希「へっくち！」back ▼
希「へっくち！」
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希「・・・ん・・・今日はちょっと肌寒いなぁ・・・」
希「・・・でも、大事なライブまで時間もないし・・・ちょっと無理しても頑張んないと・・・」
希「へっくち！」
2:
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〜放課後の練習〜
海未「ワン、ツー、スリー、フォー！ワン、ツー、スリー、フォー！」
希「ハァッ・・・ハァッ・・・ハァッ・・・」
希（な・・・なんやろ・・・体がすごく重い・・・自分の体じゃないみたい・・・）
希（視界が・・・揺れる・・・）
海未「希！少し遅れてますよ！」
希「あ、ご、ごめん！」
希（だ、だめ、今は集中しないと・・・えっと、このあとは・・・えぇっと・・・）
ﾀﾀﾝｯ、ﾀｯ、ｻﾞｯ
希（・・・あ・・・あれ・・・？バランスが）ｸﾞﾗｯ・・・
希（・・・これ・・・あかんやつや・・・）
3:
ﾄﾞｻｯ
にこ「希！？」
穂乃果「希ちゃん！？」
絵里「希！！」
希「う・・・あてて・・・・・・派手に転んじゃ・・・ん？」
真姫「大丈夫？」
希「真姫ちゃん・・・だ、大丈夫・・・ありがとう・・・」
希（・・・あーぁ・・・やっちゃった・・・一番頑張んないといけないのに・・・）ｸﾞｽｯ
真姫「・・・・・・ねぇ、今日はここでお開きにしない？確かに大事なライブが近いのはわかるけど、根を詰めすぎて怪我したら元も子もないわ」
希「え！？」
海未「・・・そうですね。たしかにここ数日は少々ハードだったかもしれないですね。もしかしたらみんなの疲労が残っていたかもしれません」
穂乃果「えー？穂乃果はもう少しいけるよー？」
ことり「穂乃果ちゃん！」
真姫「穂乃果ひとりは大丈夫でも、みんなは違うわ。今の希がそうかもしれないわ」
希「で・・・でも・・・」
真姫「時には休むことも練習の一つよ・・・ひとまず、今日はここまでにして、明日は少しだけペースを落としましょう？いいわね、エリー、海未？」
4:
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真姫「希、ちょっといい？」
希「え？う、うん・・・えりち、今日は先に帰っててええよ？」
絵里「そう・・・今日のことは気にしなくていいからね？それに、９人全員がベストコンディションで臨めるのが一番だから、今日明日はゆっくり休みましょう」
希「・・・うん・・・」
絵里「それじゃ、またね」
絵里「・・・希、目に見えて落ち込んでたわね・・・まぁ、無理もないか・・・」
5:
希「それで・・・どうかしたん？」
真姫「どうかした？じゃないわよ。みんなは騙せても、私は騙されないわよ。希、心なしか顔色が悪いわよ？」
希「・・・」
真姫「いい？今日は早めに寝て、ゆっくり休んで、また明日から頑張り直しましょう？焦ったって、いい結果は絶対に出ないんだから」
希「・・・ｸｽｯ」
真姫「んな・・・なによ！なにがおかしいのよ？」
希「いやな、最初に会った時と比べて、真姫ちゃんも随分変わったなぁって思っただけやん？」ﾆﾔﾆﾔ
真姫「も・・・もう！！///なによ！心配して損した！！今日はさっさと帰りなさいよ！！」
6:
希「そんじゃ、また明日ー」
ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ
ﾏﾀﾈｰ
希「うっ・・・」ｸﾗｯ
〜希の家〜
キィッ・・・バタンッ・・・
あれ・・・？なんやろ・・・
さっきよりも・・・視界が・・・まっすぐ歩けない・・・
なんか・・・体に力も・・・・・・あ、だ・・・だめ・・・・・・
頭が・・・・・・
重い・・・・・・
意識・・・が・・・
ドサッ
7:
〜翌日〜
凛「真姫ちゃんおっはよー！」
花陽「おはよう真姫ちゃん」
真姫「ふたりともおはよう」
花陽「・・・ねぇ、希ちゃん、大丈夫かな？」
凛「練習中に倒れちゃったもんね・・・凛も心配だよ・・・」
真姫「・・・一応念を置いて早く休むようには言ってはいるけど・・・実のところ、すごく心配だわ」
真姫「ほら、希って自分のことにはとても鈍感だし、周りに隠したがるから・・・ん？」
絵里「あら？みんな、おはよう」
にこ「おはよ、ふたりとも」
凛「絵里ちゃん、にこちゃん、おはよう！」
8:
真姫「エリー？どうしたのこんなところで」
絵里「それがね、希がいつもの待ち合わせの時間に来ないのよ・・・さっきから電話しても出ないし、メールの返事もこないし・・・」
真姫「・・・まさか・・・！」
花陽「真姫ちゃん？」
真姫「凛と花陽とにこちゃんは先に学校に行ってて！エリー！！今すぐ希の家に行くわよ！！」
絵里「え？ちょ、ちょっと真姫！！待ちなさいよ！！！」
9:
・・・・・・頭がぼうっとする・・・・・・
体に力が入らない・・・・・・
それに、とても・・・寒い・・・
動くのも億劫や・・・・・・
怠い・・・
痛い・・・
寒い・・・
苦しい・・・
うち・・・ここで・・・死んじゃうのかな・・・
・・・・・・いやだなぁ・・・・・・
せっかく、ともだち・・・・・・できたのに・・・・・・
・・・いやだなぁ・・・・・・ひとりぼっちは・・・・・・
10:
えりち・・・・・・にこっち・・・・・・
ほのかちゃん・・・うみちゃん・・・ことりちゃん・・・
りんちゃん・・・はなよちゃん・・・まきちゃん・・・
おとうさん・・・・・・おかあさん・・・・・・
ひとりぼっち・・・いやだ・・・
さむいよ・・・・・・いやだよぉ・・・・・
ひとりに・・・・・・しないで・・・・・・
おかあさん・・・・・・
11:
希「・・・・・・ん・・・・・・あれ・・・・・・？」
希（・・・なんや・・・ここ・・・・・・殺風景な部屋・・・・・・うちの部屋やない・・・）
希（・・・・・・まだぼうっとする・・・・・・でも・・・・・・さっきより・・・体が・・・・・・楽・・・・・・？）
希（・・・時間は・・・え？夕方５時・・・？あれ？そういえば、いつの間にベッドに・・・？）
ｶﾞﾁｬｯ
真姫「あ、やっと起きたのね」
希「・・・・・・？」
真姫「まったく・・・あなた、もう少しで手遅れになるところだったのよ？」
希「・・・真姫ちゃ・・・」
真姫「はいはい、言いたいことはあるだろうけど、無理に体を起こさないの。その点滴が終わるまで安静にしていなさい」
希「・・・え？」
希（あ・・・そっか・・・・・・うち、倒れて・・・ってあれ？）
希「・・・ねぇ・・・」
真姫「何？」
希「・・・うち、いつの間に病院に・・・？」
真姫「あぁ・・・それはね？」
12:
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〜希の住む家の前〜
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ！ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ！
絵里「・・・だめね・・・出ないわ・・・」
真姫「・・・ん？エリー、希の家、鍵がかかってないわ？」ｶﾞﾁｬ
絵里「あら？本当ね・・・不用心ってもんじゃ・・・」
真姫「エリー？急に立ち止まって・・・」
希「・・・ｾﾞｪｯ・・・ﾊｯ・・・ﾊｧｯ・・・」
えりまき「「希！！！」」
真姫「・・・！！ひ、ヒドい熱・・・！！エリー！！急いで救急車呼んで！！」
絵里「わ、わかったわ！」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ、ﾄｩﾙﾙﾙ
真姫「私はうちの病院に連絡してすぐに受け入れられるように・・・」ｸﾞｲｯ
真姫「・・・ん？」
13:
希「・・・いや・・・やや・・・・・・ひとりに・・・・・・しないで・・・」ﾊｧﾊｧ
希「・・・・・・みんな・・・・・・おとうさん・・・おかあさん・・・・・・どこ・・・・・・？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
希「・・・・・・ひとりは・・・・・・やだぁ・・・・・・」
真姫「・・・」
真姫「・・・安心して・・・誰もあなたを一人にはしないから・・・だから、安心して」ｷﾞｭｯ
真姫「この手離さないからね・・・だから安心して・・・」
希「・・・」
希「・・・・・・あたたかい・・・・・・」
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14:
真姫「という感じで家の廊下で倒れて、うわごとでみんなの名前を呼んでいた希をうちの病院に・・・・・・って、希？」
希「〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！/////////」ｶｵﾏｯｶ
真姫「何お布団で顔隠してるのよ・・・」
希「だ・・・だって・・・恥かしいやん・・・///」
真姫「・・・ハァ・・・それよりも！！今回はなんとか風邪をこじらせた程度で済んだけど、あと少しで肺炎になるかも知れなかったのよ！？」
希「う゛っ」
真姫「まったく・・・まぁ、病人相手に頭ごなしに説教するのも何だし・・・これぐらいにしてあげるけど・・・」
真姫「いい？少しでも辛かったら私たちを頼りなさい？友達なんだから」
希「・・・でも・・・」
真姫「・・・あなた、ずっとうわごとで言ってたわよ、ひとりぼっちは嫌だって」
希「・・・！」
真姫「ひとりぼっちが嫌なら頼りなさいよ。友達、なんだし？」
希「・・・・・・」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
真姫「・・・希？」
希「・・・だめ、いまのうちの顔・・・見ちゃだめ・・・」
希「・・・おかしいなぁ・・・なんでやろ・・・鼻水といっしょに・・・涙も・・・・・・止まらん・・・・・・」ｸﾞｽｯ
15:
真姫「・・・・・・安心しなさい・・・ただの風邪をこじらせただけよ」ｷﾞｭｯ
希「・・・真姫ちゃん・・・」
真姫「・・・点滴が終わって、希がゆっくり眠れるまで、手を握ってあげるわよ」
希「・・・ありがとう・・・」ｸﾞｽｯ
16:
〜数日後〜
希「のんちゃん復活やでー！！」
絵里「全く・・・一時はどうなるかと思ったわよ・・・本当に死んだかと思ったじゃない」
希「いやー・・・お騒がせしました！でも今日から遅れた分、全力で取り戻していくからね！」
にこ「何言ってるのよ？病み上がりなんだし、無茶をするもんじゃないわよ？苦しくなったらみんなに言いなさい？」
希「にこっち・・・うん、わかった。ありがと」ﾆｺｯ
花陽「おぉーい！」
凛「希ちゃーん！」
希「お！凛ちゃんに花陽ちゃんやん！おっはよー！」
花陽「おはよう、もう大丈夫なの？」
希「うん！今日から張り切っていくでー！」
にこ「あれ？真姫ちゃんは？」
17:
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