チノ「精神病棟ラビットハウスへようこそ」back

チノ「精神病棟ラビットハウスへようこそ」


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1:
カランカラーン
チノ「初めまして、新しい看護士さんですね?」
チノ「…ラビットハウスへようこそ」
チノ「私は香風智乃、といいます」
チノ「ここは喫茶店、私はここのマスターの娘でバリスタ見習いの中学生」
チノ「…という設定です、ここでは」
チノ「ご存知の通り、本当のラビットハウスは…心に傷を負った方の収容施設なんです」
チノ「え、何を見ているのか…って?」
チノ「これは、この病院の患者さん達のカルテ…診察記録です」
チノ「ふふ、特別です…あなたにも見せてあげます」
チノ「この人なんかどうでしょう?きっと気に入ると思いますよ」
5:
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カルテNo.1 保登心愛
チノ「お父さん、新しく当院に入る患者さんが見えてます」
タカヒロ「そうか、患者の詳細を」
チノ「名前は保登心愛、16歳」
チノ「子供の頃から父親と男兄弟に性的虐待を加えられ、統合失調症と躁鬱病を併発」
チノ「具体的な症状は、男性恐怖症、精神の幼児退行…」
チノ「そして、年上の家族から虐待を受けていた影響か…」
チノ「自分を姉だと強く思い込み、自分より年下の子供を異常に可愛がる…そうです」
タカヒロ「そうか、では家族の方と本人を呼んできてくれ」
チノ「分かりました」
チノ「行きましょう、おじいちゃん」
7:
ココア「嫌!嫌ああああああああああああ!!」ジタバタ
ココア「助けて!助けてええええええええええ!!」ジタバタ
モカ「落ち着いて…大丈夫よ…ココア」ポロポロ
モカ「この人はお医者さんなの、あなたの病気を治してくれるのよ」
ココア「私病気じゃない、病気じゃないよおおおおおおおおおお!!」
タカヒロ「男性恐怖症の影響か…これでは診察にならないな」
モカ「ごめんなさい、普段はとても優しくていい子なんです」ポロポロ
タカヒロ「ええ、分かっています」
タカヒロ「チノ、鎮静剤を…用意してくれ」
チノ「分かりました」
9:
ココア「はぁ…はぁ…」
タカヒロ(よくやく落ち着いたか)
タカヒロ「いいかココア君、君は今日からこの喫茶店ラビットハウスで過ごすことになる」
ココア「喫茶…店……」
タカヒロ「君はこの喫茶店での生活を通して、多くの人と触れあい、多くのことを経験するだろう」
タカヒロ「ここでの時間をかけたカウンセリングで君の病気も…良くなって行くはずだ」
ココア「はい…」
タカヒロ「娘のチノだ、彼女と協力してこの喫茶店を盛り上げていって欲しい」
ココア「チノ…ちゃん?」
チノ「…ふつつか者ですがよろしくお願いします」ペコ
ココア「えへへ、チノちゃん可愛いね」ギュ
ココア「私、お姉ちゃんとして頑張るね!」
11:
モカ「それでは、妹をよろしくお願いします」
モカ「…ううっ、私が…もっとしっかりしていれば、、ごめんねココア」
タカヒロ「安心してください、きっと妹さんの病気はよくなります」
タカヒロ「それに、うちの娘も気に入られているようで何よりだ」
モカ「はい、あの子のあんな顔…久しぶりに見ました」
タカヒロ「ココア君は姉の貴方には懐いているようだが…」
タカヒロ「貴方を見て他の家族の事を思い出し、フラッシュバックしてしまう可能性がある」
タカヒロ「しばらくは会えないと思ってください」
モカ「分かりました…それでは失礼します」
タカヒロ(これで収容患者は2名…チノの負担が少し重いか)
タカヒロ(甘兎庵に頼んで看護士を派遣してもらうか)
タカヒロ(それと…青山君にも臨時で応援を頼むか)
12:
1週間後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「はい、大分ラビットハウスにも慣れたみたいですね」
チノ「リゼさんとも仲良くやれているようです」
タカヒロ「そうか、それは良かった」
チノ「しかし…放浪癖があるようで」
チノ「数日前、学校に行くと言い出し、一人でここを飛びだして道に迷っています」
チノ「幸い、うさぎと戯れているところを…甘兎庵の看護士に保護されて大事には至っていませんが」
タカヒロ「一人での外出は…まだ無理だな」
チノ「それに、男性恐怖症もやっかいです」
チノ「一度発狂してしまうと、私では手に負えなくなってしまいますし…」
タカヒロ「そうか、引き続きカウンセリングを頼む…チノ」
チノ「分かりました」
チノ「おじいちゃんが居ますし、問題ありません」
16:
チノ「ココアさんはパン作りが得意なんですか?」
ココア「うん、そうだよ!ここにも窯があれば皆にご馳走できたのになぁ」
チノ「そうですね、残念です」
ココア「昔はね、お姉ちゃんとかにパンの作り方を教わってね…みんなで、、みんな…」
ココア「…ぁ…ぅ…」
チノ「こ、ココアさん!?」
ココア「ごめんなさい、許してください…ごめんなさい…」ブツブツ
チノ(しまった、昔の事を思い出させて…)
チノ「大丈夫です、怖くないです…お姉ちゃん」ギュ
ココア「はぁ、はぁ……あ、ありがとうチノちゃん」
ココア「私ね、頑張るから… 病気を克服できるように、頑張るから…」
22:
3ヵ月後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「治療は順調です、たまに過去の事を思い出してスイッチが入ってしまうようですが」
チノ「他から派遣された看護士とも上手くやっているようです」
タカヒロ「ああ、彼女らもプロだからな」
タカヒロ「友人や喫茶店の常連客としてココア君と人間関係を作り、彼女が社会的に自立できるよう促す」
タカヒロ「これがうちの方針だ」
タカヒロ「ただ治すだけでは駄目なんだ、将来の事も考えた治療をしなければ」
タカヒロ「引き続き、カウンセリングを頼む」
チノ「分かりました」
チノ「ココアさんが自立できるよう、頑張りましょう…おじいちゃん」
25:
夜 ココアの部屋
ガチャ
ココア「………」zzz
チノ(特に…異常はないようですね)
ココア「……んっ」
ココア「……い、いや…助けて……おねえちゃ…」
チノ(ココアさん…昔の夢を……)
チノ「大丈夫です、大丈夫ですよ」ナデナデ
ココア「……えへへ」
ココア「………」スヤスヤ
チノ「おやすみなさい、ココアさん」
27:
半年後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「男性恐怖症も大分改善されてきました」
チノ「街で男性と出くわしても、発狂することはなくなりました」
タカヒロ「自分となら、普通に会話もできているしな」
チノ「ええ、一人で街を出歩いても問題はないでしょう」
チノ「投薬の量も、少し減らしてもいいのでは…」
タカヒロ「チノ、それは俺が判断する事だ」
タカヒロ「お前はあの患者に感情移入している節がある」
タカヒロ「姉妹ごっこはあくまでカウンセリングの為だ、それを忘れるな」
タカヒロ「引き続き、カウンセリングを頼む」
チノ「分かりました」
チノ「私は…普通にしているつもりですが、おじいちゃんはどう思います?」
29:
チノ「ココアさんは将来の夢とかあるんですか?」
ココア「えっとね…街の国際バリスタ弁護士!パン屋もいいな…」
チノ「夢を持つことは大切ですが…」
チノ「持ちすぎると、何をしたらいいか分からなくなってしまうかも知れません」
チノ「ある程度絞ったほうが、今やるべき事を見つけられますよ」
ココア「そっか、それじゃあ…」
ココア「チノちゃんのお姉ちゃんになる!」ダキッ
チノ「まったく、ココアさんってば…意味わかんないです」
チノ(でも、悪い気はしない…です)
30:
1年後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「もう、男性に怯えることもなくなりました…」
チノ「日常生活を送るにあたって、なんら問題はないと思います」
タカヒロ「そうか、それは良かった」
タカヒロ「しばらく様子見は必要だろうが…退院の日も近いな」
チノ「ええ、そうですね」
タカヒロ「今度、ココア君のお姉さんがお見舞いに来る」
タカヒロ「元気な彼女の姿が見れるよう、カウンセリングを引き続き頼む」
チノ「分かりました」
チノ「もう一息です、ココアさんの為にも頑張りましょう…おじいちゃん」
33:
モカ「ココア…久しぶりね、会いたかったよ」ダキッ
ココア「お姉ちゃん…!」
モカ「本当に…ありがとうございます」
タカヒロ「しばらくは様子見が必要だが、このままいけば無事退院できるでしょう」
モカ「そうですか…!」
タカヒロ「実家のパン屋は貴方と母親しか住んでいないと聞いていますが…」
タカヒロ「実家である以上、嫌な記憶が蘇る可能性がある…そこで暮らすのはおススメできない」
タカヒロ「将来ココア君がどのように生きていくか、考えなければいけない」
タカヒロ「こちらも彼女の意見を汲んでいきたいと思っています」
モカ「分かりました…それでは失礼します」
モカ「またね…ココア」
35:
チノ「良かったですねココアさん、お姉さんに会えて」
ココア「うんっ!…えへへ」
チノ「それにあと半年もすれば退院できるでしょう」
ココア「退…院……?」
チノ「そうです、ここを出て…好きなように生きていけるんです」
チノ「ココアさんには無限の可能性があります」
チノ「これから将来について…考えていきましょう」
ココア「う、う…ん」
ココア「………」
36:
1年と1ヶ月後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「…それが、少しおかしいんです」
チノ「最近また、男性を見ると怯えるようになってしまって」
チノ「他の症状も…昔の状況を再現しているようで…」
チノ「病気はもう治っているはずなんです、どうして…」
チノ「このままでは、退院はまだ先になってしまいます」
タカヒロ「………」
タカヒロ「心の病は…身体とは違う」
タカヒロ「色々と彼女にも悩みがあるんだろう…」
タカヒロ「私が直接カウンセリングしよう、ココア君を呼んできてくれ」
チノ「分かりました」
38:
タカヒロ「君の心が不安定な原因を探る必要がある…」
ココア「い、嫌……」
チノ「落ち着いて、、大丈夫ですよ、ココアさん」
タカヒロ「いくつか質問をする…答えてくれ」ガシッ
ココア「嫌!触らないで…やめてええええええ!!」
チノ「ちょっとお父さん、あまり手荒な事は…!」
タカヒロ「いいんだ、、これで」
タカヒロ「よく聞けココア君!君の病気はもう治っている!!」
ココア「助けて!助けて!誰かあああああああああ!!」
タカヒロ「君はただ、ここを出たくない、チノと離れ離れになりたくない、そうだろう!?」
ココア「!」
タカヒロ「精神異常のふりをすれば、退院せずにすむと思ったんだろう!?」
ココア「……!!」
タカヒロ「医者を舐めるな、病気を舐めるな!!」
タカヒロ「君がしている事は、他の患者に対する…冒涜だと思え!!」
39:
ココア「…ううっ…ぐすっ」
ココア「ごめん…なさい」ポロポロ
チノ「ココア…さん」
ココア「先生の言う…とおりです」
ココア「私…将来が不安で、どうやって生きていけばいいか分からなくって」
ココア「ここに居れば、チノちゃんと一緒に居れる…みんなも私のことを気にしてくれる」
ココア「だから、治ってないふりを、、したんです」
ココア「本当に…ごめんなさい」ポロポロ
タカヒロ「そうか…」
タカヒロ「君の本心が聞けてよかった…荒療治ですまなかったね」
40:
1年と2ヵ月後
タカヒロ「ココア君の様子はどうだ、チノ」
チノ「もう、ココアさんに治療は必要ありません、心も身体も健康そのものです」
チノ「…あとは退院を待つだけです」
タカヒロ「長いようで…あっという間だったな」
チノ「これもおじいちゃんのおかげです、ありがとうございます」
ティッピー「………」
タカヒロ「……チノ」
チノ「はい、なんでしょう?」
タカヒロ「前から言わなければと…思っていたんだ」
タカヒロ「お前、『誰』に向かって話しかけているんだ…?」
43:
チノ「何を言ってるんですか、お父さん」
チノ「おじいちゃんに決まってるじゃないですか」
タカヒロ「親父が…どこにいるって」
チノ「ティッピーに魂が乗り移って、今もここにいるじゃないですか」
ティッピー「………」
チノ「聞こえないんですか?おじいちゃんの声が」
タカヒロ「チノ…お前…っ」
44:
タカヒロ「お前の祖父は、死んだんだ」
タカヒロ「死人がうさぎに乗り移る?そんな馬鹿な話があるか」
タカヒロ「いい加減…目を覚ましてくれ」
ティッピー「………」
チノ「そんな…実の父親に対して、、酷い」
チノ「おじいちゃんもこう言ってるじゃないですか」
タカヒロ「うさぎが…喋るわけないだろう!?」
チノ「……ッ!」
チノ「お父さんなんて、知りません…!」ダッ
タカヒロ「待て、チノ!」
ココア「あれ?チノちゃん走るとあぶな…わわっ」
タカヒロ「糞ッ!」
ココア「チノ…ちゃん?」
ココア「先生、何が…あったんですか」
48:
タカヒロ「ココア君、君がここに来る1年ほど前の話だ」
タカヒロ「このラビットハウスの創設者になるチノの祖父が…病気で亡くなった」
タカヒロ「祖父はチノを溺愛していた…それに応えるようにチノも、祖父にとてもなついていた」
タカヒロ「だからこそ、チノは…祖父の死が受け止められずにいる」
タカヒロ「チノの中では、祖父はペットのうさぎに乗り移って今も…生きているんだ」
ココア「そ、そんな…」
タカヒロ「祖父の死の話になると、チノは現実に背を向け…目を合わせようとしない」
タカヒロ「このままでは、チノは…一生、、祖父の死に向き合えなくなってしまう」
ココア「そんなの、、悲しすぎます」
ココア「私、、チノちゃんの事…放っておけません」
51:
チノの部屋
チノ「うう…ぐすっ…」
コンコン
ココア「チノちゃん…入るね」
チノ「ココアさん…」
チノ「父に言われて…来たんですか」
ココア「ううん、そうじゃないの 私はチノちゃんの味方だよ」
チノ「ココアさんなら聞こえますよね!おじいちゃんの声が」
ティッピー「………」
ココア「うん、聞こえるよ」
チノ「ほ、ほら!やっぱり…」
ココア「チノちゃんのおじいちゃんが悲しんでる声が…聞こえるよ」
52:
チノ「な、何を言って…」
ココア「チノちゃん!」ギュッ
チノ「ココア…さん」
ココア「チノちゃんは、おじいちゃんの事が大好きだったんだよね?」
ココア「チノちゃんがそれだけ好きなんだもん、おじいちゃんだってきっとチノちゃんの事が大好きだよ」
ココア「だから…チノちゃんがいつまでも引きずってたら、おじいちゃんは悲しむよ」
チノ「違うんです…おじいちゃんは……生きて ティッピーの…中で」
ココア「命はね、とっても尊いものなんだよ?」
ココア「どんな命にも限りがあるの…だからこそ皆、精一杯輝くんだよ…最後の瞬間まで」
ココア「私も、チノちゃんも……そしておじいちゃんも」
ココア「だからこそ、失われた命は…戻らないの」
55:
チノ「そんな…私……」
ココア「安心して、チノちゃん…」
ココア「おじいちゃんは…遠いところからチノちゃんを見守ってくれてるの」
ココア「チノちゃんの心の中にね、ずっとおじいちゃんは…いるんだよ」
チノ「うう…私、私…ッ」ポロポロ
ココア「今までよく頑張ったね、辛かったね」
チノ「本当は…分かってて……」
チノ「でも、でも…!」ポロポロ
チノ「おじいちゃん…!」
チノ「うっ…うあ”あ”あ”あ”あ”ああああん!!」
ココア「よしよし、大丈夫…大丈夫だよ」
56:
夜 チノの部屋
チノ(あれから、あっという間に月日が経ってしまいました)
チノ(明日は、とうとうココアさんが退院する日です)
チノ(とりあえず実家に戻ると聞いていますが…心配です)
チノ(それに…なんでしょう このもやもやする気持ちは)
コンコン
ココア「入るね…チノちゃん」
チノ「どうしたんですか?ココアさん」
ココア「うん…なんだか眠れなくなっちゃって」
チノ(今日で最後ですもんね、ココアさん…)
チノ「今日は…一緒に寝ましょうか」
ココア「うんっ!」
58:
ココア「えへへ、チノちゃん…あったかい」ギュ
チノ「…ココアさん」
ココア「うん?」
チノ「私、ココアさんの事…初めはしつこい人だなって、思ってました」
チノ「妹のふりをするのも治療の為、仕事の為だって…」
ココア「チノちゃん…」
チノ「でも、やっと今になって分かったんです」
チノ「このもやもやする気持ちは…ココアさんの事を想う気持ちなんだって」
チノ「私も、ココアさんと離れたくなかったん…ですね」
チノ「私の中では…ココアさんは立派なお姉ちゃんです」
59:
ココア「………」ポロポロ
チノ「こ、ココアさん!?」
ココア「ごめんね… 私、嬉しくって」
チノ「私、絶対手紙…書きます」
ココア「うんっ、楽しみにしてるね」
ココア「………」
ココア「チノちゃん…えっとね」
チノ「はい?」
ココア「…何でもない、おやすみっ」
チノ「変なココアさんですね…おやすみなさい」
60:
1年と半年後
チノ「退院おめでとうございます、ココアさん」
タカヒロ「おめでとう、ココア君」
ココア「ありがとう…ございます」
チノ「寂しく…なりますね」
タカヒロ「………」
モカ「ココア…おめでとう」
ココア「お姉ちゃん……私ね」
ココア「やりたい事を、見つけたの!」
62:
モカ「ええ、先生から…聞いてるわ」
ココア「私ね、この1年半…みんなに支えられて、助けられて…生きてきたの」
ココア「だから…今度は私が支えてあげる側になりたい…」
ココア「だから、だから…」
クルッ
ココア「改めて、よろしくお願いします!」
タカヒロ「ああ、歓迎するよ」
チノ「え!?」
チノ「どういう…ことですか」
タカヒロ「彼女は…看護士という道を選んだ、、ここラビットハウスで働くという道を」
タカヒロ「ココア君はお前を救ってくれた、これくらい安いものさ」
タカヒロ「お前には内緒にして欲しいという二人からのお願いでね、悪かったな」
モカ「ごめんね…ココアが驚かせたいって言うから」
63:
チノ「で、でも…資格は……」
タカヒロ「現在勉強中だ、彼女なら問題ないだろう」
ココア「チノちゃん…」
ココア「また一緒に…暮らせるね?」
チノ「まったく…しょうがないココアさんです」
チノ「妹に隠し事をした罰です、しばらく口を聞いてあげません」
ココア「!?」
ココア「うわあああん、チノちゃんが反抗期だよ!」
ココア「先生、チノちゃんを治してくださいっ」
タカヒロ「そればっかりは、無理だな」
チノ「…ふふ」
チノ「また賑やかに…なりそうですね」
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