渋谷凛「プロデューサーは好きな人っているの?」 モバP「ああ」back

渋谷凛「プロデューサーは好きな人っているの?」 モバP「ああ」


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本格ミステリーだよ
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2: 以下、
凛「…………」
P「…………」
凛「……え、あ。いる……んだ」
P「ああ」
凛「…………」
P「…………」
凛「えっと……」
P「…………」
凛「……うん、プロデューサーだって大人だもんね」
P「まぁな」
凛「そりゃ……気になる人の一人や二人、いる、よね」
P「一人だけだよ」
凛「そっか」
P「ああ」
4: 以下、
凛「えっと……」
P「…………」
凛「その、お付き合いとかは……してるの?」
P「あー……」
凛「…………」
P「いや、情けないが勇気が無くてな」
凛「そう、なんだ」
P「ああ」
凛「まぁ、その、何と言うか」
P「…………」
凛「私、応援してるから。勇気を出してみてもいいんじゃないかな」
P「……勇気、か」
凛「うん」
P「……そうだな。いつまでもこのままじゃいけないよな」
凛「うん。頑張って」
P「ああ」
6: 以下、
凛「好き……なんだね」
P「ああ」
凛「……羨ましいな」
P「……羨ましい?」
凛「そんなに誰かに想われるなんて、すごく素敵じゃない?」
P「そう、かもな」
凛「そうだよ」
P「……凛ってさ」
凛「?」
P「何と言うか、かなり乙女だよな」
凛「そうかな」
8: 以下、
凛「でも、やっぱり、プロデューサーのアイドルとしては、さ」
P「ああ」
凛「あんまりその人に夢中になって……疎かにされたくないな、って」
P「…………」
凛「…………」
P「凛」
凛「ん」
P「約束する。絶対に、凛の事を疎かになんてしない。絶対にだ」
凛「…………」
P「もちろん、その人を諦めるのも難しいけど……精一杯努力するよ」
凛「……そっか」
P「ああ」
凛「…………ありがとう、プロデューサー」
P「礼を言う場面なんかじゃないさ」
9: 以下、
凛「……あの、さ。プロデューサー」
P「ん?」
凛「…………誰、なのかな」
P「……誰、って」
凛「あ……ご、ごめん。失礼、だったよね……本当にごめん。忘れて」
P「…………」
凛「…………」
P「…………凛」
凛「…………えっ」
P「…………」
凛「…………」
P「……知りたい、のか?」
凛「…………あ、ああ……そういう意味ね」
P「意味?」
凛「何でも無い。忘れて」
P「そうか」
16: 以下、
P「で」
凛「うん」
P「知りたいのか?」
凛「…………まぁ、ね」
P「どうしてだ?」
凛「どうして、って」
P「…………」
凛「…………あはは。その、今後の参考になるかな、なんて、思っ」
P「凛」
凛「ん」
P「俺は、凛のほんとうの言葉が聞いてみたい」
凛「…………」
P「…………」
凛「ごめん」
P「謝る必要なんか何処にも無いぞ」
凛「それでも、ごめん」
P「そうか」
18: 以下、
P「それで、どうして……気になるんだ?」
凛「…………」
P「…………」
凛「プロデューサーは、私の色んな事を知ってるよね」
P「ああ」
凛「…………私。その、私も。あくまでパートナーとして、だけど」
P「…………」
凛「ぷ、プロデューサーの事を知りたいって、そう思うのは…………変、かな」
P「…………」
凛「…………」
P「……いや」
凛「…………」
P「変じゃないよ」
凛「……そっか」
P「ああ。凛に対して隠し事は無しだ」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「何か、機嫌良さそうだね」
P「そうかな」
凛「そうだよ」
19: 以下、
凛「無理して答えてくれなくていいよ」
P「そうだな……名前は勘弁してくれると助かる」
凛「分かった。……芸能関係のお仕事してる人?」
P「……まぁ、そうだな」
凛「やっぱり同い年くらい?」
P「…………」
凛「……プロデューサー?」
P「いや……その、な」
凛「……?」
P「年下、なんだ。……世間一般からは、あまり良い顔をされないぐらいには」
凛「……プロデューサー」
P「ん」
凛「好き、なんでしょ。その人の事」
P「…………ああ、好きだ」
凛「それでいいんだよ。周りがどう思うかなんて関係無い」
P「…………」
凛「大事なのは、プロデューサーの気持ちじゃない?」
P「…………ありがとう、凛」
凛「どういたしまして、でいいのかな」
P「ああ、いいんだ」
22: 以下、
凛「その人さ、やっぱり可愛いの?」
P「ああ……いや」
凛「?」
P「綺麗……かな。どちらかと言えば」
凛「…………」
P「あ、いや、待ってくれ」
凛「うん」
P「綺麗なんだ。でも、同時に可愛らしくもあると言うか」
凛「うん」
P「凛とした綺麗さの中に、隠しきれない可愛さが見え」
凛「プロデューサー」
P「ああ」
凛「何でそんなに焦ってるの」
P「…………いや、焦ってないぞ」
凛「そっか」
P「ああ」
25: 以下、
凛「ちなみに、どんな風に綺麗なのか訊いてもいい?」
P「ああ、そうだな……」
凛「…………」
P「目標へ向かって、驚くぐらい真っ直ぐに駆けて行って」
凛「…………」
P「仕事の合間に視線をくれて、ふっと笑い掛けてくれたり」
凛「…………」
P「立ち姿がすらっと伸びてて、振る舞いも大人びていて」
凛「…………」
P「褒められると、少し照れたみたいに謙遜して」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「何だか、いやに具体的だね」
P「つい目で追ってしまうから、かもしれないな」
凛「……そっか」
P「ああ」
26: 以下、
P「でも、可愛い所もたくさんあってな」
凛「うん」
P「油断した所の写メが回ってきたと思ったら、すぐに消せって電話が来たり」
凛「…………」
P「喫茶店でどっちのケーキを頼もうか、進路でも決めるみたいに真剣に悩んだり」
凛「…………」
P「飼い犬にじゃれつかれてくすぐったそうに笑ったり」
凛「…………」
P「友達に恋愛の話でからかわれて、顔を真っ赤にして言い返したり」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「その人の可愛らしさはよく分かったよ」
P「そうか」
凛「私にもそんな風に、少しは可愛らしさがあったらね」
P「それは分かってるって言わないからな」
凛「え?」
P「いや、何でも無い」
凛「そう」
29: 以下、
凛「そんなに凄い人じゃ、何だか悔しくなっちゃうな」
P「そうかな」
凛「他にはどんな感じなの?」
P「うーん…………あ」
凛「何かあった?」
P「割と負けず嫌いかもしれない」
凛「ふふっ。それも可愛い所じゃない?」
P「そうだな。あ、凛」
凛「なに?」
P「ダーツな、選ぶんなら良い店知ってるからついて行くぞ」
凛「…………別に、秘密の特訓なんかしようとしてないよ」
P「そうか」
凛「プロデューサーにも加蓮にも奈緒にも負けたの、別に気にしてないから」
P「そうか」
凛「でも、選んでくれるなら一緒に行こうかな」
P「分かった」
30: 以下、
P「後は、仕事に一生懸命過ぎるのも困りものだな」
凛「そうなんだ」
P「ああ。休むのも大事だぞって言ってもなかなかな」
凛「けっこう頑固なんだね」
P「ああ。凛、仮眠室空いてるから後で使っていいぞ」
凛「別に眠くないけど」
P「学校休みだからって午前中からレッスンだろう? 夕方から撮影もあるしな」
凛「…………」
P「疲れってのは知らない間に溜まってるもんなんだ」
凛「…………」
P「別に寝顔を覗いたりしないさ」
凛「……ううん。もう少し、こうしてプロデューサーと話してるよ」
P「…………そうか」
31: 以下、
凛「……ちなみにさ」
P「どうした?」
凛「いつ頃出会ったの、その人と」
P「ちょうど二年くらい前だな」
凛「プロデューサーが私をスカウトした頃くらいかな」
P「ああ」
凛「二年前にしては随分、えっと……良い関係なんだね」
P「だいぶ一緒に居たからな」
凛「そうなんだ」
P「ああ」
凛「全然気付かなかったよ」
P「そうか」
凛「私、結構鈍いのかな」
P「いや結構なんて程度じゃ」
凛「え?」
P「いや、何でも無い」
凛「そっか」
P「ああ」
34: 以下、
凛「きっかけは何だったの?」
P「きっかけ?」
凛「例えば、お仕事で一緒になったとか」
P「ああ、街中で一目惚れしてしまってな」
凛「…………」
P「……?」
凛「…………ナ、ナンパ……?」
P「…………はっ?」
凛「ナンパ、したの……?」
P「え、ナンパだと思われてたのか……?」
凛「えっ?」
P「いや、何でも無い」
37: 以下、
凛「……えっと、具体的にはどんな感じだったの?」
P「あー……」
凛「…………」
P「実は、夢中でよく覚えてないんだ」
凛「夢中……?」
P「確か、とにかく褒めまくったような気がする」
凛「…………」
P「目とか、雰囲気とか、振る舞いとか」
凛「…………」
P「何か、すげぇ恥ずかしい事とかも言っちゃってたような……」
凛「……プロデューサー」
P「どうした?」
凛「そういう事、誰彼構わず言っちゃダメだよ」
P「いや、誰でもって訳じゃなくて俺は」
凛「俺は?」
P「……いや、何でも無い」
凛「ふーん」
38: 以下、
凛「それで、さ」
P「ん?」
凛「……その人とは、どうなりたいの?」
P「…………」
凛「…………」
P「……出来るなら、真剣に交際を申し込みたい、な」
凛「…………そっか」
P「ああ」
凛「…………私は」
P「ああ」
凛「プロデューサーの本当の気持ち。応援するよ」
P「……ああ」
凛「プロデューサー」
P「どうした?」
凛「私をプロデュースしてくれて、ありがとうね」
P「…………ああ」
41: 以下、
凛「プロデューサー」
P「ああ」
凛「その人、捕まえておかなきゃダメだよ」
P「……ああ」
凛「そんなに想える人なんて、そう簡単には見つからないんだから」
P「…………ああ」
凛「大丈夫」
P「…………」
凛「自信を持ってよ、プロデューサー」
P「…………」
凛「私は、プロデューサーのお陰でここまで来れたようなものだから」
P「…………」
凛「私のプロデューサーだよ。絶対に、大丈夫」
P「…………そうか」
凛「頑張ってね、プロデューサー」
P「ああ。ありがとう、凛」
42: 以下、
P「凛」
凛「なに?」
P「…………」
凛「……?」
P「……いや。やっぱり言わないでおくよ」
凛「うーん、気になるね」
P「きっと……いや、後で、必ず言うさ」
凛「そう」
P「俺にもなけなしの勇気が持てるようになったら、きっと言うよ」
凛「へぇ。何だか重要な話みたいだね」
P「…………」
凛「プロデューサー?」
P「……俺もさ」
凛「うん」
P「けっこう、負けず嫌いみたいだ」
凛「……?」
44: 以下、
 ― = ― ≡ ― = ―
「――あー、今日も疲れたな」
「ケーキでも食べて帰る?」
「あの喫茶店か?」
「うん。あそこのミルクレープ美味しいんだよね」
「確かに美味しいけど、マスターがちょっと怖いんだよなぁ……」
「顔が怖いだけで普通の人だよ、肇によると」
「……ま、寄って帰るか」
「うん」
「ミルクレープでいいのか?」
「え?」
「いや、この季節だとモンブランなんかも美味しそうだと思ってな」
「…………」
「凛」
「…………」
「凛」
「……あ、うん。なに?」
「悩むのはせめて店に着いてからにしてくれ」
「分かった」
45: 以下、
「さ、行くか。もう夕方にもなると寒いな」
「そうだね」
「手でも繋ぐか」
「何言ってるのさ」
「冗談だよ」
「…………」
「…………」
「…………あ、そうだプロデューサー」
「ん?」
「明日のお弁当、キュウリの梅肉和え入れとくね」
「え、俺梅干し苦手なのに……」
「好き嫌いは良くないよ、プロデューサー」
「そうは言ってもなぁ――」
46: 以下、
おしまい。
http://i.imgur.com/4PEewRh.jpg
http://i.imgur.com/F9aSduE.jpg
面倒くさいキミが好き。
本作及び前作はコP氏の作品研究を元に書き上げられた実験作です
過去作
モバP「凛って好きな人とかいるのか?」 渋谷凛「うん」 ( http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444728827/ )
http://ssflash.net/archives/1921079.html
岡崎泰葉「いえ、ダメです」 モバP「えっ」 ( http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442742630/ )
高垣楓『シンデレラ』 をクリスマスまでに書き上げられるだけの余裕が欲しいです
50: 以下、

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