真姫「海未ちゃん」back

真姫「海未ちゃん」


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1:
真姫(はぁ…疲れた)
真姫(今日も音楽室で適当にサボりましょ……)
ガラッ
真姫(……あら?)
真姫(グラウンドピアノの影に誰かいるわね……)
真姫「……誰?」
「えっ」
真姫「だから誰よ」
「私ですか?」
真姫「はぁ……あなたしかいないでしょ」
海未「園田海未、です」
うみまきメインの1レスSSです
更新はゆっくりです
3:
真姫「いやそうじゃないでしょ」
海未「はい?」
真姫「名前なんて聞いてないわよ」
海未「えっと、わたくし1年A組の…」
真姫「それも聞いてない」
海未「…得意料理は炒飯です」
真姫「だから聞いてないってば!……なんでここにいるのよ、って意味よ」
海未「そうですね…簡単に言ってしまえば…サボり、ですね」
真姫(こんな真面目そうな子が…)
海未「この際、よければあなたの名前も教えてくださいませんか?」
真姫「ヴェェ……真姫よ…」
4:
真姫「炒飯さん」
海未「私は海未ですが」
真姫「なんでサボってるの」
海未「うーん、授業が面倒だからですね」
真姫「あっそう」
海未「聞いておいてあっそう、とは失敬ですね」
真姫「だって別に興味無いし」
海未「そちらから聞いたじゃないですか……あなたはなんでサボっているのですか?」
真姫「ずっと前からサボってて、癖がついたのよ」
海未「そうなんですか」
真姫「だからいつもサボってる場所にあなたがいるなんて想定外」
海未「…それはすいません」
真姫「いいわよ別に。暇してたし」
6:
真姫「あなたの名前ってなんだったかしら?」
海未「先ほど言ったじゃないですか」
真姫「うるさいわね。あなたが炒飯なんて言うから炒飯が頭の中から離れないのよ」
海未「炒飯おいしいですよ」
真姫「知ってるわよ」
海未「明日お弁当に詰めてきましょうか?」
真姫「別に食べたくないから」
海未「ふふふ、では明日は早起きしないと」
真姫(この子…人の話が聞けないのかしら)
海未「せっかくの炒飯ですがニンニクは抜きの方がいいですよね。午後に臭いますから」
真姫「知らないわよ」
海未「いいえ、お弁当にニンニクは禁物なのです」
真姫「あっそ……で、名前は何なのよ」
7:
海未「ふふ…真姫…真姫というのですか。覚えやすい名前ですね」
真姫「よく分からないわ。そんな事言われたことないし」
海未「覚えやすいです。ほら、歌にもあったでしょう?」
真姫「……」
海未「いーとーまきまきいーとーまきまき♪」
真姫「懐かしい歌ね」
海未「ひーいてひーいてとんとんとん♪」
真姫「……」パチパチパチ
海未「ありがとうございます。かくいう私も覚えやすい名前なんですよ」
真姫「そうなの?」
海未「うーみーはーひろいーなーおおきーいなー♪」
真姫「……」パチパチパチ
海未「ふふ、ありがとうございます。久々に歌を披露できて気分がいいです」
真姫「まあ、歌の点数は低いけどね」
海未「失礼な…真姫も歌ってみてくださいよ!」
真姫「こう見えて私、歌は得意なのよ?」
海未「ほう」
真姫「ま、歌わないけどね」
海未「……がっかりです」
8:
キーンコーンカーンコーン
海未「あ」
真姫「終わったわね」
海未「真姫はこれからどうするのですか?」
真姫「帰るわよ。もう下校時刻でしょ」
海未「部活動などは?」
真姫「あるわけないじゃない」
海未「そうですか…」
真姫「じゃあ…またね」
海未「はい」
バタン
真姫(……あの子…何だったのかしら)
真姫(まさか明日もいたりして…)
真姫(…いや、それはないわね。真面目そうだし、サボったのもきっと気の迷いよ)
真姫(それにあんなに冷たくしたし……)
真姫(はぁ……調子狂うわ。早く帰りましょ……)
9:
真姫(今日もあの子いるのかしら…)
真姫(まあ…まずいないわよね…何たってまだ2時間目だし……)
ガラッ
真姫「あ……」
海未「おはようございます」
真姫「なっ……なんでいるのよ…」
海未「え…いてはいけませんか?」
真姫「別に、いけなくはないけど…」
海未「そうですか、それはよかったです」
真姫「はぁ……イミワカンナイ」
海未「何故です?」
真姫「だって…見るからに真面目そうじゃないの」
海未「それは偏見です!私は真面目ではないので!不良なので!」
真姫「不良…?」
海未「はいっ!」
真姫「……こんなに無邪気な不良がいるなら是非ともお知り合いになりたいわ」
海未「もう知り合いじゃないですか」
真姫「言葉のあやよ…」
10:
海未「真姫は背が高いですね」
真姫「そう?」
海未「はい。だって同い年なのに私よりも……」スクッ
真姫「……」
海未「あれ?立ってみたらそんなに身長変わりませんでしたね」
真姫「そうね。でも私の方が高いことに代わりはないわ」
海未「むむむ、長身の秘訣は?」
真姫「長身ってほど長身じゃないけれど…そうね、早寝かしら」
海未「普通ですね」
真姫「当たり前よ。背を伸ばすには睡眠、これにつきるわ」
海未「私も早寝なのですが…おかしいですね…」
真姫「何時に寝ているの?」
海未「そうですね…早くて8時遅くて9時、ぐらいですかね……」
真姫「小学生か。早すぎでしょ……やることないの?」
海未「朝起きてからなら」
真姫「なにしてるのよ」
海未「ラジオ体操です」
真姫「小学生か」
11:
海未「これが目に入りますか」
真姫「……お弁当箱?」
海未「はい。ですがただのお弁当箱ではありません」
真姫「そうなの」
海未「この中には……」
真姫「炒飯でしょ」
海未「はっ!?何故それを…」
真姫「昨日言ってた。炒飯をお弁当に詰めるって」
海未「ああ、だから今朝私は何故か炒飯を作っていたのですね!納得です」
真姫(大丈夫かしら…)
海未「そしてなんと!この炒飯には!」
真姫「ニンニクが入ってないんでしょ」
海未「なんと……真姫はエスパーなんですか?」
真姫「ええ、そうよ(面倒だからそういうことにしておきましょう)」
海未「はい、ではどうぞ食べてください」
真姫「……」モグモグ
海未「ふふ…昨日食べたくないと言いつつ食べているではありませんか…」
真姫「なんでそこは覚えてるのよ!」
12:
真姫「…」ガサガサ
海未「真姫…それはコンビニのパンとジュースではありませんか」
真姫「そうだけど…」
海未「いけませんっ!」
真姫「ヴェ!?」
海未「それはいけません!身体を壊します!」
真姫「高校入ってからずっとこんな感じだし…大丈夫よ」
海未「いつかきっと痛い目見ますよ?」
真姫「大げさね……ほら、あなたも食べてみなさいよ。おいしいから」
海未「食べません」
真姫「ほら食べなさいよ」グググ
海未「んっ、んん…口にそんな毒物を押し付けないでください……」
真姫「毒物って失礼ね。いいから一口食べてみて」
海未「……」パクッ
真姫「どう?」
海未「……真姫」フルフル
真姫「なによ」
海未「これ……すっごくおいしいですっ…!」パァァ
真姫「ほら、見てみなさいよ」
海未「こんなに美味しいものは生まれて初めて食べました……!真姫っ!よければ私の炒飯と変えませんか!?」
真姫「絶対にいやよ…」
13:
真姫「あなたって友達いるの?」
海未「私ですか?なぜ?」
真姫「な、なんとなく気になっただけよ」
海未「ふむ……そうですね。2人ほど、本当に仲が良いと言える友達がいます」
真姫「へぇ、友達がいたなんて意外ね。どんな人達なの?」
海未「どんな、と言われると難しいですが…1人はスタイルが良くて陽気で、もう1人は…とても小さくて可愛らしい方です」
真姫「そうなのね…」
海未「真姫にはいるのですか?」
真姫「いないわ」
海未「え?」
真姫「いないのよ。入学式もろくに出席してない私に友達がると思う?」
海未「思いませんね…」
真姫「なんであなたはそうハッキリ言っちゃうのよ……」
15:
海未「真姫、どうしたらいいと思いますか?」
真姫「何をよ」
海未「実は今すごくトイレに行きたいのです」
真姫「……行ってきなさいよ」
海未「いやです。廊下寒いじゃないですか」
真姫「じゃあ漏らすなりなんなり勝手にしなさい」
海未「本当ですか?」
真姫「えっ」
海未「本当に漏らしてもいいんですか?」
真姫「ヴェェェ…だっ、駄目よ!駄目に決まってるでしょ!」
海未「真姫から言い始めたくせに…」
真姫「冗談に決まってるでしょ…」
海未「ではいいです。トイレについてきてください」
真姫「はぁ?なんでよ」
海未「私ひとりだけ寒いだなんて不公平な話ではないですか?」
真姫「別に不公平じゃないから」
海未「じゃあここで漏ら…」
真姫「ああもうっ!さっさと行ってきなさい!カーディガン貸すからっ!」
海未「ふふふ…ありがとうございます。あったかいです♪」
18:
海未「真姫はけん玉をしたことありますか」
真姫「……けん玉?」
海未「知らないのですか?」
真姫「なにそれ…知らないわ」
海未「こーんな、ちくわをクロスさせたような形をしていまして…それで、糸にピエロの鼻が付いているような感じのおもちゃです」
真姫「……見たことないわね」
海未「けん玉知らない人に初めて出会いました……真姫、あなたとは住んでいる世界が違うようです」
真姫「そのけん玉、っていうのわりと皆知っているものなの?」
海未「あたりまえです。楽しいんですよ」
真姫「どうやって遊ぶのかしら?ちくわとピエロの鼻で……」
海未「えっとですね……ピエロの鼻の部分をちくわから生えているトゲの部分にこう…ぶすっ、と指すのです」
真姫「よく分からないわ…」
海未「こう……えいっ、えいっ、と足腰を使ってですね…あ、そういえばちくわの穴の部分全てにピエロの鼻は置けるようになっています」
真姫「置けちゃうの?」
海未「置けるというか…乗せる?」
真姫「……よく分からないわ」
海未「また今度実物をお持ちしますね」
真姫「…ええ」
19:
真姫「……はぁ、そろそろ行くわ」
海未「え?どこにですか?」
真姫「どこって…教室よ」
海未「えっ」
真姫「なによ」
海未「何しに行くのですか」
真姫「普通に考えて授業よ」
海未「意外です…一応、授業は受けるのですね」
真姫「まあ留年は面倒だからしたくないし。いくつか授業は出ておこうって決めてるの」
海未「そうなのですか……なんだか寂しいです」
真姫「……いみわかんない」
海未「あ、というかよく考えたらまだ次3時間目ではないですか!」
真姫「それがなによ」
海未「はやべん…をしてしまいました!早弁です!」
真姫「そうね…まあいいんじゃない?何もしてなくてもお腹は減るし……で、あなたは次の授業どうするわけ?」
海未「私は……もう少しここにいますね」
真姫「……そう」
海未「いってらっしゃい、真姫」
真姫「ええ…」
22:
絵里「はい、Stand Up…今日はここまでにしましょう」
生徒達「「「ありがとうございましたー」」」
ワイワイワイ
真姫「……」ガラッ
モブ1「あ、西木野さんだ」ヒソヒソ
モブ2「久々に見たねー」ヒソヒソ
真姫(えっと……次の授業は……)
絵里「まーきー?」
真姫「……エリー…」
絵里「あなたねぇ、またサボってるわね?というかそのエリー呼びやめなさい」
真姫「いいじゃない。家、近所なんだし……」
絵里「関係ないわよ。ここでは絢瀬先生、もしくは……」
真姫「Ms,Ayase…でしょ?はいはい、みんな見てるしどっか行って」
絵里「あ、また馬鹿にしたわね……!」
真姫「だってこの前までただの近所のお姉さんだったのに先生になってるの笑えるのよ……ふふ…」
絵里「まったくもう……」
真姫「ほら、次の授業行かなくていいの?」
絵里「真姫だけには授業の心配されたくないわ」
真姫「ごめんなさいね」
絵里「……あんまりお痛しすぎないのよ?」
真姫「うん、分かってる……」
23:
真姫「……」ウツラウツラ
真姫(眠い……)
真姫(ああ…これだから歴史は嫌いなのよ……)
真姫(私予習派だし……長ったらしくいちいち授業で説明受けるの苦手なのよね……)
真姫(だいたい歴史の先生特有の眠そうにしている生徒をいきなり当てるのも面倒……)
真姫(それで盛り上がってる皆もいみわかんないし……)
真姫(はぁ……よりにもよって歴史の授業に出てくるんじゃなかった……)
真姫(あ、でも……今学期まだ1回も歴史の授業受けた覚えないから、わりと単位やばいかも……)
真姫(……歴史は計算してかつかつまで授業削りましょう……)
真姫(それで……音楽室で……まったりして……)
真姫(……そういえば……今の音楽室には…あの子もいるわね……)
真姫(………空が青い……今日ってそんなに寒いかしら…?)
先生「じゃあ次西木野。ここ答えてみろ」
真姫「……はい」ガタン
26:
真姫「……」
海未「おや……今日は真姫が先に来ていましたね」
真姫「ちょっと宿題が出たから片付けちゃおうと思って」
海未「ふむ……根は真面目なのですね」
真姫「根は、とか言わないの」
海未「失礼しました。ですが、宿題とは家でやるものでは?」
真姫「別にどこでしたっていいでしょ」
海未「え……宿題、ですよ?宿でする課題と書いて宿題。ですから家でしてくるのが正しいです」
真姫「なによその小学生みたいな理論」
海未「だいたいこんなところで焦ってしたところで頭に入りません!家でやるべきです!」
真姫「別に焦ってないわよ。これ提出期限3日後だし」
海未「むっ……ああ言えばこう言いますね…」
真姫「……」カリカリ
海未「それならば私からの宿題です!宿題は家でしてきてくださいっ!」
真姫「はぁ……というか海未ちゃんも、宿題は?」
海未「あ……」
真姫「……」
海未「隣、失礼します」
真姫「…ご勝手に」
28:
海未「むむ…やっぱり英語は苦手です…」
真姫「そうなの?」
海未「はい…なんというんでしょうね…こう…頭がこんがらがるというか……」
真姫「暗記が苦手……とか?」
海未「いえ……そういうわけではないのですが、考え出したら止まらなくなってしまって……Aってなんで口みたいな形をしているんでしょう?Bってなんでビーって読むんでしょう?輪っか2つでなんでビーって発音するんでしょう?」
真姫「……」
海未「Cって何故目の検査のアレみたいな形なのに1つの文字として成り立つんでしょう?Dってひっくり返したら………」
真姫「……やめて、こっちまでいみわかんなくなるわ」
海未「……すいません」
真姫「でも、なんとなくあなたの気持ちが分かった気がするわ」
海未「本当ですか!?」
真姫「ええ……そうね、英語が苦手ならまず好きになることね」
海未「好きになる…」
真姫「例えば…1つ好きな英語を見つけてそこからどんどん自分の好きな単語見つけていくとか」
海未「ほう……ちなみに真姫の好きな英語は?」
真姫「Don't worry…かしら?」
海未「い、意味は……」
真姫「心配するな、ってこと」
海未「おおお!……どんうぉーりー…どんうぉーりー!」
45:
海未「真姫、私はこの前食べたコンビニのパンが食べたいです」
真姫「食べればいいじゃないの」
海未「……無理です」
真姫「なんでよ」
海未「……お金が……」
真姫「……ないの?」
海未「いえ、あるといえばあります……ですが……お金が使えないのです……」
真姫「足し算引き算くらいならできるでしょ」
海未「違いますよ!そうではないのです……その……お母様に……お金はよく考えて使えと……」
真姫「……は?」
海未「ですから、パンは買えないのです」
真姫「どういう意味よ」
海未「私の身体はパンを欲していますが、需要がないのです」
真姫「需要?」
海未「つまり、目先の欲求に負けるか負けないかの話ですよ。お金は大事なものです。そしてお金には上限があります」
真姫「まあそうね」
海未「ですから、私は本当に需要があるものだけを買いたいのです」
真姫「……はぁ、よく分からないけど大人しくパン買えばいい話じゃないの」
海未「いえ、それは最善策と言えません。私はお金を使わず己の欲求を満たすいい方法をもう知っています」
真姫「……」
海未「真姫、その手に持っているパン、半分こしましょう」
真姫「はぁ……まどろっこしい人ね」
47:
凛「海未ちゃーん!」
海未「どうしたのです?」
凛「もー今日はどこでサボってたにゃ。いい加減にしないと先生に怒られちゃうよー?」
海未「ふふ、気をつけます」
凛「あー、全然気をつけようとしてないー!」
希「そんな海未ちゃんの今日のラッキーカラーは赤っ!赤のものを身につけていれば先生に怒られない!」
凛「おお?!」
希「かしこみかしこみっ!」
海未「ふむ……赤のものですか」ゴソゴソ
凛「案外持ってないよねー」
海未「うーん……あ、ありましたよ」
希「……?なんや、これ」
海未「お昼ご飯の梅干の種です」
希「って、きたなっ!ばっち!」
凛「わざわざお弁当箱から出したのー!?」
海未「いえ、私は梅干しを食べたあと、種はティシュに包む派です。ですから厳密に言えばティシュから出しました」
希「なんにしろ汚いわっ!?」
凛「乙女として失格にゃーー!」
先生「東條っ!星空っ!廊下でうるさいぞ!」
希「は、はぃぃ……」
凛「ご、ごめんなさい……」
海未「……ふふふ、やっぱり希の占いはすごいです」
52:
真姫「……なんで昇降口にいるのよ」
海未「帰ろうと思いまして」
真姫「まだお昼だけど…」
海未「お弁当を食べたら眠くなってしまいました」
真姫「子供みたいな理由付けてるんじゃないわよ」
海未「でも眠いものは眠いのです。真姫こそ何故ここに?」
真姫「私はただ帰るだけ。もう今日受けたい授業ないし」
海未「なんてわがままな……」
真姫「あなただけには言われたくないわよ」
海未「む……ですが、好都合です」
真姫「なによ」
海未「見てください。雪がちらほらと降っています」
真姫「そうね」
海未「私の手には何がありますか」
真姫「………鞄?」
海未「さて、真姫の手には何がありますか」
真姫「鞄……と、傘……」
海未「入れてください」
真姫「……言うと思った」
53:
海未「さて、どちらが傘を持ちますか」
真姫「どっちでもいいじゃないの。身長そんなに差ないし」
海未「では入れてもらうので私が持ちます」
真姫「どうも」
海未「…………むむ…」プルプル
真姫「……なにしてるのよ」
海未「実は私……傘が怖いのです」
真姫「どういうことよ」
海未「この傘、カチッとするやつじゃないですか」
真姫「ええ」
海未「このタイプの傘は開いた時にぼんって爆発するので苦手です。私はあのレバーのような、徐々に開いて行くやつしか駄目なのです」
真姫「はぁ……かしなさい」
海未「……」フルフル
真姫「ああもう、かして……えいっ」カチッ
ボンッ
海未「わっ…!」
真姫「はい、終わり。帰るわよ」
54:
海未「真姫、どうしても肩に雪がかかりますね」
真姫「当たり前よ。2人で入れば傘が少々きつくなることぐらい想定済みでしょ」
海未「すいません……真姫ひとりなら濡れることもなかったのに」
真姫「いいのよ。どうせ1人でも濡れてたわ」
海未「傘ってうまくさせませんよね。顔にかかるので前に倒せば背中が濡れて、背中を守るために後ろに倒せば次は顔が濡れます」
真姫「本末転倒よね」
海未「まあ、このくらいの雪なら大丈夫ですけど。今だってほら、肩は少し濡れていますが他は濡れていません」
真姫「そう考えると案外傘って大きくて広いのね」
海未「はい……ですから、今窮屈さを感じないのもそのためかも知れませんね。むしろ、暖かく感じます」
真姫「ま、そうね」
海未「これくらいの雨雪なら2人で帰った方がいいかもしれません」
真姫「……私の気が向いたらね」
57:
海未「本当によかったのですか」
真姫「なにがよ」
海未「私の家まで送ってもらって」
真姫「別に」
海未「真姫の家からで良かったのですよ」
真姫「そんなことしたらあなたに傘貸さないといけなくなるでしょ。返ってきそうにないから嫌なの」
海未「そうですか……あ、待っていてください」
真姫「……」
海未「お待たせしました。タオルを持ってきました。真姫、どうぞ」
真姫「……ありがと」
海未「それからこれも持ってきました」
真姫「……傘?」
海未「はい。次は私が真姫を送ります」
真姫「は……いいわよ、そんなの。私がここまであなたを送ったのがバカみたいじゃない」
海未「タオルと傘を取りにくるためだと思えばいいのです」
真姫「あっそ……」
海未「あ、私の傘はちゃんと……」ググッ
ポンッ
真姫「……レバー式ね」
海未「はいっ」
58:
絵里「失礼します……って音楽室に入るのに教師が言うのも変よね」
真姫「あら、エリー」
絵里「真姫ぃ……やっぱりここにいた。あれだけ音楽室にこもるのはやめなさいって……」
真姫「しーっ……」
絵里「……? なによ」
海未「……」スースー
絵里「へっ!?なんで生徒がまた……」
真姫「だから静かにしなさいよ。寝てるでしょ」
絵里「ふ、増えてる……」
真姫「ああ、そうね。1人増えたわね」
絵里「ああ…違う……私の悩みが増えたんだわ……」
真姫「あんまり悩みすぎると老けるわよ?」
絵里「ご心配感謝するわ。その悩みの種を作ってるのは誰かしらね」
真姫「さぁ」
海未「ん……誰ですか……」
真姫「あら、おはよう」
海未「おはようございます……あ、絢瀬先生じゃないですか」
絵里「おはよう。冷静ね、園田海未さん」
59:
真姫「そもそもなんでエリーはここに来たの」
絵里「他の生徒が授業受けてる間に音楽室でダラダラしてる生徒が約1…いえ、2名いる。それだけ言えば説明が完了するけれど?」
海未「絢瀬先生、そういえば今私のクラスでは何の授業をしていましたか?」
絵里「そうね……確か、数学よ」
海未「ああ数学ですか……授業に出なくて正解でした。あ、教えていただきありがとうございます」
絵里「いえいえ……ってそうじゃないでしょう?嫌でも受けなきゃ駄目よ」
海未「うーん……でももう面倒です……一度座ると不思議なもので動きたくなくなるのです」
絵里「もう、ピシッとしなさい。若いだから。ピシッと、ピシッと!」
真姫「この前上下スウェットでコンビニ行ってた人が何言ってるのよ」
絵里「こら、教師のプライベートを暴露しないの。というかなんで知ってるのよ」
真姫「たまたま窓から見えたの」
海未「コンビニ……いいですね。私も最近パンを求めてコンビニに行こうと何度か試みたのですが……誘惑に負けてしまう、と結局行けず仕舞いです」
絵里「どういうことなのよ……はぁ、もう私しは次の授業あるから行くわね」
真姫「いってらっしゃい」
海未「いってらっしゃいです」
絵里「あなた達もいくの!」
65:
海未「よいしょっと……」カラララ
真姫「……なんでこの寒い冬に窓開けるのよ」
海未「換気です。冬は乾燥しますから」
真姫「ただでさえ音楽室寒いのよ?閉めなさ……」
ヒュオオオオオォ
真姫「さむっ……!」
海未「寒いです……」
真姫「ほらやっぱりあなたも寒いんじゃないの」
海未「ですが風邪ひくよりは寒いのを我慢した方がいいです」
真姫「そう?私は風邪ひく方がマシだと思うけど」
海未「またそういうことを!ヒーターで風邪ひいたー、というより換気で歓喜しましょう!」
真姫「………さむっ」
海未「……窓、閉めましょうか」
66:
海未「真姫の名前ってどういう字を書くのですか?」
真姫「そうね……真面目の真にお姫さまの姫よ」
海未「おお……!可愛らしいです。やはり女の子には?姫とか?子とか?美とかつけたいですよね」
真姫「そういうあなたは?一文字?」
海未「いえ、二文字です」
真姫「え……でもどうやってあなたの名前で二文字なんて表すの」
海未「さて……漢字的にはあの広い海の海と未来の未で表します」
真姫「……それじゃあうみみ、じゃないの」
海未「やめてくださいよっ!散々小さい頃から
かわれたんですよ!?」
真姫「ふふ……うみみ、うみみ…」
海未「もう……そういう真姫は……あ、絶対読み違えませんね……」
真姫「すごいでしょう」
海未「むう……ずるいです」
真姫「あなたこそ、名前に面白みあってずるいわ」
海未「名前に面白みなんていりませんっ」
67:
海未「そろそろお昼ご飯を食べましょう」
真姫「そうね」
海未「真姫、コンビニのパンは」
真姫「はいはい、あるから」
ガラッ
希「あー!やっぱりここにいた!」
凛「海未ちゃーん!」
海未「凛、希。何故ここに……」
凛「あのねー、絢瀬先生に教えてもらったの!音楽室に海未ちゃんいるって!」
海未「そうなのですか」
希「一緒にご飯たべよーっ!」
海未「私はかまいませんよ」
真姫「……私も別にいいわよ」
凛「あっ!西木野さんだにゃ!」
真姫「そうだけど」
凛「凛のことわかるー?隣の席の!」
真姫「……ごめん、知らない」
凛「えーっ」
希「はいはいはーいっ!じゃあうちは?」
真姫「え?」
希「隣の組ののんちゃん!」
真姫「もっと知らないわよ……」
68:
凛「なるほどねー、ふたりはここでいつもサボってるんだー」
海未「はい、まあ」
凛「もーっ、隣がいなくて寂しいんだよ?」
真姫「……ごめんなさい」
凛「あはは、冗談だにゃ。そんなに落ち込まないでよー」
真姫「べ、別に落ち込んでなんか…」
希「というかうちだけクラス違う!やーん、仲間はずれやー」
凛「あ、西木野さんパンいいなー!ひと口ちょうだい!」
海未「待ってください!私がまだもらって……」
希「じゃあうちも!」
真姫「わ、わかったから……半分あなた達にあげるわ。勝手に食べなさいよ」
凛「わーいっ」
希「ありがとう西木野さん♪」
凛「じゃあ凛の唐揚げあげるね!」
希「うちはさくらんぼさんあげるー!」
真姫「あ、ありがと」
海未「では私は炒飯ひと口あげます」
真姫「それはもう食べ飽きたからいらないわよ……」
69:
希「じゃあっ、授業行くな!」
凛「またねー!海未ちゃん、西木野さん」
海未「はい、また」
真姫「ええ」
希「はい、西木野さん。これあげる」
真姫「……なにこれ」
希「ガム!午後からの眠気にはこれで勝てっ!」
凛「あー!いいなー!凛も凛もー!」
希「いいよー!」
バタン
海未「言っちゃいました」
真姫「そうね」
真姫(……久しぶりに、賑やかだった)
真姫(中学の時もまともに友達いなかったし……)
真姫(どうやって話したらいいのか分かんなかったけど……あんな感じでよかったのかしら)
真姫(……空気壊したりしてないかしら)
真姫(……邪魔だって思われてないかしら)
真姫(まあ……関係ないけど)
海未「真姫?ガム食べないんですか?それなら私がもらいましょうか」
真姫「……あげない」パクッ
71:
海未「真姫の髪はふわふわですね」
真姫「そう?」
海未「はい。ここの……部分がふわふわしてて可愛らしいです」
真姫「ちょっ……触らないで」
海未「お詫びに私の髪も触っていいですよ」
真姫「……」
海未「どうです?」
真姫「……さらさらしてる」
海未「本当ですか?」
真姫「ええ」
海未「ふふふ、嬉しいです」
真姫「なにか手入れしてるの?」
海未「いいえ。特には。そういう真姫は?」
真姫「……シャンプーを頑張ってる」
海未「それは……手入れというのですか?」
真姫「うるさいわね。くせっ毛だからちゃんとしないと朝大変なのよ」
海未「ふむ……私はストレートなのでくせっ毛の人が羨ましいです」
真姫「……よく言うわよね。くせのない髪の毛の人はそうやって」
海未「くせっ毛の人もそうやってよく言い返してきますよね。ふふふ」
真姫「あなたに1日くせっ毛になる呪いをかけたいわ」
海未「面白い呪いですね。ぜひかかりたいものです」
73:
真姫「…ん」
ことり「あ、おはようございますっ」
真姫「……どこ、ですか。ここ」
ことり「保健室だよ」
真姫「……なんで」
ことり「音楽室で寝てたでしょ」
真姫「…はい」
ことり「海未ちゃんがね、その後音楽室に来たらしくて……熱があるように見えたから、ここに運んできてくれたの」
真姫「……あの子、が?」
ことり「あ、違くて……厳密に言えば海未ちゃんが運んだんじゃないの。絢瀬先生がおんぶしてくれたみたい」
真姫「……早い話、あの子がエリーをよんだってことですね」
ことり「うん。海未ちゃん曰く、絢瀬先生がなんとなく力持ちに見えたので、だって」
真姫「そう、なんですか。なんか、私がすごい重たい人みたいなんですけど」
ことり「でも人ひとり運ぶのってすごく大変なことだから……先生をよんだのは賢明な判断だったと思うなぁ」
真姫「……」
ことり「あ、熱測れるかな?」
真姫「……はい」
74:
凛「西木野さーんっ!」
海未「こらこら、凛。真姫は病人なのですから静かにしないと」
凛「ごめんなさぁい……」
真姫「い、いいのよ別に……そんな、気をつかってくれなくても」
海未「南先生。真姫、やっぱり熱はありましたか?」
ことり「うん…ちょっと高めの熱があるね…」
海未「ふむ……」ピトッ
真姫「って、冷た……!なにするのよ…!」
海未「おでこ……やっぱり熱いですね」
真姫「聞きなさいよ……」
海未「真姫、1人で帰れますか?」
真姫「帰れるわよ……」
ことり「さすがに1人で帰らせるわけにはいかないから、私が後で車でおくるね。だから大丈夫だよ」
海未「本当ですか?ありがとうございます…」
凛「海未ちゃん……西木野さんのお母さんみたいだにゃ」
真姫「……ほんとにね」
海未「そうですか?」
真姫「というかあのおっぱいの大きい子はいなの?」
凛「あはは、希ちゃんのことかにゃ?希ちゃんは部活があるから……」
真姫「ふぅん」
凛「会いたかったー?」
真姫「いや、珍しいなって」
75:
ことり「……え、ほんと?」
絵里「ええ。真姫とは家が近所だから」
ことり「ありがとう。本当は養護教諭の先生がしないとなのに……」
絵里「いいのよ。今日はもう仕事終わったし。それにほとんど帰り道だから一石二鳥でしょ?」
ことり「じゃあお願いするね」
絵里「任せて」
真姫「ん……エリー?」
絵里「あら、起きた?サボり魔さん?」
真姫「うる、さい……」
真姫(……また少し、寝てたみたい)
絵里「ほら、帰るわよ」
真姫「は?エリーとなの?」
絵里「そうよ。ご近所さんなんだから。ほら、おんぶしてあげましょうか?」
真姫「いらないわよ。1人で歩けるわ」
絵里「ふふ、さっきは大人しく私の背中に体預けてたくせに」
真姫「意識なかったからよ」
絵里「もう……生意気になったわね。小さい頃はよく真姫の方から抱きついてきたのに」
真姫「記憶にナイデス」
ことり「ふふふ、仲良しさんだね」
真姫「仲良しじゃないから」
絵里「あ!南先生にもタメ口なの?それは許さないわ」
真姫「はいはいごめんなさい……車出してくれるんでしょ?早く帰りましょうよ」
絵里「かわいくないんだから……」
76:
海未「真姫がよくなってよかったです」
真姫「どうも」
海未「真姫が休んだ日はコンビニのパンが食べられなくて寂しかったです」
真姫「……現金すぎ」
海未「嘘です」
真姫「ほんとかしらね」
海未「あ、これ飲んでください」
真姫「……なにこれ」
海未「見手の通り、お茶です」
真姫「……」
海未「どうですか?」
真姫「…こほっ、まずっ……」
海未「多少我慢してください」
真姫「な、なによこれ……」
海未「高麗人参茶です」
真姫「こう、らい……?」
海未「身体にいいんですよ。体調が整うことはもちろん、美容などにもいいです」
真姫「あなた水筒になんてもの入れてるのよ……」
海未「真姫のためを思って……ん?」
真姫「……どうしたの?」
海未「真姫ぃ……水筒が臭くなってしまいました……」
真姫「自業自得よ……」
海未「責任持って真姫がこのお茶は全て飲んでください」
真姫「絶対いや」
77:
真姫「へぇ……妹がいたのね」
海未「はい。まだ小さくて……可愛いんですよ」
真姫「何して遊ぶの」
海未「そうですね……かくれんぼ、おままごと……あ、この間お医者さんごっこしました」
真姫「へぇ、どんな感じなの?」
海未「………オナカイタイ」
真姫「……なによそれ。てか、それ私の真似なの……?」
海未「……ほらっ、早く見てくださいっ。お医者様」
真姫「え、なにか始まってるのこれ」
海未「早く」
真姫「 …え、えっと……」
海未「……タブンモウチョウ」
真姫「っ、い、いみわかんない……」
海未「ほら、何笑ってるのですか……うっ……オナカイタイ……」
真姫「ふ、ふふ……私の真似する必要ないでしょ……くっ……」
海未「そして決め言葉。手術なんてドンウォーリー☆」
真姫「……っ、ふっ、ふふふ……」
海未「ちゃんちゃん……と、まあこんな感じです」
真姫「妹といつもこんなことしてるの?」
海未「いえ、妹とはお医者さんごっこでこんなことはしません」
真姫「じゃあさっきまでのあんだったのよ」
89:
海未「お正月がもう一度くればいいのに、と思います」
真姫「なんでよ」
海未「夜ふかししても怒られませんし、お年玉がもらえるからです」
真姫「小学生か」
海未「そのツッコミを待ってました。ですが、本当にお正月っていいものではありませんか? 1年の中で一番時間の流れがゆーっくりな気がします」
真姫「そうかしら」
海未「はい。真姫はどうです?」
真姫「私はあんまり……お正月も普通に家で勉強して、寝て、すごしたわ」
海未「おもちは食べてませんか?」
真姫「食べてないわね」
海未「えっ……ありえません。お雑煮は?お雑煮の中におもちは……」
真姫「お雑煮は食べたけど……お雑煮の中におもちは入ってなかったわ」
海未「あなたは…人生の半分以上を損しています」
真姫「大袈裟ね。おもち食べなくても生きていけるわよ」
海未「いいえダメです勿体ない」
真姫「だって……家におもちないのよ。食べようがないじゃない」
海未「それなら来年は食べましょう。私がおもちくらいなら食べさせてあげます」
真姫「来年……まあ、いいけど」
海未「楽しみですね。真姫」
真姫「そうね」
90:
凛「お正月……お正月はねー、たくさん寝たよ。それからいっぱいお年玉もらった!」
海未「凛は寝正月ですか?」
凛「うん。でも海未ちゃんと、希ちゃんと初詣に行ったよねー」
真姫「ふぅん」
凛「いっぱい屋台が出ててワクワクしたにゃ。西木野さんは初詣行った?」
真姫「行ってないわね。人混み苦手だし」
海未「でも初詣はいいものですよ。なんだか1年のスタートが切れる気がしますし、なにより楽しいんです」
真姫「楽しいの?」
海未「ええ。多分、凛達と行ったからなんだと思いますが。例えば私が初詣に1人でいったら……まあそれなりに楽しめると思いますが、やはりみんなで行ったほうが楽しいものなんです」
真姫「……」
凛「えへへ、凛も楽しかったにゃ。新年早々いい思い出がたくさんできたよね」
海未「はい」
凛「甘酒はちょっぴり凛は苦手だったけどさ、みんなと飲んだらなんとなくおいしい感じがしたもん」
海未「美味しいじゃないですか。甘酒」
凛「うーん、微妙かな。凛的にはね」
真姫「……私も、行きたい」
凛「へ?」
真姫「なんか、行きたくなったの」
海未「ふふ、真姫はあわてんぼうですね。お正月はまだまだ先ですよ」
真姫「……知ってる」
海未「なら来年は行きましょう。それからおもちを食べましょう」
真姫「……うん」
92:
希「しっつれいしまーす!海未ちゃんいるー?……ってありゃ?」
真姫「……」
希「西木野さんだけなのか!」
真姫「ご、ごめんなさい……」
希「謝ることないよー!いや、あのな、うちお昼ご飯食べたくてね、ぼっちはいややーってことで海未ちゃん探してたんだけど……」
真姫「……ええ」
希「西木野さんいるならそれでよーし!一緒にご飯たーべよっ」
真姫「べ、別にいいけど……」
希「なら決まりっ!いやー海未ちゃん凛ちゃん以外の人とお昼ご飯食べるの久しぶりやわー」
真姫「そうなの?」
希「うん!だって2人と食べたら運気が上がるってタロットカードの占いで出てるんだもん!」
真姫「タロット……?」
希「あーーーっ!もしかして西木野さん超常現象に興味あるん!?」
真姫「!?」ビクッ
希「それならわが音ノ木坂学院最小最弱の部活超常現象研究会に入っとこか!」
真姫「えっ」
希「その超常現象研究会部長がこの希ちゃんなんだもん!入部希望はいつでも完全受け付け中? 今ならお得な希ちゃんの特別お祓い付き?」
真姫「……」
希「入ってくれるよね☆」
真姫「おことわりします」
93:
希「そんなにきっぱり断らなくてもいいのにーのんちゃんないちゃうわーぐすん」
真姫「それはごめんなさい」
希「ほんとに悪いって思ってるん?んもうっ」
真姫「その……ご飯たべないの?私もう食べ始めてるけど」
希「あ、食べる食べる。真姫ちゃん。手を合わせましょう」
真姫「え……こ、こう?」
希「うんうん、そうそう!ご飯食べる前には……いただきますっ!」
真姫「い、ただきます……」
希「はーあ、というかまた勧誘失敗しちゃった」
真姫「……あの、仲のいい2人は入ってくれないわけ?」
希「あー誘ったけどまーったくもって無理無理……あ、そういえば西木野さんの断り方、海未ちゃんに似てた!」
真姫「え?」
希「……こう…『おことわりします』きりっ…ってな感じで?」
真姫「ふぅん……」
真姫(……あの子と、似てる、の。なんか……)
希「西木野さんなにニヤニヤしとるんよ」
真姫「してないから」
希「えっちな証拠やな。いやーん」
真姫「なんなのよあなた」
94:
希「真姫ちゃん」
真姫「なによ」
希「おお、返事してくれた」
真姫「するわよ。名前呼ばれたんだから」
希「西木野さん」
真姫「はい、もうだからなによ」
希「うちな、人の名前呼ぶの好きなん」
真姫「へぇ」
希「でも名字で呼ぶのは苦手なんよ」
真姫「さっきまで西木野さんって呼んでたくせに」
希「嫌々呼んでたに決まってるやん!そ・れ・に!……気が付いた?うち一回だけ名前で呼んでたんよ!」
真姫「気が付くわけないでしょ」
希「なんでやねーん!普通気が付くやろーーっ!」
真姫「あなたの普通の基準おかしいでしょ……」
希「もうっ。 ……ま、いいや。じゃあうちのことはのんちゃん、でいいからね!」
真姫「センスを感じないからイヤ」
希「真姫ちゃんのセンス感じる基準おかしいやろ……」
真姫「マネしないで」
96:
海未「あ、芯が切れてしまいました」
真姫「シャーペン?」
海未「はい」
真姫「ある?」
海未「確かこの辺に……」
真姫「シャー芯の替えってペン入れの奥の方にすぐいっちゃって、いざ使おうとすると困るのよね」
海未「はいそうなんです……」
真姫「……」
海未「……」
真姫「もう、あげるから。はい」
海未「ありがとうございます。いやしかし……私の芯の替えはどこに行ったのでしょうか」
真姫「知らないわよ」
海未「あ、分かりました。一旦全て筆箱の中身を出してみましょう」ザバー
真姫「筆箱って言い方……」
海未「はい?」
真姫「なんか、かわいい」
海未「そうですかね………あ!」
真姫「どうしたの」
海未「謎が解けましたよ」
真姫「解けたの?」
海未「芯が消えた謎、それは……新しい芯の替えを、使い切ってから買ってなかったのです」
真姫「なにが謎よ」
97:
海未「綺麗ですね」
真姫「え?」
海未「夕暮れ、この季節に珍しいです」
真姫「ああ。 ……まだ4時半なのに、空がすごく赤いわ」
海未「冬は日没が早いですからね。今日は天気が良かったので夕日がよく見えます」
真姫「たまには窓から空を見上げるのもいいかもしれないわね」
海未「はい……冬の夕暮れは夏と比べて色が淡くて綺麗です」
真姫「確かに、あんまり眩しくないかも」
海未「あ」
真姫「なによ」
海未「混じってますよ」
真姫「は?」
海未「赤、青が、綺麗に混じってます」
真姫「……」
海未「この空の色は、冬にしか見られませんね」
真姫「……永遠に、見られたらいいのに」
海未「ふふふ、永遠にはちょっと無理じゃないですか」
真姫「そうかしら」
海未「それに、たまには眩しい太陽や青い空だってないと、ね?」
真姫「……あっそ」
98:
真姫「冬になっても肌って白くならないものね」
海未「充分白いじゃないですか」
真姫「でも昔に比べて黒くなった気がして」
海未「日にあたっていれば確実に黒くなりますから仕方ないですよ。健康な証拠です」
真姫「そういうあなたはどうなの」
海未「はい?」
真姫「肌、やけない?」
海未「うーん……そうですね、あまり意識したことがなかったですから」
真姫「腕だして」
海未「はい」
真姫「……」
海未「どうです?」
真姫「……少し、私の方が、黒い、かも」
海未「そうですかね?」
真姫「ええ」
海未「真姫は気にしすぎです。先ほど言いましたが真姫は充分白いです」
真姫「おだてるのが上手ね」
海未「おだてるなんてことないです。私、恥ずかしながら嘘はつけない性格なんです」
真姫「なんとなく分かるわ」
海未「ですから、安心してください。嘘ついてませんよ」
真姫「……」
海未「とにかく正直な園田です」
真姫「はいはい」
99:
海未「短いです」
真姫「なにがよ」
海未「真姫のスカートの長さがです」
真姫「普通でしょ。というかあなたのも言って短いじゃないの」
海未「私は……凛と希に無理やりあげられたのです。入学当初は膝丈だったのですがダサいダサいと口撃を受けまして」
真姫「それは災難ね。まあいいんじゃない?今どき膝丈ってどんだけ真面目よ」
海未「よくないですよ……許されるものなら膝丈を通り越して踝丈がいいくらいです」
真姫「それ真面目通り越していつのヤンキーよって話だから」
海未「だって落ち着かないんです。下着が見えてしまわないか…とか」
真姫「……」
海未「私なんかの脚をこんなに多っぴろに晒してしまっていいのか…とか」
真姫「……あなたの脚、綺麗だからいいじゃない。……し、下着は、その、知らないけど…」
海未「ありがとうございます……なんだか真姫に褒められると嬉しいですね」
真姫「そ、そう」
海未「私も真姫の脚、綺麗だと思います」
真姫「……ありがと」
100:
?♪
真姫「……これでいい?」
海未「……」
真姫「ちょっと、あなたがピアノひいてみせろって言ったからひいたのに……無反応はないんじゃない?」
海未「あ、すいません……あまりにも音色が素晴らしくて聞き入っていました」
真姫「……なんでそうあなたは恥ずかしいことすぐ言えるのよ」
海未「別に恥ずかしくないからです。そうそう、真姫、あの……最初のところもう一度引いてみてくれませんか?」
真姫「……いいけど」
?♪
海未「……あいしてるばんざーい」
真姫「……え?」ピタッ
海未「すいません。なんか、頭に歌詞が浮かんだのです。思わず口ずさんでしまいました」
真姫「……」
海未「ほんとに、すいません。気持ち悪かったですよね」
真姫「……嬉しい」
海未「え?」
真姫「私、ピアノを褒められたことなんて一度もなかったわ。ましてや、自己満足で、自分の曲が弾ければいいって気持ちだったから……歌詞なんて、考えたことなかった」
海未「……」
真姫「嬉しいの、ありがとう。海未ちゃん」
海未「ふふ……こちらこそ、素晴らしい演奏をありがとうございます」
114:
海未「もうすぐ1月も終わります」
真姫「そういえばそうね」
海未「次は2月ですね。2月といえば……何かありましたっけ?1月はお正月……ときましたから節分?」
真姫「……あるわね」
海未「あとは……うーん、なにかありましたっけ?2月って特に行事がないので、なんとなく気が抜けてしまいます」
真姫「あの……」
海未「はい?」
真姫「……バレンタイン、とか」
海未「……おお」
真姫「……うん」
海未「想い人に気持ちを伝えるとともにチョコを渡す、でしたっけ。なんだかピンときませんね」
真姫「……う、海未ちゃんは」
海未「はい?」
真姫「その……誰かにあげる予定、とか」
海未「そうですね……特には」
真姫「よ、よかったわ」
海未「えっ、いいのですか」
真姫「よくはないけど……なんか、安心するというか」
海未「えっと、はい?」
真姫「なんでもない……」
海未「……今日の真姫はキレがないですね。遅めのお正月ボケですか?」
真姫「うるさい」
116:
真姫「痩せたいわ」
海未「え?」
真姫「……痩せたいの」
海未「食事中にまたなにを」
真姫「あなた見てたらなんとなく、痩せたくなって」
海未「なぜです?」
真姫「……とりあえずあなたは箸を置きなさいよ。むかつくから」
海未「ご、ごめんなさいです」
真姫「……」
海未「真姫、その、痩せる必要はないかと。というか私を見てって……」
真姫「海未ちゃんすらっとしてるから、腹立つし」
海未「真姫も充分……」
真姫「こう……ぺたっとしてるっていうのかしら。無駄な肉がない感じで……」
海未「真姫、それ以上は」
真姫「えっ」
海未「それ以上はやめてください……私の身体をそんなに悪く言うのは……」
真姫「えっ、えっ…………あ」
海未「うっ……」
真姫「ち、ちがくて!その、いい意味だったの!ほんとよ?」
海未「ほんと、ですか?」
真姫「う、うん……海未ちゃんの身体綺麗ってことで……」
海未「ふふふ、よかったです!では真姫、ご飯を食べましょう」
真姫「……いただきます」
117:
にこ「あんた達まだいたの?」
海未「あ、矢澤先生。おはようございます」
にこ「はいおはよう。次音楽の授業あるからねー。時計見てさっさと退散するように」
海未「え、そうでしたっけ」
にこ「そうよ」
海未「そこをなんとか。次数学なんです。意地でも教室に戻りたくないのですが」
にこ「知らないわよ……とにかくここはダメ。そこでむすっとしてる真姫ちゃんも音楽室から出るように」
真姫「……はい」
にこ「はぁ、もう手がかかるわね」
海未「そういえば矢澤先生はあまりうるさく言いませんね。私たちのこと放っておいていいのですか?」
にこ「あんたそれ自分で言うの?」
海未「はい、気になったので」
にこ「そうね、あんた達一応必要な単位はとってるみたいだし、特に音楽室荒らしたりするわけでもないし、注意する要素もないでしょ」
海未「なるほど」
にこ「ま、難ある生徒ってことにはかわりないわよ。さっさと行ったいったー!」
海未「仕方ないです。行きましょう、真姫」
真姫「ええ」
にこ「あと1つ言うけど、あんた達2人とも選択科目音楽でしょ? 授業数少ないんだから頑張りなさいよ」
真姫「……分かってます」
にこ「変に歌わせたりしないから、たまには顔だしなさいよ」
海未「はい」
真姫「お気遣いどうも」
118:
海未「授業、受けましょうか」
真姫「そうね、行くあてもないし」
海未「はい」
ガラッ
モブ1「あ、西木野さん達だ……」ヒソヒソ
モブ2「なんで園田さんと一緒なの?」ヒソヒソ
海未「……」
真姫「……」
真姫(……今まで何言われようと平気だったし、今でもそうだけど……)
真姫(……海未ちゃんが横にいるって考えるとなんだか落ち着かないわ)
真姫(私のせいで海未ちゃんまで悪印象、ってことは避けたい……)
真姫(というか海未ちゃんが気にしてたらどうしよう……)
真姫(海未ちゃんには、友達もいるのに……こんなの嫌よね)
真姫(どうしたらいいのかしら)
海未「真姫?」
真姫「えっと……注目、されてる」
海未「え?」
真姫「だから、その、」
海未「真姫がかわいいからじゃないですか?」
真姫「……っ、え?」
海未「みんな、びっくりしてます。ふふ」
真姫「……」
海未「真姫?」
真姫「……ぷっ、そうかも」
119:
凛「真姫ちゃんなんでそんなに頭いいのー!?」
真姫「な、なにいきなり」
凛「だってだって!授業中先生にさー、いきなり当てられても答えてた!」
真姫「当てられたから……答えただけよ」
凛「それが普通は出来ないから言ってるにゃー!あんなにおサボりさんなのになんでなんでー!?」
真姫「し、知らないわよ」
凛「いいなーいいなー。凛も頭良くなりたーい」
真姫「……そういえば……そうだわ」
凛「にゃ?」
真姫「子供も猫よりまし、ってことわざあるの知ってる?」
凛「えー知らない。なんて意味?」
真姫「そのままの意味」
凛「えーえー…………」
真姫「……」
凛「……あ、あー!!凛、すっごい馬鹿にされた!!」
真姫「ふふふ……」
凛「真姫ちゃんひどい!」
真姫「ごめんなさい。冗談だから」
凛「ひどいよー………あ、あとね……」
真姫「なによ」
凛「その……さっきから呼んでるんだけどさ、凛も、真姫ちゃん、って呼んでいい?希ちゃんが呼んでたから……」
真姫「その……勝手にして」
凛「わーい!」
127:
海未「……む、む……」ポチポチ
真姫「……」
海未「あ、あっ、あ、あ……」
真姫「なにやってんの」
海未「……」ポチポチ
真姫「……海未ちゃん」
海未「あ、はい」
真姫「はぁ……なにやってんの」
海未「スマホゲームです」
真姫「へぇ、以外ね。あなたもゲームしたりするの」
海未「はい。最近凛に教えてもらったゲームにハマっていまして……楽しいですよ」
真姫「どんなの?」
海未「ピアノのゲームといいますか。この……落ちてくる黒い四角をリズムに合わせて押していけば…………む、むむっ……」ポチポチ
真姫「人に説明してる途中にゲーム始めないの」
海未「すいません……ですが、ですが、止まってはくれないのです、リズムが、リズムが……」
真姫「はいはい私が悪かったわよ。ゲームやってなさい」
海未「はい……」ポチポチ
真姫「……」
海未「あ、あ、お、終わってしまいました……」
真姫「あら、残念ね」
海未「もう少しだったのに……て、なんで真姫がちょっと怒ってるんですか」
真姫「べつに」
128:
海未「真姫、私は節度を守ってます」
真姫「は、いきなりなによ」
海未「いやあの、真姫が私の目が悪くなるのではないかと心配しているのかと思いまして」
真姫「……」
海未「だから、説教は無しですよ?私、ゲームばかりというわけでは……」
真姫「べつに」
海未「真姫、怒らないで」
真姫「……べつに」
海未「べつに、以外喋ってくださいよ」
真姫「え、その……お、怒ってないし」
海未「よかったです……!」
真姫「でもなんでそんなにゲームハマるの。いみわかんない」
海未「……実はこれ、ピアノのリズムゲームなのです。音無しでやってたから分からないかもですけど」
真姫「そうなの」
海未「この黒い四角はピアノの鍵盤にみたてているのです」
真姫「興味深いわね」
海未「でも私、実際ピアノひけないんです」
真姫「知ってるけど」
海未「それゆえ、ピアノ弾ける真姫がかっこいいって思うのです」
真姫「そうかしら」
海未「ですから、このゲームをしている間、気分は真姫です」
真姫「勝手になに……」
海未「私、ピアノ弾けちゃうんです。真姫になれちゃうんです。えへへ……」
真姫「…………どう、も」
129:
真姫「だいたい、ケータイでゲームするってこと自体間違っているのよ」
海未「そうですか?」
真姫「だって本来は人と連絡とるものでしょ。ゲームだのなんだのって無駄な機能付きすぎ」
海未「面白いじゃないですか」
真姫「面白いかもだけど……私が暇になるのよ。ケータイゲームに……奪われるっていうか」
海未「はい?」
真姫「その……なんでもない」
海未「あ、分かりました。暇になるというなら真姫もゲームすればいいんです」
真姫「うるさい」
海未「ひどいです」
真姫「まあ本題に戻るけど、つまり連絡とるものでしょ」
海未「はい」
真姫「だ、だからね」
海未「はい」
真姫「私と海未ちゃん、連絡とれた方がいいんじゃない、かしら?」
海未「おお……なるほど」
真姫「で、どうなの。してくれるの」
海未「しますします」
真姫「そ、そう。じゃあLINE交換しましょ」
海未「あ、すいません。私それしてなくて……電話番号とメールアドレスなら」
真姫「は?」
海未「最近の若い子にはついていけません」
真姫「リズムゲームするくせに」
海未「それとこれとは話が別ですよ」
131:
真姫「海未ちゃんって学校終わって何してるの」
海未「ええと、そうですね……帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝ます」
真姫「そうじゃなくて、帰るまでが知りたい、というか」
海未「帰るまで……? 歩いてますが」
真姫「そういうことじゃなくて」
海未「え?」
真姫「なんていうか、向かう先は家だけ、なの」
海未「はい」
真姫「暇、なら遊びにいったりとか」
海未「遊びに?」
真姫「いっ、嫌ならいいけどっ」
海未「私とですか?」
真姫「当たり前でしょ。あなたに向かって話してるんだから」
海未「もちろんいいですよ。行きましょう」
真姫「ほんと?」
海未「はい」
真姫「なら行くとこ決めなきゃね。海未ちゃんはどこに行きたい?」
海未「……うーん」
真姫「私はどこでもいいから」
海未「では、コンビニで」
真姫「本気で言ってる?」
海未「え、は、はい」
真姫「なんか……まあいいけど」
海未「ふふふ、初めての寄り道です」
真姫「ふーん、なによりね」
海未「真姫といたらたくさん楽しいです。コンビニも楽しみです」
真姫「……そう」
132:
海未「では行きましょうか」
真姫「言いたいことがあるんだけど」
海未「あ、はい」
真姫「下校時間で、みんな今帰ってるから」
海未「帰ってますね」
真姫「だから、そこのコンビニ混んでるわよ」
海未「混んでますね」
真姫「混んでるから」
海未「はい」
真姫「その、混んでるから……」
海未「はい、はい」
真姫「あそこのコンビニは良くないというか……」
海未「そうなんですか?」
真姫「し、品揃え悪いし、がらも悪いし」
海未「おお、たまげましたね」
真姫「………もういっこ先の、コンビニ行きましょうよ」
海未「……え?」
真姫「……強引ってわけじゃ、」
海未「あの、すいません。早口で何言っていたのか……さっぱり……」
真姫「あ、ああもう!……もういっこ先のコンビニ行くの!」
海未「えっ」
真姫「い、行くの!」ガシッ
海未「あの」
真姫「はやく、行くの!」グイグイ
海未「え、ええ」
133:
海未「……」
真姫「……」
海未「……真姫、あの」
真姫「なによ」
海未「て」
真姫「なに」
海未「て、です。手」
真姫「あ、その、つい、握っちゃったっていうか、他意とかなくて」
海未「ちがくて。その、ちょっと痛いです」
真姫「……ん」
海未「……ああ、やっと力を緩めてくれましたね」
真姫「……だから謝ってるでしょ」
海未「すいません」
真姫「……」
海未「その」
真姫「なに」
海未「度々すいませんが」
真姫「だからなによ」
海未「……手、繋いだままですか」
真姫「……海未ちゃんが嫌なら離す」
海未「……」
真姫「……」
海未「……あったかいですね」
真姫「……そうね」 ?
Rock54:
135:
海未「着いちゃいました」
真姫「そうね」
海未「……とうとうこの日が来ました。私の、コンビニデビューの日が」
真姫「大袈裟だから。早く入るわよ」
海未「……はい」
ウィーン
店員「いらっしゃいませ。こんにちはー」
海未「こ、こんにちは……!」
真姫「ちょっと、挨拶しなくていいから」
海未「え、ですが挨拶は返さないと」
真姫「ここではいいの」
海未「それは……コンビニでのマナーですか」
真姫「マナーってか常識……?」
海未「ふむ……変わった常識です」
真姫「そういうものなの。で、何買うのよ。パン?」
海未「は、はいっ」
真姫「それならこっちね……」
海未「……すごいです!」
真姫「は?」
海未「すごい、すごいです!コンビニってパンだけかと思ったらアイスもお弁当も雑誌も野菜もお菓子も売ってます!スーパーみたいですっ!」
真姫「えっと……海未ちゃん」
海未「はい、なんでしょう?」
真姫「声のボリュームね、下げて」
海未「あ……」
客「「「……」」」ジロジロ
海未「す、すいません……」
真姫「ま、まあ大丈夫……、よ?」
136:
海未「うわぁ……!」
真姫「……」
海未「ぱ、ぱ、ぱ、ぱぱぱぱぱんが……こんなに……!」
真姫「落ち着きなさい」
海未「ど、どれに……どれにしましょう?」
真姫「好きなのにしたらいいじゃない」
海未「だって……こんなに種類が……」
真姫「普通よ。それにここのコンビニ、種類もそこまで多くないわ」
海未「多いです!だって真姫ときたら同じのばっかりで……ほらこのトマトパンってやつです」
真姫「……」
海未「私、真姫のせいでコンビニにはトマトパンしかないのかと思っていたのですよ!?」
真姫「馬鹿じゃないの……」
海未「む、馬鹿とは失礼な」
真姫「ふふ、だって海未ちゃん単純すぎ」
海未「ならいいです!こうなったら真姫がいつも買うトマトパンを買ってやります!」
真姫「それじゃ本末転倒でしょ。海未ちゃんの買いたいの買いなさいよ」
海未「……それなんですが」
真姫「なに」
海未「よくよく考えて見てみたら、トマトパンが一番美味しそうに見えてきたんです」
真姫「え、うそでしょ」
海未「本当です。ですから私、トマトパンを買います」
真姫「ええ……」
海未「ふふふ、レジに行きますよー!」
真姫「はいはい」
137:
ウィーン
店員「ありがとうございましたー」
海未「あ、はい!こちらこそ……!」
真姫「こら、だから挨拶しないの」
海未「あ、忘れてました」
真姫「まったく……」
海未「ふふふ、なにはともあれパンが買えました……買っちゃいました……」
真姫「あれだけ需要がどうとか言ってたのに案外あっさりしているものね」
海未「やはり欲には勝てません」
真姫「駄目じゃないの」
海未「まあ反省はあとです。さっそく食べてやりますよ……!」
真姫「食べなさい食べなさい」
海未「いただきます………」モグモグ
真姫「……どう?」
海未「うーん……微妙です」
真姫「は、嘘でしょ」
海未「だってなんか……うーん」
真姫「いつも食べてるのと同じよ?」
海未「ですが……んー……あ、分かりました。真姫から横取りするから美味しいんです」
真姫「……なにが分かりました、よ。迷惑だから」
海未「はい、存じております。だからこの、微妙なパンあげます。あーん」
真姫「え、えっ……!?」
海未「……?あーん」
真姫「………あ、あーん……」
海未「どうです?」
真姫「……おい、しい」モグモグ
海未「ほら!やっぱり横取り最高です」
真姫「……ん」モグモグ
154:
海未「あ、おはようございます」
真姫「おはよう」
海未「音楽室、やっぱり寒いですね。暖房付けましょうか」
真姫「ええ」
海未「……昨日の真姫、可愛かったですね」
真姫「は」
海未「ふふふ」
真姫「なんのことよ」
海未「手」
真姫「あ」
海未「ふふふ」.
真姫「ちょっと、やめて」
海未「えーどうしましょうね」
真姫「やめなさいって。まじで」
海未「どーしましょうねー?ふふふ」
真姫「そ、そんなこと言うなら」
海未「なんです?」
真姫「う、っ、海未ちゃんも、可愛かったし」
海未「……」
真姫「な、なんか言いなさいよ」
海未「ありがとうございます……?」
真姫「……なんでお礼。てかなんで疑問形?」
海未「え、じゃあ、ありがとうございます」
真姫「……馬鹿にしてるでしょ」
海未「まさか。してません。ただ……」
真姫「ただ?」
海未「真姫って意外と照れ屋ですよね」
真姫「そ、んなことない、し……」
海未「言葉に自信が感じられませんが」
真姫「もう、うるさい……」
156:
海未「この前はコンビニのパンに浮気しましたが……やっぱりお弁当が1番です」
真姫「あっそう」
海未「ですが」ジーッ
真姫「な、なによ」
海未「真姫のパンはもらいます」
真姫「……はいはい」
海未「やっぱり真姫のパンはおいしいですね」
真姫「そう」
海未「おいしいですよ。もぐもぐ」
真姫「も、もぐもぐ……」
海未「……」
真姫「う、海未ちゃん、その」
海未「はい」
真姫「……今日…う、海未ちゃんの家行ってもいい?」
海未「私の家ですか?」
真姫「む、無理ならいいし、今日じゃなくても、いいし」
海未「うーん、そんなに綺麗な家じゃないですし……」
真姫「き、気にしないわ」
海未「あ、それに今日は……」
真姫「な、なに?」
海未「……うーん、まあ真姫ならいいです」
真姫「え?」
海未「付き合ってもらってもいいですか?」
真姫「えっ?えっ?」
海未「いいんですか?」
真姫「い、っ、いいっ、けどっ……!」
海未「あ、ありがとうございます。では母に連絡を入れますね」
真姫「え……もうそんな段階……!?」
海未「はい?」
真姫「えっ……」
157:
真姫「節分……」
海未「はい。私の家ってどこか他の家より古風でして……日本の行事を結構嗜んでまして」
真姫「へぇ。そうなの」
海未「はい。ですから今日は節分ですので……豆まきをしなければならなくて」
真姫「豆まき……ってあの幼稚園とかでするやつよね?」
海未「まあ世間ではそうですよね。長くても小学生までとか」
真姫「よく、分かんないけど」
海未「真姫の家ではしなかったですか?」
真姫「そうね……幼稚園ではなんとなくした気がするけど……家ではしたことない、かも」
海未「おお、それではいい機会ではないですか」
真姫「そうなのかしら」
海未「意外と楽しいですし。おにはーそとーふくはーうちーー、って」
真姫「……」
海未「無反応ですか」
真姫「い、いや、懐かしいなぁ、って」
海未「そうですか……まあ楽しんでやりましょう。形だけすればきっと母も満足します」
真姫「そ、そんな適当でいいの?」
海未「まあ私もこの歳ですし……豆まきに全力は出せませんよ」
真姫「……逆に海未ちゃんがなにかに全力なことってないわよね」
海未「それは……まあ……はい」
159:
凛「あ、海未ちゃんだ」
海未「おや、凛」
凛「真姫ちゃんも!……どうしたのー?一緒に帰るの?」
海未「はい」
凛「へー!2人とも最近仲良しだねー」
海未「そうですかね?真姫?」
真姫「そ、そうよね……」
真姫(……傍から見たら、仲良く見えてるの、かな)
凛「へへーいいなー。凛ももっと2人と仲良くなりたいにゃー」
海未「あ、では今から私の家来ますか?真姫も来るんです」
真姫「……」
凛「あ、ごめん。今日は希ちゃんの同好会行かなきゃで……また誘って!」
海未「それは残念です。妹も会いたがっていたのでまた来てやってください」
凛「もっちろん!じゃあそろそろ行くねー!」タッタッタッ
海未「ではまたー」
真姫「その、……さ、誘うの、なんで」
海未「はい?あ、凛をですか?」
真姫「……うん、いや、別にいいんだけど」
海未「すいません、その、2人きりで、とか分からなくて。真姫は嫌だったですか?」
真姫「ち、ちがくて。その……凛はいい人だって知ってるし。来てもよかった」
海未「よかったです……」
真姫「……でもなんとなく、海未ちゃんと2人がいいっていうか、今日は。き、今日はね」
海未「なるほど。では……また今度、凛や希を誘って遊びましょう」
真姫「うん」
163:
海未「あ、真姫。ちょっと寄りたいところがあるんですけど」
真姫「……寄りたいところ?」
海未「はい。そこのスーパーです」
真姫「いいけど……なんで?」
海未「豆まきの豆を買わないといけなくて……付き合ってもらっても?」
真姫「ええ」
海未「よし、それでは行きましょうか……あ」
真姫「なに?」
海未「はい」
真姫「え?」
海未「手、です」
真姫「えっ、と……なんで」
海未「あの、真姫と出かける時は手をつなぐのかなぁと」
真姫「……うん」
海未「ですから……あ、どうしますか?つなぎますか?」
真姫「つ、なぐ……」
海未「じゃあ、はい」ギュッ
真姫「あ、あ、りがと」
海未「いえいえ」
164:
海未「どの豆がいいんですかね……」
真姫「早くしなさいよ。どんだけ迷ってるの」
海未「はい。でも……でも……」
真姫「これとかでいいんじゃない?」
海未「それはダメです!」
真姫「えー……」
海未「そんなお菓子の豆ではダメです!きちんとした大豆を買わないと……」
真姫「海未ちゃんって意外と慎重派なのね」
海未「そうですか?」
真姫「うん。この前のコンビニのパンの時だってすごい悩んでたし」
海未「言われてみれば……そうかもです。母にも買い物が遅いと言われたことがあった気がします」
真姫「将来海未ちゃんと結婚した人は大変かもね」
海未「そうですね……」
真姫(……海未ちゃんと結婚、か。大変そうね……)
真姫(ってそうじゃないでしょ!海未ちゃんと結婚した人が大変なの!私は関係なくて!)
真姫(でも……結婚……海未ちゃんと……)
真姫(違う!何考えてるのよ私は!)
海未「……真姫?なに俯いているのですか?」
真姫「う、うるさい。もうこれでいいでしょ!」ガサッ
海未「あ!ちょっと!まだ……」
真姫「これでいいのよ!」
海未「そんなぁ……真姫ぃ……」
166:
海未「ここが私の家です」
真姫「ここ?」
海未「はい」
真姫「すごい立派ね」
海未「そうですか?」
真姫「ええ。なんていうか……お城みたい。あの大奥とかに出てくるやつ」
海未「うーん、よく分かりませんが」
真姫「海未ちゃんってもしかしてお金持ちのお嬢様なの?」
海未「いえ、そんなことはないです」
真姫「……ま、そうよね。お嬢様だったら音楽室で授業さぼってる筈がないものね」
海未「むむむ……言い訳できません」
真姫「私が言えたことじゃないけど」
海未「そうですね……あ、立ち話もあれですし、入りましょう」
真姫「なんか……緊張する」
海未「ふふふ……なんです、真姫からうちに来たいと言っておいて。どのへんが緊張するんです?」
真姫「うるさいわね。やっぱり嘘よ。緊張なんてしてないから」
海未「そうですか。そのわりには顔引きつってません?」
真姫「……見ないでいいから」
海未「ふふ、はい。すいません」
167:
海未「ただいま帰りました」
海未母「おかえりなさい。あら……」
真姫「お、じゃまします……」
海未母「海未さん。お友達ですか?」
海未「はい」
真姫「は、初めまして……」
海未母「お名前をお伺いしても?」
真姫「あ、西木野真姫、です」
海未母「真姫さん。いつも海未さんがお世話になっております」ペコッ
真姫「こ、こちらこそ……」ペコッ
海未「お母様、豆買ってきましたよ」
海未母「ありがとうございます。では煎っておきますので」
海未「お願いします」
海未母「ではごゆっくり」
真姫「あ、はい………はぁ……」
海未「どうしました?」
真姫「いや、なんか……海未ちゃんのママって……すごい礼儀正しいというか」
海未「うーん、ですかね?」
真姫「海未ちゃんも言葉遣いとか丁寧だと思うけど、その30倍は礼儀正しいわよ」
海未「なんだか私の礼儀がなってないような言い方です……というか真姫こそ、一応人の親の前ではちゃんとするんですね」
真姫「当たり前でしょ。その……海未ちゃんのママなんだから」
海未「それはそうと、ママって言い方可愛いですね」
真姫「あっ、そのっ、お母さん……」
海未「今更いいですよ」
真姫「っ……もう」
168:
海未「ここが私の部屋です」
真姫「やっぱり……畳の部屋なのね」
海未「はい」
真姫「いいにおいが、する」
海未「そうですか?」
真姫「……あ、畳よ?畳のにおいが」
海未「畳、いいにおいですよね。私好きなんです」
ガラッ
妹「海未おねえちゃん……お豆……あ」
真姫「あ、こんにちは……?」
妹「こ、こんにちは」
真姫(そうだ海未ちゃん妹いたんだっけ……)
海未「お豆できたんですね。ありがとうございます。一緒に豆まきしますか?」
妹「だ、大丈夫……その……ごゆっくり……」
パタン
真姫「お邪魔だったかしら?」
海未「いえそんなことは……極度の恥ずかしがり屋なもので」
真姫「へぇ……」
スーッ ガラッ
妹「……」コソコソ
海未「ふふふ……」
妹「……」ビクッ
海未「まてーー!!」ダッ
妹「きゃーーダレカタスケテー!」
ドタドタドタ……
真姫(……行っちゃった)
真姫(海未ちゃん、妹の前だとこんななのね……)
真姫「……かわいい」
169:
海未「結局お母様のところに逃げられてしまいました……捕獲失敗です……」
真姫「あんなに追いかけまくらないでもいいのに……」
海未「私なりの愛情表現です」
真姫「ええ……」
海未「さ、豆も煎ってもらったことですし……豆まきしましょう」
真姫「豆って煎る必要あったっけ?」
海未「はい。確か煎らないと豆から芽がでて……芽がでるとなにか悪いことが起きると言われた気がします」
真姫「あやふやすぎ」
海未「すいません」
ガラララ…
真姫「わ。すごい。海未ちゃんの部屋、縁側に繋がってるのね」
海未「冬に少し寒いのが悩みです」
真姫「そうなの?あんまり寒く感じないけど」
海未「今はヒーター付いていますからね。ですが夏は涼しくていいんですよ」
真姫「ふぅん」
海未「冷房をつけなくてもいいくらいなんです。アサガオのグリーンカーテンと扇風機さえあれば夏を乗り切れます」
真姫「グリーンカーテン?」
海未「はい。アサガオの蔓と支柱でこう……ここにその名の通り緑のカーテンができるんですよ」
真姫「よく分かんない」
海未「私もグリーンカーテンの魅力を伝えきれなくて残念です」
真姫「ネットで調べるわ」
海未「……あ、待ってください。夏、本物を見せます」
真姫「え……ほんとに?」
海未「はい。それまで楽しみにしておいてください。ふふふ」
171:
海未「おにはーそとー!ふくはーうちー!」
真姫「海未ちゃん……」
海未「はいっ、なんです?」
真姫「仕方なく……って感じだったのにノリノリで豆まきしてるじゃないの」
海未「なっ……ノリノリじゃないです!」
真姫「とても楽しそうだけど」
海未「そ、それは……日本行事を真面目に取り組んでいるだけですし」
真姫「はいはい」
海未「むっ……そんなこと言うなら……まきはーそとー!」ドンッ
真姫「ちょっ、いきなり押さないでよ!」
海未「真姫がそんな事言うから悪いんです!真姫が私にとって鬼です!」
真姫「はぁ?いみわかんない……」
海未「まきはーそとー!まきはーそとー!」グイグイッ
真姫「もーーやめてっ!」
海未「いやです!」
真姫「なら……う、うみはーそとー!」
海未「違いますっ!うみはうちです!」
真姫「うみはそとー!うみはそとー!」グイグイッ
海未「まきはそとー!まきは……」
海未母「ふふっ、楽しそうですね」
妹「おねえちゃん達なにやってるのぉ……」
真姫「あ、え、えっと……」
海未「真姫が失礼なこと言うのでお祓いしてました!」
海未母「ふふふ。楽しいのはいいけれど……ご近所の方もいるからもう少し静かにしましょうね」
真姫「は、はい」
海未「だ、そうですよ真姫」
海未母「海未さんにも言っています」
海未「はい……」
172:
海未「はあ……豆まきはこのくらいでいいでしょう」
真姫「なんか疲れた……」
海未「では豆を食べましょうか」
真姫「そうね。えっと……歳の数だけ食べるのよね?」
海未「え?歳の数より1つ多く食べるんですよ?」
真姫「え、そうなの?」
海未「な、なんだか自信がなくなってきました」
真姫「まあ……どっちでもいいんじゃない?ちなみに海未ちゃんは今何歳?」
海未「私は……誕生日がまだなので15です。真姫は?」
真姫「私は16ね」
海未「あ、じゃあ私は真姫に合わせて16個たべます。そうしたら歳の数だけ、も歳の数+1つ、も達成できます!」
真姫「名案、なのかしら?まあいいわ」
海未「……」ポリポリ
真姫「……」ポリポリ
海未「あの……楽しかったですか?」
真姫「え?」
海未「いやあの、無理やり付き合わせてたら悪いなぁと」
真姫「……そんなことないわ。たのし、かった」
海未「そうですか」
真姫「それに……海未ちゃんの家のこととか、知れて、嬉しかった」
海未「嬉しい……ですか?」
真姫「ま、まあ」
海未「ありがとうございます」
真姫「……うん。こちらこそ」
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