チノ「ごちうさアラーム?」back

チノ「ごちうさアラーム?」


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1:
深夜 ココアの部屋
ココア「………」ポチポチ
ココア「ふふふ、ついに…手に入れたよ…」ポチポチ
ココア「千夜ちゃんには、感謝しないとね…」
『インストールしています』
ココア「これで、お姉ちゃんとしての威厳が保てるよ…」
『インストール 完了』
ココア「待っててね、チノちゃん…生まれ変わったお姉ちゃんを見せてあげる!」
『チノアラーム 起動』
2:
チノアラーム「お兄ちゃんく起きてください」
ココア「ガーン!お、お兄ちゃん……」
6:

チノ「おはようございます、お父さん…おじいちゃん」
タカヒロ「おはようチノ、朝ごはんできてるよ」
ティッピー「チノはいつも早起きでえらいのう」
ティッピー「それに比べて…」
タカヒロ「チノ、悪いけどココア君を起こしてきてくれないかな」
タカヒロ「せっかく作った朝ごはんが冷めてしまう前に、ね」
チノ「まったく、しょうがないですね…ココアさんは」
チノ「私が居ないと全然駄目なんですから…もうっ」
ティッピー「でもなんか嬉しそうじゃな」
チノ「おじいちゃんは黙っててください!」ボフ
ティッピー「うぎゃ」
ティッピー「見ろ、息子よ、チノがわしに暴力をふr
ココア「おっはよー!」
チノ「!?」
8:
タカヒロ「おはようココア君」
チノ「い、いつもは寝坊するのに、今日は早いんですね…」
ココア「ひっどーい!いつもそんな目で私を見てたの!?」
ココア「お姉ちゃんに負けないように私も頑張るって決めたんだから!」
チノ「せいぜい頑張ってください、数日もたないと思いますが」
ココア「もーっ!チノちゃんってば」
ティッピー(朝から姉妹喧嘩がうるさいのう)
タカヒロ「はは、早起きできるのはいいことだよ」
チノ「まあ、そう…ですよね」
ココア「朝ごはんも食べたし、学校行ってきま?す!」
チノ「行ってきます」
タカヒロ「ああ、行ってらっしゃい」
10:
次の日も、その次の日も…
ココアさんは寝坊することなく起きてきたのです
そして数日後
チノ「うーん……もう朝ですか」ガバ
チノ「そろそろココアさんの化けの皮がはがれてくる頃でしょう」
ガラッ
チノ「おはようござい…
ココア「チノちゃんおっはよー!」
チノ「ココアさん!?」
タカヒロ「おはようチノ、今日の朝ごはんはココア君も手伝ってくれてね」
チノ「い、一体どういう風の吹きまわしで…私よりも早いなんて」
ココア「えへへー、お姉ちゃんらしくするっていったでしょ?」
チノ「む、むう…」
11:
ココア「それじゃ、学校行ってきまーす!」
チノ「…行ってきます」
タカヒロ「気をつけて、いってらっしゃい」
チノ「………」ジー
ココア「???♪」
チノ(ココアさん、最近なんだか上機嫌ですね)
チノ(一体何故…ココアさんが連続で早起きできるなんて)
チノ(天と地がひっくり返ってもそんな事ありえないです)
ココア「どうしたの?チノちゃん」
ココア「私の顔になにかついてる?」ニコッ
チノ「い、いえ…」カァァ
チノ「何でも、ないですっ!」プイ
ココア「…? 変なチノちゃん」
チノ(ココアさんは私が付いてないと駄目なんですから…)
チノ(絶対、何か理由があるはずです!)
12:
学校
キンコンカンコーン
メグ「えっ、チノちゃん今日は予定があるの?」
チノ「ごめんなさい、今日はちょっと…」
マヤ「そっかー、例の文房具屋に寄り道していこうと思ったのに」
チノ「すみません、埋め合わせは今度しますから」
チノ「それではっ」サッ
マヤ「…チノの用事ってなんなんだろうね?」
マヤ「追跡するか!?」
メグ「マヤちゃん、目がキラキラしてる…」
メグ「でも、やめたげようよ?、そんなの」
マヤ「あはは、冗談だって、冗談」
13:
ココアの部屋
ガチャ
チノ「しばらく…ココアさんは帰ってきませんね」
チノ「この部屋のどこかに、早起きできる理由が…何かあるはずです」
チノ「ココアさんには悪いですが、部屋を漁らせてもらいます」
チノ「まずは、一番怪しいベッド周りを」
ガサゴソガサゴソ
チノ「この目覚まし時計は、昔からあるココアさんを起こせないやつです…」
チノ「次に机の周りを…」
ガサゴソガサゴソ
チノ「うーん、特にそれらしいものはないですね」
チノ「これは…モカさんへの書きかけの手紙、ですか…」
チノ「プライベートなものは見ちゃいけませんね」
16:
チノ「最後に、この引き出しを…」スッ
チノ「これは…ココアさんの…下着」カァァ
チノ「な、何をしてるんですか私は…これじゃただの変態じゃないですか」ブンブン
チノ「はぁ…」
チノ「結局、何も見つかりませんでした」
チノ「午後に体育があったせいもあって…なんだか眠く……」
チノ「ちょっとだけ、ココアさんのベッドを借りちゃいましょう」ボフ
フワッ
チノ(あ…この枕……ココアさんの匂いが)
チノ(ココアさん…やっぱり安心…します)ギュ
チノ「…zzz」スヤスヤ
19:
『…………ん!』
『……ちゃん!』
チノ「……んっ…」
『チノちゃんってば!』
チノ「…はっ!」
ココア「良かった?、チノちゃんやっと起きたよ」
チノ「あ…ココアさん……」
チノ(しまった、あのままココアさんの部屋で…寝て……)
ココア「えへへ、お姉ちゃんが恋しかったのかな?」
チノ「そ、そんなこと…」カァァ
チノ「でも……ごめん…なさい、私…勝手に…」
ココア「ふふ、全然気にしてないよ?」
ココア「今、リゼちゃんが一人で店番してくれてるから…急ご?」
チノ「は、はい…!」
24:
ココアさんは勝手に部屋に入った理由を聞くことなく、笑顔で流してくれました
そして、その日の喫茶店ラビットハウスの営業は終わり、日も暮れて…
夜空に煌く月明かりが木組みの街を優しく包み込みました
浴室
チノ「もう…変な詮索はやめましょう」
チノ「そもそも、ココアさんがしっかりするのはいい事なんです」
チノ「ドジで、おっちょこちょいで、頼りなくて…」
チノ「しっかりして欲しいって、いつも思ってたじゃないですか」
チノ「どうして、私ココアさんの事ばかり…」
チノ「………」ブクブク
チノ「…決めました」
チノ「悩んでいてもしょうがないです」
チノ「堂々と本人に直接聞けばいいじゃないですか」
ザパァ
25:
ココアの部屋
コンコン
ココア「はーい」
チノ「ココアさん、入りますね…」ガチャ
ココア「チノちゃん?どうしたの」
チノ「実は…昼間のことで…ココアさんに謝りたくて」
ココア「そんなの、全然いいのに?姉妹なんだから!」
チノ「それと…その……ココアさんに、聞きたいことがあるんです」
ココア「私に…聞きたいこと?」
ココア「何でも答えるよ! お姉ちゃんに…まかせなさいっ!」
26:
ココア「…へ?」
ココア「私が、早起きできるようになった理由…?」
チノ「は、はい…」
ココア「もしかして…私の部屋に入った理由って……」
チノ「そ、そうです… 何か特別な目覚ましでもあるのかと… すみませんでした」
ココア「……ぷっ」
ココア「あははははっ!」
チノ「何がおかしいんですか、もうっ」
ココア「だってね、チノちゃんがそんな事考えてたなんて…」
ココア「でも、チノちゃんの勘は当たってたかもね?」
チノ「え?どういう…」
33:
ココア「じゃじゃーん!ほら、これを見て?」スッ
チノ「これは…ココアさんの携帯電話」
ココア「うん、この部分だよ」
チノ「アプリ名ですか……『チノアラーム』」
チノ「ーー!? なんですかこれっ」
ココア「実はね、この間千夜ちゃんに教えてもらったんだけど」
ココア「このアプリはね、まずボイスレコーダーでいくつか音声を拾って…そこから声質を解析するの」
ココア「そして、その音声でアラームに好きな台詞を喋らせる事ができるの!」
ココア「アラーム名は、自分で変えられるからね」
チノ「こ、こんなものが…」
37:
ココア「これを使えばね?例えば…」ポチポチ
『ココアお姉ちゃん、朝ですよ』
『せっかくココアお姉ちゃんのために朝ごはん作ったのに…もうっ』
『いい加減に起きないと怒りますよココアお姉ちゃん!ぷんぷん』
ココア「でへへ…」
ココア「チノちゃんにこんな事言われたら起きないわけにはいかないよね!」
チノ「………」ゴゴゴ
ココア「ってチノちゃん!?」
チノ「そういう…ことでしたか」
チノ「ココアさんは私に変な台詞を言わせて…毎朝上機嫌で起きてたわけですね」ゴゴゴ
ココア「チノちゃん、怒って…る?」
チノ「当然です!」
39:
チノ「でもそれ以上に、虚しくなってきました…はぁ」
チノ「私はこんなもののために、気苦労していたなんて」
ココア「気苦労?なんで?」
ココア「私が早起き出来てチノちゃんが困る事なんて、何も…」
チノ「そ、それはですね…」
ココア「あはっ、実はチノちゃん私を起こすのが毎日の楽しみだったりしてー」
チノ「!」グサ
ココア「それで起こせなくなって寂しくなっちゃったとか!」
チノ「!!」グサグサ
チノ「………」プルプル
ココア「じ、冗談だよ!怒らないで?」
42:
チノ「悪い…ですか」
ココア「えっ?」
チノ「ココアさんが言った通りですよ…悪いですか」
ココア「チノ…ちゃん」
チノ「ココアさんは…すぐお姉ちゃんぶりますけどっ」
チノ「ねぼすけでドジでなんだか頼りなくって…!」
チノ「でもそんなココアさんを放っておけなくて…!」
チノ「いつのまにかココアさんを起こすのが毎日の楽しみになってたんです…!」
チノ「だから、だからっ…!」ジワッ
ココア「悪いわけ…ないよ?チノちゃん」ギュッ
チノ「ココア…さん」
ココア「それどころか、とっても嬉しいな…チノちゃんにそう思ってもらえたこと」
チノ「ぐすっ…ううっ…」ポロポロ
43:
ココア「ごめんね?私、チノちゃんの気持ち…考えてなかったみたい」
チノ「そんなこと…!」
ココア「もう、このアプリは…消すね」ポチポチ
『アンインストール チノアラーム 完了』
チノ「えっ、ど…どうして」
ココア「だって、目覚ましは二つも必要ないでしょ」
ココア「チノちゃんが、私の目覚ましになってくれるんだよね?」ニコッ
チノ「あ……」
チノ「は、はい…」カァァ
ココア「今日はもう遅いし、そろそろ寝よっか?」
チノ「そうですね、明日も学校ですし」
チノ「おやすみなさい、ココアさん」スッ
ココア「ちょっとストーップ!!」
44:
チノ「急にどうしたんですか?ココアさん」
ココア「さっき言ったよね?私の目覚まし時計になるって!」
チノ「え、ええ…言いましたけど」
ココア「目覚ましは勝手に動いたりしないよ!」
ココア「それに、寝てる人の横にいるものでしょ?」
チノ「そ、それって…」
ココア「うぇるかむかもーん!だよ」
チノ「ココア…さん…」
チノ「し、しょうがないですね、約束してしまいましたから…」
47:
ココア「えへへ、今日からもふもふの目覚ましだー♪」ギュッ
チノ「もうっ、私は抱き枕じゃないんですから」
チノ「それじゃ、おやすみなさい」
ココア「電気消すね?おやすみ、チノちゃん」ポチ
チノ「………」ポチポチ
ココア「チノちゃん?暗いところで携帯いじると目が悪くなるよ?」
チノ「すみません、すぐ終わります…」ポチポチ
『インストール ココアラーム 完了』
チノ(ココアさんには消させておいたのに、わがままでごめんなさい)
チノ(でも、もっとココアさんと一緒にいたいから…)
チノ「終わりました、今度こそおやすみなさい」
ココア「うんっ!おやすみ…チノちゃん」
52:
翌朝
ティッピー「二人とも、起きてこないのう」
タカヒロ「昨晩何やら上が騒がしかったが…」
タカヒロ「二人とも夜更かしでもしていたのかもな」
ティッピー「三日坊主のココアはともかく、チノもとは…」
タカヒロ「親父、悪いが二人を起こしてきてくれないか?」
タカヒロ「朝食を作っていて、今手が離せないんだ」
ティッピー「しょうがないのう…」
ティッピー「年寄り使いの荒い息子じゃわい」ピョンピョン
5

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