海未「私が欲しいのはことりだけ」back ▼
海未「私が欲しいのはことりだけ」
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海未「ふむ、今週末はバレンタインですか...」
海未「恋人であることりにチョコを渡すのは当然ですが、問題は...」
当日
海未「遂に来ましたね...この時が」ｻﾞｯ
海未「中学の時に続き、去年のバレンタインデーでも山のようにチョコを受けとりました」
海未「正直言って、まぁ嬉しくないことはないんですが」
海未「私が欲しいのはことり(のチョコレート)だけなんですよね」
2:
ことり「んみちゃー」ﾀｯﾀｯﾀｯ
海未(いらっしゃりましたか)
ことり「おはよーんみちゃ、今日も早いね」ﾆｺｯ
海未(見てください、この素晴らしい笑顔)
海未(私でなくとも世のレズはこれでイチコロです)
ことり「海未ちゃん？」
海未「ええ、おはようございますことり、今日も可愛いですね」
ことり「えへへ、ありがと」ｷﾞｭｯ
海未(ここで今日一日の点数稼ぎです)
3:
海未(今日のミッション、言わずもがな、ことりから愛のこもったチョコレートを受けとることが目標です)
海未(しかしそれには大きな障壁があります)
海未(ことりはあー見えて、結構嫉妬深いのです)
海未(結構じゃないですね、とんでもなく嫉妬深いです、めんどくさいくらい)
海未「まぁ、そういうとこも好きなんですけど」
ことり「ん？」
4:
海未(そしてこの度、ことりのチョコレートを受けとるためには、ことりの機嫌をそこそこ保たなければいけないという懸念点があります)
海未(もしもそのミッションに失敗した場合、ことりからのチョコレートを手に入れることもできず、その上拗ねてしまってめんどくさいモードになってしまいます)
ことり「ほのかちゃんおそいねー」
海未(ことりの機嫌を損なう原因の１つ、それは音ノ木坂の後輩や先輩、もちろん同級生からもですが、その者達が私に贈ってくるチョコレートです)
海未(それを受けとるシーンを見たことりはどう思うでしょうか)
海未(口ではなんてことないようなこと言いますが、心の内では凄まじい嫉妬心に燃えてるのです、可愛い)
ことり「ねー海未ちゃんきいてるー？」
海未(受けとるのは構いません...ですがその瞬間を見られないこと、もらった品を見られないことがキーポイントです)
海未(もししくじったとしたら、ことりの機嫌ポイントは下落、チョコも遠退きます)
ことり「んみちゃ！！！」ﾍﾞｼｯ
海未「うわっ！？」
6:
ことり「さっきからことりの話聞いてないでしょ」ﾌﾟｸｩ
海未「す、すいません、少し考え事をしていて」
海未(やってしまいました...こんなところで機嫌を損ねさせてしまうなんて...無駄な減点は避けねば)
ことり「考え事ってなにさ」ﾌﾟｸｩ
海未「ことりのことですよ」ﾆｺｯ
ことり「え、ことりの？」
海未「はい、来週のデートは何処がいいかなと」
ことり「なーんだそうだったんだ」
ことり「でもことりを無視するのは悲しいのでやめてください」
海未「すいません」
ことり「でも許します」ﾋﾟﾄｯ
7:
海未(ふぅ、なんとか挽回できました...ことりのことを考えてたことは嘘ではありませんしいいですよね)
ことり「ほのかちゃん遅れるから先に行っててだってさ」
海未「まったく穂乃果はいくら言っても...」
ｷﾞｭｯ
海未「うっ」ﾄﾞｷｯ
ことり「二人きりで登校なんて久しぶりだねぇ」
海未「そ、そうですね...」
海未(ヤバイです、私の心がチョコレートだったら既に溶けきってました)
海未(南ことり...侮れません)
8:
ﾋｭｩｩｩｩ
海未(校門に到着...勝負はここからです！)
レズ1「おはよーございます園田先輩！」
レズ2「園田先輩、あの...私の気持ち受け取ってください！」
レズ3「私のもどーぞ！！！」
海未(ナニィィィィィ！！？！？！？！！？)
海未(校門で出待ちですって！？)
海未(これは予想外...いや、予想できなかった私が未熟でした！)
海未(しかし隣にはことりがいるのですよ、しかも私の腕を組んで)
海未(なぜこれを見ても渡しにこれるんですか、この者たちは何を考えているのですか！！！？)
9:
ﾌﾞｫｫｫﾝ
海未「ひっ！？」ﾋﾞｸｯ
ことり「...」ﾆｺﾆｺ
海未(今の私には見える...ことりから溢れ出す緑色の...嫉妬のオーラがこれでもかと溢れ出ている！！)
レズ達「「園田先輩！！」」
海未(うわああああ！！)
...
10:
教室
海未「...くっ、なんてことでしょう」
海未「朝校門で渡された品数、5つ」
海未「靴箱からこれでもかと詰め込められた品数、6つ」
海未「私の机の中に筆箱すら入る隙間がないくらい詰められた品数、5つ」
海未「計16つですか...」ﾊｧ
...
海未(ですが幸いなことに、机の中の5つはことりには見られてません) ｼﾞｬｰ
海未(トイレに来るだけでも一苦労です)
11:
海未(本来なら気配を絶ち、敵から姿を眩ますこともできますが)
海未「ふぅぅぅぅ」
海未(逆にこの技は、私自身回りの気配に鈍感になってしまうというデメリットがあります)
海未(今朝の校門でのこともありますし、敵の位置は把握しときたいです)
海未(なんとか教室に到着...まだ１限が始まってないというのに、先が思いやられます)
穂乃果「海未ちゃん大変だよ！」
海未「どうしました穂乃果」
穂乃果「海未ちゃんの机の上が！」
12:
海未「な...」
海未(何ですかあれはぁぁぁあぁぁぁああああああ！！？！？)
穂乃果「チョコレートのピラミッドが出来てるよ！すごいね？！」
海未(なんですかこれは！！！？ファラオでも召喚する気ですか！！！？？！？私をミイラにでもする気ですか！！！！？！？)
海未(というかどこからこの数のチョコレートが出てくるんですか！)
ハッ！
海未(ことりは...)ｷｮﾛｷｮﾛ
海未(ラッキーです、ことりがいません！)
海未(こんなのをことりに見られたら大変です、チョコレート取りがミイラになってしまいます！(錯乱))
13:
穂乃果「んー？」
穂乃果「ことりちゃんなら日直だから職員室だよ？」
海未「そういえば朝そんなことを言ってましたね」
海未(今のうちに回収しなければ！！) ｻｯｻｯ
ｷﾞｭｩｩｩ
海未(ロッカーに入りきりません！！)
海未(くぅぅぅぅこの数の品をどうしたら)
海未(まってください...そうですね、部室にしましょう、あそこなら！)
海未「はっ！」ﾀﾞｯ
穂乃果「海未ちゃんサンタクロースみたいになってたね」
14:
...
ﾁﾗｯ
海未「前方良し」ﾌｩ
レズ4「それでねー、あの子ったらさー」
レズ5「あはは、臭いねー」
海未「たしかあの者たちは絢瀬絵里ファンクラブに入っていたはず、なら私は大丈夫ですね」
海未(部室はあの角の先...今ならいけます！)ﾀﾞｯ
15:
レズ4「あ、園田先輩だ！」
レズ5「おーい、○○子ちゃーん、園田先輩いたよー！」
海未(うぎゃぁぁぁぁああああ！！？！？)
海未(そんなイベント発生するなんて聞いてないですよぉ！！)
海未(こうなったら奥の手です...まさかこんな茶番劇に使うことになるとは)
ｯﾊﾟﾝ
海未(縮地！("縮地"とは簡単に言うとものすごくい移動法です))
レズ6「どこどこ！？」
レズ4「あれ、居なくなっちゃった」
レズ5「さっきまでここにいたのにね」
レズ6「ざーんねん」
16:
海未「はぁ...はぁ...」
海未(心臓が痛いです...)
海未「しかし、とにかく部室に到着ですね」
ﾄﾞｻｯ
海未「ここに置いておきましょう」ﾊｧ
ｶﾞﾁｬ
海未「うひぃ！？」ﾋﾞｸｯ
にこ「なーに驚いてんのよ」
海未「はぁ、なんだにこですか」ﾌｩ
にこ「にこで悪かったわね」
海未「いえ、すいません」
17:
にこ「まぁいいけど、朝からこんなとこで何してるのよ......あぁ、そういうことか」ﾁﾗｯ
にこ「あんたの気持ち察するわ、ことりに見られたらどうなることか...」
海未「だずげでぐだざぃにごぉぉぉ」ﾀﾞｷｯ
にこ「んなっ、抱きつかないでよ！」
海未「うっ...ごめんなさい...つい取り乱してしまいました」
にこ「はぁ、まぁいいけど、ここに生徒を連れ込むのだけはやめてよね」
海未「はい...」
にこ「それじゃにこは教室に行くから」
海未「にこ、１つお願いが」
にこ「...なに？」
...
18:
にこ「なにこれ」
海未「私は気配を消しますので、にこは回りにレズがいないか察知してください、にこの後ろにぴったりついていきます、完璧です」
にこ「んなことできるわけないでしょ！」
海未「なぜです！」
にこ「そんな芸当できるのはあんたとことりくらいよ！！」ﾋﾞｼｯ
海未「ならせめて二年生の教室まで一緒にぃぃぃぃ」
にこ「はぁ、わかったから泣くのやめて、鬱陶しいから」
海未「はい...」
19:
にこ「ほら着いたわよ」
海未「なんと...にこが壁になっているだけで誰も近寄ってこなかったですね」
にこ「事実だけど失礼ねあんた」
ことり「うみちゃーん」
海未「ひっ！？」ﾋﾞｸｯ
にこ「ことり、おはよう」
ことり「おはようにこちゃん、海未ちゃんと何してたの？」
海未(あああああああああ)ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ
にこ「なにもしてないわよ」
にこ「(なにしてんのよあんた、にこはμ'sの一員なんだしチョコも渡してないんだから大丈夫でしょーが)」
海未「(そ、そうでした)」
20:
海未「日直の仕事は終わりましたかことり、なにか手伝えることがあれば」ｽﾝｯ
ことり「ありがと海未ちゃん、大丈夫だよ」ﾆｺｯ
海未(ふぅ、なんとか乗りきれました)
にこ「それじゃにこは行くわ」ﾉｼ
ことり「またねー」
海未(はぁ...疲れました)
海未(それから昼休みまでは何も起こることはなく、昼休みも部室に匿ってもらい、やっと放課後をむかえましま)
海未「私はいったい何をしているのでしょうか...」
海未「いえ、見失ってはいけません...ことりからチョコを受けとるという使命があるんです！」
21:
海未(それにしても...)
穂乃果「ねぇ海未ちゃん、顔色悪いよ？」
海未「え...？」
ことり「そうだね、なんだか疲れてる？」
海未(ええ、もうくたくたです...ですがこれからダンスの練習...)
穂乃果「今日は帰ったほういいよ海未ちゃん、みんなには穂乃果から言っておくから」
海未「いえ、だめですそんなこと、サボるなど私自身が許しません」
ことり「無理はダメだよ海未ちゃん！」
穂乃果「別にサボるだなんて思わないよ、海未ちゃんが体壊したらみんな悲しいよ？」
海未「ですが...」
ことり「今日は帰ろ、ね？」
ことり「ことりも一緒についてくから」ﾆｺｯ
海未「うっ...わかりました...」
22:
海未(それから家に帰るまで、誰からもチョコを渡されることはありませんでした)
海未(チョコを受け取らないことがこんなに嬉しいなんて、生まれて初めてです)
海未「はぁ、着きました」
ことり「あのね...海未ちゃん」
海未「ん？」
ことり「その...これ」ｽｯ
海未「こ、これは」
ことり「バレンタインのチョコ、ことり一生懸命作ったんだ、海未ちゃんには特別にみんなのとは違うのだから内緒だよ？」
23:
海未「う...うう...」ｸﾞｽｯ
ことり「んみちゃ！？」
ことり「どうしたの、なんで泣くの！？」
海未(そうでした...私はこのために頑張っていたのでした...)
海未「こんなに嬉しいバレンタインは初めてですことり、ありがとうございます」ｸﾞｽｯ
ことり「泣くほど喜んで貰えると思わなかったよ、えへへ」
海未「あ、私からも」ｶﾞｻｺﾞｿ
ことり「ん？」
24:
海未「これ...ことりのように上手くは出来てないですが、良かったらもらってください」
ことり「わっ、海未ちゃんの手作り？」
ことり「嬉しいよー！」ﾔｯﾀｰ
海未(この笑顔を見ただけで...今日一日の疲れが吹っ飛びますね)
海未「それではことり、気を付けて帰るのですよ？」
海未「今日は送っていけずに申し訳ないですが」
ことり「ううん、いいの、今日はことりの番だよ！」
海未「ありがとうございます、それではまた明日」
ことり「うん、バイバイ！」ﾆｺｯ
海未(ミッションコンプリート...園田海未、帰還しました...)ｶﾞｸｯ
25:
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シーツを雪と勘違いしてピョンピョンする動画が話題となったキツネのジュニパーちゃんってこんな子だった。
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