肉体衰えてるし魔王に歯向かうなんて無理無理無理」
勇者兄「エミルがどんなに怖い思いをしたのか想像できねえのかよ!?」
勇者「お兄ちゃん落ち着いて」
512: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:49:07.29 ID:W9zzJ8cFo
勇者兄「ああエミル!」
勇者「ふぎゃっ」
リヒトはエミルを抱きしめた。
勇者兄「どんな姿をしていてもお前は俺の妹だ!」
勇者兄「すぐに助けてやれなくてごめんな、ごめんな」
勇者「お兄ちゃん……」
勇者兄「これからは絶対守るからな」
魔法使い「…………」
魔王「今すぐ我が妹から離れろ下郎」
勇者兄「んだとぉ!?」
勇者「お願いだからケンカしないで」
513: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:49:38.12 ID:W9zzJ8cFo
魔兵士1「ひっ真の勇者一行だぞ」
魔兵士2「殺される! 魔王陛下は何故避難勧告を解除されたんだ……」
法術師「こう恐れられると傷付くわね……当然のことなのだけれども」
武闘家「戦わなさすぎて旅立つ前より腕なまってる気がするんだよな」
勇者「じゃあ久しぶりに打ち合いやろうよ」
武闘家「そうするか」
魔法使い「あんた剣なんて使えたの?」
武闘家「エミル達とは流派違うけど少しはな」
勇者「……ぼくのこと、まだ友達だと思ってくれてるの?」
武闘家「そもそもお前が魔族だって知ってたし俺」
勇者「え!?」
勇者兄「は!?」
魔法使い「何ですって!?」
武闘家「俺と俺の師匠だけは気付いてた。気功のおかげでな」
勇者「じゃあ……ぼくが魔族だって知った上で友達になってくれたの……?」
武闘家「ナンパに利用できさえすればそれでいい」
勇者「…………」
勇者「……あ、ありがとう」
武闘家「そんなドレスじゃ剣振れねえだろ。さっさと着替えてこいよ」
勇者「うん」
魔王「奴は……一体エミルとどのような関係なのだ……」
執事「ただのご友人らしいですから落ち着いてください」
514: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:50:20.32 ID:W9zzJ8cFo
魔貴族A「まさか真の勇者と手を組むとは……そもそも破壊神なぞ実在するのか?」
魔貴族B「どうにかして王位を剥奪したいものだが……」
魔貴族A「逆らえばヴォルケイトスに妻を寝取られてしまうからな」
魔貴族B「何人の女が奴に骨抜きにされてしまったことか……」
魔貴族A「我等に抗う術はないな。大人しくしておくとしよう」
執事「おや、賢明な判断をなさったようで」
魔貴族A「ひぃっ!」
執事「悪いことは言いません。邪な考えは捨てた方がいいですよ」
魔貴族B「だ、だが、真の勇者を城に泊めるとは危険にもほどがあるだろう」
執事「先程伝令があったと思いますが、」
執事「彼等はそちらから襲わない限り魔族に危害を加えることはありません」
執事「見張りもついています。どうかご安心を」
魔貴族A「よく人間を信用できたものだな……」
魔貴族A「……コバルト。お前は人間が憎くはないのか」
魔貴族A「お前の群れは……」
執事「あなた方には関係のないことです」
515: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:52:03.10 ID:W9zzJ8cFo
魔王「これを機に和平交渉を行いたい」
勇者父「ほう」
魔王「沈黙を保つだけでは進展しないからな。ずっと機会を伺っていた」
魔王「私個人が戦うだけでは何かと不都合だ」
魔王「争いの混乱の中で人魔の争いが起こる可能性もある」
魔王「古の神話では、破壊神は人間を操った他、」
魔王「心を持たぬ人形により大地を血で染めたと言い伝えられている」
魔王「魔の気がある以上融和は困難であろうが、共同戦線を張るべきだ」
勇者父「俺も同じことを考えていた」
勇者父「各国の王様集めて会議でも開きたいもんだな」
魔王「ああ」
魔王父『我の可愛い息子に近付くなこの汚らわしい色情魔』
勇者父「……お前さん、俺を恨んでないのか?」
魔王「恨んだところで何になる。母上が悲しむだけだ」
魔王父『何故許せる!? お前の母親を我から奪ったのだぞ!!』
勇者父「そうかい。随分心の広い魔王様だな」
魔王父『死ね、死ね、体の端から少しずつゴキブリに噛み千切られて生き延びたことを後悔するがよい』
勇者父(悪寒が)
516: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:52:34.65 ID:W9zzJ8cFo
魔法使い「くっ……」
魔法使い「何なのよもう!」
魔法使い「あいつ魔族だったのにそれでも妹だなんてありえないありえないありえない」
魔法使い「許せない……何で死んでなかったのよ……!」
魔法使い「もういや――――うっ」
法術師「アイオ!? どうしたの!?」
魔法使い「一瞬、頭が痛くて……」
法術師「大丈夫? 今治療を」
魔法使い「……平気よ」
517: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:53:08.55 ID:W9zzJ8cFo
魔王城・食堂
勇者父「うめえ」
魔法使い「よく抵抗なく魔族のごはん食べられるわね……」
勇者「そっか……ぼく、死んだことになってるんだ」
武闘家「死んだままにしとけばお前は自由だ」
勇者「…………」
勇者「でも、お母さんに会いたい。町のみんなや、旅の途中で出会った人達とも」
武闘家「会いに行けば生存していることが確実に平和協会にバレるな」
勇者「ぼく、王様や平和協会に嫌われてるから、人間の社会に戻るのは怖いけど……」
勇者「でも、一生会わないままだなんてやだよ」
勇者兄「何かしらの交渉をして自由を確保してやりたいもんだが」
勇者父「破壊神対策に協力しますっつっとけば当分大丈夫だろ」
勇者父「卑怯な手で貶められたりしなけりゃの話だがな」
魔王「エミル……やはり、母親に会いたいか」
勇者「……うん」
518: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:53:51.88 ID:W9zzJ8cFo
魔王「……私も挨拶に伺わねばと思っていた」
勇者「え!?」
勇者兄「は!?」
魔王「明日、テレポーションで全員ブレイズウォリアまで送り届けよう」
魔王「破壊神の話をするにしても、平和協会の支部よりは本部の方がいいだろう」
勇者兄「お前……マジでうち来るのかよ?」
魔王「人間に化ける術なら心得ている」
執事「ちょっと陛下。仕事はどうするんですか」
魔王「……適当に戻る」
執事「魔王だってバレたら騒ぎになりますよ」
魔王「我が魔術の腕を疑っているのか」
執事「……はあ」
519: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:54:29.53 ID:W9zzJ8cFo
翌日
勇者「じゃあ行ってくるね!」
執事「はい。お気をつけて」
勇者「パルルのお世話、お願いします」
メイド長「はい! 絶対帰ってきてくださいね! ううっ」
執事「今生の別れじゃないんだから……」
執事「……テレポーション使った時点で高位の魔族だってバレませんかね?」
魔王「適当に誤魔化すまでだ」
執事(不安過ぎる……)
勇者父「こんな大人数一気に移動できるなんてすげえな。流石エリヤの息子だ」
魔王「……ふん」
勇者「元の姿に変身できてるかな」
武闘家「おっけ」
520: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:55:01.79 ID:W9zzJ8cFo
――東の果ての国ブレイズウォリア
勇者兄「久々の故郷だ。変わんねえな」
勇者「……帰ってこられたんだ」
勇者「お母さーん!」
勇者母「……エミル? エミルなの!?」
勇者「ぼく帰ってきたよ!!」
勇者母「ああエミル! 夢じゃないのね?」
勇者母「よかった……よかった……」
勇者「お母さん……会いたかったよ…………」
勇者兄「ただいま、母さん」
勇者父「帰ったぞカトレアー!」
勇者母「みんな……お帰りなさい」
521: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:55:39.30 ID:W9zzJ8cFo
エミル達の家
アイオとセレナ、コハクはそれぞれ自分の実家に戻っている。
勇者母「そう……大変だったのね」
勇者兄「一休みしたら国王陛下に会ってくるよ」
勇者兄「あれ父さんは」
勇者「あっちで寝てる」
勇者母「そちらの方は」
勇者「あ、えっとね、ヴェルっていうんだよ」
魔王「……私はエミルの婚約者だ」
勇者母「まあ!」
勇者兄「…………」
勇者母「こ、こ、婚約者だなんて!」
勇者母「ごめんなさいねちゃんとしたおもてなしもできなくて」
勇者母「ええと、どこの国のどんな方なのかしら」
魔王「かなり西の方の国の王族だ」
勇者(嘘ではない……)
勇者母「お、王族……」
カトレアはよろめいた。
勇者「わー! お母さんしっかり!」
522: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:56:26.99 ID:W9zzJ8cFo
勇者母「そんな高貴な方が……うちの娘と……」
魔王「エミルは我が眷属だ。身分の差の問題はな」
勇者「待って! いきなり話してもややこしくなるから!」
勇者母「うう…………」
勇者「えっと……夜にまたゆっくり話そうか」

魔王「では私は城に戻る」
勇者「えっもう帰っちゃうの?」
魔王「城を長時間空けるわけにはいかないからな」
魔王「お母上には、お前から説明しておいてくれ」
勇者「うん」
魔王(上手く話せる自信がない……コバルト並みの会話力が欲しいものだ)
勇者兄(二度とくんなし)
魔王「……お前思いの良い母親のようだな」
勇者「!」
勇者「うん!」
523: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:57:04.47 ID:W9zzJ8cFo
ブレイズウォリア城・謁見の間
国王「ほう。シュトラールの術で魔王城からここまで一瞬で移動したと」
勇者父「魔王の協力も得られることとなりました」
勇者父「これを機に、魔王は和平を結ぶことを望んでおります」
国王「ふむ……」
協会代表「信用できぬな……所詮魔族の言ったことだ」
協会代表「裏切られる可能性も充分にある」
勇者父「今の魔王は先代までとは違います。彼は平和を望んでいるのです」
大魔導師「騙されているとは思わぬのか」
勇者父「魔力見りゃ相手がどんな奴か大体わかるだろ?」
勇者父「大魔導師さんなら、」
勇者父「実際に魔王に会えば信用に足る奴だってわかると思うんだけどな〜」
大魔導師「…………」
勇者父「というわけで、人間魔族合同会議を開きたい」
国王「……検討しておこう。全生命の危機だからな」
協会代表「……ところで」
524: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:57:43.31 ID:W9zzJ8cFo
協会代表「エミル・スターマイカ。お前は光の力を失っているようだが」
勇者「ぼくは長い間、ぼくを憐れんだ魔王に『保護』されていましたが、その……」
勇者(魔族だってバレないバレない! フィルターかけまくってるもん!)
勇者父「魔王城の魔気に光の力やられちまったんだよな」
大神官「そのようなことは聞いたこともないが……」
国王「ううむ……」
勇者兄「何疑ってんだよ」
国王「ヒッ!」
協会代表(幼い子供を一人で旅立たせるなど頭がおかしいと苦情が殺到している)
協会代表(表立ってこやつを処分すれば、協会の名が落ちてしまう)
協会代表「……まあよかろう。破壊神の攻撃に備えて体を休めよ」
協会代表(しばらくは様子見だ)
525: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 18:58:31.20 ID:W9zzJ8cFo
勇者「き、緊張した……」
勇者父「お前嘘吐くの下手っぴだもんなあ」
勇者父「明日からは忙しくなるだろう。今日はしっかり寝とけ」
勇者「うん……」
女子1「エミルあんた生きてたのね!」
女子2「キャーコハク君お帰りなさい!!」
女子3「意外と早かったじゃない!」
女子4「彼女作ったりしてないよね!?」
武闘家「うん」
女子5「エミルくぅぅぅぅぅん!!」
勇者「みんな……ただいま!」
526: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 19:00:22.06 ID:W9zzJ8cFo

勇者母「みんなが無事に帰ってきてくれたお祝いよ」
勇者兄「こりゃまた豪華だな。ありがと母さん」
勇者母「リヒトの好物もいっぱい作ったんだから」
勇者「お母さんのごはんだあ!」
勇者「ヴェルにも食べてほしかったなあ」
勇者母「うちに泊まっていかれたらよかったのに」
勇者「あ、あはは……お兄ちゃんが許さないよそれ」
勇者兄「ったりめーだろ」
勇者父「おー久々のカトレアの料理だ」
勇者母「あんた、もうちょっと頻繁に帰ってきなさいよ」
勇者父「あ、うん、ごめん」
勇者「おいしい……おいしいよ……」
エミルは涙をこぼし始めた。
勇者「も……食べれないって……ぐすっ……思ってた……」
勇者「どんなに頑張ってもっ……お母さんとおんなじ味に作れなくてっ……」
勇者母「エミル……」
527: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 19:01:12.11 ID:W9zzJ8cFo
――
――――――
勇者父「ぐごご……」
勇者「お母さん、一緒に寝ていい?」
勇者母「……いいわよ。おいで」
勇者「んー」
勇者母「よくがんばったわね……」
勇者「お母さん……」
勇者「あのね、お母さん」
勇者母「どうしたの?」
勇者「ぼくを、本当の子供みたいに大事に育ててくれて、ありがとう」
勇者母「い、いきなり何言い出すの!?」
勇者「旅してたらね、知っちゃったんだ、本当のお母さんのこと」
勇者母「…………」
528: ◆qj/KwVcV5s 2016/02/29(月) 19:02:08.35 ID:W9zzJ8cFo
勇者「でもね、ぼくも、お母さんのことお母さんだと思ってるし、大好きだから」
勇者母「そう……」
勇者母「本当のお母さんには、会えたの?」
勇者「……何年も前に、死んじゃってた」
勇者母「…………そっか」
勇者「ヴェルがね、本当のお母さんの……その、関係者の人で」
勇者「ぼくのことほんとに大事にしてくれてるんだ」
勇者「だから、心配要らないよ」
勇者母「そう……良い人に巡り合えたのね」
勇者母「彼、悲しい目をした人だったわ。支え合って生きていくのよ」
勇者「……うん」
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533: 以下、
成仏できそうにない魔王父ww
otu
534: 以下、
otu !
火山兄さんは弟の為に人妻漁りをしているのか
535: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/01(火) 19:12:19.32 ID:yOrE3Gaio
コバルトが味方になってくれそうな魔族に話を持ち掛けつつ、
邪魔者にはヴォルケイトスが「お前の嫁さん美人だよなあ……」と不安を煽ることでヴェルディウスはなんとか権力を得たって感じですね
もっと早く描写するはずだったのですが、コバルトの過去編がずれこんでるので……そのうちちゃんとやりたいです
536: 以下、
兄さん案外ブラコンか
537: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:02:55.28 ID:YFKGm2p2o
『君の歌には、不思議な力があるんだね』
『この村に伝わる、神様の歌なのよ』
『枯れかけた花だって、また綺麗に咲くわ』
『聞かせて、くれるかな』
『聞きたいんだ。君の歌を』
Section 18 少女
538: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:05:07.75 ID:YFKGm2p2o
協会職員「現在大陸中に呼びかけているのですが」
協会職員「怒りや憎しみ等の、破壊衝動の元となる感情を継続して持っていると、」
協会職員「破壊神に操られてしまうので、できる限り穏やかな精神状態を保ってください」
勇者兄「で、俺等は具体的に何やればいいんだ?」
協会職員「とある少女を追っていただいきたいのです」
勇者兄「少女?」
協会職員「破壊神に操られた者……『破壊者』のほとんどは、」
協会職員「捕獲してしばらくすれば正気を取り戻すのですが、」
協会職員「一人だけ、あまりにも力が強くて手が付けられない者がいるのです」
勇者兄「そいつは今どのあたりにいるんだ」
協会職員「それが、突然姿を消してしまうものですから、正確な位置はわかりません」
協会職員「ただ、少しずつ北に向かっているようなのです」
協会職員「現在は大陸中央部のやや北側にいるものと思われます」
協会職員「しかし、その……」
勇者兄「ん?」
539: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:06:48.23 ID:YFKGm2p2o
協会職員「通常、破壊者は無差別に破壊と殺戮を繰り返すのですが、」
協会職員「その少女だけは平和協会の支部のみを攻撃しているのです」
勇者兄「破壊神とは無関係の、協会に恨みのある奴の犯行じゃねえのか?」
協会職員「それが、目撃者の証言によると、」
協会職員「破壊神の下僕である人形を従えていたそうなのです」
協会職員「奇妙な力を使っていたことからも、破壊者で間違いないかと」
勇者「奇妙な力?」
協会職員「魔術とも法術とも異なる、未知の力の波動です」
協会職員「また、彼女が歌うと、周囲の物が崩れ去ったり、絶望的な気分になったりするとか」
勇者「うーん……」
武闘家「気功とも違うな」
勇者兄「話はわかった」
協会職員「彼女は15歳程の美しい少女だそうです」
協会職員「なんでも、黒髪が部分的に金に輝いたりする不思議な頭髪だとか」
勇者「魔族……ではないんですか?」
協会職員「確かに人間だと報告が入っています」
協会職員「では、シュトラール様、テレポーションを習得なさっているのですよね?」
協会職員「一行を連れて大陸中央部辺りまで飛んでいただきたい」
勇者父「あ゛っ、うん」
540: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:07:43.19 ID:YFKGm2p2o
勇者父「どうしよう。多分また魔王来るよな? エミルに会いに」
勇者「あ、ぼくごく最近テレポーション覚えたよ」
勇者「まだちょっと不安だから、自分含めて5、6人くらいが限界かな」
勇者兄「ギリギリいけるか?」
勇者「やってみる」
勇者「……瞬間転移<テレポーション>!」
――大陸中央付近
勇者「うっ……疲れた……」
勇者兄「大丈夫か!?」
勇者「力が入らない……慣れの問題だと思うけど」
勇者「すごい量の魔力消費した……」
勇者父「必要な魔力量がばかでかいからな……こんな人数運んだのなら尚更だ」
勇者兄「近くの村までちょっと距離があるな。おんぶしてやるよ」
勇者「ありがとう、お兄ちゃ」
魔法使い「っ!」
勇者「!?」
勇者「う、ううん、歩いてくから大丈夫」
勇者兄「遠慮すんなって」
勇者「あわわ」
魔法使い「…………」
法術師「嫉妬しないの!」
武闘家(リヒトさんが鈍感なのがなあ……問題なんだよな)
541: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:08:15.34 ID:YFKGm2p2o
勇者兄「昔はよくエミルをおんぶしてやったもんだなあ」
勇者兄「転んでひざ擦り剥いたり、寝ちまったりした時とかにさ」
勇者「……そうだったね。懐かしいな」
勇者兄「でかくなっちまったもんだよなあ」
勇者兄「少し会わない間に旅に出てるわ俺以外の奴を兄と呼んでるわ恋人はできてるわで」
勇者兄「うっ……なんか……ざびじ……」
勇者「泣かないで」
勇者「……ぼくにとってのお兄ちゃんはお兄ちゃんだけだよ」
勇者「ヴェルのこと、お兄ちゃんだと感じたこと、実はあんまりないんだ」
勇者兄「えっマジか!?」
勇者「ヴェルは初恋の相手で、誰よりも大好きな恋人で……」
勇者「喜んでもらえるから『兄上』って呼んでるけど、」
勇者「ほんとは兄妹だって実感沸いてないの。ぼくのお兄ちゃんは、お兄ちゃんだけ」
勇者兄「……ぅ……ぐずっ……」
勇者父「泣き虫なところそっくりだよなお前等」
542: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:08:47.82 ID:YFKGm2p2o
少女『ちょっと、あんた達何やってんのよ!』
ガキ1『あ?』
ガキ2『あんだよ』
ガキ3『カトレアじゃん』
いじめられっ子『うう……いたいよ……』
少女『大勢で一人に暴力振るうなんて卑怯よ! ケンカなら一対一でやれば!?』
ガキ1『お前も殴られてえのか』
ガキ2『てめえみてえなガサツな女、女じゃねえ!』
少女『あ、んた達……許さないんだからっ……ぅ……』
ガキ3『こいつ泣きやがったぞー!』
ガキ『『『なーきーむし! なーきーむし!』』』
少年『おまえらまーたいじめかよカッコ悪いぞ』
ガキ2『げっシュト何とかだ!』
少年『勇者様の名前くらい覚えろよ……』
543: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:09:22.66 ID:YFKGm2p2o
勇者父(あいつ、負けん気が強いわりに、感情が昂るとすぐ泣くんだよなあ)
勇者「ほら鼻水拭いて。村に着いちゃうよ」
勇者兄「ふぐっ……ずずっ……」
勇者父(二人とも、あいつに育てられたんだもんなあ。そりゃ似るわ)
――村
勇者兄「黒髪と金髪が混じった、15歳くらいの女の子を見かけませんでしたか?」
村人「うーん、そんな変わった頭の子は見てないねえ」
村人「4歳くらいの、迷子の女の子なら保護してるんだがねえ」
勇者兄「ありがとうございます」
544: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:10:11.48 ID:YFKGm2p2o
勇者兄「目撃情報は全然無かった」
武闘家「同じく」
魔法使い「何の手がかりも無しよ」
勇者父「眠い……宿行こうぜ宿」
勇者兄「……おい、その子どこの子だ」
幼女「…………」
法術師「迷子らしくて……この村にはご両親らしき人はいないそうなんです」
勇者「懐かれちゃったね」
幼女「きがついたらひとりだったの」
勇者「魔力で一応探したんだけど、見つけられなかったんだ」
勇者兄「参ったな……」
545: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:10:39.91 ID:YFKGm2p2o
幼女「いっしょにつれてって! さみしいの!」
法術師「か、かわいぃ……」
法術師「ねえ、リヒト君……」
勇者兄「危険な旅なんだ。連れていくのは無理だぞ」
勇者父「いいんじゃねえの? こんだけ人数いるし」
勇者兄「考えが甘いんだよ!」
幼女「んぅ……おねがい」
勇者兄「うっ……」
勇者「引きはがしてもついてきそうだよ」
勇者兄「しゃーねえな……セレナ、しっかり面倒見ろよ」
法術師「うん! あなた、お名前は?」
幼女「イリス!」
法術師「あら、可愛いお名前ね」
勇者「虹かあ。綺麗な名前だね!」
幼女「えへへ〜」
546: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:11:06.12 ID:YFKGm2p2o
勇者父「あれ、お前この村に帰ってきてたのか」
少年勇者「あっ父さん!」
勇者「えっ……?」
勇者兄「は……?」
勇者父「あ、こいつ俺の息子の内の一人」
少年勇者「僕の兄さんと……弟……かな? はじめまして」
勇者「あっ、うん。妹です。エミルです」
勇者兄「……リヒトだ」
少年勇者「僕はブラット。趣味は農業です」
勇者父「暇ありゃ畑いじってるような奴だ」
勇者父「普段はセントラルの平和協会支部で訓練受けてるんだが」
少年勇者「謎の少女の襲撃により訓練どころじゃなくなったんで」
少年勇者「村に破壊者が現れないか警戒しつつ、」
少年勇者「こうして大好きな野菜を育てているんです」
少年勇者「剣を振るより鍬で土を耕す方がずっと好きですね」
547: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:11:50.67 ID:YFKGm2p2o
勇者「この畑からすごい生命のエネルギーを感じる……」
勇者父「こいつが育てた作物はうまいぞ」
少年勇者「たまにしか帰ってこられないんで、」
少年勇者「普段は母さんや弟達が面倒をみてくれているんですけどね」
勇者兄「その弟達って……」
勇者父「いや、俺の子じゃないぞ」
少年勇者「母さんは僕を産んだ後に結婚してるんです。父親違いの兄弟ですね」
勇者兄「頭が痛い……」
勇者「あ、あはは……」
少年勇者「なんなら、今日採れた野菜を少し差し上げましょう」
勇者「え、いいの?」
少年勇者「兄弟のよしみです」
勇者「やったあ! ぼくお料理大好きなんだ。大切に調理するね!」
少年勇者「喜んでもらえてよかったです」
武闘家「複雑な関係なのに心の広い奴だな」
548: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:12:31.49 ID:YFKGm2p2o
勇者「……お母さんは、どうしてこんな浮気者のお父さんと結婚したんだろう」
勇者「美人だし優しいししっかりしてるし絶対他に貰い手あったよね……」
勇者兄「若い頃けっこうモテてたらしいが全員振って父さんと結婚したらしい」
勇者「何でだろ……」
勇者兄「全く理解できん」
妻「離婚してやる!! この浮気者!!」
夫「だから誤解なんだって!!」
妻「もう許さないんだから!! うっ――――」
妻「――――」
夫「お、おい、どうした?」
妻「ホロベ コノヨニ ホロビヲ」
549: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:13:36.28 ID:YFKGm2p2o
勇者「あっちから妙な力の波動が!」
妻「ホロベ ワタシハ スベテヲ  コワス」
夫「うわあああああ!!」
勇者兄「様子がおかしいぞ!」
夫「助けてくれ!!!!」
勇者(これが破壊の波動……)
勇者「クリスタルバリア!」
エミルは水晶状のバリアで破壊者と化した女性を囲んだ。
妻「コワセ コワセ」
夫「ひぃぃぃぃ」
幼女「こわい」
勇者兄「これが破壊者か。目が逝ってるな」
勇者父「何があったんだ?」
女性はガンガンバリアを叩いている。
夫「た、ただちょっと痴話喧嘩をですね」
勇者父「ただの痴話喧嘩程度じゃあ破壊者化しねえよ」
勇者父「普段から不満溜めてたんじゃないのか?」
550: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:14:24.78 ID:YFKGm2p2o
夫「……俺には幼馴染の女性がいるんだ」
夫「お互い姉弟みたいに思っていたから、恋仲にはならず別の人と結婚したんだが」
夫「ずっと妻が彼女に嫉妬していてね……」
夫「さっきも幼馴染と俺が喋っているところを見られてしまって」
勇者兄「……断じて浮気じゃないんだな?」
夫「そうだ! 愛しているのは妻だけだ!!」
妻「――――――!」
勇者「反応した?」
勇者父「よし、そのまま愛を叫べ」
夫「えっこんな人前で」
勇者父「そうしなきゃ、奥さんはお前さんだけじゃなく誰でも殺す殺人鬼になっちまうぞ」
夫「う……」
妻「コワ ス コ ロ セ 」
夫「愛してるぞ嫁さん! この世の誰よりも!!」
妻「っ――――――」
夫「俺が愛してるのはお前だけだ! 一生お前だけを愛し続ける!!」
妻「――――」
夫「戻ってこい!!」
妻「……」
551: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:14:51.31 ID:YFKGm2p2o
妻「あら? 私、一体……」
夫「ああ、よかった……」
妻「あなた……」
夫「ちょっと、悪い夢を見ていただけなんだよ」
シュトラールは魔力でペリドットの塊から小さな欠片を切り落とした。
勇者父「一応、これ持ってけ」
勇者兄「何だ? それ」
勇者父「人の心を落ち着かせる効果のある石だ」
夫「ありがとうございます……」
552: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:15:22.07 ID:YFKGm2p2o
勇者父「まだ力の弱い破壊者でよかったな」
勇者父「人形も出現しなかったし、旦那に愛を叫ばせるだけで落ち着いた」
勇者父「人としての意識がまだ残ってたんだな」
勇者父「沸き上がった破壊衝動が強ければ強いほど破壊者の力も強くなり、」
勇者父「正気を取り戻させるのも困難になるらしい。最悪の場合、殺さなきゃならねえ」
勇者父「誰でも破壊者になってしまう可能性はあるが、」
勇者父「嫉妬深い奴や不満を溜めこむタイプの奴は要注意だな」
勇者兄「…………」
勇者父「ん?」
553: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:15:53.79 ID:YFKGm2p2o
勇者兄「いや、母さんはよく父さんの浮気を許せるなと思って」
勇者父「あーまあ、幼馴染だから俺の性格よく知ってるしあいつ」
勇者兄「……ほんと、何で父さんなんかと結婚したんだ?」
勇者父「……何でだろうな? 他の男と幸せになれたはずなのに」
勇者父「何でわざわざ俺なんかを選んだんだろうな……」
勇者「その石、綺麗だね」
勇者父「だろ?」
勇者父「今、協会がそこら中にこの石を設置している最中だ」
勇者父「完全に破壊者の出現を防ぎきることはできないかもしれないが」
勇者父「ないよりマシだろ」
勇者(肖像画に描かれた母上の瞳と同じ色だ)
554: ◆qj/KwVcV5s 2016/03/02(水) 18:16:22.56 ID:YFKGm2p2o
勇者(産んでくれた母上と、育ててくれたお母さん)
勇者(ぼくには、二人のお母さんがいる。二人とも、大事なお母さん)
勇者(死んでしまった母上の願いを叶えるため、今生きているお母さんを守るため、)
勇者(この世界を守りたい)
幼女「セレナお姉ちゃーん!」
法術師「ああんもうほんと可愛いわね!」
魔法使い「あんたは将来いいお母さんになれそうね」
法術師「アイオだって、いいお母さんになれるわよ!」
法術師「あははくすぐったーい!」
幼女「あははぁ!」
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558: 以下、
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560: 以下、

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ワイ、寝言でSiriと喋っていることが発覚する

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【哀しみ】友人「帰るのマンドクセ…今日泊まっていい?」 俺「お、おういいよ」友人「んじゃ親に連絡だけしとくわ」俺「あ、おう」

今貯メダルで2万枚あるんだけど

災害があったら六本木ヒルズに逃げ込むべし。インフラを作る森ビルの災害対策への取り組み

若い女性たちの間で確実に流行りつつある ”やってはいけない” 整形手術

欧米ならともかく日本みたいな国で愛国心とか持てないよな

【放送事故】菊川怜、悲鳴と共に高級VRセットを投げ捨ててしまうwww

【画像】 争いは、同じレベルの者同士でしか発生しない!!

シャラポワのドーピングはゴリラと戦うためにはしかたなかった

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