ジミー大西の初恋の話が切なくて泣けるback

ジミー大西の初恋の話が切なくて泣ける


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1:
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今、僕は三十二歳です。彼女はいません。でも、その三十二年間に恋はしました。
 初恋も。
 小学校三年の時でした。
 小学校の二年生まで、僕は友達にも父母にも、まったく口をきかない少年でした。
 話が、できない少年でした。そんな僕が、話をできる相手が一人だけいました。
2:
その女の子がしゃべりかけてくると、その時だけは、しゃべれるのです。その子が、
初恋の人でした。
僕はその女の子としか、しゃべれなかったのです。ほかの子がしゃべりかけてき
ても、まったくしゃべれなかったのです。僕はその子としか、遊ぶことができませ
んでした。その子はみんなと仲よく遊んだり、しゃべったりしていたけれど。
僕はいつも、ひとりぼっちでした。みんなの輪の中には、入れなかったのです。
輪の中に入ろうとも思いませんでした。
3:
でも、みんなで、花いちもんめをする時だけは別でした。その初恋の子が、僕の
手をひっぱって、輪の中に入れてくれたからです。
終わりはいつもいっしょでした。僕一人だけ残って、
「花いちもんめ、まきさんがほしい」
と、その子の名を言う。
「花いちもんめ、大西君はいらない」
それで終わりでした。
10:
結婚できた奴が何言うねん
5:
でも、まきさんは、
「花いちもんめ、大西君がほしい」
と、僕の国語のノートに書いてくれていたのです。
僕はそれからずーっと、まきさんのことが好きで好きでたまらなくなり、えんそ
くの時でも、まきさんのそばから離れなくなりました。ほかの子からは、
「大西君、女の子どうしでごはん食べているから、むこうに行って食べて」
と言われても、ぜったいにまきさんのそばから離れませんでした。
8:
それから、朝のちょうれいの時でも、本当は背の低い僕は前から二番目に立って
いなくてはいけないのですが、真ん中のほうへ行って、まきさんのよこに立ってい
ました。みんなから、
 「大西、いつからそんなに背が高くなってん」
と、背中とかつねられても、その場所から離れませんでした。先生にもおこられ
ましたが、次のちょうれいの時には、また、まきさんのよこに立っていました。
僕は本当に、まきさんのことが好きだったのです。
そして、長い夏休みに入りました。
9:
その夏休み、僕は何回か、まきさんの家をたずねました。でも、いつもみんな出
かけていて、だれもいませんでした。たまにおばちゃんが出てきて、
「いなかに帰っているの」
と言ってくれるだけで、まきさんとは、夏休み中、会えなかったのです。
いよいよ夏休みも終わり新学期が始まる日、僕は母のけしょう水をふくにつけて
学校へ行きました。まきさんと会える、と思ったからです。
7:
まきさん死んだんやったよな
12:
ジミー大西の画集にも書いてあったわ
死が理解できなくて何回も居場所を聞いとったらしいな
13:
でも、まきさんは学校に来ていませんでした。
僕は、「明日は会える」「明日は会える」と思って、母のけしょう水をふくにつ
けて、学校へ行きました。
でも、まきさんは来ませんでした。
   *
夏休みは終わったのに、まきさんは学校には来ませんでした。
15:
そして九月十六日の朝のことでした。先生が、
「実は悲しいお知らせがあります。昨日、まきさんは病気のため、おなくなりにな
りました。みんな、目をとじて」
と言うのです。僕は、何の意味かわかりませんでした。
先生に聞いたら、先生は、
「まきさんは死んでしまったのです」
と言うのです。僕は生まれてから、この時まで、知っている人が死ぬことがなか
ったので、人が死んでも、また会えるとばかり思ってました。
19:
みんなでおそう式に行くことになって、教室に集まっていると、まきさんが教室
の外のろうかのところに立って、僕を見て笑っているのです。僕が、
「まきさん。まきさん」
とさけぶと、みんなから、
「きもちわるー」
と言われました。
おそらく、ゆうれいを見たのは、あの時が最初で最後だと思います。
20:
それから、みんなとそう式に行きました。それまで、そう式と言えばタダでおか
しをもらえるところだとばっかり思っていました。
でも、まきさんのそう式では、おかしをもらってもうれしくなかったし、食べよ
うと思ってものどに通らない。??まだ、会えるような気がしてたまらなかったの
です。
22:
そして次の日、学校に行くと、まきさんのつくえの上に花がかざってありました。
僕はみんなが帰ってから、一人だけのこって、まきさんのつくえにすわり、まき
さんが国語のノートに、
「花いちもんめ、大西君がほしい」
と、書いていてくれたことを思い出してました。
そして次の日から、だれよりも早く教室に行って、花の水をかえて、いちど家に
帰って、それからみんなといっしょに登校することを始めました。
33:
これホンマの話なんか?
27:
僕はその日から、そのことがバレるのがこわくて、みんなにむりしてでもしゃべ
りかけるようになりました。
それで、人としゃべれるようになったのです。
毎日、毎日、花の水をかえていました。
花がかれかかったら、自転単に乗ってしぎ山の下まで行って、ざっそうの色のき
れいなのを三本ほど抜いて、かびんに入れてやりました。クラスのみんなは、
「花がかってにふえている」
とか言うので、もしバレたらどうしようと思っていました。
28:
そうしたら、先生が、
「みんなが帰ったあと、先生が花をいけているのです」
と言ってくれたのでホッとしました。
そしてクリスマスイブの日、先生にしょく員室によばれて、
「大西君がまきさんの花をいけていることは、だいぶん前からわかっていたのよ」
と言われたんです。
29:
僕は、はずかしくてたまりませんでした。先生は、
「この二学期で、つくえの上に花をかざるのはやめて、せきがえをしようと思って
いるの。いい? 大西君」
と言いました。僕は、首を、たてにふりました。
30:
二学期最後のせきがえをしたら、前にまきさんが使っていたつくえに、ぐうぜん、
僕がすわることになりました。
つくえの中を見ると、奥のほうにハンカチが残っていました。
おそらく、まきさんのハンカチだと思います。僕はそのハンカチを、小学校をそ
つぎょうする時まで、ずーっと持ってました。
31:
これが、僕の初恋でした。
32:
以上
36:
ええ話やん
34:
小5?今まで毎日ひとりエッチしてるんやろ
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38:
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2

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