女提督「甘えてもいいんだよ?」【前半】back

女提督「甘えてもいいんだよ?」【前半】


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1:
女提督「甘えさせたり甘えたり」
3:
提督「さあ!」
曙「はあ?」
提督「甘えてもいいんだよ!」
曙「…………」
提督「…………」
曙「…………」
提督「………どうしたの?」
曙「それはこっちの台詞よ!何?ついに頭おかしくなったの?」
提督「えー、私は至って正常だよ」
曙「ならなんでいきなり馬鹿みたいなこと言い出したのよ」
提督「ん?いやあ、曙というか駆逐艦の子ってみんな可愛いし、なんだか甘えられたいな?って」
曙「あっそ、なら他を当たりなさい」
提督「あー!!ちょちょ、待ってよ曙ー!」
6:
曙「何よクソ提督、まだ用があんの?」
提督「曙はそれでいいの!?」
曙「ええ」
提督「甘えたくないの?」
曙「ええ」
提督「えぇ…ドライすぎるよ曙…」
曙「というかさっさと仕事しなさいよ。加賀さんに怒られるわよ」
提督「ぶー、曙のケチ」
曙「まだ言うようならスネ蹴るわよ」
提督「はーい、分かりましたー」
曙「まったく…」
バタン
8:
曙「………???????ッッッ!!!」グググ
潮「あの、曙ちゃん…素直に甘えてもよかったんじゃ…」
曙「絶っ対ダメ!!そんなことしたらまたあのクソアホロリコン提督が調子に乗るでしょ!」
潮「そこまで言わなくても…」
曙「実際そうじゃない!あんたも何かされたんでしょ!?」
潮「まあ、なでなでされたりとか、MVP取った時にハグされたりとか…えへへ…」
曙「なんでそんなに嬉しそうなのよ!洗脳でもされてるの!?」
潮「いや、普段なかなか言い出せなくて甘えられないから嬉しくて…」
曙「もう完全に躾られてるじゃない…」
9:
潮「なら、曙ちゃんはいつ甘えるの?」
曙「えっ?え?っと…えっと、そ、そりゃあまたの機会によ」
潮「曙ちゃん、ほんとは提督の顔を見るのも恥ずかしいんだよね。私知ってるよ」
曙「ん、んなわけないでしょ!!誰があんなクソ提督なんかに!」
潮「ふふ」
曙「な、何笑ってんのよ!!///」
提督「んふww………あっ」
曙「えっ」
10:
提督「あけぼのぉー」ニッコリ
曙「なによその気持ち悪い笑顔!いつから聞いてたの!?」
提督「んー?ずっとだよぉ?」ニコニコ
曙「なっあっ、えあ、あうあ////」カァアア
提督「甘えたいなら甘えたいって言えばいいのに?…ほら、おいで?いいよ?」
曙「こっ、この」
「クソ提督ぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!」
11:
導入編おわり
あとは適当にだらだらと書いていきます
15:
『似てる?』
あきつ丸「提督殿、任務完了の報告をしていただきたいのであります」
提督「ああうん、ちょっと待ってね…何の任務かな?」
あきつ丸「こちらの報告書を…」
提督「どれどれ…」
瑞鶴「……ねえ、翔鶴姉」
翔鶴「ええ…」
瑞鶴「…あの二人、似てるよね」
加賀「そうかしら」
赤城「私は似ていると思いますけど…」
瑞鶴「どっちも黒軍服に帽子だし…あきつ丸さんはスカートだけど」
翔鶴「そうね、髪の長さも同じだったら見分けが付かないかも…」
加賀「………そう言われてみればそうね…」
瑞鶴「でしょう?」
16:
加賀「でも、眼鏡も掛けているしどちらかと言うと大淀さんに似ているような…」
翔鶴「あー、私もそう思います」
赤城「一時期は大淀さんと提督が入れ替わっているという説が流れたこともありましたね…」
瑞鶴「胸の大きさですぐ判明したけどね」
瑞鶴「………胸?胸……胸………」ペタペタ
翔鶴「瑞鶴……」
加賀「でも…そうね、提督の方が少し垂れ目気味に見えるわ」
赤城「確かに…」
17:
翔鶴「つまりこれまでの統計をまとめると…あきつ丸さんの胸と軍服を持った大淀さんということになりますね」
加賀「ところでなぜ提督が任務完了報告の受理をしているの?」
赤城「まだ大淀さんが復帰出来ないほどの傷を負っているので…」
瑞鶴「誰かさんが暴れるから…」ボソッ
加賀「うぐ…」
翔鶴「まあまあ、落ち着いて…」
加賀「まだ何もしてないでしょう」
18:
加賀「というか、まだ終わらないのかし……ら………」
提督「あ、あきちゃん…ちょっと近い、よ……」
あきつ丸「これくらいなんの問題もないであります。さ、報告の続きを」
提督「う、うん……ひゃっ!?ちょ、ど、どこ触って…!」ビクッ
あきつ丸「ふふふ、少しくらいよいではありませんか…ほら…」サワサワ
提督「こ、こら…んぅ…!」
あきつ丸「ふふ、ふふふふ…」
加賀「」ブチッ
瑞鶴「うわっ!?か、加賀さん落ち着いて!!翔鶴姉も手伝ってよ!」ガシッ
翔鶴「え、ええ!…すごい力!?」ズズズ
赤城「元気ですねぇ…」モグモグ
23:
『二航戦サンド』
提督「……………」ペラッ
「……て?い?と?くっ!」ガバッ
提督「わっ!?えあ、なに、あっ、飛龍…どうしたの?」
飛龍「えへへー、提督が何してるのかなーって」
提督「何って…見たら分かる通り、本読んでるけど…」
飛龍「へー、何の本?」
提督「恋愛小説」
飛龍「え?でも提督、恋人いますよね?」
提督「うん…いや、男女の恋ってどういうものなのかなって思って…」
飛龍「へー…」
提督「……………」ペラッ
飛龍「……………」パタパタ
提督「……………」ペラッ
飛龍「……………」パタパタ
24:
飛龍「……………」パタパタ
提督「……………」
飛龍「……………」パタパタ
提督「………ねえ飛龍」
飛龍「なーに?」
提督「暇なの?」
飛龍「うん!」
提督「……もしかして暇だから私の部屋に来たの?」
飛龍「バレた?」
提督「…いいよ、かまってあげるよ」
飛龍「ほんと!?だってさ、蒼龍!」
提督「へ?」
ガチャ
蒼龍「お邪魔しま?す…」
提督「ありゃ…最初からこれが狙いだったんだ?」
飛龍「えへへ、ごめんね」
27:
提督「というか蒼龍、枕を二つ抱えてるということは…」
蒼龍「…………」コクン
提督「……大人三人、入れるかなあ?」
飛龍「提督が真ん中で私達が提督にくっついたら大丈夫なんじゃないかな?」
提督「そうだね…というか飛龍はずっとくっついてるけど」
飛龍「えへへ、あったかいでしょ?」
提督「まあね」
蒼龍「…………」
提督「………あー、なんだか前が寒いなあ?」
蒼龍「……!」ピクッ
提督「誰か暖めてくれる人はいないかな?」チラッ
蒼龍「えっ、で、でも」
飛龍「ほら蒼龍、提督が寒そうだよ?」
提督「うぐあああ、凍え死ぬゥ?ッ」
蒼龍「わ、分かったから、もう!……えいっ!」ギュッ
提督「おほー♪」
29:
蒼龍「うぅ?…」チラッ
提督「あはっ、あったかいねえ」ニコニコ
蒼龍「…………///」フッ
提督「ん、なんで顔伏せるのさ」
蒼龍「近いよお…恥ずかしいよぉ…///」
飛龍「蒼龍ってば、ウブすぎるよ!」
蒼龍「だって正面から抱き合ってるんだもん…密着してるんだもん…///」
飛龍「そんなの私だってそうだもん!」
蒼龍「飛龍はあすなろ抱きだから顔見えないじゃん…私の方はすごいんだもん…」
提督「すごいってなにさ」
30:
蒼龍「だって…提督の顔、優しいんだもん…///」
提督「優しい?」
蒼龍「うう…///」ギュム
提督「うわお…どうしたの?みんな胸に顔埋めるの好きなの?」ナデナデ
蒼龍「あ?????……」
飛龍「うーん…?多分、提督に包まれたいとかそういうのじゃないかな?」
提督「包まれたいって?」
飛龍「知らないの?提督、包容力がすごいってみんなに言われてるんだよ。全員が出来ることならめちゃくちゃに甘えたいって」
提督「…そんなに?」
飛龍「うん」
提督「蒼龍もその一人ってことかぁ…よしよし…」ギュウ
蒼龍「ぁぅあ?…//」
飛龍「……むう、私も正面から抱き付けばよかった」
31:
提督「というか、お暇してたんじゃないの?何もしなくていいの?」
飛龍「んー?んー、私はこのままでもいいよ。蒼龍は?」
蒼龍「私もこのままがいい…」
提督「そう言うならそれでいいけど…何かしてほしいこととかないの?」
飛龍「ううん、このままでいいよ。このままがいいの」
蒼龍「私達、加賀さん達や翔鶴達に比べたら影が薄いから…これでもすっごく嬉しいよ!」
提督「そっか…ならこのままでいっか」
飛龍「うん♪」
32:
飛龍「………えい」
チュッ
提督「ひゃっ…ふふ、いきなり何?」
飛龍「んー、提督可愛いなーって思って」
蒼龍「わ、私も!」
チュッ
提督「ひひ…首筋はちょっとくすぐったいな…///」
蒼龍(うわ、可愛い…)
飛龍「こんなところ加賀さんに見られたら怒られるかなあ?」
提督「多分ねぇ…今日はいないから大丈夫だけど」
飛龍「まあそうだよね、いない時ぐらいしか提督とこんなこと出来ないし…でも、そっちの方が背徳感があっていいような気も…うーん…」
提督「私はいつでもオッケーだよ?」
蒼龍「そういうこと言うからたらしとか言われるんだよ?」
提督「むう…私はただ愛されること愛することをしたいだけなんだけど」
33:
飛龍「……やることもないし、そろそろ寝よ?」
提督「そうだね、もういい時間だし」
蒼龍「はい飛龍、枕」
飛龍「ん、ありがと」
ゴロン
提督「…………」
飛龍「…………」
蒼龍「…………」
提督「……二人とも見事に私の方向いちゃって」
飛龍「えへへ」
蒼龍「えへへ」
34:
飛龍「ねー提督、手繋いで寝よ?」
提督「うん」
ギュ
蒼龍「私は腕を抱き枕にさせてもらってもいい?」
提督「いいよ」
ギュウ…
提督「ふふふ、二人とも甘えん坊だね」
飛龍「提督が甘やかしてくれるからねえ」
蒼龍「いつまで経っても離れられないんだよ」
提督「あはは、ならずっとこのままでいいよ」
飛龍「えへへ」
蒼龍「えへへ」
35:
提督「はぁ…これだけあったかいとすぐ眠れそうだね…」
飛龍「うー…私ももう眠くなってきた…」
蒼龍「私も…提督、あったかくて落ち着くから…」
提督「よしよし…おやすみ、二人とも…」
飛龍「おやすみ?…」
蒼龍「おやすみ、提督…大好き…」
提督「ん……私もだよ…」
41:
『弱みを見せるのは』
霧島「……………」カラン…
ガチャ
提督「ごめんね、待った?」
霧島「あ、司令…いえ、私もさっきぐずるお姉様を寝かしつけたところです」
提督(寝かしつけたって、ほぼ恐喝なんだろうなあ…)
霧島「司令?」
提督「え?あ、ああうん、お疲れ様」
霧島「司令こそ、お疲れ様です」
提督「うん、ふふふ」
霧島「ふふ…」
42:
提督「さてと……お酒、飲むんでしょ?」
霧島「はい。もうおつまみも用意していますよ」
提督「わお…すごいねこれ、全部霧島が作ったの?」
霧島「ええ、司令のために頑張りました」
提督「気合入ってるね?…」
霧島「司令と二人きりでこんな事が出来るのは滅多にありませんから…少しでもこの時間を良いものにしたいと思いまして」
提督「うふふ、ありがとね、霧島」ナデナデ
霧島「もう…そんな、子供じゃないんですから」
提督「ダメ?」
霧島「…もう少しだけ」
43:
提督「ところで、なんのお酒飲むの?」
霧島「あ、はい。これです」ゴトッ
提督「おおっ、黒霧島!いいねえ、王道って感じするねえ」
霧島「ふふ、私の名前も入ってますよ?」
提督「黒霧島…霧島ァ、何か腹黒いところでもあるんじゃないの?」クス
霧島「まさか、私はいつだって素の私を見せてますよ」
提督「だよね、あはは!」
霧島「さ、グラスを」
提督「おっ、お願いしまーす♪」
46:
クイ…
提督「……ふはぁ…あー、いい香りだねえ…」
霧島「はい、これをどうぞ」
提督「おー、ごぼうチップス…うん、美味しいねえ、ふふふ…」パリパリ
霧島「お口に合ったようで何よりです、ふふっ」
提督「霧島も飲みなよ、美味しいよ」
霧島「ええ、では」ゴクッ
提督「う?ん、いい飲みっぷりだねえ」
霧島「やだ、そんなに見ないでくださいよ」
47:
提督「まあまあいいでしょ、二人きりなんだし」
霧島「……司令のいじわる」
提督「ふふっ、霧島はお堅いねえ」
霧島「司令は無遠慮すぎます…」
提督「そうかな?」
霧島「そうですよ…もう…」
ポスン
提督「おっと…」
霧島「そういう態度を取るから、こうやってみんな勘違いするんですよ……」
提督「…………」グイ ポンポン
48:
提督「どうしたの?なんだかいつもの霧島じゃないみたいだけど」
霧島「……司令…」
提督「……ふふ、なに?悩み事があるなら聞いてあげるよ」
霧島「……私、怖いんです」
提督「怖い?なにが?」
霧島「司令は、普段私に指揮を任せているじゃないですか。頼りにしてくれているというのは伝わるんですけど…でも…」
提督「うん」
霧島「私のせいで戦果を挙げられなかったり、作戦に失敗したり、最悪の場合、誰かが死んでしまうことになるかもしれないと考えると、怖くて怖くて…私、どうしたらいいのか…」
提督「うん…」
49:
提督「……ごめんね、霧島」
霧島「え?」
提督「私の不安を全部霧島に押し付けて…」
霧島「いえ、そんな…私は司令のお役に立てるだけで…」
提督「ううん、私だってみんなの指揮を取れるか心配で怖くて、結局逃げ出してそれを霧島に押し付けただけだから…ね、代わりと言っちゃなんだけど」
霧島「……?」
提督「霧島が成功した時はいっぱい褒めて、失敗した時はぎゅっと抱き締めて、泣き言も弱音も全部全部受け止めて、私が頷いて、肯定してあげるから…ね?」
霧島「………!」
提督「……なんて、ちょっと臭すぎたかな?」
霧島「い、いえ…なんていうか、あの、心に響いたというっ、か、えと、うっ、うう」ジワッ
提督「あらら…」
霧島「あ、あれ、おかしいな、なんでだろ、涙が止まらない…っ」カチャ グシグシ
提督「……よしよし」ギュウ ポンポン
霧島「う、うう?…司令ぃ……」グスッ
50:
提督「………落ち着いた?」
霧島「………はい」ズズッ
提督「これで少しでも楽になってくれてたらいいんだけど…」
霧島「いえ、ほんと、聞いていただいただけでも救われま……し………////」カァアア
提督「?」
霧島「…落ち着いたら急に恥ずかしくなってきました…」
提督「えぇ…もっと弱音吐いてもいいのに」
霧島「素面じゃこんな話出来ませんよ…」ゴクゴク
提督「ちょ、そんな勢いで飲んだらすぐダメになっちゃうよ?」
霧島「私お酒強いから大丈夫ですよ。なんなら飲み比べでもします?」
提督「……やめといた方がいいと思うけど」
霧島「むっ、自信満々ですね…」
提督「…本気でやるの?」
霧島「ええ、もちろん!絶対負けませんよ!」
提督「はぁ…まあ、いいけど…」
???
51:
???
霧島「」
提督「だからやめといた方がいいって言ったのに…」
霧島「うぐぉ…わ…私が負けるなんれ…」///
提督「ほら、もう遅いし部屋まで運ぶよ」グイ
霧島「うぅぅ?……ごべんなざい、しれぇ?……」///
提督「いいよいいよ、止めなかった私が悪いんだから」
霧島「おえっぷぉ……し、司令、もうちょっとゆっくり…」///
提督「はいはい…」
52:
提督「霧島、明日はゆっくりしてていいからね」
霧島「ひゃい……」///
提督「…………」スタスタ
霧島「あ”??……」///
提督「ちゃんと布団で寝なきゃダメだからね」
霧島「わかってまふ…」///
提督「…………」
霧島「う???……司令…」///
提督「なーに、もう」
霧島「だいしゅき……」ギュー
提督「……はいはい…♪」
57:
『鎮守府の雪』
提督「…………」ペラッ
吹雪「…………」モグモグ
白雪「…………」カチカチ
初雪「……ふふん…」カチャカチャ
深雪「うげ!?昇竜精度良すぎだろ!?」ガチャガチャ
吹雪「白雪ちゃん、みかん取ってー」モグモグ
白雪「…吹雪ちゃん、あんまり食べると太るよ?」
吹雪「んー、これぐらい大丈夫だってー」
58:
提督「……うあ…こたつで本読んでたら寝そう…」ゴソゴソ
白雪「風邪引きますよ?」
提督「うん…眠気覚ましにちょっと歩いてくる」スクッ
深雪「ふっ!ほっ!はっ!」ガチャガチャ
初雪「………!」カチャカチャ
吹雪「おおっ、頑張れ深雪ちゃん!」
深雪「よっしゃ!このまま押し切るぜええええ!!」ガチャガチャ
初雪「っ………」カチャカチャ
59:
提督「ふあぁ…」ガチャ
バタン
ドドドドドドドド
バァーン!!!
提督「わあああああああああ!!??」
深雪「あっ!?」
初雪「ケーブル抜けた…」
深雪「ちょっと!いきなりなんなんだよ司令官!」
提督「えっ!?あっああ、違うの!外見て外!」
白雪「何をそんなに大騒ぎして…」シャッ
深雪「外に何が………ッ!??」
吹雪「こ、これって……!!」
初雪「わぁ…」
提督「もう積もってる…!こ、これが本物の…」
「「「雪だぁーーーーーーーーーー!!!!」」」
70:
初雪「……………」
白雪「…初雪ちゃんは行かないの?」
初雪「ん……私は外で元気に遊ぶタイプじゃないから……」
白雪「………それもそうね」
初雪「寒い外に行くより、こたつでぬくぬくしていたい……」ゴソゴソ
白雪「ふふっ、そうね」
バァーン!!!
深雪「うおおおおおおお!!見ろ初雪!!すげーぞ!!冷たいぞ!!」バタバタ
初雪「……冷たい………」バッ
提督「こらー!この雪の中こたつむりになるとはどういうことだー!子供は元気だ風の子だー!外で遊びなさーい!!」
吹雪「司令官が一番はしゃいでますけどね」
提督「だって雪だよ雪!!こんなの滅多にないよ!?」
71:
提督「ほら、初雪も来なよ!一緒に雪遊びしよっ!」
初雪「……私はいい…」
提督「えー、つれないなあ…」
深雪「まーまーいいじゃん、気が向いたら来るだろうし。それより、雪合戦しようぜ雪合戦!」
吹雪「あ、私もやる!」
提督「白雪も来ないの?」
白雪「はい、私も外を眺めるだけで十分です」
提督「そっか…うわわ、深雪、引っ張らないでって」
深雪「司令官、はーやーくー!」グイグイ
提督「分かった、分かったから…それじゃ気が向いたら来てね!絶対だよ!」
初雪「………考えとく……」
バタン
72:
大和「…なんだか外が賑やかね」
武蔵「む?ああ、そうだな。雪が降っているからだろう」
大和「雪……積もってるの?」
武蔵「ああ。どっさりだな」
大和「ふうん…そう…」
武蔵「…………」
大和「…………」ソワソワ
武蔵「……行きたいのか?」
大和「えっ!?えっえー、え、ええ」
武蔵「はぁ……ならそうと言えばいいだろうに」
大和「い、いいの?」
武蔵「ああ。私も行こう」
大和「やったぁ!」
73:
白雪「……だいぶ積もってきてるね」
初雪「うん……駆逐艦の子達、みんな外に出てる…」
白雪「ええ……長門さんが混ざってるのが謎だけど…」
初雪「う、うん……」
白雪「………いいなあ、みんな楽しそうだなぁ…」
初雪「……行く?」
白雪「……うん」
初雪「ん…なら行こう…」
74:
提督「お、二人とも!遊ぶ気になったんだ!」
初雪「みんな楽しそう……」
白雪「うわあ…真っ白ですね…」
提督「よーし、人も集まってきたし雪合戦でもしようか!」
北上「おっ、いいねえ、燃えるねえ」
大井「提督、私北上さんと同じチームがいいです!」
提督「はいはーい、じゃあ適当に分かれてー」
長門「よし!陸奥、お前はこっちだ!」
陸奥「えぇ、私もやるの?」
長門「当たり前だ!」
陸奥「はぁ……別にいいけど…」
雪風「長門さん、頼りにしてます!」
長門「ああ、任せろ!」
天津風「やるからには負けられないわね!」
時津風「勝つぞー!」
75:
提督「雪壁、準備出来たー?」
雪風「しれぇ、呼びましたか!?」
提督「呼んでない呼んでない、向こうで待機してて」
雪風「はいっ!」
ザフッ
木曾「マスター、作戦は?」
提督「そうだね、作戦の伝達をしないと…三人とも、集まって!」
暁「はーい!」
響「司令官、頼りにしているよ」
雷「司令官、こう見えても作戦指揮はすごい優秀だからねぇ」
提督「こう見えてもとは失礼な」
木曾「というか、なんで俺がここに入ったんだ?」
提督「いやー、電が争い事は好きじゃないから観戦する、って言ってたから代わりに入ってもらおうかなと」
木曾「そういうことか…なら仕方ないか」
提督「よろしくね、木曾」
木曾「ああ、お前達に最高の勝利を与えてやる」
提督「わー、カッコいい!」
77:
提督「………以上、異論は?」
木曾「ナシ」
暁「完璧な作戦ね」
響「ああ、これは信頼出来る」
雷「それを遂行するのは私達よ。しっかりやりましょ!」
木曾「ああ!」
提督「よーし……」シュル ギュッ
雷「あ!司令官、ポニーテール!」
暁「気合い入ってるわね」
提督「ふふっ、勝ちに行きたいからね!」
木曾「……………」ジー
提督「……ん?なに?どしたの?」
木曾「あ、いや…なんていうか、活発な印象になったというか、その………す、すごく可愛らしい、ぞ…//」
提督「うぇ、ちょっ、い、いきなりそんな口説き文句言わないでよ///」カァ
雷「なにイチャついてるの!早く準備しなさい!」
78:
那珂「えーでは、ルールを確認します!5vs5のチームに分かれて、雪合戦で勝負!雪玉が身体のどこかに当たればその時点でリタイア、相手を全員脱落させるか陣地奥のフラッグを取れば勝利となります!」
神通「なお、各チームに一つずつ胴体を守れるサイズの小盾が支給されます。その小盾に雪玉が命中した場合は脱落扱いとならず、そのまま試合を継続することが出来ます」
川内「守るも攻めるもこの小盾がキーになるってことだよ!というかこれ夜にやりたかった!」
那珂「ルールの確認は以上です!それでは皆さん、優勝賞品の一日提督を自由に出来る券を賭けて頑張ってくださいねー!」
提督「…………はぁ!?えっ、ちょ、そんなの聞いてないんだけど!?」
\ウオオオオオオオオオオオオオ!!!/
木曾「もう止めるのは無理そうだぞ…」
提督「まずいまずいまずい…!一日自由って何をされるか分かったものじゃない…!!」
木曾「そうだな、無事じゃ済まないかもしれないな」
提督「木曾っ!!」
木曾「おう!?」ビクッ
提督「勝つよ!!絶対!!!」
木曾「お、おう…」
79:
那珂「ではAブロック第一回戦!提督率いるチーム迅雷VS長門型率いるチーム疾風!配置についてください!」
提督「よっし…」
長門「ふっふっふ、容赦はしないぞ!」
提督「徹底的に潰す」
長門「」
提督「…………」ザッ ザッ
陸奥「ガチムードじゃないの…」
長門「こ、このくらいで怖じ気付くんじゃないぞ!」
陸奥「怖じ気付いてるのあなただけでしょ…」
80:
那珂「それでは、始めっ!!」
パーン
提督「よし……まずは作戦通りに動いてね」
暁「了解!」
響「任せて」
雷「司令官、後ろは頼んだわ!」
提督「うん、安心して行っておいで」
木曾「俺は盾だな…屈んでてくれ」
提督「うん、任せたよ」
81:
シーン…
時津風「……動きがないね」
天津風「雪風、双眼鏡で偵察頼める?」
雪風「うん!」スチャ
ソー……
ビュンッ!!
バスッ
雪風「うぎゃ!?」
長門「なに!?」
天津風「うそ…!?」
那珂「まさかまさかの先制攻撃!頭を出した一瞬の隙を見事に撃ち抜かれました!しかしこんな技術を持っているのは…!?」
提督「ごめんね、雪風」ニヤ
那珂「これはダークホース!!電光石火の一撃で雪風ちゃんを沈めたのは我らが総司令官、提督だったーーーー!!!」
82:
那珂「ここで先ほどのリプレイを見てみましょう!………これはまさにスナイパー!美しいほどに真っ直ぐでブレのない弾道、度、そして精密性!侮っていたこの女、やってくれます!」
長門「くっ、どうする…早戦力が減ってしまったが…」
陸奥「落ち着いて、あの子、狙う時は壁の前で立ってる。今はただの的よ」
天津風「なら誰かが囮になってる間に別方向から撃てば…時津風、囮をお願い!」
時津風「うん!」
サッ
時津風「こっちだよー!」
提督「!」ビュンッ
時津風「うわ、っ…!」ササッ
天津風「今っ!!」ビュン
バスッ
長門「やったか…!?」
83:
陸奥「………!」
木曾「ふっ、残念だったな」
那珂「これはイケメン!!小盾を持った木曾ちゃんが提督をしっかりガード!木曾ちゃんが男だったら惚れていた人も少なくはない!」
長門「まずいな…」
天津風「迂闊に顔が出せない…!」
那珂「まさに要塞!木曾ちゃんの的確なガード、そして提督のスナイピング!この二人の突破は困難を極める!さあ疾風チーム、どう動く!?」
木曾「……どうだ?」
提督「勝ったね」
木曾「だろうな」
提督「よし、畳み掛けるよ」
84:
提督「暁型総員、前方に展開!全力攻撃を仕掛けて!」
暁「了解!」ダッ
響「この瞬間を待っていたんだ!」ダッ
雷「司令官は私達のものよー!!」ダッ
長門「しまった…!総員迎撃態勢!」
陸奥「ダメ、もう遅いわ!」
天津風「きゃあ!?」
バスッ
85:
バスッ
時津風「わぁ!」
雷「このままフラッグ奪取よ!」
長門「まずい、陸奥、援護を!」
提督「させないよ!」ビュンッ!
長門「うっ!?」バスッ
陸奥「ダメね、もう一人じゃどうにもならないわ…」
響「Ураaaaaaaaaa!!!!」バッ
ズザアアア
那珂「ここで響ちゃんがフラッグを奪取!!完封で勝利を抑えました!優秀な作戦指揮を見せた提督に盛大な拍手を!」
ワーワー パチパチパチパチ
86:
木曾「完璧な作戦だったな」
提督「えへへ…でもまだ一回戦だからね、次の作戦を練らないと」
陸奥「完敗だわ…やっぱりチームワークは大切ね」
長門「悔しいな…だが、楽しい戦いだったぞ」
提督「あ、二人とも…お疲れ様」
長門「すごい作戦指揮だったな。実際に出撃する時も提督に指揮を頼みたいものだ」
提督「うーん…考えとく」
陸奥「でもそれ以上にすごいのはチームワークだったわ。これなら本格的に優勝を狙えるかも……頑張ってね」
提督「うん、ありがと!」
90:
雷「さて、次の作戦ね」
提督「さっきは勢いで攻略出来たからいいものの、同じ手はもう使えないだろうしね…」
響「基本フォーメーションは同じでいいと思う。さっきのチームワークを見ればあれで不足はなさそうだ」
暁「なら誰がどう動くか、ね…」
木曾「俺に考えがある、聞いてくれ」
提督「うん」
那珂「さーあ先ほどの試合によって会場は熱狂的な盛り上がりを見せています!このまま皆さんにも熱い試合を見せてもらいたいものです!」
那珂「では続きまして、Aブロック第二回戦!ビスマルクさん率いるチームジャーマニーソール!迎え撃つはしおいちゃん率いるチーム伊号!それでは各人、ポジションについて…」
『始めっ!』
\ワーッ!!/
91:
?????
提督「………ふぅ。これで一通りの作戦は完成だね」
木曾「ああ。どうしてもって時は各々アドリブで動いてくれ」
暁「そうね、暁達ならやれるわ!」
雷「はー…長いこと喋ってたら喉乾いたわね。何か持ってくるわ!」
暁「あっ、暁も!」
響「私も行く」
雷「司令官と木曾さん、何がいい?」
提督「私ココア!」
木曾「熱いお茶が飲みたいな」
雷「分かったわ!ちょっと待っててね!」パタパタ
92:
提督「……うー、落ち着いたら寒くなってきたなぁ…」ブルッ
木曾「まあ雪が積もるほどだしな…というかまだ降ってるし」
提督「はふ、手袋なかったらしもやけコースだったねこれ…」
バサッ
提督「わお」
木曾「ふふ、どうだ?二人で入れば暖かいだろ?」
提督「わあ、マント…えへへ、あったかいね」
木曾「さらにこうすれば…」ギュッ
提督「うわー、あすなろ抱き…あは、お姉さんときめいちゃうかも…」
木曾「お姉さん?」
提督「なに?なにか言いたいことでもあるの?」ジト
木曾「いーや、なんでも」
提督「ならよし」
93:
提督「…………」スンスン
木曾「どうした?」
提督「ん?いや、いい匂いだなーって思って」
木曾「……変態くさいぞ?」
提督「ふふ……木曾の匂い、優しいね…」ニコ
木曾「んなっ…!?い、いきなり変なことを言うんじゃない!///」
提督「あはっ、珍しく照れちゃって!」
木曾「馬鹿、茶化すな!///」
ダンッ!!
雷「お・ま・た・せ♪」
提督「うえっ!?い、いつの間に…」
雷「ふふっ、二人で楽しそーーーーになにやってたのかしら??教えて欲しいわねぇ???」
提督「え、え?っと…ほ、ほら!ただのスキンシップだよ!ねえ、木曾!」
木曾「風花…もうお前を離さない…」キリッ
提督「ちょっと、木曾!?」
雷「(#^ω^)」ビキッ
提督「ま、待って雷、これは木曾の……!!うわっ!うわうわ、うわーーーーーっ!!!」
98:
雷「まったくもう、司令官のバカ!」
提督「あはは…ごめんごめん、つい調子に乗っちゃった」
木曾「俺も悪ノリしすぎたな、すまなかった」
雷「むぅ…まあ、別に怒ってないけど…」
提督「優勝したら一日中甘えてもいいから、ね?」
雷「……それもそうね。よし!気を取り直して頑張りましょう!」
木曾「よかったな、嫌われなくて」
提督「だねぇ…ところであと何回勝てばいいの?」
木曾「そうだな、参戦してるチーム数的に………三回だな」
提督「私達はあと何人殺せばいい?私はあと何回あの子とあの子犬を殺せばいいんだ?ゼロは私に何も言ってはくれない……教えてくれ、木曾!」
木曾「何を言っているんだお前は」
提督「ごめん、言いたくなっただけ」
木曾「………W面白いよな」ボソッ
提督「!?」
102:
雷「さあ司令官、次は私達の出番よ!」
提督「スー……」コックリコックリ
雷「……司令官!!」
提督「…んえ?あ、ああ、試合?」
暁「司令官、今寝てたでしょ」
提督「ね、寝てない寝てない!ちょっと目瞑ってただけだから!」
雷「なんでもいいわ、早く行きましょう!相手チームが待ってるわ!」ザフ
提督「……はっ、くしゅん!」
木曾「大丈夫か?」
提督「うー、マントがあるとはいえさすがに寝ると体温下がるなあ…」
木曾「無理はするなよ?」
提督「うん……よし、身体あっためるために前行くね!」
木曾「わかった、活躍ぶりを見せてくれ」
103:
那珂「さあ再びやってまいりました、我らが提督率いるチーム迅雷!前回は会場が沸き立つようなプレイを見せてくれました!さて今回は提督が前に出ていますが、どんなプレイを見せてくれるのでしょうか!?実況の那珂ちゃんも胸が躍ります!!」
\ウオオオーーーーーーーーッ!!!/
ザワザワザワ…
<がんばれ提督ーっ!!
提督「なんか、すごい期待されてるんだけど…」
那珂「対するは深雪ちゃん率いるチーム雪走!
持ち前のコンビネーションを活かして、彼女達は一回戦を突破しました!言わずとも通じ合うその心に作戦などなし!アドリブの嵐をどう攻略するのか!?これも熱いカードです!」
叢雲「はぁ、なんで私まで…」
初雪「まあ、同じ型だし……」
吹雪「そんなこと言って、叢雲ちゃんもさっき楽しそうだったよ?」
叢雲「う……ま、まあ、否定はしないけど…「
深雪「よっしゃあ!みんな、深雪さまについて来いっ!」
白雪「そうね、私達ならやれる!」
104:
深雪「司令官!司令官達には負けないからな!」シュビ
提督「うん、手加減なしだよ」
深雪「それでよし!全力で来いっ!」
提督「ふふ……いい覚悟だね」
那珂「この寒さなど知らないかのような会場の熱気!早く始めろ、コールをしろと那珂ちゃんに痛い視線が突き刺さります!ああ、なぜ!アイドルなのに、どうして!そんな疑問も熱く熔かせ!天を焦がせ!!銀色の世界に走るのは迅雷か、それとも真っ白な吹雪か!白熱の第二回戦!!」
『───始めっ!!!』
105:
提督「ほっ!」ズシャッ
深雪「はっ!」ズシャッ
那珂「両者、まずはキーとなる小盾を取りました!早くも前衛が決まりましたが、ここがどう動くかによって試合が一転も二転もすることでしょう!」
提督「おりゃ!」シュッ
深雪「おっと!」バッ
那珂「提督の先制攻撃!しかし深雪ちゃんも盾でしっかりと防いでいます!さらに続く提督の攻撃!深雪ちゃん、たまらず雪壁に隠れます!」
提督「おりゃ!出てきなさーい!」シュッ シュッ
白雪「くっ、こう弾幕を張られると迂闊に出られない…」
那珂「あっという間に制圧してしまいました!これは早くも勝敗が決したか!?」
深雪「………初雪!」
106:
バッ
初雪「えいっ……!」シュッ
提督「うわっ!?」バッ
那珂「おっと!?これは初雪ちゃん、鋭いカット!予想外の攻撃でしたがかろうじてガードしています!」
深雪「今だ!かかれ!」
吹雪「白雪ちゃん!挟みこんで!」
白雪「うん!」
暁「司令官!」
木曾「待て、迂闊に出るな!お前まで巻き込まれるぞ!」
暁「でも…!」
木曾「あの子を信じろ、きっとどうにかなるはずだ…!」
那珂「ピンチ!ピンチ!ピンチ!提督、一気に追い詰められました!さすがのコンビネーション、一人での突破は不可能!」
108:
深雪「いけ!潰せ!」
白雪「もらった!」シュッ
吹雪「そこぉっ!」シュッ
提督「はぁっ!!」ブンッ
バスッ バスッ
白雪「な…!?」
吹雪「うそ!?」
那珂「なんと!?F91を彷彿とさせるシールドバッシュ!二つの雪玉を同時に砕きました!!」
提督「でぇい!!」シュッ
白雪「きゃあ!」
バスッ!
深雪「白雪!くっそ、よくも白雪を!」バッ
吹雪「今だよ!雪玉を集中させて!」シュッ
深雪「くらえ!」シュッ
初雪「白雪の仇…!」シュッ
109:
提督「甘いっ!!」バシュシュン
初雪「くっ…!」
吹雪「ああ、また…!」
叢雲「今!!」ダッ
深雪「うおおおおっ!!」ダッ
提督「やばっ……」
深雪「もらったぁ!!」シュッ
叢雲「終わりよ!」シュッ
提督「っ………死なば諸共ォッ!!」ダッ
深雪「なにぃ!?」
叢雲「深雪!?」
提督「ずあっ!!」
シュッ!
バスッ! バスッ!
110:
那珂「あぁっと!ここで追い詰められた提督が深雪ちゃんを道連れに!大きすぎる置き土産を残していきました!」
叢雲「く…まずいわね…」
吹雪「ど、どうしよう…」
初雪「落ち着いて…まずは一旦引かないと…」
響「逃がさない!」シュッ
叢雲「危ない!」ガバ
吹雪「きゃ!」
暁「逃しちゃったか…」
木曾「こうなると迂闊には追えないな…」
吹雪「ごめんね、叢雲ちゃん…」
叢雲「気にしないで…それにしても四対三はちょっと厳しいわね…」
初雪「……作戦、ある」
111:
木曾「………動きがないな」
響「何か企んでいるみたいだね…」
雷「どうする?下手に動かなければこっちの有利は変わらないけど…」
暁「でも、盾が遠くにあるぶん完全にこちらに分があるとは言いづらいわね…なんとかあれを回収出来たらいいんだけど」
木曾「誰か、頼めるか?」
響「……なら私が行く」
雷「気をつけてね!」
那珂「両者共に膠着状態!お互いに攻めあぐねているのか、出方を伺っているのか、それとも作戦を立てているのか!会場も緊張に静まり返っております!那珂ちゃんうるさいという視線が刺さります!」
提督「おおー、熱いねえ」
白雪「司令官、おしるこ飲みます?」
提督「あ、飲む!」
深雪「おー、あたしも!」
112:
響「…………」タタッ スッ
雷「敵影なし!」
木曾『いいぞ、行け!』
響「ふっ……!」バシッ ゴロンッ
那珂「チーム迅雷、ここで盾を奪取!これでさらに優勢に持ち込めるか!?」
木曾「よし!よくやった、早く戻ってこい!」
叢雲「そうはさせないわ!」バッ
初雪「チャンス…!」
吹雪「逃がさない!」
暁「これは…!?」
那珂「あっと!?これは盾を構えた叢雲ちゃんを筆頭に、吹雪ちゃんと初雪ちゃんが並んだ単横陣です!一気にフラッグを掴みに行くのか!?さあどう食い止める!?」
響「私はもうダメか…!……木曾さんっ!」ブンッ
木曾「なっ…!」
那珂「響ちゃん、盾を木曾ちゃんパス!自らを犠牲にして、勝利を仲間に託す!!これは熱い!!熱い展開です!!」
113:
響「私のことはいい!だから…」
吹雪「もらったぁっ!!」シュッ
木曾「お前っ……!」
響「勝ってくれ!!」
木曾「………ああ!」
暁「響!」
バスッ
那珂「無情のアウト…!さあこれで人数はイーブン、しかし勢いはチーム雪走に向いている!まだ先は見えません!!」
叢雲「このまま押し切るわよ!」ダッ
雷「まずいわ…!」
暁「回り込めない…!」
木曾「俺が先行する!援護を!」
114:
木曾(一列なら盾を構えていれば攻撃も通らないはずだ…!)
木曾「行くぞォ!!」
那珂「木曾ちゃん、盾を突き出して突撃!!受け取れぇえええええええッッ!!!」
叢雲「ふふっ…!」
暁「!? 待って木曾さん!」
叢雲「この瞬間を待っていたのよ!!」
木曾「何!?」
叢雲「散っ!!」
吹雪「了解!」
初雪「作戦通り…!」
那珂「ああ!?これはまずい!木曾ちゃんを援護する陣形に対して個別にぶつかり合う形になった!勢いに乗っている方が投げる度もい!大ピンチです!!」
115:
深雪「おやっ、これはあたし達の勝ちかな??」
提督「むっ、まだ分からないよ」
白雪「司令官、お茶をどうぞ」
提督「おっ、ありがと?」
叢雲「この勝負、もらったわ!」
木曾「まだだ!暁っ!」ブンッ
暁「え、ええ!」パシッ
那珂「なんと!?ここでさらに盾をパス!防御なしで盾を持った叢雲ちゃんに立ち向かいます!」
叢雲「ふふっ、気でも狂っちゃった?」
木曾「まさか。まだまだ、ここからさ」
暁「木曾さん!」
木曾「暁!雷を守れ!なんとしてもフラッグは守るんだ!」
暁「でも…!」
木曾「安心しろ。俺は絶対負けないからな」
暁「………! 了解!」
116:
暁「ここは通さない!」
雷「なんとしても、守り抜くのよ!」
吹雪「お願い、通して!私達は負けられないの!」
初雪「勝って、司令官と…!」
那珂「激しい攻防!互いに押し、退き合い、両者一歩も譲りません!インファイトを思わせる打ち合いに会場は大興奮!歓声で耳が潰れそうです!!」
叢雲「クライマックスには丁度いいムードね…」
木曾「ああ…これで幕を引こう」
叢雲「私達の」
木曾「俺達の」
「「勝利を以って!!」」
117:
叢雲「はぁっ!」ダッ
木曾「!」ザッ
那珂「先に動いたのは叢雲ちゃん!盾がない木曾ちゃんを潰して決着を付けに行くか!?」
叢雲「私の勝ちね!これで終わりよ!」ブンッ
木曾「どうかな」
叢雲「!?」
118:
木曾「だあっ!!」
ザンッ
叢雲「えっ!??」
木曾「もらった!」シュッ
叢雲「しまっ……!」
バスッ
那珂「え…!?い、一体何が起こったのでしょう!?木曾ちゃんの服に雪がついていないということは、盾を持っていたはずの叢雲ちゃんが負けている!?りっ、リプレイ!モニターに回してください!」
119:
『だあっ!!』
那珂「こ、これは……!?雪の剣です!!雪を固めて作った剣で叢雲ちゃんが投げた雪玉を切り裂いています!!」
深雪「ウソぉ!?」
提督「木曾ー!!カッコいいよーーーっ!!!」
木曾「すぐ崩れるから一度きりだけどな…!」ダッ
初雪「しまった…!」
吹雪「えっ!?ちょっ、うそでしょ!?」
那珂「慌てて追いかけるがすでにその差は大きく開いている!もはや止めることは不可能!!そして走って、走って…!跳んだ!!見事フラッグをその手に掴みました!!雪も溶かすような熱い激戦を制したのはチーム迅雷!みなさん、盛大な拍手をーッ!!」
\ワァーーーーーーッ!!/ パチパチパチパチパチ
120:
叢雲「まさか雪を剣にするなんてね……完全に予想外だったわ」
木曾「普段軍刀で砲弾を弾き返してるのを思い出してピンと来てな…まあ、そう何度も使えるわけじゃないし、時間もかかるから前には出られないんだけどな」
叢雲「一瞬の閃きね…負けたわ。でも、楽しかった」
木曾「ああ、俺もだ」
ドドドドド
「木曾ぉーーーーーーーーーーーっ!!!」
叢雲「あ、司令官がきt……うわっ!?」サッ
ガバッ
木曾「ん?うおおおぉ!?」ドサッ
提督「木曾ぉおお?!よくやったよ木曾ー!!」
木曾「わ、分かったから!分かったから離せ!」
提督「えへへぇ木曾ぉ?、大好きだよ?愛してるよ?♪」チュッチュ
木曾「ぬわ!?や、やめろ!みんな見てるから!こら!!///」
121:
加賀「…………」モグモグ
赤城「おしるこ、美味しいですね」
加賀「ええ」モグモグ
赤城「………あ。加賀さん、見てください、あそこ」
加賀「?」
赤城「提督が木曾ちゃんに……ふふ、仲睦まじいようでなによりですね」
加賀「………………」グググ メキメキバキッ
赤城(箸を握り潰した!?)
125:
提督「えへへぇ、よくやったよ木曾?」スリスリ
木曾「分かった、分かったから早く離れろってば!………うげっ!」
ダッ
提督「うわっと!?木曾、どこ行くの!?木曾ー!?」
赤城「ぷっ、ふふ」クスクス
加賀「お疲れ様」
提督「あ、加賀!試合、見てたの?」
加賀「ええ、いい健闘だったわ」
提督「ほんと!?……木曾も褒めてもらえばよかったのに」
赤城「加賀さんが怖いオーラ出すから…」
加賀「別にそういうつもりでは…」
126:
提督「加賀は雪合戦しないの?」
加賀「私はあまりこういうことは…」
赤城「おしるこやお餅の方が気になるんですよね?」
加賀「それは赤城さんもでしょう…」
赤城「あら、バレました?」
加賀「はぁ…まあ、そういうことだから」
提督「そっかー、ちょっと残念かも」
『えーでは、間も無く次の試合に移りたいと思います!出場者はコートの方に集まってくださーい!』
提督「あ、もうそろそろ次が始まるみたい…応援行ってくるね!」
加賀「あ、ちょっと待って」
提督「?」
ゴソゴソ
加賀「はい、これ」スッ
提督「ん…これは?」
加賀「弾除けの御守り。さっきみたいに当たってほしくないから」
提督「おお…あ、ありがと!えへへ…」
127:
加賀「風花」
提督「?」
加賀「勝ってね」
提督「………うん!」
<しれいかーん!はやくー!
提督「今行くー!それじゃあね、二人とも!」ダッ
加賀「ええ」
赤城「頑張ってくださいね?」フリフリ
ザッ ザッ ザッ
加賀「…………」
赤城「どうですか?雪は女性を三割増しで美人に見せると言いますけど…」
加賀「そうね、今のところそうとは思えないわ」
赤城「あら、意外」
加賀「…………けど」
赤城「?」
加賀「………三倍可愛く見えるわ」
赤城「………一理ありますね」
128:
提督「やー、お待たせ」
雷「ほら司令官、もう始まってるわ!」
提督「おー、ほんとだ!」
木曾「……ん?なあ、それなんだ?」
提督「え?ああ、これ?加賀がくれた弾除けの御守りだよ」
木曾「へえ、弾除けの御守り…」
木曾「…………」
木曾「…………」
木曾「…………ん?」
木曾(弾除けの、御守り………?)
木曾(……え?えっ?ということはあの中には…!?)
提督「木曾、どうしたの?」
木曾「えっ!?あ、い、いや、なんでもないぞ!」
提督「そう?体調悪いならすぐに言ってね?」
木曾「あ、ああ。心得てる」
木曾(マジか、加賀…なかなか大胆だな…)
133:
赤城「…………?」モグモグ
加賀「…………」モグモグ
赤城「……あの、加賀さん?」
加賀「なに?」
赤城「弾除けの御守りということは……その、アレ……」
加賀「入ってるけど」
赤城「ワオ……」
加賀「本物を入れないと効力なんて出るはずがないわ」
赤城「そ、そうですよね。願掛けは大事ですよね」
134:
赤城「あのー…すごく気になるんですけど…」
加賀「なにが?」
赤城「提督って、そのぉ…よ、夜の方はどういう感じ…なのでしょうか…」
加賀「…………」ジロ
赤城「ち、違うんです!別にやましい気持ちがあるわけではなくて、ただ興味があるだけなんです!」
加賀「………はぁ…そうね…何から聞きたいの?」
赤城「えっ?い、いいんですか?」
加賀「ええ。早くしないと気が変わるわ」
赤城「え、え?っと、じゃあ、どういう態度になるのかを詳しく…」
加賀「態度ね…」
135:
加賀「…あの子、普段は可愛らしいというか、結構子供じみてるでしょう?」
赤城「そうですね、それを言うと怒りますけど…」
加賀「けど、夜戦の時はそれがまるでなくなって…しおらしくなるというか…いきなり美人に見えてくるというか…」
赤城「はぁ、なるほど…」
加賀「で…普段の比じゃないほど甘えてくるわ」
赤城「と、言いますと?」
加賀「いつもなら金剛さんに抱き着かれたり陸奥さんに頭を撫でられたりするだけで「みんな見てるから?」…って真っ赤になって恥ずかしがるのに、夜戦する時になると自分から抱き着いてくるし首筋に鼻先を擦り付けてくるし…ええ、可愛すぎて死にそうね」ニコニコ
赤城「そ、そうですか…」
赤城(まさかこんな惚気話を聞かされるとは)
136:
加賀「ずっと手を握って離さないし、キスしただけでスイッチが入って求めてくるし、終わった後のあどけない笑顔が可愛いし…」
赤城「はぁ…」
加賀「赤城さん、聞いてる?」
赤城「あ、はい、聞いてますよ、はい」
加賀「これだけじゃなくて私と二人きりの時には普段見せないような一面もあって…」
赤城「はあ」
加賀「私が居るのを見たらすぐ犬みたいに隣に来るし、私に寄り添っているとすぐ眠るし、本を読んでいると表情がころころ変わるのも本当に可愛らしいわ…ふふ…」
赤城「はあ」
加賀「あとは…そうね、好きな食べ物が出たら露骨に機嫌が変わったり、駆逐艦の子達が遊んでいるのを見ると一緒になって子供みたいにはしゃぐ笑顔も可愛いし、執務中の真面目な顔も可愛らしいわ」
赤城「はあ」
加賀「聞いてます?」
赤城「聞いてます」
138:
赤城「でも、提督って他の子とも仲良くしてるじゃないですか?」
加賀「ええ、確かにそうね…けど、あの子はそういう人だから」
赤城「そういう人とは…?」
加賀「誰かに愛されるために、誰かを愛する。自己満足のようにも思えるけど、私があの子にもらった愛は本物だから。この愛に偽りはないわ」
赤城「……なるほど」
加賀「絶対に裏切らないと約束もしたし…それに」
赤城「?」
加賀「あの子が甘えてくるのは私だけだから」ドヤァ
赤城(うわ…ムカつく…)
140:
赤城「しかし……提督って少しおかしいですよね?」
加賀「そう?」
赤城「だって、そんな愛情の形、歪んでいると思いません?」
加賀「……そう言われてみればそうかも」
赤城「一見普通に見えますけど…なんだか、何かが違うというか…普通の人ではないような…」
加賀「…前に本で人間は子供の頃にあった出来事が精神状態や性格に影響する、と見たわ」
赤城「だとしたら、子供の頃に何かが…?」
加賀「……………」
143:
赤城「……………」
加賀「……………」
提督「………おーい」
赤城「……………」
加賀「……………」
提督「………わっ!!」
赤城「!?」ビク
加賀「!」ビク
提督「二人とも、そんな真剣な顔してどうしたの?考え事?」
加賀「え?あ、いえ…少し気になることがあって…」
提督「気になること?」
赤城「提督、小さい頃になにかありました?」
提督「小さい頃?うーん…」
144:
提督「………うん、あるよ」
赤城「! それはどういう出来事でしたか?」
提督「うーん、分かんないや」
赤城「えっ?」
加賀「どういうこと?」
提督「いやね、何かあったのは覚えてるんだけど…その内容がどうしても思い出せないんだよね」
赤城「……そうですか。突然すみません、変なことをお聞きして」
提督「ううん、いいよ」
加賀「…もう試合は終わったの?」
提督「あ、うん!次は私達の決勝戦だよ!」
加賀「そう。なら私も見に行くわ」
提督「うん!先に行って準備してるね!」
145:
加賀「………はぁ…」
赤城「真相は闇の中、というわけですね…」
加賀「少しでもあの子のことを理解してあげられればと思ったのだけど…ダメみたいね」
赤城「そんな、もう十分加賀さんは提督のことを知っていますよ」
加賀「……そうね。それに、過去になにがあったとしてもあの子はあの子よ」
赤城「そうですね、また何か思い出すことがあればその時聞きましょう」
加賀「ええ。…そろそろ試合が始まるわ」
赤城「私達も行きましょうか」
147:
那珂「レディースエーン……レディース!!さーあ皆様、長らくお待たせいたしました!Aブロック決勝戦!!幾多の強敵を打ち倒し、ここまで登り詰めてきた雪の英雄達をご紹介しましょう!」
提督「那珂ちゃん、すっごいMC上手いなぁ…」
那珂「さあまずは青コーナー!持ち前のチームワークと完璧とも言える作戦!そしてそれを指揮する優秀な提督!普段の態度がアレなせいで驚いた人も多いことでしょう!」
提督「アレってなにさアレって!失礼な!」プンスカ
那珂「しかし優秀なのは作戦を指揮する提督だけではありません!木材だけでは火が起こらぬように、その火付け役が必要なのです!それがこの、第六駆逐隊の三人!子供と思って侮ると痛い目を…いや!冷たい目を見ることになるぞっ!」
暁「子供じゃないってばー!!」プンスカ
響「はいはい、早く準備しようか」
那珂「そして最後に、これまでの試合で幾度となくそのイケメンっぷりを見せつけてきた抱かれたい艦娘ランキング推定ナンバーワン!まさか…男!?いや違う!おっぱいのついたイケメンこと、球磨型の末っ子!木曾ちゃんです!!」
\木曾ー!カッコいいよー!!/
\木曾、勝ったら好きなもの奢ってやるクマー!/
\木曾ー!/\木曾ー!/\木曾ー!/
木曾「やめろよ!顔出しづらいだろ!!///」
148:
那珂「続いては赤コーナー!なんとこのチーム、全員が重巡洋艦です!妙高型四姉妹と、人数合わせのために入れられた……と思いきや、かなりの活躍を見せる古鷹ちゃんです!」
古鷹「なんで私まで、と思ったけど…ここまで来たからにはやるしかないですね」
足柄「勝負事に負けるつもりはないわ!勝つのよ!!絶対!!」
妙高「久しぶりに燃えてきました…!」
那智「ああ…勝って提督と…」
羽黒「わ、私も司令官さんと…!はい!頑張ります!」
那珂「意気込みは十分!いよいよ試合が始まります!泣いても笑ってもこれが最後…提督を一日自由に出来る券を賭けたラストバトル!!」
提督「………そういえばそういう体だった」
那珂「それではいざ、尋常に……」
『始めっ!!!』
152:
那智「まずはこちらかr」バッ
提督「はぁっ!!」シュッ
那智「何!?」
バスッ
提督「ひとつ!」
妙高「那智!」
提督「まだまだっ!」シュッ
妙高「………!」
バスッ
提督「ふたつ!」
羽黒「ひいっ!」ササッ
提督「みっつ…はダメか…」
那珂「い!すぎる!提督の十八番が炸裂しました!!精密射撃によって早くも二人撃沈!大きくリードを奪いました!!」
木曾「いいぞ!」
157:
提督「暁!」
暁「ええ!」ダッ
那珂「日和った隙に盾を取りました!早見事な連携を見せています!」
羽黒「ど、どうしよう…!」
古鷹「落ち着いてください!まずはこちらに!」
羽黒「は、はい!」ササ
提督「!」ピクッ
足柄「待って!まだ提督が…!」
ビュンッ!
羽黒「きゃあ!?」バッ
提督「!?」
木曾「避けた!?」
158:
那珂「提督の精密射撃を躱した!?偶然か、それとも…!?」
木曾「…どうする?」
提督「いや、このまま押し切る!みんな行くよ!」
雷「了解!」
那珂「作戦決行!このまま勢いに乗って押し潰せるか!?」
古鷹「来ます!羽黒さん、迎撃態勢を!」
羽黒「は、はい!」
足柄「私達は少しでも多く数を減らすわ!」ダッ
暁「盾もなしで来るなんて!」
木曾「畳み掛けるぞ!」
159:
提督「………!?待って木曾!様子がおかしい!」
木曾「なに?」
暁「せいっ!」シュッ
古鷹「くっ…!」サッ
響「逃がさない!」シュッ
バスッ
古鷹「っ……足柄さん!」
足柄「ええ!」シュッ
暁「まずっ…!」
バスッ
雷「暁の仇ぃー!」シュッ
足柄「ここまでね…」
バスッ
那珂「さらに二人ノックアウト!一人犠牲になりましたが、四対一!これは試合が決まってしまったか!?」
160:
雷「このまま挟み込んで!」
響「わかった!」
提督「ダメ!二人とも戻って!」
木曾「…聞こえていないみたいだ」
提督「うあぁ…私のミスだ…」
木曾「……何がだ?これなら俺達の勝ちじゃないのか?」
提督「ううん…どうして相手チームが決勝まで残ったのか分かる…?」
木曾「…どういうことだ?」
提督「一人一人は強いけど、古鷹がいる分五人全員の連携は取れていない…これは五人全員が協力して勝つ競技。ならそれであのチームがどうやって勝ってきたのかって」
木曾「………!まさか…」
提督「そう……」
161:
妙高「……そろそろでしょうか」
那智「ああ…少し心許ないが」
足柄「そう?少なくとも二人はやれそうだけど」
古鷹「完全に油断していたみたいですしね…」
那智「意外だっただろうな。一回戦の時のあいつと同じで誰もその存在を警戒していない。まさかそんな、と思うだろう…そう」
162:
『「ダークホースという、存在を」』
163:
ヒュヒュンッ
雷「え?」
バスッ バスッ
響「……え?」
提督「ごめん……」
那珂「え……な、何が起こったのでしょう!?雪玉をぶつけられ痕跡が見えますが…え、え?雪玉を…投げた?一瞬で?二人に向かって同時に!?あ、り、リプレイが届いているようです!モニターに回してください!」
ザワザワ…
那珂「……た、確かに両方に投げています!しかもどちらとも当たっています!恐るべし羽黒ちゃん!!最後の最後で、秘められし力を発揮しました!これは大番狂わせか!?」
木曾「まずいな…一気に二対一まで持ち込まれたぞ…」
提督「………まさか羽黒があそこまでやるなんて…完全にノーマークだった…私のミスだ…」
木曾「お、おい…弱気になるな、まだ負けたわけじゃない」
提督「……うん。まだ、策はあるよね」
172:
提督「…………」ソーッ
羽黒「うぅ…ご、ごめんなさい…」
木曾「……どうだ?」
提督「動く気配はないかな…防衛に徹してるみたい」
木曾「さすがに二人といえど単身で突っ込めば的になるだけだからな…動きながらあの投げ方は出来ない、ということか」
提督「……けどこのままじゃジリ貧だよ…」
バスッ!
羽黒「は、早く降参してください!」シュッ
バスッ!
木曾「試合時間もあるしな…焦り始めた向こうが雪壁の上から叩き込んでくる可能性もある」
提督「だからと言って迂闊には出られないし……」
提督「…………!!」
木曾「どうした?」
提督「…思い付いたよ、打開策」
木曾「! 本当か!?」
提督「うん、まずは………」
173:
提督「………どう?」
木曾「……確かに決定力はあるが…本気か?」
提督「相手があれじゃどう策を講じても突破は無理だと思って、ね…」
木曾「………まあ、それもそうだな」
提督「でしょ?」
木曾「ああ、どうせやるなら当たって砕けろだ」
提督「うん!私達なら出来るよ、きっと」
木曾「……よし!行くぞ!」
提督「ラストバトルだああああ!!」
174:
羽黒「!」ピク
木曾「俺が先陣を切る!後に続け!」
提督「わかった!」
那珂「決死の突撃!木曾ちゃんが盾を前面に突き出し、提督が続きます!何か策があるのか、それとも雪合戦の女神に全てを委ねるか!?」
羽黒「ひっ!こ、来ないでくださいぃぃ!」シュッ
木曾「うおっ!」
ボスッ
提督「木曾!」
木曾「大丈夫だ!だがカバー出来ていないところを的確に狙われた、次はないぞ!」
提督「分かってる!行くよ!」
木曾「ああ!」
提督「羽黒ォーーーーー!!!」
ビュン
羽黒「ひぃっ!」サッ
提督「今のうちに!」
木曾「ああ!」ザッ
175:
那珂「!? 木曾ちゃんが屈みこんで、盾を頭上に……えっ、えっ!?」ガタッ
木曾「跳べッ!!」
提督「おおおおあああああああああ!!!!」ダンッ
バッ
羽黒「うそ…」
那珂「木曾ちゃんを踏み台にしたぁ!??」
足柄「ええええええええええ!!???」
那智「なん……だと……」
妙高「これは……ダメみたいね…」
古鷹「チームワークがここまでとは…」
176:
提督「だあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ギュオオオオオオオ
那珂「そのまま一直線!向かうはフラッグ!!もう止められない!そして!そして!!」
提督「私達のおおおおおおお!!!勝ちだああああああああああああああ!!!!」
ズザアアアアァァァ
那珂「フラッグをゲットオオオオオオオオオオオオオ!!!これが!!チーム迅雷の絆だああああああああああああああ!!!」
\ワアアアアアアアアアア!!!!/
\キャアアアアアアアアア!!!!/
\提督カッコイイー!!抱いてー!!/
提督「へへ…えへへへ……」
177:
???
羽黒「うう…最後まで動きが読めませんでした…」
妙高「負けましたね…まさか、上を攻められるとは」
古鷹「チームワークの勝利ですね…私達に足りなかったのはそれだったのでしょう」
足柄「あ”ーーーーーーーーっ!!!くやしいいいいいいいっ!!!」バタバタ
提督「あはは…足柄、みっともないよ…」
雷「というかかなり跳んでたわね。見る限り3m以上は…」
暁「木曾さんすごかったわ!」
木曾「ふっ、まあな。愛のなせる業さ」
提督「も?、またまたぁ」バチーン
木曾「??????!!!」
響「うわぁ…」
178:
那珂「お聞きくださいこの大歓声!寒さを忘れ、汗すら流すほど熱狂的な叫び!Aブロック優勝は、チーム迅雷!!今一度この英雄達に惜しみない拍手を!!」
パチパチパチパチパチパチ
暁「うわー、耳が壊れそう…」
木曾「ああ。だが、悪くない」
提督「みんなで勝ち取った勝利だからね」
雷「司令官、見て見て!ほら、これ!」
提督「ん?なにこれ?」
響「何って…司令官を一日自由に出来る券だよ」
提督「………あ!!そういえばそういう話だった!」
木曾「優勝して良かったな、ほんと…」
提督「危ない危ない、他のチームに渡ったら何をされるか分かったものじゃなかった…」
179:
電「みんな、優勝おめでとうなのです!」
提督「おー電!ふふっ、見てたの?」
電「はい!司令官さん、カッコよかったのです!」
提督「えへへぇ、照れるねえ」
雷「ねえ、これの使い道どうする?」
暁「そうねえ、悩みどころね…」
響「そう焦らずとも、ゆっくり考えればいいさ」
電「あ………」
木曾「……………」
180:
電「…………」
木曾「……ほら」
電「え?」
木曾「これ、やるよ」
電「えっ…!で、でも…!」
木曾「なんだ?これを誰かに渡しちゃいけないなんてどこにも書いてないだろ?」
電「そ、そんな…木曾さんに悪いのです!ダメなのです!」
木曾「いいからもらっておけ、お前達に比べたら提督といる時間は長いからな」
電「……でも…」
木曾「そんな顔するなよ、あいつの幸せは俺の幸せなんだ。お前達が一人でも欠けたらあいつも幸せになれないぞ?」
電「…………ありがとう、なのです」
木曾「ああ」
182:
雷「電、もうやりたいことは決まった?」
電「…はい、大丈夫なのです!」
提督「私に出来る範囲でお願いね?」
暁「分かってるわよ!はい、司令官!今日の夜12時ちょうどから明日が終わるまで、ずっと一緒がいい!」
雷「私も!」
提督「おお…すごくまとも…うん、約束ね!電は?」
電「えっと…電は…」
木曾「……………」
電「電は…司令官さんとお姉ちゃん達と、木曾さんも、一日ずっと一緒がいいのです!」
木曾「んお……お、おい?」
電「ダメですか…?」
提督「もとより私に拒否権なんてないだろうしねえ…もちろんいいよ。私も、木曾に一緒に居てほしいし」
電「本当ですか!?やったのです!」
木曾「………はは…こりゃ一本取られたな」
184:
提督「さて、響は?」
響「ん?私は司令官のおっぱ」
提督「は?」
響「私も一日ずっと一緒がいいな」
提督「そっか、やっぱりみんな考えることは同じなんだねえ」
響「……………」
提督「なに?」
響「なんでもないです…」
185:
提督「よし…じゃあみんな、寝る時間になったらみんなを起こさないように私の部屋に来てね」
暁「了解!」
雷「ふふっ、楽しみねえ」
電「もちろん木曾さんも一緒なのです!」
木曾「はいはい、分かってるさ」
響「……フフ、みんなと一緒なら悪くないかな…」
提督「それじゃあ私、そろそろ他の子達見てくるね!」
暁「はーい、行ってらっしゃーい」
雷「司令官も大変ねえ…」
木曾「一番はしゃいでるのはあいつだがな」
響「違いない」
186:
提督「うー、寒い寒い…」サスサス
提督「……あれ、他の子の姿が見当たらない……おぉっ!?なにこのかまくらの群れは!?」
ヒョコ
深雪「お、司令官!司令官もかまくらの中で餅食べよーぜ!」
提督「お餅?みんなお餅食べてるの?」
吹雪「えっ、司令官いるの!?」ヒョコ
提督「あ、みんないるんだ」
深雪「ほら、みんなで食べた方がおいしいから!なっ!」
提督「そうだね、そういうことなら」
深雪「やーりぃ!」
187:
提督「おじゃましま?す」ザフザフ
叢雲「あら、いらっしゃい」
提督「どうも?」
初雪「お皿……」スッ
提督「あ、ありがと」
吹雪「今焼いてるところなのでもう少し待ってくださいね」
提督「はーい…いやー、しかしよく出来てるねえ」コツコツ
深雪「へへー、みんなが試合してる間に作ったんだよ!身体冷えると思ってな!」
提督「おお…深雪はえらいねえ」ナデナデ
深雪「へへへ…♪」
初雪「私も頑張った……」ススス
提督「よしよし、初雪もえらいえらい」ナデナデ
初雪「ふふん……」
吹雪「わ、私も頑張りました!」
叢雲「わ、私だってやったわ!」
提督「うんうん、みんなえらい子」ナデナデ
吹雪「きゃ?♪」
叢雲「ふんっ、それでいいのよ///」
188:
白雪「司令官、醤油をどうぞ」
提督「ん…あれ、醤油しかないの?きな粉は?」
叢雲「きな粉、あるにはあるけど…ここ、誰も食べないからもらってないわよ?」
提督「えー、きな粉おいしいのに」
深雪「他のところにならあると思うけど…まだ焼けないし今のうちにもらってきたらいいんじゃない?」
提督「うん、そうする」ザッ
189:
提督「んっと…ここならあるかな…失礼しまーす」ヒョイ
北上「ん?おー、ふーちゃん」
大井「あ…提督…」
球磨「何か用クマ?」
提督「えっとね、きな粉ないかな?私がいるところになくって…」
多摩「ここにあるにゃ」スッ
提督「お、ありがとー」
大井「はぁ………」
提督「…大井、どうしたの?元気ないみたいだけど」
北上「さっきからずっとこの調子なんだよね、何があったか分からないんだけどさ」
提督「大井?体調でも悪いの?」
大井「………」フルフル
190:
大井「……一日提督を自由に出来る券…」
提督「ああ、あれ…あれが欲しかったの?」
大井「はい…悔しいです…」
北上「まあ負けちゃったものはしょうがないからねえ」
提督「なるほど…ところで一日自由になって、何がしたかったの?」
大井「提督の貞操を」
球磨「…………」ササ
多摩「」ススス
北上「うわ……」ジリ
提督「私帰るね」クル
大井「違うんです!!!」
191:
大井「待ってください提督!!」ガシッ
提督「やめてください触らないでください」ググ
北上「さすがにそれはキモいよ大井っち…」
多摩「死ね」ボソッ
大井「違います!私はただ提督を愛しているだけなんです!だから貞操を奪いたいんです!!」
提督「何その理屈!?どうあがいても変態でしょ!?」
大井「違いますゥー!他の誰かに取られたくないんですゥー!提督のものは全部私のものにしたいんですゥー!」
提督「やだよそんなの!?そもそも私もう処女じゃないし!」
大井「えっ?」キョトン
北上「えっ?」
球磨「えっ?」
多摩「えっ?」
提督「えっ?」
194:
大井「今、なんと」
提督「え?い、いや、もう処女じゃないって…」
大井「………………………」
提督「……あ、あの」
大井「どこの男ですか?」
提督「へ?」
大井「どこの男ですか?誰ですか?どういう関係ですか!?いつのことですか!?今すぐ私がその首捻じ切ってああああああああああああああああああ!!!!!!」
提督「うわあ!?お、落ち着いて大井!」
球磨「大井がぶっ壊れたクマ!!」
多摩「もともとにゃ」
球磨「それもそうクマ」
北上「そんなこと言ってる場合じゃないってば!大井っち!」
大井「ウオアアアアアアアアア!!!殺す!!ぶち殺してやるうううううううううう!!!」
196:
提督「大井!話を聞いて!まだ続きがあるから!!」グググ
大井「離せええええぇぇぇぇ!!殺す!!今殺す!!すぐ殺す!!骨まで砕いてやるうううううううううう!!!!!」
提督「話を聞けええええぇぇぇぇ!!!」グアオオオ
大井「おお!?おっおっおっおおおお!??」
提督「どりゃあ!!!」
ゴシャァッッ
球磨「うわ……」
多摩「すごいにゃ…」
北上「直下式ブレーンバスターなんて初めて見たよ…」
提督「ハァ……ハァ……話、聞く?」
大井「ききまふ」鼻血ダラダラ
198:
球磨「で、続きってなにクマ?」
提督「え?ああ、うん…えっと…」
提督「…………////」カァアアア
多摩「え?ど、どうしたにゃ?」
提督「いや…なんかこれ言わなきゃいけないとなるとすごい恥ずかしくなってきて…///」
大井「どんな羞恥プレイさせられたんですか」ミシミシ
提督「そんなんじゃないってば…というか崩れるから壁に拳突き立てるのやめなよ…」
北上「もー、じれったいなぁ…ならどういう理由だったのさ」
提督「………あの…」
球磨「…………」
多摩「…………」
大井「…………」
北上「…………」
提督「………自分でやりました……」
199:
大井「…………」
大井「…………」
大井「………えっ?」
北上「えっ?」
球磨「えっ?」
多摩「えっ?」
提督「……………/////」
200:
大井「え……じ、自分、で?って?」
提督「うん、一人で…」
北上「ど、どうやって?」
提督「……イヤ、その…高校生の時に…あの…お…」
球磨「お?」
多摩「お?」
提督「お………オモチャで………/////」
北上「………えと、あの……なんていうか、ごめん…」
提督「いいよ別に…どうせ誰かに捧げる予定もなかったし…あの頃は盛んだったし…」
大井「…………」グスッ
北上「そんなに嬉しいんだ…」
201:
大井「いや……提督、料理上手だし掃除も洗濯もするしお裁縫出来るし面倒見いいし、家庭的だから彼氏の一人や二人居てもおかしくないんじゃないかって……」ズズッ
北上「まあ、確かに…」
提督「残念ながら生まれてこのかた一度も彼氏なんて出来なかったんだよね…」
多摩「作ろうとは思わなかったにゃ?」
提督「うーん…いや、そもそも男の人を好きになるっていうのがよく分からなくて…私、小さい頃からずっと幼馴染にべったりだったし…」
球磨「告白?とかされたことは?」
提督「何回かあるなぁ……男の子に七回、女の子が十回だったけど…」
球磨「モテモテクマ」
提督「まあ、全部断った結果が独身アラサーという有様なんだけど…」
202:
大井「いや…でも良かったです、どこの馬の骨とも知れない男に奪われるぐらいなら提督自身の
手の方がよっぽど綺麗です」
提督「当時は相当なショックだったけどね…」
北上「というか、そろそろ戻らなくていいの?」
提督「おっと、忘れてた…それじゃあきな粉もらっていくね」ザッ
球磨「片付けは任せたクマ」
提督「はーい」
多摩「ばいばいにゃ」
ザッザッザッ…
大井「さて北上さん!私達もお餅食べましょう!」
北上「切り替え早いね…」
203:
ザフザフ
提督「よいしょっと…ただいまー」
深雪「ん、おかえりー」モグモグ
提督「あ、もうみんな食べ始め………あれ?私のお餅は?」
叢雲「あんたが帰ってくるの遅いからもう私が食べたわ」モグモグ
提督「あー!?なんてことを!!」
白雪「まあまあ、まだ数はありますから」
吹雪「もう一度焼きましょう、私達も食べますから!」
提督「むー…食べ物の恨みは恐ろしいんだからね」
叢雲「ちょっとは節制しなさい」
提督「」グサッ
初雪「…………」モグモグ
204:
パチンッ パチッ…
提督「うわっちち、あちちち」
深雪「もっとこっち寄りなよ、火花飛ぶよ」
提督「うん」
プクー
提督「あ……ふふ、膨らんできた…」
白雪「もうちょっとですね」
提督「楽しみだなぁ…」
叢雲「誰かに取られないように気を付けなさいよ」ニヤ
提督「そんなことしないもーん、べーっだ」
205:
提督「いや?……しかし、静かだねえ…」
吹雪「そうですね…やっぱり、雪がずっと降り続いているからでしょうか」
提督「うん………」
深雪「…………」
初雪「…………」モグモグ
白雪「…………」
叢雲「…………」
提督「…………」
206:
提督「………なんだか、こうして降り積もっていく雪を見ていると昔のことを思い……出、す…………?」
『……みて!…おね…ちゃ…………だよ!ゆき…』
『い…ぱい………つも…る!ゆ…がっせ……み…なでや………』
『………ちゃんも、おと……んも…かあさ……!』
『み…な…一緒に──────
提督「───………?…、…?」
深雪「おいっ、司令官?司令官?」ユサユサ
提督「………え?あ、ああ、なに?」
深雪「いや、もう焼けたって言ってるのにずっと反応がないからさ…食べないの?」
提督「あ、食べる!食べるから、叢雲ォ!!」
叢雲「あ、バレた」
提督「バレたじゃないでしょもう!」
初雪(……よかった、いつもの司令官だ…)
提督「まったく、もう…」
提督「……………」
提督(私……さっき、何を思い出そうとしたんだっけ……)
207:
???
深雪「くぁ?……もうすっかり夜だな?…」ググッ
提督「そうだねえ、そろそろお開きにしよっか」
深雪「そだなー、なんか名残惜しいな」
白雪「明日には溶けてなくなっているでしょうね…」
初雪「でも、今だけでも楽しめたから……感謝……」
吹雪「ありがとうございました、雪さん」
提督「雪に感謝!」ビシィ
深雪「感謝!」ビシィ
208:
提督「それじゃあ私、みんなの誘導してくるから」
深雪「おー!七輪はあたしらが片づけとくなー」
提督「うん、よろしくー」
深雪「よーし、じゃあ戻ろうぜー」
「楽しかったねー」
「次雪合戦やる時は絶対勝つわよ!」
「叢雲ちゃん、一番楽しんでる……」
「べ、別にそんなんじゃないけど!?」
「まあまあ、恥ずかしがることじゃないから…」
ゾロゾロ…
提督「………さてと!私もみんなの誘導済ませて電達が来るための準備しよっと」
提督「??出会ったこ?ろは?…♪」
209:
鎮守府の雪おわり
そろそろ提督の過去も掘り下げていきたいです
213:
大井「提督を産みたいですね」
提督「」
216:
『勝てなかったよ……』
?まだ鎮守府がそれほど大きくなかった頃?
秋月「秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月です!本日付けでここに配属となりました!」
提督「私達の鎮守府にようこそ、秋月!これからよろしくね!」ギュッ
秋月「は、はい!よろしくお願いいたします!」
秋月(優しそうな人だなぁ…)
提督「ところで君、お腹すいてない?」
秋月「へ?あ、ええっと、はい、少し…」
提督「そっか、じゃあ何か食べたいものはある?」
秋月「えっ?」
提督「なんでもいいよ!好きなものを言ってね!」
秋月「あ…な、なら、肉じゃがとおにぎりが食べたいです!」
提督「肉じゃがとおにぎりだね…うん、分かった!食堂までおいで、すぐ作ってあげる!」
秋月「あ、は、はい!」タタッ
219:
スタスタ……
飛龍「……………」ヒョコ
蒼龍「………見た?」
龍驤「ああ、見たで」
鳳翔「確かに」
瑞鳳「見た!」
飛龍「ねー。ああやって新しく配属された子がどんどん買収されていくんだね」
蒼龍「そう言う飛龍だってご飯で買収されたクチでしょ?」
飛龍「それは蒼龍もでしょ!あんなのずるいもん!」
龍驤「まあ食の誘惑には勝てんからなぁ…」
鳳翔「ということは、龍驤ちゃんも?」
龍驤「うん。そっちは?」
鳳翔「かく言う私も…」
瑞鳳「実を言うと私も…」
220:
飛龍「もしかしてここの鎮守府の人って、全員ご飯で買収されたんじゃ…」
蒼龍「いや…でも、ほんとに提督の作るご飯美味しいし…」
瑞鳳「一度食べたら忘れられないよね、あの優しい味…」
鳳翔「それでいて人当たりもいいですしね…惚れない方がおかしいんじゃないでしょうか」
龍驤「あーもう!みんな意志が薄弱すぎるんや!あの誘惑に耐えられるやつはいないんか!?」
飛龍「そういう龍驤ちゃんだって」
蒼龍「買収されたんじゃない」
龍驤「う、うるさい!うちのことはええねん!///」
響「騒がしいね」スタスタ
龍驤「おお響!ちょうどよかった!なあ、キミはあのたらしのどこに惹かれたんや?」
響「おっぱいかな」
瑞鳳(うわあ…)
飛龍(この子…)
蒼龍(ブレない…)
221:
?一方その頃…?
秋月「わあ…」モグモグ
提督「どう?美味しい?」
秋月「あ、はいっ!とっても美味しいです!」
提督「そう?えへへ、よかったぁ…」ニコニコ
秋月「………!」ドキッ
秋月(うわ、すごい可愛らしい…)
提督「良かったら他に好きなものも教えてよ、また今度作ってあげるからさ」
秋月「ほ、ほんとですか!?ありがとうございます!!」
222:
こうしてハーレム(無自覚)が形成されていくのでした
おわり
227:
『もしかして?』
木曾「そういえば、気になったことがあるんだが」
提督「なに?」
木曾「もしかしてお前……かなり強いんじゃないのか?」
提督「へ?なにが?」
木曾「いや…この前の雪合戦、すごい動きだっただろう?」
提督「そう?」
木曾「ああ。大絶賛されてたぞ。みんなかなり驚いていた」
提督「そんなに!?」
木曾「しかも球磨姉さんに聞いた話だと、暴れ回る大井を担ぎ上げて直下式ブレーンバスターを決めたそうじゃないか」
提督「ああ、あれは気持ちよかったな?…」
木曾「それで、鎮守府中で提督強い疑惑が出始めているんだが…実際のところどうなんだ?」
提督「どうもなにも、私が測ることじゃないし…」
木曾「……まあ、確かにそうだな」
228:
木曾「…………」ジッ
提督「…………?」
木曾「後ろ!」
提督「えっ?」クル
木曾(今だ!)シュッ
提督「!」
パシッ
木曾「…………」
提督「…………」グググ
木曾「……すごいな、完全に不意打ちのつもりだったんだが」
提督「いや、なんだかそういう空気になってたから…」
木曾「……そうか」
木曾(それでも常人の反応度とは思えないんだがな…それに掴んで離さない、なんて力だ…)
229:
提督「………えい」サワサワ
木曾「あぅん!?」ビクッ
提督「おー、可愛い反応」
木曾「ひへっ、こ、こら!いつまで触ってるんだ!」
提督「木曾、指細い上に柔らかいねー」プニプニ
木曾「く、くすぐったいから!離さないか!」ブンブン
提督「まんざらでもないくせにー」フニフニ
木曾「くくっ、や、やめろってば!あははは!」
提督「ほれほれー」サスサス
木曾(マジで外れないぞ!?どんな怪力してるんだ!?)
提督(ふふん、私に手を出そうとしたお仕置きだもんねー!)ググ
230:
母(?)は強しよ
おわり
232:
『異文化交流』
提督「…………」カリ…
ろー「ていとくー!」バッ
提督「あ、ま、まった!そこでストップ!」
ろー「?」ピタッ
提督「うん、そこでじっとしててね、まだ危ないからね…」
ろー「危ない?てーとく、なにしてるの?」
提督「ん、これ?耳かきだよ」
ろー「ミミカキ…?」
提督「あれ、知らない?」
ろー「うん…」
提督(あ…そうだった、外国には耳かきの文化がないって前に本で読んだな…)
233:
ろー「ミミカキって、危ないの?」
提督「ううん、耳かき自体は気持ちいいよ」
ろー「そうなの?」
提督「うん」
ろー「じゃあ、なんで危ないの?」
提督「この棒が奥まで入っちゃうとね、鼓膜ってところが破れちゃうんだよ」
ろー「破れると痛いの…?」
提督「うん。痛いだけじゃなくて、何も聞こえなくなっちゃうの」
ろー「うぇ…ミミカキこわい…」
提督「そんなことないよ、ちゃんとやればとっても気持ちいいんだから」
ろー「ほんと…?」
提督「うん、なんなら私がしてあげようか?」
ろー「! してくれるの?」
提督「いいよ。ほら、おいで」ポンポン
ろー「わーい!だんけっ♪だんけっ♪」ピョンピョン
提督(可愛い…)
236:
ろー「膝に頭を乗せればいいの?」
提督「うん」
ポスン
ろー「えへへ、膝枕ー」
提督「///」キュン
ろー「? ミミカキ、しないの?」
提督「ん、ああ、そうだね、それじゃ横向いてくれるかな」
ゴロン
提督「そうそう、じゃあじっとしててね…」
ろー「はーい」
提督(ん……左はあんまりないかな…けど奥の方に結構大きめのやつが…)
提督「入れるよー」スッ
ろー「…………!」ピクッ
提督「…………」
ろー「…………」プルプル
提督「…………」ジー
ろー「…………」プルプル
提督「…………」ジー
ろー「………あれ?」
提督「ぷっ…」
237:
提督「あはは、そんなに緊張しなくてもいいよ」
ろー「はうぁ、今ので力抜けちゃった…」
提督「うんうん、そのままリラックスリラックス」
ろー「…………」グデー
提督「よーし…」スッ
コシュ…
ろー「んっ……」ピク
提督「あんまり動かないでね…」
ろー「うん……」
提督(普段水に潜ってるせいかな…ちょっとだけ湿ってる…)カリ…
ろー「ひゃんっ!?」ビクン
提督「うわお!?い、痛かった?」
ろー「ち、ちがうの、なんか、ひゃーって…」
提督「ひゃー?」
ろー「あれ?なんだろ、ぞわぞわー?かな?」
提督「あー…まあ、慣れてないからかもしれないね」
ろー「でも、イヤじゃなかった、って」
提督「イヤじゃないならもっかいする?」
ろー「する!」
提督「おー、その意気込みや良し」
238:
提督「じゃあもう一回入れるよー」スッ
ろー「…………」
カリッ
ろー「…………!」ピク
提督「大丈夫?」
ろー「ひゃい…」
提督「よーし…」
ゴソ…
ろー「んぅ……」
提督「もうちょっとだからね…」
ろー「うん……」プルプル
提督「………はい、取れたよ」
ろー「ふぁ…」
提督「…もしかして痛かった?」
ろー「ううん…気持ちよかった…」
提督「そ、そう…」
提督(心なしか息が荒いように思えるんだけど…緊張してるだけだよね…?)
239:
提督「えと…右も、する」
ろー「して…」
提督「お、おおう…じゃ、向き変えて」
ろー「ん……」ゴロ
提督「……くふひひ、鼻息くすぐったい…」ピクピク
ろー「えへー…お腹、あったかい…」ツンツン
提督「ひゃっ…こら、耳かき出来ないからおとなしくしてなさい」
ろー「はーい、えへへ」
提督(あ、いつもの調子に戻った)
ろー「てーとく、ミミカキ、気持ちいいねー、って!」
提督「そんなに?」
ろー「うん!なんだか、ふわふわーってする!」
提督「ふわふわー…?……それって…」
ろー「?」キョトン
提督「あ、ううん、なんでもない」
提督(まさかそんな…それはないよね、耳かきで…)
244:
>>242
ろー「……あれ?しないの?」
提督「ん、あ、ああ…じゃあ、いくよー…」
ろー「うん!」
提督「…………」ドキドキ
ろー「♪」パタパタ
提督「…………」ドキドキ
提督(おおおお落ち着け私!なんでこんなにドキドキしてるの!?違う違う、まだそうと決まったわけじゃない!こんなにも純粋で幼くて可愛らしい子が【自主規制】るはずがない!落ち着け落ち着けろーちゃんは違法ろーちゃんは違法ろーちゃんは違法ろーちゃんは)
ろー「まだー?」
提督「さあ、やろうか」キリリッ
ろー「う、うん」
に修正してやる!!
246:
提督「力抜いてねー」ススス
ろー「はーい」
提督「…あ、こっちは結構溜まってるねー」
ろー「ほんと?じゃあ、いっぱい綺麗にしてほしい、って!」
提督「任せなさい」スッ
ろー「あっ」ビクッ
提督「ははは」カリカリ
ろー「あっ…や、んっ…」ピクッ ビク
提督「ははは」コシュコシュ
ろー「んんんっ///」ビクビク
提督「^^」コリコリ
ろー「ひあっ、う、にゃ…」ピクピク
247:
提督(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!)
提督(これ耳かきだよね!?耳かきと称した性感マッ【自主規制】とかじゃないよね!?なんでこんなに反応するの!?どうしちゃったのろーちゃん!?)
ろー「はー……はー……///」トロン…
提督(うわすごい見つめられてるなにこの目どう見てもオンナの目だよこれ完全にせがまれてるよ完全にセッ【自主規制】アピールだよもうゴールしてもいいよね)
提督(うわああああああああ!!!なに考えてるの私!!何も知らない純粋でいたいけな女の子を!!違法だよ!!ろーちゃんは違法!!ロリだよ!!?お酒も飲めn………!!!???そういえばろーちゃんワイン飲んでたよね!?ということは合法!?ろーちゃん合法なの!?セーフなの!??)
ろー「てい、とく……///」ボソッ
提督「いただきます」
249:
※ここから先は字幕のみでお楽しみください
250:
「んっ…あ、あっ、あっ…」
「声、出ちゃってるよ…」
「んんっ…んっ、ふ……!」
「いいんだよ…もっと可愛い声、聞かせて…」
「やぁっ…ひんっ…」
「そんなに気持ちいいの…?」
「きもち、いっ……///」
「そっか…なら、もっと気持ちよくしてあげるからね……」
「はぁ……はぁ…てい、とくぅ…」
「いっぱい出してあげるね…」
252:
「あ、あぁっ……」
「すごいビクビクしてるね…気持ちいいんだね…」
「あっ、はぁっ、ら、りゃめ……」
「ダメ?何がダメなの?」
「はっあ、あ、な、き、きちゃう、なにかきちゃうぅっ…!」
「それはダメじゃないんだよ、ごく自然なことだからね…」
「でも、んやぁっ、こわい、よぉ…!」
「うん…手握っててあげるから…」
「ああぁっ…ていとく、ていとくっ…!」
「今楽にしてあげるからね……」
「っあ…!??や、あ、あ、あああああ!?あああああああっ!!」
253:
ろー「はっ………はっ………///」グッタリ
提督「…………」ギュー
提督(ヤってしまった)
提督(いや耳かきだけど、ただの耳かきだけど)
提督(しかしこの私の膝に垂れるとろっとした液体、これは間違いなくアレ)
提督(そして今思い出した)
提督(外国には耳かきという文化がない、そのせいで未知の快楽に絶頂すらしてしまう人もいると)
提督(ヤってしまった)
提督(よりにもよってろーちゃんで)
提督(ヤってしまった…)
ろー「てーとく……」
提督「はっ…ち、違うのろーちゃん、私はただ耳かきを」
チュッ
提督「!?」
ろー「えへ…とっても気持ちよかったよ……ミミカキ、またしてね、って…」ニコッ
提督(あっもう死んでもいいや)
254:
その後しばらくはろーちゃんの口コミでミミカキが広まって夜な夜な提督の私室を訪れるドイツ艦達がいたとか
おわり
262:
提督「……まあ、そういうことがあったわけなんだけど」
木曾「…………ロリコン」
提督「へぇ!?ちちち違うもん!!別にそんなつもりはなかったんだもん!!」
木曾「ふーーーん……」
提督「なにその目!?私ほんとにロリコンじゃないもん!!」
木曾「どうだか」
提督「なんで信じてくれないのさぁ!」
木曾「だってお前、駆逐艦の子達とそれ以外の奴らだとまるで態度が違うじゃないか」
提督「うっ」
木曾「あと軽空母。あれにも甘いだろ」
提督「ソ、ソンナコトナイヨ」
木曾「はぁ…とんだ変態提督だな」
提督「な、なにその肩書き」
263:
木曾「……で、だ」
提督「?」
木曾「その、お前の耳かき……そんなに気持ちいいのか?」
提督「ふふっ、なに?してほしいの?」
木曾「……まあ、そういうことだな」
提督「素直に言えばいいのに?」
木曾「は、恥ずかしいだろ」
提督「結構乙女だよね、木曾って…ほら、おいで」
木曾「ん……じゃあ失礼するぞ」
ポスン
264:
木曾(うお…お、思ったより…)
提督「えへへ、なんか新鮮だね、木曾にこういうことするの」
木曾(近い………///)カァ
提督「んふふ、どうして赤くなってるのかな?」
木曾「う、うるさい!いいから早くしてくれ!///」ゴロン
提督「あー、照れてるぅ」
木曾(くそ、なんでただの耳かきでこんなにドキドキしてるんだ…しかも垂れかかった髪、すごいいい匂いするし…)スンスン
提督「んしょ…あ、髪邪魔だね」スッ
木曾「あ……」
提督「?」
木曾「な、なんでもない…」
提督「そっか。じゃあいくよ?」
木曾「ああ」
265:
提督「…………」スッ
木曾「…………」
カリ…
木曾「ふぁ…」
提督「…………」カリカリ
木曾「んぁ?……」
提督「ふふ…」カリカリ
木曾「うにゃあ……」
提督「くくく…なーに、その気の抜けた声」
木曾「しょうがないだろ…気持ちいいんだもん…」
266:
提督「そーれ」コシュコシュ
木曾「あ……あー…それ、そのふわふわ好きだ…」
提督「これ?これ、ぼんてんっていうんだよ」
木曾「へえ、そうなのか」
提督「それじゃこっちは終わったから、反対向いてね」
木曾「ん…よっと」ゴロン
提督「………よしよし」ナデナデ
木曾「わ、い、いきなりなんだ」
提督「いや…木曾、可愛いなって」
木曾「な、なに言って…」チラッ
提督「ふふ……」ニコニコ
木曾「!?」ドキッ
木曾(な、なんだこの感じ…!?すごい、暖かいというか、優しいというか、な、なんだ!?これが母性というものなのか!?いやしかし俺に母親なんて……まさか、俺がマザコン…!?)
提督「どうしたの、顔真っ赤だけど…熱でもあるの?」
木曾「えっいや、ちょ、なんで顔近付け」
コツン
提督「……うーん、平熱みたいだけど…」
木曾(ひょあああああああああああああああああああああ!!!???!!?)
268:
木曾(お、落ち着け俺!元々恋していた相手だろう!?なのになぜ今日に限ってこんなに優しく見えるんだ!?)
提督「大丈夫?具合悪いなら医務室まで…」
木曾「いや、いい!続けてくれ!」
提督「でも…」
木曾「本当に大丈夫だから!」
提督「…そこまで言うならやるけど…」
木曾(俺はマザコンじゃない俺はマザコンじゃない俺はマザコンじゃない…)
提督「よいしょっと…」カリカリ
木曾「へぇぁ……」
提督(…大丈夫そうかな…)
木曾「んぁー……」グデー
提督「………ふふ」
269:
提督(懐かしいな……昔、妹にもこうしてあげたっけ…)
『動……いでね、…いたら危な……だから』
『お姉ちゃ…のひざ、あ…たかい…』
『えへへ、そのまま寝ててもいいからね───
提督「───風音……」ボソッ
木曾「え?」
提督「……え?」
木曾「かざね?って、誰だ?」
提督「あ、ああ……えっと、確か、一番下の妹」
木曾「確かって…またあやふやだな」
提督「あはは…もうほとんど憶えてないや」
木曾「そんなに長い間会ってないのか?」
提督「ん…それもわかんない」
木曾「……お前、もしかして…」
270:
木曾「記憶が、ないのか?」
提督「……まあ、一部分だけどね」
木曾「一部分と言っても…前にお前の部屋にあった本で読んだぞ、記憶喪失は相当精神がやられない限りそうそうないって…それとも大怪我でもしたのか?」
提督「うーん…それはないと思うけど」
木曾「じゃあ何かショッキングな出来事でもあったのか?」
提督「それもわかんない」
木曾「本当に何も憶えてないんだな…」
提督「うん…ごめんね?」
木曾「あ、いや、謝られるようなことじゃないさ」
木曾(しかし、妙だな…いくら記憶喪失になったと言えど、家族なんだから順番なんて忘れてもすぐに思い出させられるんじゃないのか…?)
木曾(もしかして、この子がこんな性格になったのも何か関係があるんじゃないのか…?)
木曾(なんとかして聞き出したいところだが…この子自身が思い出さない限りそれは無理か…)
提督「…………」ゴリッ
木曾「いってぇ!!??」
提督「あ、ご、ごめん!ぼーっとしてた…」
271:
木曾「いてて…気を付けてくれよ」
提督「ごめんごめん、もう終わったよ」
木曾「え、そうなのか?」
提督「うん。考え事でもしてたの?」
木曾「ああ、お前と同じでな」
提督「えへへ…なんならこのまま考えててもいいんだよ」
木曾「お前……誰にでもそんなこと言ってるわけじゃないだろうな?」
提督「ふふ、どうかな」
木曾「……まあいいさ、少し寝てもいいか?」
提督「ん、いいよ」
木曾「悪いな…夕方になったら起こしてくれ…」
提督「うん」
木曾「…………」スゥ
提督「…………」ナデナデ
272:
いつもの短編おわり
もしかしたら加賀より木曾の方が登場回数多いんじゃないだろうか
274:
大淀「こんにちは、大淀です」
大淀「本日皆さんに集まってもらったのは他でもありません」
大淀「皆さんも知っての通り、我らが提督はモテモテです」
大淀「惚れてない人なんてほぼいない…というか全員惚れているのが現状です。かく言う私も惚れています。掘りたいです」
大淀「提督御守りしたい勢から一気に睨まれたのでそれは置いておくとして、ただ優しいだけでは恋慕の感情は生まれません」
大淀「ましてや相手は同性、普通に暮らしていれば女が女に惚れるなど一般世間ではありえません」
大淀「ならばなぜこうなっているのか?今一度考え直してみましょう、誰もがこれを疑問に思ったはずです」
大淀「そこでこの大淀、夕張さんに青葉さん、その他の方々へ取材をし、データを採ってきました。普段提督がどんな立ち振る舞いをしているのか、そしてそれがどういう結果をもたらすのか。どうかご静聴ください」
大淀「では夕張さん、プレゼンをスクリーンに」
ブゥン
276:
case:1
提督「じゃあ、この資材でよろしくね」
明石「はい、お任せください!」
ガサゴソ…
提督「…………」ジー
明石「スパナどこにやったかな…お、あったあった」ゴソゴソ
大淀「はい、ここでストップ。みなさん、提督の視線がどこに向いているか分かりますか?」
大淀「………夕張さん、拡大を」
ジーッ
大淀「そうです、ここです。スカートのスリットです」
大淀「確かにこんなに開いていたら気にもなりますよね。きっと今提督の思考はなんだろうこれ?どういう意味があるんだろう?という疑問で埋め尽くされていることでしょうね」
大淀「……さて、問題はその先です」
277:
大淀「考えるのだけなら問題はありません。が」
カチッ
提督「…………」スッ
明石「にゃああぁっ!?」ビクンッ
大淀「はい、ここでそれを実行するのが提督です」
278:
大淀「見てくださいこの眼、下心など一切ありません。提督は好奇心だけでここまで出来るのです」
提督「おお…?」スリスリ
明石「ひぃっ!?や、ちょ、て、提督!?なにをしてるんですかぁ!///」
提督「あー動いちゃダメだよ!じっとしてて!」
明石「あっ、ん…!?///」ビクビク
大淀「まさぐってますね。提督は一度興味を惹かれると止まらなくなるようです」
大淀「というかこれ私もされました。はい、とても気持ちよかったです」
279:
大淀「声だけ聴くともはや夜戦ですね…あ、終わったようです」
明石「は、はひ……て、提督っ!いきなりなにをするんですか!///」
提督「いやあ、ちょっと気になっちゃって…」
明石「気になったじゃないですよ、もう!びっくりしちゃったじゃないですか!」プンスカ
提督「ごめんごめん、お詫びに開発が終わったらなんでも好きなもの作ってあげるからさ」
明石「うっ…な、納得がいきませんけど、まあ、ゆ、許してあげます」
大淀「そしてこのナチュラルな餌付け。一度提督の料理を食べてしまったらもう戻れません、私もやられました」
280:
大淀「さて、映像が終わったところでこのケースについてまとめてみましょう」
大淀「まずはこれですね。はい、一見奥手そうに見える提督が、興味を惹かれたものにはなんの躊躇いもなく近付きます。まるで子供のようです」
大淀「そしてこの駆け引きの強さ、相手の好物を引き合いに出して事態を収束させていますね。しかしこれも無自覚、彼女は天然なのでしょうか」
大淀「最後に、一番大事なことです。さて、明石さんはこの後、ぼそっと『オカズ決まっちゃった…』とつぶやいていました」
大淀「そうです。この行き過ぎたスキンシップによって相手にもしかして私に気があるのかな?けど相手は同性だし、でも優しいし可愛いし、この想いを裏切るのは?…っと意識させてしまい、自然とまた提督に会いに行ってその優しさの本質に触れて落ちてしまう、というパターンがよく見られます」
大淀「距離が近いんですよね、あの人。報告書を渡す時や分からないところを聞く時とか…なのにそれを指摘したら『ご、ごめんね…』って顔を真っ赤にしながら少し離れるしなんていうかもう可愛いというか今すぐ唇を奪いたいというか押し倒したいというか犯したいというか」
281:
大淀「こほん……すみません、少し取り乱してしまいました。空母の方々、どうかそのまま加賀さんを抑えていてください、割と真面目に殺されそうですので」
\殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…/
大淀「……だ、誰かMC代わりませんか?」
シーン…
大淀「ダメですか、そうですか…あとで詫び入れます…」
282:
case:2
大淀「えー、気を取り直してケースその2です」
大淀「それでは引き続き夕張さん、映像をお願いします」
パッ
大淀「これは去年の冬…つまりちょうど今くらいの時期の映像です。この頃はまだ提督に対する明確な恋愛感情を抱いている人はそう多くなかったのではないでしょうか…はい、ちらほらとそういった声が挙がっていますね」
大淀「私は春先、自分の気持ちに気付きました。そのきっかけはですね………え?うるさい?そうですか…」
284:
大淀「では映像の方に戻りましょう…」
提督「ねえ、長門」
長門「なんだ?」
提督「この寒空の下、お腹出したら寒くない?」
長門「ん……心配してくれているのか?ふっ、私なら大丈夫さ」
提督「でも、見るからに寒そうだけど…」
長門「なに、艦娘としてこれしきのことはな」
提督「うーん…」
大淀「どうやら遠征部隊の帰還を待っているようですね。あとで聞いた話によると、提督が一人で待っている時に長門さんも待つと言い出したそうです」
大淀「真冬なのに外で待つなんて…それだけ私達が愛されてるということですね…」
285:
大淀「しかし本題はここではありません、次のシーンを見逃さないでください」
長門「………っ」ブルッ
提督「やっぱり寒いんじゃない?中で待ってていいんだよ?」
長門「いや、問題ない。私だけ楽をするわけにはいかないのでな」
提督「でも風邪引いたら…」
長門「それはお互い様だろう、問題ないったらないんだ」
提督「もー………えいっ」ギュッ
長門「!!???」
大淀「はい出ました、いつものです」
286:
長門「な、な、なっ、なにを…///」
提督「どう?あったかい?」
長門「え、あ、な、あ、ああっ、と、とても暖かい、ぞ///」
提督「そっか…えへへ」
長門「??????!!!!」キュンキュン
大淀「きっと別の意味で熱くなってるはずでしょう。こんなものを見せられた人達は冷めると思いますが…ああ陸奥さん!長門さんを殴らないで!」
長門「ま、まだ帰ってこないな」
提督「うん……私はもうちょっとこのままがいいけどね」
長門「/////////」マッカ
大淀「陸奥さん、長門さんもうグロッキーです!やめてください!!」
287:
大淀「さて、陸奥さんが落ち着いたところで本題の方に戻りましょう」
大淀「お聞きしましたかみなさん。『私はもうちょっとこのままがいいけどね』ですよ。何か狙っているわけでもなく素でこれが言えるのが提督クオリティです。小悪魔とでも呼ぶべきでしょうか、この天然たらしは」
大淀「私も『大淀の手はあったかいね?』と言われながら手を握られて、それを指摘したら慌てたように真っ赤になって……え?惚気話を聞きに来たんじゃない?それもそうですね…」
大淀「こほん…さて、このケースのまとめに入りましょう」
大淀「まずはこの人を思いやるという当たり前にして人間の鑑の行為。寒空の下艦隊の帰還を待つなんて、生半可な心構えじゃ出来ないことですね」
大淀「そして決定的なのがこれです。はい、聞いててこっちが恥ずかしくなるような台詞をさらっと言えること。本人に自覚はまるでないようですが、1/3はこれで落とされたのではないでしょうか」
大淀「……はい?青葉さん、どうしました?………ふむふむ。はい……はい…なるほど。えー、提督に言われた魅惑の台詞がアンケート形式で青葉さんが取材してくれたそうです。では、イニシャルで読み上げて参りましょう」
292:
>>288
A『写真を撮られるより一緒にいる方が好き、と言われました!』
H『私の作るカレーなら毎日でも食べたいな、と言われました。もしかして、プロポーズ…なのでしょうか…』
K『眼鏡がなくても、私があなたの目になってあげると言われました。司令ってば、もう…』
S『いい雨だね、と言ったら、私も雨は好きだよ、と見つめられながら言われたよ』
T『お母さんというか、お嫁さんみたいだよね…どう?今、幸せ?という新婚さんみたいなことを言われました。その日一日はずっと顔が真っ赤でした』
S『夜戦夜戦って騒いでたら膝枕して子守唄で寝かしつけてくれた!あれはあったかかったなぁ?…』
A『自分がまだここに着任したての頃、何も分からず困っていた自分に『ゆっくりでいいからね、ちゃんと教えてあげるから』と優しく諭してくれたであります。今でこそ軽率な態度をとれますが、あれには本当に心から感謝しているであります。この場を借りてお礼をするであります』
に訂正で 川内のYは夜戦のY(暴論)
289:
大淀「素晴らしい口説き文句の数々ですね…それぞれの心にぐっさり刺さるような言葉を選んでいるように思えます」
大淀「さて…ここまで結構なスピードで進めてきましたが、何か質問はありますでしょうか」
大淀「はい。武蔵さん、どうぞ」
大淀「………提督が普段どんな下着を着けているのか、ですか。なるほど、いい質問ですね」
大淀「提督の服装はほぼいつもの黒い軍服、確かにこれではガードが固く、提督の素肌すら見えないことも多々あります」
大淀「しかし私達に死角はありません。青葉さんが一晩でやってくれました、写真をどうぞ」
\おおおぉーーーーーーーっ!!??/
大淀「まず一枚目ですね。淡い水色の上下セットです。これはいいシチュエーション…ワイシャツを羽織りながら目を擦る提督が朝の日差しに照らされて…これだけで一枚の絵になるようです」
大淀「しかし目線が合っていないということはこちらに気付いていないのでしょう。隠し撮りでここまで鮮明に映せるとは、さすがは青葉さんですね」
大淀「はい、盛大な拍手をありがとうございます」
295:
大淀「さて、次ですね。……あ、これはかなりセクシーな…スクリーンへどうぞ」
ブンッ
\おおぉ……/
大淀「感嘆の声が挙がりましたね…確かにこれは芸術レベルの美しさですね、はい」
大淀「膝に手をついて前屈みになりながら、上着を脱いだワイシャツ一枚の姿。駆逐艦の子達と遊んで汗をかいたのか、赤く染まった肌が艶めいていますね」
大淀「そしてそれを拭う純白のタオルと、熱を逃がすために大胆にも開けられたボタン、そこから覗くピンク色の下着。ものすごいチラリズムですね…言葉に出来ない良さを感じます」
大淀「これだけでは終わりません、後ろから撮ったものもあります。どうぞ」
ブンッ
大淀「綺麗ですね…汗を吸って透けた白シャツ、うっすらと見える下着。ええ、売ってくれという声が聞こえます。はい、それに関するご案内はまた後ほど行いますので皆様どうか落ち着いてください、提督にバレます」
大淀「………はい、ありがとうございます」
297:
大淀「それでは最後の写真……加賀さん!八つ当たりで瑞鶴さんにジャイアントスウィングをかけるのはやめてください!空母の方々、お願いします!加賀さんを止めてください!」
大淀「………えっ?赤城さん、どうしました?………はい。はい。……はい?」
大淀「……おとなしくする代わりに後でお前を殺す?えっ、ちょ、加賀さん!?加賀さーん!?」
バタン
大淀「………死刑宣告ですかね、今の……出て行ってくれたからやりやすいといえばやりやすくなったんです…けど……」
ドゥルルルンドゥルルルンドドドドドドド
大淀「な、なんですかこの駆動音……へっ?工廠の……チェーンソー?」
大淀「………………」
大淀「あの、今からでもお開きに……痛い!物を投げないで!やりますから!やりますから!」
298:
大淀「というか赤城さんもそんな伝言しないでくださいよ…もう気が気じゃないですよ…こんなことなら一度くらい無理やりにでも提督の唇奪っておくんだった……」
ドゥルルルン
大淀「………いいでしょう、やってやりますよ。こうなったらとことんやるまでです、続けますよ、最後まで」
大淀「はい、では次が最後の写真です。これを見たからにはみなさんも地獄まで行く覚悟をしてもらわなければなりません。それでもいいですか?私は出来ています」
大淀「見たい人達はここに残って、それ以外は外へ出てください」
シーン…
大淀「……………本当にそれでいいのですね?後悔はしませんね?」
大淀「………それでこそソウルメイトです。では、どうぞ」
ブンッ
299:
ブンッ
大淀「おお……おぉ……」
大淀「…………」
大淀「…………あ、す、すみません、つい見惚れてしまって…」
大淀「なんというか……こう、素晴らしいの一言に限りますね」
大淀「着替え中に部屋に入られ、慌てて上着を抱えて身体を隠そうとしていますね。しかしその少女を思わせるような純白の下着を隠すことは出来ていません」
大淀「美しい、真っ白な肌ですね…そして対照的とも言える真っ赤に染まった顔。驚きと羞恥で満たされたこの表情……提督押し倒したい勢には堪らないものではないでしょうか」
大淀「はい、一枚200円からです。順番です、ちゃんと並んでください。大井さん、一人三枚までです、落ち着いてください」
300:
大淀「……さて、一つの質問にだいぶ時間を食ってしまいましたね。統計を出すとするなら、提督は少女というか乙女らしい下着を好んで着用しているといったところでしょうか。胸がキュンキュンしますね」
大淀「えーでは、次のケースへ移りたいと思います」
大淀「……え?まだやるのか、と?」
大淀「当たり前でしょう、それともそんな甘い覚悟で提督を愛していたのですか?私は本気です、目を覚ましてください」
301:
case:3
大淀「えー、一言に提督ラブと言っても色んな派閥があるのをご存知でしょうか」
大淀「提督御守りしたい勢、提督に護られたい勢、提督と遊びたい勢、提督可愛がりたい勢、提督に餌付けしたい勢、提督に餌付けされたい勢、提督犯したい勢……など、様々なものがあります」
大淀「そこで各々の派閥から、提督にしたいことされたいことの一例としてアンケートをいただきました。これもまた匿名で発表したいと思います」
大淀「ちなみに私は提督可愛がりたいと提督犯したいの混合性です」
303:
大淀「まずは提督御守りしたい勢からのコメントですね。読み上げていきます」
M『一見タフそうに見えるけど、長い間一緒に居ると結構弱い部分も見えてくるのよね。辛い時、苦しい時、いつも支えてくれたのはあの子だったから…お返しと言っちゃなんだけど、そばにいて、守ってあげたくなっちゃうな』
H『榛n……わ、私が提督の手をとって、御守りしますと言いたいのですけど…いざ提督を前にすると気恥ずかしくてなかなか言えませんね……この場を借りてお伝えします。提督、お慕いしています』
S『いつも酒ばっか飲んでちゃらんぽらんだけど、こんなあたしでも護りたいって思える存在が出来たんだよなー。生きる意味を与えてくれたってことでもあるから、さ……提督、ありがとなっ』
T『あやつ、つついてやると可愛らしい反応が返ってくるのじゃ。小動物みたいなリアクションを見ていると…庇護欲、というのか?それが湧いてきての……別にいじめておるわけじゃないぞ?』
H『司令官には感謝してもしきれないな…ずっと独りだった私をまた第六駆逐隊のみんなと巡り合わせてくれたんだ。この気持ちで司令官を護れるのなら、それ以上に幸せなことはないかな』
大淀「泣かせてくれますねぇ……確かに提督の見た目は庇護欲を煽りますよね。その逆も然り、ですが」
306:
大淀「次は提督に護られたい勢ですね。大方気の弱い子や甘えん坊な子が多かったのですが…意外な方もいたようです。どうぞ」
H『わ、私なんかが司令官さんに護ってもらうなんて厚かましいかもしれない、けど…けど、司令官さんは優しくて、暖かくて、すごく安心するんです…』
K『いやあ、あたしはずっと隣であたしの安眠を守ってくれたらいいんだけどな?。……へ?これってプロポーズ?あー、まあ、それでも困らないけどさ』
I『えぇっと、あの、提督は伊良……間宮によく来てくれるんですけど、その度にお疲れ様、いつもありがとう、って笑顔で労ってくれるんです。なんだかそれに包まれるみたいで、護られたくなるっていうか…』
T『えっとね、司令は優しいよ!ぎゅーってしたらぎゅーってし返してくれるし、ずっと甘えたくなっちゃう!』
K『私がここに書くなんて変に思われるかもしれませんが…この前司令と呑んだ時に少ししんみりとした話になって慰められていたんですけど、その時に確信しましたね…私、この人に支えてもらっていたんだって』
大淀「なるほど…子供じみたところもあれば、一変したように大人の包容力を持つ時もありますからね。この多面性がどれだけの罪なのかも知らずに」
310:
大淀「えー…あまりにも派閥が多すぎて全て紹介すると時間が大変なことになるので、本日は比較的健全なこの二つまでにしておきたいと思います」
大淀「……はい?過激な派閥にはどんなものがあるか、ですか?」
大淀「えぇっと…駆逐艦の子達もいるのでそれはちょっと…」
大淀「………どうしてもですか?なら、一つだけ…」
大淀「こほん…あー、そのままの意味で、提督食べたい勢ですかね。はい」
大淀「いや…私にはちょっと理解出来ませんね…」
311:
case:4
大淀「えーではこれが最後ですね。と言っても、私達のデータと皆さんの意見を合致させた結論を出すための映像です」
大淀「まず前提として、数十日ほど前からこの鎮守府に黒猫が住み着いているのを知っているでしょうか」
大淀「提督が付けたそうですが、名前はあすかといいます。さて、そのあすかちゃんですが、普段は外にいるのですがお腹が空いたり暇になった時にこの鎮守府に来るようです」
大淀「隠しているようですが、提督は大の猫好きです。あすかちゃんが来る度にそわそわしてしていますが、人の目というものがある手前なかなか触る機会がないようですね」
大淀「……しかしあすかちゃんと二人っきりになると、ものすごくデレます。どれくらいデレるかと言うと、駆逐艦の子達にぐらいデレます」
大淀「そしてなんと、今回はその様子を撮影した映像を入手しました。提供は大井さんです」
大淀「何回かカメラを壊されたそうですが、今回は無事に生還出来たそうです。では、どうぞ」
312:
ジーッ
カリカリカリカリ…
「…………」
「……あ、あすか」
「ウニャウニャ……」
キョロキョロ
「だ、誰も見てない……よね……?」
「?」
「……よーし…さ、触ってもいいかな…?」
「…………」
スリスリ
「あ、あっ、あ…!い、いいの…?」
「ゴロゴロ…」
「そ、そっか…ふふ、よしよし…」
大淀「大井さん、気を確かに」
313:
ペタン
「ふふ…そんなにお腹見せていいの…?」
「にゃあ」
「そっかそっか……君は私の事が好きなんだね、ふふ…♪」
「フニャ…」
「えへへ……私も君の事が好きだよ…」
大淀「」ブバッ
大淀「か、か、会場の皆さま、お手元のティッシュで鼻血をお拭きください」
大淀「も、ものすごい破壊力ですね。私も思わず鼻血を噴出させてしまいました」
大淀「あとでこの部分だけを切り取った音声データを販売しますね」
大淀「……聞こえてますかね、これ。ほぼ全員が鼻血噴出してますけど…」
316:
大淀「………さて、そろそろ落ち着きましたでしょうか」
大淀「まあすでに皆さん分かりきっていることでしょうが、結論としては提督可愛いですよね。異論は?」
シーン
大淀「満場一致、ですね。なんですかこのハーレム、羨ましい限りです」
大淀「………しかし覚えておいてください、提督という立場である以上、提督は自分自身の手で選んだ人でない限り、誰のものでもありません」
大淀「つまり皆さんが胸の内に秘めた欲望も、提督との合意の上でなければ罪になる…引いては提督を悲しませることになります」
大淀「誰も提督が悲しむところなんて見たくないはずです。それだけは、忘れないでくださいね」
317:
大淀「………さて、ではそろそろお開きにしましょうか。いつまでもこんなところに残っていると提督に見つかりそうですし」
ガチャ
提督「あ、みんないないと思ったらここにいたんだ!ねえ、なにしてたの?」
一同(ヤバイ……!!)
319:
加賀「終わったみたいね」ドッドッドッドッドッ
大淀「ヒィッ!!」
提督「うわっ、加賀!?なんでそんな物騒なもの持ってるの!?」
加賀「あなたは向こうに行ってなさい、少し刺激が強いから」
大淀「たた、助けてください提督!か、加賀さんが私を解体しようと!」ガクブル
提督「はぁ!?チェーンソーで解体って…そんな、バイオ4じゃあるまいし…ちょちょ、落ち着いてってば!」ガシッ
加賀「離しなさい、さもなくばあなたでも殺すわ」
提督「漫画版エックスの真似とかしなくていいから!というかどうしてこうなった!?」
加賀「あなたが着替えたり汗で下着が透けている写真が公開されていたのよ?許すわけにはいかないわ」
提督「えっ、そんなことなの!?」
大淀「えっ!?」
加賀「えっ」
提督「えっ!?」
320:
加賀「えっ、は、恥ずかしくないの?」
提督「いや、そりゃ多少は恥ずかしいけど…女同士だし別に気にすることもないでしょ?」
大淀「そ、そうです!もっと言ってやってください!」
加賀「あ?」ドゥルルルルォォオオオン
大淀「なんでもないです」
提督「というか見られてる人には裸より恥ずかしいところ見られてるし…今さら気にもならないよ」
加賀「で、でもあの写真で得をしてる者がいるという事実が…」
提督「普段私に話しかけてこられない子がそれで救われるのなら嬉しいよ?」
加賀「どれだけ慈悲深いのあなた」
大淀(勝った…ッ!)
321:
加賀「ねえ、どうしてそんな考え方が出来るの?私には分からないわ」
提督「どうしてって言われてもなあ、人を愛せばそれだけ同じ愛が返ってくるし、それに私は絶対みんなが裏切らないって信じてるから」
加賀「……………」
提督「どしたの、呆気にとられたような顔して」
加賀「……いえ、あなたがそれだけ愛される理由が分かった気がして」
提督「ふーん?」
大淀(ああ、そうだ…提督が持っている、人を惹きつけるものがなんなのかやっと分かった…)
大淀(遠慮なく人に踏み込めるタフネスと、そうされても人を笑顔にさせる愛と、そして…)
提督「大淀、大丈夫?立てる?」スッ
大淀「あ…ありがとうございます…///」
大淀(この優しさ。それが人に愛される秘訣なんだ…)
加賀「頬を赤らめるな」ゲシッ
大淀「ぬふぅ!」
提督「こら!」バシン
加賀「ぬふぅ!」
大淀(……強いのは、おまけかな?)
322:
おわり
提督が大好きですとは艦娘達の談
夜に短編更新して明日ホラー書こうと思ってます
326:
『意外と純情』
提督「…………」ジー
大井「えっと…資材関係のファイルは…」
提督「…………」ジー
大井「提督、この書類はここにしまえばいいんですよね?」
提督「ん?うん」
大井「分かりました、ありがとうございます」
提督「…………」ジー
大井「えーっと…で、これが…あれ…?あ、あの、提督…」
提督「うん?」
大井「私達の装備に関する書類は…」クルッ
提督「そこの右上」
大井「あ、ありがとうございます…」
327:
大井「…………」チラッ
提督「…………」ジー
大井「…………」
大井(す、すごい見られてる…?久々に秘書艦に任命されたから張り切ろうと思ったけど、私もしかして空回りしてる…?)
大井「…………」チラッ
提督「…………」ジー
大井(やっぱり見てる!わ、私なにかまずいことでもしちゃった…!?)
提督「…………」ジー
大井「……あ、あの、提督?」
提督「なに?」
大井「その…そんなに見られていると仕事がしづらいというか…」
提督「ああ、気になってた?ごめんごめん」
大井「あの、何か気になることでも?」
提督「ん、ああ、まあちょっとね」
大井「なんですか?もったいぶらないで教えてくださいよ」
提督「ん?…」
328:
提督「大井ってさ」
大井「はい」
提督「普段よく想像を絶するような変態発言するでしょ?」
大井「想像を絶するって…た、確かに言いますけど」
提督「なのに二人っきりになっても何もしてこないんだなーって思って」
大井「えっ?」
提督「いや、それこそ二人っきりになった瞬間ケモノのように押し倒して無理やり…してくるかなーとか思ってたんだけど」
大井「さ、さすがにそんなことはしません!私をなんだと思ってるんですか!」
提督「へー…なんか意外」
大井「当たり前ですっ!そ、それに…その…そんなことして……」
提督「それに、なに?」
大井「……提督に、嫌われたくない…ですし……」
提督「…………」
大井「………////」カァッ
提督「へえ?」ニヤニヤ
大井「な、なんですかもう!お仕事しますよ!////」クルッ
329:
提督「そっかそっか、私に嫌われるのが怖いんだねえ」
大井「もうその話はいいですから!提督も早くお仕事に戻ってください!」
提督「じゃあ、さ」
ガタッ
スタスタ
大井「え?」クル
パシ
大井「きゃっ…」
ドンッ
提督「こういうことしたら、どうなるのかな」
大井「えっ…な、あ、え、ちょっ…!?/////」カァアアア
大井(な、なにこれ…!?私今、提督に壁ドンされてる!?腕抑え付けられてるし、そ、そういうことだよね!?)
大井「…………//////」プシュー
330:
提督「ふふっ……耳まで真っ赤になっちゃって…」サワ…
大井「んぅ…///」ビクッ
提督「ほら、俯いてちゃ可愛い顔が見えないよ?」クイ
大井「あっ……!て、てい、と、く…////」
提督「大井……」スッ
大井「あ、あ、あ、あっ、あっ…!?」ドクン
大井(ちかっ、近付いてくる、提督が、提督の唇が!!)ドクンドクン
大井(に、逃げ……られない…!)ドクンドクンドクン
提督「…………」
大井「だっ」
大井「ダメぇえええーーーーーーーー!!!!」バッ ドドドドド
提督「うわっ!?お、大井!?大井ー!?」
大井「ちゃんと順序を踏んでからあああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ガチャ バタンッ!!
提督「…………やりすぎたかな」
331:
ガチャ
北上「ねえふーちゃん、さっき大井っちがすごい笑顔で廊下を全力疾走してたけど…なんかあった?」
提督「ああ、北上……んっとね、まず大井がね………
?????
北上「……そりゃやりすぎだよふーちゃん」
提督「や、やっぱり?」
北上「大井っちああ見えても純情なんだからさぁ…もっと乙女心理解した方がいいよ」
提督「…そんなに驚くことかなあ」
北上「……はぁ」スッ
提督「え?ど、どうしt
グイッ
ドンッ
北上「…………」
提督「………え、あ、な、あっ……///」
332:
北上「いきなりこんなことされたら驚くでしょ?」ギュウ
提督「う、うん///」ドキドキ
北上「それと同じだよ、分かった?」
提督「わ、わかった…///」
北上「……じゃあいいや」スッ
提督「………えっ、ちょ、ま」
チュッ
提督「んっ、ふ……」
北上「んー………」ギュッ
提督「…………」
北上「………ぷはっ」スッ
提督「はー……いきなりすぎるよ…///」
北上「同じこと大井っちしようとしてたんでしょ?」
提督「やるのとやられるのじゃ違うもん…」
北上「そう?」
提督「そうだよ!」
北上「じゃあ……今度はあたしがされる方がいいな」
提督「………うん」
333:
短編おわり
レズレイプダメ、ゼッタイ。
337:
みんなは、見たことあるかな。
うん、何人かはあるだろうね。特に川内は、ね。
え?何の話って……ああ、まだ言ってなかったね。夜の海にぼーっと浮かぶ光の話。
……この様子だと誰も知らないみたいだね。なら、教えてあげる。
高校生の頃の話なんだけど、私は海沿いの方に住んでてね。まあ田舎町だったせいか何も遊ぶものがなくてさ…やることと言えば家でゲームしたりとか昼寝したりとか、海に遊びに行ったりとかだったんだ。
……違うもん!確かに寝るのは好きだけど当時はもっとアグレッシブだったもん!
話戻すよ?いい?
………で、ね。学校が終わる度、毎日のように友達と海に遊びに行ってたんだ。
……水着?いや、私は裸足になって波打ち際を歩いてたりしただけだったけど…なんでそんな残念そうか顔するのさ。
ああ、もうっ!話逸れすぎ!ちょっとみんな静かにしてて!
338:
それで、何回も行くうちにその海が好きになっちゃってね。月を眺めたくて、夜に一人で砂浜まで来たりしてたの。
潮風と足にぶつかる波が気持ち良くて……その時だけは、唯一孤独でも安らげる時間だったかも。
……けど、それもすぐになくなっちゃった。目を瞑って波の音を聴いてたら、ふと妙な気配を感じたの。はっとして目を開けたら、すぐ近くに黄色に輝く光が浮かんでいてね?
真っ暗だったせいか、人魂にも見えてちょっと不気味だったな…
………けど、好奇心の塊だった当時の私は……え?なに?今も?ま、まあそれはいいとして…その光に触れてみようと、手を伸ばして、一歩踏み込んだんだよね。
一歩一歩、足を波に浸して光に近付いて行ったら……いつの間にか、腰あたりまで水に浸かってたんだ。夜の海は危険だって、何度も友達に言われてたからね……慌てて砂浜まで引き返そうとしたんだけど、足が動かないの。
そう、まるで、誰かに掴まれてるみたいに。
必死に足を動かそうとするけど、まるで動かない。それどころかどんどん向こうまで引きずり込まれて、ついには全身が完全に浸かっちゃったの。
339:
肺にまで水が入ってきて、苦しくて、いよいよダメか?…ってなって、ふっと意識が飛んだの。うん、私も死んだとは思ったなあ…
…けど、目を覚まして最初に見えたのは幼馴染の心配そうな顔だった。
その時期はテスト中だったからね、気分転換に散歩してる途中、砂浜で寝転んでる私を見つけて慌てて駆け付けたんだって。
私も飛び起きて、あの光は…!?って訪ねたんだけど……何のことか見当もつかないみたいだったし、落ち着いてよく見てみたら服も濡れてなかったの。
その時は幼馴染に茶化されるがまま、砂浜で寝落ちして悪い夢を見たってことにしたんだけど……それっきり、あの海には近付いてないな。
うん、これでこの話はおしまい。特に盛り上がりがなかったかな?
でもさ、もしあれが人をどこかへ連れて行くものだったとして、失敗したら何もかもなかったことにするものだとしたらさ……そんなの、ずるくない?
340:
提督「………どうだった?」
飛龍「こわっ!怖いよ普通に!」
蒼龍「すごい臨場感だったね…」
瑞鶴「加賀さんなんて、ほら」
加賀「」ブルブル
赤城「アルマジロみたいに布団に丸まってますね…」
翔鶴「頭に枕乗せて聞こえないようにしてますよ」
提督「か、加賀…」
布団<ベツニコワクナイケレド
提督「じゃあ怪談話、する?」
布団<ワタシモウネムイカラエンリョスルワ
提督「だってさ」
飛龍「えぇ?」
蒼龍「抜け駆けは」
瑞鶴「良くないわよねえ?」
赤城「今寝たら明日の夕飯私が全部食べますよ?」
加賀「…………」バサッ
提督「おはよう」
加賀「おおそよ人のすることとは思えないわ」
341:
提督「そんなに怖い?」
加賀「別に怖くなんてないけど?」
提督「…………」
赤城「…………」
瑞鶴「…………」
翔鶴「…………」
飛龍「…………」
蒼龍「…………」
加賀「何、その目は」
提督「そんなに言うなら一人で寝てきなよ」
加賀「怪談話聞きたいわ」
提督「そう、なら続けよっか」
加賀「ッ……!!」ピクピク
赤城(この人、加賀さんいじりが巧い…!)
342:
瑞鶴「しかし夜の海に浮かぶ光ね…誰か見たことある?」
飛龍「私、あるかも…」
蒼龍「どんなのだった?」
飛龍「うーん…提督の話だと黄色って言ってたでしょ?」
翔鶴「ええ」
飛龍「けど、私が見たのは赤色だったな…同じ編隊だった駆逐艦の子も、その光を見たって言ってた。その時はみんな無事に帰ったけど…」
提督「赤色……なにか違いがあるのかな…」
加賀「その二人に何か共通点はなかったの?」
飛龍「………あ!二人とも大破してた!」
赤城「大破…ということは、死が近い状態だったということでしょうか」
提督「ならあれは…もしかして、死神?」
蒼龍「でも提督は死にかけてもなかったのに連れて行かれそうになったんだよね?」
提督「うん……もしかしたら、黄色は無差別なのかも」
加賀「……お、恐ろしい話ね」ブルッ
提督「みんなも気をつけてね」
344:
提督「加賀は何か怖い話とか持ってないの?」
加賀「そうね……怖い話、なのかどうかは分からないけど…時々、書類を作る時に図鑑が必要になって書斎に行くことがあるでしょう?」
提督「うん」
瑞鶴「書斎ね…私、なんだかあそこの雰囲気苦手…」
飛龍「私も…」
蒼龍「飛龍は勉強嫌いなだけじゃない?」
飛龍「失礼な!」
加賀「続けていい?」
飛龍「あ、はい!どうぞ」
加賀「……その、書斎の最奥の本棚なのだれけど…あそこで図鑑を見ていると、壁の向こうから声がするような気がして…」
提督「…………」
赤城「それ、私も聞いたことがあります…女性が呻くような、高い声でしょうか…」
加賀「ええ、そうだったわ」
蒼龍「うわ…何か出てきそう…」
翔鶴「怨霊でも封じ込められてるんでしょうか…ねえ?」
提督「…………」
翔鶴「……提督?」
提督「……そうだね」
翔鶴「は、はぁ…」
345:
提督「他に怖い話、ないの?」
飛龍「じゃあ蒼龍、アレ…」
蒼龍「ああ、アレね…」
瑞鶴「アレ?」
飛龍「うん、駆逐艦の子達が言ってた話で、私達が見たわけじゃないんだけどね」
蒼龍「夜になるとたまに軍服を着た幽霊が出るんだって」
加賀「………」ビク
提督「それ、もしかして運動場に出る幽霊の話?」
飛龍「あ、それそれ!」
蒼龍「ずっと歩き回ってるみたいだけど…なにか目的でもあるのかな…」
提督「うーん…でも、今のところ悪さはしてないんでしょ?」
飛龍「うん、駆逐艦の子達も悪い気配じゃないって言ってたし…」
提督「そっか…なら、そのうちお祓いに来てもらうよ、ずっと彷徨ってるのも可哀想だし」
翔鶴「幽霊って悪さをするものなんですか?」
提督「中にはそういうのもいるね、俗に言う悪霊ってやつ」
蒼龍「そうならなきゃいいけどね…」
346:
赤城「幽霊を見た…と言えば、駆逐艦の子達はよく何もない場所でも誰かいると言いますね」
提督「子供は見えるって言うからねえ。もし駆逐艦の子達が何か見つけても近付かないように言っておいてね」
赤城「はい、お任せください」
蒼龍「ところで提督は幽霊見えるの?」
提督「見えるよ」
飛龍「あはっ、やっぱり子供だー」
提督「なっ、失礼な!私は大人だもん!」
瑞鶴「幽霊に悪さとかされたことある?」
提督「んー…ないなぁ、されそうになったことはあるけど」
翔鶴「どうやって切り抜けたんですか?」
提督「塩を握って思いっきり殴る、それだけ」
瑞鶴「随分大雑把ね…」
加賀「塩を握って……なるほど……」ブツブツ
翔鶴(本気だこの人…)
347:
提督「ところで加賀、幽霊ってさ」
加賀「なに?」
提督「こういう話してると寄って来るって言うよね」
加賀「!?」ビクッ
赤城「ぷふ…」
提督「加賀の周りにうわわわーって…」
加賀「あっあっあっあっ」
瑞鶴「ブフ、くくく…やめなよ、提督さん…くく…」プルプル
加賀「あ、ああ、全然怖くないけどなんだか寒くなってきたわ、一緒の布団に入ってもいいかしら」
提督「えー、暑くなるからやだ」
加賀「」ガーン
提督「冗談だよ、おいで」バッ
加賀「」パアアキラキラ
提督(可愛い…)
348:
ゴソゴソ
加賀「暖かいわ」ギュウウ
提督「ちょっと痛い…まあいいんだけど」
加賀「ふふ」
飛龍「イチャイチャしおってぇ…」
蒼龍「むー、加賀さんばっかりずるい…」
提督「まあまあ、また今度かまってあげるから」
飛龍「ほんと?約束だよ?」
提督「もちろん」
蒼龍「やったぁ!」
翔鶴「ところで怖い話は…」
加賀「まだ続けるの?」
提督「そりゃそうだよ、まだ全員回ってないし」
加賀「そ、そう…」
瑞鶴「次翔鶴姉じゃない?」
翔鶴「え?いえ、私は特にそういうお話はないから…」
瑞鶴「そう?なら私でいい?」
提督「うん、いいよ」
瑞鶴「よーし……」
349:
───これは艦娘の間で囁かれる、都市伝説?みたいな話なんだけど。
私達艦娘って、それぞれ固有の名前と身体を持って生まれてくるでしょ?けど、みんながみんな必ずそうなるわけでもないんだって。
建造の際の異物混入、妖精さんのミス、手違いその他諸々……色んな要素が積み重なって、ある程度の差異が生まれるんだとか。
性格の違いや目の色、髪色、肌色の違いとか多少のものなら問題なく世に送り出されるんだけど……
………これがね、人間の子供と同じで、酷い時は知的障害だとか奇形だとか…とても外に出せないようなものが生まれてくる事があるんだってさ。
で、本題はそのなりそこないがどこで解体処理されるかなんだけど………ここって結構大きい鎮守府じゃない?そういう大きめの鎮守府には解体処理用の地下室があって、そこで極秘裏に解体処理されるんだって。
………ただ、問題はその地下室に続く道がどこにあるか、だよね。もしかしたらこの鎮守府にも処理場があったりして!
なんてねっ!
350:
瑞鶴「………っていう話なんだけど、どう?」
翔鶴「それ、本当だとしたらちょっと怖いわね…」
赤城「ですね、極秘裏ということはもし見てしまったら……」
飛龍「………消される、だろうね」
蒼龍「………こわっ」
加賀「実際のところ、どうなの?」
瑞鶴「まあただの都市伝説だし、そんなこと有り得ないよね!」
提督「……………」
瑞鶴「ねっ、提督さん!」
提督「………そうだね、そんなこと私も知らないし」
翔鶴「………?」
351:
提督「もう夜も遅いし、そろそろ寝よっか」
瑞鶴「えーっ、まだ怖い話したいのに」
提督「加賀が怖がってるから、ね?」
加賀「私は別に怖がってないけど」
提督「そんなことより加賀、早くトイレ行かないと一人で行くことになるよ」
加賀「提督、あなた一人だと怖いでしょう?今なら私がついて行ってあげるから早く行きましょう」
提督「はいはい…飛龍は?」
飛龍「私はさっき行ったから大丈夫ー」
蒼龍「私もー」
瑞鶴「同じく」
翔鶴「お、同じく」
提督「なら私達二人だけかぁ。戻ったらもう寝られるように準備しておきなよー」
「「「はーい」」」
352:
飛龍「よいしょっと…はい、枕」
蒼龍「あっ、ありがと」
飛龍「ふふっ、一緒に寝る?」
蒼龍「もう、子供じゃないんだから…」
翔鶴「…………」
瑞鶴「翔鶴姉、どうしたの?」
翔鶴「……え?」
瑞鶴「さっきからなんか考え事してるみたいだけど…」
翔鶴「あ、いえ…なんだか、さっきから提督の様子がおかしいような気がして…」
瑞鶴「提督さん?別にいつも通りだと思うけど…」
翔鶴「いや、でも…すぐにさっきの話を切り上げたり、なんだかまるで……」
瑞鶴「考えすぎじゃない?きっと気のせいよ」
翔鶴「………だといいんだけど」
354:
提督「……………」
「ねえ、風花」
提督「なに?」
「さっき瑞鶴が言ってた話……」
提督「ふふっ、もしかして加賀、信じちゃった?」
「そういうわけではないけれど……」
提督「安心してよ、ここにそんな場所はないからさ」
「でも………」
提督「ね?」
「…………」
提督「ねえ?」
「……そうね、確かに何の信憑性もない話だったわ」
提督「でしょ?だからただの都市伝説だって」
ガチャ
加賀「風花は嘘を吐かないから大丈夫ね」
提督「えへへ、そう言ってもらえ る と嬉しイ なあ。」
加賀「………?」
提督「さ、戻ろっか」
加賀「……ええ」
355:
ガチャ
提督「ただいま?…おっ、みんなもう寝る準備出来てるみたいだね」
飛龍「あ?…布団かぶったらもう眠くなってきた…」
蒼龍「…………」ウトウト
瑞鶴「私はまだ起きてられるんだけど…」
翔鶴「ダメよ、明日も早いんだから」
瑞鶴「はーい…」
提督「よーし、じゃあ電気消すよ?」
飛龍「おやすみ?…」
蒼龍「………ぐぅ…」
提督「はい、おやすみ」
パチッ
提督「よいしょっと…」
ゴソゴソ
提督「………なにナチュラルに私の布団入ってるのさ」
加賀「ダメ?」
提督「………こっちの方があったかいよね」ギュウ
加賀「ふふ、でしょう?」
提督「はいはい、おやすみ」
加賀「ええ、おやすみ」
356:
????
飛龍「すー……すー……」
蒼龍「むにゃ………」
翔鶴「…………」コロン
加賀「ん……すぅ……」
赤城「んぁ…もう食べられ……ふふ……」
提督「…………」
瑞鶴「…………」
瑞鶴(眠れない……)
瑞鶴(昼寝しすぎたからかなぁ…不思議と目が冴えてる……)
瑞鶴(……せっかくだし提督さんの寝顔でも……?)
ゴソ…
提督「…………」ムク
瑞鶴(あれ?)
提督「…………」スタスタ…
瑞鶴(トイレ、かな……?でも寝る前に行ってたし……)
───さっきから提督の様子がおかしいような気がして……
瑞鶴(………もしかして…)
357:
ガチャ…
…パタン
瑞鶴「…………」
瑞鶴(…こんな夜中に一人で用事なんて……何があるの…?)
瑞鶴(……ダメ、好奇心に勝てない…)
ガチャ…
……パタン
提督「…………」スタスタ…
瑞鶴(あ、いた……見つからないように、そーっと…)ソー…
363:
提督「…………」スタスタ…
パタパタ…
サッ
瑞鶴(バレてない…よね。玄関口にいるってことは外に行くのかな…?)
提督「…………」キョロキョロ
瑞鶴「!」サッ
提督「………よし」
ガチャ
瑞鶴(え……?あの制服って、憲兵さん…?)
憲兵「……どうも」
提督「はい、じゃあ行きましょうか」クル
瑞鶴「!」
瑞鶴(こっちに来る…!)
タタッ
364:
憲兵「…………?」
提督「どうしました?」
憲兵「………いえ、なんでも」
提督「そう……」
スタスタ…
瑞鶴「…………」
瑞鶴(ふぅ、危ない危ない……ってなんで見つかるのを恐れてるんだろう、私…)
瑞鶴(……あの二人、どこに行くんだろう…どっちも敬語だし、仲が良いようには見えないけど…)
瑞鶴(一応、バレないように後をつけてみようかな…)
パタパタ
365:
提督「…………」
憲兵「…………」
瑞鶴(二人とも全く話さない……何が目的なの…?)
ガチャ
提督「…………」キョロキョロ
瑞鶴「!」バッ
憲兵「………見られてないですね?」
提督「ええ、どうぞ」
パタン
瑞鶴(……え?あそこって、書斎…よね?書斎に何かあるの…?)
瑞鶴(………気になる……)
瑞鶴(ちょっと覗くだけ…ちょっとだけ…)
ガチャ…
瑞鶴「…………」ゴクリ
366:
瑞鶴(……!提督さんがいるのって、加賀さんが言ってた最奥の…)
提督「…………」カチッ
ガタッ ゴゴゴ…
瑞鶴「………!?」
瑞鶴(棚が、動いた…!?)
憲兵「……先導を頼みます、慣れていないもので」
提督「分かりました、では後に続いてください」
ギイィ……
バタンッ
瑞鶴(何あの扉……あの向こうに何があるの…?)
瑞鶴「…………」ソワソワ
瑞鶴(き、気になる……)
───もし見てしまったら……
スタスタ…
ピタリ
瑞鶴「…………」
瑞鶴(………ちょっと見るだけなら、大丈夫だよね…?)
グッ
367:
「っ………」
小さく削られたドアノブに手を掛ける。加賀の言っていた話を思い出したせいか、それとも深夜の空気に飲まれたのか、それだけで重苦しい雰囲気に包まれたような感覚に陥る。
しかし今の瑞鶴は、それよりも好奇心の方が勝っていた。意を決したように深く息を吸って吐き、力を込めて手首を捻る。
重い。見た目の威圧感や場の空気のせいではなく、実際に分厚いつくりになっている。
そう、まるで中の何かを封じ込めるように。
鉄を思わせるような重厚な音と共に、扉が開く。その扉の先は瑞鶴が予想していた通り、地下へと続く階段が伸びていた。
368:
自然な緊張と高揚感に、口が渇く。喉を鳴らして唾を飲み、一歩一歩音を立てないよう慎重に階段を降りる。
奥の扉までの距離から計算すると、提督達はまだそう遠くないところにいる。そう考えながら階段の中腹あたりまで降りたその時───
「………っ!?」
音もなく、扉がひとりでに閉まった。思わぬ出来事に心臓が高鳴るが、風のせいだ、こっちの気圧の都合で云々……と心で言い聞かせ、すぐに前に向き直って歩を進める。
「……………」
暗闇に目が慣れ始め、突き当たりの扉に表記されている文字が見えた。
関係者以外立ち入り禁止。
ありふれたフレーズだが、血を連想させるような赤いインクと、状況が状況なため言い知れぬ恐怖感をこみ上げさせる。
瑞鶴自身も次第に雰囲気に飲まれ始めていたが、まだ何も見ていない、中途半端に終わるのはイヤだ、と。迷うことなくその扉を開いた。
370:
「…………!」
扉を開けた先に広がっていたのは、まさにそう形容するしかないような地下道だった。壁はおろか、床すら舗装されておらず、支柱となる無骨な木材と土が剥き出しになっている。
灯になるものと言えば、天井を支える梁から吊り下げられている古めかしいランプだけ。光が行き届かないほどに広いのか、それだけだと自分の足元すら見えない程薄暗い。
「あっ…!」
通路の奥に、固定されているランプとは違う、揺れる光が見える。時々その光を覆うように、二つの影が動く。
間違いない、提督達だ。二人は自分から数えて三つ目の通路を曲がった。
そう脳に刻み込み、後を追う。瑞鶴がそうしなければいけないのは、見えるだけでもこの地下道にいくつもの分岐路があったからだった。
揺れる光を見失わないように、かつ音を立てずに迅に的確な距離を保ち、必死に追いかける。こんなところで迷ったらもう出られないかもしれない、という焦燥感からか、真冬の地下というのにも関わらず瑞鶴の額には汗が浮き出始めていた。
371:
しばらく歩き詰め、足に疲れが生まれ始めた頃。
提督と憲兵が唐突に立ち止まり、慌てて角に身を隠す。
「…………?」
そこから顔だけを出し、二人の行動を監視する。何やら鍵を出しているようだ。その間も二人の間に会話はない。
幾重にも錠が掛けられているのか、鍵同士がぶつかり合う金属音だけが響き、あまりに無機質な時間が過ぎていく。
「はぁ……」
長い間歩き続け、くたびれた足の疲れを癒そうとへたり込むように腰を下ろす。
同時に視線も足元に降り、地下水で湿った土を眺めていると、土に埋もれるように白い何かがその一面を出しているのが目に留まった。
ほんの興味本位でそれに手を伸ばし、指先を器用に使い掘り返す。
意識の端で音が鳴り止まないのを確認しながら、何かに取り憑かれたように指を土に埋めて一気に引き抜く。
372:
勢い余って、顔の高さまでその白い物体を持ち上げてしまった。
そして、ぽっかりと空いた二つの眼窩と目が合う。それだけではその物体が何か分からず、少し目元から離してまじまじと見つめる。
眼窩の間の小さい穴と、ところどころ抜け落ちてはいるが綺麗に並んだ歯。
「ひっ……!!」
そう、瑞鶴が躍起になって掘り起こしたそれは人の頭蓋骨だった。振り払うようにそれを放り投げ、声を漏らさないように慌てて口に両手を当てる。
しかしその瞬間、金属音が鳴り止んだ。
「………!」
見つかってしまった。一瞬そう考えただけで、脳裏に嫌なイメージがいくつも駆け巡る。何度も何度も、バレていない、バレていない、と自分に言い聞かせ、心臓の音すら聞こえないようにぎゅっと胸の前で手を組む。
ここまできて、やっと瑞鶴は後悔した。帰り道も分からず、普段頼れる存在である提督が今は畏怖の対象となっているという事実。
好奇心で満たされていた心も、今は恐怖の色で埋め尽くされてしまっている。
しかし、まだ希望は捨て切っていない。震えを止めるように肩を抱き、思案を巡らせる。提督達が来る気配もない。気休めでしかなかったが、それでも今の瑞鶴にとっては十分救われるものだった。
373:
深く息を吸って吐き、心を落ち着かせる。
背後の方で扉の閉まる音が聞こえた。どうやら気付かれていた訳ではなく、解錠が済んだだけだったようだ。
「……提督さん……」
一抹の希望を胸に、後に続くようにドアの前に立つ。
いつも優しい提督なら、自分の存在を知れば元の場所まで案内してくれるかもしれない。きっとそうだ、あの提督が長い間一緒に過ごしてきた人をそう簡単に消すはずがない。
その願いを縋り付くように信じながら、また扉を開く。瑞鶴にはもうこの道しか残されていなかった。
374:
「………のですか?」
「ええ、…………誰…も……です…ら」
遠くの方から声が響いてくる。先ほどまでの土とは打って変わって、舗装された硬い床をそっと歩く。
ここで、瑞鶴はある違和感に気付いた。
「………?」
そう、通路のつくりが真新しい。電灯もあれば、壁も床も舗装されている。まるで、ここで重点的に何かを見るように。
ところどころに病院で使われるようなワゴンや、その上に乗ったメス、血の付いた白布、そして真っ黒に染まったハサミ。
まさか、本当にまずいところまで来てしまったのでは…と、暗い想像を首を振って振り払う。
気付けば、提督達はもう通路の奥から差し込む光の先、つまり大広間に出ようとしていた。
その入口の淵にあるプレート。そこには大きく『第一処理場』と表記されていたが、そんなことには気付く気配もなく、瑞鶴は提督に声を掛けようと手を伸ばした。
376:
「提督さ……!?」
目の前の異様な光景に、思わず伸ばしかけていた手を止める。
ドーム状の構造、眩しすぎる程に強く照明が当てられた大広間。その中央に、ソレは鎮座していた。
「ウg……ア、ぁギッ……」
人の体内と同じピンク色の巨大な肉塊。それに張り付けられたようないくつもの顔、いずれも目は抉り取られていてそれぞれが不揃いに呻き声を挙げている。
肉塊から疎らに生えた数十を超える手足と、どこか見知ったような様々な色の髪。自重を支えることすら出来ないのか、歪んだ床にめり込んでいる。
「う、おえっ……!!」
想像もしたくなかった。が、他に考えようもなかった。どういう細工かは知りようもないが、あの肉塊は、できそこないの艦娘達を詰め固めて結合させたもの。
軽く嘔吐し、涙の溜まった目を上に向ける。提督は、その肉塊に餌付けをするようにバケツから何かを取り出しては口と思われる穴へ次々と放り込んでいた。
飲み込まれる度に響く、硬い何かを砕くような小気味良い音。それに続く咀嚼音。そして、提督が持つその『何か』の端に見える先が分かれた五本の突起。
それが見えた瞬間、瑞鶴は今すぐこの場を離れなければ何をされるか分からない。そう確信した。
それもそのはず、提督が穴に放り込んでいたのは紛れもなく人の腕と足であったからだった。
377:
普段優しい提督の、裏の顔。何を企んでいて、何を望んでいるのかが全く見えてこない。そのギャップのせいか、瑞鶴の恐怖心はすでに精神を振り切りかけている。
逃げ出そうとするも、足がすくんで一歩足りとも動けない。
「え………?」
ずっと姿を消していた憲兵が、キャスターの付いた寝台と共に現れた。その上に乗せられたものを見て、目を丸くして硬直する。
「これで最後ですね」
「ええ」
毎日同じ時間を過ごし、見てきたそれを見間違うはずがない。その寝台に乗せられていたのは、紛れもない、自分の姉である翔鶴だった。
「な、なんで……!?」
翔鶴は眠らされているのか、足場の悪い床に寝台が激しく揺れても目覚める気配は一向にない。
「…………」
提督は何も言わずに、翔鶴を抱き上げて例の肉塊の方に向き直る。
「え…う、嘘、でしょ…?」
何の躊躇いもなく、それを肉塊へと投げ込んだ。先ほどの手足と同じように、骨の砕ける音と肉をしゃぶり尽くす音を鳴らして咀嚼していく。
思考と意識がまるで追いつかない。
瑞鶴はただ、その様子を呆然と眺める事しか出来なかった。
379:
「アァ…bゲ、ウー…ウ…」
大量の手足も、翔鶴も食べ尽くしたというのに、肉塊は飯を強請る赤子のように、その巨体を揺らして呻き声を挙げる。
「まだ物足りないという感じですね」
「そうですね、でもちょうどいいんじゃないですか?」
提督と憲兵、二人顔を見合わせて相談をするようなトーンで話す。瑞鶴は、今だ意識をふわふわと浮かせている。
そして互いに相槌をうつと同時に、今まで聞いた事のないような声色で提督が言う。
「活きの良いのが、居ますから」
それを合図に、二人が瑞鶴の方を振り返った。突き刺さる視線にはっと自分を取り戻して身を翻して逃げようとする……が、すでに手遅れだった。
380:
「きゃあっ!?」
背後から飛びかかってきた何かに押され、勢いを止められずに床に押し倒される。すぐに身体を起こそうとするが、小さい感触に反して大きすぎる力で押さえつけられてまるで動かない。首だけを捻って背中に乗った何かの正体を視認する。
と、同時に背筋に冷たいものが走る。瑞鶴を押さえつけている何かは、身体こそ小さいものの、確実に顔の右半分が抉れた翔鶴だった。
「ひっ…!!」
床に取り押さえられている間に、提督はすぐ側まで近付いてきていた。
「ふふ、アハはは」
口を三日月型に歪ませながら、ゆらゆらと覚束ない足取りで詰め寄ってくる。
もはや提督にいつもの面影はない。その姿は、狂人と形容する他なかった。
381:
「っ……!」
必死に身を捩る瑞鶴の前にしゃがみ込む提督。先ほどまで狂気に満ちた笑い声を発していたはずなのに、その表情は怒りとも侮蔑ともつかない完全な無表情だった。
「た、助けて…!」
涙目で訴えかける瑞鶴を見下ろしながら、口を開く。
「見ちゃ ったね 、 ぇ?」
機械のように冷たい声。ところどころアクセントが狂っており、人間ではないのかとすら思わせる。
「ダメな んだ、よ、ミち ゃった のなら」
憲兵は肉塊の方でメモか何かを記入しているようで、こちらの様子には全く興味を示さない。ただただ、ひたすらに何かを書き殴っている。
「見ちゃッっっったのなら、ねえ、ねえ」
「消えてもらわなきゃ、ね?」
「ひっ……!!」
いつもの、優しい提督。そのトーンで、そう言った。そう言いながら、どこからか蛍光色の液体が詰まった注射器を取り出した。
それが、瑞鶴にとって何よりの恐怖だった。
振り切った恐怖心で、狂ったように叫びのたうちまわる。が、片手のない翔鶴、片足のない翔鶴、半身が薬品のように真っ白に染まった翔鶴に次々と床に叩きつけられる。
そして四肢を完全に押さえつけられ、顎を引かれ顔を固定された。
382:
「ダメだよ、ダメだよ、ダメだよ、消えてもらわなきゃ、消えてもらわなきゃ、消えてもらわなきゃ消えてもらわなきゃ消えてもらわなきゃ」
うわ言のように淡々と何度も何度も繰り返し呟きながら、注射器を掴み瑞鶴の顔へ向ける。その先端は眼の中心を指していた。
「あ……あ、ああ、ああっ、あああああ!!!い、いやっ!!やだっ、誰か助けて!!いやああああああああああああ!!!」
広間に絶叫が木霊する。これから起こる惨劇を想定し、かろうじて動かせる指先だけでも動かして抵抗にならない抵抗をするが、それに反応して翔鶴のなりそこないが指に食い付き動きを止める。
「あは、フふふはっ、あはははハハハはハははははは」
眼に針が近付くごとに喧しくなる提督の笑い声と、瑞鶴の荒い息。垂れる涎も、溢れ出る涙も、拭うことすら出来ない。
やがてそれは絶叫へと変わり、右目から零れる涙は赤い色に染まる。
「ああああああああああああああ!!!!っぎ、いぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!」
尋常を超える痛みによる絶叫を最後に、瑞鶴の意識は途絶えた。
383:
ーーーー瑞鶴、瑞鶴っ!」
「ああああ……あ、あ…?」
翔鶴「瑞鶴、どうしたの?悪い夢でも見たの?」
瑞鶴「え……あ…?」
翔鶴「ずいぶんうなされてたみたいだけど…」
瑞鶴「あ、あれ……翔鶴姉、食べられたんじゃ…?」
翔鶴「何を言ってるの、もう……明日は早いんだから、早く寝なさい…」
瑞鶴「う、うん…」
翔鶴「はぁ……」ポスン
瑞鶴「…………」チラッ
提督「すぅ……」
瑞鶴「………ほっ」
瑞鶴(よかった…ただの夢だったんだ…)ポスン
翔鶴「………zzz」スヤァ
384:
瑞鶴(はぁ……なら、私ももう寝よう…)
瑞鶴「…………」
ゴソ…
瑞鶴「…………?」パチッ
提督「…………」ムク
瑞鶴(え?)
提督「…………」スタスタ…
瑞鶴(何、このデジャヴ…)
ピタッ
提督「…………」
瑞鶴「………?」
385:
提督「今度は何も見ないようにね」
瑞鶴「」
388:
ーーーーー
「こら」
瑞鶴「んぐぅ……zzz…」
「起きなさい」
ペチッ
瑞鶴「んぁ!?な、なに!?」
加賀「いつまで寝ているの、もうとっくに演習の時間よ」
瑞鶴「えっ?あ、う、うそ!?もうこんな時間!?」
加賀「私は先に行ってるから。食堂に提督が作ってくれた朝食があるからそれを済ませてから来なさい」
瑞鶴「あ、は、はい!」
パタパタ…
加賀「はぁ……」
389:
ガチャ
加賀「…………」
提督「あ、加賀。瑞鶴起こしてくれた?」
加賀「ええ、食堂に向かったわ」
提督「そっかそっか、ありがと」
加賀「…………」ジッ
提督「どうしたの?」
加賀「………昨日、あの子と何かあったの?」
提督「何もなかったよ?」
加賀「……そう、ならいいけど」
提督「うん、じゃあ演習頑張ってね」
加賀「ええ」
スタスタ…
提督「…………そうだよ」
提督「何もなかったんだよ。何も」
391:
………あれから特に私の身に何かがあったわけでもないし、あとで聞いてみたら翔鶴姉も何も知らないって。
翔鶴姉と一緒に書斎の奥の本棚も調べてみたけど、何もなかったし、壁にスイッチもなかった。加賀さんが言ってた声も聞こえなかったし…空耳か何かだったんだろうね。
提督さんもいつも通りの優しさだし、変わったこともない。
やっぱり、あれはただの夢だったのかな?それとも………
392:
おわり
399:
ーーーー
ーーーーーー
『ごめ……さい、風花』
『おかあ………ど…してあやま……?』
『あの…達とは、……なくなっちゃ………』
『え?』
『お父…んとお母さんが落ち……まで、それまで…』
「……ーかん」
『や、やだ…やだよ、そんなの…』
「…れーかんってば!」
『それまでの、お別れだから』
「司令官!」
提督「!」ビクッ
401:
提督「んえ、あ、な、なに?」
雷「もー、司令官ってばさっきから何回も呼んでるのに何の反応もないんだから!」
提督「あ、あはは…ちょっと、考え事してたから…」
暁「ふあ……」
響「そんなことよりもう一番上のお姉さんが眠そうにしてるよ」
電「電ももう眠いのです…」
木曾「日付も変わってるからな。子供は早く寝た方がいいだろう」
暁「子供じゃないもん…」ゴシゴシ
提督「あ、そっか、今日一日中ずっと一緒なんだっけ」
雷「忘れてたの?」ジロ
提督「ちゃ、ちゃんと覚えてたよ!ほんとだから!」
雷「…ならいいけど」
402:
暁「………う?」フラ
木曾「おっと」
ガシッ
響「布団に入らないとダメそうだね。司令官」
提督「あ、うん…おいで」
雷「はーい!」ピョーン
電「なのです!」ピョンッ
提督「ちょっ」
ボフッボフッ
提督「こ、こら!危ないでしょ!」
雷「ふふ、でも司令官はしっかり受け止めてくれたじゃない?」ギュウ
電「えへへ…司令官さん…」スリスリ
提督「もう…」
響「ウラー」スタスタ
木曾「ほら、ちゃんと自分の足で歩きな」
暁「ふぁい…」フラフラ
403:
ボフ
暁「ふご……zzz……」
提督「そういえば、木曾はどこで寝るの?」
木曾「ん、俺は床に布団敷いて寝るよ」
提督「一緒に寝なくていいの?」
木曾「そう言いたいところだが…その人数だとはみ出るだろ」
提督「………まあ、確かに」
響「悪いね」
雷「木曾さん、ごめんなさいね」
木曾「気にするな。そんなことよりほら、布団敷いて寝るぞ」バサッ
提督「そうだね、おやすみ木曾」
木曾「ああ、おやすみ」ゴロン
雷「司令官、おやすみなさい!」
電「おやすみなさい、なのです」
提督「はい、おやすみ?」
響「司令官のおっぱい枕で」ムンズ
スッパーン
響「おやすみ司令官」
提督「はいおやすみ」
407:
提督「……………」
電「すぅ……」
雷「んぐ……しれいか……」
響「ふへ…うへへ…zzz」
暁「むにゃ……」
木曾「……………」
提督「……………」
木曾「………なあ」
提督「………なんでしょーか」
木曾「……やっぱり起きてたか」
提督「バレてた?くふふ……」
ムク
木曾「寝付けないのか?」
提督「……うん、ちょっと」
木曾「そうか……なら、一杯やるか?」
提督「ふふ、いいねえ。好きだよ、そういうの」
408:
カラン
木曾「こうしてお前と二人きりで飲むのは久しぶりだな」
提督「そうだっけ?」
木曾「そうさ、いつもお前は他の人にかまってるからな」
提督「……なんか、ごめん」
木曾「いいんだ、お前の立場も理解してるし、お前がみんなに好かれているのも分かってるから」
提督「木曾、前にずっとそばにいたいって言ってたよね」
木曾「出来ることならな」
提督「しようとは思わないの?」
木曾「そんなことをしたら他の人達に迷惑がかかるだろ、あいつらが悲しんでるところを見たらお前が悲しむし、お前が悲しむことはしたくないし」
提督「………前々から思ってたけどさあ、木曾ってすごいイケメンだよね」
木曾「少なくとも女に向けて言う台詞ではないな」
提督「顔赤いよ?」
木曾「………酒のせいだよ///」ゴク
提督「素直じゃないなあ」
409:
木曾「素直じゃないのはお前もそうだぞ」
提督「なにが?」
木曾「…寝付けない理由のことだよ、お前が眠れないなんて相当だぞ」
提督「……………」
木曾「昔のことを思い出していたんだろう?」
提督「……すごいね、よく分かってるね」
木曾「お前のことはずっと見てるからな。少しでも様子が違えばすぐに分かるさ」
提督「……………」ゴク
木曾「………何か、思い出せたのか?」
提督「………うん、でも、辛い思い出だったと思う」
木曾「そうか……苦労してたんだな…」
提督「……まだ明確には思い出せてないんだけどさ、それでもやっぱり、その時の事を考えてると…なんだか、怖くなってくるんだ…」
木曾「……ああ」
提督「大切な誰かに置いて行かれるんじゃないかって……そんな、怖い思い出だった気がするの…」
木曾「…………」グイ
提督「! ふふ……慰めてくれるの?」
木曾「強がらなくてもいい」
提督「………うん」
410:
木曾「辛い思い出を無理にでも思い出せとは言わない。誰かに話せとも言わない。……ただ、これだけは覚えておいてくれ」
提督「うん……」
木曾「昔なにがあったのかは分からないが、今のお前にはみんながいる。お前が悲しんだり苦しんだり、辛い時は共に泣いて励ましてくれる仲間がいるんだ。誰もお前を裏切らないし、俺もお前を裏切らない。この海に誓うよ」
提督「………ふふっ」
木曾「む、なにがおかしい」
提督「ううん、やっぱり木曾はイケメンだなって思って」
木曾「……そうか、ふふ」
提督「………ありがとう」
木曾「ああ」
提督「はぁ……まだ眠れそうにないや。もうちょっとだけ、付き合ってくれる?」
木曾「いいぞ、明日は何もないからな。とことん付き合おう」
提督「えへへ、そうこなくっちゃ!」
411:
提督「……そろそろ寝よっか」
木曾「そ、そうだな……」
木曾(俺の二倍近く飲んだのに顔すら赤くなってないぞ…)
提督「ふあぁ…いい感じに眠くなってきた…」
木曾「お、おう…じゃあ、改めておやすみ…」ゴソゴソ
提督「おやすみ?……」
ゴソゴソ
木曾「…………」
提督「…………」
木曾「………なあ」
提督「なにぃ…?」
木曾「すごいナチュラルに俺の布団に入ってきたよな?」
提督「う?ん…なんか、そんな気分…」ギュウ
木曾「はぁ……はいはい、おやすみ…」
提督「………ぐぅ」
木曾(早い…)
提督「…えへ……zzz…」
木曾「………いい夢見ろよ」ナデナデ
413:
?????
ゲシッ
提督「………んぁ…」パチ
ゲシッ
提督「いた……なに…?」
暁「んご……」ゴロゴロ
提督「……………」
「あー、やっと起きた」
提督「ん?」
雷「おそよう、司令官!」
提督「……おそよう…」
ゴシゴシ
提督「………今何時?」
響「ヒトヒトマルマル。もうお昼前だよ」
提督「そっか……というかなんでみんな木曾の布団に…」
響「司令官がいなくて寂しかったんじゃないかな」
雷「………一番に行ったくせに」ボソ
響「…………///」
提督「ふあぁ…電と木曾と暁はまだ寝てるんだ…」
414:
電「んぅ…」パチ
提督「あ、電も起きたみたい」
電「……ぁー…」
提督「?」
電「………あむ」カプッ
提督「っひぃ!?」
電「ん?……」チュッ チュパ
提督「ちょ、いいい電!?何をしてるのです!?」
雷「寝ぼけてるんじゃない?たまにあるわよ、電の寝ぼけ癖」
響「さすがに指を舐められたことはないけど」
提督「そ、そうなんだ…へえ?…」
電「ん……れろ…」ペロッ
提督「……………」
提督(なんだろうこの背徳感…すごい…)ゾクゾク
雷「……司令官、すごい気持ち悪い顔してない?」
響「………まあ、ロリコンだし…」
415:
電「んむ………?」
提督「あ、起きた」
電「…あれ…?」
提督「おはよう、電」
電「あ、は、はい…おはよう、なのです…」
提督「いやー、赤ちゃんみたいだったねえ」
電「へ……?………!!////」カァッ
提督「ふふふ、可愛かったよ」
電「はわわわ……ご、ごめんなさい///」
提督「謝らなくてもいいよ、寝ぼけてる時は仕方ないことだし」
雷「仕方ないことなの?」
響「それはないと思う」
416:
響「私も寝ぼけたふりしておっぱい揉もうかな」
提督「響はお昼ご飯抜きでいい?」
響「今のは寝言だから」
雷「お昼ご飯…そういえばもうそんな時間ね」
暁「……おひるごはん……?」パチ
電「あ、お姉ちゃんも起きたのです」
提督「おはよう暁、もう十一時だよ」
暁「え……えっ!?遅刻じゃない!!」バッ
雷「もしかしてこっちも?」
響「ああ、寝ぼけてるね」
提督「暁ー、今日は休みだよー」
暁「……へ?あれ、というかなんで司令官がここに…」
提督「ここは私の部屋だよ、それに今日一日は一緒って言ってたでしょ」
暁「………あ、ああ!そうだった!」
提督「はー…長女がこれだと心配だねえ…」
電「でも、おかげで目も覚めたみたいなのです」
417:
提督「………さて、問題は……」
五人「「「「「…………」」」」」チラッ
木曾「ぐー……」
雷「………ねえ」
電「………なのです」
暁「考えてることは…」
響「同じだろうね」
提督「うん……ずっと気になってた」
木曾「zzz…」ゴロン
「「「「「この眼帯……!」」」」」
418:
提督「………じゃあ、外すよ?いい?」
暁「……………」コク
雷「し、慎重にね」
響「もしかしたら爆発するかもしれないしね」
電「!?」
提督「んなわけないでしょ…」
木曾「うぅ?…ん…」
提督「……………」ゴクリ
スッ
グッ…
一同「「「「「…………」」」」」ドキドキ
木曾「……………ん?」パチ
提督「わああああああ!??」ドタドタ
電「ひゃああああああ!!?」ザザザザ
木曾「…なにやってんだお前ら」
響「なんでもないよ」
木曾「いやそれは無理があるだろう」
419:
木曾「なあ、なにやってたんだ?」チラッ
提督「えっ!?い、いやあ、ちょーっとその眼帯が気になって、ね?」
木曾「眼帯?これか?」スッ
提督「へぇあ!?」
暁「そんな簡単に外しちゃうの!?」
木曾「外すも何も別に怪我してるわけでもないしな」
提督「あ、ほ、ほんとだ…というか、右目金色なんだ…」
木曾「え?そうなのか?」
提督「そうなのかって…鏡で見たことないの?」
木曾「いや、風呂入る時も着けっぱなしだから…」
提督「ダメだよそんなの!目悪くなるよ!?」
雷「司令官だってお風呂入る時も寝る時も眼鏡掛けたままだって言ってたじゃない」
提督「それは昔の話!」
420:
木曾「というかそもそも中破した時は眼帯吹き飛んでるだろ」
提督「そうなの!?」
木曾「見たことなかったのか!?」
提督「いや、だって木曾が改二になってから中破した回数って何回か覚えてる?」
木曾「………二……いや、一回きり……じゃないか…?」
提督「その一回の時、私いなかったよね?」
木曾「あ、ああ。大本営に呼び出されてたな」
提督「なんで勝手に出撃してたの?」
木曾「……………」
提督「……………」
暁「……………」
響「……………」
雷「……………」
電「……………」
提督「………仮にも私、上官なんだけど」
木曾「すみませんでした!!!」
421:
提督「ところでさ、その眼帯、何か意味でもあるの?」
木曾「ん?いや、特にはないが」
提督「えー、じゃあなんで着けてるのさ」
木曾「ファッション」
暁「えっ」
響「うわあ」
雷「厨二病…」
電(それはないのです…)
提督「カッコいい…」キラキラ
木曾「だろう?」
四人((((えっ))))
426:
木曾「そろそろいいか?」
提督「あ、うん」
スッ
木曾「はぁ…やっぱこれが落ち着くな…」
提督「なんていうか、眼帯着けてる時はカッコいいけどさ、眼帯着けてないとすごい可愛らしく見えるね!」
木曾「!?///」
響「出た」
電「天然たらしなのです」
提督「ねえ、また今度でいいから眼帯外したところ見せてもらってもいい?」
木曾「むう…割と恥ずかしいからな…」
提督「じゃあ二人っきりの時に、ね!」
木曾「………まあ、それならいいか…」
提督「やったー!」
響(こうやって色んな人を落としていくのか…)
427:
暁「ねえ司令官、お腹空いたわ…」
提督「ん?そういえばもうお昼前だったね」
木曾「俺はまだだな」
雷「私も」
電「電もなのです」
響「響もなのです」
電「もう!真似しないでほしいのです!」
提督「私もまだあんまりお腹空いてないんだよね…暁、先にご飯食べる?」
暁「い、いいわ!暁はお姉さんだから、我慢してあげる!」
響(そんなこと言ってまた)
電(絶対司令官さんと一緒に食べたいだけなのです)
提督「そっか……じゃあ、お昼まで散歩でもしよっか」
木曾「このままでか?」
提督「うん、たまにはいいでしょ?」
木曾「まあ……悪くはないか」
提督「よーし、なら行こっか」
電(あれ………司令官さん、下着どっちも着けてないんじゃ…)
429:
提督「電ー?」
電「あ、はい!」タタ
ガチャ
提督「う?ん…あー、差し込む陽射しが眩しいねえ…」
木曾「ああ、ちょうどいい暖かさだな」
提督「はあ?…なんだか眠くなってくるね…」
雷「司令官、だらしないわよ?」
提督「はいはい、分かってますよ?」スタスタ
暁「散歩するって言っても、どこに行くの?」
提督「さあ…適当にぶらぶら」
響「計画性がないね」
提督「散歩なんてそんなもんだよ」
電「電は、みんなと歩くだけでも楽しいのです」
提督「ああ?、電はウルトラいい子だねぇ?」ワシャワシャ
電「ふふ、えへへへ…///」
木曾「親子みたいだな」
提督「ふふっ、じゃあ私がお母さんで木曾はお父さんかな」
木曾「……!///」ドキッ
提督「えへへ、なんちゃって?」スタスタ
響「……真性だねアレは」
木曾「ああ…困ったもんだ」
432:
ガチャ
提督「ああ?……やっぱり今日はかなりあったかいねえ…」
木曾「まだ二月なのにな」
提督「うーん、絶好の昼寝日和…」
電「……………」ジー
提督「じょ、冗談だよ、うん」
暁「ねえ司令官、外に出て何するの?」
提督「そうだねえ、せっかくだし演習場の方行ってみようか」
響「視察というやつかな?」
提督「サボりの子がいたらお尻叩かなきゃ」
雷「あんまり痛くなさそう…」
木曾「……………」ガクブル
雷「…………!?」
434:
ドーン ヒュンッ ダダダダ
鳳翔「あら、提督…それにみなさんも」
提督「やっほー、ちょっと見学してもいいかな?」
鳳翔「はい、お好きにどうぞ」
電「みんな元気にやってるのです」
木曾「ん、姉さん達が手振ってるな」
響「那珂さんが水上で歌って霧島さんに怒られてるね」
雷「うわあ、加古さん立ったまま寝てる…」
暁「……今さらだけど、大丈夫かしらこの艦隊」
鳳翔「ま、まあ、どの子もやる時はやりますから…」
提督「ところで、なんで加賀は赤城にジャイアントスウィングかけられてるの?」
鳳翔「えっと…昨日夜食を食べられたとか…」
提督「で、的に縛り付けられてる瑞鶴は?」
鳳翔「八つ当たりかと…」
提督「ああ…」
435:
提督「ちょっと加賀にお叱り入れてくる」ザッ
鳳翔「は、はぁ…」
電「声をかけたのです」
響「加賀さん、心なしか嬉しそうに見えるね」
雷「……あ、司令官がお説教始めた」
暁「………反省してるようには見えないけど」
鳳翔「……まずいですね」
暁「へ?なにが?」
鳳翔「いえ、このままだと……あっ」
電「あっ……」
響「すごい……見事な大外刈りだ…」
鳳翔「ああ…やっぱり…」
雷「なるほど、こうなるのね…」
436:
雷「加賀さんが本気で頭下げてる…」
電「滅多にこんなところ見られないのです…」
暁「あ、帰ってきた…」
提督「ただいまー」
木曾「お前……」
提督「なに?」
木曾「いや……可愛い顔してえげつないことするな……」
提督「やだ、可愛いなんて…そんな…///」ポッ
響「論点はそこじゃない」
電「というか、なんでそんなに綺麗な技が…」
鳳翔(というか、なぜ下着を着けていないのでしょう…)
437:
鳳翔「そういえば提督、もう朝ご飯は食べられたのですか?」
提督「ううん、さっき起きたところ」
鳳翔「なら、食堂に作り置きのお味噌汁がありますので、それと…」
提督「うん、あとは私が作るね」
木曾「いいぞっ!」
暁「司令官のご飯食べられるの!?やったわ!」
響「これは実にハラショーだ」
電「実にハラショーなのです!」
響「む」
電「ふふん」
提督「そうだね、もうそろそろいい時間だし、食堂行こっか」
雷「はーい司令官!」
提督「それじゃあ鳳翔さん、みんなの面倒見てあげてね」
鳳翔「はい、任せてください」
438:
一方その頃
飛龍「ねえ、見た?」
蒼龍「うん、見た!」
瑞鶴「提督さん、ノーブラだった!」
翔鶴「ゆさゆさしてたわ…」
雲龍「ふふ…パジャマ姿の提督、可愛かった…」
飛龍「なんかもう……色々と、わああああ!!」バタバタ
蒼龍「ねー、セクシーだったねー」
赤城「オカズが決まりましたね…」ボソ
加賀「……………」ギリギリ
赤城「おや、加賀さんどうしました?」
加賀「だまれ!!」ガスッ
赤城「ゲハァ!!」
439:
提督「なに作ろうかなあ、なにがあったかなあ」
木曾「昨日見たけど卵がたくさんあったぞ」
提督「う?ん……じゃあオムライスでも作ろっかな、みんな忙しくてキッチン空いてるみたいだし」
暁「オムライス?そんな子供みたいな…」
提督「じゃあ暁は卵かけご飯にする?」
暁「…オムライスがいい!」
提督「よーし、決まりだね」
雷「私、たくさんケチャップがかかったのがいいわ!」
電「電はちょっとすっぱいのを抑えてほしいのです」
提督「了解、響は?」
響「私は司令官のならなんでもいいよ」
提督「本音は?」
響「…ご飯を醤油風にしてほしいな」
提督「おー、大人だねえ」
440:
木曾「俺は…」
提督「木曾も響と同じのでいい?」
木曾「あ、いや……その…」
提督「?」
木曾「お、俺もケチャップがいっぱいかかったのがいい…」
提督「……意外と子供だね」
木曾「いいだろ別に…」
提督「……可愛い」
木曾「…………///」カァ
響「暁、オムライスに旗を立ててもらったらどうかな?」
暁「絶対バカにしてるでしょ」
441:
ガチャ
提督「……うん、やっぱり誰もいないね」
「ウニャー」
提督「おっと、あすかがいた」
木曾「あすか?」
提督「うん、あの黒猫の名前」
暁「ああ、前に大淀さんが言ってた…」
提督「そうそう」
響「…………」ソー
あすか「フシャー!!」
響「」ビクッ
提督「ダメだよ響、この子お腹空いてる時は怒りやすいから」
響「…………」ショボーン
提督「そ、そんなに落ち込まなくても…ほら、ご飯食べてからまた触ればいいから…」
響「…それもそうだね」
442:
提督「よーし、じゃあご飯作りましょうかね」
雷「手伝うわ!」
電「電も手伝うのです!」
提督「いいよいいよ、すぐ出来るから、みんな座って待ってて」
暁「でも…」
提督「上官命令でもかな?」
暁「うう…了解です…」
提督「それでよし、おとなしくしててね?」
パタパタ
木曾「…………」ガタ
雷「木曾さん?」
木曾「お前達は座って待ってな」
444:
提督「お米は……うん、ちゃんと炊いてる」
バサ
木曾「よう、手伝うぞ」
提督「あれ、木曾?座ってていいって言ったのに」
木曾「そうは言ってもなあ、さすがに六人分作るのに一人だとちょっとキツいだろ」
提督「まあ……確かにそうだね、断っても聞かないんでしょ?」
木曾「そういうタチだからな」
提督「ふふ…ならお願いしようかな」
木曾「よし!まず何からすればいいんだ?」
提督「このボウルに卵を割って入れて、15個ぐらい」
木曾「そんなに要るのか?」
提督「卵分厚い方が好きでしょ?」
木曾「! そうだな!」
提督(ああ…木曾も子供だなぁ…可愛いなぁ…)
445:
木曾「…………」コンコン
パキッ
提督「…………」
木曾「…………」コンコン
パキッ
提督「…………」
木曾「……なんだ?」コンコン
提督「いや、器用だなーと思って」
木曾「まあ、これぐらいはな」パキッ
提督「木曾って料理出来るんだっけ?」
木曾「カレーくらいだけどな」コンコン
提督「へー…いいお嫁さんになれるね」
木曾「嫁はお前だろう」
提督「あ?らまあ、カッコいいこと言っちゃって」
446:
木曾「いや、でもお前は本気で優良物件だと思うぞ」
提督「そう?」
木曾「面倒見いいし、優しいし、美人だし、料理上手だし、掃除洗濯家事にぬかりもないし」
提督「う?ん…美人以外は自覚してるんだけどさ…」
木曾「なんだ?」
提督「それって、人として普通じゃないの?」
木曾「」ピキィン
提督「当たり前にご飯作って掃除も洗濯もして、当たり前に人に優しくして…美人かどうかは人それぞれだけど、一人で何も出来ないってそれ人としてどうかしてるよ」
木曾「……すごい納得した」
提督「でしょ?」
447:
木曾「卵終わったぞ」
提督「ん、じゃあこれでかき混ぜて」
木曾「ああ」ガシャガシャ
提督「ちょっと強すぎるかな、もっと優しく」
木曾「こうか?」カチャカチャ
提督「そうそう。子供をあやすみたいに」
木曾「よ?しよ?し…いい子だねぇ?…」カチャカチャ
提督(木曾って天然なのかな…)
448:
提督「さてと、私も作り始めないと」
木曾「ご飯の方か?」
提督「うん、ちゃんとケチャップ多めにするからね」
木曾「ふふふ…いいぞ」
提督「ここに刻んだタマネギニンジン、そして鶏胸肉があります」
木曾「へえ。それをどうされますか?」
提督「油を引いたフライパンにぽいぽい」
木曾「ぽいぽい」
提督「一旦これは置いといてご飯に和えるソースに移ります」
木曾「そうっすか」
提督「二点。時間がないからソースの素とケチャップを混ぜ合わせ、煮ます」
木曾(二点…)
453:
提督「よし、あとはちょっと放置かな」
木曾「何もやることがないのか?」
提督「うん」
木曾「そうか……」
提督「…………」
木曾「…………」
提督「………ねえ、前々から気になってたんだけどさ」
木曾「なんだ?」
提督「その軍刀ってさ、使う機会あるの?」
木曾「これか?……そうだな、闇討ちとかする時に使えるんだが…なんせ砲撃が出来る分あまり使いはしないな」
提督「へえ?…」ジー
木曾「………そんなに気になるのか?」
提督「うん」
木曾「………ちょっとだけだぞ」カチャ
提督「わあ…!」
454:
提督「やっぱりこれって切れ味すごいの?」
木曾「それなりにな」
提督「木曾、卵一つ取って」
木曾「? ほら」
提督「ありがと……よっ」ポイッ
チャキッ
提督「はぁ!!」
スパァン!!
木曾「!?」
提督「おおおおお!!ほんとだ、すごいよく切れる!!」
木曾「バカ、危ないだろ!怪我したらどうするんだ!?」アセアセ
提督「しないしない、大丈夫だって!」
木曾「するから言ってるんだ!とにかく返しなさい!」パシ
提督「あー」
木曾「まったく…洒落にならないぞ…」
提督「えへへ、ごめんね」
木曾「はぁ…」
木曾(……いや、しかし見事な太刀筋だったな…常人なら目視出来るかどうか…)
455:
木曾「そういえばさ」
提督「なに?」
木曾「お前のその料理上手の秘訣ってなんなんだ?」
提督「秘訣というか……好きこそ物の上手なれというか」
木曾「へえ?」
提督「私が料理し始めたのは、確か十歳ぐらいの頃からだったかな?作り始めた当時は簡単なものしか出来なかったんだけどね」
木曾「ふむ」
提督「作ったご飯は幼馴染に味見してもらってたんだけど……いつも美味しい美味しいって言ってくれるから、それが嬉しくて張り切ってたらいつの間にか色んなものが作れるようになっちゃった」
木曾「そうか…なるほど、練習あるのみだな」
提督「うん……」
提督(懐かしいなぁ……いつも口いっぱいに頬張っては笑って美味しいって言ってくれたっけ……)
456:
提督「…………」
木曾「……おい、焦げるぞ?」
提督「………ん、あっ」
木曾「また考え事か?」
提督「えへへ、そんなところ……ボウル貸してくれる?」
木曾「ああ」
提督「別の熱したフライパンに卵を流し込みまーす」ジュワァ
木曾「おお、いい匂いだな」
提督「木曾、ソースを具材の方に入れて」
木曾「ほい」ダバア
提督「で、そこに大量のお米を」
木曾「こうか!」ドバッ
提督「いいねえ、ワイルドだねえ」
木曾「ふふ、料理も戦いもこうでなくっちゃな」
提督「じゃあそれを焦がさないように炒めておいて」
木曾「任せろ!」
46

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