花陽「フレンズ」back

花陽「フレンズ」


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凛「かよちん……」
花陽「凛ちゃん……」
凛「好きだよ」
花陽「うん」
凛「ねぇキスして欲しいな……」
花陽「……うん」
凛「ケホッ……」
花陽「はわわ……凛ちゃん大丈夫?」
凛「ううん、少し息が詰まっちゃっただけにゃ!大丈夫だよ」
花陽「ごめんね、長すぎたね」
凛「ううん!そんなことないにゃ」
凛「むしろ、もっと欲しいな」
花陽「凛ちゃん……」
凛「凛のファーストキス……あげちゃったにゃ」
花陽「嬉しいな」
凛「かよちんも初めて?」
花陽「うん、キスしたのは凛ちゃんだけだよ!きっと後にも先にも……」
3:
……――
花陽ママ「凛ちゃーん!花陽ー!ご飯よ?」
花陽「はーい!」
凛「今いくにゃー!」
花陽ママ「さあ召し上がれ」
花陽「……いただきます」
凛「いつもお世話になってます」
花陽(なんでだろう……お母さんの顔も恥ずかしくて見れない……)
凛「ごちそうさまでした。美味しかったにゃ」
花陽「ごちそうさま!」
花陽(だからかな。私たちは逃げこむように2人の部屋に戻った)
花陽「ねぇ……凛ちゃん」
凛「どうしたの?」
花陽「明日、久しぶりに『隠れ家』にいかない?」
凛「そういえば全然行ってなかったよね……」
花陽「凛ちゃんと私とファーストキスの記念に」
凛「うん!一緒に行こう!」
花陽(そう、向かうのは私たち2人の秘密の隠れ家)
花陽(秘密の想い出が詰まっている場所)
4:
凛「隠れ家……まだ残ってたね」
花陽「うん、何もかもあの頃のまま」
凛「凛はコイン集めにハマってたにゃ」
花陽「それで花陽のアイドルになるっていう夢を話した時からここはコンサートホールだったね」
凛「うんポケットのコインを全部かよちんのリサイタルに払っていたのが懐かしいにゃ」
花陽「あれからひとつづつだけど、私の夢は叶っているのかな」
凛「うん!かよちんは凄いよ!昔からアイドルをやりたいって言ってそれを叶えてる!」
花陽「そんな……凄いなんて!」
凛「凛はかよちんの凄いとこ、いっぱい知ってるから何回でも言ってあげるにゃ!」
花陽「ふふっ」
5:
花陽(そして次の日、凛ちゃんは家に来なかった……)
花陽(代わりに来たのは1通のメール)
凛『凛は今日は学校に先に行くから、かよちんも凛を待たないで直接学校に向かってほしいにゃ」
花陽「せっかく恋人になれたと思ったのにな……」
花陽(凛ちゃんのいない通学路は何か味気ない)
真姫「あら、花陽じゃない」
花陽「あ、真姫ちゃん!」
真姫「今日は凛とは一緒じゃないのね」
花陽「うん……。今日は凛ちゃん先行くって」
真姫「珍しい。雪でも降るんじゃないの?」
花陽「あはは……まだ秋だよ?流石に気が早いよー」
真姫「ものの例えよ」
花陽(真姫ちゃんの言葉で思う。本当に私たちはいつも一緒にいたんだなと)
真姫「……凛と喧嘩でもしたの?」
花陽「え?」
真姫「なんだか寂しそうな顔をしてるから」
花陽「そんなことないよー」
真姫「そう、ならいいけど」
花陽(そう。喧嘩なんてしたわけじゃない。むしろその逆だ)
花陽(私にしてみればずっと秘めていた思いを秘める必要がなくなった喜ばしいこと)
真姫「しかし凛がいないと静かね―」
花陽「そうだねー」
花陽(賑やかさの足りない空間に少しの寂しさを覚えてしまう)
7:
凛「あ、真姫ちゃん、かよちん!おはようにゃー!」
真姫「おはよう」
花陽「おはよう」
花陽(別に今真姫ちゃんから名前を呼んだことに特に意味はないのだろう)
花陽(でもなぜか胸が締め付けられる)
……ーー
花陽(今日の授業は上の空。真面目な私らしくもない)
凛「真姫ちゃ?ん、宿題みせて欲しいにゃ!」
真姫「それくらい自分でやりなさいよね!」
凛「真姫ちゃんのケチ!」
真姫「自分で苦労もしてない人にみせる宿題なんてないわ」
花陽「あはは」
花陽(いつのまにか、真姫ちゃんに凛ちゃんを返してなんて思うことが増えた)
花陽(真姫ちゃんだって大切な友達。かけがえのない大親友なのに)
……ーー
凛「かよちん?」
花陽「ぴゃあ!?凛ちゃん!?」
凛「どうしたの?なんか今日は元気ないにゃ」
花陽「そうかなぁ?」
凛「うん、ずっとかよちんを見てきた凛にはわかるにゃ」
花陽「ちょっと真姫ちゃんに嫉妬しちゃってたのかも」
凛「真姫ちゃんに?」
花陽「うん。知らないうちに凛ちゃんは真姫ちゃんをばかり頼るようになってたから」
凛「そういえばそうかもしれないにゃ」
花陽「花陽じゃ頼りにならないよね……」
凛「そんなことない!かよちんはいつでも可愛くて格好良い凛のヒーローだよ!」
花陽「え?」
凛「実は凛も少し照れてたのがあるんだ」
8:
花陽「照れてた?」
凛「うん……。この前、凛たち……キス……したよね」
花陽「うん」
花陽(忘れるわけない、大切な想い出)
凛「あれはとても嬉しかったんだ。その前からずっとしたいと思ってたから」
花陽「そっか。でもそれが」
花陽(何の関係があるの?)
凛「だからかよちんに甘えるのがいつの間にか難しくなってた……」
花陽「そうなんだ」
凛「真姫ちゃんとはそういうのがないし、そういう雰囲気にもならないから安心していたのかも」
花陽「じゃあさ……」
花陽(私たち、友達のころに戻ろう)
花陽(その一言は言えなかった。やっぱり私も戻りたくはなかったから)
10:

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