絵里「チョコを作れって？ ……拒否するっ！」
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LINEグループ【チョコ部】
Eli Ayase：拒否する
穂乃果：もー
のぞみ：またー？
りん☆：えりちゃん拒否してばっかり
Eli Ayase：どうして私があなたたちにチョコ作ってあげなきゃいけないの
Eli Ayase：食べたいなら自分たちで買えばいいじゃない
穂乃果：まってえりちゃん
のぞみ：さっそく誤解してる
Eli Ayase：待たない
Eli Ayase：そもそもチョコ部ってなんなのよ
りん☆：チョコレートだいすき部
のぞみ：えりちもチョコレート好き
穂乃果：えりちゃんチョコ部長
りん☆：チョコボ
のぞみ：毛並みも似てるしね
Eli Ayase：どうしてそうなるのよ
3:
Eli Ayase：好きだからってわざわざそれを部活にする必要はないわ
のぞみ：ちゃんと理由あるの
りん☆：えりちゃんもきっとハラショーって言う
Eli Ayase：はいはい
Eli Ayase：それじゃあね
穂乃果：え
Eli Ayase：アデュー
りん☆：だからまってって
のぞみ：はやすぎ
穂乃果：はやいはやい
のぞみ：たんじょいひわ
Eli Ayase：え？
穂乃果：かよちゃんの誕生日
Eli Ayase：それなにか関係があるの？
りん☆：かよちんにチョコプレゼントする
のぞみ：そうそう
穂乃果：だから遊びじゃないの
りん☆：みんな真剣
のぞみ：生まれて初めて本気出してる
4:
Eli Ayase：なるほどね
Eli Ayase：誕生日プレゼントってわけ
穂乃果：やっと通じた
のぞみ：えりちの理解力の低さにはいつも悩まされますなぁ
りん☆：えりちゃんたぶん宇宙一国語にがて
Eli Ayase：苦手じゃないわ。このなかでは一番だと思う
穂乃果：よかった
Eli Ayase：あら
のぞみ：えりち
Eli Ayase：ならどうして私たちしかいないのよ
Eli Ayase：こういうことはみんなで話し合ったほうがいいでしょ
穂乃果：あーそれはね
のぞみ：実は
Eli Ayaseがマッキーを招待しました。
穂乃果：え
りん☆：あ
Eli Ayaseが園田海未を招待しました。
穂乃果：あああ
のぞみ：だめええええ
5:
Eli Ayaseがkotoriを招待しました。
穂乃果：すとーっぷ
のぞみ：まってまって
りん☆：えりちゃんだめ
Eli Ayase：え？
穂乃果がマッキーの招待を取り消しました。
のぞみ：呼んじゃだめ
穂乃果が園田海未の招待を取り消しました。
穂乃果がkotoriの招待を取り消しました。
りん☆：穂乃果ちゃんナイス
Eli Ayase：？
のぞみ：えりち大暴走
りん☆：エバかと思った
穂乃果：あぶなかった
りん☆：もーえりちゃんだめだってー
Eli Ayase：あのねぇ……
Eli Ayase：私だってそんな馬鹿じゃない
Eli Ayase：花陽は呼ばないわ
のぞみ：そういうことじゃなくて
Eli Ayaseがラブリーえんじぇるにこにーを招待しました。
穂乃果：あ
のぞみ：だからだめって
7:
りん☆がラブリーえんじぇるにこにーの招待を取り消しました。
Eli Ayase：なにするのよ
のぞみ：こっちのセリフ
穂乃果：海未ちゃんたちとは別チームなの
のぞみ：だから秘密を漏らすわけにはいかないのだ
りん☆：とっぷしーくれっとなのだ
Eli Ayase：？
Eli Ayase：よくわからないわ
穂乃果：穂乃果たちチームと海未ちゃんたちチームで別々のプレゼントを用意する
のぞみ：どっちがかよちんを喜ばせられるかの死闘なのだ
Eli Ayase：ああそういうことね
りん☆：今度えりちゃんに国語おしえてあげるね
Eli Ayase：結構です
Eli Ayase：ということは向こうのチームって
穂乃果：海未ちゃんことりちゃ真姫ちゃんにこちゃん
のぞみ：こっちはこの四人
りん☆：がんばろーね
Eli Ayase：あの
Eli Ayase：向こうのチームがいい
8:
穂乃果：え？
のぞみ：なんで
りん☆：凛たちといっしょじゃ嫌なの？
Eli Ayase：イエス
穂乃果：えりちゃ
のぞみ：ショック
Eli Ayase：あ、いや
Eli Ayase：そういうわけじゃないんだけど
のぞみ：けど？
Eli Ayase：嫌な予感しかしない
りん☆：えりちゃん心配性
穂乃果：穂乃果がついてるからだいじょうぶだいじょうぶ
のぞみ：みんなでチーム決めたのに今になってわがままはだめ
穂乃果：みんなで協力
りん☆：ぜったい勝つぞー
Eli Ayase：今初めて聞いた
りん☆：？
穂乃果：あれ？
9:
穂乃果：えりちゃんいなかったっけ？
りん☆：忘れてるだけじゃない？
のぞみ：あ
のぞみ：たしかえりちはその時生徒会の仕事があるとかでいなかった
りん☆：あーそっかそっか
Eli Ayase：おかしいわね
りん☆：お菓子
Eli Ayase：どうして私が欠席してるのに希はその場にいたのかしら
穂乃果：たしかに
りん☆：ふしぎ
のぞみ：んー
穂乃果：この学校の七不思議のうち6コくらいは希ちゃんが背負ってるから
のぞみ：なんでだっけ？
Eli Ayase：希がサボったからでしょ！
りん☆：あー
のぞみ：ごめんねえりち
のぞみ：だからえりちに借りを返すために同じチームにしておいた
穂乃果：希ちゃんえらい
りん☆：えりちゃん思いだね
10:
穂乃果：そういえば真姫ちゃんがそっちのチームは大変そうねって笑ってた
のぞみ：なんで？
穂乃果：さあ
りん☆：えりちゃんのフォローは凛にまかせて
穂乃果：おお
のぞみ：凛ちゃんたのもしい
Eli Ayase：なんで私が足引っ張ってることになってるのよ！
穂乃果：安心してえりちゃん
のぞみ：まぁチョコ作るだけだから
りん☆：かんたんかんたん
Eli Ayase：心配だわ
りん☆：？
のぞみ：ん？
11:
Eli Ayase：材料にへんなもの買ってきたり
Eli Ayase：作ってる途中に砂入れようとしたり
Eli Ayase：出来上がったチョコを真っ二つにしたりしないでしょうね
のぞみ：はい？
りん☆：なにそれ
のぞみ：普通に考えてそんなことしない
穂乃果：えりちゃん大丈夫？
Eli Ayase：私がおかしいのかしら
りん☆：うん
穂乃果：へんなえりちゃ
Eli Ayase：というか疑問なんだけど、どうして誕生日なのにチョコなの？
りん☆：ちょこちょーこちょこれーと
穂乃果：大石っ
のぞみ：だれ？
穂乃果：チョコレートの伝道師
りん☆：チョコレート大石さん？
のぞみ：おー
Eli Ayase：移籍させていただきます
穂乃果：だめー
りん☆：えりちゃんはこっち
のぞみ：ステイステイ
14:
Eli Ayase：えーと
Eli Ayase：普通はケーキなんじゃない？
りん☆：ほあ
のぞみ：いいところに気が付いたね
穂乃果：うん誕生日といったらケーキなんだけど
穂乃果：それだと海未ちゃんたちとかぶっちゃうかもしれないでしょ？
Eli Ayase：まぁそうね
りん☆：だからケーキはみんなで用意して別のものをそれぞれのチームで考えようってなったの
Eli Ayase：へぇ、なるほど
のぞみ：うんうん
Eli Ayase：それでどうしてチョコ？
りん☆：はい
穂乃果：さてここでえりちゃんに問題です
りん☆：なぞなぞです
穂乃果：みんながチョコを食べる日といえば？
Eli Ayase：バレンタインデー？
17:
のぞみ：せいかい
りん☆：ではバレンタインは何月何日でしょう？
Eli Ayase：2月14日
のぞみ：だいせいかい
穂乃果：かよちゃんの誕生日は？
Eli Ayase：1月17日
のぞみ：超せいかい
穂乃果：そういうこと
りん☆：わかった？
Eli Ayase：は？
Eli Ayase：いやいや全然わかんないから
のぞみ：バレンタインデーにはみーんながチョコ食べるでしょ？
Eli Ayase：みんなではないと思うけど
Eli Ayase：まあ、うん
穂乃果：だからバレンタインまでにチョコを食べたかよちゃんは
穂乃果：なんと
Eli Ayase：？
穂乃果：今年世界で一番さいしょにチョコを食べた人に
Eli Ayase：ならないから！
18:
りん☆：そんなのわかんない
のぞみ：バレンタイン過ぎちゃったら絶対にいちばんになれない
穂乃果：でも今だったらまだ可能性ある
Eli Ayase：ない
のぞみ：かよちんにいちばんをとらせてあげたい
Eli Ayase：私もう食べたし
りん☆：かよちん今まで一番になったことないの
りん☆：なにひとつ
のぞみ：そう何一つ
穂乃果：輝けるチャンスはここしかないの
Eli Ayase：あなたたち
Eli Ayase：花陽を祝いたいのか貶したいのかどっちなのよ
りん☆：うわああ
のぞみ：漢字はずるいよおおお
穂乃果：えりちゃんの漢字攻撃だあああ
りん☆：国語にがてなのにすごい
のぞみ：ロシア人なのにおそろしあ
Eli Ayase：移籍じゃなくてトレードだったら納得してくれますか？
りん☆：だめ
のぞみ：却下します
穂乃果：えりちゃんといっしょがいい
19:
Eli Ayase：お願いします
Eli Ayase：もう限界です
Eli Ayase：私を解放してください
りん☆：あれれ
穂乃果：？
りん☆：えりちゃんの様子が変
穂乃果：どうしちゃったんだろ
のぞみ：わかった
穂乃果：お
りん☆：さすがのぞみちや
のぞみ：えりちは不満なのだ
Eli Ayase：やっと気づいてくれたのね
穂乃果：不満って？
りん☆：なにに？
Eli Ayase：ありがとう
のぞみ：自分もチョコ好きなのに
のぞみ：かよちんにぜんぶ食べられちゃうこと
Eli Ayase：え
21:
穂乃果：ああー
りん☆：なるほどー
のぞみ：自分が食べられないことに不満たらたらなの
穂乃果：名推理
りん☆：探偵さんみたい
のぞみ：不満がたらたらタラバガニなのだ
Eli Ayase：違うわ
りん☆：たらば様
穂乃果：カニは高そう
のぞみ：えりち
穂乃果：えりちゃん子供みたい
りん☆：かわいい
のぞみ：だいじょうぶ
のぞみ：ちょっとくらいだったら食べていいから
りん☆：でもちょっとだけね？
穂乃果：ぜんぶはダメ
Eli Ayaseが園田海未を招待しました。
穂乃果：うあ
のぞみ：え
Eli Ayaseが退会しました。
23:
りん☆：あああああ
穂乃果：えりちゃん
のぞみ：はわわわわわわ
のぞみが園田海未の招待を取り消しました。
穂乃果が高坂を招待しました。
りん☆がEli Ayaseを招待しました。
穂乃果：せーふ
のぞみ：ん
りん☆：あれ？
のぞみ：なにかがおかしい
高坂が参加しました。
穂乃果が高坂を退会させました。
のぞみ：あ
穂乃果：まちがえた
のぞみ：また
穂乃果：あぶなかった
りん☆：ほのかちゃんさぁ
穂乃果：ごめん
穂乃果：ほんとごめん
25:
りん☆：通じた
穂乃果：えりちゃあああああ
のぞみ：ほんとに召喚された
Eli Ayase：真面目にすること
Eli Ayase：いい？
穂乃果：はい
りん☆：いえっさ
のぞみ：いつでも真面目
Eli Ayase：今度ふざけたりしたら
りん☆：ううあ
穂乃果：こわいよおお
Eli Ayase：海未を呼ぶわ
Eli Ayase：直接
のぞみ：ひいい
Eli Ayase：三人の家を一軒一軒まわってもらって
りん☆：だめ
Eli Ayase：みっちりと家庭訪問
のぞみ：すごいホラー
穂乃果：こわすぎ
りん☆：がんばってチョコ作ろう
穂乃果：うん
のぞみ：めっちゃがんばろ
りん☆：おー
穂乃果：おおー！
28:
希の家
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ……ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ……
ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ……
希「ん……むゃ……？ 朝……お客さん……？」
希「はいはーい……今開けますよー……ねむねむ……」
ｶﾞﾁｬ…
絵里「……」
希「あ、エリチ。おはよ」
絵里「もう昼過ぎだけどね…」
希「え、もうそんな時間？ あちゃー」
絵里「今日はみんなで…って言っても4人だけど……。チョコ作りするって決めていたでしょ？」
絵里「なかなか出てこないから忘れてどこか遊びにいってるんじゃないかと心配しちゃったわ」
希「あはは、ごめんごめん。汚ない部屋だけどまぁ上がって上がって」
絵里「お邪魔します」
29:
絵里「って本当に汚ない……またこんなに散らかして…」
希「ねー？ なんでやろ。気が付いたらいつもこんなになってるから不思議ー」
絵里「それはあなたがちゃんと掃除しないからでしょ！」
希「だってせっかく片付けても半日もすればまた散らかるやん？ だからウチにとって掃除はまるで意味を持たない作業という名の徒労なのだ」
絵里「はいはい、屁理屈はいいから。でもせめて誰かが来る時くらいは綺麗にしておきなさい。……て、あら？」
希「んー？」
絵里「そういえば穂乃果と凛は？ ……もしかして…というか、もしかしなくても今ここにいないということは…」
希「凛ちゃんはほら、買い出し頼んどいたやん？ たぶん今頃向かってきよるところやないかなぁ」
絵里「あぁ、そういえばそうだったわね。たしか家からここに来るまでの途中に大型スーパーがあるとかで」
絵里「じゃあ穂乃果は？」
希「穂乃果ちゃんなら…、んー、そろそろ現れる頃合いかと」
絵里「まったくもう……3人揃ってだらしがないんだから」
希「あはは。あ、ウチちょっと顔洗ってくるからエリチは掃除でもしながら待っててくれる？」
絵里「そんなナチュラルに頼まれても私、一応お客さんなんだけど？ ……でもまぁ、こんなゴチャゴチャしてたら作業しづらいし」
絵里「仕方無いわねぇ……」
希「よろしくー」
30:
絵里「あーもう、脱いだ服そこら辺にほったらかしにしちゃって……」
絵里「テストの答案用紙で紙飛行機とか小学生みたい……というか他に家でやることないのかしら…？」
絵里「飲み終わったペットボトルもそのまま……はぁ……」
絵里「よくこれで一人暮らしできてるわね……奇跡だわ」
絵里「漫画本もこんなバラバラにして……本棚あるんだからそこに整理しなさいよ……」
絵里「えーと…、これの11巻だけ見当たらないけど、その辺に…」
ｷﾞｼｷﾞｼ…
絵里「ん…？」
ｷﾞｷﾞｨｰ……
絵里「な、なに……この音……？ オバケ……いや、天井の方からだから…、ネズミとか……？」
絵里「で、でも、それにしては音が大きいような……」
ｷﾞｷﾞｨｰ…
絵里「いやっ……なに…、なんなの……こわい……こわいこわいこわいっ…！！」
ｷﾞｷﾞｨｰ…
ｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｯ…
ｶﾞｺｯ…
ﾊﾞﾀﾝｯ…!!
絵里「きゃぁぁぁっ！？」
穂乃果「おはよう、絵里ちゃん！」
ｼｭﾀｯ
33:
絵里「うぅ……ひぃ……っ、た、たすけ……」
絵里「へ……？ …って穂乃果！？ なんで天井から穂乃果が降ってくるのよ！？」
穂乃果「こうやって登場した方がおもしろいかなーって。ほら、前に凛ちゃんも天井裏で楽しそうにしてたから」
絵里「普通に現れなさいよっ！！ 心臓が口から飛んでいっちゃうかと思ったわ…」
希「あ、穂乃果ちゃん、どうやった？ 天井裏の居心地は」
穂乃果「うんっ、すっごーく快適だったよ！ 穂乃果、天井裏って汚ないっていうかもっとホコリっぽいの想像してたんだけど、希ちゃんちはピカピカだねー」
希「ふふふ、いつでも遊べるようにそこは毎日綺麗にしてるのだ」
絵里「そんな特殊な所の前にもっと掃除すべき所がもっといろいろあるでしょっ！」
穂乃果「大成功ー！」
希「いえーい！」
絵里「先が思いやられるわ……」
絵里「……で、凛はまだなの？ あの子が来ないことには何も始められないわよ」
穂乃果「あー、言われてみればたしかに遅いねぇ」
希「もー、時間を守らないとか凛ちゃん軍人失格。開いた口に手榴弾詰め込まれて塞がらんわ」
絵里「本当に突っ込んであげようかしら……そういう希だって私が来てから起きてたじゃない……。結局時間通りなのは私だけね」
穂乃果「えー！ 穂乃果はちゃんとスタンバってたもん！」
絵里「だったら私が到着する前に希を起こしておきなさいよっ！」
36:
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…
希「ほっ、お客さんや」
穂乃果「凛ちゃんかな」
ｶﾞﾁｬ…
凛「こんにちわー！ 食材のお届けにあがりましたにゃー！」
希「待ってましたー」
穂乃果「おぉー、なんか袋からイイ匂いがしてるー」
凛「あ、穂乃果ちゃんももういたんだ。早いねー」
絵里「早いねーじゃなくて、あなたが遅いのよ、凛」
凛「わわっ、絵里ちゃんも！」
絵里「予定の時間からもう一時間近く経つじゃない。どうせ寝坊でしょうけど……揃いも揃ってほんとにもう…」
凛「違うもん！」
絵里「え？」
凛「凛、ちゃんと集合時間の一時間前には家出てたもん」
絵里「ならどうして…」
37:
希「たしか凛ちゃんちってここから歩いて20分くらいだったよね？」
凛「うん、そだよー。家からちょっと歩いた所にスーパーがあるの。そこでお買い物してて」
穂乃果「あー、普段買わないものだからどれ選んだらいいかわかんなくなっちゃうよねー」
凛「ううん、そのお買い物もそんなに時間かからなかったよ」
絵里「だったらこんなに遅刻するわけがないでしょ」
希「来る途中に時の狭間に引きずり込まれちゃったとか？」
穂乃果「道に迷った妊婦のお婆さんを病院まで連れていってあげてたとか？」
凛「あのね、必要なもの全部買い揃えて希ちゃんちに向かって歩いてるとね、変な音が聞こえてきたの」
穂乃果「変な音？」
希「どんな音？」
絵里「…っ」
凛「ぐぅーって。凛のお腹の方から」
穂乃果「？」
希「お腹からぐぅーって、それ…」
凛「それで思い出したの。そういえば凛、朝ごはん食べてなかったなーって」
凛「でもご飯食べに帰ったら遅刻しちゃう。それだけは駄目だって思って。我慢しなきゃってそのまま向かってると、下の方からなんかイイ匂い…あまーい匂いがしてきたの」
穂乃果「下の方っていうと……マンホール？」
希「凛ちゃんはドブネズミだった！」
凛「あ、違う違う。凛が手に持ってる袋の中から」
38:
凛「覗いてみるとなんと美味しそうなチョコレートが入ってて！ そのチョコを食べながら希ちゃんちの前に着いたんだけど、よくよく考えてみればこのチョコって今日一番必要なものなのに気付いて…」
凛「だってそうでしょ？ チョコが無いとチョコ作れないにゃ」
希「それでまたスーパーにチョコ買いに戻ってたわけ」
穂乃果「凛ちゃんアホ」
凛「えへへー」
絵里「……」
ｺﾞﾂﾝｯ…
凛「ふぎゃっ！ 何するにゃっ、絵里ちゃん！」
絵里「…ごめんなさい、は？」
凛「ご、ごめんなさい」
穂乃果「許してあげて、絵里ちゃん！ 凛ちゃんはアホなの！」
希「そう、凛ちゃんはアホだから仕方無かったの！」
絵里「それは嫌というほど知ってるけど。まぁちゃんと材料を買ってきただけでも……え？」
ｶﾞｻｯ
希「おや？」
穂乃果「白い？」
希「おーホワイトチック」
凛「うん、買いに戻ったら普通の黒チョコはぜーんぶ売り切れちゃってたから白チョコにしてみたにゃ」
絵里「……」
ｺﾞﾂﾝｯ…
凛「いったぁーいっ！」
絵里「まったく…、あなたたちは寝るか食べるかボケる以外のことは出来ないのかしら…」
穂乃果「白チョコだとなんかダメなの？」
希「かよちんなら白いご飯と間違えて大喜びするんやない？」
凛「そうにゃそうにゃ」
絵里「駄目じゃないわ。私も好きよ。ホワイトチョコ」
凛「え……凛、なんで頭叩かれたの？」
絵里「……なんとなくよ」
41:
?作業中?
凛「う?ん、いい匂いだにゃ?」
穂乃果「とろとろだねぇ、すんごいとろとろだねー」
希「ほー、ずっと見てるとイカに思えてきた」
凛「イカ？ 白いから？」
希「うん。あっ！」
穂乃果「どしたの？ 希ちゃん」
絵里「このくらいかしら…」
ﾄﾛﾄﾛｰ
絵里「さて、あら熱をとってる間にナッツでも刻みましょう」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ
希「湯煎を終えたとろとろチョコレートと掛けまして、絶対不敗のギャンブラーと説きます」
穂乃果「おぉ」
凛「そのココロは！」
希「どちらもイカ冷ま（イカサマ）してるでしょうっ！」
穂乃果「いかさま……イカサマ……おぉー！」
凛「さっすが希ちゃんっ、すごいにゃ！」
絵里「また馬鹿なこと言ってる……」
ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
絵里「えいっ」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ
44:
穂乃果「ねぇねぇ、絵里ちゃん」
絵里「なに？ 穂乃果」
穂乃果「さっきから絵里ちゃん一人でチョコ作ってるけど……穂乃果も手伝おうか？」
希「そういえばエリチに任せっきりになってたね」
凛「凛は頑張ってる絵里ちゃんの作業風景をちゃーんとカメラで撮ってたよー」
ｶｼｬｯ
絵里「…そうね。もう作業も半分以上が終わり、あとはナッツをトッピングして固めるだけ。この段階にきてやっとその言葉をかけてくれて私はとても嬉しいわ」
絵里「感激してる」
凛「照れるにゃー」
穂乃果「絵里ちゃんお疲れ様！ あとは穂乃果たちに任せてよ！」
希「うんうん、エリチは部屋の掃除の続きをよろしく」
絵里「それはやらないからっ！」
絵里（…ていうかこの3人にやらせるの正直心配なのよね……まぁでもあとは簡単な作業だけだし、大丈夫か）
希「よしっ、やるぞー」
凛「おー」
穂乃果「で、何をすればいいの？ 絵里ちゃん」
絵里「え、えぇ……さっき私がしてた続きを」
穂乃果「あー、ナッツ刻むんだね」
絵里「あと溶かしたチョコレートが固まりすぎないようにそれも混ぜながらね。ほら、下の方は温度下がるの早いから」
希「なるほど。じゃあウチはチョコレート係」
穂乃果「穂乃果、ナッツ刻むー」
凛「凛もナッツー」
45:
穂乃果「おぉ…なかなか固い…」
ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
凛「けっこう力いるよね」
ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ
希「とろとろとろとろー」
ﾄﾛﾄﾛｰ
穂乃果「どんどん！」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ
希「とろとろとろとろー」
ﾄﾛﾄﾛｰ
凛「どんどーんっ！」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ
希「とろとろー」
ﾄﾛﾄﾛｰ
穂乃果「どんどんっ！」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ
希「とろとろー！」
ﾄﾛﾄﾛｰ
凛「どんどーんっ！」
ﾄﾞﾝﾄﾞﾝｯ
希「とろっ」
ﾄﾛｯ
穂乃果「どんっ」
ﾄﾞﾝｯ
希「と」
ﾄ
凛「どどどどどーーんっ！！」
ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｰｰﾝｯ
ｺﾞﾂﾝｯ
凛「ふぎゃっ！ いったぁーいっ！」
絵里「危ないことしないの！ それに砕けたナッツがそこらじゅうにパラついてるじゃない」
46:
凛「ありゃ、水爆実験でもあったのかにゃ？」
穂乃果「まきびしみたい…」
希「とろとろイカは無事なようだ」
穂乃果「もー、凛ちゃん、ちゃんとまな板の上でやらないとー」
絵里「まったく……床がナッツまみれになってるわ」
希「ほんとほんと、エリチの仕事を増やしたらダメやん」
ﾄﾛｰ
凛「ごめんね、絵里ちゃん」
絵里「自分で片付けなさいよっ！ って希のチョコも床にポタついてるじゃないっ！」
希「あ…」
ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ
凛「あっれぇー？ 希ちゃぁーん？ 絵里ちゃんの仕事を増やしちゃダメなんじゃなかったっけー？」
希「こ、これはイカが暴れ出して……ていうか凛ちゃんに言われたくないし！」
凛「凛のはふかこーりょくだもん！ 希ちゃんのは油断と慢心が招いたごくごく初歩的なミースー」
希「そんなのウチだって！」
絵里「あーもうっ！ これはイカでもないし私は掃除なんかしないっ！ 二人とも少しは穂乃果を見習って…」
穂乃果「ほーはよ、へひひゃんほほははへひゃ」
ﾓｸﾞﾓｸﾞ
絵里「みならっ…て……って、ほーのーかー！？」
穂乃果「ほぇ？」
ﾓｸﾞﾓｸﾞ
凛「あーっ！ 穂乃果ちゃんが小動物のごとくナッツをモグついてるにゃ！」
希「それだけやないっ、ウチや凛ちゃんが食べたくてもずっと我慢してたドライフルーツにまで手をつけて」
穂乃果「もぐもぐ……ごくんっ……あ、あははは……」
絵里「……」
絵里「……3人とも」
47:
LINEグループ【チョコ部】
穂乃果：今日はたのしかったねー
のぞみ：なんかうちの部屋もきれいになったし
のぞみ：有意義ないちにち
Eli Ayase：結局ほとんど私一人で作ったわけだけど
穂乃果：ラッピング手伝った
のぞみ：うちも
のぞみ：メッセージカードも書いたしね
穂乃果：明日かよちゃんよろこんでくれるといいなぁ
Eli Ayase：きっと喜んでくれるわ
Eli Ayase：ていうか
のぞみ：ん
Eli Ayase：16個って
のぞみ：まだ言ってる
Eli Ayase：私は納得したわけじゃないわ
Eli Ayase：凛が買ってきたチョコが思いの外ちいさかったのが悪いのよ
48:
穂乃果：完成したのがちょうど20こ
のぞみ：味見は大切
穂乃果：おいしかった
のぞみ：てゆーかエリチも食べてた
のぞみ：満面の笑みで
Eli Ayase：そりゃあみんなが食べてると私もってなるじゃない
穂乃果：みんな幸せ
のぞみ：めでたしめでたし
Eli Ayase：半端なのはモヤモヤするのよ
のぞみ：それにかよちん16歳になるからちょうどいい
穂乃果：おお
穂乃果：歳の数チョコ
Eli Ayase：なにそれ
Eli Ayase：節分じゃないんだから
のぞみ：かよちんの誕生日とバレンタインの間にあるからセーフ
Eli Ayase：どんな理屈よ
49:
穂乃果：豆と間違えてチョコ撒いたりしないかな
穂乃果：しんぱい
Eli Ayase：花陽が撒くとしたら自分の口にでしょ
Eli Ayase：あ
のぞみ：あ！
穂乃果：？？
のぞみ：そういや凛ちゃんは？
Eli Ayase：希の家に忘れてきちゃった
穂乃果：え
のぞみ：ん？
穂乃果：凛ちゃんを？
のぞみ：うちに凛ちゃんいないよ
Eli Ayase：じゃなくて
Eli Ayase：チョコ
のぞみ：ちょこ？
穂乃果：あー
50:
Eli Ayase：あなたたちに持たせてたら明日までにうっかり食べてしまうかもしれないからって
Eli Ayase：私が預かっておくって言っておいたのに
のぞみ：そんなこと言ってたね
穂乃果：えりちゃんは穂乃果たちのこと信用してくれてないの？
Eli Ayase：イエス
のぞみ：ひどい
穂乃果：はーとぶれいかーえりちゃん
Eli Ayase：それで
Eli Ayase：まさかもう食べてないでしょうね？ 希
のぞみ：え
のぞみ：ないよ
Eli Ayase：まあそうよね。いくら希でも花陽への大切なプレゼントを食べちゃうなんて
のぞみ：いや、そうじゃなくて
のぞみ：うちの家にチョコない
Eli Ayase：はい？
51:
のぞみ：エリチが持って帰ったとばかり
穂乃果：穂乃果知ってる
Eli Ayase：え、じゃあ誰が持ってるの？
Eli Ayase：穂乃果？
のぞみ：あー、穂乃果ちゃん持って帰ってたの
Eli Ayase：いい？穂乃果
Eli Ayase：絶対に食べちゃ駄目よ
穂乃果：凛ちゃんが持ってる
のぞみ：え
Eli Ayase：は？
穂乃果：あのね
穂乃果：絵里ちゃんがチョコ忘れてるのに気付いて渡そうと思ったの
のぞみ：うんうん
Eli Ayase：それがどうして凛に？
穂乃果：凛ちゃんが自分で持ってたいって
のぞみ：危険なフラグ
穂乃果：どうしてって聞いてみたら
穂乃果：凛ちゃんまだメッセージカード書き終わってないらしくて
のぞみ：あーなるほどね
Eli Ayase：大丈夫かしら
52:
穂乃果：いくら凛ちゃんでもそんなことしない
穂乃果：と思う
のぞみ：でも凛ちゃんアホだから
穂乃果：だよね
Eli Ayase：信じましょう
のぞみ：それで凛ちゃんはなんでここにいないの？
Eli Ayase：疲れて寝ちゃった？
穂乃果：穂乃果知ってる
のぞみ：お
穂乃果：帰りにかよちゃんちに寄るって言ってた
のぞみ：おぉ…
Eli Ayase：……
りん☆：ただいまー
穂乃果：あ、噂をすれば
のぞみ：凛ちゃん降凛
Eli Ayase：チョコは
53:
りん☆：ほ
穂乃果：今日つくったチョコ
のぞみ：食べてないよね？
りん☆：食べてないよ
穂乃果：よかった
Eli Ayase：明日まで開けちゃ駄目よ
りん☆：うん
りん☆：あれ
のぞみ：凛ちゃん？
りん☆：あ
穂乃果：どしたの
Eli Ayase：凛？
りん☆：なんで
りん☆：おかしい
54:
のぞみ：状況報告せよ
のぞみ：凛二等兵
Eli Ayase：報告の内容によっては厳しい処罰を与えるわ
のぞみ：非情なことで名高い絵里総司令
穂乃果：おそろしあ
りん☆：ない
穂乃果：え？
Eli Ayase：凛
りん☆：チョコなくなってる
のぞみ：落としちゃったの？
穂乃果：ぬすまれた？
Eli Ayase：凛
穂乃果：こころあたりとかない？
りん☆：ある
のぞみ：どこ
穂乃果：まさか
りん☆：かよちんのいえ
55:
Eli Ayase：凛
のぞみ：やばい
のぞみ：えりちがきれてる
穂乃果：さっきから凛しか言ってない
りん☆：どうしよう
りん☆：ごめんなさい
Eli Ayase：凛
のぞみ：こうなったら
のぞみ：これしかない
のぞみ：奥の手
穂乃果：のぞみちゃ
りん☆：たすけて
のぞみがはなよを招待しました。
56:
りん☆：え？
Eli Ayase：ちょっと希
のぞみ：なんとかして開けさせないようにする
穂乃果：どうゆうこと
のぞみ：かよちんにそれ開けたらだめって伝えないと
りん☆：うん
穂乃果：わかった
のぞみ：ミッションスタート
Eli Ayase：いや、ミッションって言われても花陽いないし
穂乃果：えりちゃん
りん☆：テレパるところからミッションは始まってるの
Eli Ayase：え
のぞみ：（かよちんかたよんかちよん）
穂乃果：（かよちゃんかよちゃんかよちゃ
りん☆：（かよちんかよちんかよちんかよちん）
58:
Eli Ayase：それよりも直接電話した方が
穂乃果：えりちゃん
のぞみ：えりちもちゃんとテレパって
りん☆：おねがいだからまじめにして
穂乃果：（かよちゃんかよちゃんかよちゃん）
のぞみ：（かよちんかよちんかよちん
りん☆：（かよちんかよちんかよちんかよちんかよちんかよちんかよちん）
Eli Ayase：（花陽）
はなよが参加しました。
のぞみ：きた
りん☆：かよちん！
穂乃果：通じたー
はなよ：チョコ部？
はなよ：あ、凛ちゃん
61:
はなよ：家にあったあの箱って凛ちゃんのわすれもの？
のぞみ：あちゃ
のぞみ：みつかってた
穂乃果：かよちゃんあのね
りん☆：かよちん
りん☆：その箱のなか爆弾だからさわっちゃだめ
はなよ：え…
のぞみ：超危険
穂乃果：開けたらほんと大事件
のぞみ：バラバラになる
穂乃果：どかーんってなる
はなよ：あの
はなよ：なにかのドッキリ？
はなよ：こわいよぉ…
のぞみ：うちらを信じて見なかったことにして
穂乃果：かよちゃんの手にはあまる代物
りん☆：おねがいだから開けないで
62:
のぞみ：今から大至急うちの危険物処理班がそちらへ向かう
穂乃果：凛ちゃん
りん☆：もう向かってる
りん☆：凛はいま風になってる
りん☆が退会しました。
はなよ：あれ
はなよ：凛ちゃん？
穂乃果：穂乃果は天井裏から潜入を試みるであります
はなよ：へ
のぞみ：うむ
のぞみ：頼んだぞ、穂乃果三等兵
穂乃果：うん
穂乃果が退会しました。
はなよ：えぇ
はなよ：穂乃果ちゃんもいなくなっちゃった
63:
のぞみ：かよちん
はなよ：はい
のぞみ：危険だからその場から動いちゃだめ
はなよ：こわい
はなよ：たすけて
のぞみ：うちも現場に向かうのだ
のぞみが退会しました。
はなよ：ええ…
はなよ：なにがおこってるの……
はなよ：絵里ちゃんもいるの？
Eli Ayase：花陽
はなよ：はい
Eli Ayase：なんていうか
Eli Ayase：その
Eli Ayase：ごめんなさい
はなよ：絵里ちゃん？
Eli Ayaseが退会しました。
はなよ：えええええええぇぇぇ
64:
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