編集者「い、『イカ館の殺人』…?」綾辻行人「そうでゲソ」back

編集者「い、『イカ館の殺人』…?」綾辻行人「そうでゲソ」


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1:
編集者「マジですか?」
綾辻「ああ、既に構想は出来ていて、現在細かなプロットの構築中だ」
編集者「館シリーズ最終章、デビューからの集大成となる記念すべき作品ですよ……」
綾辻「イカ館の殺人、ふむ、ピッタリじゃないか」
編集者「ピッタリ…?」
綾辻「そうだ。僕は予てから宣言している通り、館シリーズは全10作の予定だ」
編集者「デビュー作である『十角館の殺人』から始まり、今年出た『奇面館の殺人』が9作目ですね」
綾辻「ああ、だから次は10作目となる。ほら、ピッタリじゃないか…いや、じゃなイカ?」
編集者「……どういう意味でしょう?」
2:
綾辻「ふむ、君はイカという生物を知らないのか?調理された姿しか見たことないのか?」
綾辻「最近の子供はアジは開きの姿で海を泳いでいると信じている子もいるそうだが」
綾辻「君もその類か?」
編集者「い、いえ、知ってますよ、イカの容貌くらい。でも……」
綾辻「ここまで言っても分からなイカ?じゃあ大ヒント!イカの足は何本あるでしょうか?」
編集者「そりゃあ、大抵の個体は10本ですけど……え?ま、まさか先生……?」
綾辻「そう!館シリーズも10作目!イカちゃんの足も10本!ピッタリじゃなイカ!」
編集者「……(だ、駄目だ、綾辻先生の頭が侵略されてしまってる)」
4:
綾辻「僕自身初体験となる拙著『Another』のアニメ化を通して感じたんだ」
綾辻「今の時代、古臭い本格ミステリじゃあ売れない」
綾辻「購入するのは妄信的な信者か、自称ミステリマニアか、関係者」
綾辻「もしくは小説読んでる俺カッコイイと思ってる中高生くらいだ」
綾辻「いい加減ネタも尽きてきた。毎回嫁に頼るのも忍びない。ここらが潮時だ」
綾辻「だから最後にがっぽり稼ぎたいんだ!老後を何不自由なく遊んで暮らすために!」
綾辻「どうすればもっと小説が売れるか、どうすればたくさん印税が入ってくるか」
綾辻「その答えがこの歳になってようやく分かったのだよ……」
編集者「そ、それは……?」
綾辻「『萌え』だよ」
6:
編集者「も、萌え、ですか……」
綾辻「萌えを侮るなかれ。あれは素晴らしい文化であり、日本経済の切り札だ」
綾辻「多くの萌え作品は日本の若者をはじめ、国境を越え、海外へ輸出され、支持されている」
綾辻「そして消費低迷が叫ばれる時代にて萌え商品は常に一定の経済効果をあげている」
綾辻「事実、メディアミックスして萌え化した『Another』の売り上げは上々だ」
綾辻「コミックスが売れ、関連グッズが作られ、アニメが始まり相乗効果で売れる文庫本……」
綾辻「実写映画だってすでに完成してる」
綾辻「3月にはBDやDVDも発売される。今から印税のことを考えるだけで頬の筋肉が自然と緩むよ」
8:
綾辻「それに比べて新作の奇面館はどうだ!酷評ばかりじゃないか!」
綾辻「ちょっとは意識してメイドさんキャラとか入れたのに!」
編集者「(それは、内容がイマイチだったからじゃ……)」
綾辻「やはりあんな古臭いミステリじゃ駄目だ!萌えだよ!萌え!」
綾辻「米澤穂信くんの『氷菓』もアニメ化されるらしいじゃないか。あれも一種のキャラクター萌えだろ?」
編集者「そうでしょうか……」
綾辻「それにほら、昨年一番売れた小説、東川篤哉くんの『謎解きはディナーの後で』」
綾辻「あれなんかは、まさにキャラ萌えミステリの代表だろう!」
綾辻「ドラマ化した上に続編も高評価。印税もがっぽり。ミステリとしてはイマイチにも関わらずだ」
12:
綾辻「つまり最近の読者が望んでいるのは読みやすくキャラクターに魅力のあるミステリなんだ!」
綾辻「消費者のニーズに応えるのは生産者の努めだろ」
編集者「し、しかしですね……」
編集者「あれにしたって氷菓にしたって、確かにキャラクターに重きを置いてはいますが」
編集者「一応は一般的なミステリの体裁をとっています」
編集者「綾辻先生の仰ってる萌えキャラのイカ娘を出演させるというのは話が違うのでは?」
綾辻「それは仕方がない。僕は自分で萌えキャラを考えるのが苦手なんだ」
14:
綾辻「散々言われてきた事だ。綾辻のキャラクターには個性が無い。薄い、浅い」
編集者「そう言われれば、そうですね……」
綾辻「Anotherの見崎鳴だってそう。あれはエヴァンゲリオンの綾波レイのパクリだ」
編集者「(やっぱりそうだったんだ……)」
綾辻「自分じゃ作れないから盗むしかない。しかし、それじゃあ、ばれた時に非難される」
綾辻「だからこそこそマイナーチェンジしないで、コラボという形をとることにしたんだ」
編集者「はぁ……。で、でも、極度な萌え路線に拘る事ないんじゃないですか?」
16:
編集者「本格でも京極夏彦先生の『魍魎の匣』のように漫画化・アニメ化されるケースだってあります」
編集者「(まぁ、あれもキャラクターが濃いといえるけれども)」
編集者「Anotherがヒットしたからといって、萌えなら何でも売れるというのは間違いだと思います」
編集者「単に活字離れで小説が手に取られにくくなり、漫画のほうが受けやすいというだけでは?」
編集者「世界観を壊してまで萌えに拘らなくても漫画化しやすい話とかでいいでしょう」
編集者「普通の漫画で本格ミステリやれば売れますよ!金田一少年みたいな感じで」
編集者「原作のキャラクターが弱くても漫画家のアレンジでいくらでも面白くなります」
17:
編集者「それこそAnotherだってそうじゃないですか」
編集者「鳴以外は個性の無い奴ばっかりだったのに漫画では魅力的になってます」
編集者「萌えがなくても漫画化すればアニメ化の可能性もありますし」
編集者「ある程度売り上げは期待できるんじゃないですか?」
綾辻「……君は知らないのか。私がかつて監修した『月館の殺人』を」
編集者「え?」
綾辻「萌えのない漫画だ。私なりにキャラクターは濃くしたはずなのに」
綾辻「全然売れなかったぞ。アニメ化しなかったぞ。グッズ作られなかったぞ。印税入らなかったぞ」
編集者「……すいません」
19:
綾辻「あれはあれでヒロインは可愛かったが、どうも絵柄が萌えとは言いにくい」
綾辻「笑いどころもふんだんに盛り込んだが、全体的に暗い印象は払拭できなかった」
綾辻「あの主人公がイカ娘ちゃんだったら、絶対に売れてたんじゃなイカ?」
編集者「……」
綾辻「内容だけでいえば月館の方が濃いミステリにもかかわらず」
綾辻「十角館の焼きまわしみたいなAnotherのコミックスの方が売れている」
綾辻「ひとえに萌えキャラ鳴ちゃん人気のおかげだ」
編集者「そ、そんなことないと思いますよ。ストーリーも面白いですって」
21:
綾辻「絵柄というのは重要だ」
綾辻「今回はホラー色が強い作品だったため、清原紘くんのようなリアルは絵が合っていた」
綾辻「リアルな作画だからこそ生まれる萌えというもの理解できる」
綾辻「彼が装丁のイラストを担当している『万能鑑定士Qの事件簿』も売れているのだろう」
綾辻「松岡圭祐くんの描く莉子ちゃんと凛としたイラストが絶妙にマッチしているんだ」
綾辻「だが、やはり硬い。リアルよりデフォルメされた萌え絵ではないと」
編集者「どうしてですか?」
綾辻「愛らしさが!萌え度がまるで違うだろ!」
22:
綾辻「萌えはもう市民権を得た言葉なんだ。ご当地ゆるキャラというのが流行っているだろ」
綾辻「一般人だって萌えを欲している証拠さ。ニーズだよ、ニーズ」
編集者「ニーズですか……」
綾辻「ただし、装丁の絵が萌えというだけでは駄目だ」
編集者「と言いますと?」
綾辻「文章自体を若者受けする読みやすい文章にする必要がある」
綾辻「巷に溢れるライトノベルのような文章だ」
編集者「あー、なるほど……」
23:
綾辻「風景や建物の細かい説明や、登場人物の心情の暗喩させる表現は必要は無い」
綾辻「複雑な場面は誰かに台詞で語らせればいい」
綾辻「読みやすいというのは最低限の描写で済ませるという事だ」
綾辻「ただ誰がどんな行動をしたのかだけ分かればいいのだ」
綾辻「しかし難しい表現を避け、簡単な言葉しか使わないということではない」
綾辻「彼らは意外に難解な漢字を知っていて、あえて一般的でない表現を好むのだ」
綾辻「一つ一つの文章に余計な情報や比喩を入れ、回りくどい表現を用いる」
綾辻「無意味な横文字や専門用語を多用しウィットに富んだ文章にする必要もある」
綾辻「存外難しいものだぞ」
24:
編集者「つまり、本格で続けてきた館シリーズを最後の最後でラノベに転向すると?」
編集者「ありえない……」
綾辻「ラノベを馬鹿にするなよ」
綾辻「西尾維新くんを見たまえ」
綾辻「小説に固定ファンがいて、何作もアニメ化していて、ともに売り上げも好調」
綾辻「原作を担当している『めだがボックス』だって人気じゃないか」
綾辻「よくもまぁ次から次へと萌えキャラクターを生み出せるものだと感心させられる」
綾辻「彼が僕の目指す理想の作家像と言えるだろう。印税がっぽりなんだろうな、羨ましい」
綾辻「やっぱり萌えなんだよ、萌え」
綾辻「というわけで次は『イカ館の殺人』で行くゲソ。文句なイカ?」
編集者「(もう勝手にしてくれ……)」
25:
綾辻「そういった訳で、次は『イカ館の殺人』に決まったよ」
イカ娘「おぉ!凄いゲソ!人類侵略の大きな足掛かりになるじゃなイカ!」
綾辻「喜んでもらえて僕も嬉しいよ」
イカ娘「さっそくえいこたちに報告してくるゲゾ!」
綾辻「ああ、そうするといい」
小野不由美「(あの人、また人形に話しかけてる……)」
綾辻「さて。イカ娘ちゃんのためにも早く執筆に取り掛かろうじゃなイカ!」
26:
そして2016年、夏――
ファン待望の館シリーズ最終作『イカ館の殺人』が書店に並べられるやいなや
各メディアに取り上げられ、著者の目論見どおり飛ぶように売れた。
重版も追いつかず、入荷した翌日には店頭から姿を消す。
その異質でセンセーショナルな作風は、ミステリ業界に、出版業界に衝撃を与えた。
賛否両論、賞賛の声と罵声が入り乱れ、2chミステリー板の綾辻スレは大荒れに。
新本格ミステリの草分としてデビューした綾辻行人の作家人生は
萌本格ミステリという次世代の一大ムーブメントを起こし、その幕を下ろした。
27:
その年の冬、都内の病院にて
彼は「僕の人生においてすべき事はもう残されていない」と言い残し
家族や知人の見守る中、穏やかな表情で深い眠りに着いた。
傍らでは例の人形が常に彼を見守ってたという――
イカ娘「おお!人間どもがみな私が主役の本を夢中で読んでいるゲソ!」
イカ娘「これは人類侵略したと言ってもいいんじゃなイカ?」
綾辻「ふふ、そうだね」
2

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