ホールドアップされたソ連兵「……なあ、みんな起きてる?」back

ホールドアップされたソ連兵「……なあ、みんな起きてる?」


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1:
……ドガッ!
ソ連兵A「ウゥアッ!?」ビクンッ
「……動くな」
ソ連兵A「ヒイッ……テキジャナイカ(※空耳)」モソモソ
ホールドアップされたソ連兵A(※以下HU兵A)「…………」ブルブルガタガタ
「……喋るんだ」
HU兵A「…………」
HU兵A「(……え、何を?)」
2:
HU兵A「(えーっと……えーっと……あっ、アレか?)」
HU兵A「こ、ここにダイヤモンド原石を隠した……」
「……仲間はどこだ?」
HU兵A「こ、これ以上は知らない、助けてくれ……」
「…………」ザッ
ザッザッザッ……
HU兵A「(……行った……のか……?)」
4:
うぅ? アァ?……(※ファントムシガー的時間経過表現)
―― 一時間後 ――
HU兵A「…………」
HU兵A「……う……く……」
HU兵A「(……体痛え……)」
HU兵A「(え……何? どれくらい経ったのこれ……?)」
HU兵A「(いつまでこうしてれば良いんだ俺?)」
HU兵A「(土冷たいし体痛いし、最悪なんだけど何だこれ……何だこれ?)」
5:
HU兵A「(さっきの……いや、もうさっきってレベルじゃない時間経ってるけどさ)」
HU兵A「(さっきのアイツ、一体なんだったんだ?)」
HU兵A「(暗くてちらっとしか見えなかったし、なんか顔もようわからんかったけど……)」
HU兵A「(……今もどっか居んのか? 銃向けてんのか? マジで?)」
HU兵A「…………」
HU兵A「(……いやいやねーだろ。 どんだけホールドアップしてんだよ。 別の意味で怖いわそれ)」
HU兵A「(立ち去ったっぽい足音も聞こえてたしな。 ん……じゃあ、今は安全……なのか?)」
HU兵A「…………」.
HU兵A「(……顔上げて……見るか……?)」
6:
HU兵A「…………」ジリ……
HU兵A「…………」
HU兵A「…………」
HU兵A「(あー、ダメダメ。 これ怖いわ、ダメ、無理、絶対無理)」
HU兵A「(もしアイツが居たら、死ぬかもしれねえわけだしな。 やめといた方が無難だよね)」
HU兵A「(あ……でも怒られっかなあ……上官に……敵前逃亡的なことになるか……?)」
HU兵A「(……うーん、でも、もうすげえ長い間持ち場離れてるし……今帰っても同じじゃね?)」
HU兵A「(よし!……このままでいいや!)」
HU兵A「…………」
7:
HU兵A「ふわ……」
HU兵A「(……寝ちゃおっかな……)」
HU兵A「…………」
「……なあ、みんな起きてる?」
HU兵A「ホワッ!?」ビクンッ
8:
「…………」
HU兵A「…………」ドキドキドキドキドキドキ
HU兵A「(……な、なんだ今の……)」
HU兵A「(なんか、頭の方から聞こえた気がするんだけど……っていうか)」
HU兵A「(ぶっちゃけ同僚のBっぽい声だった気がするんだけど……!!)」
HU兵A「(……ま、まさかな。 あいつまでここに伏せさせられてるわけないし)」
HU兵A「(もし万が一そうだったとしても、ホールドアップされてる時に修学旅行気分で声かける奴が居るわけn)」
HU兵B「……もしかして寝ちゃった?」
HU兵A「居たよ」
9:
HU兵B「わっ……なんだよ。 A起きてんじゃん」
HU兵A「当たり前だろバカ! いくら暇だからってホールドアップ中に寝る奴があるか!」
HU兵B「いやだって……なんか、静かだしさ」
HU兵A「静かで何が悪いんだよ! 当たり前だろ!」
HU兵B「えー、だってみんな、いつもはもっと騒いでんじゃん?」
HU兵A「お前どんだけ常識ないの? 銃向けられてんだぞ、普通黙るもんなんだよこういう時は!」
HU兵B「それは知ってるけどさ、でもアイタッ!!」ビクン
HU兵A「!? どした!?」
11:
HU兵B「Cがケツつねった……ってぇ……」ブルブル
HU兵A「何!? Cも居んのか!?」
HU兵C「居るよ! お前がここでホールドアップされるずっと前からBと一緒にここで伏せてんだよ! 気付け!!」 
HU兵A「す、すまん……」
HU兵C「ってかうっせーんだよさっきからテメーら! いい加減にしろマジで!!」
HU兵C「ホールドアップ中にベラベラ喋ってんじゃねーよ! 殺されんだろがクソ!!」
HU兵C「戦場に居る自覚あんのかクズが! テメーらのせいで俺まで殺されたらどうすんだオラ!」
HU兵C「あ゛あ゛!?」
12:
HU兵A「…………」
HU兵B「…………」
HU兵C「ふーっ……ふーっ……」
HU兵B「………チッ」
HU兵C「あ゛? オイテメコラ。 何舌打ちしてんだコラ」
HU兵A「おいやめろって……」
HU兵B「……チッチッ」
HU兵C「ッケンナコラ! スッゾコラテメコラ! オン!?」
HU兵A「キレんなよC……落ち着けよ……この状況で喧嘩してどうすんだよ……ハア」
13:
HU兵B「本当だよ。 マジ空気読めねえわコイツ」
HU兵A「おいBもやめろよ……」
HU兵C「は? 空気読めてねえのてめえだろカス。 ホールドアップされたら大人しくしてろって先生言ってたろが」
HU兵B「教官のこと先生とかマジうけるんだけど(笑) つか教官が死ねつったら死ぬのかこいつ(笑)」
HU兵C「は? は? 戦場で基本ができてない奴は死ぬんだが? は?」
HU兵B「お前いちいちビビりすぎなんだよ。 あの野郎が今ここに居るわけねえだろ? 何? どんだけビビってんの?」
HU兵C「ビビってねーし! ビビってんのはアイタッ!! ……てめやりやがったな!!」
HU兵B「お前が先にやったんだろが!!」
HU兵A「おい、いい加減にしろよお前ら! ってかお前ら今どういう状況なの!?」
HU兵A「こういう↓感じの配置になってるってことで良いの?」
 足A頭  頭B足
   頭C足
HU兵C「あー、だいたいそんな感じじゃね?」
14:
HU兵B「いや、厳密に言うとちょっと違うな」
HU兵B「俺がホールドアップされた時の状況から考えると、こんな↓感じ」
 足A頭  足B頭
   頭C足
HU兵A「あー、それでお互い、頭の横にあるケツをつねり合ってる感じか」
HU兵B「そそ」
HU兵C「……じゃあ、みんなの位置関係もわかったことだし、そろそろこの状況をなんとか……」
HU兵B「あっ」
HU兵A「えっ」
HU兵C「え?」
16:
HU兵A「…………」
HU兵B「…………」
HU兵C「…………」
HU兵A「……うわくっさ!!!」
HU兵C「オエエエエエエエ!!!」
HU兵B「ぎゃははははははwwwwwすまんwwwwww」
HU兵A「何笑ってんだよマジふざけんなお前! 頭の上に手置いてて鼻塞げねえんだぞ!」
19:
HU兵B「すまんてwwwww腹がwwwwww冷えててwwwwwwwww」
HU兵C「てめえぶっ殺す!!」
HU兵A「おいやめろC! 起きたらお前が殺されんぞ!」
HU兵A「おい、お前も大声で笑ってんな! 流石にやべーって! バレたら殺されるって!」
HU兵C「ヒヒヒwwwww無理wwwwwwなんかツボったwwwwww」
HU兵A「ああもう、いつまで学生気分引きずってんだこいつら……!」
……ザッ
ソ連兵D「……おい! お前らどうした!?」
A、B、C「「「 ! 」」」
21:
HU兵A「(なんだ……? 助けが来たのか!?)」ヒソヒソ
HU兵C「(わからん! だがこの声は……)」ヒソヒソ
HU兵B「(……D、っぽいな)」ヒソヒソ
ソ連兵D「お、おい……本当にどうしたんだお前ら? そんなところに伏せて……」ザッザッ
ソ連兵D「一体何があったんだ? っていうかくっさ――」ザッ
「……手を挙げろ」チャッ
A、B、C「「「 !? 」」」
HU兵A「(お、おい……まさか、アイツが帰ってきたのか!?)」
24:
HU兵D「ア……テキジャナイカ(※空耳)」ガチャン
「……話せ」
HU兵D「……残念だったな。 情報は何も持っていない」
「……仲間は」
HU兵D「……貴様に教えることは、何もない」
「…………」
26:
HU兵A「(す、すげえ……何も話さねえぞ。 度胸あんなD……)」ヒソ
HU兵C「(昔から優等生だったしな、Dは……)」ヒソソ
HU兵B「(ダイヤモンド隠してる奴とは大違いだね)」ヒソヒソ
HU兵A「(うっせ!)」ヒソ
「…………」ババッ
フルトン兵D「! ……なっ……!?」ガチャッ バシュン
HU兵A「(お……? なんだこの音? 何が起きてんだ?)」
HU兵B「(なんか、金属音と……フーセン膨らます時の音、かな?)」
HU兵C「(なんじゃそりゃ……風船で何すんだよ。 Dを浮かせるとか言い出すんじゃねえだろうな)」
28:
シュバッ! ……ギシッ
フルトン兵D「ひっ……だ、誰か! 誰か降ろしてくれ!!」バタバタ
A、B、C「「「(……え?)」」」
シュンッ! バヒューン!!
フルトン兵D「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ…………」
「…………」ピューイッ(※口笛)
パカラッパカラッパカラッ……ヒヒーン… ザッ …パカラッパカラッパカラッ……
30:
HU兵A「…………」
HU兵B「…………」
HU兵C「…………」
A、B、C「「「ええええええええ!!?」」」
HU兵C「はぁ!? 何だ今の!? はぁ!?」
HU兵A「何が起こってたんだマジで……全く想像がつかねえ」
HU兵B「な、なんか上の方に、声が消えてった感じだったけど……」
HU兵C「はぁ!? 何!? 飛んでったってことか!? マジで!? はぁ!?」
HU兵B「知らねーようっせーな……このビビリが」
HU兵C「オオン!?」
HU兵A「その流れはもう良いよ……」
31:
HU兵C「……と、とりあえず、Dはあの男に誘拐された……って解釈で良いのか?」ブルブル
HU兵A「ま、まあそうだろうな……」
HU兵B「でも何で……? あいつも俺たちみたく、ここに伏せておかれるんだとばかり……」
HU兵A「そうだな……あいつの行動、なんか変じゃね? ただのドシュマン(ゲリラ)じゃないのか……?」
「……奴は、噂に聞く『隻眼の鬼』さ」
HU兵B「そっ、その声は……!」
HU兵C「……E? Eなのか!?」
HU兵E「ああ、そうだ」
HU兵A「……ってお前も伏せてんのかよ! 大丈夫か俺らの部隊」
32:
HU兵A「っていうかE、お前いつからそこに居たんだ? いやどこに居るのかもわかんねえけど」
HU兵E「最初からだ。 BとCより前……つまりここに初めて伏せさせられたのが、俺ってことだな」
HU兵E「ちなみにこういう↓位置関係だ」
          頭E足
 D(ロスト)  足A頭 足B頭
      頭C足
HU兵A「あー、なるほど。 Dが来た方角に拠点がある感じか」
HU兵C「ひとりずつ拠点の方から来て、ひとりずつやられてく……って具合なのか?」
HU兵B「……あ、そういや思い出したわ。 俺、Eに釣られてここまで来たんだった」
HU兵B「ちょっと見回りルート外れて休んでたら、空き地の方角から音がしてさ」
HU兵B「そしたらEが草むらで伏せてて、慌てて近寄ったら急に意識が途切れたんだった」
HU兵C「……俺は、こんな所で寝てやがったお前を叩き起こすためにここまで来たんだが」
HU兵E「Bを起こしたは良いが、その瞬間に背後からホールドアップ。 その次は寝起きのBが、という次第だな」
33:
HU兵A「そういうことだったのか……あ、でも俺はここらへんの担当じゃないぜ」
HU兵E「別の場所で意識を失って、ここまで運ばれてから起こされたんだろう。 頭を探ってみろ」
HU兵A「え? ……うわっ、なんか刺さってんだけど!」サワサワ
HU兵B「なに!? 何が刺さってたん!? 見して見して!」
HU兵E「おそらく麻酔銃の弾丸だ。 お前の頭にも刺さってるだろう」
HU兵B「あ、本当だ。 よく見たら目に刺さってたわ」
HU兵C「えっ……大丈夫なのかお前?」
HU兵B「不思議と大丈夫。 失明もしてないわこれ」
HU兵C「マジ? どうなってんのその弾丸」
HU兵A「……ともかく、こいつを撃ちこんで俺たちを無力化したのは、その隻眼の鬼って奴なんだろ?」
HU兵A「一体何者なんだ? Eは知ってんのか?」
34:
HU兵E「ああ、知っている。 ……と言っても、噂程度だがな」フフン
HU兵A「(噂程度の知識しか無い割には妙にカッコつけてんな)」
HU兵E「なんでも……奴は片目に眼帯をした傷だらけの顔で、額には一本の角が生えているらしい」
HU兵B「角? いくらなんでもそれはねえだろ。 ちょっとおかしいんじゃねこいつ」
HU兵C「良いからお前は黙ってろ」
HU兵E「…………」ムスッ
HU兵A「お前もへそ曲げんなよ……続きはよ」
HU兵E「……ちょっとおかしい話だけどそれでも良い?」ムスー
HU兵A「いいからはよ(ほんと面倒くせえ奴ばっかだなこの拠点)」
35:
HU兵E「……なんでも、奴はとある傭兵会社の社長らしくてな」
HU兵E「それで、仕事がてら優秀な兵士を物色し、気に入ったのをヘッドハンティングしているんだと」
HU兵C「ヘッドハンティングて……さっきの誘拐がそれか? ヘッドハンティング(物理)かよ」
HU兵E「そうだ。 だから奴は麻酔銃を使い、殺さずに兵士を無力化するというわけだ」
HU兵B「殺さずにとか、人間業じゃなくね? 俺たちだって一応プロなのに」
HU兵E「まあ俺も眉唾だと思っていたが、こうして誰も殺されないまま、揃って伏せている現状を見ると……」
HU兵A「……噂は本当だったってことか。 突拍子もない話だが、優秀なDだけが即誘拐されたのにも納得がいくな」
36:
HU兵C「なるほど……ん? いや、でもそうだとすると……」
HU兵A「どした?」
HU兵C「いや、単純な疑問なんだが……つまり、俺たちはすぐに誘拐されず、ここに寝かせられてるってことはさ」
HU兵C「俺たちは、奴の会社の面接に落ちた……って状態なのか?」
A、B、C、E「「「「…………」」」」
39:
HU兵B「い……いやいやいや。 まだわかんねーだろ。 まだ可能性はあるだろ」
HU兵E「や、奴も、とりあえず拠点を制圧するまでは気が休まらないだろう」
HU兵E「だから後でじっくり精査するため、とりあえず一箇所に固めておいたという可能性もある」
HU兵C「そ、そうかな……?」
HU兵A「いやちょっと待てよお前ら! 何ヘッドハンティング(物理)される気満々になってんの!?」
HU兵A「お前ら一応ソ連軍の兵士じゃねーのかよ!」
HU兵B「いやそうだけど……逆にお前悔しくないの? D以下のクズだお前は!って言われてるようなもんだぞ」
HU兵A「いや、悔しいっちゃ悔しいけどさ……でもDに比べたら兵士として劣るのは事実だしなあ」
HU兵E「……いや、たとえそれが事実だとしても、俺は奴の元で働きたいんだ!」
HU兵A「E!? どうしたんだいきなりお前?」
40:
HU兵E「お前も見ただろう! 奴の華麗な誘導、ホールドアップを! とんでもなく優秀な兵士だぞ奴は!」
HU兵E「お前も兵士なら、そんな奴の元で働きたいと思うものだろ!?」
HU兵A「そんなん色々こじらせちゃってるお前だけだろ……」
HU兵C「いや……俺はちょっとわかる」
HU兵A「C!?」
HU兵C「ああ……クソ。 俺の一体何が悪かったんだろう、ホールドアップ時の受け答えか?」
HU兵B「ああ、それはあるかもな。 Dの答え方なんかカッコ良かったもんな」
HU兵E「あ……あれが文字通りの面接だったのか……!」
HU兵A「(やべえついて行けねえ……なんだこいつら)」
41:
HU兵B「なあなあ……みんなどんな感じに答えた? 俺Aのダイヤモンドしか覚えてねえよ」
HU兵C「俺は……最初の質問で、捕虜の場所答えちまった」
HU兵B「うわそれヤバくね? 忠誠心無い奴とか傭兵会社に要らんだろぶっちゃけ」
HU兵C「うるせえ! お前も加工済み資源の場所答えてたじゃねーか!」
HU兵B「よ、喜んだかもしんねえじゃん? 賄賂と思ってくれるかも」
HU兵C「ねーよ売国奴め。 ……そうだ、Eはなんて答えた?」
HU兵E「…………」
HU兵C「……E?」
HU兵E「お、俺は……何も知らないって答えた……」
42:
HU兵B「うっそマジかよ! すげ、Dと同じじゃん!」
HU兵E「……だって、ほんとに何も知らんかったし……」
HU兵C「何だよ……偶然にも超好印象じゃん……羨ましいやつめ」
HU兵E「……で、でも……その後の質問で……」
HU兵E「……Aの居場所答えちまった……!」
HU兵A「おい待て」
43:
HU兵B「うわーマジかよ……仲間の場所売るとか、流石の俺も引くわー」
HU兵C「こりゃお祈り確実だな。 ご愁傷様」
HU兵A「ちょっと待てってお前ら。 何? 俺が今ここに伏せてんのってこいつのせいなの?」
HU兵E「うう……だって話す情報無くて焦ってたんだもん……ミスったあああ……!」
HU兵A「いや後悔するポイント違うだろお前。 何なの?」
HU兵B「まあまあ落ち着けって。 これでダイヤモンド君にも酌量の余地が出てきただろ」
HU兵A「誰がダイヤモンド君だ! っていうか俺は別に、合格(誘拐)なんてしたくな――」
パカラッパカラッパカラッ……
A、B、C、E「「「「 ! 」」」」
44:
HU兵E「(馬……! し、社長が見回りに来たぞ!)」
HU兵C「(みんな静かにしろ! ホールドアップ中に喋る奴は即お祈りだぞ!)」
HU兵A「(お祈りどころか普通射殺だボケ!)」
パカラッパカラッ…… ザッ
「…………」ザッザッザッ…
A、B、C、E「「「「…………」」」」シーン
「…………」 …ザッ
A、B、C、E「「「「…………」」」」ドキドキドキドキ…
45:
 
ドガッ!
HU兵B「ウグッ!?」
A、C、E「「「 !? 」」」
「…………」カチャカチャ…
バシュッ! ギッ…(※フルトン)
気絶兵B「ううっ……」
バヒューン!
気絶兵B「! うわああああぁぁぁぁぁ……」
46:
 
A、C、E「「「…………」」」
「…………」ピーガガガ(※補給要請)
ザッザッザッ…ヒヒーン パカラッパカラッパカラッ……
HU兵A「…………」
HU兵C「…………」
HU兵E「…………」
HU兵C「なんであいつなんだよおおおおお!!!!!」
48:
 
HU兵A「ばっ、落ち着け! 大声出すな! 聞こえたらどうすんだ!」
HU兵C「聞かせてやる! むしろ聞かせてやるぞ! しゃちょおおおおおお!! そいつはKY売国クソ野郎ですうううう!!」
HU兵C「考えなおしてえええええ!!! 戻ってきてえええええええええ!!!」
HU兵A「やめろアホ! お前が考え直せ!!」
HU兵E「……待てC! さっき、社長は無線でどこかに連絡を取っていたっぽくなかったか!?」
HU兵C「えっ!? ……あ、ああ! そういえば確かにそうかも!」
HU兵E「なら……もしかしたら、あの合格風船(仮)が尽きたのかもしれん! 補給のために連絡したのかも!」
HU兵C「じゃ、じゃあ……可能性はまだゼロじゃないってことか!?」
HU兵E「ああ! 今のうちにBの奴が選ばれた理由を考えるんだ!」
HU兵C「おう!」
HU兵A「(考えてどうなるんだ……)」
51:
 
HU兵C「……しかし、全くわからん……! どうしてBなんだ?」
HU兵E「面接の受け答えはCやAとそう変わらないしな……」
HU兵C「戦闘スキルも、ぶっちゃけAより弱いだろアイツ?」
HU兵E「間違いなく一番下だな。 戦術に関する知識もお粗末だし、性格はアレだ……」
HU兵C「顔だって微妙だよな。 彼女もいた事ないだろたぶん」
HU兵E「考えれば考えるほどわからん……」
HU兵A「お前ら言い過ぎだろ……やめろよ……」
HU兵C「でも弱いのは事実だろ。 なのになんでアイツが合格なんだよ!?」
HU兵A「知らねえよ、俺に聞くなよ……」
HU兵A「……あ、でも……」
52:
 
HU兵E「な、なんだ!? わかったのかA!?」
HU兵A「いや、本当にそれが理由かはわからんけど……」
HU兵A「……でも確かあいつって、軍に入る前は技術者やってたらしいぞ」
HU兵C「技術者?」
HU兵A「ああ、資源開発がどうとかの。 そっち方面ではわりと優秀だったとか」
HU兵E「ほう……しかし、優秀だったなら何で軍人になったんだ?」
HU兵A「それはほら、あいつトラブルメーカーじゃん? 人間関係上手く行かなかったんだって」
HU兵C「なるほどな。 あいつ、お前にはそんなこと話してたのか……」
HU兵A「時々な」
HU兵E「……ふむ。 しかしこれで謎が解けたな」
HU兵E「おそらく社長の会社は、資源開発なども手広くやっているんだろう。 多方面で人材を欲しているわけだ」
HU兵C「そういうことか……弱くても、一芸に秀でてれば良いんだな」
53:
 
HU兵E「ふっ……ふふふ。 まあ、そういうことだな」
HU兵C「お? なんだお前……なんか妙に嬉しそうじゃねえか」
HU兵E「ふふ、当然だろう。 ……なぜなら、俺の合格はこれでもう決まったようなものなのだからな!!」
HU兵C「何だと!? お前も技術者だったのか!?」
HU兵E「いいや? だが、もっと確実に社長が欲しているであろう一芸を、この俺は持っているのだ」
HU兵E「それはすなわち……『ガンスミス』だ!!」
HU兵C「は? 何?」
HU兵A「ああ……そういやお前、銃オタだったな」
55:
 
HU兵C「銃オタ? ……なんだよ、銃が好きってだけで合格するわけねーだろ」
HU兵A「いや、でもけっこう詳しいぞこいつ。 実家がガンショップだっけ?」
HU兵E「そうとも! 傭兵会社なら、資源開発の技術者よりもはっきりとした需要があるぞ」
HU兵E「それに、彼が使っていた麻酔銃……一瞬見た限りでは、おそらくカスタム品だった」
HU兵E「きっと俺の技術が必要に違いない! ヒャッホウ! これで俺もホワイト企業の社員だぜ!!」
HU兵C「ぐぬぬ……!!」
HU兵A「(社員を誘拐する会社がホワイト企業か……?)」
56:
 
HU兵C「く、くそう……Bに続きEまでも内定を……!」
HU兵C「何か、俺にも何か一芸がないか……!? 技術とか銃とか……」
HU兵C「銃……麻酔銃……麻酔?」
HU兵C「! ……あった! 俺にもあったぞ!」
HU兵E「何? どんな技術だ?」
HU兵C「技術っていうか、知識な! 植物学、大学で専攻してたの思い出したわ!」
HU兵E「植物学? ……需要あるか?」
HU兵C「バカだな、社長は麻酔銃使うんだろ? その麻酔は何から作ると思う?」
HU兵C「……一種の薬効植物だよ! この辺りにも生えてる! 俺なら全部わかるぞ、たぶん!」
HU兵E「なるほど……麻酔技術か。 確かに社長には必要かもしれんな」
HU兵C「いよっしゃあああああ!! 来たああああ!!!!」
57:
 
HU兵E「……で、あとは……」
HU兵C「ああ……いや、でもこいつは本当に何も無いんじゃないか?」
HU兵A「……え? もしかして俺の話してる?」
HU兵E「この流れなら当たり前だろう」
HU兵C「おい、なんかねえのか? 特技みたいなのさ」
HU兵A「い、いや……俺は別に、傭兵会社とか興味ないし」
HU兵C「またまたそんなこと言ってー。 別に恥ずかしがらなくても良いんだぞ? 何も取り柄無いからって」
HU兵A「お前人が気にしてることを!」
HU兵E「我らが社長の元に来れないとは残念だが、お前なら新しく来る補充要員ともやっていけるさ。 フッ」
HU兵A「言わせておけば……!」
59:
 
HU兵A「だっ、だいたいお前ら! そんな言われなきゃわからんようなスキルで、本当に合格できんのか!?」
HU兵C「そらもう、アピールするしかねえだろ。 積極的に」
HU兵A「え? どうやって?」
HU兵E「その点は抜かり無い。 俺はさっきからずっと、サブのハンドガンを目隠し分解してるぞ」カチャカチャ
HU兵E「パーツは大きい物順に、後頭部の上に並べてる。 わかりやすいようにな」カチャカチャ
HU兵C「俺はその辺に生えてる植物抜いて、使えそうなのを背中に載せてるんだ」ガサガサ
HU兵C「俺くらいになると、匂いと手触りでだいたい種類までわかんだよね」クンクン
HU兵A「お前らぶっちゃけバカだろ?」
60:
 
HU兵C「お前は良いのかぁ? 何にもアピールしないでよ」
HU兵C「起き上がって必死に立ち向かえば、根性だけは認められるかもしれないぜ?」
HU兵A「いやだから、俺は社長とかホワイト企業とか興味ないっての!」
HU兵E「そうか? それなら、ここで今生の別れということになるな」
HU兵A「……え?」
HU兵C「たぶん俺らは前線配備されないだろうし、敵としても会わねーだろなあ」
HU兵E「すまんが、俺たちは新しい世界へと旅立つ。 さらばだ友よ!」
HU兵A「お、おう……」
HU兵A「……た、達者でな……?」
61:
 
ヒヒーン! パカラッ パカラッ……
A、C、E「「「 ! 」」」
HU兵B「(き、来た!)」
HU兵E「(いよいよだぞ……!)」
HU兵A「…………」
ザッザッザッ…
「…………」
63:
 
ドガッ!
HU兵E「ウッ……!」
カチャッ バシュッ ギッ……
フルトン兵E「ひいいいいいいぃぃぃぃ……」バヒューン!
――それなら、ここで今生の別れということになるな。
HU兵A「…………」
HU兵A「(今生の……別れ……)」
64:
 
ドガッ!
HU兵C「あがっ……!」
カチャッ バシュッ ギッ……
フルトン兵C「うわああああぁぁぁ……」バヒューン!
――起き上がって必死に立ち向かえば、根性だけは認められるかもしれないぜ?
HU兵A「…………」
HU兵A「(起き上がって、って……無理だろ……)」
65:
 
「…………」ザッ
HU兵A「…………」
ソ連兵F「……コンタクトォ!!」
「っ!?」バッ!
HU兵A「えっ!?」
66:
 
パパパパパッ!
「チッ……!」ダッ
HU兵A「(な、なんだ……? 戦ってる?)」
ソ連兵A「(今なら……起き上がれる!?)」ガバッ!
クルッ ズドンッ!!
ソ連兵F「ぐわあああ!!」ズデーン!
ソ連兵A「(で、でも……勝てんのか!? あんな奴に!)」
67:
 
ソ連兵A「(逃げた方が良いんじゃ……)」バッ
……ピタッ
ソ連兵A「……いや」
ソ連兵A「でも……やっぱり……俺」
ソ連兵A「クズとバカ、ばっかりだったけど……」ダッ
ソ連兵A「あいつらと、まだ……離れたくないっていうか……!!」タッタッタッ…!
68:
「っ!!」
A「……よろしくお願いしまあああす!! しゃちょおおおおおおお!!!!」ダダダダッ!
A「根性だけは! 自身がありまああああああああす!!!」ガバッ!!
「……!!?」
69:
 
ガッ!
A「うおっ!」
クルッ!
A「うおおお!?」
ズデーン!!!
A「ぐわああああああっ!!!!」
70:
 
A「(……お、俺も……)」
A「(……まだ、まだ……)」
A「(……がく……せい……きぶ…………)」
……ガクッ
「…………」
………………
…………
……
71:
 
うぅ? アァ?……
―― 一ヶ月後 マザーベース 司令部プラットフォーム 第一甲板 ――
DD兵A「……ふう……」ボーッ
DD兵B「……よっ!」ポンッ
DD兵A「うおっ!? ……ってなんだ、Bかよ。 びっくりさせんなよ……」
DD兵C「どんだけぼーっとしてんだよお前。 栄えあるダイアモンドドッグスの兵士が情けねえな」
DD兵E「いくら前線に出ないスタッフとはいえ、な」
DD兵A「CとEも居んのか。 ……お前らも出迎え?」
DD兵C「おうよ! めったにない機会だしな!」
72:
 
DD兵A「はは、そうか。 ……しかし、このメンバーで揃うと、あの夜のことを思い出すな」
DD兵B「ホールドアップしゃべり場? よくあんな黒歴史思い出せんな」
DD兵A「まあ、黒歴史っちゃ黒歴史だけどさ。 ……でも、結構楽しかったよな?」
DD兵C「そうか? あの後、ミラー副司令のお話には感動したけどな」
DD兵B「お前あれ最後まで聞いてたの? 俺途中ではいはい入社します、つって切り上げたぞ」
DD兵C「ばっかお前、めったにない機会だぞ? 俺演説聞くためにわざと営倉入ってたもん」
DD兵B「アホすぎだろ……」
DD兵C「あ゛?」
DD兵A「おいやめろよ……そろそろヘリ来るぞ?」
DD兵E「ウッ……ヘリ……」
DD兵A「どしたE? ……お前まだフルトンのトラウマ抜けないのか?」
DD兵E「……ウゥ……」
73:
DD兵C「情けねえな……あ、そういえば」
DD兵C「A。 お前、結局あの時、何が理由で入隊することになったんだ?」
DD兵A「え? ああ……」
DD兵E「……噂じゃ、本当にボスに立ち向かっていったそうだが」
DD兵C「マジ? お前あれ本気にしたの?」
DD兵B「すげえ青春してんな。 根性だけは認められたってことか?」
DD兵A「いや、そのことなんだけどな。 結局、あの決死のアピールは関係なかったらしい」
DD兵E「そうなのか? それなら何で?」
DD兵A「スキルだって。 ……ちょうど欲しかったスキルを持ってたから、入隊させたって。 副司令に聞いた」
77:
 
DD兵B「お前スキルなんて持ってたの?」
DD兵C「初耳だわ。 何のスキルだ?」
DD兵A「……ムードメーカーだって」
B、C、E「「「 ああ……なるほど 」」」
DD兵A「まあ何にせよ、またこうして皆で働けて良かったよ」
DD兵A「これもみんなボスのおかげだ……おっ、来たぞ!」
ババババババババ……(※ヘリ)
7

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