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みく「猫チャンの言葉と気持ちがわかったら」


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みくは子供のころ猫の気持ちが分かったって設定?がある
69: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:43:49.89 ID:app8BiHf0
雪美「魂……繋がっている……」
みく「魂?」
雪美「うん……魂が……」
雪美「みく……私と……同じ……猫好きで……大切な……友達……」
雪美「友達とは……魂で……繋がっているから……」
みく「あーっと、なんだっけそういうの。思い出した! ソウルメイトにゃ!」
雪美「よく……わからないけど……たぶん……そういう感じ……」
70: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:45:18.26 ID:app8BiHf0
猫「ニャー」
雪美「もちろん……この子とも……友達だから……繋がっている……私も……みくも……」
猫「ニャー」
みく「そうだね。みくと猫チャンも、お友達だにゃ」
猫「ニャー」
雪美「よろしく……だって……」
みく「えへへ、よろしくにゃ♪」
猫「ニャー!」
71: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:47:12.28 ID:app8BiHf0
雪美「そろそろ……」
みく「そうだね。そろそろ帰ろっか」
雪美「うん……。手……繋いで………」
みく「オッケーにゃ。はい♪」
雪美「……♪」
みく (この間も、こんな感じで。それで……)
みく「猫チャン、また来るにゃー」
雪美「バイバイ……」
(また来てね)
72: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:49:10.89 ID:app8BiHf0
みく「――っ!」
みく (聞こえた、今日も!)
みく (みく達と猫チャンしかいないのに……)
みく (やっぱり……いや、いくらなんでもそんなのファンタジーにゃ。ありえないにゃ)
雪美「みく……また……難しい顔……してる……」
みく「ん!? レ、レッスンの疲れが顔に出ちゃってたかもしれないにゃ! あはは」
雪美「ゆっくり……休んで……」
みく「そうだにゃあ。お風呂入ってぐっすり眠って、疲れを取らないと! 雪美チャンもね!」
雪美「うん……休む……」
73: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:51:05.05 ID:app8BiHf0
数日後 事務所 (レッスンルーム)
みく「おはようございますにゃー♪」
みく「ふっふっふ、のあにゃんの発言に便乗して1時間前に来てみたにゃ!」
みく「トップアイドルを目指すには、他の子からも色々と学ばないと」
みく「みくは、そしてにゃん・にゃん・にゃんは一流の猫チャンアイドルになるのにゃ!!」
みく「……で、どうしてレッスンルームに誰もいないんだろう?」
みく「おかしいなぁ……」
74: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:53:13.26 ID:app8BiHf0
ベテトレ「前川? レッスンルームなんか覗いて何しているんだ?」
みく「あっ、お疲れ様です!」
ベテトレ「お疲れ様。今日はまたずいぶん早いな……あぁ、そうか」
みく「ぎくっ」
ベテトレ「高峯のやる気に動かされて、自分も早く来て練習を見ようと思ったんだな?」
みく「み、みくは気まぐれ猫チャンだから、たまたま早く来たいと思っただけにゃ」
ベテトレ「はっはっは。いいぞ、そういう熱意は大歓迎だ!」
ベテトレ「大歓迎なんだがタイミングが悪いな、残念ながら」
75: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 14:56:50.46 ID:app8BiHf0
みく「もしかして、何かでここを使うとか?」
ベテトレ「そうじゃない。私が担当するレッスンは、今日はにゃん・にゃん・にゃんの分が最初というだけだ」
みく「んにゃっ!? それじゃあ……」
ベテトレ「やる気は素晴らしいが、今来ても特に見るようなレッスンは無い」
みく「そんなぁ?……」
ベテトレ「ホワイトボードに書いてあったレッスンスケジュールは見ていなかったのか?」
みく「……自分や、のあにゃん達の分だけなら」
ベテトレ「お前は几帳面で優等生なのに、何故か妙なところが抜けているな」
ベテトレ「姉や妹達なら今もレッスンをやっている。佐城のように、そっちを見るのも良いと思うぞ?」
ベテトレ「もちろん、自分のレッスン時間は忘れるなよ」
みく「はーい」
76: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:01:13.68 ID:app8BiHf0
みく「今日は誰がレッスン予定なのかなー……おぉ、ニュージェネレーションの3人も来るのかにゃ!」
みく「前に3人にはネコミミを付けてもらったけど、ものすごく似合っていたにゃあ」
みく「アイデンティティがクライシスしそうだけど、猫チャンアイドルも増えて欲しいし……ジレンマにゃ!」
みく「穂乃香チャンの黒猫衣装だって、そりゃあもう犯罪的で――」
「そうなのでごぜーますか!?」
「うん! きっと、そうだよ!」
「すげーです! すっごくすげーですよ!」
みく「この声は……」
77: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:05:54.94 ID:app8BiHf0
仁奈「みくおねーさん! こんにちはでごぜーます!」
千枝「お疲れ様です、みくさん」
みく「仁奈チャンに千枝チャン、お疲れ様にゃ♪ 今からレッスン?」
仁奈「仁奈はレッスンに来たですよ!」
千枝「千枝は、ブルーナポレオンのみんなで出る番組の打ち合わせに」
仁奈「みくおねーさんもレッスンしに来やがったですか?」
みく「そうだよー。いつもよりちょっと早く来たから、今は自由時間にゃ」
78: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:08:13.51 ID:app8BiHf0
市原仁奈(9) 
佐々木千枝(11) 
79: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:11:42.91 ID:app8BiHf0
みく「2人はまだ時間じゃないの?」
千枝「私達も少し早めに来たので。ねっ、仁奈ちゃん?」
仁奈「そうでごぜーます! 仁奈は遅刻知らずです、えっへん!」
みく「仁奈チャンはしっかりした良い子だにゃ。よしよし」
仁奈「えへへへー♪」
みく「もちろん、千枝チャンも真面目で良い子にゃ。よしよし」
千枝「わわっ……そんな、千枝にまで……」
みく「いいのいいの。熱心にお仕事に取り組んでいるんだから、褒められて当然なのにゃ」
千枝「そんな、熱心だなんて……んっ♪」
80: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:13:24.13 ID:app8BiHf0
仁奈「みくおねーさん聞いてくだせー! びっくりでごぜーますよ!」
みく「なになに? 聞きたいにゃあ?」
仁奈「雪美おねーさんって、猫さんとお話ができるですよ! すっげーです!」
みく「雪美チャンが……」
仁奈「千枝おねーさんにさっき聞いたですよ! そうでごぜーますよね?」
千枝「はい!」
みく「千枝チャン。みくにもそのお話、聞かせてもらって良いかにゃ?」
千枝「えっと、何日か前のことなんですけど――」
81: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:15:41.83 ID:app8BiHf0
――――――――――
数日前 公園
千枝『どうしよう……ここにも無い……』
千枝『あっちかな? でも、あっちまでは行ってなかったし……』
千枝『もう風で飛ばされちゃったのかなぁ』
雪美『千枝……何……してるの……?』
ペロ『ニャー』
千枝『……雪美ちゃん。ペロも』
雪美『探し物……?』
千枝『そう。落し物をしちゃって』
82: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:20:46.11 ID:app8BiHf0
千枝『ランドセルに着けていたお守りが……』
雪美『お守り……』
千枝『前に行った京都の撮影のとき、Pさんに買ってもらったお守りなの』
千枝『ランドセルの脇に着けていたんだけど……』
千枝『その……さっき友達と、ランドセル背負ったまま鬼ごっこやブランコをして遊んでいて』
千枝『帰ろうとしたら、着けていたはずのお守りが無いのに気が付いて……』
千枝『ブランコ近くとかも探したけど、どこにも』
83: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:24:25.17 ID:app8BiHf0
雪美『手伝う……』
千枝『ありがとう。だけど、これだけ探して無いなら、もう……』
雪美『諦める……ダメ……』
雪美『今……諦めたら……思い出……戻って……こない……』
雪美『一緒に……探す……私も……ペロも……』
ペロ『ニャー』
雪美『千枝……』
千枝『……そうだね。せっかく買ってもらった大事なものなのに、簡単に諦めるのはダメだよね!』
千枝『もっともっとがんばって探すよ! 雪美ちゃん!』
84: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:25:36.88 ID:app8BiHf0
千枝『どこから探したほうが良いかな?』
雪美『狭いところ……見えないところ……ペロが……得意……』
ペロ『ニャー』
雪美『まず……お守りの……特徴……』
千枝『お守りは長方形で、青色で、字が書いてあるんだけど……』
雪美『それだけ……特徴が……あるなら……大丈夫……』
千枝『えっ、大丈夫なの!?』
雪美『うん……』
85: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:26:59.73 ID:app8BiHf0
雪美『ペロ……聞いた……よね……』
ペロ『ニャー』
雪美『青くて……文字が……入ってて……長方形の……』
ペロ『ニャー』
雪美『花壇や……茂みを……中心に………』
ペロ『ニャー』
雪美『じゃあ……お願い……行ってきて……』
ペロ『ニャー!』
千枝『わっ』
86: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:28:25.64 ID:app8BiHf0
千枝『ペロ、すごい勢いで走って行っちゃったけど』
雪美『ペロ……元気いっぱい……』
千枝『あの、もしかしてペロは探しに行ってくれたの?』
雪美『うん……』
雪美『この辺は……ペロの……庭的な……ものだから……大丈夫……』
千枝 (本当に大丈夫なのかな……?)
87: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:30:05.20 ID:app8BiHf0
千枝『あ、戻ってきた』
ペロ『ニャー』
雪美『そう……ありがとう……さすが……ペロ……』
ペロ『ニャー♪』
雪美『そこまで……先導して……』
ペロ『ニャー!』
雪美『千枝……見つかった……こっち……』
千枝『本当!? ちょ、ちょっと待って!』
88: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:32:18.65 ID:app8BiHf0
ペロ『ニャー』
雪美『花壇……青い花の……上……』
千枝『花の上? あっ、本当だ! 青い花の上に乗ってる!』
雪美『保護色……』
千枝『お花の上は全然見てなかった。ありがとう、雪美ちゃん! ペロ!』
ペロ『ニャー』
雪美『良かった……。ペロ……こういうの……得意だから……』
雪美『散歩の……続き……行こう……』
ペロ『ニャー!』
雪美『バイバイ……』
千枝『雪美ちゃん、ペロ、ありがとう!』
――――――――――
90: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:35:22.94 ID:app8BiHf0
千枝「すごいですよね! 雪美ちゃんの言葉を、ペロもちゃんと理解しているなんて!」
みく「ペロチャンと雪美ちゃんが……」
仁奈「雪美おねーさんとペロは“いしそつう”ができているです! すげーです!」
仁奈「仁奈も、猫さんの気持ちになりてーです! 猫さんとお話がしてーですよ!」
千枝「じゃあ、Pさんに頼んでみようよ。猫の着ぐるみも着たいって♪」
仁奈「千枝おねーさん、ナイスな名案でごぜーますね!」
仁奈「猫仁奈になったら、みくおねーさん達や雪美おねーさんと共演してーです! にゃーお!」
91: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:38:01.62 ID:app8BiHf0
仁奈「ところで、今って何時でごぜーますか」
千枝「今は……もう20分くらい話していたかも」
仁奈「むう、だったら仁奈はそろそろ行かなきゃならねーです」
みく「レッスンや打ち合わせが終わったら、またお話すれば良いにゃ♪」
仁奈「それもそうでごぜーますね!」
千枝「仁奈ちゃん、終わったらまたこの辺に集まろうね」
仁奈「了解ですよ! 行ってくるです!」
みく「はーい、行ってらっしゃいにゃー」
92: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:39:26.00 ID:app8BiHf0
みく「千枝チャンもそろそろかにゃ?」
千枝「そうですね。まだ沙理奈さん達は来ていませんが……」
みく「そっか。みくは少し時間があるから、他の子のレッスンでも見学してくるにゃ」
千枝「あの、みくさん。私も、一緒に見に行って良いですか?」
みく「行こう行こう! 一緒に行ってお勉強するにゃ!」
千枝「はいっ!」
みく (……レッスンも全部終わったら、あの猫チャンのところに行ってみよう)
みく (きっと、雪美チャンもいるにゃ)
みく (雪美チャンに会って、それで……聞いてみないと)
93: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:40:34.56 ID:app8BiHf0
同日夕方 空き地
猫「ニャー」
みく「こんにちは、猫チャン」
猫「ニャー」
みく「今日は雪美チャンいないね。まだ来ていないのかにゃ? それとも、もう帰った?」
猫「ニャー」
みく「帰ったなら残念だけど、まだならもう少し待ってみようかな。ほーら、なでなでにゃー」
猫「ニャー♪」
94: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:43:14.38 ID:app8BiHf0
みく「猫チャン、あのね、みくはネコミミ着けて猫キャラアイドルをやっているんだけど……」
みく「どうしても、お魚が食べられないのにゃ」
猫「ニャー」
みく「みんなから、よく言われるにゃ。猫キャラなのにお魚が嫌いなの!? って」
みく「だけど、どうしてもみくはお魚よりお肉が良いのにゃ!」
みく「知ってる? イタリアの猫チャンはパスタが好きで、インドの猫チャンはカレーが好きなのにゃ」
猫「ニャー」
みく「つまり……その、グローバルに見ればお魚が食べられなくても問題無いにゃ!」
95: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:45:06.96 ID:app8BiHf0
みく「……好きになれるように、努力はしているんだよ?」
みく「今のままだと、ダメだからね。いつかお魚も好きになって、100%猫キャラなアイドルになるにゃ」
猫「ニャー」
みく「猫チャンは、お肉とお魚のどっちが好き?」
猫「ニャー、ニャー」
みく「うーん……お魚?」
猫「ニャー」
みく「どっちなのかにゃあ。気になるにゃあ」
猫「ニャー」
96: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:48:53.20 ID:app8BiHf0
みく「猫チャンの言葉とか気持ちがわかったら、好きなものとかもわかるのになぁ」
猫「ニャー」
みく「にゃあにゃあにゃーん。ふふふっ」
みく「んー、雪美チャンはやっぱり帰っちゃっ……来た! 来た来た!」
みく「雪美チャーン! にゃっほー!」
雪美「にゃっほー……」
みく「今日は何か用事だったの?」
雪美「係……やってた……」
みく「委員会や係のことをやってるとすぐには帰れないんだよねー。わかるにゃ」
98: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:50:46.49 ID:app8BiHf0
雪美「楽しそう……だね……」
猫「ニャー」
みく「ちょっとの間だけど、お話をしていたにゃ」
雪美「ふふっ……。どんな……お話……してたの……?」
猫「ニャー、ニャー」
雪美「へぇ……ふうん……」
みく「雪美チャン?」
雪美「……お肉が……好き……だって」
みく「!」
雪美「お肉も……お魚も……好きだけど……どっちかと……言えば……お肉……みたい……」
99: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:52:31.30 ID:app8BiHf0
みく「ゆ、雪美チャン」
雪美「ん……」
みく「前から薄々思っていたんだけど、その、何て言うのかな……雪美チャンってさ」
みく「もしかして、猫チャンの言葉が……わかるの?」
雪美「うん……」
みく「本当に?」
雪美「わかる……」
みく「ほっ、本当の本当に? どんなことを話しているのか、わかるの?」
雪美「ちゃんと……伝わって……いるよ……」
100: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:54:02.45 ID:app8BiHf0
みく「す……」
雪美「……?」
みく「すごい! すごいよ雪美チャン! 猫チャンの言葉がわかって、おしゃべりできるなんて!!」
みく「本当にすごいよ! すっごく、もう……」
みく「あ、あははっ。みく、興奮しちゃって、すごいしか言ってないね。えへへへ」
雪美「ふふっ……みく……面白い……」
猫「ニャー」
101: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:55:57.62 ID:app8BiHf0
みく「おとぎ話みたいで、まだ実感が湧かないんだけど……そうなんだね」
雪美「みく……信じて……くれるんだ……」
みく「信じるよ! ダメ?」
雪美「ううん……ダメじゃない……」
雪美「今まで……誰に……言っても……信じて……もらえなかったから……」
みく「それは、仕方ないにゃ。普通の人は猫チャンの言葉なんてわからないし。みくもわからないもん」
雪美「私……普通……じゃない……?」
みく「違う違う。変ってことじゃないよ? 言葉が理解できて、すごいって意味」
雪美「そっか……あんまり……すごくは……感じない……」
みく「ずーっと前からそうだったの?」
雪美「そう……」
102: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 15:59:29.08 ID:app8BiHf0
みく「今日、落とし物を探してもらった話を千枝チャンが仁奈ちゃんに話していてね。みくも教えてもらったよ」
みく「2人は雪美チャンがペロチャンとお話ができて、意思疎通もできているのがすごいって言ってたにゃ!」
みく「雪美チャンにとっては普通だけど、みんなから見ると実はすごいことなんだよ?」
みく「とっても羨ましいにゃ!」
雪美「ありがとう……みく……」
みく「お礼を言われるようなことじゃ無いにゃ♪」
103: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:01:00.53 ID:app8BiHf0
みく「雪美チャンが猫チャンと会話できるのはわかったけど」
みく「前に、みくがここで聞いたあの声は……」
雪美「みく……手を……出して……」
みく「手? わかったにゃ、はい」
雪美「うん……。手を……こうして……繋いで……」
雪美「……好きなのは………お肉……だよね……?」
猫 (お魚も好きだよ)
みく「うえっ!?」
104: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:03:01.11 ID:app8BiHf0
みく「こ、これ! これこれ! この声だよ聞こえたのは!」
雪美「ふふっ……」
みく「やっぱり、君なの?」
猫 (うん。そうだよ)
みく「嘘みたいにゃ……」
みく「みくの耳には、たしかに猫チャンのニャーニャーって鳴き声が聞こえるにゃ。それなのに、意味がわかる。まるで、頭の中で――」
雪美「頭の中で……人間の……言葉に……変換される……」
みく「そう! そんな感じにゃ!」
105: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:05:30.09 ID:app8BiHf0
みく「ビックリどころの話じゃないよ、これ。一体何がどうなっているにゃ?」
雪美「魂が……繋がって……いる……この子と……私……」
雪美「私と……手を……繋いだから……みくにも……私を……通して……気持ちが……伝わってる……」
雪美「これで……みくも……この子と……魂が……繋がった……」
雪美「だから……言葉が……わかる……」
みく「魔法にでもかけられたような気分にゃ。雪美チャンってエスパー? サイキック?」
雪美「わかんない……」
猫 (魔法使い)
みく「魔法使い……ネコミミ魔法使いアイドル・雪美チャン! カワイイ!」
猫 (カワイイ)
雪美「照れる……」
106: 以下、
?「サイキックと聞いて」
107: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:11:30.07 ID:app8BiHf0
みく「雪美チャンと手を繋いだからみくにも言葉がわかったんだね」
みく「本当に……本当に不思議にゃ」
雪美「事実は……小説よりも……奇なり……」
みく「難しい言葉知ってるね雪美チャン」
猫 (どういう意味?)
みく「世の中は不思議でいっぱいって意味だにゃ!」
雪美「私は……昔から……だから……みくの不思議は……私の……普通……」
108: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:12:59.65 ID:app8BiHf0
みく「ねぇ、お話ができるならもっと猫チャンに色々聞いてみたいんだけど、良い?」
雪美「……どう?」
猫 (いいよ)
みく「うにゃー♪ ありがとうにゃー♪ じゃあじゃあ、何から聞こうかな?。何でも良いの?」
雪美「焦らなくて……大丈夫……」
みく「そうだね。それじゃあ、まずは……あーもー! 多すぎて選びきれないにゃ!」
猫 (面白い人だね)
雪美「ふふっ……前に……言ったよ……面白い人……って……」
110: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:15:28.35 ID:app8BiHf0
雪美「私達と……おしゃべり……楽しい……?」
猫 (仲間以外と話すのは新鮮)
雪美「それなら……よかった……」
猫 (ありがとう)
雪美「えっ……?」
猫 (出会えて、話せて)
猫 (とっても楽しい)
雪美「うん……私も……お話できて……楽しい……」
みく「はっ!? ごめん、何聞こうか考えていて耳に入って無かったにゃ! 今何か話してた?」
雪美「何でも……ないよ……」
みく「そう? あのね、とりあえず決めたにゃ! まずは――」
111: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:17:25.60 ID:app8BiHf0
次の週 レッスンルーム
ベテトレ「ワン トゥー スリー フォー ワン トゥー スリー フォー」
ベテトレ「最後にここで止まる!」
みく「にゃっ!」
アーニャ「ダー!」
のあ「……ん」
ベテトレ「よし、休憩!」
ベテトレ「良いじゃないか3人共。歌の練習と並行している割りには上達が早いぞ」
アーニャ「スパスィーバ、ありがとうございます」
のあ「日々精進……教えの賜物ね……」
112: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:19:19.31 ID:app8BiHf0
みく「んっふっふ……みく達にゃん・にゃん・にゃんにとっては、これくらい朝飯前にゃ!」
ベテトレ「ほう、それはずいぶんな自信だ」
ベテトレ「これなら、同じ練習時間でさらに1.5倍分の内容を凝縮しても問題無さそうだな」
アーニャ「オゥ……」
のあ「みく」
みく「すいません、調子に乗りました」
ベテトレ「まったくお前は……」
ベテトレ「だが、ここ最近の3人の中で1番飲み込みが早いのはたしかにお前だ。そこは認めよう」
みく「えっ、本当に? いやぁ?そう言われると照れちゃうにゃ?♪」
113: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:21:33.93 ID:app8BiHf0
のあ「最近何か……嬉しいことでも?」
みく「そう見える?」
アーニャ「ニコニコ、ウキウキしていて、とても楽しそうです」
みく「実は、新しい友達ができたんだにゃ。雪美チャン経由で知り合って」
みく「その友達とよく話すんだけど、みくの知らないことをいっぱい知って! 本当にすごいの!」
アーニャ「お友達は、物知りなんですね」
みく「そうにゃ♪ 今まで知りたくてもわからなかったことがどんどんわかって、とっても楽しいにゃ♪」
114: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:28:27.04 ID:app8BiHf0
アーニャ「ミク、ユキミと仲良しさんです」
のあ「猫好き仲間として前々から交友はあったけど……この頃は特に一緒にいるわね」
みく「言われてみればそうかも。雪美チャンと一緒に、その友達のところに行ってるからかな?」
みく「まぁ、それ以外でも2人でお話することも多いにゃ!」
のあ「この際……雪美もにゃん・にゃん・にゃんに加えてみれば?」
アーニャ「プリクラースヌィ! ユキミも加われば、ネコミミ、4人ですね♪」
みく「雪美チャンがにゃん・にゃん・にゃんに……面白そうにゃ!」
みく「白いネコミミはみくとあーにゃんの2人だけど、黒いネコミミはのあにゃん1人だからカラーバランスも取れるし!」
のあ「……」
115: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:29:56.66 ID:app8BiHf0
のあ「みく……1つ、聞きたいのだけど」
みく「どうしたのにゃ?」
のあ「……貴方のネコミミ、聞くところによるとスペアが数多くあるとか」
のあ「しかも、全部が白のネコミミという」
アーニャ「そうなのですか?」
みく「そうにゃ! みくの商売道具でもあるネコミミは、この白と同じ物がいっぱいあるんだにゃ!」
のあ「……それは、白にこだわりがあるのかしら?」
みく「こだわりというか、まぁ……そう。白いのが良いにゃ」
116: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:35:40.51 ID:app8BiHf0
のあ「何か理由がありそうな口ぶりね……」
みく「その辺は、話せば長くなっちゃうから」
ベテトレ「そうだぞ。一応今はレッスンの合間だからな。長話なら終了後に……ん?」
ベテトレ「電話か……このタイミングで」
ベテトレ「電話が終わって私が戻るまで、休憩は延長する。少し待っていてくれ」
アーニャ「ダー。待ってます」
ベテトレ「すまないな……もしもし? ああ、今は大丈夫だ……」
117: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:39:10.36 ID:app8BiHf0
アーニャ「出て行ってしまいました」
のあ「……ガールズトーク続行ね」
みく「のあにゃんからガールズトークなんて言葉が出ると、なんか新鮮な感じがするにゃ」
のあ「……24歳がガールでは、少々欲張りすぎかしら?」
みく「歳なんて関係無いにゃ。女の子のお話はみーんなガールズトークにゃ!」
アーニャ「この時間に、ミクの話、聞きたいです」
のあ「そうね……せっかくだから、長くても聞いておきたいわ……そのこだわりの理由」
みく「わかったにゃ。けど、変に期待しないでね? 別に大それた話でもないんだから」
118: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:44:51.45 ID:app8BiHf0
みく「むかしむかし、みくが小さい頃のお話」
みく「耳も体も真っ白の、小さなカワイイ猫チャンが家族にいたんだにゃ」
みく「猫チャンって1年に4歳くらい歳を取るから、体はちっちゃいけど、みくよりは年上の子だった」
みく「みくとその子はとっても仲良しで、遊ぶときとか、それ以外でもいつも一緒でね」
みく「何か嬉しいことがあったときは真っ先にその子に話して、悲しいことがあればすぐに打ち明けて……」
みく「でも、猫チャンはニャーニャーとしか鳴かないでしょ?」
みく「嬉しい話をしても、返事は“ニャー”。悲しい話をしても、返事は“ニャー”。ニャーニャーニャーって」
みく「だけど……みくには、嬉しい話のニャーは“よかったね”って、悲しい話は“がんばって”って……」
みく「そんな風に、聞こえた気がした」
119: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:46:28.62 ID:app8BiHf0
みく「実際はどうだったのかわからないよ? みくも猫チャンの言葉はわからないし」
みく「ただ、あの子とお話をしたことで勇気をもらったり、楽しくなったのは本当」
みく「あの子は、今はもう……いないけど」
みく「猫チャンと心から通じ合っていたように思えた、あの頃の気持ちは……」
みく「一緒にいて楽しかった気持ちは、今もみくの中にあるから……」
みく「だから、今度はみくがそれをやるのにゃ!」
みく「同じ白い耳と白いしっぽを着けて、みんなのことを元気にしてあげるんだにゃ!」
みく「あの子が、そうしてくれたみたいに!」
120: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:48:06.64 ID:app8BiHf0
みく「そーんな感じにゃ」
のあ「……なるほど」
のあ「貴方には、人一倍猫への愛があると思っていたけれど……」
のあ「『人一倍』という尺度に当てはめて見ていた私の目は、まだまだ節穴みたい」
みく「人一倍はおおげさにゃ。好きなのは事実だけど」
のあ「……心に、記憶に、いつまでも残り続けて」
のあ「やがて、それが貴方の原動力となって今に至る……」
のあ「……その子は幸せ者ね。ここまで想われて」
みく「そう言ってくれるのあにゃんと一緒に仕事ができるみくも、幸せ者だにゃ♪」
のあ「……恥ずかしいこと言うのね」
みく「のあにゃんがそれ言っちゃう?」
121: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:50:46.92 ID:app8BiHf0
アーニャ「私の、このネコミミ。ミクがくれました」
アーニャ「ビェーリク モーリャ……浜辺で一緒に、お仕事したときも、これを着けて」
アーニャ「今の話を聞いたら、なんだか……ミクがこれに込めた気持ちが、私にも、伝わってきた気がします!」
アーニャ「私も……元気を、みんなに、与えていますか?」
みく「もちろんにゃ! あーにゃんがいるから、みくも、それにのあにゃんもいつも楽しくいられるもん」
のあ「そうね。その通り」
アーニャ「本当ですか?」
みく「本当にゃ♪」
アーニャ「スパスィーバ♪」
122: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:52:53.11 ID:app8BiHf0
みく「ふぅー、ガールズトークで元気も出たし! 続きのレッスンもファイトにゃ!」
アーニャ「まだ、電話が続いているのでしょうか?」
みく「戻って来ないから、そうじゃないかにゃ?」
ベテトレ「……わかった。あとで折り返す」
のあ「ウワサをすれば……」
ベテトレ「遅くなってしまったな。すぐにレッスンを再開したかったんだが……前川、ちょっと」
みく「はい?」
ベテトレ「用事だ。2人はここで少しだけ待っていてくれないか?」
のあ「了解……」
アーニャ「ダー」
123: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:54:27.67 ID:app8BiHf0
みく「用事っていうのは……」
ベテトレ「ああ……佐城について、少し聞きたいことが」
みく「雪美チャンのこと?」
ベテトレ「今日、あの子はレッスンだったらしいんだが、それ以外の予定とかは知らないか?」
みく「雪美チャンの予定は……うーん、ごめんなさい。わからないにゃ」
ベテトレ「そうか……」
みく「あの……」
ベテトレ「……」
みく「……なんで、みくに聞いたんですか?」
124: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:56:19.87 ID:app8BiHf0
ベテトレ「……さっきのは、プロデューサーからの電話だ」
ベテトレ「佐城が家を出てこちらに向かったはずなのに、まだ来ていないらしい」
みく「それは、バスや電車……そういうのが遅延しちゃってるとか」
ベテトレ「これは、例えばの話だが」
ベテトレ「いつも数十分かそれくらいで来るはずの子が、2時間や3時間経っても一向に着く気配が無く……」
ベテトレ「おまけに、防犯で持たせているはずの携帯電話は家に置きっぱなし。本人とは連絡がつかない」
ベテトレ「バスや各鉄道路線の遅延情報も無し」
ベテトレ「……となったとしよう」
みく「えっ、ちょっと、まさか……!」
125: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:57:20.07 ID:app8BiHf0
ベテトレ「佐々木達が来ていたから、さりげなく聞いてみたが……」
みく「千枝チャン達もわからない、と」
ベテトレ「そうだ」
みく「じゃあ……すぐ警察に!」
ベテトレ「わかっている。だが、その前にどうしてもお前に聞いておきたかったんだ」
みく「みくに……?」
ベテトレ「佐城は、歳の近い小学生組とはよく遊んだり話したりしている」
ベテトレ「反対に歳が離れた高校生や大学生といったメンツとは比較的関わりが薄い……前川以外はな」
126: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 16:58:50.96 ID:app8BiHf0
ベテトレ「佐々木が言っていたよ。最近は自分達よりも、佐城はお前とプライベートで一緒にいることが多いと」
ベテトレ「行きそうな場所を知っていればと……思ったんだが」
みく「……!」
みく「雪美チャンが行くところなら、1つだけ心当たりが!」
ベテトレ「本当か!?」
みく「みくが寮に戻る道の途中に空き地があって、よく2人でそこに……」
ベテトレ「わかった」
みく「ま、待って! みくがそこに行って、いるかどうか確かめてきます!」
ベテトレ「いや、心配なのはわかるが」
みく「お願い……します……」
127: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:00:46.77 ID:app8BiHf0
ベテトレ「……しょうがない」
みく「あ……ありがとうございます!」
ベテトレ「この件を知っているは私達姉妹と、あとはプロデューサーと……」
みく「ちひろさん?」
ベテトレ「それくらいだ。とにかく、その空き地に着いたらすぐ連絡をくれ。私でも誰でも良い」
みく「わかりましたにゃ!」
ベテトレ「アナスタシア達には、お前が急遽プロデューサーから打ち合わせに呼び出されたと説明をしておく」
みく「……上手い具合に言ってくださいにゃ。あーにゃん達には、心配をかけたくないから」
ベテトレ「わかっているさ」
みく「行ってきます!」
128: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:02:36.41 ID:app8BiHf0
空き地
みく「はぁ……はぁ、うあ……」
みく「走ってきたから……そんなに、時間かかってない……よね」
みく「雪美チャンは……」
雪美「……」
みく「いっ、いた! やった! Pチャンに電話しないと!」
みく「……あ、もしもし? Pチャン? 雪美チャンのこと聞いたよ」
みく「うん……うん……大丈夫。見つかった、うん。すぐ戻るね! じゃあ!」
みく「あぁ?、本当によかったぁ……」
129: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:04:11.73 ID:app8BiHf0
みく「雪美チャン! ゆーきーみーチャン!」
雪美「……」
みく「レッスンに全然来ないって聞いたから、もう心配したにゃあ」
雪美「……」
みく「猫チャンと遊ぶのは楽しいけどね、時間は守らないと」
雪美「……」
みく「さぁ、立って立って! 猫チャンにバイバイして、事務所に行こう!」
みく「猫チャンもごめんね。雪美チャンは今日……」
みく「……あれ? 猫チャン、寝て――」
みく「あっ……」
130: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:07:18.27 ID:app8BiHf0
雪美「……」
雪美「……魂が……繋がって……いる……はずなのに」
雪美「もう……声も……聞こえない……」
雪美「ぐすっ……気持ちも……何も……わからない……」
雪美「何も、な……なんにもぉ……っ!」
雪美「ずっと……ずっとね? 声を、かっ、かけても……! 返事が、な……無いの!」
雪美「やだよ……目、開けてよ……お願い……だからぁ……」
雪美「あっ、あ、う……うあぁあぁぁあぁあぁぁん!!」
131: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:10:29.43 ID:app8BiHf0
雪美「うっ……ひぐっ……」
みく「雪美チャン。手、繋ぐからね」
雪美「みく……」
みく「落ち着くまで、みくがこうしていてあげる」
雪美「ん……」
みく「やっぱり雪美チャンの手は温かいにゃ?♪ この手でなでられたら、猫チャン達も気持ち良いだろうにゃあ♪」
雪美「みくも……あったかい……」
みく「えへへ♪ 嬉しいにゃ♪」
132: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:12:54.95 ID:app8BiHf0
雪美「今日……来たとき……この子が……ここに……」
雪美「びっくりして……近づいたら……もう……」
雪美「それで……近くに……いた……別の猫に……聞いた……」
雪美「この子……ずっと前から……体調が……悪かったって……」
雪美「なのに……私達に……会いに……来てくれて……!」
雪美「私が来る……ほんのちょっと……前まで……待っていて……くれて……」
雪美「もっと……もっと早く……気づいて……あげることも……できたのに……!」
雪美「ごめん……ごめんね……」
133: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:14:29.21 ID:app8BiHf0
雪美「……少し……落ち着いた」
みく「本当? 大丈夫?」
雪美「ありがとう……みく……」
みく「どういたしましてにゃ」
雪美「もう少し……手……握っていて……ほしい……」
みく「少しと言わず、雪美チャンが良いならずーっとこうしていてあげるにゃ」
雪美「うん……」
134: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:17:35.09 ID:app8BiHf0
みく「雪美チャンは、本当にこの子が大好きなんだね」
みく「そんな雪美チャンのこと……この子も、きっと、だ、大好き……でっ……!」
雪美「みく……泣いて……」
みく「ごめん……みくも、がまんしていたんだけど……もう……!」
雪美「いいよ……」
みく「ご、ごめんね、でも……ちょっとだけ……だから……!」
135: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:20:08.22 ID:app8BiHf0
みく「……猫チャンも……雪美チャンが大好きだったと思う」
みく「でも、具合が悪いことを話すと、雪美チャンが悲しんじゃうから」
みく「だから、きっと内緒に」
雪美「私の……ため……」
雪美「私は……何も……してあげられて……無いのに……」
みく「違うにゃ。雪美チャンは猫チャンと遊んで、お話をしてあげていたにゃ」
みく「この子も……それが楽しかったはずだよ」
雪美「……!」
136: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:21:22.27 ID:app8BiHf0
――――――――――
雪美『私達と……おしゃべり……楽しい……?』
猫 (仲間以外と話すのは新鮮)
雪美『それなら……よかった……』
猫 (ありがとう)
雪美『えっ……?』
猫 (出会えて、話せて)
猫 (とっても楽しい)
雪美『うん……私も……お話できて……楽しい……』
――――――――――
137: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:23:07.28 ID:app8BiHf0
雪美「出会えて……話せて……よかった……って……」
雪美「楽しい……って……言ってた……」
みく「猫チャンは自分の気持ちに正直な生き物にゃ」
みく「雪美チャンとお話できて、本当に楽しかったんだにゃ。だから、そう言ってくれたんだにゃ」
みく「ありがとう、猫チャン。ここで会えて、お話もできて、みくは本当に楽しかったよ」
雪美「ありがとう……私も……楽しかった……」
みく「バイバイにゃ」
雪美「バイバイ……」
138: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:24:53.71 ID:app8BiHf0
数日後 女子寮 (前川みくの部屋)
拓海「おーっす。お邪魔します、っと」
みく「いらっしゃい、たくみチャン!」
拓海「だから、たくにゃんじゃ……今のは間違ってないか」
みく「たくにゃんのほうが良かったにゃ?」
拓海「そのままで良いから! 変えんな!」
みく「たくみチャンもいけずだにゃあ。こっちの呼び方のほうがカワイイのに?♪」
拓海「帰るぞ」
みく「にゃー! まだ雪美チャンが来てないから帰っちゃダメなのにゃー!」
139: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:28:44.35 ID:app8BiHf0
拓海「そうだ、みくのところに来てほしいって雪美に言われたから来たけどよ……」
拓海「なんでまたアタシは呼ばれたんだ? “来て”としか言われてねぇぞ」
みく「それは……」
拓海「わかった! 雪美のことだから、あの猫に関係しているんだろ!」
みく「……うん」
拓海「最近は妙に忙しくて雪美とタイミングが合わなかったんだが、もしかしてそいつのところに行くのか? 楽しみだなぁ」
みく「……」
拓海「みく、どうした?」
みく「あの子は……遠い遠いところに行っちゃったにゃ」
140: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:32:53.73 ID:app8BiHf0
拓海「なっ……」
みく「この間、雪美チャンがいつものように会いに行ったら……もう」
拓海「そうか……つらかったな」
みく「雪美チャンのほうがつらいはずだよ。みくよりも、あの子とずっと一緒だったから」
拓海「ああ」
みく「事務所に戻ってちひろさんやPチャンに説明して、色々と連絡を取ってもらって……」
拓海「供養してあげたのか」
みく「うん」
拓海「そいつも喜んでくれているだろう。雪美やお前に、そんなに愛されて」
みく「できることなら、もっと愛してあげたかったにゃ」
141: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:33:54.40 ID:app8BiHf0
みく「ねぇねぇ」
みく「もしも、猫チャン達の気持ちがわかったらどう思う?」
みく「表情や鳴き声でなんとなくわかる……ってことじゃなくて」
みく「喜んでいるとか、悲しんでいるとか、感情がはっきり伝わってきたらってことにゃ」
みく「きっと、今まで以上に猫チャンのことが大好きになると思うにゃ」
みく「猫チャンが嬉しい気持ちでいっぱいなら、自分も嬉しくなるだろうし」
みく「猫チャンが悲しい気持ちになったら、となりで撫でてあげられるもの」
142: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:35:19.13 ID:app8BiHf0
みく「あとはね……そう、お話」
みく「猫チャンと会話ができたとしたら、どうかな?」
みく「人間同士で話すみたいに、いろんなことを話せたら絶対に楽しいにゃ!」
みく「好きな食べ物、お気に入りのお昼寝場所、よくお世話してくれる人……」
みく「猫チャンだけが知っている、猫チャンらしいお話」
みく「高い高い人間の目線とは違う、低い低い猫チャンの目線から見た世界のこと」
みく「みくはとっても気になるにゃ♪」
143: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:44:13.18 ID:app8BiHf0
みく「……猫チャンって気まぐれでしょ?」
みく「自由で気ままで何も考えていないって、みんな思っているけど」
みく「それは、違うと思うの」
みく「人間と同じように相手を気遣ったり、空気を読んだりしていて……」
みく「あと、内緒事や秘密も持っているにゃ!」
みく「人間には、それが伝わっていないだけで」
みく「きっと……」
みく「きっと、猫チャンには猫チャンなり考えや、感情や、とにかくそんなのもあって!」
みく「それを知ったら、今よりも猫チャンを……もっと近くに感じられると思うな」
144: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:46:01.77 ID:app8BiHf0
みく「あはは……たくみチャンに質問したつもりだったのに、途中からみくの意見の押し付けになっちゃったにゃ!」
拓海「いいや。むしろ、お前の猫愛がよくわかったぜ」
拓海「猫の言葉や気持ち……わかったら、そりゃあ楽しいだろうな」
拓海「絆っつうのかな。そんなのが、より強くなりそうだ」
みく「お互いのことがよくわかって、とっても仲良しになれると思うにゃ」
拓海「だが……別れもつらくなる。絶対に」
みく「かもしれないにゃ。だけど、そうだとしてもね……」
みく「その子と過ごした思い出は消えないよ」
拓海「ハハハッ、まるで詩人みたいだな。お前本当に前川みくかぁ?」
みく「失礼にゃ! みくだってね、こういうセンチメンタルな気持ちになることもあるのにゃあー!」
拓海「ヘヘ、わりーわりー」
145: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:47:43.91 ID:app8BiHf0
雪美「お邪魔……します……」
みく「いらっしゃいにゃー、雪美チャン!」
拓海「よぉ! 先に来てたぜ!」
雪美「こんにちは……みく……拓海……」
雪美「あの……拓海……。あの子に……会う……約束だけど……」
拓海「大丈夫、みくから聞いたよ。それよりもアタシはお前のほうが心配だ。もう平気なのか?」
雪美「うん……平気……」
雪美「いつまでも……泣いている……だけだと……前には……進めないから……」
雪美「泣いたまま……だと……あの子も……みくも……心配する……」
雪美「だから……泣かない……」
146: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:49:45.32 ID:app8BiHf0
みく「泣いたって良いんだにゃ。Pチャンやたくみチャン、みくが傍にいてあげるから」
拓海「そうだぜ。何かあったら、思いっ切り発散しな! アタシが受け止めてやるからよ!」
雪美「ありがとう……2人共……」
雪美「……今日は……これ……見せたかった……2人に」
みく「なになに?」
雪美「はい……」
拓海「これは……あれか」
みく「あのときの絵!」
147: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:54:23.33 ID:app8BiHf0
雪美「描き終わった……だから……見せたくて……」
拓海「背景を描いて色も塗ったのか。へぇ?、こんな色の猫だったのか」
雪美「この……背景……あの子のいた……場所……」
みく「猫チャンの両側にいる女の子は、みくと雪美チャンかにゃ?」
雪美「似てる……かな……?」
みく「似てる似てる! 猫チャンも雪美チャンもみくも、そっくりで超カワイイにゃ♪」
拓海「たしかに、絵の雪美も本人に負けず劣らずカワイイな!」
雪美「そんな……恥ずかしい……」
148: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 17:59:09.75 ID:app8BiHf0
雪美「あの子は……今……いない……けど……」
雪美「魂は……離れても……繋がって……いるから……」
雪美「記憶……ぬくもり……思い出は……ここに……ある……」
みく「……そうにゃ! 思い出は、ずっとずっとずーっと残るにゃ!」
みく「みくなら、この白いネコミミが」
拓海「アタシは、アイツの姿を残し続けてる携帯電話と写真かな」
雪美「私は……この絵……」
みく「みくは忘れないよ。雪美チャンと一緒に、あの猫チャンとお話をしたこと」
雪美「うん……私も……」
雪美「忘れない……いつまでも……ずっと……」
――fin――
149: ◆CTtxy3Bv6A 2015/11/07(土) 18:26:52.06 ID:app8BiHf0
もしも猫と会話ができたら楽しいけど、別れもつらくなって
でも思い出はそれ以上に多く残るんじゃないかって
デレステの1コマ劇場でペロとお話する雪美ちゃんを見ていたら、そう思いました
自分にも昔、毎日決まった時間になると家に来る野良猫がいたんですけど
ある日を境にして、パッタリと姿を見せなくなってしまいました
今どこに行ってしまったのかわかりませんが、よく思い出して懐かしくなりますね
152: 以下、
おつおつ、なついてない野良でもよく見かけたのが姿見なくなると寂しくなるんだよなあ
153: 以下、
うるっと来た、乙
155: 以下、
猫は死期が近づくと自分が最も安全だと思う場所で回復を待つらしい
雪美ちゃん相当信用されてたんだな
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さやか「さやかちゃんイージーモード」オナ禁中のリビドーで書かれた傑作
まどかパパ「百合少女はいいものだ……」君の心は百合ントロピーを凌駕した!
澪「徘徊後ティータイム」静かな夜の雰囲気が癖になるよね
とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)【禁書×けいおん!】舞台は禁書、主役は放課後ティータイム
ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」これは無理だろ(抗う事が)
岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」ゲェーッハッハッハッハ!
紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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