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希「春の季節」


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よし、こんなもんかな
雑巾で床を隅々まで拭いて、少しだけ額に流れる汗
もうだいぶ暖かくなってきたみたいで、桜なんかも咲いてる
ウチはせっせと部屋のお掃除
あまりの快晴で思わずうとうとしそうになるけれど、今日は予定がたくさんあるからぐっと我慢我慢
3:
午前中に部屋のお掃除を済ませなきゃ
あとは窓を拭いて、ゴミをまとめて────
っと、今何時だろう?ああそうだ時計はないんだった
携帯電話を取り出して時間を確認する
あちゃー…だいぶ時間おしてるなぁ
4:
ほら、部屋のお掃除をしてると、目に入った雑誌ってつい読んでしまうやん?
だから、これは仕方ない。自分にそう言い訳をして
たたたっ。新聞紙を取りにキッチンにかける
一枚剥がして、くしゃくしゃにして窓を拭くと
5:
まぶしい日差しとにらめっこ
目を閉じてそのまま眠りこけてしまいそう
普段はとっても大好きなポカポカ陽気なお日様がウチを惑わす
くすくす。だめやね。なんかもうウチをリードしてくれる人がほしい
でないと、いつまでたってもこのお掃除終わりそうにないから────
6:
お昼をちょこっと過ぎたころ
コンビニでお昼ご飯買ってきた
既にお腹はペコペコ。30分くらい前からお腹が救難信号を出しっぱなしだから
助けてあげんとな
7:
あれ………?
お箸がない……
まぁ、いいや割り箸を使おうっと
これを食べた後はゴミを捨てて、身支度をして出ないと
他にすることあったっけ?
まぁ、きっと大丈夫。そんな曖昧でいい加減な判断を出して、割り箸をパチンと割って
いただきまーす♪
8:
──── ☆────
よし、ゴミ捨ても終わった
これで家でやることは終わりかな?
少しだけゆっくりしたいけど────
でも、少し時間も押してるから出る準備をしないと
9:
床に置いていたひとつの写真立てを手に取る
μ'sの9人でやった講堂ライブの写真
これは肌に離さずに持っていたいからずっと残してた
この一年を思い出しながら
少しだけクスって笑って、少しだけ涙ぐんで少し大きなカバンに入れた
よぅし、準備万全
10:
玄関まで歩み、振り返る
何もない空間
3年前、ウチが初めてこの家に来たときとおんなじ
一度深呼吸をして呼吸を整えて一礼
「お世話になりましたっ!」
11:
ウチな、東京を離れるん
ここが嫌だとか、あそこが良いとかそういうのじゃなくて
次のステップに進むために
ここを離れる事にした
12:
このことは誰も知らない
エリちにも他の皆にも、都内の大学に行くって嘘言ってる
だからお見送りはナシ
だって辛いやん
13:
あの日の
最高の笑顔が最後の光景の方がウチは好き
今日会ってしまったら、きっとウチ、ボロボロになると思う
しわくちゃな顔が最後なんてなんかウチっぽくないし
来週頃に、「あれ?希は?」みたいになって、「あー。実はウチ今九州にいるん。いやーこっちは暖かいなぁ」ってとぼけた態度でいた方が楽
14:
駅に向かう道を歩いていると、交差点に差し掛かった
右に曲がると駅だけど────
左に曲がると音ノ木坂
最後だしちょっと寄ってみようかな?
ううん、やめとこ。辛くなるだけだから
15:
そう思いながらも
足は自然と音ノ木坂へと歩んでいた
途中、音ノ木の制服を着た娘数人とすれ違った
真新しい制服。きっと新入生なんやね
はちゃめちゃで元気いっぱいな生徒会長がいるけど
これから頑張るんやよ
17:
「希?」
体がピクリと反応した
聞きなれた声
今日一日は聞きたくなかった声
「エリち……」
振り返るとそこにはエリちがいた
18:
「奇遇ね。あなたも音ノ木坂に?実は私も穂乃果に呼ばれて来たの。いったい何の用かしら?」
そういえば昨日穂乃果ちゃんからメール来てたな
ウチは用事があるって断ったけど、エリちはそれを知らないみたい
「う、ううん。ごめん。ちょこっと用事あってな。ここに来たのも偶然なんよ」
19:
できるだけ、できるだけ当たり障りのない返答をしよう
そしてエリちと別れたら、まっすぐ駅に向かおう
「そうなの?なんの用事?」
「くすっ、秘密♪詳しくは来週まで待ってな?」
「気になるわね……教えなさいよ」
「秘密ひみーつ♪」
もうしばらく会えないというのに
早くエリちと別れたいだなんて心が苦しい
20:
「それにしても大荷物ね。その中身も秘密?」
「え?ああ、うん。これも秘密や」
「それじゃあ、ウチはそろそろ行かんと。なんせ多忙だからなー」
ほななー。そう言ってくるりと身をひるがえして
一歩踏み出したんだけど
何かに引っかかって──── ううん。引っ張られて
「どこへ行くの?」
21:
エリちがしっかりとウチの腕を掴んでいた
「どこって秘密──── 」
「なんの荷物なの?ずいぶんと量が多いわね。まるで──── 」
「旅行……いえ、お引越しみたい」
心臓がきゅうってなった
22:
「な、何のことなんかな?ウチにはよくわからんて」
「今朝。希の家の前に引っ越し業者が来ていたわ」
「お隣さんがお引越しみたいで」
「希と話していたわ。よろしくお願いします。って言ってたわよね」
「お隣さんとはよくしてくれてたから、荷物を慎重に運んでって」
「希っ!」
23:
ウチを掴んでた手は、よりぐって力が入って
あぁ………一番知られたくない人に知られてしまったなぁ
まっすぐ駅に向かえばよかったなぁ
聞きなれた声聞こえても無視してればよかったなぁって
後悔なのかなんなのか、よくわからない涙が溢れた
24:
──── ☆────
ごめん
許さない
ごめんて
絶対許さない
ゆるして
無理
25:
あなたのこと、絶対許さない
ホントごめんて
許さないって言ってるじゃない
許してほしかったら、これから毎日電話をして
最低でも2時間。お話しする時間を作って
あなたの顔が見たいわ
週に1度は必ずテレビ電話でお話しをしましょう
あなたの字も見たいわ
手紙を送って。私も返すから
26:
あなたに直接会いたいの
半年に1度……ううん。月に1度は会いましょう。私も会いに行くわ
わがままやね
そうね。わがままなの
わがままな私の事嫌い?
ううん。大好きやで
27:
──── ☆────
ピピピピッ
「う、ん……」
まだ慣れてない目覚まし時計のアラームを止めて
お布団の中をもぞもぞと動く
起き上がり、大きなあくびをして、ぐっと背伸びをする
28:
ひとりじゃ大きなこのベッドをもそもそと這い出て
まだぼやけた視界のまま、少しだけ賑やかな隣の部屋への扉を開けた
あれから5年
今、ウチはエリちと一緒に暮らしてる
おしまい
30:
短編-ことり「ことりの館へようこそ」
ことり「ははっ、ようこそ子猫ちゃん」(精一杯のイケメンボイス)
絵里「は?」
ことり「いつまでそこで呆けてるのさ。こっちにおいでよ」
にこ「何言ってるの?ここ部室よ?」
ことり「部室?ははっ、面白い事言うのだな。絵里は」
絵里「ことり?何かあった?辛い事があったら相談に乗るわよ」
絵里「とにかくそこに座って」
ことり「………」ギシ
ことり「はぁ…………」
絵里(ことりが絶対しないであろう、頭を抱えるポーズしてる)
31:
ことり「ねぇ………やっぱりおかしいかなぁ…?」
絵里「だいぶ変よ」
ことり「やっぱり……」
絵里「本当何があったの?」
ことり「えと……海未ちゃんは王子様とお姫様、どっちのイメージ?」
絵里「そうねぇ……王子様ね」
32:
ことり「じゃあ穂乃果ちゃんは?」
絵里「うーん………王子様かしら?お姫様ってイメージはないわね」
ことり「じゃあことりは?」
絵里「お姫様ね」
ことり「はぁ………」
絵里(私何か悪い事言った……?)
33:
ことり「ことりね……ずっと前からね……」
絵里(語りだした)
ことり「王子様になりたかったんだ…」
絵里「………」
ことり「………」
絵里(…終わった)
絵里「えと、ことりは今のままでも充分魅力的よ?」
34:
ことり「どうしたら王子様になれるのかなぁ……?」
絵里「ええと……ことり?」
絵里「さっきも言ったけど、ことりは今のままでも充分魅力的よ?」
絵里「視野を広げるのは良い事だけど、無理はダメよ?」
ことり「………ねぇ絵里ちゃん」
ことり「王子様の条件ってなぁに?」
絵里(聞いてない)
35:
絵里「そ、そうねぇ……」
絵里「しっかりとしてて、凛として、女性をリードできる………」
絵里(あれ…?穂乃果はこの条件に当てはまらないわ)
ことり「しっかり……凛と……」
絵里「ごめんなさい。訂正するわ。ええと……」
ことり「うん。わかった!しっかりして凛として女性をリード、だね」
絵里「え、ああ違うの。って行っちゃったわ……」
絵里「………まぁ明日になったらいつも通り、よね?」
36:
翌日 登校時
絵里「あ、あの……ことり?」
ことり「なんだい絵里?」
絵里「その、もういいのよ?」
ことり「ははっ、絵里は今日もおかしいことを言うんだね。おっと」
ことり「水たまりだよ。気を付けて」
絵里「え、ええ……」
37:
ことり「絵里が転んで大事な顔に傷がついたら大変だもんね」ニコッ
絵里「………っ!」キュン
絵里(え、なに……?なんでときめいちゃってるのよ私!)
ことり「転んだりしないよう手を繋ごうか。さ、手を握って?」
絵里「は、はい……///」ギュ
絵里(どうしてかしら…こんなことりもいいかもって思ってる…)
38:
ことり「きゃわああああああっ?」
絵里「!?」ビクッ
ことり「にこちゃん!そ、それっ…!?」
にこ「うわっ、なによ?」
ことり「それ、そのキーホルダー……!」
にこ「え?これ?昨日穂乃果とゲーセン行ってとった景品だけど…」
ことり「かわいぃぃぃ………」ウットリ
39:
にこ「欲しいならあげるわよ」
ことり「え、いいの…?」
にこ「別にいいわよ。はい」
ことり「にこちゃんありがとう♪」
にこ「大事にしなさいよね。それじゃ」
絵里「…………」
40:

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