【がっこうぐらし】ゆき「くすんッ……う……あ……うあああ――っん」back

【がっこうぐらし】ゆき「くすんッ……う……あ……うあああ――っん」


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1:
がっこうぐらし5巻までのネタバレあり注意
ゆき総受け
百合
たぶんエロ
のどから出てきた声にびっくりした。
でも、止められなくて。
そのうち、みんなを起こしてしまって、
私は本当にダメな子だなあって、
そう思った。
涙の理由は自分でも分からなかった。
ゆき「……ああっ……うあっ……っ」
くるみ「おいっ! どうしたっ……ゆき!」
みき「先輩っ、しっかりしてください!」
ゆうり「ゆきちゃん!?」
ゆき「……ううっ……ひっ」
くるみ「ゆき、泣くなよ……泣くなっ」
泣くなと言われても、どうしようもなかった。
ゆき「とま……らっ……ああっう……」
ゆうり「まさか……夜泣き?」
みき「何言ってるんですか、赤ん坊じゃあるまいし」
2:
くるみ「いや、ゆきなら……あるいは」
みき「……仮にそうなら、どうすれば」
ゆうり「あやしてあげるしかないんじゃ」
ゆき「……っだ、だいじょー……うっ……」
くるみ「たくっ……世話が焼けるな本当に」
ゆき「っ……ごめ」
笑ってみるけど、
上手にできない。
ゆうり「交代で、そばにいてあげるのはどう」
くるみ「ああ、いいぞ」
みき「……まあ、かまいませんが」
ゆき「え、ええっ……いいよっ、悪いよっ」
4:
くるみ「何遠慮してんだ。今に始まったことじゃあるまいし」
ゆき「え、ええーっ……それってどういう」
みき「じゃあ、誰が最初につきますか」
ゆうり「じゃあ、私から」
くるみ「ああ、頼んだ」
ゆうり「1時間くらいで交代ね」
みき「分かりました」
ゆき「あ、あの、あのもう大丈夫! 心配ないないですぞ!」
くるみ「じゃ、おやすみー」
みき「お願いしますー」
ゆうり「はい、ゆきちゃん。ちょっと隣の部屋いこっか」
7:
ゆき「わ、え……は、はう」
ゆうり「他の二人にはちょっと仮眠とってもらうから」
ゆき「りーさん、ほら、もう泣いてないから、ね?」
私は笑った。
ゆうり「ほんと、もう泣いてないわ。えらいわね」
そう言うりーさんの表情は、
私より泣き出してしまいそうな顔だった。
ゆき「……」
だから、私は何も言えなかった。
何か、すごく怖い事が迫っているような気分だった。
お父さんや、お母さんに全然会っていないせいかもしれない。
寂しいのかな。
りーさんも、寂しいのかな。
11:
合宿は楽しいけれど、
どうしてか、たまに寂しい。
トモダチもいて。
先生もいて。
楽しい物に囲まれて。
きっと、恵まれすぎてるせいだね。
手放したくないんだね。
ゆうり「ねえ、ゆきちゃん」
体育座りで窓際に座るりーさんにならう。
ゆき「なあに?」
ゆうり「……泣くのは、悪いことじゃないから」
ゆき「?」
りーさんが、手を握ってくれる。
暖かくて、すべっとして。
少し骨ばっていた。
なんだか、最近痩せたよね。
ダイエットしてるのかな。
羨ましいな。
14:
ゆうり「ガマンがね、身体に一番良くないの」
ゆき「じゃあ、宿題しなくてもいい?」
ゆうり「それとこれとは別よ……ふふ」
ゆき「えー?」
ゆうり「泣いた子鬼がなんとやらね……」
ゆき「眠くなくなっちゃった」
ゆうり「そっか……」
ゆき「こうなったら朝まで起きておこう!」
ゆうり「だめよ、ちゃんと寝ないと」
ゆき「でも、目、覚めちゃったもんね」
ゆうり「……」
ゆき「あ、もしかしてりーさん眠いの?」
ゆうり「そうね……深夜だし」
ゆき「ごめんね……」
りーさんの胸にしがみつくように顔を埋めた。
ゆうり「……んっ」
15:
くすぐったかったのだろう。
小さく声をあげた。
ゆき「あったかーい。ふふ、りーさん大好きー」
ゆうり「ありがとう……」
りーさんも私を抱きしめ返してくれた。
顔を挟まれる。
ゆき「ふぎゅ……」
ゆうり「頬っぺた柔らかい」
ゆき「ふぎゅふぎゅ」
伸ばしたり、潰したり。
私の頬っぺたで遊ぶ。
ゆき「もお、いひゃいってば」
ゆうり「ごめんなさい」
ゆき「仕返しだー!」
りーさんを押し倒して、
脇をくすぐる。
ゆうり「こらっ……だめっ……んんっ……」
声を我慢している。
けっこう、プライドが高いんだね。
ゆうり「静かに……してっ」
りーさんが私の腕を掴む。
17:
ゆうり「ゆきちゃんっ」
割と本気で怒っている気もした。
ゆき「えへへ」
ゆうり「……」
ゆき「あ、あの……怒った?」
ゆうり「怒らないわよ、こんなことで」
ゆき「ほんと?」
ゆうり「そんな嬉しそうにされたら、怒れないじゃない」
ゆき「え?」
ゆうり「……ねえ、今夜はめぐ姉いないの?」
ゆき「えっと……たぶん家に帰ったかなあ」
ゆうり「そっか……じゃあ、夜更かししても大丈夫ね」
りーさんが後ろから私の身体を抱きかかえた。
ゆき「何しよっか?」
24:
ゆうり「何がしたい……?」
ゆき「うーんとね……、かくれんぼとか」
ゆうり「お化けが出ちゃうわよ」
ゆき「や、やだそれは……」
ゆうり「じゃあ……」
ゆき「うーん……」
プルルル――
ゆき「あれ、電話?」
ゆうり「……え」
りーさんは、音の出た方を素早く見た。
ゆき「あれ、りーさんの携帯?」
りーさんはすごい勢いで自分の鞄の所まで走っていき、携帯を確認した。
数秒くらい動きが止まった。
ゆうり「……え、ゆきちゃん?」
こちらを振り返る。
25:
ゆき「びっくりした? ほら、前に登録したアプリで電話してみたの……へへへ」
ゆうり「……あ、ああ、そっか……海外のアプリだもんね……そっか」
肩を落として、りーさんが笑う。
ゆき「どうしたの?」
ゆうり「ううん……でも、びっくりするから、もうやらないで」
ゆき「えー……」
ゆうり「お願い」
ゆき「う、うん……」
りーさんは額に手を当てる。
眠いのかな。
ゆき「私、一人で起きてるから、りーさん寝ていいよ?」
26:
ゆうり「ゆきちゃん、私が寝てる間に夜の学校を探検しようかなって思ってるでしょ」
ゆき「わあっ……どうして分かっちゃったの?」
ゆうり「分かるわよ……ゆきちゃん」
ゆき「なあに?」
ゆうり「行かないでね」
りーさんが真っすぐ私を見る。
怒ってるとか叱ってるとか、
そういうんじゃなくて、
行かないでって、
願ってるみたいだった。
ゆうり「おいで」
両手を広げて、
私を呼んでくれる。
でも、私はつい素っ気なくしてしまう。
ゆき「りーさん、けちだからやっ」
ぷいと顔を背けた。
27:
りーさんが困ったように笑う。
困らせたいわけじゃないんだけど。
体と心がちぐはぐ。
わがままを言っているよね。
分かってるんだけど。
りーさんがお母さんみたいだから、
ついつい甘えちゃうんだ。
ガタタン!
ゆうり「?!」
ゆき「わ!?」
窓ガラスが揺れた音だった。
風が強いみたい。
りーさんは、顔を真っ青にして、
息を荒くしていた。
自分で自分を抱きしめていた。
ゆき「……りーさん?」
28:
ゆうり「あ……」
それで、私分かった。
りーさん、誰かに触れていたいんだなって。
もしかしたら、夜が怖いのかもしれない。
案外、子どもっぽい所があるんだね。
ゆき「……」
私は四つん這いで、りーさんの所へ近づいて、
彼女を抱きしめた。
私と同じシャンプーの香りがした。
ゆき「怖くないよ……大丈夫」
りーさんは少し照れくさそうにしている。
ふふふ、りーさんのこんな顔を見れるのは、
もしかして私だけかもしれないね。
体を離して、私のおでこをりーさんのおでこにくっつける。
こつんと鳴った。
ゆうり「あいた……」
ゆき「ちゅー……」
ふざけて口を近づける。
ゆうり「……」
29:
ゆき「へへッ、避けないと奪っちゃうぞー!」
りーさんの長いまつ毛。
少し切れ長の目。
すっと伸びる鼻。
白い頬っぺた。
美人さんなんだよね。
すっごく羨ましい。
私なんて、小学生に間違われるもんね。
ゆうり「……」
りーさんが目をつむる。
ゆき「んん……?」
あ、あれ。
本当に当たってしまう。
だって、防がれるか、避けるかすると思ったのに。
私は勢いを止めることができずに、
ゆき「……?!」
ゆうり「ん……」
当ててしまった。
30:
ふよん、という擬音が聞こえた。
――気がした。
ゆき「は、はわわッ……ご、ごめんね」
ゆうり「ファーストキス……」
ゆき「ふえ?」
ゆうり「始めてキスしたわ……」
ゆき「き、奇遇だね! 私もだよ!」
ゆうり「キスって……温かいのね」
りーさんは指で自分の唇をなぞる。
ゆき「ご、ごめんなさい! これは、ほら、ノーカンでッ」
ゆうり「あら、どうして?」
ゆき「だって、こういうのは好きな人とやるんだよ? だから、数えなくてもいいの!」
ゆうり「なら、数えていいんじゃないかしら」
32:
ゆき「え、ええ?」
ゆうり「私、ゆきちゃん好きよ?」
ゆき「私もりーさん大好きだよ」
ゆうり「ほら、問題なかったでしょ」
ゆき「ホントだね!」
りーさんは私の肩をとんと押した。
ふらりと傾いた私は、ころりと床に押し倒されていた。
ゆき「りーさん?」
両手に指をからめてきたので、
起き上がれない。
ゆうり「……」
りーさんの長い髪の毛が私の胸に落ちた。
何も言えないでいると、
りーさんの顔が近づいてきた。
ゆき「り……ッンン」
ゆっくりとまた離れていく。
りーさんの少し火照った頬がとても色っぽい。
それにちょっとだけ見とれてしまった。
33:
でも、りーさんの目は私の知らない目だった。
ゆうり「いつも明るくて、笑顔で、私たちに元気をくれるゆきちゃんが……好きよ」
嬉しい。
嬉しいのに。
怖い。
手が痛い。
りーさんは、上から私を見下ろす。
私たちは見つめ合った。
高鳴る心臓が、うるさい。
このドキドキは、憧れていたものとは
ちょっと違うような気がする。
ゆき「ありがと……」
34:
ゆうり「ゆきちゃん、私のこと……怖いって思ってる」
ゆき「お、思ってなんか……私」
ゆうり「ウソ、思ってる」
また、キス。
ゆき「ッン……ッぁ」
唇を何回も甘噛みされた。
口の周りがべたべたでちょっと気持ち悪い。
あごに唾液がたれていくのが分かった。
ゆき「はぁッ……」
苦しくて、私は息を吸った。
いけないこと、してる。
ゆき「はな……して」
ゆうり「いやよ……」
首筋にキスされる。
ゆき「ぅン……」
35:
ゆうり「たまにね……もう、どうにでもなっちゃえばいいのにって……思ってしまうの」
ゆき「……?」
ゆうり「そんな時、私……ひどく追い詰められてるのに、自分では気が付いてなくて」
りーさんが私に折り重なるように、抱きしめてくる。
ゆうり「驚くような酷いことを考えてしまったり、してしまったり……情けないよね」
りーさんが言いたいことが何かわからない。
私に何を伝えようとしているのだろう。
ただ、黙って耳を傾けた。
分かりたかったから。
彼女を苦しめているものは何か。
知りたかったから。
頭の悪い私に、理解できるなんて思わないけど。
私にできることは、聞いて、笑ってあげることだから。
37:
ゆうり「めぐねぇみたいにはできないの……」
ぽつりとりーさんが呟いた。
いいのに。
めぐねぇじゃないから。
そんなの、いいのに。
ゆき「いいんだよ。誰も、めぐねぇになってなんて言ってないんだよ。だって、りーさんはりーさんだもん」
ゆうり「……うん」
ゆき「大丈夫だよ、私ずっと一緒にいるからね!」
りーさんが私の胸に顔を埋めた。
泣いているみたいだった。
ゆうり「……ん」
38:
みんな凄く大変そうだなって。
時々、私、思うんだよ。
私、お荷物になっていないかなって。
みんなの足を引っ張ってしまってないかなって。
眩しい蛍光灯に目を細めてみる。
一緒にいるだけでいいのかなって。
思うんだよ。
一緒にいていいのかなって。
いいのかな。
いいのかなあ。
39:
私たちは、いつの間にか眠ってしまっていた。
翌朝、揺さぶられて起こされた。
くるみ「寝坊助……起きろー」
頭を突かれた。
みき「結局、あのまま寝ちゃったんですね」
くるみ「お呼びがないから見に行ったら、仲良くくっついて寝てたし」
ゆうり「恥ずかしいわ……」
くるみ「まんざらでも無さそうなんですがね」
みき「平和そうな顔ですね」
頬を突かれた。
ゆき「うぬ……?」
くるみ「あ、起きた」
ゆき「あー……おはよう」
3人が私を覗く。
私はにっこり微笑んだ。
ゆき「えへへ……おやすみ」
くるみ・みき・ゆうり「「「……」」」
ゆき「すー……」
みき「どうかしました……?」
くるみ「いや、そっちこそ」
ゆうり「この笑顔があるから、今日も正気でいられるのよね」
くるみ「同感」
みき「大袈裟ですね……ま、分からなくはないですが」
ゆうり「ふふ……」
ゆき「うむ……にゃむ」
りーさん編
おわり
49:
血と人の肉片がこびりついた机。
その上に寝そべる先輩。
狂ってる。
ゆき「あー、授業眠たかった……あ、ゆきねえの授業がつまんないとかじゃないよ! 授業がつまんないの……ッ」
一人慌てて、先輩は黒板に向かって謝っている。
みき「……」
もう慣れたけど、見ていて正直辛い。
ゆき「あ、みーくん!」
飛びつかれて、私は後ろによろめいた。
ゆき「迎えに来てくれてありがと! お昼にしよー!」
先輩がまぶたを擦る。
まだうつらうつらとしていた。
みき「やっぱり、最近夜眠れてないんですか?」
ここ最近、夜泣きがひどい。
ゆき先輩だけではなかった。
こちらも寝れないので、昼間は少しだるかった。
50:
ゆき「うー……そだねー」
ばつの悪そうな顔。
ゆき「でも、みーくんの顔見たから元気元気!」
みき「羨ましいです……」
その単純化されてしまった脳みそが。
ゆき「なになに?」
みき「いーえ」
ゆき「えー、教えてよー」
みき「なんでもないですって」
ゆき先輩が暑苦しく絡みついてきたので、
右腕で押し返す。
と、足音。
みき「ッ……!」
くるみ「おい、遅いから心配しただろ」
ゆき「くるみちゃーん!」
みき「なんだ、先輩でしたか」
くるみ「なんだはないだろ」
ゆき「ねね、みんなで誰が一番早くにりーさんとこ着くか競争しよ!」
くるみ「おー、いいぞ」
ゆき「は!? めぐねぇ」
くるみ「なにッ」
ゆき「ろ、廊下は走るものではありません! すいませんです!」
ゆき先輩が割れた窓ガラスに向かって腰を折った。
51:
くるみ「あ、あーごめんごめん!」
みき「……ご、ごめんなさい」
ゆき「ちぇッ、しょうがないなあ。みーくん、くるみちゃん手繋いで戻ろう?」
先輩は私とくるみ先輩の間に入って、手を取り歩き出す。
鼻歌交じり。
学校が周囲がこんな状況になる前に流行っていた、恋愛ソング。
ゆき「……運命の人って、いるのかなあ」
くるみ「さあな……」
みき「いるんじゃないですか」
くるみ「へえ」
みき「な、なんですか」
ゆき「みーくん、乙女だね」
みき「だって、いなかったら悲しいじゃないですか。私たちの他に、そんな人がいなかったら……」
ゆき「えーっと?」
ゆき先輩が首を捻る。
くるみ「おい」
くるみ先輩が、私を目でいなした。
みき「あ……」
感傷からか、つい言ってしまった言葉に後悔する。
52:
ゆき「私はね、運命の人にもう出会ったよ!」
さほど気にした様子のないゆき先輩にほっと胸を撫で下ろす。
のも束の間。
くるみ「へー、誰だよ」
ゆき「りーさん!」
くるみ先輩の足が止まった。
もちろん私の足も。
ゆき「大好きでーす!」
憎たらしいくらい愛らしい顔で笑う。
くるみ「……やっぱり、あの夜」
隣からぶつぶつと聞こえる。
ゆき「それと、くるみちゃんと、みーくんね!」
みき「……なんか読めました」
くるみ「……それ、運命の人々だな」
ゆき「みんな一目見た時から、ぴーんときてたの!」
みき「あの、運命の人って、一人じゃないんですか?」
ゆき「ちッ、ちッ。そうとは限らないのさ」
みき「そうですか……」
ゆき「みーんな、赤い糸で繋がってるんだよ」
くるみ「じゃあ、おまえ三股だな」
ゆき「はうッ」
みき「遊び人ですね」
ゆき「はうはうッ」
変な驚き方。
ホント、変な生き物。
こういう人って、災害の時とか一番に死にそうなのに。
でも、無事で良かった。
53:
くるみ先輩がからからと笑っていた。
笑わせるのも才能だなって思う。
当の本人はなんてことないのだろうけど。
ここで笑うことがどれほど難しいか。
それを考えると、やはりゆき先輩はこの部に必要なのだろう。
でも、もし目覚めてしまったら。
彼女は同じように私たちに微笑んでくれるのだろうか。
一度、試みたことだけれど。
胸の奥がちりちりする。
でも、わずかな高揚があった。
私は――私も、狂っているんじゃないかな。
みき「……」
くるみ「おい、入らないのか」
気が付くと部室の前だった。
ゆき「先に食べちゃうぞー」
ゆうり「ゆきちゃん、ちゃんと手を洗うこと」
ゆき「はーい」
くるみ「考え事か?」
みき「いえ、大したことでは」
くるみ「そうか」
54:
ゆうり「ねえ、くるみ」
りーさんが、くるみ先輩に耳打ちする。
くるみ「?」
ゆうり「これ、睡眠導入剤なんだけど」
くるみ「あー……ゆきにか」
ゆうり「こうも続くなら、飲んでもらった方がいいかなって」
くるみ「副作用とかないの?」
私はゆき先輩を見る。
みんなのご飯をよそおっている。
ゆうり「昼間に少しだるい感じがあるくらいかしら……。人によって違うと思うけど」
くるみ「そう言うのには頼りたくはないけど……ってりーさん、飲んだの?」
ゆうり「職員室の机の中にあったものだから……何かあってもいけないでしょ」
くるみ「ッ……一言、言ってくれてもいいだろ!?」
55:
先輩が大きな声を出したものだから、私もゆき先輩も驚く。
ゆき「くるみちゃん?」
みき「なんでもないと思いますよ」
私は先輩の隣につき、一緒にご飯をよそおった。
先輩は気にしている風だったけれど、
少し諦めた顔でまた作業に戻る。
自分には手の届かない所の話。
知っているのだ。
そのことだけは。
この先輩は。
ゆうり「怒らないで……本当は、前々から私が使うために取っておいたの。だから、ゆきちゃんのためでもあるし……私のためでもあったわ」
くるみ「そうじゃなくてさ……それ飲むくらい悩む前に、言えってこと」
ゆうり「……言ってもどうしようもないじゃない」
くるみ「……りーさん」
ゆき「全部つげたよー!」
ゆき先輩が嬉しそうな声をあげる。
よっぽどお腹が空いていたのかもしれない。
横目で彼らを見る。
二人も私たちの存在を思い出したのか、先輩の声に笑みを取り戻す。
くるみ「おーサンキュ」
ゆうり「カレー温めてるから食べましょう」
56:
切り替えの早さにたまに驚かされる。
怖いくらい。
ゆき先輩の前ではまるで大人みたいに、冷静さを装う。
いつか破綻してしまいそうな。
そんなままごと。
くるみ「よく噛んで食えよ」
ゆき「はいはい」
みき「言ってるそばから……」
ゆき先輩は犬みたいに、カレーに貪りつく。
ゆうり「ゆきちゃんにとっては、カレーも飲み物みたいになるのね」
ゆき「はふはふッ」
くるみ「誰も盗って食いやしないからな」
ゆき「う、うん……はふッ」
ほんと、わんこ。
言わないけど。
57:
つくづく、現実味が薄れる。この先輩を見ていると。
でも、過食もストレスを発散する手段なのかもしれない。
それとも、生存本能ってやつかな。
食べないと生きていけないし。
強い者には従わないと。
嫌なことには目をつむり、夢や希望を見ていれば、傷つくことはないよね。
その日は、部室の片づけをした。
いつまでも気味の悪い状態で放置するよりも、綺麗にした方が寝つきも良くなるのではと提案したのは私だった。
むろん、ゆき先輩には関係ないけど。
体を動かしていれば余計なことを考えずに済むし、昼に動いて夜眠るという体内のリズムができると思った。
りーさんだって、その方が眠れるんじゃないだろうか。
ゆき「ねえ、中庭のお花もらえないかめぐねえに聞いてくるよ。部室に飾ろうよ」
そう言って、彼女が駆け出す。
くるみ「あ、こらッ……!」
ゆうり「ゆきちゃんッ」
近くにいた私は、とっさにゆき先輩の腕を掴んだ。
ゆき「わふッ」
みき「わッ」
勢いあまって、私の胸に体当たりする。
くるみ「さすがに中庭のは学校のものだから駄目だろ」
ゆき「そ、そうだよねえ」
みき「屋上になかったんですか?」
ゆうり「あるにはあるけど、食べれる植物だからちょっともったいないわ」
ゆき「そっか、じゃあ……しょうがない」
おおかた、植物は気持ちが落ち着くから、などと考えていたのではと私は見当をつけていた。
優しい人だから。
58:
割れた窓ガラスはテープで補強しつつ、
画用紙を可愛らしい花の形に切り取ってガラス面に貼り付けた。
なんだかシュールだ。
でも、雰囲気が和らいだ気がする。
やたら外が見えるのも考え物だから。
寝床として使っている放送室にも、
黄色い画用紙を星型に切り取って蛍光塗料を塗って天井に貼り付けた。
ゆき「すごーい。可愛い!」
くるみ「北斗七星の形、こんなんでいいか?」
脚立にまたがってぺたぺたと画用紙を張っていたくるみ先輩が問いかける。
ゆき「本のまんま! ばっちーぐーだよ!」
みき「先輩、親指反対ですよ」
ゆき「おりょ」
ゆうり「お行儀悪い子は……」
りーさんがゆき先輩の口に乾パンを差し込む。
ゆき「むぐうッ」
ゆうり「ちょっと休憩しましょうか」
59:
休憩して、片づけて、勉強をして、夕飯を食べて。
私たちはそうしてまた一日を終えた。
夜になった。
今日は、私がゆき先輩に付き添う日だった。
ゆき「今日ね、すごくぐっすり眠れそうな気がする」
そう宣言して、彼女は本当に一番に布団へ入って寝始めた。
微かな寝息に、みんな安堵のため息を漏らした。
くるみ「こいつが安心して寝られるなら、平和ってことさな」
ゆうり「そうね。これ、やっぱり使わないでいいわね。今日は、ありがと」
くるみ「いや……。礼なら、みきに言えよ」
みき「え? 私は何も」
ゆうり「ふふふ……」
みき「な、なんですか」
ゆうり「いいえ、私たち好きなんだなあって」
くるみ「同感」
みき「だから、私は別に……」
くるみ「照れんなって」
みき「照れてません!」
ゆうり「しー」
りーさんが人差し指を私の唇に当てる。
別に――私は。
ゆき先輩の変な帽子に視線を落とす。
みき「どうしたら喜んでくれるかなって……そう思ってただけです」
60:
全員が眠りについた頃。
ふいに目が覚めた。
泣く声は無い。
体を横向ける。
みき「え……」
ゆき先輩がいない。
私は驚いて跳ね起きる。
周囲を見回すが、くるみ先輩とりーさんが寝息を立てているだけだ。
みき「……どこに」
私は静かに立ち上がる。
もしかしたら、お手洗いに行っているだけかもしれない。
若干、寝ぼけた脳でそう判断する。
先輩達を起こさないようにして、私は放送室を後にした。
64:
割れた窓ガラスから月明りが落ちて、薄ら寒い雰囲気だった。
正気ならば、一人で通ることがはばかられるだろう。
みき「ゆき先輩?」
案の定、トイレには電気がついていて、私は安堵した。
トイレを覗き、声をかける。
ゆき「なあに……?」
トイレの奥の窓ガラスの下に、膝を抱えて座る先輩がいた。
ゆっくりこちらを見上げてくる。
みき「何してるんですか……」
ゆき「みんな起こしちゃうから……」
泣き腫らした目が痛々しい。
みき「……」
ゆき「みーくん、寝てていいよ」
みき「みーくんじゃ、ありません……」
強がって。怖いなら言えばいいのに。
でも、自分が何に怯えているのかすら、分かることは無いんだろうな。
知らないなら、どうやって頼れって言うんだろうとも思う。
頼る術が分からないなら、一人で泣くしかないのかもしれない。
65:
私は無言で泣く先輩の前にしゃがみ込む。
ゆき「ごめんね、起こしちゃって」
みき「今に始まったことじゃないですけどね」
ゆき「それもそうだね」
先輩が少し笑う。
それで、良かったと思うあたり、私はこの人に弱い。
みき「何、遠慮してるんですか。らしくない」
ゆき「……」
ゆき先輩は、唇を震わせて何か言おうとして、
失敗して、私の身体に体当たりした。
みき「ッい……なにす」
小刻みに震える身体に気づき、
頭を撫でてやる。
子どもみたいに柔らかく火照る頬に触れる。
66:
ゆき「うー……」
みき「りーさんとか……呼んできましょうか?」
言ってみるものの、彼女は首を振った。
言ってみただけだ。
呼ぶ気なんてない。
なにせ、今彼女のそばにいるのは私で、今ここに私しかいないのだから。
私がこれから彼女にすることを咎める人はいない。
ゆき「みーくんここにいて……」
理性の留め金が外れたような気がした。
みき「先輩……」
ゆき「ふぇ……?」
彼女を抱き締める。
細い。
柔らかい。
私は、あの二人とは違う。
みき「います……そばにいますから」
彼女を守りたいと思う気持ち。
彼女を暴きたいという気持ち。
どちらも本当だ。
ゆき「ありがとう……ね」
67:
みき「顔、見せてくださいよ」
ゆき「……やだ」
みき「なんでですか」
ゆき「……恥ずかしいもん」
みき「見たいです」
ゆき「やーだー……」
駄々をこねる彼女の顔を無理やりこちらに向け、キスをした。
ゆき「んーッ!? ……っぅ?!」
みき「……可愛い」
ゆき「や……なんでそんなこと」
私の腕の中でもがく。
離れないように抱き締めた。
みき「好きです……あなたのことが知りたくてしょうがないんです」
正面から見つめられた先輩は、瞳をさっとそらした。
みき「それ地味に傷つきます」
ゆき「あ、ごめっ」
申し訳なさそうに、またこちらを見やる。
みき「単純……」
今度はおでこに唇を寄せた。
鼻。頬。耳。
ゆき「っ……ぁ」
68:
みき「ちょっと、しょっぱい……」
首筋。口を開けて噛んでみた。
ゆき「ひっんぁ……み、みーくんっ」
私は舌をぺろりと出して意地悪く笑ってみせる。
みき「いやなら……殴ってくれてかまわないです」
ゆき「っ……でき、ないよぅ……ぁ」
寝巻きの下から腕を入れ、肌に直にふれる。
お腹が柔らくて気持い。
みき「ほら……いいんですか?」
きっと誰にも触られたことなどないような場所へ手を伸ばしていく。
まだ固くない突起を爪で引っ掻いた。
ゆき「や、やだ……やだやだ」
腕を押し返されたが、構わず押し進める。
半開きの口に舌をねじ込み、口内をすすった。
みき「んちゅる……っン……ぷはっ」
69:
口を離す。
息をするのもやっとの様子の先輩。
くてんと身体を折る。
みき「気持よかったですか?」
ゆき「っはあ……ぁの、あのあの…っはあ」
みき「ははっ……何言ってるかわかんないです」
ゆき「しゅ……しゅごかったです」
みき「どんな風に?」
ゆき「ええっ……っ」
眉根を下げ、答えずらそうにする。
人差し指と親指の腹で先輩の小さな乳首を挟んで、こねる。
みき「じゃあ、これは……?」
ゆき「ぅあ……」
70:
声を我慢しているようだ。
みき「嫌じゃない?」
先輩は逡巡して、こくりと頷いた。
こぶりな胸を揉みしだいてやる。
指を噛んで、先輩は声を押し殺す。
感じやすいのだろう。
歯の隙間から、時折『みーくん、みーくん』と呼んでいた。
反対の手で彼女の秘所に中指と人差し指当てた。
ショーツは濡れていた。
ぬるりとした体液。
ショーツ越しでも分かった。
こんな幼い彼女でも淫行で、身体を濡らすのかと思うと背筋がぞくりと震えた。
みき「ぬるぬるですね」
ゆき「……そこ、きたないよっ」
みき「そんなことないです」
ショーツの内側に指を差し込む。
粘液がからみつく。
彼女を押し倒して、足を開かせた。
膣に指を入れると、びくんと身体がはねた。
ゆき「なにっ……みーくん、怖いっ」
みき「怖い?」
ゆき「何してるの……?」
71:
みき「何って……ああ」
知らないのか。
みき「好きな人には、みんなこうするんですよ」
ショーツをひざ下まで脱がし、蜜壺に口をあてがった。
ゆき「っぁ……ぅううン!?」
みき「しーっ」
右手で、先輩の口を塞ぐ。
その上から先輩も私の手を握りしめる。
みき「……」
じゅるじゅると立てた音が、
トイレに響く。
やけに響く。
青臭いのに、汗のせいでどこか甘酸っぱい。
先輩の匂いが混じって、興奮した。
私の下でもがく先輩。
クリトリスに吸い付く。
魚のように跳ねた。
72:
充血して、綺麗なピンク色だった。
舌をねじ込んで吸いながら出し入れする。
ゆき「んぐっ……ンンんん!?」
太ももを閉じようとするが、
それを無理やりこじ開ける。
よがっているようにも見える。
実際、どう思っているのか。
不安を悟られぬように、私は一心不乱で舐め続けた。
みき「ゆき先輩……っ好き、好きです」
返事は聞こえてこない。
荒い息づかいと、くぐもった叫び。
私の手で乱れる先輩。
先輩。
好き。
何も知らない彼女。
快楽を植え付けて、
めちゃくちゃにしてやりたい。
しばらくして、ゆき先輩は背中を大きくのけぞり果てた。
涎をたらしてだらしなく床で息を整えていた。
私の手もべとべとだった。
みき「先輩……舐めて」
ゆき「……みーくん」
みき「舐めてください」
ゆき「う……ん」
舌先でちろちろと舐める。
くすぐったい。
73:
どういうわけか、静かになった女子トイレは物悲しくて。
冷静になっていく思考。
先ほどまでのことが、全て夢だったのではと思えてきた。
みき「もう、いいですよ」
指示通り、口を離す。
私は立ち上がった。
何を考えていたんだろう。
ほとんど無抵抗だった彼女。
今さらながら罪悪感に怯える。
ゆき「みーくん」
呼ばれて、振り向けない。
ゆき「ねえ……ってば」
みき「すいません……私」
ゆき先輩は私の手を握ってくれた。
ゆき「大丈夫だよ……」
もしかしたら、私の方が見透かされていたのかもしれない。
一度目を瞑る。
生きることへの抵抗を感じた。
それを、彼女にぶつけてしまったのだ、私は。
繋がれた手の湿っぽく温かな手のひらに、
あまりにも人間らしさを感じて、
私は泣いたのだった。
おわり
7

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