【艦これ】比叡「司令のことを考えると眠れない」back

【艦これ】比叡「司令のことを考えると眠れない」


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比叡「ふわぁー……」
比叡「…………zzz」
霧島「……比叡姉様?」
比叡「っは! 寝てません、寝てませんってば!」
霧島「いや、寝てたでしょう。任務を終えての帰り道とはいえ、油断されては困ります」
比叡「ゴメン。……実は最近、夜中に眠れなくて」
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3: 以下、
霧島「何か悩み事でも?」
比叡「うーん、そういう訳じゃないんだけど……司令のね」
霧島「司令?」
比叡「うん。司令のことを考えてると、全然寝付けなくて」
霧島「…………」
比叡「司令はもう寝たかなーとか、明日は何で勝負しようかなーとか、いつもどんなことを考えてるのかなー、とか」
霧島「…………」
4: 以下、
比叡「自分でもわっかんないんだよねー……何でこんなにモヤモヤしちゃうのか」
霧島「……比叡姉様」
比叡「ん?」
霧島「私の計算によるとそれは…………恋、ですね」
比叡「恋ぃ?」
霧島「はい。恋です」
比叡「…………」
5: 以下、
比叡「…………ぷっ」
霧島「姉様?」
比叡「あははははっ、ないない、私が司令に恋なんて?」
霧島「えっ」
比叡「だって、私は金剛お姉様をこの世で、一番愛してるんだよ?」
比叡「それなのに司令みたいな冴えない人を好きになるなんて……うん、やっぱありえないと思う」
霧島「いえ、姉様……」
6: 以下、
比叡「はあ?、霧島に思いっきり笑わされたから、何かお腹減ってきちゃった」
比叡「帰ったら司令とお昼食べに行こーっと」
比叡「ふんふん?♪」
霧島(…………もしや、比叡姉様は)
霧島(生まれた時からずっと金剛姉様を慕っていて……男性を好きになった経験がないのでは?)
7: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「艦隊、帰投しましたー!」
提督「お帰り。ご苦労様」
比叡「ふっふっふ……今日の勝負も私の勝ちですね、司令」
提督「なに……?」
比叡「今回の任務……この比叡が! MVPを! 取りましたぁ!」
提督「おおー」パチパチ
8: 以下、
提督「ここのところ、出撃するたびにMVPじゃないか? よくやってくれているな」
比叡「ふふん、もっと褒めてくれてもいいんですよ?」
提督「よーし、すごいぞ比叡。偉い偉い」ナデナデ
比叡「へへ……」ニヘラ
9: 以下、
比叡「……っは! そ、そういうのはいいですから! 金剛お姉様にしてあげて下さい!」
提督「おっと……すまんすまん」
比叡「あ、そうだ。私お腹が空いてたんだった。MVPのご褒美にお昼おごって下さいよ、司令?」
提督「よかろう。お安い御用だ」
比叡「やたっ」
10: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「おっごり?、おっごり?、司令のおっごり?♪」
比叡「何食べようかな?」
提督「間宮さん、俺『六駆カレー』大盛ね」
間宮「は?い」
11: 以下、
比叡「司令、いつもそれですね?。カレー、お好きなんですか?」
提督「ん……まあ、そうだな」
比叡「ふーん……」
比叡「…………」
比叡「……よし決めた! 間宮さん、和風ハンバーグ定食の中盛と、間宮印のたいやき二つ下さい!」
間宮「毎度ありがとうございま?す」
12: 以下、
提督「比叡はハンバーグ好きだよな」
比叡「はい! 艦娘になれてよかったことの一つは、昔はなかったこうした美味しい料理を食べられることですね?」
比叡「あと、グラタンとかオムライスとか……そしてやっぱり甘い物なんかが好きです」
提督「ははっ、なんか男の子みたいだな」
比叡「(ムッ)……それって、暗に私が子どもっぽくてガサツだって言ってます?」
提督「ん? いや、そんなことはないぞ。無邪気でおおらかなのが比叡のいい所だ」
比叡「…………そ、そーですかぁ?」テレ
13: 以下、
提督「ああ。比叡の明るさにはいつも助けられている」
比叡「や、やだなぁ。褒めすぎですよぉ」テレテレ
提督「俺は本心から言ってるぞ」
比叡「……てへへ」
提督「食い終わったら午後からの執務も頼むぞ、比叡」
比叡「…まっかせてぇ!」
14: 以下、
 ・
 ・
 ・
提督「…………」カキカキ
比叡「…………」ペラ
提督「…………」ガサゴソ
比叡「…………」ジー
15: 以下、
提督「……ん? どうした、比叡」
比叡「はぇっ!? な、何ですか?」
提督「いや、今こっちを見てただろう?」
比叡「そ、そうでしたか? えーっと……疲れてちょっとぼーっとしてたのかなー、あはは……」
提督「そうか? じゃあ少し休憩するか。……ちょうどそろそろ」
16: 以下、
 (ガチャリ)
金剛「Hey! テートク、ヒエイー! 少しTea breakしてはどうデスかー?」
比叡「お姉様!」パアァァ
提督「いつもすまんな、金剛」
金剛「問題Nothing! 可愛い妹と、そして…」シナ
17: 以下、
金剛「愛しのテートクのためなら、なんてことないネー」サワサワ
提督「……おいおい、金剛。紅茶の差し入れには感謝するが、執務中にそういったことは控えてくれ」
金剛「Mmm...テートクは相変わらず身持ちが固いネー。まあそこがまたいいんだけどネー」
比叡「あははっ――」
18: 以下、
 (モヤ…)
比叡(ん……?)
提督「? 比叡?」
比叡「あ、いえ……なんでも……」
金剛「さあ、美味しいTeaをゴチソウしますヨー」
比叡「ありがとうございます、お姉様……」
金剛「……?」
19: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「…………」ガチャリ
霧島「ああ、姉様。執務お疲れ様です」
比叡「…………」
霧島「比叡姉様?」
比叡「……ああ、うん。私、今日はもう寝るね……」
霧島「え? ちょっと、姉様?」
比叡「…………」パタン
20: 以下、
比叡「…………」ドサッ
比叡(今日も、楽しかったな……)
比叡(午前の出撃ではMVPを取って、司令と一緒にお昼を食べて)
比叡(秘書艦の仕事をして、お姉様と司令と三人でお茶をして……)
比叡(楽しそうにしている、お姉様と司令――)
21: 以下、
 (ズキ…)
比叡(……そう、今日は楽しい一日だったんだ。……胸が痛んでなんて、いない)
比叡(寝よう……今日こそ寝よう……寝れば何も考えなくてすむ……)
22: 以下、
 ・
 ・
 ・
 ――数日後
比叡「はぁ……」
比叡(今日は秘書艦の当番でもなければ、出撃のメンバーにも入っていない)
比叡(半ば休日のような気楽な日だが、天気は陰鬱な雨)
比叡(そしてあの日から、私の心には澱〈オリ〉が溜まり続け、相変わらず眠れぬ夜を過ごしている)
23: 以下、
比叡「はあぁ……」
金剛「ヒエー、溜息なんて吐いて、どうしたネー」
比叡「お姉様……」
比叡(大好きな金剛お姉様に会えたというのに、私の心は浮かばれない)
比叡(寝不足のせい……きっと、そうに違いない)
金剛「でも丁度よかったデース……実は、比叡と話したいことがありマス。私の部屋でTea timeにしまショウ」
比叡「……はい、喜んで」
24: 以下、
 ・
 ・
 ・
金剛「…………」カタ
比叡「…………」ゴク
金剛「……美味しいデスか? ヒエー」
比叡「……はい、お姉様」
金剛「そうデスか。よかったデース」
比叡「…………」
金剛「…………」
25: 以下、
比叡「……あの、お姉様。私にお話しというのは……?」
金剛「…………」
金剛「……ヒエーに三つ、聞きたいことがありマス」
比叡「……何でしょう?」
金剛「まず一つ目。ヒエーは、ワタシがテートクを好きだということを知っていマスか?」
比叡「え? それは当然。なんで今さらそんなことを……」
26: 以下、
金剛「二つ目。ヒエーは、ワタシのことが好きデスか?」
比叡「そ、そんな、お姉様。突然そんな……///」
金剛「どうなのデスか?」
比叡「う?……はい。比叡は金剛お姉様が、大、大、だ?い好き! です!」
金剛「そうデスか……ありがとう、ヒエー」
比叡「い、いえ///」
27: 以下、
金剛「……それじゃあ三つ目デース。ヒエーは……」
比叡「…………」
金剛「……ヒエーは……好きデスか?」
比叡「……?」
28: 以下、
金剛「……テートクのことが」
比叡「……え」
金剛「……どうなのデスか。テートクを好きなワタシを好きなヒエーは、それじゃあテートクのことはどう想っているのデスか」
比叡「わ、私が……司令を……好き?なんて、そんなこと……ありえな……」
金剛「…………」ジッ
29: 以下、
比叡「ありえ……ありえな……っ……」
比叡(…………言えない)
金剛「……答えて下サイ、ヒエー!」
比叡「――っ!」ダッ
金剛「ヒエー!」
比叡(言えない言えない言えない、絶対に、言えない!)
30: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「っはー、はー、はー……」
比叡(金剛お姉さまの前から逃げ出した私は、いつの間にか埠頭に来ていた)
比叡(相変わらずしとしとと雨が降り続き、私の服や髪を濡らしていたが、そんなことが全く気にならないほど私の心は動揺しきっていた)
比叡(金剛お姉様に……気付かれた)
31: 以下、
比叡(――気付かれた? 気付かれたって何? 傷付けたじゃなくて? 何を気付かれた?)
比叡(私は金剛お姉様が好きで、金剛お姉様は司令が好き)
比叡(私にとって司令は、信頼できる上司で、金剛お姉様を巡るライバル。それだけの関係)
比叡(それだけ――だった、のに)
比叡(司令の姿……司令の声……司令の優しさ……)
32: 以下、
比叡「――司令」ギュッ
比叡(声に出したその瞬間、心の内から切なさが溢れ出し、私は思わず自分の身を掻き抱いた)
比叡「私、本当に馬鹿だな……」
比叡「私は、司令が…………」
比叡「……好き、なんだ……」
比叡(金剛お姉様を好きなのと同じくらい……いや……きっと、それよりも)
33: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡(……どのくらい座り込んでいたのだろう。いつの間にか雨は止み、鮮やかな夕焼けが水平線に沈もうとしていた)
金剛「……探しましたヨ、ヒエー」
比叡「金剛……お姉様……」
金剛「答えは……出ましたカ?」
34: 以下、
比叡「…………」
比叡「……はい」
金剛「…………」
比叡「私は、やっぱりお姉様が好きです。そして……」
金剛「…………」
35: 以下、
比叡「……そしてそれ以上に、司令が……司令のことが、好き、です」
金剛「……そうデスか」
金剛「……でも、ヒエーは優しい子デスから、きっとテートクを私に譲ってくれマスよね?」
比叡「…………」
比叡「……例え金剛お姉様が相手でも、それはできません」
金剛「…………」
比叡「金剛お姉様には……絶対に……負けません……!」
36: 以下、
金剛「…………」
金剛「オーケイ、それが聞きたかったデース」
比叡「え……?」
金剛「ヒエーがそれだけ強くテートクを想っているのなら、私はテートクを諦められマス……」
比叡「そんな! どういうことです!?」
37: 以下、
金剛「……いつも見ていれば解りマス。テートクはきっと、ヒエーのことが好きネ」
比叡「そんなこと……!」
金剛「解るんデス」
比叡「……なぜ?」
金剛「女の勘……それと年の功、デスかね」
38: 以下、
金剛「とにかく、テートクは私の妹が好きで、私の妹もテートクが好き。これが事実デス」
金剛「それなら姉である私は、可愛い妹と愛しい人のために、身を引きマス」クル
比叡「……お姉様」
金剛「比叡、しっかりやりなさいね」スタスタ
比叡「…………はい」
比叡(立ち去るお姉様の頬に、透明な雫が流れるのが見えた気がして、私はそっと頭を下げた)
比叡「ごめんなさい……それと、ありがとう、ございます……」
39: 以下、
 ・
 ・
 ・
 ――さらに数日後
金剛「――で?」
比叡「……はい?」
金剛「『……はい?』じゃないネー! テートクとはどうなってるデース!」
比叡「え、えと、そのう……」
金剛「…………」
比叡「……特に、何も」
金剛「っかー! 人がせっかく背中を押してあげたのに何デスかー!? その体たらくWaaa!」
40: 以下、
比叡「そ、そんなこと言われたって……異性へのアピールの仕方なんて解らないし、そもそも恋心を自覚したのだってつい先日だし……」ゴニョゴニョ
金剛「Ahaaaa、じれったいネー!」
金剛「……ヒエー」ガシッ
比叡「は……はい」
金剛「もう一度だけ、チャンスをあげマス。今度ヒエーが何のActionも起こさなかったら、ヒエーの戦意喪失と見なして私もテートクへのアピールを再開しマスからネ。いいデスね?」
比叡「んぐ……わ、解りました……」
41: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「――と言っても、本当にどうしたらいいのか……」トボトボ
鳳翔「――あら、比叡さん。どうかされましたか?」
比叡「あ、鳳翔さん……」
比叡「…………」ジー
鳳翔「……な、何ですか?」
42: 以下、
比叡(鳳翔さんと言えば、間宮さんと並ぶ鎮守府屈指の家事上手)
比叡(さらにその年齢不詳めいた雰囲気で、軍の内外を問わずファンが多い……らしい。青葉から聞いた話だけど)
鳳翔「あ、あの、比叡さん? そうまじまじと見つめられると……なんだか、照れてしまいます///」
比叡(うーん、女の私から見ても可愛い。すごく可愛い)
比叡「……鳳翔さん!」ガシッ
鳳翔「は、はい?」
比叡「私に……家事を仕込んでください!」
鳳翔「え……ええ?」
43: 以下、
鳳翔「――なるほど。つまり、提督に女の子らしいところを見せたいと」
比叡「う……は、はい///」
鳳翔「……解りました。そういうことであればこの鳳翔、微力ながらお力添えいたします」
比叡「! 鳳翔さん……」
鳳翔「短時間なので、少し厳しく行きますが……よろしいですね?」
比叡「……はい!」
比叡「気合! 入れて! よろしくお願いします!」
44: 以下、
 ・
 ・
 ・
鳳翔「――古来より、男性の心を掴むにはまず胃袋を掴め……と言われています」
鳳翔「今回は、お料理に絞って腕を磨きましょう」
比叡「はい!」
鳳翔「比叡さん、何か希望される料理はありますか?」
比叡「特にはないですけど……でも、うーん……」
45: 以下、
比叡(…………あっ)
比叡「それじゃあ、カレーの作り方を教えて下さい」
鳳翔「カレー、ですか? 私は構いませんが……もう少し、凝ったものでなくてもいいのですか?」
比叡「はい。カレーでお願いします」
鳳翔「解りました。それでは、私は普通に調理をしますので、見よう見まねで付いてきて下さい」
比叡「えっ」
鳳翔「言ったでしょう? 厳しく行きます、と」
比叡「ひ……ひえぇ……」
46: 以下、
 ・
 ・
 ・
鳳翔「野菜の切り方が雑過ぎます! 食材の特徴を頭に入れて!」
鳳翔「水を入れるのがすぎます! 玉葱を飴色になるまで炒めて!」
鳳翔「ぼーっとしていてはいけません! 煮立ったらちゃんとアクを取って!」
鳳翔「まだ火を止めてはいけません! 弱火にしてじっくり煮込んで!」
47: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「……ひえぇ」
鳳翔「……ふぅ。お疲れ様でした」
比叡「あ、ありがとうございました……」
鳳翔「今日お教えしたのは基礎中の基礎。またいずれ、続きをお教えしますね」
比叡「は……はい」
鳳翔「ふふっ。それじゃあ……頑張って下さいね」
比叡「……はいっ」
48: 以下、
比叡(さて、じゃあ早司令に……)
比叡(……でも待てよ。鳳翔さんのおかげで立派なカレーになったとはいえ、このままでは何の変哲もないただのカレー)
比叡(こんな何のひねりもないもので、司令に喜んでもらえるだろうか?)
比叡「どうせなら……(サッサッ)自分なりに工夫して……(ゴリゴリ)私好みの味に……(トポトポ)」
比叡「できた! 比叡特製、超激辛カレー!!」
比叡「よ?しっ……」
49: 以下、
 ・
 ・
 ・
 (コンコン)
比叡「司令? いらっしゃいますかー……?」
提督「おう、比叡。どうした?」
比叡「まだ執務中ですか?」
提督「ああ。提出しなきゃならない書類が溜まっててな」
比叡「そうですか…ちなみに、今日はお夕食は…?」
提督「そう言えばそんな時間か……腹ペコだ」
50: 以下、
比叡「! で、でしたら……でしたら、そのぅ……」
提督「?」
比叡「カレーが……えーと……そう、カレーを作り過ぎちゃって! よ、よかったら食べて頂けないでしょうか?!」
提督「カレー……比叡の手作りか?」
比叡「は、はい……」
提督「……ありがたい、貰おうか」
比叡「……はい、今お持ちします!」
51: 以下、
比叡「(コト)……ど、どうぞ」
提督「ありがとう……うん、美味そうだ」
提督「では、いただきます」
 (パク、モグモグ)
提督「む…………」
比叡「…………」
 (ゴクリ)
52: 以下、
比叡「……どう、ですか?」
提督「う、む……」
 (モグ…モグ…)
比叡(無言……)
 (…モグ)
提督「…………」
53: 以下、
比叡「…………」
比叡(まだ半分以上残ってるけど、スプーンが動いていない……)
比叡(…………)
比叡「……もう、いいですよ」
提督「! いや、まだ……」
比叡「……いいんです! 無理してまで食べないで下さい……!」ダッ
提督「あっ、おい……待て! 比叡!」
54: 以下、
比叡(……私ってば、いつもこうだ)
比叡(気合を入れれば入れるほど、空回りして)
比叡(司令に失望されたかな……)
55: 以下、
 ・
 ・
 ・
鳳翔(あら? こんな時間に食堂の明かりが?)
比叡「はぁ……」
鳳翔「……比叡さん?」
比叡「……鳳翔さん」
比叡「……失敗、しました」
鳳翔「え?」
56: 以下、
比叡「…………」スッ
鳳翔(カレーのお鍋?)チョイ、ペロッ
鳳翔「ん……かなり辛口ですけど、おいしいですよ?」
比叡「……いいですよ、気を使ってくれなくて」
鳳翔「いえ、本当に……」
比叡「……いいんです」
鳳翔(うーん、何があったかは解りませんが重症ですね……私ひとりの言葉では、信じてくれそうにありません)
57: 以下、
鳳翔「……あ、間宮さん、丁度よいところへ」
間宮「あら鳳翔さん、それに比叡さんも。どうされました?」
鳳翔「ちょっと、味見して頂けませんか?」
間宮「いい香り……カレーですね?」ペロッ
間宮「ふんふん……荒削りですけど、スパイスの効いたいいお味ですね」
鳳翔「ほら、比叡さん、ね?」
58: 以下、
比叡「……でも、司令には半分も食べてもらえませんでした……」
鳳翔「…………」
間宮「ん? このカレー、提督にお出ししたんですか?」
比叡「はい……」
間宮「あー……えーと……」
間宮「比叡さん、実はですね……」
59: 以下、
間宮「実は提督……辛いのが苦手なんです」
比叡「…………え?」
比叡「じ、じゃあいつも食べてるあのカレーは?」
間宮「辛いのはダメでもカレー自体は大好きみたいで、あのカレーは駆逐の娘たち用の甘口カレーなんです」
比叡「…………え? え?」
鳳翔「そうなのですか?」
間宮「はい。一度普通のカレーをお勧めした際に、こっそり教えて下さったんです」
60: 以下、
比叡「そ……そんな……」
鳳翔「すみません、比叡さん。私がそのことを知っていれば……」
比叡「そんな! 鳳翔さんは何も……私が、司令のことを考えずに暴走したから……」シュン
間宮「……比叡さん、今からでよければ、甘口カレーの作り方をお教えしますよ?」
鳳翔「私もお手伝いします。……もう一度、がんばりましょう?」
比叡「間宮さん……鳳翔さん……」
比叡「……はい。ご教授……お願いします……!」
間宮・鳳翔「ええ、喜んで」
61: 以下、
 ・
 ・
 ・
比叡「できた……」
間宮「教えた私が言うのもなんですが、とてもいい出来ですよ」
鳳翔「ええ、先ほどにも増して気合が入っているのを感じました」
比叡「お二人のおかげです……本当に、ありがとうございました」
鳳翔「いいえ、比叡さんの努力の結果ですよ」
間宮「その通りです。さ、もう一度提督のところへ――」
62: 以下、
提督「比叡! ここにいたのか……」
比叡「! 司令……」
提督「…………」
比叡「…………」
提督「その……」
比叡「あの……」
63: 以下、
二人「さっきは、すまん!」「さっきは、すみませんでした!」
二人「「……え?」」
比叡「私、本当は司令のためにカレーを作ったのに、好みも何も考えないで……」
提督「せっかく比叡が作ってくれたカレーなのに、目の前で残してしまって……」
比叡「で、でも、間宮さんと鳳翔さんに教わって甘口で作り直したんです! これを……これを食べて下さい!」
提督「いや、悪いが……」
比叡「え……」
64: 以下、
提督「……さっきのカレーがまだ残っているだろう? もう一杯もらえないか」スッ
比叡「え……もしかして今まで、あのカレーを食べてたんですか!?」
提督「ああ。時間がかかってしまったが……」ヒリヒリ
比叡「う……」ジワ
提督「お、おい、比叡?」
65: 以下、
比叡「司令は……何で司令は、そうなんですかぁ……」グス
提督「ひ、比叡、泣くな……泣くなって」
鳳翔「……提督、女の子を泣かせたらどうすればいいか……お解りですよね?」
間宮「私たちは失礼しますので。それでは……」
提督「…………」
提督「比叡……」ギュ
比叡「司令……司令ぃ……」ギュッ
66: 以下、
 ・
 ・
 ・
提督「……落ち着いたか?」
比叡「ん……すみません」
提督「構わんさ」ポンポン
比叡「…………」
67: 以下、
提督「…………」
比叡「……あの、司令」
提督「なんだ?」
比叡「私は……」
提督「…………」
68: 以下、
比叡「……私は、司令のことが好き、みたいです」
提督「……そうか」
比叡「はい……」
提督「……嬉しいよ。俺も、ずっと比叡が好きだったからな」
比叡「本当、ですか?」
提督「ああ」
69: 以下、
比叡「でも私、金剛お姉様みたいに美人じゃないし、鳳翔さんや間宮さんみたいに料理も上手くないし」
比叡「それに、司令への好意をずーーっと自覚できないくらい馬鹿だし……」
提督「俺の中での比叡は、誰にも負けないくらい可愛くて、誰にも負けないくらい努力家で」
提督「そして、無愛想な俺のことを好きだと言ってくれる、最愛の人だ」
比叡「司令……」
70: 以下、
比叡「そんなこと言われたら……また泣いちゃいますよ……」
提督「なら、また抱きしめてやるよ」ギュ
比叡「……今度は、抱きしめられたくらいじゃ泣き止まないかもしれません」
提督「……比叡は、意外と欲張りなんだな」
比叡「はい……私は、欲張りなんです……」
71: 以下、
比叡(司令を、今すぐ私のものにしたい。そう思ってしまうぐらい……)
提督「比叡……」
比叡「司令……」
比叡(…………えいっ)チュッ
提督「! …………」
比叡「…………っん」
提督「…………」
72: 以下、
比叡「…………司令」
提督「……うん?」
比叡「……負けませんから」
提督「……?」
73: 以下、
比叡「司令がどんなに私のことを好きでも」
比叡「私はそれよりもっともーっと、司令のことを好きでいますから、ね」
提督「…………はははっ」
提督「俺も……負けないからな」
比叡「……はいっ」
74: 以下、
比叡(絶対に、負けません……あなたが、私の未来を示してくれるなら……)
比叡(どんなことがあっても……比叡は、負けません)
比叡「司令……」ギュ
比叡「司令司令司令っ」ギュウ?ッ
比叡「――大好きです、司令!」
 ひとまず 完
75: 以下、
書いてる分(本編)はここまでです
明日気が向いたら、ちょっとだけおまけを書くかもです
78: 以下、

比叡かわいい
80: 以下、
すっきり読めて乙
この比叡素晴らしいじゃないか
81: 以下、
比叡が可愛くてつらい
82: 1 2015/07/13(月) 22:56:50.37 ID:9F+9NTxv0
こんばんは、>>1です。読んでくださった皆さんありがとうございます
自分で読み返してると拙い部分ばかりが目に付くので、かわいいとか言って頂くと本当に嬉しいです
それではちょろっとおまけを書いてみます
リアルタイムで書くのは初めてなのですが、たぶんスピードは遅いです。気長に構えておいて下さい
83: 1 2015/07/13(月) 23:04:49.98 ID:9F+9NTxv0
 おまけ1・比叡と提督とカレーライス
 ――ある日
比叡「司令、お昼できましたよ?」
提督「おう」
比叡「(コト、カチャカチャ)……さ、どうぞ」
提督「今日もカレーか」
比叡「はい。今日は、夏野菜のカレーです」
提督「ふむ……いただきます」
84: 1 2015/07/13(月) 23:17:24.61 ID:9F+9NTxv0
提督「うん……トマトがいい感じに利いてるな」
比叡「あ、解ります? 今日のカレーは水をあまり入れず、野菜の水分を活かしてみたんです」
提督「なるほど……鳳翔と間宮に教わってるだけあって、めきめきと料理の腕を上げてるな」
比叡「えへへ……司令が毎日、おいしいって言ってくれるからですよ」
提督(あ、その表情可愛い)
提督「……ところで、カレー以外の料理はどうなんだ?」
比叡「うっ!」
85: 1 2015/07/13(月) 23:25:45.81 ID:9F+9NTxv0
提督「……その反応からすると、芳<カンバ>しくなさそうだな」
比叡「うぅ……カレーはほぼ毎日作ってるので自分でも自信が付いたんですけど……」
比叡「それ以外の料理だと、レシピを見ながらでもなぜかどこかでドジをしてしまって……」シュン
提督「……まあ、焦らずゆっくり経験を積んでいくしかないだろう」
比叡「んん……でも……」
提督「……?」
86: 1 2015/07/13(月) 23:32:51.28 ID:9F+9NTxv0
比叡「……レパートリーが充実する頃には、お婆ちゃんになっちゃってるなんてことになったら……」
提督「……さすがに、それはないだろう」
比叡「そりゃあ、もしもの話ですけど……でも、もしもそんなことになったら……」
提督「なったら?」
比叡「お婆ちゃんになった私じゃ、その……し、司令に……貰ってもらえない、じゃないですか……」
提督「…………」
87: 1 2015/07/13(月) 23:39:05.46 ID:9F+9NTxv0
提督「……比叡」
比叡「はい……?」
提督「そんな心配なら、無用だ」
比叡「……司令は、お婆ちゃんになった私でも、貰ってくれるんですか?」
提督「そんなわけなかろう」
比叡「(グサッ)……うぅ、そんな」グス
比叡「いやです、司令……見捨てないでぇ……」
88: 1 2015/07/13(月) 23:45:13.48 ID:9F+9NTxv0
提督「勘違いするな、比叡」
比叡「……ふぇ?」
提督「俺が、お婆ちゃんになるまで長い間、比叡を独り身にしておくわけがないだろう」
比叡「……へっ?」
提督「料理のできるできないは関係ない。俺が比叡と一緒になりたいと思ったら、その時にお前を貰う」
提督「……それだけのことだ」
89: 1 2015/07/13(月) 23:50:59.77 ID:9F+9NTxv0
比叡「…………」
比叡「……司令ぃ」グス
提督「……よしよし」ポンポン
比叡「……カレーしか作れない私でも、本当に大丈夫ですか……?」
提督「比叡のカレーなら、毎日食っても飽きんさ……というか、実際に毎日食ってる」
90: 1 2015/07/14(火) 00:17:38.39 ID:5rOPLqh60
比叡「んん……でもでも、やっぱり私、司令にもっといろいろなものを作ってあげたいです」
比叡「間宮さんの作るお味噌汁や、鳳翔さんの作る肉じゃがに負けないお料理を、食べさせてあげたいです!」
提督「……うん、その気持ちは嬉しいよ」
提督「……比叡のそういう優しさと努力が、俺は好きなんだ」
比叡「ひえっ!?」
91: 1 2015/07/14(火) 00:38:59.41 ID:5rOPLqh60
比叡「も、もう! 最近の司令は、すぐそうやって歯の浮くようなことを言うんですから!」
提督「……自分に正直になっただけなんだが」
比叡「????」
比叡「っとにかく! これからも料理の練習は続けますから!」
比叡「いつか絶対、司令を驚かせてみせますからね!」
提督「ん……楽しみにしてるよ」
比叡「……負っけないんだからぁ?!」
 比叡と提督とカレーライス 了
93: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 00:46:24.80 ID:5rOPLqh60
案の定時間がかかったので今日は一編のみで寝させて頂きます
あと1、2編くらいは書くつもりです
95: 以下、

あまり見ない比叡主役素晴らしい
98: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 20:29:27.75 ID:5rOPLqh60
 おまけ2・比叡と提督と姉妹艦
 ――ある日の午後
提督「…………」カキカキ、ポン
提督「これ頼む」
比叡「はい」バサ、トントン
提督「んんん……ひと段落ついたか」ゴキゴキ
比叡「お疲れ様です、司令」
99: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 20:35:20.59 ID:5rOPLqh60
提督「ちょっと休憩したいな……すまんが、茶を入れてくれるか?」
比叡「はい、少々お待ちを……」
比叡「……あ、そうだ」
提督「ん?」
比叡「そういえば今日はですね……お姉様と榛名と霧島、三人ともお休みなので」
比叡「お姉様の部屋でお茶会をしてるはずなんです。せっかくだから、そちらに顔を出してみませんか?」
100: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 20:42:40.64 ID:5rOPLqh60
提督「お茶会……そんなことをやっていたのか」
比叡「姉妹艦だけのささやかなものですけどね」
比叡「全員の休みが合うことってあまりないので、お互いの近況報告なんかも兼ねて」
提督「なるほどな。……しかし、そんな場に俺が顔を出しても構わんのか?」
比叡「そんな大仰なものじゃないですから……誰も気にしませんよ」
比叡「……そ、それに」
提督「ん?」
比叡「し、司令はもう……金剛型の身内、みたいなものじゃないですか///」
101: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 20:47:26.16 ID:5rOPLqh60
提督「……比叡も言うようになったな」
比叡「……いつものお返しですっ」
比叡「ま、それはそれとして、お姉様の部屋に行ってみましょうよ」
提督「そうだな……ちょっとお邪魔させてもらうか」
102: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 20:58:54.24 ID:5rOPLqh60
 ・
 ・
 ・
 (コンコン)
比叡「(ガチャ)お姉様、お邪魔しますね?」
金剛「ヒエー? 今日は秘書艦の当番だったのでワ?」
比叡「ちょっと休憩中でして……司令も一緒ですよ」
金剛「What!?」
提督「……よ、よう。入っても構わんか?」
金剛「あ、えと……」オロオロ
金剛「お、お二人様ご案内デース!」
榛名(金剛お姉様が取り乱してる……)
霧島(……ま、身を引いたとはいえ好いた男性に部屋を訪れられれば、そうもなるでしょう)
103: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:05:30.68 ID:5rOPLqh60
金剛「……どうぞデース」カタ
比叡「ありがとうございます!」
提督「すまんな」
金剛「い、いえ……」
提督「…………」
金剛「…………」
霧島(う……微妙な空気)
榛名(比叡姉様は……)
比叡「あー、久しぶりに飲むお姉様の紅茶は、おいしいですね?」
霧島(……能天気!)
104: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:17:31.80 ID:5rOPLqh60
金剛(……ふぅ、落ち着くデース、私)
金剛(私の今の望みは、テートクとヒエーが幸せになること……)
金剛(胸が痛まないと言えば嘘になりマスが、こうして二人の仲のいい様子を見られるのは喜ばしいことデス)
金剛「……テートクも、どうぞ」
提督「……ああ、頂くよ」
提督「…………」
提督「……うん、うまい」
比叡「ですよね! 司令もそう思いますよね! 来てよかったですね!」グッ
提督「うお、急に身を乗り出すな、危ない」
比叡「す、すみません、つい」
105: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:25:10.78 ID:5rOPLqh60
金剛「……ふふ」
提督「……金剛?」
金剛「二人が喜んでくれて……本当に、嬉しいデス」ニコ
提督「……!」
榛名(何でしょう、この……)
霧島(憂いと優しさを含んだ微笑み、例えるならば……)
比叡(まるで聖母……神々しいです、お姉様……)ポッ
提督「…………」ボー
比叡(……っは!)
106: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:37:16.90 ID:5rOPLqh60
比叡「司令! いくら金剛お姉様が美人でも、私がすぐ隣にいるのに見惚れるなんて……!」
提督「! い、いやそんなことは……」
比叡「ごまかしても解ります!」
比叡(私も見惚れてたからだけど……)
金剛「……どうどう、落ち着くデース、ヒエー」
比叡「う……お姉様」
金剛「テートクへの想いを自覚できなかったあのヒエーが、人並みに嫉妬をしていると思うと感慨深いデース」
比叡「んぐ……」
比叡(お姉様に背中を押してもらっただけに、何とも反論できない……)
107: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:41:11.89 ID:5rOPLqh60
金剛「……テートク」
提督「うん?」
金剛「オッチョコチョイで慌て者の妹デスが、幸せにしてあげてくだサイね?」
提督「……もちろん」
比叡「お姉様……」
108: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:44:59.79 ID:5rOPLqh60
榛名「……金剛お姉様、なんだか大きく見えます」
霧島「そうね……」
榛名「……比叡姉様、幸せそうです」
霧島「そうねー」
榛名「…………」
109: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:49:32.15 ID:5rOPLqh60
榛名「……榛名も、もうちょっとだけ積極的だったら」
榛名「もしかしたら、比叡姉様みたいに……」
霧島「……榛名、あなた」
榛名「! わ、私何を……黙ってて下さい、霧島!」
霧島「……いいの?」
110: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 21:53:14.98 ID:5rOPLqh60
榛名「いいんです……」
榛名「ああして、幸せそうな提督と、幸せそうな比叡姉様と、優しげな金剛お姉様がいる」
榛名「そんな風景が見られれば、十分です。……榛名は、それで大丈夫です」
霧島「……そう」
榛名「……はい」
111: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:00:00.62 ID:5rOPLqh60
金剛「ハルナ、キリシマ、何話してるデース?」
榛名「金剛お姉様……」
榛名「……何でもありません。ただの雑談です」ニコ
金剛「そうデスか? そろそろスコーンを出しマスから、どんどん紅茶のお代わりしてくだサイね?」
榛名「はい、ありがとうございます」
比叡「あ、お姉様! 私早お代わりを頂きます!」
金剛「オーケイオーケイ、パーッとやりまショウ!」
霧島(……やれやれ)
112: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:05:45.66 ID:5rOPLqh60
 ・
 ・
 ・
提督「……さて、じゃあそろそろお暇するよ」
金剛「オウ、もうお帰りデスかー?」
提督「一応、執務の途中だからな」
比叡「はっ、そうでした」
提督「おい……」
金剛「お仕事なら仕方ありまセンねー」
榛名「またいつでもいらして下さい、提督」
提督「ああ、また機会があれば、ぜひ」
113: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:08:02.90 ID:5rOPLqh60
提督「それじゃあな」
比叡「お邪魔しました、お姉様」
金剛「Bye」ヒラヒラ
榛名(ペコリ)
霧島「…………」
114: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:14:30.95 ID:5rOPLqh60
提督「……お、そうだ」
比叡「はい?」
提督「明石にちょっと話しておきたいことがあったんだ」
提督「工廠に寄っていくから、先に戻っておいてくれるか?」
比叡「解りました。作業の続き、準備しておきますね」
提督「うん、頼む」
115: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:17:07.52 ID:5rOPLqh60
提督「…………」テクテク
霧島「…………司令」
提督「ん……? 霧島? どうした?」
霧島「……司令に、どうしても伝えておきたいことがありまして」
提督「……何だ?」
116: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:23:20.97 ID:5rOPLqh60
霧島「司令が、もしも比叡姉様を捨てたら……」
提督「おい!? 何の話だ!?」
霧島「もしも、ですってば」
提督「むう……」
霧島「もしもそんなことになったら、詳しくは言えませんけど色々な理由で、困る人間がけっこういるんです」
提督「…………」
霧島「だから絶対、そんなことはしないで下さいね」
提督「言われるまでもない、と言いたいところだが」
提督「霧島にとっては重要なことなんだな?」
霧島「……」コク
117: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:27:00.57 ID:5rOPLqh60
提督「……解った。約束するよ」
霧島「…………」
提督「天地神明に誓って、比叡を捨てたりはしない。必ず幸せにする」
霧島「うん……お願いしますね」
118: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:36:54.19 ID:5rOPLqh60
 ・
 ・
 ・
霧島「…………」
霧島「はぁ……」
霧島「困る人間が『けっこういる』ねぇ……」
霧島(金剛姉様、比叡姉様、それに榛名まで……)
霧島「……私が相談する相手、いなくなっちゃたじゃない」
霧島(……まあ、比叡姉様の話を聞いた時点で諦めてはいたんだけど)
霧島「もし司令と比叡姉様が別れたら、私、本当に困りますから」
霧島「……本当にお願いしますよ、司令……」
 比叡と提督と姉妹艦 了
119: 以下、
乙です 切ない
120: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/14(火) 22:40:26.57 ID:5rOPLqh60
ジト目の比叡が書きたかったはずなのに、姉妹艦たちの切ない話になってしまいました
最後の1編はイチャラブにしてバランス取ります(?)
ラストは書き溜めてからにしますので、数日お待ち下さい
125: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:44:58.46 ID:zn8RWDlP0
ラスト1編上げていきます
おまけと言うより本編その2って感じになってしまいましたが
セリフだけでは表現しきれない部分に、少しだけ地の分を使ってます
126: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:46:35.72 ID:zn8RWDlP0
 おまけ3・比叡と提督と観艦式
 ――大規模作戦を終えた、ある日
比叡「観艦式?」
提督「名目上はな」
比叡「どういうことです?」
提督「先日の大規模作戦、比叡はじめ皆のがんばりのおかげで、うちの鎮守府が最殊勲と判定されただろ?」
比叡「提督も勲章貰ってましたよね。……どこにやったんです?」
提督「あんな虚栄の証より、名誉駆逐艦の証がほしいね、俺は」
比叡「荒〈スサ〉んでますねぇ……それで、観艦式というのは?」
提督「ああ、そうだったな……」
127: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:48:03.19 ID:zn8RWDlP0
提督「『最も戦果を挙げた艦隊に、上層部の観閲を受ける栄誉を授けるとともに、祝勝会を開きその労をねぎらう』というのが上の言い分だが……」
提督「要するに、優雅に踊って飲み食いする口実がほしいだけさ」
比叡「はあ。それじゃ、断りますか?」
提督「……そうもいかんだろう。自分から立場を悪くするのも馬鹿げている」
提督「俺は地位や名誉に拘りはないが、俺の立場が安定すればお前たちの立場も守ってやれるからな」
比叡「それじゃせいぜい、堂々とやってやるしかありませんね」
提督「……そういうことだ」
128: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:48:54.11 ID:zn8RWDlP0
比叡「そうと決まれば、さっそく詳細を詰めないといけませんね」
比叡「観艦式は規模も重要ですが、やはり最も重要なのは、物理的にも精神的にも艦隊の中心となり、一身に視線を集める旗艦――」
比叡「いやこの場合、御召艦とでも呼ぶべきですか。その人選が何より重要ですね」
比叡「見栄えを重視すればやはり大和さんや長門さん……艦隊運動であっと言わせるなら通信機器の充実した大淀……?」
比叡「いや、ここは奇をてらって空母というのも……どう思います、司令?」
提督「…………」
129: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:49:38.64 ID:zn8RWDlP0
提督「……比叡に任せる」
比叡「私に選べってことですか? さすがに無責任ですよ、もうちょっとやる気出しましょうよ?」
提督「……いや、そうではなく」
比叡「へ?」
提督「比叡に、御召艦を任せる」
比叡「……っええええええ!」
130: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:51:14.01 ID:zn8RWDlP0
提督「……そこまで驚くことか?」
比叡「いや、でも……ええ? 私?」
提督「『昔』の観艦式では、何度も御召艦を務めたんだろう?」
比叡「そ、そうですけど……ここで言う御召艦と『昔』の御召艦じゃあ役割が違いますよ……」
提督「しかしな、御召艦は式典中以外は提督に同伴すること、と言われているし」
提督「だから、最も親しみと信頼を抱く比叡にやってほしいんだが」
比叡「う……そうまで言われたら、断れませんね……」
131: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:52:32.05 ID:zn8RWDlP0
比叡「……解りました。この比叡、気合! 入れて! 御召艦を務めてみせます!」
提督「うん、頼む」
提督「それじゃあ悪いんだが、人選と艦隊行動の詳細は任せていいか?」
提督「上との摺り合わせと諸々の準備品は、俺が担当するから」
比叡「はい! 司令の名を汚さぬよう、精一杯やらせて頂きます!」
提督「いや、そこまで気負わなくてもいいが……」
比叡「いえ、やるからには! 全力で! いきましょう!」
提督「……ま、手を抜いて上にケチを付けられるのもなんだからな」
比叡「私、何だか燃えてきましたよ?!」
提督「……ほどほどにな」
132: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:53:29.24 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
比叡「……さて、司令にはああ言ったけど」
比叡「場の雰囲気的にも、司令の好み的にも派手なパフォーマンスはよろしくないだろうし」
比叡「あくまで整然と、そして堂々と、って感じになるのかな」
比叡「まずは、サポート役……供奉艦を確保しに行こう」
133: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 21:54:16.41 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
提督「……さて、比叡にはああ言ったが」
提督「公人としてはともかく、私人としては楽しみな面もあるし」
提督「早だが、明石にアレを発注しに行くか……」
137: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:00:47.11 ID:zn8RWDlP0
 ――重巡寮
比叡「うーん、誰に頼むのがいいかな……」
高雄「――比叡さん? 重巡寮にいらっしゃるなんて珍しいですね」
比叡「あ、高雄」
高雄「誰かに用事でも?」
比叡「…………」
138: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:02:16.91 ID:zn8RWDlP0
比叡(生真面目で規律に厳しい高雄)
比叡(『昔』供奉艦や先導艦を務めてもらったこともある)
比叡「……一人確保」ガシッ
高雄「……はい?」
比叡「もう一人ぐらいほしいな?。高雄は固いタイプだから柔らか目のタイプで」
高雄「……何なんですか?」
139: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:03:26.94 ID:zn8RWDlP0
古鷹「――高雄? それに比叡さん? どうかされましたか?」
比叡「……ふむ」
比叡(普段は温和だが、時に芯の強さを見せる古鷹)
比叡(彼女にも一度、供奉艦を務めてもらったことがある)
比叡「……二人とも、ちょっと来てもらっていいかな?」ガシッ
古鷹「え? ……え?」
高雄「だから、一体何なんですか??!」
140: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:04:46.53 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
比叡「――というわけなんだけど」
古鷹「はあ、なるほど」
高雄「それで、私たちに手伝ってほしいと」
比叡「二人には『昔』も供奉してもらったことがあるし……お願いできないかな?」
古鷹「私は構いませんけど……」
高雄「まあ、鎮守府の代表と思えば悪い気はしません……いいですよ、お手伝いします」
比叡「ありがと?、助かるよ」
141: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:06:14.40 ID:zn8RWDlP0
高雄「それで、具体的には何を?」
比叡「まずは、式での全体の動きかなあ。もし分散して動く場面を作るなら、二人にその指揮を任せることになるし」
古鷹「それでしたら、ひとまず私の部屋でお話しませんか?」
比叡「いいの?」
古鷹「はい。加古は今出撃中なので、空いてますよ」
比叡「それじゃ、ちょっとお邪魔させてもらうね」
142: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:09:03.12 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
比叡(――それから数週間)
比叡(高雄、古鷹と綿密な打ち合わせを行った後、選抜したメンバーを集め、毎日予行演習を繰り返した)
比叡(司令に影響されたわけではないけれども、労をねぎらうと言いつついらぬ苦労を押し付けてくる上層部は、確かに自分たちの欲求を優先させているのでは……)
比叡(……と、私自身思わないでもなかったし、実際そういう不満を口にする子もいた)
比叡(時には艦娘としての誇りのためと説き、時には間宮アイスで機嫌をとり、どうにか士気を維持しつつ、ついに式典当日を迎えた)
143: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:10:09.90 ID:zn8RWDlP0
比叡(……そういえばあれから、司令とは事務連絡ばかりであまり話をしていない)
比叡(……いや、余計なことは考えず、まずはこの観艦式を堂々とやり遂げよう)
比叡「高雄、古鷹、それに皆、準備はいいね?」
比叡「……気合! 入れて! 行くよっ!!」
144: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:11:35.16 ID:zn8RWDlP0
偉いさん「提督クン、式の開始はまだなのかね?」
提督「……もう間もなくです」
偉いさん「先ほどからそればかりではないか。いいかね、君と君のところの艦娘の交通費、それにこの後の祝勝会の料理代に演奏代、その他もろもろ、我々がいくら予算をかけたと思っとる」
提督「…………」
偉いさん「そうした厚意について慮ってだな……」
提督「…………」
大淀『大変長らくお待たせしました。只今より――』
偉いさん「おっ、いよいよかね」
提督(……観艦式を見世物か何かのように考えてるんじゃないか、こいつ)
145: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:13:10.02 ID:zn8RWDlP0
 ――艦列は総計で25隻、戦艦比叡を中心に菱形を形成する。
 その内訳は、戦艦1、重巡2、軽巡3、駆逐艦15、軽空母4。比叡の威容を際立たせるため、あえて小型艦が多目の編成となっている。
 陸上からの観閲となるため、まず右手側から左手側へ航行した後、右後方へ間をおいて二回転針。
 観覧側に正面から接近した後、9隻、8隻、8隻の三つの梯隊に別れ、それぞれが連携しつつ縦横に移動する。
146: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:14:04.54 ID:zn8RWDlP0
提督(……見事だ)
偉いさん「いやあ、なかなか見応えがあるじゃないか」
提督「…………」
比叡「…………」スッ
 ――ボン、ボンッ、ドウゥゥン
147: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:15:04.01 ID:zn8RWDlP0
偉いさん「ひっ!? 砲撃ではないか! どうなっとる、提督クン!」
提督「……落ち着いて下さい。あれは空砲です」
偉いさん「……んなこた解っとるよ!(半ギレ」
提督(しかしどういうことだ? 空砲を撃つとは聞いていないが……)
148: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:16:26.11 ID:zn8RWDlP0
比叡(…………)
 ――一瞬、提督と比叡の目が合う。
 比叡はパチッとウインクすると、再び右手で砲撃の合図を送った――
偉いさん「おい、中央の戦艦、主砲をこっちに向けとらんか!?」
 ――ボボボボボッ、ボゥンッ
149: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:17:30.00 ID:zn8RWDlP0
偉いさん「ひぃっ!?」
 比叡以外の艦からは、明石の開発したくすだま状の砲弾が発射され、辺りに紙吹雪を散らす。観客からは歓声が起こった。
 そして比叡の主砲からは――
提督「……」パシッ
150: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:19:32.95 ID:zn8RWDlP0
提督(……丸めた紙?)ガサ
 ――艦隊の勇ましさをアピールするためのデモンストレーションです。このくらいのイタズラ、許されますよね?
提督(……もう一枚は)ガサ
 ――追伸、どうしても我慢できなかったので書いちゃいます
提督「…………」
 ――鎮守府に戻ったら、ぎゅっ、てして下さい
提督「…………」ニヤ
151: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:22:04.04 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
大淀「――お疲れ様でした、比叡さん」
比叡「ありがと、大淀」
大淀「私たちはこの後自由行動になりますが、比叡さんには提督が上層部と会食するのに付き添って頂きます」
比叡「ひぇぇ、休む暇もなしか」
大淀「時間の猶予はありますが……提督がお待ちですので、本館二階の左手突き当りの部屋に向かって下さい」
比叡「はーい、了解」
152: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:23:27.30 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
比叡「二階、左手、突き当り、と……あ、ここか」
比叡「(コンコン)司令ー? 入りますよー?」
明石「(ガチャ)お待ちしてました、比叡さん!」
比叡「……あれ? 明石? 司令は?」
明石「大丈夫です、この明石が仰せつかっていますから。さ、入って入って!」
比叡「???」
153: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:24:32.93 ID:zn8RWDlP0
明石「驚かないでくださいね、比叡さん……じゃーんっ!」
比叡「はえ……?」
比叡「…………ひえええええっ!?」
明石「提督のご注文で準備いたしました……比叡さん用のドレスです!」
比叡「ま、まさかこれを着ろって言うの!?」
154: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:25:28.62 ID:zn8RWDlP0
明石「当然です。比叡さんの美しさを、バシッと見せつけてやって下さいよ?」
比叡「いやいやいや、無理無理無理!」
明石「だ?いじょうぶです。着付けもお化粧も髪のセットも、この明石にお任せください!」ワキワキ
比叡「ちょっ……待って……」
比叡「ひええ???…………」
155: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:27:45.39 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
提督「…………そろそろか」
提督「(コンコン)明石、比叡、どうだ、用意できたか?」
明石『提督ですか? どうぞ入ってきて下さい!』
比叡『えっ! 明石ちょっと待……』
 (ガチャリ)
比叡「!」
提督「……!」
明石「ふふん……どうです?」
156: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:30:03.19 ID:zn8RWDlP0
 ――比叡に用意されたのは、普段の元気一杯な雰囲気とは逆の、落ち着いた黒のロングドレス。
 露出した肩を恥ずかしがるように、手袋をした両手で自身の肩を抱いている。
 通常はピンとはねている髪先は入念に梳かれ、肩口に届くか届かないかといったところ。
 そして、いつも化粧っ気がないだけに格段に雰囲気を変えている薄化粧。白い肌、紅い唇、潤んだ瞳――
157: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:31:21.70 ID:zn8RWDlP0
提督「……綺麗だ、比叡」
比叡「…………ありがとう、ございます」ボソボソ
提督「…………」
比叡「…………」
提督「……やばい、どうしよう」
比叡「…………」
158: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:32:36.83 ID:zn8RWDlP0
提督「……このまま式場に連れて行きたい」
比叡「///」
明石「あ?、ゴホン。久方ぶりの逢瀬で燃え上がるのは解りますが、そろそろ会食に向かわれた方がいいのでは?」
提督「! そ、そうだな。行こうか、比叡」
比叡「は……はい」
明石「……後ほどゆっくりと、お楽しみ下さいね」ニヨニヨ
二人「///」
159: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:34:27.07 ID:zn8RWDlP0
 ・
 ・
 ・
 ――会食後、中庭にて
提督「はぁ?、ようやく終わった。これでしばらくあのオッサンどもの顔を見なくてすむ」
比叡「お疲れ様でした、司令」
提督「ああ。比叡こそ、十二分に頑張ってくれていくら感謝してもし足りんぐらいだ」
比叡「いえ、そんな……」
160: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:35:34.29 ID:zn8RWDlP0
提督「……それにしても」
比叡「……?」
提督「比叡がテーブルマナーや行儀作法に長けているのが……」
提督「そして今もそうだが、しとやかな振る舞いができるのが……正直、意外だった」
比叡「……御召艦ですから、これくらいは」
比叡「それと、服装のおかげですかね……」
提督「まず形から、みたいなものか……そうだ、比叡」
比叡「はい?」
161: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:36:30.21 ID:zn8RWDlP0
提督「よく似合っている……本当に、綺麗だ」
比叡「…………」
比叡(あー、どうしよう……)
比叡(胸がドキドキして、言葉が何も出てこない……)
提督「……少しフライングになるが」ギュッ
比叡「あ……」
提督「…………」
比叡「…………」
162: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:37:18.96 ID:zn8RWDlP0
比叡「……ダメです、司令」
提督「どうした?」
比叡「また、欲張りな私が出てきそうです……」
提督「……心配するな」
提督「俺ももう、我慢できそうにない……」グイ
163: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:38:07.58 ID:zn8RWDlP0
比叡「…………んっ」
提督「…………」
比叡「…………んっ、はぁっ……」
提督「ふぅ……」
164: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:39:04.30 ID:zn8RWDlP0
比叡「あ……」
提督「ん……?」
比叡「……口紅、付いちゃいました」
提督「…………」
165: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:39:58.62 ID:zn8RWDlP0
提督「……じゃあもう、何回やっても同じだな」
比叡「……そう、ですね」
比叡「…………んんっ」
提督「…………」
比叡「…………はぁぁ……」トロン
166: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:41:48.01 ID:zn8RWDlP0
比叡「…………司令」
提督「うん……」
比叡「……今度ドレスを着る時は」
比叡「……左手の薬指に、アクセサリーがほしいです」
提督「…………解った」
提督「……じゃあ……近いうちに、な」
比叡「……ほんと?」
167: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:42:38.87 ID:zn8RWDlP0
提督「ああ、約束だ……」
比叡「……約束、しましたからね」
提督「ああ」
比叡「…………」チュッ
提督「お……?」
比叡「……この首筋のキスマークが、証ですからね」
提督「……比叡は、本当に欲張りだな」
比叡「……誰のせいですか」
168: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:45:21.67 ID:zn8RWDlP0
比叡(ああ、こんなに幸せな夜を過ごしてしまったら、きっとまた――)
比叡(――司令のことを考えると、眠れない)
比叡(そんな夜を繰り返すことに、なってしまいそうだ――)
 比叡と提督と観艦式 了
 【艦これ】比叡「司令のことを考えると眠れない」
       艦!
169: 1 ◆GFAFNejGqE 2015/07/17(金) 22:50:46.04 ID:zn8RWDlP0
以上で本作は完結となります。読んでくれた皆様ありがとうございました
また気が向いた時に次回作でお会いしましょう
174: 以下、
比叡提督なんで死ぬほど悶えた
はあ、比叡かわいい・・
172: 以下、
おつおつ
綺麗な締め方素晴らしい
171: 以下、
>>1
比叡カレーを振る舞おう
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